JP2012503771A - 抗体および抗体−hivビリオン複合体を検出する方法 - Google Patents

抗体および抗体−hivビリオン複合体を検出する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は概してHIVに、特に抗−HIV抗体および抗体−HIVビリオン複合体を検出する方法に関する。
【選択図】なし

Description

この出願は、2008年9月25日に出願された米国仮出願第61/100,219号からの優先権を主張し、その全内容を本明細書に援用する。
この発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)により与えられた助成金番号UO1 AI067854の下での政府援助によりなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
本発明は概してHIVに、および特に抗HIV抗体および抗体−HIVビリオン複合体を検出する方法に関する。
予防的HIV−1ワクチンの開発は世界的な優先事項である(12)。予防的HIV−1ワクチンの開発における主な障害は、ワクチンまたは自然感染によって防御抗体を誘導することができないことである。非ヒト霊長類における研究は、広く中和する抗−HIV−1モノクローナル抗体の受動的注入はサル−ヒト免疫不全ウイルス類(SHIV類)による感染を防ぐことを示した(29,41,64)。従って、伝染の時点で十分に高いレベルの広く中和する抗体が存在するならば、HIV−1感染からの防御が可能である可能性がある。しかし、現在までに、広く中和する抗−Env抗体を一貫して誘導する免疫原配合物は存在していない。さらに、自己由来中和抗体応答は伝染の数ヵ月後まで起こらない(1,24,50,60)。最初の伝染事象の後の、その間に防御抗体がHIV−1を消滅させるチャンス(window of opportunity)は不確かであるが、HIV−1に感染したCD4+T細胞の潜在的なプールの確立より前の期間に限られそうである(34,61)。ウイルス潜伏は血清転換の時点で確実に確立されているが(6)、それは伝染の早くも数日後である可能性がある(18)。
有効なHIVワクチンの開発に対する重大な障害は、初期HIV−1株を全ての遺伝的亜型にわたって中和する抗体を誘導することができないことである(17,42)。HIV−1のエンベロープに基づくワクチンの多数の形が、まれな広く中和するヒトmAb類がそれに結合する(すなわちEnv類が抗原性である)エピトープを示すが、これらのワクチンは免疫原性では無く、動物またはヒトにおいて、中和の広さに関わっていることが示されているgp120 CD4結合部位(38)、gp41の膜近位外部領域(MPER)(44,48)に対して、またはgp120糖質Env抗原(51)に対して広く中和する抗体を誘導することに失敗している。
HIV−1の血清転換は、臨床での急性HIV−1感染(AHI)の開始から見積もった場合に、広い範囲の時間にわたって起こることが報告されている(5,30,45);しかし、特定の特異性およびアイソタイプのHIV抗体の血清転換のタイミングは、検出可能な血漿ウイルス血症の最初の時点に関して正確には定量化されていない。ウイルス感染細胞と反応する抗−HIV−1 IgMは、AHIの過程の間に検出されているが(10,11)、AHIにおけるウイルスRNAの最初の検出に関するこれらの抗体のタイミングおよびIgM−ビリオン免疫複合体の存在はまだ定められていない。自己由来中和抗体は、HIV−特異的抗体の最初の出現の数ヵ月後にようやく生じることが知られている(1,24,50,60)。HIV−1の制御における早期HIV−1抗体の役割の理解に関する重要な疑問は、第1に早期抗−HIV−1抗体の性質およびタイミングは何なのかであり、第2に伝染後のウイルスの複製の制御におけるこれらの抗体の寄与は何なのかである。
本発明は、少なくとも部分的に、暗黒期(eclipse phase)(伝染および検出可能なウイルス血症の間の時間)(19)から6〜12ヶ月の感染の確立を通しての、特定の抗エンベロープ(Env)抗体応答のタイミングを調べるため、および初期の血漿ウイルス血症の制御におけるB細胞応答の作用のモデルを作るために設計された試験に由来する。その結果は、HIV−1に対する最も早期に検出可能な抗体はビリオン−抗体免疫複合体の形であり、5日後に遊離の抗gp41 IgM血漿抗体が続くことを示している。ウイルス動態の数学的モデリングは、初期のEnv gp41抗体応答は初期のウイルス複製の制御にほとんど影響しないことを示唆している。
本発明は、抗−HIV抗体およびビリオン−抗体複合体を検出する方法を提供する。
本発明は概してHIVに関する。より具体的には、本発明は抗−HIV抗体および抗体−ビリオン複合体を検出する方法に関する。
本発明の目的および利点は、下記の記述から明らかであろう。
図1Aおよび1B。(図1A)21人のHIV+血清転換血漿の提供者パネル(暗黒期クレードB感染)のウイルス負荷の速度論を決定した。対象の整列は、VLが100コピー/mlに達した最初の日であるTによった。(図1B)ウイルス血症が最初に検出可能である日(T)と比較した、それぞれの日に試験した試料の総数を示す柱状図。ビン(Bins)は10日の間隔である。 図2Aおよび2B。(図2A)暗黒期クレードB血漿提供者のコホートにおける、抗−gp41および抗−gp120抗体応答のカプランマイヤープロット。実線は、計算されたTの後のそれぞれの時間間隔にHIV特異的抗体応答を発現する集団の増大する百分率を示す。破線は、それぞれ上限および下限の点ごとの(point−wise)信頼区間を示す。(図2B)暗黒期クレードB血漿提供者のコホートにおける、抗−Gag(p24、p17、p55)および抗−Pol(p31)応答と比較した、抗−Env抗体応答のタイミングの対での比較。実線(左から右へ)は、Tからの抗体上昇の中位日(median day)を示し、線の切れ目はそれらのTからの上昇の時間に関してグループ分けしたHIV特異的抗体応答を示す。IgG抗−gp41抗体の出現に関する中位時間は13.5日であり(図2A、左のパネル)、一方でIgG gp120抗体の出現に関する中位時間は28日であった(図2A、右のパネル)。 図2Aおよび2B。(図2A)暗黒期クレードB血漿提供者のコホートにおける、抗−gp41および抗−gp120抗体応答のカプランマイヤープロット。実線は、計算されたTの後のそれぞれの時間間隔にHIV特異的抗体応答を発現する集団の増大する百分率を示す。破線は、それぞれ上限および下限の点ごとの(point−wise)信頼区間を示す。(図2B)暗黒期クレードB血漿提供者のコホートにおける、抗−Gag(p24、p17、p55)および抗−Pol(p31)応答と比較した、抗−Env抗体応答のタイミングの対での比較。実線(左から右へ)は、Tからの抗体上昇の中位日(median day)を示し、線の切れ目はそれらのTからの上昇の時間に関してグループ分けしたHIV特異的抗体応答を示す。IgG抗−gp41抗体の出現に関する中位時間は13.5日であり(図2A、左のパネル)、一方でIgG gp120抗体の出現に関する中位時間は28日であった(図2A、右のパネル)。 図3A〜3C。抗−gp41 IgM抗体は、最初に検出可能なHIV抗体であり、自己由来gp140伝染Env(transmitted Env)またはコンセンサスEnv gp140タンパク質は、HIV感染における最初の抗体アイソタイプの検出に関して等しく感受性である。(図3A)IgM抗体、(図3B)IgG抗体、(図3C)IgA抗体が、コンセンサスgp140(ConB)または自己由来Env(6246Env)のどちらかを用いて検出された。アステリスクは自己由来gp140 Envが由来した血漿試料を示す。コンセンサスgp160オリゴマーは自己由来gp140 Envオリゴマーと同時に抗−gp41抗体を検出する。 図4A〜4D。急性HIV感染における抗−gp41特異的抗体アイソタイプの速度論。早期HIV特異的抗体応答の(図4A)連続的発現および(図4B)同時発現の代表的な例を示す。(図4C)3個のコホートのそれぞれにおける、異なる速度論的パターンを示した患者の百分率。(図4D)Gag特異的抗体応答の同時発現。IgM、IgGおよびIgAアイソタイプの抗−p55抗体を、暗黒期クレードBコホートにおける全ての対象に関して測定した。Pt.12007は、最初のRNA陽性試料および最後のRNA陰性試料の間の大きな間隔のためにTに対して整列させることができなかった。しかし、抗体陽性および抗体陰性の間の短い間隔は抗体アイソタイプの速度論の測定を可能にし、従ってそのパネルは最初のRNA陽性試料のようにTに対して整列させた。 図5。T後8.0日の中位時間において生成したHIV免疫複合体。Pts.9015、12008、9077、9079、9021および9076に関する免疫複合体の検出をTに対して整列させ、遊離抗体応答の検出と比較してプロットする。 図6Aおよび6B。T後の時点における急性HIV−1感染の間の補体結合抗体の個体発生。検出可能なHIV特異的抗体を有していた暗黒期コホートからの2人の代表的な患者(6240(図6A)、6246(図6B))を、早期ウイルス分離株HIV QH0692および実験室適応分離株HIV SF162を用いて補体活性化に関して評価した。 図7Aおよび7B。(図7A)急性感染の最初の40日以内では高ガンマグロブリン血症は観察されなかった。総抗体レベルを、最初のHIV(−)の試料およびパネル中の最後の試料(HIV+)において測定した。パネルにわたる濃度の中央値を示す。(図7B)HIV急性期ウイルス血症の間のリウマチ因子(RF)の検出。IgMリウマチ因子を、陽性リウマチ因子対照を有する標準的なELISA検出を用いて測定した。VL=RNAコピー/mlにおけるウイルス負荷。 図7Aおよび7B。(図7A)急性感染の最初の40日以内では高ガンマグロブリン血症は観察されなかった。総抗体レベルを、最初のHIV(−)の試料およびパネル中の最後の試料(HIV+)において測定した。パネルにわたる濃度の中央値を示す。(図7B)HIV急性期ウイルス血症の間のリウマチ因子(RF)の検出。IgMリウマチ因子を、陽性リウマチ因子対照を有する標準的なELISA検出を用いて測定した。VL=RNAコピー/mlにおけるウイルス負荷。 図8。標的細胞限定モデルによる、AHIにおける血漿ウイルス血症に対する抗体の作用のモデル化。標的細胞限定モデルは、9032を除く試験した血漿提供者に関して最も適合するモデルである。9032に関しては、抗−gp41 IgMおよびIgGの合計により高めたビリオン排除を用いるモデルが最高の適合を与える。 図9Aおよび9B。(図9A)HIV−1特異的抗体を特性付けるのに利用された、トリニダードトバゴコホートからの14人の対象およびCHAVI 001コホートからの10人の対象のウイルス負荷の速度論。対象の整列は、試験における登録の最初の日によった。(図9B)登録の最初の日に関する試料の分布。 図10A〜10C。対象6240からの自己由来gp140伝染EnvまたはコンセンサスEnv gp140タンパク質は、HIV感染における最初の抗体アイソタイプの検出に関して同等に高感度である。(図10A)IgM抗体、(図10B)IgG抗体、(図10C)IgA抗体。アステリスクは、gp140オリゴマーの発現のためにそれから自己由来gp140 Envを増幅、配列決定およびクローン化した血漿試料を示す。 図11。14人のCAPRISAおよび12人のトリニダードの患者での、急性感染試験における登録からの非中和性クラスターII抗−MPER抗体(cII−MPER)、Cd4iおよびCD4bs抗体の発現。 図12Aおよび12B。C14 mAbはビリオンを捕獲して免疫複合体を形成する。 図13。急性感染の早期に存在する粘膜HIV−1 gp41 Env IgM−Pt.700−01−047−0。 図14。急性感染の早期に存在する2F5エピトープに特異的な粘膜HIV−1 gp41 Env IgA−Pt.700−01−047−0。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。 図15A〜15K。(図15A〜15F)感染していない末端回腸試料(C14)に由来するC14−2 IgMの特性付け。(図15G〜15K)急性HIV−1感染を有する患者の末端回腸に由来するF3 IgMの特性付け。
本発明は、HIV−1に曝露された、および/または感染した人の血清または血漿中の特異的抗体および抗体−HIVビリオン複合体を検出する方法に関する。HIV−1の伝染は結果として特異的HIV抗原に結合する抗体の産生をもたらすことが以前に示されており、HIVに対する抗体陽性に関して検査する商業的に入手できる抗体/抗原検査が利用可能である。この発明は、遊離の抗体が現在利用可能である商業的検査により検出される前に抗体−ビリオン複合体を検出するための方法を提供する。この発明は、急性感染にある人を感染からの時間を概算することができるように段階づけることができるアッセイの開発を可能にする。
下記の実施例で記述される研究において、伝染した/起因ウイルス(founder virus)に対する初期のB細胞応答はHIV−1 gp41 Envに対するものであり、gp120に対する応答はさらに14日遅れることが示されている。初期のIgMおよびIgG gp41抗体の、血漿提供者コホートにおけるウイルス速度論に対する作用の数学的モデル化は、急性期血漿ウイルス血症の制御に対する初期の抗体応答の作用はもしあったとしてもほとんど無いことを明らかにした。
HIV−1 Envに対する初期抗体応答のタイミングおよび特異性は、いくつかの理由のため興味深い。第1に、ワクチンがHIV−1の伝染した、または起因株を消滅させるためのチャンスはおそらく極めて短く、このチャンスのタイミングはCD4+T細胞の潜伏プールの確立の時間に依存して対象ごとに異なるであろう。その曝露後の予防はアカゲザル(rhesus macaques)においてSIV負荷後24時間を越えて防御せず(18)、これはそのチャンスがヒトにおいて10日以下である可能性があることを暗に意味する(61)。さらに、Tの5〜7日前における全身性の炎症および血漿中の急性期反応物の証拠の早期出現(Kessler, B、McMichael, A、およびBorrow, P、私信)、さらにTの7日後のアポトーシスの血漿分析物の出現(22)は、ワクチンの有効性に関するこの短く見積もられたチャンスに支持を追加する。防御的であるべき抗体に関して狭い時間のチャンスが存在する可能性があるとすると、および免疫複合体が伝染の約18日後(Tの8日後、および伝染からTまでの時間を7〜21日の範囲で平均10日と見積もる(7,11,14,21,40,52))にようやく生じるとすると、HIV−1に対する最初の抗体応答は、それが伝染した/起因HIV−1株を消滅させる、または制御するために起こるべき最も適した時と比較してかなり遅れる。
この研究は、急性HIV−1感染におけるウイルス血症の初期の段階の間のビリオン−抗体複合体の最初の実証である。以前の研究は急性感染の後期に注目しておりHIV−1感染の早期において免疫複合体を見つけ出さず、むしろ慢性感染においてのみ免疫複合体を見つけ出した(16)。急性感染の間のこれらの早期免疫複合体の存在は、抗体でコートされたウイルスが感染性であるままなのかどうかという疑問を提起する;オプソニン化されたウイルスの感染性を決定するための研究が進行中である(Montefiori, D.C.、Tomaras, G.D.、Haynes, B.F.、未公開)。しかし、HIV−1の伝染の可能性は急性感染の間に最も高いことは十分に確証されている。まとめると、これらのデータは、伝染した/起因ウイルスが最初にビリオンに結合する抗体を誘導するHIV−1回避戦略は、まだ非中和性であることを示唆している。これらの初期の抗体応答が防御的である可能性があるのかどうか、ワクチンがHIV−1の伝染の後にこれらの抗体のタイミングおよび重要さ(magnitude)の早期の押し上げのために備える(prime)ことができるのかどうかを決定するために、Tの8日後に存在する免疫複合体中の抗体の特異性および結合力を解読するためにさらなる研究が必要である。
Envに対する早期のB細胞応答がgp41を選択的に認識したことも興味深い。Liらは最近、広く中和する抗体が出現する時、それらは遅く出現し、gp120上のCD4結合部位に対する抗体を含むことを示した(38)。広く中和するCD4結合部位抗体同様、MPERにおいてgp41上に広く中和するエピトープがあるが、MPERに対する中和抗体はまれにしか作られず、それらが作られる場合、生じるのに伝染後2年より長い期間を必要とする(Shen., X、Tomaras, G. D.、非公開の観察結果)。従って、伝染の間および直後に起こる宿主−病原体相互作用は、結果として宿主B細胞によるgp120の認識において、感染した細胞の潜伏プールがおそらく確立される後までの遅延をもたらす。
慢性HIV−1感染ではB細胞のポリクローナル活性化が起こり、早期HIV−1感染においても同様であることが報告されている(47)。血漿提供者においてポリクローナル高ガンマグロブリン血症は見つからなかったが、対象の約30%において血漿リウマチ因子が見つかった。従って、ポリクローナルB細胞活性化はこの自己抗体の検出により示されるように早い時期に起こり、これはおそらくリウマチ因子自己抗体の産生者であるCD5+B細胞の引き金を引いていることを示している(26)。
HIV−1の感染の後に見られるIgのクラススイッチのパターンに不均一性があったのも興味深い。対象の半分において免疫複合体は遊離の抗体と同時に出現しているため、抗HIV IgM、IgG、およびIgAの同時出現は抗体の検出を覆い隠す免疫複合体の存在によるものではありそうもないことが示されている。血漿中のIgM、IgGおよびIgA抗−HIV−1抗体の同時出現に関する他の可能性のある説明には、次のものが含まれる:HIV−1への以前の曝露、並びに、伝染後の一次T細胞独立性B1および辺縁帯B細胞の、HIV−1に対する応答(9)。
EnvおよびGagに対するIgM、IgG、およびIgAの同時出現が、対象の約60%が以前にHIV−1抗原に曝露されたことを表し、HIV−1の完全感染に対する急速な二次応答を表すのなら、その応答の変則的な見方は、抗−EnvおよびGag IgM、IgG、およびIgAの連続的出現を有する対象において一次IgM応答(T後の13.0日目)が起こるのと全く同じ時に、推定される“二次”応答が起こるというものである。同時応答が実際に、以前のHIV−1への曝露からの二次的なものであるならば、それは観察されるよりもおおよそ7日早く起こっているはずである。従って、試験したAHIの2/3より多くにおける血漿中のIgMおよびクラススイッチした抗体の同時出現は、前にHIV−1に曝露されたことを示すものではありそうもない。
ヒトおよび非ヒト霊長類の両方において、伝染のすぐ後、感染が確立した時に、CD4 Tリンパ球の重篤な枯渇があり(4,57)、それはB細胞応答の刺激のための十分なDC4の支援の不足につながり得る。大量のアポトーシスによるCD4+CCR5+ Tリンパ球の早期の枯渇は、T細胞の恒常性を変えるのに加え、さらに初期の防御的B細胞応答の抑制につながり得る(22,43)。従って、初期のT独立性抗体応答の誘発は、T細胞が枯渇した環境において、IgM、IgG、およびIgA抗HIV−1抗体の同時出現の原因である可能性がある。同様のIgM、IgG、およびIgA抗−肺炎球菌抗体の同時出現を伴うT独立性パターンが肺炎球菌ワクチンの後に起こる(9)。
血漿ウイルス血症の制御において、早期の抗体応答のあらゆる有益な、または有害な作用を決定するためには、抗体のタイミングおよびウイルス負荷の動態の両方をモデル化することが重要であった。ヌルモデルとして、体液性または細胞性免疫応答の影響を含まない単純な標的−細胞限定モデルが用いられた(53)。ウイルス負荷のピークを越えて、およびT後の40日目までに及んだVLデータが入手できた6人の血漿提供者の内の5人に関して、このモデルはVLデータとの良好な一致を与えた。それにも関わらず、抗体の様々な既知の機能効果のいずれかを組み込んだモデルを用いることによりその一致を向上させることができるのかどうかに関して問いかけがなされた。驚くようなことでは無いが、それは1人の血漿提供者9032のみに関するものであり、それに関して標的細胞限定モデルは抗体をモデル中に含めた際に向上が見られたVLデータと良好な一致を与えなかった。興味深いことに、この提供者は、ピークVLが他の提供者におけるよりも有意に低かった(3.4×10コピー/ml)点で異常であった。まとめると、これらの分析は、ほとんどの提供者に関して早期の抗体はウイルス血症の制御に関してほとんど機能的重要性を有していなかったことを示唆していた。
伝染したウイルスにより誘導される早期の抗体が何らかの抗ウイルス作用を有しているならば、血漿中の複合体化した、または遊離の抗体の出現の後に、抗体に誘導されるウイルス逃避が検出されるはずである。この点について、Keeleら(35)は最近、この報告において試験された血漿提供者に関して伝染した起因ウイルスを配列決定し、Tの14日後におけるウイルス配列がランダムウイルス進化のモデルに従っており、従って早期の抗体に誘導される選択の証拠を示さなかったことを見出した。
HIV−1に関して、抗体結合の機能的重要性にはTリンパ球またはマクロファージ上でのウイルスの中和(31,32)、抗体依存の細胞性細胞障害作用(ADCVI/ADCC)、補体に仲介される中和、抗体Fcに仲介されるエフェクター機能、ウイルス溶解(virolysis)および/またはトランスサイトーシスの阻害が含まれ得る。最近の研究(29)は、Fcγ−受容体−結合機能はウイルスの中和に必要な濃度よりも高い抗体濃度を必要とするため、異なる抗−ウイルス機能を仲介する抗体の濃度は完全なウイルス除去のための重要な考慮すべき事柄である可能性があることを示唆した。加えて、抗体および補体に仲介されるビリオンの溶解が急性感染において発現する可能性があり、それは感染の急性期の間の血漿ウイルス負荷と相関する可能性がある(33)。この抗ウイルス活性は中和抗体とは相関せず、非中和抗体の抗ウイルス構成要素であると考えられている。樹状細胞(DC)は粘膜に位置しており、そこでそれらは感染を確立するのを助ける第1の細胞型の1つであると考えられている((62)において概説されている)。急性HIV−1感染において誘発されるまさに最も早い抗体は、粘膜表面で樹状細胞においてHIV−1の感染を妨害することができるのかどうかを決定することは重要であろう。
伝染した/起因ウイルスに対する初期のB細胞応答は感染の最初の40日の間は初期のウイルスレベルを制御しないことは明らかである。しかし、ウイルスの伝染の後に誘発された何らかの抗体特異性がビリオンの亜集団に影響を及ぼす可能性があるが、それらが出現した時点で血漿ウイルス血症に有意に影響を及ぼすのには実質的に十分では無いことを除外することはできない。重要な疑問は、これらのタイプの非中和抗体が、感染の前に存在した場合、またはむしろ、将来のHIV−1ワクチンにより完全に異なるタイプの阻害抗体が誘導される必要があると考えられる場合、保護的であることができるのかどうかである。自己由来の中和抗体はエンベロープの可変ループを標的とし(46,49,50,60)、それはHIV−1を消滅させるためのあらゆるチャンスが過ぎ去ったずっと後に生じる可能性がある。従って、有効なHIV−1ワクチンは感染より先に天然のビリオンエンベロープ分子に結合する抗体を誘導する必要があり、さらに伝染後の最初の週の内に急速な二次中和抗体応答の成熟をもたらすであろう。
抗体−HIVビリオン複合体に結合する抗体の例は、図15Fにおいて述べられているような、C14−2抗体の可変重鎖および可変軽鎖配列を有するmAbである。さらなる例は、図15Kにおいて述べられているような、F3抗体の重鎖配列を有する抗体である。本発明には、それらの完全なままの抗体または断片(例えば抗原結合断片)が含まれる。典型的な機能断片(領域)には、scFv、Fv、Fab’、Fabおよび(Fab’)断片が含まれる。単鎖抗体を用いることもできる。適切な断片および単鎖抗体を調製するための技法は、当技術で周知である。(例えば、米国特許第5,855,866号;第5,877,289号;第5,965,132号;第6,093,399号;第6,261,535号;第6,004,555号;第7,417,125号および第7,078,491号ならびにWO 98/45331を参照。)本発明は、具体的に開示された抗体(および断片)の結合特性を保持している変形を含む、本明細書で開示された抗体(および断片)の変形、および同じものを用いる方法も含む。
上記で記述された抗体、およびその断片は、組成物(例えば医薬組成物)として配合することができる。適切な組成物は、医薬的に許容できるキャリヤー(例えば水性媒体)中で溶解させた、または分散させた抗体(または抗体断片)を含むことができる。その組成物は無菌であることができ、注射可能な形であることができる。その抗体(およびその断片)は、皮膚または粘膜への局所投与に適した組成物として配合することもできる。その組成物は液体、軟膏、クリーム、ゲル、ペーストおよびエアロゾルの形で摂取することができる。標準的な配合技法を適切な組成物の調製において用いることができる。その抗体は性交後圧注として、またはコンドームと共に投与するために配合することができる。
本発明の抗体および抗体断片は、対象(例えばヒト)においてHIV感染を阻害する、または処置するために用いることができる。適切な用量範囲は、例えば抗体に、ならびに配合物の性質および投与経路に依存する可能性がある。当業者は過度の実験無しに最適な用量を決定することができる。10ng〜20μg/mlの範囲の抗体の用量が適切である可能性がある。
本発明の特定の観点は、下記の限定的では無い実施例においてより詳細に記述することができる。(Tomaras et al, J. Virol. 82:12449 (2008)も参照)。
実施例1
実験の詳細
試験した対象
4個の異なる急性感染コホートからの対象の亜集団を調べた:21人の血漿提供者、トリニダードコホート(クレードB)からの12人のAHIの対象、CAPRISA(クレードC)コホートからの14人のAHIの対象、およびCHAVI001急性感染コホートからの10人のAHIの対象。
ウイルス負荷試験
血漿のウイルスRNAをQuest Diagnostics(ニュージャージー州リンドハースト)(HIV− 1 RNA PCR Ultra)により測定した。
抗体結合アッセイにおいて用いられた抗原
直接的抗体結合アッセイのために用いられた抗原は次のものである:グループMコンセンサスEnv CON−S gp140、コンセンサスB gp140、クレードB野生型Env gpl20s(組換えワクチン(39)または293Tトランスフェクションのどちらかにより製造した。IIIB、JRFL、89.6、さらに次のペプチド(Primm Biotech Inc、マサチューセッツ州ケンブリッジ)およびそれらの配列。SP400(gp41の免疫優性領域、RVLAVERYLRDQQLLGIWGCSGKLICTTAVPWNASWSNKSLNKI)、SP62、gp41 MPER、(QQEKNEQELLELDKWASLWN)、4E10 P、(SLWNWFNITNWLWYIK)、コンセンサスB V3 gpl20領域、(TRPNNNTRKSIHIGPGRAFYTTGEIIGDIRQAH)、コンセンサスM V3 CON−S gpl20領域、TRPNNNTRKSIRIGPGQAFYATGDIIGDIRQAH。急性HIV−1のエンベロープ遺伝子の配列は、4人の亜型B急性HIV−1に感染した人のものに由来していた(対象6246、6240、および9021、単一ゲノム増幅(SGA)(35)による。組換え可溶性gp140タンパク質を生成するため、gp140Cと名付けたgp140 env遺伝子のコンストラクトを設計し、ここでHIV−1 Envの膜貫通および細胞質ドメインは欠失しており、gp120−gp41切断部位における2個の決定的に重要なArg残基が2個のGlu残基で置き換えられていた。4種類のgp140C env遺伝子は全て、高度に発現するヒトのハウスキーピング遺伝子のコドン使用頻度を用いることによりコドンを最適化され、デノボ合成され(Blue Heron Biotechnology、ワシントン州ボセル)、標準的な分子技術を用いてpcDNA3.1/Hygro発現プラスミド(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)の中にクローニングされた。組換えHIV−1 gp140 Envタンパク質は、293T細胞において、得られたプラスミドを用いた一過性トランスフェクションにより生成し、ガランサス・ニバリス(Galanthus nivalis)レクチン−アガロース(Vector Labs、カリフォルニア州バーリンゲーム)カラムクロマトグラフィー(39)により精製した。自己由来V3ペプチドは、これらの同じEnvから作られた。
抗体アッセイの基準
抗原ごと抗体ごとの陽性基準は、30以上の血清陰性をスクリーニングすることにより決定された。標準化されたHIV+陽性対照をそれぞれのアッセイにおいて滴定し(レビージェニングス(Levy−Jennings)プロットを用いて、平均の3STDEV以内のみでの力価の許容で追跡した(tracked))、平均O.D.を血清の希釈度の関数としてプロットして、4パラメーターロジスティック方程式(SoftMaxPro, Molecular Devices)を用いて抗体の力価を決定する。試料ごとの変動係数(CV)は15%以下である。それぞれのアッセイには、特異性を保証するために、ならびにアッセイ間の一貫性および再現性を維持するために、2種類の陰性血清および2種類のHIV+の対照血清が含まれる。生データの取得、データ分析の完全性を電子工学的に追跡した(21CFRパート11遵守)。
直接ELISA
コンセンサスクレードBまたはエンベロープ糖タンパク質、gp41タンパク質、コンセンサスV3ペプチド、gp41免疫優性、ならびにMPERエピトープ、さらに自己由来V3およびgp140 Envオリゴマーを用いて直接ELISAを行った。ELISAは、0.1M炭酸水素ナトリウム中の抗原0.2μg/ウェルでコートし、アッセイ希釈液(4%(w/v)乳清タンパク質/15%正常ヤギ血清/0.5%Tween20/0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS)でブロッキングした96ウェルELISAプレート(Coster#3369)中で行った。血清を1:25で始まる2倍系列希釈中で1時間保温し、続いてPBS/0.1%Tween20で洗浄した。100μlのアルカリホスファターゼコンジュゲートヤギ抗ヒト二次抗体(Sigma A9544)を1:4000で1時間保温し、洗浄し、100μlの基質(CBC緩衝液+2mM MgCl2+1mg/ml p−npp[4−ニトロフェニルホスフェート ジ(2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール)塩])を用いて検出した。プレートを405nmで45分間読み取った。
比較阻害試験(抗体ブロッキングアッセイ)
1b12(CD4BS)、2G12(抗−CHO)、およびMPER mAbである2F5および3H11を用いて比較阻害試験(抗体ブロッキングアッセイ)を実施した。96ウェルELISAプレート(Coster#3369)を、0.1M炭酸水素ナトリウム中のJRFL0.2μg/ウェルでコートし、アッセイ希釈液(4%(w/v)乳清タンパク質/15%正常ヤギ血清/0.5%Tween20/0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS)でブロッキングした。全てのアッセイの工程はアッセイ希釈液中で行われ(基質の工程を除く)、室温で(13H11アッセイは37°で)1時間保温し、続いてPBS/0.1%Tween20で洗浄した。血清を1:50で希釈し、3通りの(triplicate)ウェルで保温した。50μlのビオチン化した標的MabをEC50(ビオチン化−MabのJRFLに対する直接結合曲線により決定した)において添加した。ビオチン−Mabの結合の程度を、1:1000でのストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ(Promega V5591)、続いて基質(CBC緩衝液+2mM MgCl2+1mg/ml p−npp[4−ニトロフェニルホスフェート ジ(2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール)塩])を用いて検出した。プレートを、プレートリーダーを用いて405nmで45分間読み取った。3通りのウェルを、バックグラウンドを減算して平均した。パーセント阻害を次のように計算した:100−(血清の3通りの平均/阻害無しの対照の平均)*100。CD4結合部位ブロッキングアッセイを、100μlの飽和濃度の可溶性CD4(Progenies Pharm Inc.)を血清とビオチン−Mabの保温の工程の間で保温したことを除き、上記のように行った。
AtheNAアッセイ
タンパク質160、120、66、55、41、31、24および17に対する抗体の結合を、Luminex platform(Luminex Corporation)上で、AtheNA Multilyte HIV−1 Bead Blot kit(Zeus Scientificカタログ番号A7100 IG)を用いて、そのキットの製造業者のプロトコルに従って測定した。
カルジオリピンおよびリウマチ因子アッセイ
抗カルジオリピン抗体アッセイを、記述されている(2)ように行った。IgG抗原を用いるIgMリウマチ因子を測定するためのアッセイは、リウマチ因子対照(Judy Fleming, Clinical Immunology Laboratory, Duke University Medical Centerにより親切に提供された)を用いて標準化された。
アイソタイプ結合抗体
HIV抗原または精製したIgM、IgG、IgAタンパク質(対照として用いた)を、マイクロタイタープレート(NUNC)のウェル上に一夜プレコートし、自動化および較正されたプレートウォッシャー(Bio−Tek)で洗浄した。血清/血漿試験試料を希釈し、プレートに結合した抗原と共に保温した。次いでプレートを洗浄し、抗原−抗体複合体を、アルカリホスファターゼにコンジュゲートしたアイソタイプ特異的抗−ヒトIgG、IgA、IgMと共に保温した。光学密度の読みをVersaMaxプレートリーダー(Molecular Devices)を用いて測定し、それぞれの複製(replicates)のペアに関する平均のO.D.の読みを、バックグラウンドを減算して計算した。それぞれの試験試料に関して、2通りの抗原を含む、および非抗原を含むマイクロタイタープレートのウェルを採点した(scored)(すなわち、O.D.抗原−O.D.非抗原)。陽性の点数は、バックグラウンドを減算して0.1O.D.以上、および複製間で15%CVを有するベースラインの3倍以上と定められる。別のレベルの確認として、血漿提供者の試料において、HIV gp41特異的IgM結合抗体試験を、第3世代EIA(Abbott Diagnostics、米国イリノイ州アボットパーク)の試験と比較し、あらゆる抗体応答の第1検出に関して商業的に入手可能なキットと等しい感度が見出された。
検体分取(Specimen Prep)MultiTrapによるIgG除去。
IgAおよびIgM抗体の検出のため、プロテインGカラムを用いてIgGを除去した。簡潔には、血漿を10分間遠心分離し(10,000×g)、希釈緩衝液中で2倍に希釈し、1.2umフィルタープレート(Pall AcroPrep)中で濾過した。濾過および希釈された試料を、Protein G HP MultiTrap Plates(GE, Inc.)を用いて、少し修正した製造者の説明書に従ってIgGを枯渇させた。標本中のIgGの除去は、HIV特異的結合アッセイによりアッセイして90%を超えていた。
カスタマイズしたLuminexアッセイ
5×10個のカルボキシル化された蛍光ビーズ(Luminex Corp、テキサス州オースティン)を、25μgのELISAアッセイにおいて用いられる精製されたHIV抗原の1種類に共有結合させ、1:10希釈での患者の試料と共に保温した。HIV特異的Abアイソタイプを、それぞれフィコエリトリンにコンジュゲートしたヤギ抗−ヒトIgA(Jackson Immunoresearch、ペンシルバニア州ウエストグローブ)、マウス−抗ヒトIgG(Southern Biotech、アラバマ州バーミンガム)、またはヤギ−抗ヒトIgM(Southern Biotech、アラバマ州バーミンガム)を用いて4μg/mlで検出した。次いでビーズを洗浄し、Bio−Plex装置(Bio−Rad、カリフォルニア州ハーキュリーズ)上で獲得した。精製したIgM、IgG、IgAタンパク質(Sigma)および一定HIV+血清力価測定を全てのアッセイにおいて陽性対照として利用した。バックグラウンドの値(検出Abの非存在下でのビーズ)および正常ヒト血漿を陰性対照として利用した。IgMの検出に関するリウマチ因子のための対照は、内部IgGタンパク質標準であった。
HIV−1免疫複合体捕捉アッセイ
ELISAプレート(NUNC)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で希釈した1μg/mlの濃度の抗−ヒトIgMまたはIgGで4℃で一夜コートした。それに続く全ての工程は室温で行った。保温および洗浄の後、コートしたプレートを5%FBS、5%ミルク、0.05%Tweenを補ったPBSで2時間ブロッキングした。ブロッキングおよび洗浄の後、90μlの未希釈の血漿をそれぞれのウェルに添加し、90分間保温し、続いて0.05%Tweenを補ったPBSで4回洗浄した。200μlのAVL溶解緩衝液とキャリヤーRNAを添加し、15分間振とうし、溶解物中のウイルスRNAをQIAGEN viral mini kitにより抽出した。ビリオン−抗体複合体からのHIV−1 RNAを、gagのリアルタイムRT−PCRにより測定した。免疫複合体のELISA捕捉アッセイによる検出を、プロテインGカラム吸着(Protein G HP, Pierce, Inc)を用いてIgG−ビリオン免疫複合体を枯渇させることにより確認した。IgG吸着は製造業者の説明書に従って行った。90μlの血漿をプロテインGカラムに添加した。混合し、10分間保温した後、カラムを5000×gで1分間遠心分離した。免疫複合体の存在は、Baronらによる方法(16)と同様に、入れたウイルスRNAを素通り画分のウイルスRNAにより割った百分率により計算された。HIVIG(NIH, DAIDS Reagent)にHIV−1 NL4−3偽型ウイルスを加えたものが免疫複合体捕捉に関する陽性対照であり(81±4%)、正常ヒト血清(Sigma)またはRPMI−1640にHIV−1 NL4−3を加えたものが陰性対照であった。非HIV−1特異的捕捉(正常ヒト血清にNL43を加えたもの)のカットオフは16.2±0.8%であり、ウイルスのみの対照のバックグラウンドは6.5±4.6%であった。
補体結合アッセイ
ウイルスおよび希釈した血漿試料(1:40)を、補体の源としての10%正常ヒト血清(Sigma、ミズーリ州セントルイス)の存在下で、または10%熱非働化NHSと共に37℃で保温した。次いで高レベルのCR2を発現するMT−2細胞を添加し、そのウイルス/細胞懸濁液を2時間保温した。結合しなかったビリオンを連続的な洗浄により除去した。結合したビリオンを0.5%トリトンXを用いた処理により崩壊させ、放出されたP24をELISAにより測定した。%結合を決定するため、得られたP24を補体の非特異的結合(hi NHS)に関して補正した後、最初のウイルスのP24で割った。
中和抗体アッセイ
血漿提供者コホートにおける抗体に仲介される中和を、記述されている(37)ように、TZM−bl細胞における1ラウンドの感染の後のルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現における低減の関数として測定した。2F−および4E10−特異的中和抗体に関する血漿のアッセイに関して、HIV−1 2F5または4E10エピトープを発現するHIV−2偽ウイルス(pseudoviruses)を以前に記述された(24)ように用いた。
同時の、および連続的な速度論を分類するための統計分析および方法
混合効果モデル(55,58,59)、ノンパラメトリック回帰(25)、二項検定、カプラン・マイヤー曲線および加速度故障時間(AFT)モデル(13)を用いて統計分析を行った。4つ全てのコホートに関して、ノンパラメトリック回帰(25)に基づくスプライン平滑化を行ってウイルス負荷および抗体曲線の見積もりを得た。ウイルス血症の急性のバーストが記録されていた血漿提供者コホートに関して、共同解析のために異なる試験パネルを整列させるために、正確な時間の開始点(T)を定める。それぞれの患者に関して、そのTは上昇するウイルス負荷の非線形混合効果モデルにおけるモデルパラメーターとして見積もられ、アッセイの検出限界における検閲(censoring)を説明した(55)。右の検閲は生存分析において用いられ、“対象の追跡調査期間の間に何の事象も起こらなかった(もっと後の時間(タイムスケールにおける“右”)において事象が起こる可能性があるが)”こととして定義される。彼らの短い追跡調査期間(T後12日間)のため、2人の対象が検閲された。それぞれの分析物(例えば抗IgA/IgG/IgM gp41抗体応答)に関して、Tより前に記録されたデータはその分析物に関するバックグラウンドレベルを決定するための線形混合効果モデル(58)に適合しており、ここで未来の応答の上方95%予測限界(59)を陽性の閾値として用いて最後の陰性の観察結果および最初の陽性の観察結果を定めた。同時の、および連続的な速度論を分類する統計的方法は、ELISAの計算から得られた結果を陽性の基準(critierion)に基づいて確かめた。
カプラン・マイヤー推定値を用いて最初の上昇のタイミングの分布を記述した。分析物のペアの間の上昇のタイミングにおける相対的順位の両側二項検定を、タイミングにおける正の差(positive difference)を成功、およびゼロでは無い差の数を試行の数として行った。調整したp値(q値)をコンピュータで計算して多重検定の偽発見率(FDR)に関して制御した(54)。血漿提供者およびCHAVI 001コホートの両方においてウイルス負荷および抗体マーカーの間の関連を評価するため、加速度故障時間(AFT)モデル(13)を用いてウイルス負荷の増大または減衰と最初の上昇までの時間の相関を調べ(検閲を条件とする)、線形混合効果モデル(58)を用いて時間の経過に伴う下降するウイルス負荷および抗体応答の大きさの相関を調べた。加えて、統計的相関および線形回帰分析を行い、トリニダードおよびCAPRISAコホートにおける異なる阻害アッセイ間のもっともらしい関連を確認した。
モデル化
血漿提供者のVLデータを数学的にモデル化するために用いた標的細胞限定モデルは次のものである:
Figure 2012503771

HIV感染を受けやすい細胞を標的細胞Tと呼ぶ。そのモデルは、標的細胞が細胞あたり一定の速度γで生み出され、速度dで死ぬと仮定する。HIVと相互作用すると、これらの細胞は感染速度定数kで生産的に(productively)感染した細胞Iになる。感染した細胞は細胞あたり速度δで死に、ウイルス粒子(ビリオン)Vを感染した細胞あたり速度pで産生する。ビリオンはビリオンあたり一定の速度cで排除されると仮定する。
オプソニン化による増進されたビリオンの排除を組み込むため、上記のモデルにおいて、V(t)に関する方程式を次の方程式で置き換える:
Figure 2012503771

ここで、ビリオンの排除は因子(1+αIg(t))により増進され、ここでIg(t)は測定された血漿中の抗−gp41 IgM、抗−gp41 IgGの濃度または両方の免疫グロブリンの濃度の合計のどちらかである。α=0である場合、オプソニン化の効果は無い。
ウイルスの中和における抗体の作用をモデル化するため、方程式(1)における感染性定数kを因子(1+βIg(t)により減算した。ここで、β=0である場合、抗体に仲介されるウイルスの中和は無い。最後に、抗体依存性細胞性細胞傷害作用または補体に仲介される溶解による感染した細胞の喪失の速度を増進させる抗体の可能性を組み込むため、δを因子(1+γIg(t))により増大させた。γ=0である場合、増進される死は無い。
t=0の時間として選ばれたTにおいて、定義により血漿VLは100コピー/mlである。TまでにいくらかのCD4+の枯渇が起こっていた可能性があるが、単純化のため、感染していない細胞のレベルはまだ10細胞/mlであると仮定する。Tにおける感染した細胞の数は、予備的適合に基づいて1または10細胞/mlのどちらかであると見積もられた。この感染した細胞の低い数は、TまでにほとんどT細胞の枯渇が無いという仮定を支持する。
標的細胞限定モデルおよび抗体の作用を含んだその3種類の変形を、Ig(t)に関する測定された抗−gp41の濃度へのスプライン適合を用いて、それぞれの血漿提供者のVLデータに適合させた。VLデータへの適合は非線形最小二乗法を用いて行われ、ここでそのモデルからのlogVを測定されたVLのlogに適合させた。F検定を用いて、標的細胞限定モデルまたは3種類の変形の1種類のどちらがそのデータに最もよく適合するかを決定した。提供者9032に関して、最もよく適合した標的細胞限定モデルは、VLが最大であった時点において最大値に達しないために残差の平方和にペナルティー関数が加えられない限り非常に乏しいそのデータへの適合を与えた。すなわち、そのデータにおいて、およびそのモデルにおいてVLが最大であった時間の間の差の平方に等しい、最小化されるべきその関数に追加の項を加えた。
トリニダードコホートから選択された対象におけるMN中和抗体の開発−中和アッセイ:cMAGIアッセイ。
以前に記述された(Doria-Rose et al, J. Med. Primatol. 32:218-228 (2003))ものを少し修正してアッセイを行った。簡潔には、血清の系列希釈液をウイルスと共に1時間保温し、次いでcMAGI細胞の2通りのウェルに添加した。2日後に、固定および染色された細胞におけるβ−ガラクトシダーゼの発現を測定することにより細胞における感染性を評価した。[(Vo−Vn)/Vo]×100によりパーセント中和を算出し、ここでVnは抗体の存在下でのウイルスの感染性であり、Voは抗体の非存在下でのウイルスの感染性である。ウイルス HIV−1MNは、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所エイズ部門、AIDS試薬の研究および寄託プログラム(AIDS Research and Reference Reagent Program)を通して得た。
結果
血漿提供者コホート。米国(クレードB)からのHIV−1血清転換血漿提供者を、HIV−1感染における最も早期の抗体事象に関して試験した。これらの対象は3日ごとに血漿を提供し、その血漿単位(plasma units)はHIV−1、B型肝炎またはC型肝炎に関する検査が完了するまで数週間保管された(19)。感染症に関して一旦陽性であると、血漿試料の提供は中止された;従って、これらの血漿提供者の細胞も長期追跡調査も入手できない。その米国の血漿提供者コホートの分析は、ウイルスRNAが伝染において最初に検出された定められた時点に関する最も早いHIV−1抗体応答の計算を提供した。それぞれの提供者のパネルを単一の基準時間に整列させるために、VLの軌跡がアッセイの下方検出限界(100HIV−1コピー/ml)と交差する最初の時点を表す時間ゼロ(T)を確立した(図1A)。検出可能な血漿ウイルス血症の開始であるTはウイルスの伝染のおおよそ10日(7〜21日の範囲)(7,11,14,21,40,52)後であり、HIV−感染の暗黒期の終了を表す。このコホートからの試験した血漿試料は、検出可能なウイルス血症の開始の最初の20日前および最初の20日後以内の試験に関する最も高頻度な試料採取を有していた(図1B)。
伝染後の最初のIgG抗−Env応答。最も早期の抗体が検出されたことを確実にするため、標準化したELISAおよびより高感度なLuminex定量的抗体アッセイの両方を利用した。抗−HIV−1 Env IgGの測定のためのELISAに関する感度の下方のレベルは2.2ng/mlであり、抗−HIV−1 IgGの測定のためのLuminexアッセイの感度のより低いレベルは0.2ng/mlであった。最初の抗体応答の同定のため、自己由来のコンセンサスBおよびクレードB野生型Envを抗原として試験した。非Env抗原に関して、全ての抗原は野生型クレードBであった。コンセンサスB Env抗原が最も早期の抗体を検出したことを実証するため、ならびに4人の血漿提供者からの自己由来Env抗原、gp140、およびEnv gp120 V3ペプチドを用いてより早期の抗体応答を検出することができるのかどうかを決定するため、対象を生成し、血漿Env抗体を検出する能力に関してコンセンサスB EnvまたはV3ペプチドと比較した。最初に、コンセンサスまたは野生型のクレードB Envを用いて、HIV−1の伝染の後の最も早期の検出可能な抗−Env IgG血漿抗体応答はエンベロープgp41に対してであることが分かり、Tの13.0日(中央値)後に起こった。図2Aは、より後でありより様々なgp120に対する抗体応答のタイミングと比較して、より早い抗−gp41抗体応答のタイミングを図説する(p<.01)。ここで試験したT後12〜67日間の追跡調査期間の間に対象の33%において起こったgp120抗体応答とは対照的に、gp41に対する抗体は対象の90%において18日目までに発現した(KMの推定値は100%、2人の対象は、彼らがT後12日目において追跡調査から失われたため検閲された)(表1)。2種類の追加の野生型クレードB gp120エンベロープタンパク質:JRFLおよび89.6 gp120 Envを調べた際には、抗−gp120抗体応答のタイミングに有意な差は無かった(示していない)。図2Bは、HIV−I p24、p55、p66、p17およびp31 HIV−1タンパク質に対する抗体の出現の時間と比較した、gp41およびgp120抗体の出現の中位時間を示す。それぞれの特異性の抗体のタイミングの対比較は、HIV−1の構造的構成要素の抗体のタイミング(抗−Gag)はHIV−1 gp41抗体のタイミングよりかなり遅いことを示した。
米国血漿提供者において検出された様々な抗−Env抗体応答のタイミングの要約を表1において示す。gp41に対して誘発された第1抗体に関して、gp41応答の13/19(68%)がgp41の免疫優性領域を含んでおり、初期gp120の血漿提供者の7/7がV3ループに位置づけることができる応答を含んでいた(すなわち、伝染の最初の40日以内にgp120抗体を有した血漿提供者の100%はV3抗体も有していた)。米国血漿提供者の対象において(T後40日以内に)全く出現しなかった抗体は、抗−MPER(中和性および非中和性)抗体、CD4結合部位抗体(CD4bs)およびCD4誘導抗体(CD4i)であった。容易に中和されるTier1(37)HIV−1 Env偽ウイルス、例えばB.SF162に対する中和抗体、および抗体依存性の細胞に仲介されるウイルス阻害(ADCVI)活性(29)も、同様にT後の最初の40日以内に出現しなかった(データは示していない)。ADCVIは急性感染の後期の間に存在することが以前に報告されており、従って血漿提供者の対象における急性ウイルス血症の間のここで調べられた時点は、ADCVIの発現のおそらく直前である(20)。予想されたように、ビオチン化モノクローナル抗体を用いた競合ELISAにより測定した際に広く中和する抗体2F5、4E10、1b12および2G12に類似した特異性を有する広く中和する抗体も、T後の最初の40日の間に出現しなかった(示していない)。
アイソタイプ特異的gp41抗体応答の分析。IgG抗体は免疫グロブリン(Ig)のクラススイッチの後に産生され、古典的にはIgM抗体の後に産生される。HIV Env特異的IgMを、組換えgp41、gp120ならびにコンセンサスBおよびグループMコンセンサスgp140タンパク質抗原を用いるLuminexアッセイの使用に関してアッセイした。IgG応答の様に、Envに対する第1IgM抗体もgp41のみを標的とした。HIV−1−特異的IgM抗体の出現の中位時間はT後13日(5〜18日の範囲)であった。この試験において利用されたカスタム抗−IgM ELISAは、最初の遊離のHIV特異的抗体の検出に関して、第3世代の市販のELISA(Abbott Anti−HIV 1/2 EIA、イリノイ州アボットパーク)と同等に高感度であった。その2種類のアッセイ間の第1抗体検出のタイミングにおける違いは有意では無かった(検出された日における中央値の差=0、p値=0.66、ウィルコクソン符号順位検定)。
4種類の自己由来gp140エンベロープを、伝染した、または起因ウイルス(35)を表す4人の異なる血漿提供者の対象(Pts.6246,6240,9021,63521)からgp140Cタンパク質オリゴマーとして発現させ、4種類の対象を血漿抗体結合アッセイのための標的として自己由来Env V3ループペプチドを用いて試験した。そのgp140 Envの内の3種類は、コンセンサスEnvを用いて抗体応答が検出された対象から選ばれ、一方で検出可能な抗−gp41応答を有しなかった1人の対象からgp140を発現させた。単一の提供者からの、自己由来およびコンセンサスクレードB Env(ConB)に対するIgM、IgGおよびIgAに関する代表的な例を示す(図3A〜3C、および図10)。自己由来Envおよび自己由来V3ペプチドの両方を用いた場合(示していない)、グループMコンセンサスEnvまたはコンセンサスB V3ペプチドを用いて検出されたIgM、IgGおよびIgA抗体応答と比べて、より早期のIgM、IgGおよびIgA抗体応答を検出することはできなかった。興味深いことに、コンセンサスEnvを用いて試験した場合、自己由来エンベロープに対し、gp41抗体応答の大きさがより大きかった。
Igのクラススイッチのパターンを、血漿の試料採取が抗−gp41 IgMおよびIgGの最初の出現を決定するのに十分に早い、血漿提供者(15人の対象)、4人のクレードB CHAVI 001の対象において、およびトリニダード/トバゴコホートからの3人のクレードB AHIの対象において調べた(実験の詳細;図9参照)。図4は、血漿提供者コホートにおける連続的なクラススイッチ速度論(図4A)または同時のクラススイッチ速度論(図4B)のどちらかを有する代表的な対象を示す。両方の対象において、IgM応答は一過性であり、20〜40日の期間にわたって減衰し、一方でIgG応答は同じ期間にわたって上昇した。抗−gp41 IgM応答は対象の9/22(41%)においてIgG応答よりも早く出現した;しかし、対象の13/22(59%)において、IgM抗−gp41はIgGおよびIgA抗−gp41抗体と同時に検出された(図4C)。gp41免疫優性ペプチドに対する抗−IgM、IgGおよびIgA応答は、3種類のアイソタイプの同時出現が潜在的に異なるgp41エピトープへの応答によるものである可能性があるのかどうかを決定するために、抗−gp41 IgM、IgGおよびIgAの同時出現を有する対象6246においても試験された。抗−免疫優性IgM、IgGおよびIgAはTの10日後に同時に検出され、これはこの対象において抗体の同時出現が多数のgp41エピトープへの抗体応答の発現のみに原因を帰することができなかったことを示している(示していない)。同時のIgM、IgAおよびIgG抗体応答がエンベロープに特有であるのか、またはむしろ他のHIV−1タンパク質に対する応答においても起こるのかどうかを決定するため、p55 Gagに対するアイソタイプ抗体応答のパターンも決定した。p55 Gagに対するIgM、IgGおよびIgA抗体も、gp41 Envに対するIgM、IgGおよびIgA抗体の同時出現を有していた対象において同時に検出された(図4D)。
AHIにおける免疫複合体の検出。より早期の抗体が作られているが血漿中には無く、むしろビリオン−IgMまたはIgG抗体複合体の形でのみ存在しているのかどうかを決定するため、米国血漿提供者のパネルをビリオンに結合した抗体の形でのより早い抗体応答に関してアッセイした。
試験した十分に高い血漿ウイルスRNAレベルを有する対象の6/6において、ビリオンに結合したIgGまたはIgM抗体のどちらかを含む免疫複合体が検出された(図5)。免疫複合体は、T後8日(範囲:5〜14日)の中位時間において検出された。免疫複合体の検出は、市販のELISAおよびカスタムELISA両方による遊離抗体の検出に中央値で5日(5〜7日の範囲)先行していた(表2)。ビリオン−抗体複合体は、同時または連続的Igアイソタイプ速度論のどちらを有する対象においても検出され、これは早期の免疫複合体の存在はおそらくIgM、IgGおよびIgA抗−gp41アイソタイプの同時検出を説明しないことを示唆している。
IgG免疫複合体の検出は、プロテインGカラムを用いてビリオンに結合した抗体を捕捉し、続いてビリオンを溶解してウイルスRNAを測定する、検出の第2アッセイ(示していない)により確かめられた。IgG免疫複合体の測定のための両方の方法を用いて、免疫複合体の出現および減少の同じ速度論が観察された(示していない)。まとめると、これらのデータはT後の8日目における、ならびに遊離の血漿抗−HIV IgMおよびIgGの出現の前の抗−ビリオンIgMおよびIgGのより早期の産生を示唆している。IgMおよびIgGビリオン免疫複合体両方の同時出現は、これらの対象における抗−ビリオンIgMおよびIgGの同時誘導を示唆しているか、または現行のアッセイでは検出できない特異性を有するHIVビリオン構成要素に対するIgMおよびIgG抗体のさらに早期の誘導を示しているかのどちらかである。免疫複合体の検出の低下は、細網内皮細胞系による排除によるものである可能性がある。これらの抗体−ビリオン複合体の検出は低下するが、ウイルス(抗原)および抗体はまだ存在するのは興味深い。免疫複合体において結合している抗体の特異性のさらなる研究およびそれらが抗原提示細胞への結合を可能にすることにより感染性を変えることができるのかどうかは、研究中である。
AHI抗−gp41 Env抗体は補体を活性化する。AHIにおける抗体の重要な機能的構成要素である可能性があるものは、補体を固定するそれらの能力である。早期の抗−gp41抗体は血清の補体を結合することができるかどうかに関する決定が行われた。6人の米国血漿提供者からの血漿を、補体活性化/CR2への結合に関して、HIV−1ビリオンと共培養したhPBMCを用いて調べた。補体を活性化する結合抗体は、図3に示したように、血漿抗体が検出された全ての時点で全てのパネルにおいて存在していた。さらに、補体を活性化する抗体の出現の速度論は、gp41結合抗体と同じ速度論に従っていた。実験室適応HIV−1株(B.SF162)および早期に伝染したウイルス株(B.QH0692)の両方を抗体および補体の標的として調べ、それぞれのウイルスについて類似の結果が得られた(図6)。
米国血漿提供者におけるHIV−1の伝染の後のポリクローナルB細胞活性化。HIV−1 Env gp120はポリクローナルB細胞活性化因子であること(3)、Ig VH3に超抗原として結合すること(23)、およびポリクローナルIgのクラススイッチを誘導すること(28)が示唆されている。慢性HIV−1感染を有する患者はポリクローナル高ガンマグロブリン血症を有しており(36)、いくつかの研究が早期HIV−1感染における高ガンマグロブリン血症を報告している(47,56)。ポリクローナルB細胞活性化がHIV−1の伝染した/起因Envに対する初期抗体応答の間に起こるのかどうかを調べるため、定量的なIgM、IgGおよびIgAのレベルを米国血漿提供者における最初および最後の血漿試料において測定した。血漿提供者パネルにおいてAHIの間にIgM、IgGまたはIgAの有意な上昇は無かった(図7A)。同様に、それぞれの提供者パネルにおける最後の血漿試料(T後25〜41日の範囲)を、次の自己抗体:SSA/Ro、SSB/La、Sm、RNP、Scl−70、Jo−1、二本鎖DNA、セントロメアB、およびヒストンに関して分析し、全てがこれらの特異性全てに関して陰性であった(示していない)。しかし、試験した19人の血漿提供者の試料および10人のCHAVI 001急性感染コホートの対象の、リウマチ因子自己抗体(IgGと反応するIgM抗体)に関するスクリーニングにおいて、8/29(28%)はHIV−1の伝染後にリウマチ因子に関して試験結果が陽性であり(図7B)、それらのおおよそ半分は急性ウイルス血症の間の最初の検出後にRF抗体のレベルの低下を示した。従って、一部の対象において、急性HIV−1感染の間のB細胞活性化は結果として自己抗体、リウマチ因子の産生をもたらし得る(26)。
急性ウイルス負荷速度論を有する初期のgp41抗体応答のモデル化およびウイルスの配列の進化に対する抗体の圧力の評価。HIV−1のウイルス負荷(VL)の制御に対する初期抗−gp41抗体応答の作用を決定するため、早期ウイルス動態の数学的モデル化を用いた。最初に、抗体の作用を含まない標的細胞限定モデル(53)を用いて、T後の最初の40日間にわたって得られた血漿提供者のVLデータを、これらの期間にわたって完全なVLおよび抗体データの両方が入手可能である6人の提供者(6240、6246、9032、9077、9079および12008)に関して分析した。9032を除く全ての提供者に関して、標的細胞限定モデルは実験的に決定されたVLデータとの良好な一致を与えた(図8)。次いで抗体のオプソニン化、抗体に仲介されるウイルスの中和、または抗体に依存するHIV−1感染細胞の喪失による増進されたビリオン排除を含むこのモデルの3種類の変形を、その同じデータに当てはめた。これらのモデル(実験の詳細を参照)において、これらの作用の仲介における抗−gp41 IgM、IgGの測定されたレベルまたはIgMおよびIgGの合計を含めた。抗−gp120の方向付けられた抗体は、それらは試験した期間の間に全ての対象には出現しなかったため、およびそれらが出現した場合それらは抗−gp41抗体よりも中位時間で15日遅く出現したため、そのモデルには適合しなかった。提供者9032を除く全ての場合において、抗体に仲介される作用を含めることはモデルの適合を向上しなかった(表3)。従って、患者の大部分に関して、基本的な標的細胞限定モデルはそのデータと最も適合性があり、すなわち、抗gp41 IgG、IgMのどちらかまたは両方を含む体液性免疫応答を含めることは、T後の最初の40日間に観察されたウイルス速度論へのそのモデルの適合を向上させない。これは、AHIにおける早期には、標的細胞限定または細胞に仲介される応答のどちらかがウイルス負荷の制御において支配的な役割を果たしていることを示唆している。この考えを支持して、抗−gp41 IgGの規模およびウイルス負荷の減衰速度の間には統計的に有意な関連は確認されなかった。ウイルス負荷の減衰速度および最初の抗体の上昇までの時間の間にも統計的に有意な関連は確認されなかった。
血漿提供者における、および3種類の追加のAHIコホートにおけるCD4を誘導可能な(CD4i)抗体、CD4結合部位抗体、および非中和性クラスターII(MPER)gp41抗体の個体発生は、伝染後6〜12ヶ月続いた。伝染後のVLの下り勾配の間の抗体応答の分析のため、異性間性交での伝染を有するトリニダード/トバゴからの12人のクレードBの対象、南アフリカからの14人の急性のクレードCの対象(CAPRISAコホート)(24)、および10人のクレードBの米国のAHIの対象(3人は未処理、7人は抗レトロウイルス処置を受けた、CHAVI 001コホート)を試験した。トリニダードトバゴならびにCHAVI 001コホートにおける対象の亜集団からのこの試験で用いられた試料の、急性期のウイルス速度論および分布を図9において示す。抗−gp41抗体を産生するHIV−1感染に対する初期のB細胞応答の後、抗−HIV−1 Env B細胞応答は最終的には他のEnv特異性を含むように広がった。MPER gp41に結合する抗体(クラスターII抗体)(63)は、中和性(例えばMab 2F5、Z13、4E10)または非中和性(例えばMab 267D、126−6、13H11)のどちらかであることができる((2)において概説されている)。非中和性抗−gp41 MPER抗体は一般に感染した対象の約80%において作られているが(2)、広く中和するMPER抗体はまれにしか作られていない(27)。CD4i抗体は共受容体(co−receptor)結合部位で、またはその近くで結合し、二価抗体は共受容体結合部位の中に収まることができないため、一般にsCD4がインビトロ中和アッセイに添加された後にのみHIV−1を強力に中和する(15)。広く中和するCD4BS抗体もまれにしか作られない(38)。これらの3種類の抗−Env特異性に関する以前に記述されたアッセイを、血漿提供者パネル(Tの40日後まで追跡調査された)を調べるために、さらにクレードC CAPRISA(24)およびクレードBトリニダード/トバゴ(8)の急性HIV−1感染コホート(共に伝染の6〜12ヶ月後まで追跡調査された)における選択された対象からの一連の血漿試料を調べるために用いた。述べたように、CD4i、CD4BS、および非中和性クラスターII gp41抗体はT後の最初の40日の間は作られない(表1)。CAPRISAおよびトリニダード/トバゴAHIコホートにおいて、CD4i抗体、CD4結合部位抗体および非中和性クラスターII MPER gp41抗体は、急性感染の研究に登録された5から10週間後までに、おおよそ同時に生じた(図11)(24)。
血漿提供者、CAPRISAおよびトリニダードAHIコホートにおける抗−HIV−1異種Tier1および自己由来中和抗体応答の評価。前に述べたように、高度に中和感受性のtier1クレードBウイルスSF162.LSを用いると、血漿提供者においてTの40日後までの間中和性の抗体応答は検出されなかった。HIV−1 MNに対する異種tier1中和抗体はトリニダード/トバゴコホートにおいて感染の8週間後に早くも存在しており(表4)、自己由来V3ペプチドが異種HIV−1 MNの中和に競合したため(Greenberg, M.L.、未公開)、主にV3に方向付けられているようだった。自己由来中和抗体は、トリニダード/トバゴクレードBコホートにおいて伝染の時点から中央値で32週間後に生じ(Tomaras, G.D., Greenberg, M.L.、未公開)、CARPISAクレードCコホートにおいて伝染後平均19週の時点で生じた(24)。
まとめると、HIV−1を消滅させるための免疫応答に関するチャンスは、伝染の瞬間からHIV−1に感染した細胞の潜伏プールの確立までに存在する。伝染した/起因ウイルスに対する初期の免疫応答を研究するのに重要な時間はHIV−1感染の暗黒期(伝染から血漿ウイルスの最初の出現までの時間)であるが、現在までこの期間はロジスティックに分析するのが難しかった。HIV−1の伝染のすぐ後のB細胞応答を調べるため、急性感染におけるHIV−1の血漿ウイルス負荷(VL)の急上昇の直前、間、および後の時点において頻繁な血漿試料が入手可能である米国血漿提供者において、自己由来およびコンセンサスEnvに対するエンベロープ特異的抗体応答を決定し、抗体の作用を血漿ウイルス血症の速度論に基づいてモデル化した。最初の検出可能なB細胞応答は血漿ウイルス検出の8日後に免疫複合体の形であり、一方で最初の遊離の血漿抗−HIV−1抗体はgp41に対するものであり、血漿ウイルスの出現の13日後に出現した。それに対し、エンベロープgp120−特異的抗体はさらに14日遅れた。最も早期のウイルス動態の数学的モデル化を行い、血漿VLにより評価されるインビボでのHIVの複製に対する抗体の影響を決定した。初期の抗−gp41 IgG、IgMまたは両方の応答をそのモデルに含めることは、血漿VLの早期の動態に有意に影響を与えなかった。これらの結果は、伝染したHIV−1により誘導される最初のIgMおよびIgG抗体はビリオンに結合することができるが、急性期のウイルス血症にそれらが自然感染において起こるタイミングおよび大きさにおいてほとんど影響を有しないことを示している。
実施例2
抗−IgMを96ウェルマイクロタイタープレート上にコートした。抗体およびウイルスを一緒に前保温し、次いでそのプレートに適用した。結合しなかった抗体およびウイルスを洗浄した後、捕捉された抗体−ウイルス複合体の量を、RT−PCRにより定量されたウイルスRNAにより決定した。偽型HIV−1ウイルス(SF162)および複製能があるHIV−1(NL4−3)をこのアッセイにおいて用いた。ビリオンの捕捉に関する陽性対照は、モノクローナル抗体2G12(NL4−3のコピーされた28,000RNAコピー)およびウイルス複合体に関して陽性であるヒト血漿(9015−02)であった。陰性対照はウイルスのみ(SF162またはNL4−3のみ)および陰性のヒト血漿であった。図12において示されているように、C14 mAbはHIV−1 SF162を抗体の最適濃度0.1μg/mlで捕捉した。
実施例3
急性HIV−1の対象からの精漿を、カスタムHIV−1 luminexパネルを用いてHIV−1抗原への結合に関して調べた。IgAおよびIgMを、ハイスループットプロテインG精製によりIgGを枯渇させた、希釈した精漿から測定した。抗原への結合を、平均蛍光強度(MFI)の点から測定し、既知の濃度の陽性対照の抗体力価測定に基づいて、濃度測定値(μg/ml)に変換した。
エンベロープHIV−1特異的抗体は急性感染の早い時点において精漿中で検出される。HIV−1特異的IgGとは対照的に、HIV−1 Env特異的IgAは感染の急性期の間減少する。一部の人において、まれではあるが、HIV−1特異的IgMが検出される。この対象は異常に高レベル(100μg/ml)のHIV−1特異的IgM抗体を有する。
実施例4
急性HIV−1の対象からの精漿を、カスタムHIV−1 luminexパネルを用いてHIV−1抗原への結合に関して調べた。IgAを、ハイスループットプロテインG精製によりIgGを枯渇させた、希釈した精漿から測定した。抗原への結合を、平均蛍光強度(MFI)の点から測定し、既知の濃度の陽性対照の抗体力価測定に基づいて、濃度測定値(μg/ml)に変換した。
Gp41 Env HIV−1特異的抗体は急性感染の早い時点において精漿中で検出される。一部の人において、IgA抗体はHIV−1 Env MPERの2F5エピトープに、その同じエピトープに関する検出可能なIgG抗体の非存在下で特異的である。
参考文献
Figure 2012503771
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上記で引用されている全ての文書および他の情報源を本明細書にそのまま援用する。
Figure 2012503771
表1.個体発生:暗黒期クレードBコホートにおけるEnv特異的IgG。
N=追跡調査期間の間に上昇を示した血漿提供者の対象の数。ウイルス負荷が100コピー/mlに達した最初の日であるTからの中位時間。ID=免疫優性。上方信頼限界は無限である(Tから67日より大きい上昇が起こり得る)。
Figure 2012503771
表2.Tに関する免疫複合体および遊離のHIV抗体のタイミング。
ABBOTT抗−HIV 1/2 EIA(Abbott Diagnostics)、陽性のカットオフ>1.0。社内でのIgM ELISA、O.D.抗原−O.D.抗原無し、陽性の基準は0.1以上、およびベースラインの3倍以上。免疫複合体の定量的リアルタイムPCRにより200コピー/ml未満。HIV−1 RNA PCR Ultra、Quest Diagnostics、ニュージャージー州リンドハースト。ボールド体のフォントは陽性の値を示す。
Figure 2012503771
表3.標的細胞限定モデルおよび抗−gp41抗体を含む変形の、早期の血漿VL速度論データに適合する能力の比較。それぞれの提供者からのウイルス負荷データを、標的細胞限定モデルおよび抗−gp41 IgG、IgMおよびIgG+IgMの作用を組み込んだモデルを用いて適合させた。CE=増進された排除、ID=減少した感染性、CDE=増進された細胞死。抗体の作用を含むモデルは1個の追加のパラメーターが含まれ、それは0に設定された場合そのモデルを標的細胞限定モデルにする。F検定を用いて、抗体を含むモデルのいずれかが標的細胞モデルよりも有意によくVLデータに適合するかどうかを決定した。その表は、F検定からコンピュータで計算されたp値を与える。0.05未満のp値は、抗体を含むモデルが標的細胞限定モデルよりもよく適合することを示している。
Figure 2012503771

Claims (21)

  1. 次のことを含む、HIV RNAに関して陽性であるが抗−HIV抗体に関して陰性である対象を同定する方法であって、以下の:
    i)前記の対象から生物学的試料を得て、
    ii)前記の試料を、固体支持体に結合させた抗−IgM、抗−IgG、抗−IgAまたは抗−C3D抗体と、前記の試料中に存在する抗体−HIVビリオン複合体が前記の抗体に結合することができるような条件下で接触させ、
    iii)前記の固体支持体を、複合体になっていないHIVビリオンが除去されるような条件下で洗浄し、
    iv)前記の固体支持体を、前記の固体支持体に結合した抗体−HIVビリオン複合体からのウイルスRNAを測定することができるような条件下で処理し、そして
    v)工程(iv)から得られたウイルスRNAに関してアッセイする、
    ここで、前記のウイルスRNAの存在は、前記の対照がHIV RNAに関して陽性であるが抗−HIV抗体に関して陰性であることを示す
    ことを含む、前記方法。
  2. 前記の対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記の抗体が抗−ヒトIgM、IgGまたはIgA抗体である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記の生物学的試料が血漿試料、血清試料、粘膜試料、尿試料、唾液試料または直腸洗浄液である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記の粘膜試料が精漿試料または子宮洗浄試料である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記の固体支持体がELISAプレートである、請求項1に記載の方法。
  7. 工程(ii)において前記の試料をプロテインGカラムと接触させる、請求項1に記載の方法。
  8. 工程(iv)において前記のウイルスRNAに関するアッセイのためにリアルタイム逆転写PCRを用いる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記の方法がHIVの伝染事象の3週間以内である対照を同定する方法である、請求項1に記載の方法。
  10. 対象において抗体−HIVビリオン複合体を検出する方法であって、以下の:
    i)前記の対象から生物学的試料を得て、
    ii)前記の試料を、固体支持体に結合させた抗−IgM、抗−IgG、抗−IgAまたは抗−C3D抗体と、前記の試料中に存在する抗体−HIVビリオン複合体が前記の抗体に結合することができるような条件下で接触させ、
    iii)前記の固体支持体を、複合体になっていないHIVビリオンが除去されるような条件下で洗浄し、
    iv)前記の固体支持体を、前記の固体支持体に結合した抗体−HIVビリオン複合体からのウイルスRNAを測定することができるような条件下で処理し、そして
    v)工程(iv)から得られたウイルスRNAに関してアッセイし、それにより前記の検出を達成する
    ことを含む、前記方法。
  11. 前記の対象がヒトである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記の抗体が抗−ヒトIgM、IgGまたはIGA抗体である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記の生物学的試料が血漿試料、血清試料、粘膜試料、尿試料、唾液試料または直腸洗浄液である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記の粘膜試料が精漿試料または子宮洗浄試料である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記の固体支持体がELISAプレートである、請求項10に記載の方法。
  16. 工程(ii)において前記の試料をプロテインGカラムと接触させる、請求項10に記載の方法。
  17. 工程(iv)において前記のウイルスRNAに関するアッセイのためにリアルタイム逆転写PCRを用いる、請求項10に記載の方法。
  18. 図15Fにおいて示されているC14−2の可変重および可変軽鎖を有する精製された抗体、またはそのscFv、Fv、Fab’、FabもしくはF(ab’)断片。
  19. 請求項18に記載の抗体またはその断片、並びにキャリヤーを含む、組成物。
  20. 図15Kにおいて示されているF3の重鎖を有する精製された抗体、またはそのscFv、Fv、Fab’、FabもしくはF(ab’)断片。
  21. 請求項20に記載の抗体、またはその断片およびキャリヤーを含む組成物。
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