JP2012503658A - オキサゾロベンゾイミダゾール誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、代謝型グルタミン酸受容体、特にmGluR2受容体の増強剤であり、グルタミン酸機能障害に関連する神経および精神障害、ならびに代謝型グルタミン酸受容体が関与する疾患の治療または予防に有用である、オキサゾロベンゾイミダゾール誘導体に関する。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに代謝型グルタミン酸受容体が関与するそのような疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用に関する。

Description

興奮性アミノ酸L−グルタミン酸(L−glutamate)(本明細書では簡単にグルタミン酸と称することもある)は、その多くの受容体を介して、哺乳動物中枢神経系(CNS)内の大部分の興奮性神経伝達を媒介する。グルタミン酸を含む興奮性アミノ酸は、生理学的に非常に重要なものであり、長期増強(学習および記憶)、シナプス可塑性の発生、運動制御、呼吸、心血管調節、および知覚などの様々な生理学的過程において役割を果たす。
グルタミン酸は、少なくとも2つの異なるクラスの受容体を介して作用する。1つのクラスは、リガンド依存性イオンチャネルとして作用するイオンチャネル型グルタミン酸(iGlu)受容体からなる。iGlu受容体の活性化によって、グルタミン酸は、CNSにおいて2つの連結するニューロンのシナプス内の高速ニューロン伝達を調節すると考えられている。第2の一般的な型の受容体は、Gタンパク質またはセカンドメッセンジャー結合「代謝型」グルタミン酸(mGluR)受容体である。いずれの型の受容体も、興奮性経路に沿って正常なシナプス伝達を媒介するだけでなく、発達段階中および一生を通じてシナプス連結の修飾に関与すると考えられる。Schoepp、Bockaert、およびSladeczek、Trends in Pharmacol.Sci.、11、508(1990);McDonaldおよびJohnson、Brain Research Reviews、15、41(1990)。
本発明は、mGlu受容体、特にmGluR2受容体の増強剤(potentiator)に関する。mGlu受容体は、III型Gタンパク質共役型受容体(GPCR)スーパーファミリーに属する。カルシウム感知受容体、GABAB受容体、およびフェロモン受容体を含む、このGPCRスーパーファミリーは、受容体タンパク質のアミノ末端部分へのエフェクタの結合によって活性化されるという点で独特である。mGlu受容体は、細胞内シグナル伝達経路を調節するグルタミン酸の実証された能力を媒介すると考えられている。Ozawa、Kamiya、およびTsuzuski、Prog.Neurobio.、54、581(1998)。mGlu受容体は、シナプス前およびシナプス後の両方に局在することが実証されており、そこでそれぞれグルタミン酸もしくは他の神経伝達物質のいずれかの神経伝達物質の放出を調節するか、または神経伝達物質のシナプス後応答を修飾することができる。
現在、明確に同定され、クローン化され、配列が報告されている8つの異なるmGlu受容体が存在する。これらはさらに、それらのアミノ酸配列相同性、ある種のシグナル伝達機序に影響を及ぼす能力、および既知の薬理学的特性に基づいて細分される。Ozawa、Kamiya、およびTsuzuski、Prog.Neurobio.、54、581(1998)。例えば、mGluRおよびmGlu5Rを含むI群mGluR受容体は、Gαqタンパク質を介してホスホリパーゼC(PLC)を活性化し、それによってホスホイノシチドの加水分解および細胞内カルシウム動員の増加をもたらすことが公知である。DHPG、(R/S)−3,5−ジヒドロキシフェニルグリシンを含むI群mGlu受容体を活性化することが報告されているいくつかの化合物がある。Schoepp、Goldworthy、Johnson、Salhoff、およびBaker、J.Neurochem.、63、769(1994);Itoら、keurorep.、3、1013(1992)。II群mGlu受容体は、2つの異なる受容体、mGluR2およびmGluR3受容体からなる。いずれもGαiタンパク質の活性化を介してアデニル酸シクラーゼに負に共役することが見出されている。これらの受容体は、1S,2S,SR,6S−2アミノビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートなどの選択的化合物によって活性化され得る。Monnら、J.Med.Chem.、40、528(1997);Schoeppら、Neuropharmacol.、36、1(1997)。この活性化はシナプスにおけるグルタミン酸放出の阻害をもたらす(Cartmellら、J Neurochem 75、889(2000))。同様に、mGluR4、mGluR6、mGluR7、およびmGluR8を含むIII群mGlu受容体は、Gαiを介してアデニル酸シクラーゼに負に共役し、L−AP4(L−(+)−2−アミノ−4−ホスホノ酪酸によって強く活性化される。Schoepp、Neurochem.Int.、24、439(1994)。
非選択的mGluR2/mGluR3受容体アゴニスト(Monnら、J.Med.Chem.、43、4893(2000))は、不安および精神病の多数の動物モデル、ならびに統合失調症患者でのヒト臨床試験において有効性が示されている。Patilら、Nature Medicine、13、1102(2007)。最近の報告は、抗精神病活性を予測するマウスモデルにおいて、mGluR3ではなくmGluR2がデュアルmGluR2/mGluR3アゴニストLY379268の作用を媒介することを示している。Woolleyら、Psycopharmacology、196、431(2008)。さらに、最近の動物実験は、mGluR2受容体の選択的増強がそのような非選択的アゴニストと類似の効果を有することを実証しており(Galiciら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics、315、1181(2005))、mGluR2の選択的ポジティブ・アロステリック・モジュレータ(PAMまたはアロステリック増強剤)の発見に関する代替ストラテジーを示唆している(Johnsonら、J.Med.Chem.46、3189(2003);Pinkertonら、J.Med.Chem.、47、4595(2004))。これらの増強剤は、受容体が内因性グルタミン酸に対する増強された応答を生じることを可能にすることによって作用する。そのようなアロステリック増強剤は、「オルソステリック部位」としても知られるグルタミン酸結合部位では結合せず、高度に保存されたオルソステリック部位以外の部位に結合することから利益を得ることができる。このアプローチの潜在的な利点には、オルソステリック部位に結合して、内因性リガンドの活性を高めることによって、明確な薬理学的プロファイルを有することができる機会が含まれる。薬理学的な特質には、同じ内因性リガンドを共有する関連受容体型間の薬理学的特異性の可能性が含まれる。さらに、mGluR2のポジティブ・アロステリック・モジュレータは、LY379268などのmGluR2アゴニストの応答を増強することが示されており(Johnsonら、Biochemical Soc.Trans.32、881(2004)、これはmGluR2選択的PAMを用いる治療の代替ストラテジーとなる。
Schoepp、Bockaert、およびSladeczek、Trends in Pharmacol.Sci.、11、508(1990) McDonaldおよびJohnson、Brain Research Reviews、15、41(1990) Ozawa、Kamiya、およびTsuzuski、Prog.Neurobio.、54、581(1998) Schoepp、Goldworthy、Johnson、Salhoff、およびBaker、J.Neurochem.、63、769(1994) Itoら、keurorep.、3、1013(1992) Monnら、J.Med.Chem.、40、528(1997) Schoeppら、Neuropharmacol.、36、1(1997) Cartmellら、J Neurochem 75、889(2000) Schoepp、Neurochem.Int.、24、439(1994) Monnら、J.Med.Chem.、43、4893(2000) Patilら、Nature Medicine、13、1102(2007) Woolleyら、Psycopharmacology、196、431(2008) Galiciら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics、315、1181(2005) Johnsonら、J.Med.Chem.46、3189(2003) Pinkertonら、J.Med.Chem.、47、4595(2004) Johnsonら、Biochemical Soc.Trans.32、881(2004) Monaghan、Bridges、およびCotman、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.、29、365〜402(1989) SchoeppおよびSacann、Neurobio.Aging、15、261〜263(1994) MeldrumおよびGarthwaite、Tr.Pharmacol.Sci.、11、379〜387(1990)
グルタミン酸放出の変化またはシナプス後受容体活性化の変化による、グルタミン酸作動性系を含む興奮性アミノ酸受容体の調節と、様々な神経および精神障害との間に関連のあることがますます明らかになっている。例えば、Monaghan、Bridges、およびCotman、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.、29、365〜402(1989);SchoeppおよびSacann、Neurobio.Aging、15、261〜263(1994);MeldrumおよびGarthwaite、Tr.Pharmacol.Sci.、11、379〜387(1990)。そのようなグルタミン酸機能障害の医学的な結果は、これらの神経学的過程の軽減を重要な治療目標とする。
本発明は、代謝型グルタミン酸受容体、特にmGluR2受容体の増強剤であり、グルタミン酸機能障害に関連する神経および精神障害、ならびに代謝型グルタミン酸受容体が関与する疾患の治療または予防に有用である、オキサゾロベンゾイミダゾール誘導体に関する。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに代謝型グルタミン酸受容体が関与するそのような疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用に関する。
本発明は、式Iの化合物の類、
Figure 2012503658
または医薬的に許容されるその塩を包含し、式中、
、X、X、およびXは独立して、C(R)およびNからなる群から選択され、
各Rは独立して、
(1)H、
(2)ハロ、
(3)C1−8アルキル、
(4)C2−6アルケニル、
(5)C2−6アルキニル、
(6)C3−6シクロアルキル、
(7)C1−6アルコキシ、
(8)C3−6シクロアルコキシ、
(9)−CN、
(10)−OH、
(11)−C(O)−O−C1−4アルキル、
(12)−C(O)−C1−4アルキル、
(13)−N(R)
(14)−C(O)−N(R)
(15)−S(O)−C1−4アルキル(式中、kは0、1、または2である)、
(16)−アリール、
(17)−ヘテロアリール(1または2個のメチル基で場合により置換されている)、
(18)−C(O)−アリール、
(19)−N(R)−アリール、
(20)ベンジル、
(21)ベンジルオキシ、
(22)−COH、
(23)−SH、
(24)−SON(R)R、
(25)−N(R)C(O)N(R)R、
(26)−N(R)C(O)C1−4アルキル、
(27)−N(R)SON(R)R、
(28)トリメチルシリル、および
(29)1−メチルシレタン(methylsiletan)−1−イルからなる群から選択され、
上記の基(3)から(8)は、1ないし置換可能な位置の最大数まで、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシ、およびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択された1つまたは複数の置換基で場合により置換されており、
隣接する原子上の2つのR置換基は、それらが結合している原子と一緒になり、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含有する、5または6員の飽和または部分不飽和単環式環を形成することができ、前記環は、オキソもしくは1から3個のハロ基、または両方で場合により置換されており、前記環は、ベンゾ基と場合により縮合しており、
は、
(1)
Figure 2012503658
(式中、YはOまたは結合であり、rおよびtは独立して0から9であり、ただしr+tは4より大きく、各Rは独立して、H、ハロ、およびC1−4アルキル(1から3個のハロ基で場合により置換されている)から選択され、隣接する炭素原子上の2つのR基は一緒になり、二重結合を形成することができる)、
(2)C3−10シクロアルキルまたはC3−10シクロアルキル−(CH−(式中、qは1から4である)、
(3)CF
(4)tert−ブチル、
(5)2,2−ジメチルプロピル、および
(6)
Figure 2012503658
(式中、Rは、C1−6アルキル、フェニル、およびベンジルから選択され、いずれも1から3個のハロ基で場合により置換されていることができる)からなる群から選択され、
および各Rは独立して、H、ハロ、およびC1−4アルキルからなる群から選択され、前記C1−4アルキルは、オキソ、ならびにF、OH、およびN(R)からなる群から独立して選択された1から3個の置換基で場合により置換されており、
各Rは独立して、HおよびC1−4アルキルからなる群から選択される。
この類のなかで、本発明は、Rがメチルまたはエチルである、式Iの化合物の第1の下位類を包含する。
さらにこの類のなかで、本発明は、
が下式である、
Figure 2012503658
式Iの化合物の第2の下位類を包含する。
さらにこの類のなかで、本発明は、Rが、C3−10シクロアルキルまたはC3−10シクロアルキル−(CH−(式中、qは1から4である)である、式Iの化合物の第3の下位類を包含する。
さらにこの類のなかで、本発明は、Rが下式である、
Figure 2012503658
式Iの化合物の第4の下位類を包含する。
さらにこの類のなかで、本発明は、
式Iaを有する化合物、
Figure 2012503658
または医薬的に許容されるその塩の第5の下位類を包含する。
第5の下位類のなかで、本発明は、
が下式である、
Figure 2012503658
式Iaの化合物の第1のクラスを包含する。
さらにこの類のなかで、本発明は、
式Ibを有する化合物、
Figure 2012503658
または医薬的に許容されるその塩の第6の下位類を包含する。
第6の下位類のなかで、本発明は、
が下式である、
Figure 2012503658
式Ibの化合物の第2のクラスを包含する。
本発明はまた、以下の群
Figure 2012503658
Figure 2012503658
Figure 2012503658
から選択される化合物または医薬的に許容されるその塩を包含する。
本発明はまた、医薬的に許容される担体とともに式Iaの化合物を含む医薬組成物を包含する。
本発明はまた、治療を必要としている患者において、グルタミン酸機能障害に関連する神経または精神障害を治療するための方法であって、治療有効量の式Iの化合物を患者に投与することを含む方法を包含する。本発明はまた、グルタミン酸機能障害に関連する神経または精神障害が統合失調症である当該方法を包含する。
「アルキル」、ならびにアルコキシ、アルカノイルなどの接頭語「アルク(alk)」を有する他の基は、直鎖もしくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせであることのできる炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどが含まれる。
「アルキレン」は、−CHCH−および−CHCHCH−などの、両端に置換された基を有する炭素原子の直鎖または分岐鎖を意味する。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖もしくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせであることのできる炭素鎖を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが含まれる。
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖もしくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせであることのできる炭素鎖を意味する。アルキニルの例には、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどが含まれる。
「シクロアルキル」は、指示された数の炭素原子を有し、場合により直鎖または分岐鎖構造と組み合わせられた、単環式、二環式、または三環式構造を意味する。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロドデシルメチル、2−エチル−1−ビシクロ[4.4.0]デシルなどが含まれる。
「アルコキシ」は、指示された数の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を意味する。例えば、C1−6アルコキシには、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどが含まれる。
「シクロアルコキシ」は、酸素原子に結合した上に定義されたシクロアルキルを意味し、例えばシクロプロピルオキシなどである。
「アリール」は、炭素原子のみを含有する単環式または二環式芳香環を意味する。アリールの例には、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,4−ベンゾジオキサニルなどが含まれる。
「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環がN、O、およびSから選択されたヘテロ原子を含有し、各環が5または6個の原子を含有する、単環式または二環式芳香環を意味する。ヘテロアリールの例には、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリルなどが含まれる。
「ハロゲン」および「ハロ」には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が含まれる。
本発明の化合物は、代謝型グルタミン酸(mGluR)受容体機能の増強剤であり、具体的には、本発明の化合物は、mGluR受容体の増強剤である。すなわち、本発明の化合物は、mGluR受容体のグルタミン酸認識部位に結合するとは考えられないが、グルタミン酸またはグルタミン酸アゴニストの存在下において、本発明の化合物は、mGluR受容体応答を増大させる。本発明の増強剤は、そのような受容体のグルタミン酸またはグルタミン酸アゴニストに対する応答を増大し、当該受容体の機能を高めるという能力によって、結果として、mGluR受容体における効果を有するものと考えられる。本発明の化合物が、mGluR2受容体のグルタミン酸およびグルタミン酸アゴニストの有効性を増大させるであろうことが認められる。したがって、本発明の増強剤は、本明細書において治療されることが記載されているグルタミン酸機能障害に関連する様々な神経および精神障害、ならびに当業者に理解されるようにそのような増強剤で治療することのできる他の障害の治療に有用であることが期待される。
本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有することができ、したがって、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生じることができる。分子上の種々の置換基の性質に応じて、さらなる不斉中心が存在する可能性がある。そのような各不斉中心は、独立して2種の光学異性体を生じ、混合物中および純粋または部分精製化合物として考えられるすべての光学異性体およびジアステレオマーは、本発明の範囲に含まれることが意図される。特定の立体化学が明記されていない、本明細書に記載の化合物の任意の式、構造、または名称は、任意の割合で上に記載した存在するすべての異性体およびそれらの混合物を包含することが意図される。立体化学が明記されているとき、本発明は、純粋な形態、または任意の割合の他の異性体との混合物の一部として、その特定の異性体を包含することが意図される。
これらのジアステレオマーの独立した合成、またはそれらのクロマトグラフィによる分離は、本明細書に開示された方法の適切な変更によって、当該技術分野で周知であるとおり達成することができる。それらの絶対立体化学は、必要であれば既知の絶対配置の不斉中心を含有する試薬を用いて誘導体化される結晶中間体または結晶生成物のx線結晶学によって決定することができる。
所望であれば、化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。当該分離は、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物とカップリングして、ジアステレオマー混合物を形成し、その後、分別結晶またはクロマトグラフィなどの標準的な方法によって個々のジアステレオマーを分離するなど、当分野で周知である方法によって行うことができる。カップリング反応は多くの場合、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。次いで、ジアステレオマー誘導体を、付加されたキラル残基の開裂によって、純粋なエナンチオマーに変換することができる。化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィ法によって直接分離することもでき、かかる方法は当該技術分野において周知である。
または、化合物の任意のエナンチオマーは、当分野で周知である方法によって既知の立体配置の光学的に純粋な出発材料または試薬を用いて、立体選択的合成によって得ることもできる。
本発明はまた、1つまたは複数の原子が、同じ原子番号を有するが、自然界で通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられている、式Iの化合物の医薬的に許容されるすべての同位体変種を含む。
本発明の化合物に含まれるのに適した同位体の例には、水素の同位体、HおよびHなど、炭素の同位体、11C、13C、および14Cなど、窒素の同位体、13Nおよび15Nなど、酸素の同位体、15O、17O、および18Oなど、リンの同位体、32Pなど、硫黄の同位体、35Sなど、フッ素の同位体、18Fなど、ヨウ素の同位体、23Iおよび125Iなど、ならびに塩素の同位体、36Clなどが含まれる。
ある種の同位体標識された式Iの化合物、例えば放射性同位体を取り込んだ当該化合物は、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわちH、および炭素14、すなわち14Cは、それらの取り込みが容易であり、迅速な検出手段がある点から、この目的のために特に有用である。
重水素、すなわちHなどの重い同位体で置換することによって、より高い代謝安定性、例えばin vivo半減期の増大、または必要用量の低減に起因するある種の治療上の利点がもたらされる可能性があり、したがってある状況では好ましい可能性がある。11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出トポグラフィ(Positron Emission Topography)(PET)試験に有用であり得る。通常、同位体標識された式Iの化合物は、当業者に公知である通常の技法によって、または本実施例に記載するものと類似の方法によって、これまで用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて調製することができる。
用語「医薬的に許容される塩」は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む、医薬的に許容される非毒性塩基または酸から調製された塩を指す。無機塩基から得られる塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウムの塩である。固体形態の塩は複数の結晶構造で存在することができ、水和物の形態であってもよい。医薬的に許容される非毒性有機塩基から得られる塩には、第一級、第二級、および第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が含まれる。
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸から調製することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。特に好ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、および酒石酸である。本明細書では、式Iの化合物についての言及は医薬的に許容される塩も含むことを意図するものであることが理解される。
本発明の例示は、本明細書に記載の実施例1−5、1−10から1−19、1−21、1−23、1−31、2−5、2−6、3−3から3−7、および4−2から4−4である。主題化合物は、有効量の当該化合物を投与することを含む、そのような阻害を必要としている哺乳動物などの患者において、代謝型グルタミン酸受容体活性を増強する方法において有用である。本発明は、代謝型グルタミン酸受容体活性の増強剤としての、本明細書に開示の主題化合物の使用に関する。霊長類の動物(特にヒト)に加えて、他の種々の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。
本発明はさらに、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤と組み合わせることを含む、ヒトおよび動物において代謝型グルタミン酸受容体活性を増強するための薬剤を製造する方法に関する。
本発明の方法で治療される対象は、一般に代謝型グルタミン酸受容体活性の増強が望ましい哺乳動物、好ましくはヒトの雄性または雌性である。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床家によって求められる、組織、系、動物、またはヒトにおける生物学的または医学的応答を引き出すと考えられる、主題化合物の量を意味する。当業者であれば、有効量の本発明の化合物を用いて、現在障害に苦しむ患者を治療することによって、または障害に苦しむ患者を予防的に治療することによって、神経および精神障害に作用し得ることが認識される。本明細書では、「治療(treatment)」および「治療すること(treating)」という用語は、本明細書に記載の神経および精神障害の進行が遅延、中断、阻止、制御、または停止する可能性のあるすべての過程を指すが、特にそのような疾患または障害に罹患しやすい患者において、すべての障害の症状の完全な排除、ならびに当該状態の予防的治療を必ずしも意味するものではない。
本明細書では、用語「組成物」は、特定量の特定成分を含む生成物、ならびに特定量の特定成分の組み合わせから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含することが意図される。医薬組成物に関する当該用語は、活性成分、および担体を構成する不活性成分を含む生成物、ならびに任意の2種以上の成分の組み合わせ、複合、もしくは凝集から、または1種以上の成分の解離から、または1種以上の成分による他の種類の反応または相互作用から直接または間接的に得られる生成物を包含することが意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体を混合することによって製造された任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤、または賦形剤が、製剤の他の成分と適合性(compatible)でなければならず、その受容者に有害であってはならないことを意味する。
化合物の「投与」および/または化合物を「投与すること」という用語は、治療を必要としている個体に、本発明の化合物、または本発明の化合物のプロドラッグを提供することを意味するものであると理解されるべきである。
代謝型グルタミン酸受容体活性、特にmGluR2活性の阻害剤としての本発明による化合物の有用性は、当分野で公知である方法論によって実証することができる。阻害定数は、以下のとおり決定される。本発明の化合物は、蛍光レーザー・イメージング・プレート・リーダー(FLIPR)に基づくアッセイで試験を行うことができる。このアッセイは、雑多な(promiscuous)Gタンパク質と共役した組換え受容体を発現する全細胞でのCa2+動員をモニターする一般的な機能アッセイである。Fluo−4AM(Invitrogen、Carlsbad CA)を搭載した組換えヒトmGluR2およびGα16を安定に発現するCHOdhfr細胞を、化合物の用量反応によって処理し、Ca2+応答をアゴニスト活性に関して、FLIPR384(Molecular Devices、Sunnydaly CA)でモニターする。EC20濃度のグルタミン酸(900nM)を続いて添加した後、増強応答をモニターする。アゴニストまたは増強に関して、化合物の各濃度での最大カルシウム応答を用量反応としてプロットし、その曲線を、反復非線形曲線フィッティング・ソフトウェア・プログラムを用いて、EC50およびHill係数を与える4パラメータのロジスティック方程式でフィッティングする。
本発明の化合物はまた、[35S]−GTPγSアッセイで試験することができる。[35S]−GTPγS結合の刺激は、天然および組換え受容体膜調製物においてGαi共役受容体をモニターする一般的な機能アッセイである。hmGlu2 CHO−K1を安定に発現する細胞由来の膜(50μg)を、GTPγS35(0.05nM)、GDP(5μM)、および化合物の存在下、96ウェルプレートで1時間インキュベートする。96ウェル・セル・ハーベスタ(Brandel Gaithersburg、MD)を用い、Unifilter GF/Bプレート(Packard、Bioscience、Meriden CT)で急速濾過することによって、反応を停止する。Topcountカウンタ(Packard、Bioscience、Meriden CT、USA)を用い、フィルタープレートをカウントする。化合物が増強剤として評価する場合、グルタミン酸(1μM)の存在下、それらの化合物を試験する。グルタミン酸(増強剤)の活性化(アゴニスト)または増強曲線を、反復非線形曲線フィッティングソフトウェアGraphPad(San Diego CA、USA)を用い、EC50およびHill係数を与える4パラメータのロジスティック方程式でフィッティングする。
具体的には、1−5、1−10から1−19、1−21、1−23、1−31、2−5、2−6、3−3から3−7、および4−2から4−4を、通常約10μM未満のEC50でFLIPRアッセイによりmGluR2受容体の増強に関して試験し、その活性を実証した。本発明の範囲内の化合物は、約1μM未満のEC50で、FLIPRおよびGTPySアッセイにおいてmGluR2受容体の増強に関する活性を有した。実施例1−5、1−10から1−19、1−21、1−23、1−31、2−5、2−6、3−3から3−7、および4−2から4−4は、EC20濃度のグルタミン酸(900nM)の存在下、最低1.8倍のグルタミン酸応答の増強をもたらした。そのような結果は、mGluR2受容体活性の増強剤としての使用における、これらの化合物の内因活性を示している。
Figure 2012503658
mGluR2受容体を含む代謝型グルタミン酸受容体は、広範な生物学的機能に関係があるとされている。これは、ヒトまたは他の種における様々な疾患過程でのこれらの受容体の潜在的な役割を示唆している。
本発明の化合物は、以下の急性神経および精神障害、例えば心臓バイパス手術および移植後の脳欠損(cerebral deficit)、脳卒中、脳虚血、脊髄損傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷、認知症(AIDS誘発性認知症を含む)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物性パーキンソン病、振戦(tremor)を含む筋痙性を伴う筋肉痙攣および障害、てんかん、痙攣、片頭痛(片頭痛性頭痛を含む)、尿失禁、物質耐性、物質離脱症状(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静薬、催眠薬などの物質を含む)、精神病、統合失調症、不安神経症(全般性不安障害、パニック障害、および強迫性障害を含む)、気分障害(鬱病、躁病、双極性障害を含む)、三叉神経痛、聴力喪失、耳鳴、眼の黄斑変性、嘔吐、脳浮腫、疼痛(急性および慢性疼痛状態、重度疼痛、難治性疼痛、神経障害性疼痛、および外傷後疼痛を含む)、遅発性ジスキネジア、睡眠障害(ナルコレプシーを含む)、自閉症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥/過活動性障害、および行為障害の1つまたは複数の状態または疾患を含む、グルタミン酸機能障害に関連する様々な神経および精神障害の治療、予防、改善、制御、またはリスクの低減に有用である。
上記障害のなかで、片頭痛、不安神経症、統合失調症、およびてんかんの治療が特に重要である。好ましい実施形態において、本発明は、片頭痛を治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。別の好ましい実施形態において、本発明は、不安神経症を予防または治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。特に好ましい不安障害は、全般性不安障害、パニック障害、および強迫性障害である。別の好ましい実施形態において、本発明は、統合失調症を治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。さらに別の好ましい実施形態において、本発明は、てんかんを治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
本発明によって治療されるグルタミン酸機能障害に関連する神経および精神障害のなかで、片頭痛、不安神経症、統合失調症、およびてんかんの治療が特に好ましい。特に好ましい不安障害は、全般性不安障害、パニック障害、および強迫性障害である。
ある実施形態において、本発明は、統合失調症を治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物またはその医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。利用可能な診断ツール源の1つであるThe Merck Manual(2006〜2007)では、統合失調症は、精神病(現実との接触の喪失)、幻覚(誤った知覚)、妄想(誤った信念)、解体した会話および行動、平坦な情動(限定された範囲の感情)、認知障害(推論および問題解決の減損)、ならびに職業的および社会的機能不全によって特徴づけられている。当業者は、片頭痛を含む神経および精神障害に関して、別の命名法、疾病分類、および分類体系が存在し、これらの体系が医療科学の進歩に伴って進化することを認識するであろう。
したがって、ある実施形態において、本発明は、片頭痛を治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物またはその医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。利用可能な診断ツール源の1つであるDorland‘s Medical Dictionary(第23版、1982、W.B.Saunders Company、Philidelphia、PA)では、片頭痛は、しばしば被刺激性、吐気、嘔吐、便秘または下痢、および光恐怖を伴う、通常は側頭および片側性である、周期性頭痛の症状群として定義されている。本明細書では、用語「片頭痛」には、側頭および片側性両方の頭痛、関連する被刺激性、吐気、嘔吐、便秘または下痢、光恐怖、および他の関連症状が含まれる。当業者は、片頭痛を含む神経および精神障害に関して、別の命名法、疾病分類、および分類体系が存在し、これらの体系が医療科学の進歩に伴って進化することを認識するであろう。
別の実施形態において、本発明は、不安神経症を治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物またはその医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。現在、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders第4版(DSM−IV)(1994、American Psychiatric Association、Washington、D.C.)が、不安神経症および関連障害を含む診断ツールを提供している。これらには、広場恐怖症を伴うかまたは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴のない広場恐怖症、特定恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、全身性疾患による不安障害、物質誘発性不安障害、および特定されない不安障害が含まれる。本明細書では、用語「不安神経症」には、DSM−IVに記載される不安障害および関連障害の治療が含まれる。当業者は、神経および精神障害、特に不安神経症に関して、別の命名法、疾病分類、および分類体系が存在し、これらの体系が医療科学の進歩に伴って進化することを認識するであろう。したがって、用語「不安神経症」は、他の診断情報源に記載されている同種の障害を含むことが意図される。
別の実施形態において、本発明は、鬱病を治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物またはその医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。現在、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders第4版(DSM−IV)(1994、American Psychiatric Association、Washington、D.C.)が、鬱病および関連障害を含む診断ツールを提供している。鬱病障害には、例えば、単一突発性または反復性大鬱病障害、および気分変調性障害、抑鬱神経症、および神経症性鬱病;食欲不振、体重減少、不眠症、および早朝覚醒、および精神運動遅滞を含むメランコリー型鬱病;食欲増進、過眠症、精神運動激越または興奮性(irritability)、不安、および恐怖症を含む非定型鬱病(または反応性鬱病);季節性情動障害;または双極性障害もしくは躁鬱病、例えば双極性I型障害、双極性II型障害、および気分循環性障害が含まれる。本明細書では、用語「鬱病」には、DSM−IVに記載される鬱病障害および関連障害の治療が含まれる。
別の実施形態において、本発明は、てんかんを治療する方法であって、それを必要としている患者に有効量の式Iの化合物またはその医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。現在、特発性、症候性、および原因不明のものを含む、てんかんに関連する発作のいくつかのタイプおよびサブタイプが存在する。これらのてんかん発作は、焦点性(部分的)または全般性であり得る。これらはまた、単一または複雑性であり得る。てんかんは、当分野において、例えばEpilepsy:A comprehensive textbook、Jerome Engel,Jr.およびTimothy A.Pedley編、(Lippincott−Raven、Philadelphia、1997)などに記載されている。現在、国際疾病分類(International Classification of Diseases)第9版(ICD−9)が、てんかんおよび関連障害を含む診断ツールを提供している。これらには、全般非痙攣性てんかん、全般痙攣性てんかん、小発作てんかん重積状態、大発作てんかん重積状態、意識障害を伴う部分てんかん、意識障害を伴わない部分てんかん、乳児痙攣、持続性部分てんかん、他の形態のてんかん、詳細不明、特定されない(NOS)てんかんが含まれる。本明細書では、用語「てんかん」には、これらのすべてのタイプおよびサブタイプが含まれる。当業者は、てんかんを含む神経および精神障害に関して、別の命名法、疾病分類、および分類体系が存在し、これらの体系が医療科学の進歩に伴って進化することを認識するであろう。
主題化合物はさらに、本明細書に参照した疾患、障害、および状態を予防、治療、制御、改善する、またはそのリスクを低減するための方法において有用である。
主題化合物はさらに、mGluRアゴニストを含む他の薬剤と併せて、前述の疾患、障害、および状態を予防、治療、制御、改善する、またはそのリスクを低減するための方法において有用である。
用語「強化量(potentiated amount)」は、mGluRアゴニストの量、すなわち、有効量の本発明の化合物と併せて投与される場合に本明細書に記載の神経および精神障害を治療するのに有効であるアゴニストの投与量を指す。強化量は、有効量の本発明の化合物なしにmGluRアゴニストが投与された場合に同じ効果を提供するのに必要とされる量より少ないことが予期される。
強化量は、通常の技法を用いることによって、また類似の環境下で得られた結果を観察することによって、当業者である担当診断医が容易に決定することができる。強化量、式Iの化合物と併せて投与されるmGluRアゴニストの用量の決定において、いくつかの要因が担当診断医によって検討され、それらの要因には、これに限定されるものではないが、その効力および選択性を含む、投与することが選択されたmGluRアゴニスト;共に投与される式Iの化合物;哺乳動物の種;その大きさ、年齢、および全身の健康状態;関与する特定の障害;障害の関与の程度または重篤度;個々の患者の応答;投与様式;投与される調剤のバイオアベイラビリティ特性;選択される投与レジメン;他の併用薬剤の使用;および他の関連する状況が含まれる。
有効量の式Iの化合物と併せて投与されるmGluRアゴニストの強化量は、1日体重1kg当たり約0.1ミリグラム(mg/kg/日)から100mg/kg/日まで多様であることが予期され、有効量の式Iの化合物なしに投与されたとき同じ効果を提供するのに必要とされる量より少ないことが予期される。共に投与されるmGluアゴニストの好ましい量は、当業者によって決定され得る。
本発明の化合物は、式Iの化合物または他の薬物が有用であり得る疾患または状態の治療、予防、制御、改善、またはリスクの低減において、それらの薬物の組み合わせがいずれかの薬物単独より安全であるか、または有効である場合、1種または複数の他の薬物と併せて用いることができる。そのような他の薬物は、それらが一般に用いられる経路および量で、式Iの化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。式Iの化合物が1種または複数の他の薬物と同時に用いられる場合、そのような他の薬物と式Iの化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が好ましい。しかしながら、この併用療法は、式Iの化合物と1種または複数の他の薬物が様々な重複するスケジュールで投与される療法も含むことができる。さらに1種または複数の他の活性成分と併せて用いられる場合、本発明の化合物および他の活性成分は、単独で用いられる場合より低用量で用いられる可能性のあることが企図される。したがって、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物に加えて、1種または複数の他の活性成分を含有する組成物が含まれる。
上記の組み合わせには、1種の他の活性化合物だけでなく、2種以上の他の活性化合物と本発明の化合物との組み合わせが含まれる。
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または状態の予防、治療、制御、改善、またはリスクの低減に用いられる他の薬物と併せて用いることができる。そのような他の薬物は、そのために一般に用いられる経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。本発明の化合物が1種または複数の他の薬物と同時に用いられる場合、本発明の化合物に加えてそのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて1種または複数の他の活性成分も含有する組成物が含まれる。
本発明の化合物と第2活性成分との重量比は多様であってよく、各成分の有効用量によって決まる。一般に、それぞれの有効用量が用いられる。したがって、例えば本発明の化合物を他の薬剤と併用するとき、本発明の化合物と他の薬剤との重量比は、一般に約1000:1から約1:1000、好ましくは約200:1から約1:200の範囲となる。本発明の化合物と他の活性成分との組み合わせも一般に上述の範囲内となるが、いずれの場合にも、各活性成分の有効用量が用いられるべきである。
そのような組み合わせにおいて、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別々にまたは一緒に投与することができる。さらに、1つの要素の投与は、他の薬剤の投与前、投与と同時、または投与後であってよい。
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射または注入、皮下注射、またはインプラント)によって、吸入スプレー、経鼻、経膣、直腸、舌下、または局所投与経路によって投与することができ、それぞれの投与経路に適した通常の非毒性の医薬的に許容される担体、助剤、および賦形剤(vehicle)を含有する適切な投与単位製剤中に、単独または一緒に製剤化することができる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどの温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトにおける使用に有効である。
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、投与単位形態で好都合に提供することができ、薬学分野で周知である任意の方法で調製することができる。すべての方法に、活性成分を1種または複数の副成分を構成する担体と合わせるステップが含まれる。一般に医薬組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉固体担体、またはその両方と均一および緊密に合わせ、その後必要であれば、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。医薬組成物において、活性対象化合物は、疾患の経過または状態に所望の効果をもたらすのに十分な量で含有される。本明細書では、「組成物」という用語は、特定量の特定成分を含む生成物、ならびに特定量の特定成分の組み合わせから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含することが意図される。
経口で用いるための医薬組成物は、医薬組成物を製造するために当分野で公知である任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、医薬的に効率的(elegant)で口当たりの良い調剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択された1種または複数の作用剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適した医薬的に許容される非毒性賦形剤と混合した活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、またはアラビアゴム、ならびに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであることができる。錠剤は被覆されていなくてもよく、または胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長時間にわたる持続作用を提供するために、既知の技法で被覆されていてもよい。経口で用いるための組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル剤、または活性成分が水、または油媒質、例えば落花生油、パラフィン油、もしくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤として提供することもできる。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤を製造するのに適した賦形剤と混合された活性材料を含有する。油性懸濁剤は、活性成分を適切な油に懸濁することによって製剤化することができる。水中油型エマルションも用いることができる。水を添加して水性懸濁剤を調製するのに適した分散性粉末および顆粒は、分散化剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種または複数の保存剤と混合された活性成分を提供する。
本発明の化合物の医薬組成物は、無菌注射可能な水性または油性懸濁剤の形態であることができる。本発明の化合物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与することもできる。局所使用の場合、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、液剤、または懸濁剤などを用いることができる。本発明の化合物は、吸入による投与用に製剤化することもできる。本発明の化合物は、当分野で公知である方法によって、経皮パッチにより投与することもできる。
本発明の医薬組成物および方法はさらに、上述の病的状態の治療に通常適用される、本明細書に記載の治療的に有効な他の化合物を含むことができる。
代謝型グルタミン酸受容体活性の増強を必要とする状態の治療、予防、制御、改善、またはそのリスクの低減において、適切な投与量レベルは一般に、1日当たり患者の体重1kg当たり約0.01から500mgとなり、それを単回または複数回用量で投与できる。好ましくは、投与量レベルは、1日当たり約0.1から約250mg/kg、より好ましくは1日当たり約0.5から約100mg/kgとなる。適切な投与量レベルは、1日当たり約0.01から250mg/kg、1日当たり約0.05から100mg/kg、または1日当たり約0.1から50mg/kgであることができる。この範囲内で、投与量は1日当たり0.05から0.5、0.5から5、または5から50mg/kgであることができる。経口投与の場合、治療される患者の症状に合わせて投与量を調製するために、組成物は、好ましくは活性成分1.0から1000ミリグラム、具体的には活性成分1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0ミリグラムを含有する錠剤の形態で提供される。化合物は、1日当たり1から4回、好ましくは1日当たり1または2回のレジメンで投与することができる。
グルタミン酸機能障害に関連する神経および精神障害、または本発明の化合物が適応される他の疾患を治療、予防、制御、改善する、またはそのリスクを低減する場合、一般に、好ましくは単回日用量もしくは1日2から6回の分割用量として、または持続放出形態で、本発明の化合物が動物の体重1kg当たり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムの日用量で投与されるとき、満足な結果が得られる。ほとんどの大型哺乳動物の場合、総日用量は、約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、好ましくは約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、総日用量は一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムとなる。この投与量レジメンは、最適な治療応答を提供するように調節することができる。
しかしながら、任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルおよび投与頻度は多様であってよく、用いられる具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式および時間、排出速度、薬物の組み合わせ、特定の状態の重篤度、および治療を受ける宿主を含む種々の要因によって決まることが理解される。
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を下記のスキームおよび実施例に例示する。出発材料は、当分野で公知である手順に従って、または本明細書に例示のとおり製造される。本発明の化合物は、様々な方式で調製できる。
I.一般スキーム
一般スキームAに従って、マイクロウェーブにおいて、炭酸セシウムの存在下、エポキシド(A−1)を置換2−クロロまたは2−ブロモベンゾイミダゾール(A−2)と反応させ、中間体アルコール(A−3)のワンポット環化を経て、ワンポットで所望のオキサゾロベンゾイミダゾール(A−4)を得ることができる。
スキームA
Figure 2012503658
一般スキームBに従って、種々の複素環誘導体を合成できる。置換アザベンゾイミダゾロン(A−2)を、マイクロウェーブ条件下、置換エポキシド(B−1)でアルキル化して、分離可能なアルキル化生成物(B−3およびB−4)を得ることができる。これらの生成物のいずれかを分子内光延閉環に進めて、位置異性体オキサゾロベンゾイミダゾール(B−5およびB−5’)を得ることができる。
スキームB
Figure 2012503658
一般スキームCに従って、置換2−クロロまたは2−ブロモベンゾイミダゾール(C−2)を、塩基の存在下、α−ブロモまたはα−クロロケトンC−1と反応させて、ケトンC−3を得ることができる。次いで、ケトンを水素化ホウ素ナトリウムで処理して、対応するアルコールC−4に還元することができる。最後に、アルコールC−4を、マイクロウェーブ照射下、ラセミ混合物としてオキサゾロベンゾイミダゾールC−5に環化することができる。
スキームC
Figure 2012503658
ケトンD−3をグリニャール試薬に暴露して第三級アルコールD−4を得る、上記の手順の変法によって、2位が置換されたオキサゾロベンゾイミダゾール(D−5)を合成することができる。マイクロウェーブ照射下、D−4を塩基で処理して、ラセミ混合物として所望のオキサゾロベンゾイミダゾールD−5を得る。
スキームD
Figure 2012503658
II.実験スキーム
下記のスキームのある種の試薬(フェノール、エポキシド、およびクロロベンゾイミダゾール)は、阻害剤合成スキームに組み入れる前に合成しなければならなかった。具体的な手順は以下に記載するか、または参照する。
クロロベンゾイミダゾールの合成
いくつかのクロロベンゾイミダゾールは市販されておらず、Ognyanov,V.I.等、J.Med.Chem.2006、49、3719〜3742に2−クロロ−5−シアノベンゾイミダゾールに関して記載されているとおり、対応するオルト−ジ−アニリンから合成しなければならなかった。
エポキシドの合成(Eスキーム)
Figure 2012503658
6−(オキシラン−2−イル)ヘキサン−1−オール(E−2)
オクト−7−エン−1−オール(E−1)(2.24g、17.5mmol、1当量)のDCM(9mL)溶液に、ピラゾール(143mg、2.1mmol、0.12当量)、MTO(22mg、0.09mmol、0.005当量)、および過酸化水素35%水溶液(3.4mL、34.9mmol、2当量)を添加した。TLCでモニターしながら出発材料が消失するまで、混合物を室温で攪拌し、次いでそれを氷浴で冷却し、少量の二酸化マンガンを添加した。有機層を分離し、残存する水相をDCMで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、次の操作に十分な純度の無色の油として、6−(オキシラン−2−イル)ヘキサン−1−オール(E−2)を得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ3.63(t,J=6.6Hz,2H):2.93−2.88(m,1H);2.75(t,J=4.5Hz,1H);2.47(dd,J=5.1,2.8Hz,1H);1.60−1.42(m,6H);1.41−1.34(m,4H)。
表1に示す化合物をスキームEに従って合成した。
Figure 2012503658
α−ブロモケトンの合成(Kスキーム)
Figure 2012503658
4,4−ジメチルペンタン−2−オン(K−1)(150mg、1.314mmol、1当量)のMeOH(1mL)溶液に、臭素(68μL、1.314mmol、1当量)を添加し、NMRでモニターしながら出発材料が消失するまで、混合物を室温で攪拌した。その後、溶媒を除去して、次の操作に十分な純度の透明な液体として、所望のブロモケトンK−2を得た。
表2に示す化合物をスキームKに従って合成した。
Figure 2012503658
mGluR2阻害剤の合成−オキサゾロベンゾイミダゾール
スキーム1
Figure 2012503658
実施例1−5
(2R)−2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(1−5)
DMSO(2mL)中の2−ヘキシルオキシラン(1−1)(277mg、2.16mmol、1当量)、2−クロロベンゾイミダゾール(1−2)(330mg、2.16mmol、1.0当量)、および炭酸セシウム(35mg、0.1mmol、0.05当量)の混合物を、LC−MSでモニターしながら出発材料(SM)が消失するまで、マイクロウェーブにおいて130Cで加熱した。アルコール1−3および完全環化生成物1−4の両方を含有する冷却した混合物に、NaH(鉱油中60%懸濁液16mg、0.32mmol、0.5当量)を添加し、続いて室温で攪拌した。水素の発生が止まったら、LC−MSでモニターしながら所望の生成物に完全に転化するまで、混合物を再びマイクロウェーブにおいて130Cで加熱した。次いで水を添加し、固体沈殿物を濾過し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、白色結晶固体として、ラセミ2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(1−4)を得た。OJ−Hカラムでのキラル分離によって、(2R)−2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(1−5)および(2S)−2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]−オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(1−6)を得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ7.36(m,1H),7.24(m,1H),7.12(m,2H),5.47(m,1H),4.85(s,1H),4.45(dd,1H,J=9.15,8.15Hz),3.95(dd,1H,J=9.25,7.33Hz),3.30(dd,1H,J=1.64,1.56Hz),1.80−2.05(m,2H),1.2−1.7(m,8H),0.9(t,3H,J=5.1Hz)。LRMSm/z(M+H)245.1実測値,245.2所要値。
スキーム1b
Figure 2012503658
実施例1−10
(2R)−2−ヘキス−5−エン−1−イル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(1−10)
DMSO(4mL)中の2−ヘキス−5−エン−イルオキシラン(1−7)(500mg、3.96mmol、1.0当量)、2−クロロベンゾイミダゾール(1−2)(623mg、4.08mmol、1.03当量)、および炭酸セシウム(1291mg、3.96mmol、1.0当量)の混合物を、LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、マイクロウェーブにおいて130Cで加熱した。混合物を冷却し、粗製物をシリカプラグで濾過し、残留物を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.1%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色結晶固体として2−ヘキス−5−エン−1−イル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(1−9)を得た。Chiralcel AS−Hカラムでのキラル分離によって(0.1%DEAを含むヘキサン中15%MeOH)、(2R)−2−ヘキス−5−エン−1−イル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(1−10)を得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.53(d,J=7.8Hz,1H);7.19−7.13(m,1H);7.11(d,J=4.3Hz,2H);5.80(ddt,J=17.2,10.2,6.6Hz,1H);5.40−5.33(m,1H),;5.06−4.93(m,2H);4.34(t,J=8.4Hz,1H);3.87(t,J=8.0Hz,1H);2.10(q,J=6.7Hz,2H);2.08−1.99(m,1H);1.92−1.83(m,1H);1.64−1.53(m,2H);1.50(t,J=7.2Hz,4H)。LRMSm/z(M+H)243.0実測値,243.32所要値。
表3に示す化合物をスキーム1bに従って合成した。
Figure 2012503658
表4の化合物を、2−クロロベンゾイミダゾールアルキル化ステップで塩基を添加せずに合成した。
Figure 2012503658
以下の化合物をスキーム1aに従って合成し、その後さらに操作した。
スキーム1c
Figure 2012503658
実施例1−21
2−(4−メトキシブチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール(1−21)
乾燥水素化ナトリウム(4.7mg、0.19mmol、1.05当量)を、THF(1.2mL)中の4−(2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−2−イル)ブタン−1−オール(1−20)(41mg、0.18mmol、1当量)に添加し、混合物を室温で10分間攪拌した。ヨウ化メチル(16.5μL、0.27mmol、1.5当量)を添加し、LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、混合物を攪拌した。水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、MgSOで乾燥、その後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.10%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体として2−(4−メトキシブチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール(1−21)を得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.53(d,J=7.8Hz,1H);7.19−7.10(m,3H);5.41−5.34(m,1H);4.34(t,J=8.4Hz,1H);3.88(dd,J=8.8,7.1Hz,1H);3.41(t,J=5.7Hz,2H);3.34(s,3H);2.10−2.01(m,1H);1.96−1.87(m,1H);1.70−1.53(m,4H)。LRMSm/z(M+H)247.1実測値,247.1所要値。
スキーム1d
Figure 2012503658
実施例1−23
2−(6−フルオロヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール(1−23)
DCM中6−(2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−2−イル)ヘキサン−1−オール(1−22)(78mg、0.3mmol、1当量)に、−78℃でDAST(0.20mL、1.5mmol、5当量)を添加し、混合物を攪拌して、温度を室温に上昇させた。一晩経過後、出発材料は消失した(LC−MS分析)。その後、炭酸ナトリウム水溶液を添加し、反応混合物をDCMで抽出、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.1%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、2−(6−フルオロヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール(1−23)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.54(d,J=7.7Hz,1H);7.20−7.10(m,3H);5.43−5.33(m,1H);4.51(t,J=6.0Hz,1H);4.43−4.30(m,2H);3.87(dd,J=8.9,7.1Hz,1H);2.12−1.96(m,1H);1.95−1.83(m,1H);1.77−1.42(m,8H)。HRMSm/z(M+H)263.1562実測値,263.1554所要値。
スキーム1e
Figure 2012503658
2−(6−ヒドロキシヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−7−カルボニトリル(1−25)
DMF(4mL)中の2−クロロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボニトリル(1−24)(1.0g、5.6mmol、1当量)および6−(オキシラン−2−イル)ヘキサン−1−オール(E−2)(1.4g、8.5mmol、1.5当量)の混合物を、LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、マイクロウェーブにおいて130℃で加熱した。次いで水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、MgSOで乾燥、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.1%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、1:1位置異性体混合物として、2−(6−ヒドロキシヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−7−カルボニトリル(1−25)および2−(6−ヒドロキシヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−6−カルボニトリル(1−26)を得た。H NMR(1−25)(500MHz,CDCl):δ7.80(s,1H);7.45(m,1H);7.17(d,J=8.2Hz,1H);5.48−5.41(m,1H);4.41(t,J=8.6Hz,1H);3.93(t,J=8.1Hz,1H);3.66(t,J=6.5Hz,2H);2.11−2.01(m,1H);1.96−1.88(m,1H);1.63−1.44(m,8H)。LRMSm/z(M+H)286.0実測値,286.1所要値。H NMR(1−26)(500MHz,CDCl):δ7.56(d,J=8.3Hz,1H);7.42(m,2H);5.48−5.41(m,1H);4.41(t,J=8.6Hz,1H);3.93(t,J=8.1Hz,1H);3.66(t,J=6.5Hz,2H);2.11−2.01(m,1H);1.96−1.88(m,1H);1.63−1.44(m,8H)。LRMSm/z(M+H)286.0実測値,286.1所要値。
(R)−6−(7−シアノ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−2−イル)ヘキシル4−メチルベンゼンスルホナート(1−29)
2−(6−ヒドロキシヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−7−カルボニトリル(1−25)および2−(6−ヒドロキシヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−6−カルボニトリル(1−26)の混合物(780mg、2.7mmol、1当量)をDCM(5.5mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.1mL、8.2mmol、3当量)、塩化トシル(573mg、3.0mmol、1.1当量)、およびDMAP(33mg、0.3mmol、0.1当量)を添加した。混合物を周囲温度で一晩攪拌した後、LC−MS分析によって出発材料の完全な消費が示され、その後、水でクエンチした。水相をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。得られた粗製物を80gシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン中0から100%酢酸エチル勾配溶出)によって精製して、いずれも白色固体として6−(7−シアノ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−2−イル)ヘキシル4−メチルベンゼンスルホナート(1−27)および6−(6−シアノ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−2−イル)ヘキシル4−メチルベンゼンスルホナート(1−28)を得た。Chiralcel ODカラムでのキラル分離(0.1%DEAを含むヘキサン中50%EtOH勾配溶出)によって、白色固体として(R)−6−(7−シアノ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−2−イル)ヘキシル4−メチルベンゼンスルホナート(1−29)を得た。H NMR(1−27および1−29)(500MHz,CDCl):δ7.80−7.75(m,3H);7.40(dd,J=8.2,1.5Hz,1H);7.35(d,J=8.0Hz,2H);7.19−7.10(m,1H);5.43(qd,J=7.6,5.2Hz,1H);4.45−4.37(m,1H);4.03(t,J=6.3Hz,2H);3.93(dd,J=9.2,7.2Hz,1H);2.45(s,3H);2.06−1.96(m,1H);1.93−1.84(m,1H);1.69−1.44(m,4H);1.41−1.36(m,4H)。LRMSm/z(M+H)440.1実測値,440.1所要値。H NMR(1−28)(500MHz,CDCl):δ7.79(d,J=8.0Hz,2H);7.54(t,J=8.2Hz,1H);7.48−7.41(m,2H);7.35(d,J=8.0Hz,2H);5.50−5.42(m,1H);4.42(t,J=8.5Hz,1H);4.04(t,J=6.3Hz,2H);3.93(dd,J=9.0,7.2Hz,1H);2.45(s,3H);2.07−1.97(m,1H);1.95−1.85(m,1H);1.69−1.44(m,4H);1.41−1.38(m,4H)。LRMSm/z(M+H)440.1実測値,440.1所要値。
実施例1−31
(R)−2−(6−フルオロヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−7−カルボニトリル(1−31)
(R)−6−(7−シアノ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−2−イル)ヘキシル4−メチルベンゼンスルホナート(1−29)(30mg、0.07mmol、1当量)をCHCN(1.5mL)に溶解し、TBAF(70μL、0.07mmol、1.02当量)を添加した。LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、混合物を40℃で攪拌し、その後、逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.1%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体として(R)−2−(6−フルオロヘキシル)−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾロ[3,2−a]イミダゾール−7−カルボニトリル(1−31)を得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.81(s,1H);7.42(d,J=8.2Hz,1H);7.18(d,J=8.0Hz,1H);5.49−5.43(m,1H);4.50(t,J=6.0Hz,1H);4.44−4.38(m,2H);3.94(dd,J=9.1,7.2Hz,1H);2.09−2.02(m,1H);1.96−1.88(m,1H);1.74(s,1H);1.71−1.64(m,1H);1.63(s,2H);1.55(s,2H);1.26(s,2H)。LRMSm/z(M+H)288.1実測値,288.1所要値。
スキーム2
Figure 2012503658
1−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(2−3)および3−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(2−4)
DMF(3mL)中の2−ヘキシルオキシラン(2−1)(195mg、1.525mmol、1.03当量)、1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(2−2)(200mg、1.480mmol、1.0当量)、および炭酸セシウム(241mg、0.740mmol、0.5当量)の混合物を、LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、マイクロウェーブにおいて130Cで加熱した。混合物を冷却し、粗製物をシリカプラグで濾過し、濾液を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.10%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体として純粋な1−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(2−3)および3−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(2−4)を得た。
実施例2−5および2−6
2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−c]ピリジン(2−5)および2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[2’,3’:2,3]イミダゾ[4,5−c]ピリジン(2−6)
DCM(5mL)中の1−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(2−3)および3−(2−ヒドロキシオクチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(2−4)の混合物(110mg、0.418mmol、1.00当量)、PS−トリフェニルホスフィン(685mg、1.253mmol、3当量、1.83mmol/g)、ならびにDIAD(0.122mL、0.627mmol、1.5当量)を、LC−MSでモニターしながら出発材料が完全に消失するまで、室温で回転させた。樹脂を濾過で除去し、溶媒を除去し、残留物を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.10%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、2:1位置異性体混合物として、2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−c]ピリジン(2−5)および2−ヘキシル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[2’,3’:2,3]イミダゾ[4,5−c]ピリジン(2−6)を得た。H NMR(2−5)(500MHz,CDCl):δ8.78(s,1H);8.33(d,J=5.3Hz,1H);7.09(d,J=5.4Hz,1H);5.44(dd,J=7.8,5.8Hz,1H);4.99−4.94(m,1H);4.38(t,J=8.5Hz,1H);3.92(dd,J=9.1,7.2Hz,1H);2.07−2.03(m,1H);1.91−1.88(m,1H);1.52−1.45(m,2H);1.40(t,J=7.5Hz,2H);1.33−1.30(m,2H);1.26(d,J=6.3Hz,2H);0.90(t,J=6.7Hz,2H)。LRMSm/z(M+H)246.1実測値,246.3所要値。
H NMR(2−6)(500MHz,CDCl):δ8.48(s,1H);8.37(d,J=5.4Hz,1H);7.44(d,J=5.5Hz,1H);5.44(dd,J=7.8,5.8Hz,1H);4.99−4.94(m,1H);4.43(t,J=8.5Hz,1H);3.96(dd,J=9.0,7.3Hz,1H);2.07−2.03(m,1H);1.91−1.88(m,1H);1.52−1.45(m,2H);1.40(t,J=7.5Hz,2H);1.33−1.30(m,2H);1.26(d,J=6.3Hz,2H);0.90(t,J=6.7Hz,2H)。LRMSm/z(M+H)246.1実測値,246.3所要値。
スキーム3
Figure 2012503658
1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4,4−ジメチルペンタン−2−オン(3−1)
2−クロロベンゾイミダゾール(1−2)(198mg、1.3mmol、1当量)、1−ブロモ−4,4−ジメチルペンタン−2−オン(251mg、1.3mmol、1当量)、および炭酸セシウム(635mg、1.3mmol、1当量)をDMSO(2mL)中に混合し、得られた懸濁液を、LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、80Cで加熱した。水を添加し、1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4,4−ジメチルペンタン−2−オン(3−1)沈殿物を濾過し、水で洗浄した。さらに精製する必要はなかった。
1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4,4−ジメチルペンタン−2−オール(3−2)
水素化ホウ素ナトリウム(91mg、2.4mmol、3当量)を、1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4,4−ジメチルペンタン−2−オン(3−1)(213mg、0.8mmol、1当量)のMeOH(2mL)溶液に室温で添加し、LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、その溶液を攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加し、反応混合物をCHClで抽出し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.10%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体として1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4,4−ジメチルペンタン−2−オール(3−2)を得た。
実施例3−3
2−(2,2−ジメチルプロピル)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(3−3)
DMF(2mL)中の1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4,4−ジメチルペンタン−2−オール(3−2)(265mg、1mmol、1当量)および炭酸セシウム(325mg、1mmol、1当量)の混合物を、LC−MSでモニターしながら出発材料が消失するまで、マイクロウェーブにおいて130Cで加熱した。反応物を冷却し、濾過した。濾液を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.10%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体として(2S)−2−{[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(3−3)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.52(dd,1H,J=7.7Hz);7.20−7.08(m,3H),5.49−5.43(m,1H);4.37(dd,1H,J=8.3,8.2Hz);3.82(dd,1H,J=11.3,8.4Hz);2.07(dd,1H,J=8.4,6.2Hz);1.70(dd,1H,J=14.7,4.0Hz);1.07(s,9H)。LRMSm/z(M+H)231.1実測値,231.1所要値。
表5に示す化合物をスキーム3に従って合成した。
Figure 2012503658
スキーム4
Figure 2012503658
1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)オクタン−2−オン(4−1)
2−クロロベンゾイミダゾール(1−2)(1.1g、7.2mmol、1当量)、炭酸セシウム(2.8g、8.53mmol、1.2当量)、および1−ブロモオクタン−2−オン(K−3)(1.5g、7.2mmol、1当量)をDMSO(9mL)中に混合し、LC−MSでモニターしながら出発材料が完全に消費されるまで、室温で攪拌した。水を添加し、粘着性の沈殿物を濾過し、さらにシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、白色薄片状固体として1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)オクタン−2−オン(4−1)を得た。
実施例4−2
2−ヘキシル−2−メチル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(4−2)
1−(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)オクタン−2−オン(4−1)(30mg、0.11mmol、1当量)をTHFに溶解し、臭化メチルマグネシウム(トルエン/THF75:25中1.4M溶液;300μL、3.8当量)を室温で添加した。出発材料が消費されるまで混合物を攪拌し、飽和NHClでクエンチし、水相をCHClで抽出、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。得られた粗製物を逆相液体クロマトグラフィ(Sunfire C18 OBD5μm、20×150mmカラム;0〜100%CHCN/HO勾配0.10%TFA含有)で精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体として2−ヘキシル−2−メチル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−α]ベンゾイミダゾール(4−2)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.52(d,1H,J=7.7Hz),7.07−7.10(m,3H),4.15(dd,2H,J=6.6,6.6Hz);1.9−2.1(m,2H),1.8−1.9(m,2H),1.5−1.75(m,5H),1.23−1.45(m,4H),0.9(bt,3H,J=6.7Hz)。LRMSm/z(M+H)259.1実測値,259.2所要値。
表6に示す化合物をスキーム4に従って合成した。
Figure 2012503658

Claims (13)

  1. 式Iの化合物、または医薬的に許容されるその塩:
    Figure 2012503658
    {式中、
    、X、X、およびXは独立して、C(R)およびNからなる群から選択され、
    各Rは独立して、
    (1)H、
    (2)ハロ、
    (3)C1−8アルキル、
    (4)C2−6アルケニル、
    (5)C2−6アルキニル、
    (6)C3−6シクロアルキル、
    (7)C1−6アルコキシ、
    (8)C3−6シクロアルコキシ、
    (9)−CN、
    (10)−OH、
    (11)−C(O)−O−C1−4アルキル、
    (12)−C(O)−C1−4アルキル、
    (13)−N(R)
    (14)−C(O)−N(R)
    (15)−S(O)−C1−4アルキル(式中、kは0、1、または2である)、
    (16)−アリール、
    (17)−ヘテロアリール(1または2個のメチル基で場合により置換されている)、
    (18)−C(O)−アリール、
    (19)−N(R)−アリール、
    (20)ベンジル、
    (21)ベンジルオキシ、
    (22)−COH、
    (23)−SH、
    (24)−SON(R)R、
    (25)−N(R)C(O)N(R)R、
    (26)−N(R)C(O)C1−4アルキル、
    (27)−N(R)SON(R)R、
    (28)トリメチルシリル、および
    (29)1−メチルシレタン−1−イルからなる群から選択され、
    上記の基(3)から(8)は、1ないし置換可能な位置の最大数まで、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシ、およびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択された1つまたは複数の置換基で場合により置換されており、
    隣接する原子上の2つのR置換基は、それらが結合している原子と一緒になり、O、S、およびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含有する、5または6員の飽和または部分不飽和単環式環を形成することができ、前記環は、オキソもしくは1から3個のハロ基、または両方で場合により置換されており、前記環は、ベンゾ基と場合により縮合しており、
    は、
    (1)
    Figure 2012503658
    (式中、YはOまたは結合であり、rおよびtは独立して0から9であり、ただしr+tは4より大きく、各Rは独立して、H、ハロ、およびC1−4アルキル(1から3個のハロ基で場合により置換されている)から選択され、隣接する炭素原子上の2つのR基は一緒になり、二重結合を形成することができる)、
    (2)C3−10シクロアルキルまたはC3−10シクロアルキル−(CH−(式中、qは1から4である)、
    (3)CF
    (4)tert−ブチル、
    (5)2,2−ジメチルプロピル、および
    (6)
    Figure 2012503658
    (式中、Rは、C1−6アルキル、フェニル、およびベンジルから選択され、いずれも1から3個のハロ基で場合により置換されていることができる)からなる群から選択され、
    および各Rは独立して、H、ハロ、およびC1−4アルキルからなる群から選択され、前記C1−4アルキルは、オキソ、ならびにF、OH、およびN(R)からなる群から独立して選択された1から3個の置換基で場合により置換されており、
    各Rは独立して、HおよびC1−4アルキルからなる群から選択される}。
  2. が、メチルまたはエチルである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、下式である、
    Figure 2012503658
    請求項1に記載の化合物。
  4. が、C3−10シクロアルキルまたはC3−10シクロアルキル−(CH−(式中、qは1から4である)である、請求項1に記載の化合物。
  5. が、下式である、
    Figure 2012503658
    請求項1に記載の化合物。
  6. 式Iaの請求項1に記載の化合物、
    Figure 2012503658
    または医薬的に許容されるその塩。
  7. が、下式である、
    Figure 2012503658
    請求項6に記載の化合物。
  8. 式Ibの請求項1に記載の化合物、
    Figure 2012503658
    または医薬的に許容されるその塩。
  9. が、下式である、
    Figure 2012503658
    請求項8に記載の化合物。
  10. 以下の群
    Figure 2012503658
    Figure 2012503658
    Figure 2012503658
    から選択される化合物または医薬的に許容されるその塩。
  11. 医薬的に許容される担体とともに、請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
  12. 治療を必要としている患者において、グルタミン酸機能障害に関連する神経または精神障害を治療するための方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物を患者に投与することを含む方法。
  13. 前記グルタミン酸機能障害に関連する神経または精神障害が、統合失調症である、請求項12に記載の方法。
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