JP2012256742A - 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 偏光状態の変更に関して高い自由度を有する照明光学系。
【解決手段】 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系は、所定面内に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、照明光学系の照明瞳に光強度分布を可変的に形成する空間光変調器と、空間光変調器と光源との間の光路中に配置され、あるいは空間光変調器よりも被照射面側の光路中において所定面と光学的に共役な面を含む共役空間に配置されて、光路を伝搬する伝搬光束のうちの一部の光束に作用する回転可能な第1波長板を有する偏光ユニットとを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳強度分布」という。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
二次光源からの光は、コンデンサー光学系により集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。マスクに形成されたパターンは微細化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
従来、フライアイレンズの直後に配置された波長板付きの開口絞りの作用により、フライアイレンズの後側焦点面またはその近傍の照明瞳に輪帯状または複数極状の二次光源(瞳強度分布)を形成し、この二次光源を通過する光束がその周方向を偏光方向とする直線偏光状態(以下、略して「周方向偏光状態」という)になるように設定する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第3246615号公報
様々な形態の微細パターンを忠実に転写するのに適した照明条件を実現するために、瞳強度分布の形状(大きさを含む広い概念)および偏光状態の変更に関する自由度の向上が望まれている。しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、波長板付きの開口絞りを交換しない限り、瞳強度分布の形状や偏光状態を変化させることができなかった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、偏光状態の変更に関して高い自由度を有する照明光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、偏光状態の変更に関して高い自由度を有する照明光学系を用いて、適切な照明条件のもとで微細パターンを感光性基板に正確に転写することのできる露光装置およびデバイス製造方法を提供することを目的とする。
第1形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
所定面内に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、前記照明光学系の照明瞳に光強度分布を可変的に形成する空間光変調器と、
前記空間光変調器と前記光源との間の光路中に配置され、あるいは前記空間光変調器よりも前記被照射面側の光路中において前記所定面と光学的に共役な面を含む共役空間に配置されて、光路を伝搬する伝搬光束のうちの一部の光束に作用する回転可能な第1波長板を有する偏光ユニットとを備えていることを特徴とする照明光学系を提供する。
第2形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
所定面内に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、前記照明光学系の照明瞳に光強度分布を可変的に形成する空間光変調器と、
前記複数の光学要素のうちの前記所定面上の第1領域に位置する光学要素の群を第1光学要素群とし、前記複数の光学要素のうちの前記第1領域に隣接する前記所定面上の第2領域に位置する光学要素の群を第2光学要素群とするとき、前記第1光学要素群を経由する第1光路を進行する第1光束の偏光度の状態を、前記第2光学要素群を経由する第2光路を進行する第2光束の偏光度の状態とは独立に変化させる偏光ユニットとを備えていることを特徴とする照明光学系を提供する。
第3形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
所定面内に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、前記照明光学系の照明瞳に光強度分布を可変的に形成する空間光変調器と、
前記複数の光学要素のうちの前記所定面上の第1領域に位置する光学要素の群を第1光学要素群とし、前記複数の光学要素のうちの前記第1領域とは異なる前記所定面上の第2領域に位置する光学要素の群を第2光学要素群とするとき、前記第1光学要素群を経由する第1光路を進行する第1光束の偏光状態を、前記第2光学要素群を経由する第2光路を進行する第2光束の偏光状態とは独立に変化させる偏光ユニットと、
前記複数の光学要素のうちの前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域に位置する光学要素の群を第3光学要素群とするとき、前記第3光学要素群を経由した第3光束を前記被照射面に導かないように前記複数の光学要素を制御する制御部とを備えていることを特徴とする照明光学系を提供する。
第4形態では、所定のパターンを照明するための第1形態、第2形態または第3形態の照明光学系を備え、前記所定のパターンを感光性基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第5形態では、第4形態の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 空間光変調器の構成および作用を説明する図である。 空間光変調器の要部の部分斜視図である。 実施形態の偏光ユニットの配置を示す図である。 実施形態の偏光ユニットの構成を概略的に示す図である。 図5の偏光ユニットに光束が入射する様子を示す図である。 偏光ユニットの直後における光束の偏光状態を示す図である。 空間光変調器の配列面における部分領域を示す図である。 6極状で周方向偏光状態の瞳強度分布を示す図である。 輪帯状で周方向偏光状態の瞳強度分布を示す図である。 6極状で径方向偏光状態の瞳強度分布を示す図である。 4極状で周方向偏光状態の瞳強度分布を示す図である。 4極状で径方向偏光状態の瞳強度分布を示す図である。 並列配置された一対の1/2波長板が部分的に重なり合った状態を示す図である。 1/2波長板のエッジの両側を通過した光が同じミラー要素に入射する現象を示す図である。 並列配置された4つの1/2波長板により偏光ユニットを構成した例を示す図である。 図16の偏光ユニットを経て形成される瞳強度分布の一例を示す図である。 矩形状の外形を有する一対の1/2波長板により偏光ユニットを構成した例を示す図である。 一対の1/2波長板と直列的に重なり合うように一対の1/4波長板を配置した例を示す図である。 図19の偏光ユニットを経て形成される瞳強度分布の一例を示す図である。 空間光変調器の配列面の共役空間に偏光ユニットを配置した変形例を示す図である。 図21の偏光ユニットの配置を示す光路展開図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
以下、実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの転写面(露光面)の法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの転写面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハWの転写面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
図1を参照すると、本実施形態の露光装置では、光源1から露光光(照明光)が供給される。光源1として、たとえば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源や、248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。光源1から+Z方向に射出された光は、ビーム送光部2および偏光ユニット4を介して、空間光変調器3に入射する。
空間光変調器3を経て斜め方向に射出された光は、光路折曲げミラーMR1により+Z方向に反射された後、リレー光学系4に入射する。ビーム送光部2は、光源1からの入射光束を適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換しつつ空間光変調器3へ導くとともに、空間光変調器3に入射する光束の位置変動および角度変動をアクティブに補正する機能を有する。なお、ビーム送光部2は、光源1からの入射光束を適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換しない構成であってもよい。
空間光変調器3は、後述するように、所定面内に配列されて個別に制御される複数のミラー要素と、制御系CRからの制御信号に基づいて複数のミラー要素の姿勢を個別に制御駆動する駆動部とを有する。偏光ユニット4は、ビーム送光部2と空間光変調器3との間の光路中に配置されて、光路を伝搬する伝搬光束のうちの一部の光束にそれぞれ作用する回転可能な一対の1/2波長板を有する。空間光変調器3および偏光ユニット4の構成および作用については後述する。
空間光変調器3から射出された光は、ミラーMR1およびリレー光学系5の前側レンズ群5aを介して、リレー光学系5の瞳面5cに入射する。前側レンズ群5aは、その前側焦点位置が空間光変調器3の複数のミラー要素の配列面(以下、「空間光変調器の配列面」という)の位置とほぼ一致し且つその後側焦点位置が瞳面5cの位置とほぼ一致するように設定されている。空間光変調器3を経た光は、後述するように、複数のミラー要素の姿勢に応じた光強度分布を瞳面5cに可変的に形成する。瞳面5cに光強度分布を形成した光は、リレー光学系5の後側レンズ群5bを介して、リレー光学系6に入射する。
リレー光学系6を経た光は、光路折曲げミラーMR2により+Y方向に反射され、マイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)7に入射する。後側レンズ群5bおよびリレー光学系6は、瞳面5cとマイクロフライアイレンズ7の入射面とを光学的に共役に設定している。したがって、空間光変調器3を経た光は、瞳面5cと光学的に共役な位置に配置されたマイクロフライアイレンズ7の入射面に、瞳面5cに形成された光強度分布に対応した光強度分布を形成する。
マイクロフライアイレンズ7は、たとえば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であり、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。マイクロフライアイレンズでは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、レンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
マイクロフライアイレンズ7における単位波面分割面としての矩形状の微小屈折面は、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状である。なお、マイクロフライアイレンズ7として、例えばシリンドリカルマイクロフライアイレンズを用いることもできる。シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号明細書に開示されている。
マイクロフライアイレンズ7に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍の照明瞳には、入射面に形成される光強度分布とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源(多数の小光源からなる実質的な面光源:瞳強度分布)が形成される。マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に形成された二次光源からの光束は、コンデンサー光学系8を介して、マスクブラインド9を重畳的に照明する。
こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド9には、マイクロフライアイレンズ7の矩形状の微小屈折面の形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。なお、マイクロフライアイレンズ7の後側焦点面またはその近傍に、すなわち後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に、二次光源に対応した形状の開口部(光透過部)を有する照明開口絞りを配置してもよい。
マスクブラインド9の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系10の集光作用を受け、且つ結像光学系10の光路中に配置されたミラーMR3により−Z方向へ反射された後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。すなわち、結像光学系10は、マスクブラインド9の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。
マスクステージMS上に保持されたマスクMを透過した光束は、投影光学系PLを介して、ウェハステージWS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハステージWSを二次元的に駆動制御しながら、ひいてはウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが順次露光される。
本実施形態の露光装置は、照明光学系(2〜10)を介した光に基づいて照明光学系の射出瞳面における瞳強度分布を計測する第1瞳強度分布計測部DTrと、投影光学系PLを介した光に基づいて投影光学系PLの瞳面(投影光学系PLの射出瞳面)における瞳強度分布を計測する第2瞳強度分布計測部DTwと、第1および第2瞳強度分布計測部DTr,DTwのうちの少なくとも一方の計測結果に基づいて空間光変調器3を制御し且つ露光装置の動作を統括的に制御する制御系CRとを備えている。
第1瞳強度分布計測部DTrは、例えば照明光学系の射出瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、照明光学系による被照射面上の各点に関する瞳強度分布(各点に入射する光が照明光学系の射出瞳位置に形成する瞳強度分布)をモニターする。また、第2瞳強度分布計測部DTwは、例えば投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、投影光学系PLの像面の各点に関する瞳強度分布(各点に入射する光が投影光学系PLの瞳位置に形成する瞳強度分布)をモニターする。
第1および第2瞳強度分布計測部DTr,DTwの詳細な構成および作用については、例えば米国特許公開第2008/0030707号明細書を参照することができる。また、瞳強度分布計測部として、米国特許公開第2010/0020302号公報の開示を参照することもできる。
本実施形態では、マイクロフライアイレンズ7により形成される二次光源を光源として、照明光学系の被照射面に配置されるマスクM(ひいてはウェハW)をケーラー照明する。このため、二次光源が形成される位置は投影光学系PLの開口絞りASの位置と光学的に共役であり、二次光源の形成面を照明光学系の照明瞳面と呼ぶことができる。また、この二次光源の形成面の像を照明光学系の射出瞳面と呼ぶことができる。典型的には、照明瞳面に対して被照射面(マスクMが配置される面、または投影光学系PLを含めて照明光学系と考える場合にはウェハWが配置される面)が光学的なフーリエ変換面となる。なお、瞳強度分布とは、照明光学系の照明瞳面または当該照明瞳面と光学的に共役な面における光強度分布(輝度分布)である。
マイクロフライアイレンズ7による波面分割数が比較的大きい場合、マイクロフライアイレンズ7の入射面に形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳強度分布)とが高い相関を示す。このため、マイクロフライアイレンズ7の入射面および当該入射面と光学的に共役な面における光強度分布についても瞳強度分布と称することができる。図1の構成において、リレー光学系5,6、およびマイクロフライアイレンズ7は、空間光変調器3を経た光束に基づいてマイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に瞳強度分布を形成する分布形成光学系を構成している。
次に、空間光変調器3の構成および作用を具体的に説明する。空間光変調器3は、図2に示すように、所定面内に配列された複数のミラー要素3aと、複数のミラー要素3aを保持する基盤3bと、基盤3bに接続されたケーブル(不図示)を介して複数のミラー要素3aの姿勢を個別に制御駆動する駆動部3cとを備えている。図2では、空間光変調器3の作用の理解を容易にするために、空間光変調器3からリレー光学系5までの光路を直線状に展開するとともにミラーMR1の図示を省略している。
空間光変調器3では、制御系CRからの指令に基づいて作動する駆動部3cの作用により、複数のミラー要素3aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素3aがそれぞれ所定の向きに設定される。空間光変調器3は、図3に示すように、二次元的に配列された複数の微小なミラー要素3aを備え、入射した光に対して、その入射位置に応じた空間的な変調を可変的に付与して射出する。説明および図示を簡単にするために、図2および図3では空間光変調器3が4×4=16個のミラー要素3aを備える構成例を示しているが、実際には16個よりもはるかに多数のミラー要素3aを備えている。
図2を参照すると、空間光変調器3に入射する光線群のうち、光線L1は複数のミラー要素3aのうちのミラー要素SEaに、光線L2はミラー要素SEaとは異なるミラー要素SEbにそれぞれ入射する。同様に、光線L3はミラー要素SEa,SEbとは異なるミラー要素SEcに、光線L4はミラー要素SEa〜SEcとは異なるミラー要素SEdにそれぞれ入射する。ミラー要素SEa〜SEdは、その位置に応じて設定された空間的な変調を光L1〜L4に与える。
空間光変調器3では、すべてのミラー要素3aの反射面が1つの平面に沿って設定された基準状態において、偏光ユニット4と空間光変調器3との間の光路の光軸AXと平行な方向に沿って入射した光線が、空間光変調器3およびミラーMR1で反射された後に、ミラーMR1とリレー光学系5との間の光路の光軸AXと平行な方向に進むように構成されている。また、上述したように、空間光変調器3の複数のミラー要素3aの配列面は、リレー光学系5の前側レンズ群5aの前側焦点位置またはその近傍に位置決めされている。
したがって、空間光変調器3の複数のミラー要素SEa〜SEdによって反射されて所定の角度分布が与えられた光は、リレー光学系5の瞳面5cに所定の光強度分布SP1〜SP4を形成し、ひいてはマイクロフライアイレンズ7の入射面に光強度分布SP1〜SP4に対応した光強度分布を形成する。すなわち、前側レンズ群5aは、空間光変調器3の複数のミラー要素SEa〜SEdが射出光に与える角度を、空間光変調器3の遠視野領域(フラウンホーファー回折領域)である瞳面5c上での位置に変換する。こうして、マイクロフライアイレンズ7が形成する二次光源の光強度分布(瞳強度分布)は、空間光変調器3およびリレー光学系5,6がマイクロフライアイレンズ7の入射面に形成する光強度分布に対応した分布となる。
空間光変調器3は、図3に示すように、平面状の反射面を上面にした状態で1つの平面に沿って規則的に且つ二次元的に配列された多数の微小な反射素子であるミラー要素3aを含む可動マルチミラーである。各ミラー要素3aは可動であり、その反射面の傾き、すなわち反射面の傾斜角および傾斜方向は、制御系CRからの制御信号に基づいて作動する駆動部3cの作用により独立に制御される。各ミラー要素3aは、その反射面に平行な二方向であって互いに直交する二方向を回転軸として、所望の回転角度だけ連続的或いは離散的に回転することができる。すなわち、各ミラー要素3aの反射面の傾斜を二次元的に制御することが可能である。
各ミラー要素3aの反射面を離散的に回転させる場合、回転角を複数の状態(例えば、・・・、−2.5度、−2.0度、・・・0度、+0.5度・・・+2.5度、・・・)で切り換え制御するのが良い。図3には外形が正方形状のミラー要素3aを示しているが、ミラー要素3aの外形形状は正方形に限定されない。ただし、光利用効率の観点から、ミラー要素3aの隙間が少なくなるように配列可能な形状(最密充填可能な形状)とすることができる。また、光利用効率の観点から、隣り合う2つのミラー要素3aの間隔を必要最小限に抑えることができる。
本実施形態では、空間光変調器3として、たとえば二次元的に配列された複数のミラー要素3aの向きを連続的にそれぞれ変化させる空間光変調器を用いている。このような空間光変調器として、たとえば欧州特許公開第779530号公報、米国特許第5,867,302号公報、米国特許第6,480,320号公報、米国特許第6,600,591号公報、米国特許第6,733,144号公報、米国特許第6,900,915号公報、米国特許第7,095,546号公報、米国特許第7,295,726号公報、米国特許第7,424,330号公報、米国特許第7,567,375号公報、米国特許公開第2008/0309901号公報、国際特許公開第WO2010/037476号パンフレット、国際特許公開第WO2010/040506号パンフレット並びに特開2006−113437号公報に開示される空間光変調器を用いることができる。なお、二次元的に配列された複数のミラー要素3aの向きを離散的に複数の段階を持つように制御してもよい。
空間光変調器3では、制御系CRからの制御信号に応じて作動する駆動部3cの作用により、複数のミラー要素3aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素3aがそれぞれ所定の向きに設定される。空間光変調器3の複数のミラー要素3aによりそれぞれ所定の角度で反射された光は、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に、所望の瞳強度分布を形成する。さらに、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳と光学的に共役な別の照明瞳の位置、すなわち結像光学系10の瞳位置および投影光学系PLの瞳位置(開口絞りASが配置されている位置)にも、所望の瞳強度分布が形成される。換言すると、空間光変調器3は、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に瞳強度分布を可変的に形成する。
偏光ユニット4は、図4に示すように、ビーム送光部2と空間光変調器3との間の光路中、すなわちほぼ平行光束が伝搬する光路中に配置されている。なお、図4では、偏光ユニット4の配置に関する理解を容易にするために、光源1からマイクロフライアイレンズ7までの光路を直線状に展開するとともに、空間光変調器3を透過型の空間光変調器として図示し且つミラーMR1の図示を省略している。
したがって、偏光ユニット4への入射光束の性状は、空間光変調器3への入射光束の性状に対応している。以下、説明の理解を容易にするために、偏光ユニット4が空間光変調器3の直前の平行光路中に配置され、偏光ユニット4には矩形状の断面を有し且つY方向に偏光した直線偏光(以下、「Y方向直線偏光」という)の平行光束が入射するものとする。すなわち、空間光変調器3にも、矩形状の断面を有し且つY方向直線偏光の平行光束が入射する。
偏光ユニット4は、図5に示すように、光路中に並列的に配置された一対の1/2波長板41および42を有する。1/2波長板41,42は、例えば光軸AXと平行な軸線41a,42aを中心とする円形状の外形を有し、その入射面および射出面が光軸AXと直交するように配置されている。一例として、一対の1/2波長板41と42とは、光軸AXと直交する単一の平面に沿って配置されている。1/2波長板41,42は、軸線41a,42a廻りに回転可能であり、且つX方向に(必要に応じてY方向にも)移動可能である。
偏光ユニット4は、1/2波長板41,42を軸線41a,42a廻りに回転させ且つX方向に移動させる駆動部DR41,DR42を有する。駆動部DR41,DR42は、1/2波長板41,42を回転させたり移動させたりするためのアクチュエータと、1/2波長板41,42の回転角度および移動量を検知するためのエンコーダとを有し、制御系CRからの制御信号に基づいて1/2波長板41,42を回転させたり移動させたりする。
偏光ユニット4には、図6に示すように、光軸AXを中心した矩形状の断面を有するY方向直線偏光の平行光束F1が入射する。この場合、入射光束F1のうち、1/2波長板41のエッジ41bよりも内側(−X方向側)の第1部分光束F11は、1/2波長板41を経て空間光変調器3に入射する。1/2波長板42のエッジ42bよりも内側(+X方向側)の第2部分光束F12は、1/2波長板42を経て空間光変調器3に入射する。1/2波長板41のエッジ41bと1/2波長板42のエッジ42bとの間の第3部分光束F13は、1/2波長板41および42を経ることなく空間光変調器3に入射する。
図6に示す状態において、1/2波長板41は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+60度(図6の紙面において時計廻りに60度)回転させた+60度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。一方、1/2波長板42は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を−60度回転させた−60度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。
その結果、偏光ユニット4の直後において空間光変調器3に入射する光束F1は、図7に示すような偏光状態になる。すなわち、第1部分光束F11は、1/2波長板41の偏光作用を受けるため、Y方向を+60度回転させた方向に偏光方向を有する+60度斜め方向直線偏光になる。第2部分光束F12は、1/2波長板42の偏光作用を受けるため、Y方向を−60度回転させた方向に偏光方向を有する−60度斜め方向直線偏光になる。第3部分光束F13は、1/2波長板41および42の偏光作用を受けないため、Y方向直線偏光のままである。
偏光ユニット4において第1部分光束F11が占める部分領域R11(図6を参照)は、図8に示すように、空間光変調器3の配列面における有効反射領域のうちの部分領域R01に対応している。同様に、部分光束F12,F13が占める部分領域R12,R13(図6を参照)は、部分領域R02,R03にそれぞれ対応している。空間光変調器3の配列面における部分領域R01〜R03に外接する矩形状の領域R0は、偏光ユニット4において入射光束F1が占める領域R1に対応している。
本実施形態では、空間光変調器3の複数のミラー要素3aのうち、第1部分領域R01に位置する第1ミラー要素群S01に属する複数のミラー要素3aのそれぞれの姿勢を、図9に示すように、第1ミラー要素群S01を経た光がマイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳面上の一対の瞳領域R11a,R11bへ導かれるように駆動部3cによって制御している。前述したように、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳面は、リレー光学系5の瞳面5cと光学的に共役な面であり、ひいては空間光変調器3の配列面の光学的なフーリエ変換面である。一対の瞳領域R11a,R11bは、例えば光軸AXを挟んで−X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた領域である。
第2部分領域R02に位置する第2ミラー要素群S02に属する複数のミラー要素3aのそれぞれの姿勢は、第2ミラー要素群S02を経た光が照明瞳面上の一対の瞳領域R12a,R12bへ導かれるように駆動部3cによって制御されている。第3部分領域R03に位置する第3ミラー要素群S03に属する複数のミラー要素3aのそれぞれの姿勢は、第3ミラー要素群S03を経た光が照明瞳面上の一対の瞳領域R13a,R13bへ導かれるように駆動部3cによって制御されている。
一対の瞳領域R12a,R12bは、例えば光軸AXを挟んで+X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた領域である。一対の瞳領域R13a,R13bは、例えば光軸AXを挟んでX方向に間隔を隔てた領域である。こうして、空間光変調器3は、矩形状の断面を有する平行光束に基づいて、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に、例えば6つの円形状の実質的な面光源P11a,P11b;P12a,P12b;P13a,P13bからなる6極状の瞳強度分布21を形成する。
すなわち、偏光ユニット4の1/2波長板41を経た部分光束F11は、空間光変調器3の第1ミラー要素群S01を経て、瞳領域R11a,R11bを占める面光源P11a,P11bを形成する。一対の面光源P11a,P11bを形成する光は、1/2波長板41を経ているので、図9の紙面においてZ方向を時計廻りに+60度回転させた方向に偏光方向を有する+60度斜め方向直線偏光(図7における+60度斜め方向直線偏光に対応)である。
偏光ユニット4の1/2波長板42を経た部分光束F12は、空間光変調器3の第2ミラー要素群S02を経て、瞳領域R12a,R12bを占める面光源P12a,P12bを形成する。一対の面光源P12a,P12bを形成する光は、1/2波長板42を経ているので、図9の紙面においてZ方向を時計廻りに−60度回転させた方向に偏光方向を有する−60度斜め方向直線偏光(図7における−60度斜め方向直線偏光に対応)である。
偏光ユニット4の1/2波長板41および42を経ることのない部分光束F13は、第3ミラー要素群S03を経て、瞳領域R13a,R13bを占める面光源P13a,P13bを形成する。一対の面光源P13a,P13bを形成する光は、1/2波長板41および42を経ていないので、Z方向直線偏光(図7におけるY方向直線偏光に対応)である。
こうして、空間光変調器3と偏光ユニット4との協働作用により、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳には、6極状で周方向偏光状態の瞳強度分布21が形成される。さらに、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳と光学的に共役な別の照明瞳の位置、すなわち結像光学系10の瞳位置および投影光学系PLの瞳位置(開口絞りASが配置されている位置)にも、瞳強度分布21に対応する6極状で周方向偏光状態の瞳強度分布が形成される。
一般に、周方向偏光状態の輪帯状や複数極状(2極状、4極状、8極状など)の瞳強度分布に基づく周方向偏光照明では、最終的な被照射面としてのウェハWに照射される光がs偏光を主成分とする偏光状態になる。ここで、s偏光とは、入射面に対して垂直な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に垂直な方向に電気ベクトルが振動している偏光)のことである。入射面とは、光が媒質の境界面(被照射面:ウェハWの表面)に達したときに、その点での境界面の法線と光の入射方向とを含む面として定義される。その結果、周方向偏光照明では、投影光学系の光学性能(焦点深度など)の向上を図ることができ、ウェハ(感光性基板)上において高いコントラストのマスクパターン像を得ることができる。
なお、1/2波長板41,42の光学軸の向きおよびミラー要素群S01,S02の反射面の向きを変更することにより、図9に示す瞳強度分布21と同じ分布を形成することができる。この場合、1/2波長板41を軸線41a廻りに回転させて、Y方向直線偏光の光が入射した場合に、−60度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きを設定する。また、1/2波長板42を軸線42a廻りに回転させて、Y方向直線偏光の光が入射した場合、+60度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きを設定する。
さらに、1/2波長板41および第1ミラー要素群S01を経た光が一対の瞳領域R12a,R12bへ導かれるように、第1ミラー要素群S01に属する複数のミラー要素3aの姿勢を駆動部3cによって制御する。同様に、1/2波長板42および第2ミラー要素群S02を経た光が一対の瞳領域R11a,R11bへ導かれるように、第2ミラー要素群S02に属する複数のミラー要素3aの姿勢を駆動部3cによって制御する。波長板の光学軸の向きおよびミラー要素の反射面の向きを変更して図9に示す瞳強度分布21と同じ分布を得る手法は、後述の各瞳強度分布の形成に際しても適用可能である。
本実施形態では、姿勢が個別に制御される多数のミラー要素3aを有する空間光変調器3を用いているので、瞳強度分布の形状(大きさを含む広い概念)の変更に関する自由度は高い。一例として、制御系CRからの指令にしたがって空間光変調器3を制御するだけで、図10に示すように、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に輪帯状で周方向偏光状態の瞳強度分布22を形成することができる。
図10に示す例では、1/2波長板41および第1ミラー要素群S01を経た光が、照明瞳面において光軸AXを挟んで−X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた一対の円弧状の瞳領域R21a,R21bへ導かれて、実質的な面光源P21a,P21bを形成する。1/2波長板42および第2ミラー要素群S02を経た光は、光軸AXを挟んで+X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた一対の円弧状の瞳領域R22a,R22bへ導かれて、実質的な面光源P22a,P22bを形成する。
1/2波長板41および42を経ることなく第3ミラー要素群S03を経た光は、光軸AXを挟んでX方向に間隔を隔てた一対の円弧状の瞳領域R23a,R23bへ導かれて、実質的な面光源P23a,P23bを形成する。瞳領域R21a,R21b;R22a,R22b;R23a,R23bは、光軸AXを中心とした円環領域を周方向に6分割して得られる円弧状の領域である。こうして、例えば6つの円弧状の実質的な面光源P21a,P21b;P22a,P22b;P23a,P23bからなる輪帯状で周方向偏光状態の瞳強度分布22が形成される。
また、本実施形態では、姿勢が個別に制御される多数のミラー要素3aを有する空間光変調器3を用いているので、瞳強度分布の偏光状態の変更に関する自由度は高い。一例として、制御系CRからの指令にしたがって空間光変調器3を制御するだけで、図11に示すように、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に6極状で径方向偏光状態の瞳強度分布23を形成することができる。
図11に示す例では、1/2波長板41および第1ミラー要素群S01を経た光が、照明瞳面において光軸AXを挟んで+X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた一対の円弧状の瞳領域R31a,R31bへ導かれて、実質的な面光源P31a,P31bを形成する。1/2波長板42および第2ミラー要素群S02を経た光は、光軸AXを挟んで−X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた一対の円弧状の瞳領域R32a,R32bへ導かれて、実質的な面光源P32a,P32bを形成する。
1/2波長板41および42を経ることなく第3ミラー要素群S03を経た光は、光軸AXを挟んでZ方向に間隔を隔てた一対の円弧状の瞳領域R33a,R33bへ導かれて、実質的な面光源P33a,P33bを形成する。こうして、例えば6つの円形状の実質的な面光源P31a,P31b;P32a,P32b;P33a,P33bからなる6極状で径方向偏光状態の瞳強度分布23が形成される。また、図示を省略するが、制御系CRからの指令にしたがって空間光変調器3を制御するだけで、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に輪帯状で径方向偏光状態の瞳強度分布を形成することもできる。
一般に、径方向偏光状態の輪帯状や複数極状の瞳強度分布に基づく径方向偏光照明では、最終的な被照射面としてのウェハWに照射される光がp偏光を主成分とする偏光状態になる。ここで、p偏光とは、上述のように定義される入射面に対して平行な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に平行な方向に電気ベクトルが振動している偏光)のことである。その結果、径方向偏光照明では、ウェハWに塗布されたレジストにおける光の反射率を小さく抑えて、ウェハ(感光性基板)上において良好なマスクパターン像を得ることができる。
また、別の例として、1/2波長板41,42の光学軸の向きを変更し且つ空間光変調器3を制御することにより、図12に示すように、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に4極状で周方向偏光状態の瞳強度分布24を形成することができる。図12に示す例において、1/2波長板41は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+45回転させた+45度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。1/2波長板42は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を−45度回転させた−45度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。
図12に示す例では、1/2波長板41および第1ミラー要素群S01を経た光が、照明瞳面において光軸AXを挟んで−X方向と45度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R41a,R41bへ導かれて、実質的な面光源P41a,P41bを形成する。1/2波長板42および第2ミラー要素群S02を経た光は、光軸AXを挟んで+X方向と45度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R42a,R42bへ導かれて、実質的な面光源P42a,P42bを形成する。
1/2波長板41および42を経ることなく第3ミラー要素群S03を経た光は、制御系CRからの指令にしたがって、例えば照明光路の外側へ導かれ、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に達することがない。換言すれば、制御系CRは、第3ミラー要素群S03を経由した光束を被照射面に導かないように、空間光変調器3の複数のミラー要素3aを制御する。こうして、例えば4つの円形状の実質的な面光源P41a,P41b;P42a,P42bからなる4極状で周方向偏光状態の瞳強度分布24が形成される。
さらに、図12に示す状態から空間光変調器3を制御するだけで、図13に示すように、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に4極状で周方向偏光状態の瞳強度分布25を形成することができる。図13に示す例では、+45度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように光学軸の向きが設定された1/2波長板41および第1ミラー要素群S01を経た光が、照明瞳面において光軸AXを挟んで+X方向と45度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R51a,R51bへ導かれて、実質的な面光源P51a,P51bを形成する。
−45度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように光学軸の向きが設定された1/2波長板42および第2ミラー要素群S02を経た光は、光軸AXを挟んで−X方向と45度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R52a,R52bへ導かれて、実質的な面光源P52a,P52bを形成する。1/2波長板41および42を経ることなく第3ミラー要素群S03を経た光は、例えば照明光路の外側へ導かれ、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に達することがない。こうして、例えば4つの円形状の実質的な面光源P51a,P51b;P52a,P52bからなる4極状で径方向偏光状態の瞳強度分布25が形成される。
なお、本実施形態では、偏光ユニット4の作用により、例えば6極状の瞳強度分布21を構成する6つの面光源の間で、光強度を維持しつつ偏光状態を変化させることができる。具体的に、1/2波長板41を図6に示す位置から軸線41a廻りに回転させると一対の面光源P11a,P11bを形成する光の偏光方向が回転し、1/2波長板42を図6に示す位置から軸線42a廻りに回転させると一対の面光源P12a,P12bを形成する光の偏光方向が回転する。すなわち、偏光ユニット4は、一対の面光源P11a,P11bの偏光状態と、一対の面光源P12a,P12bの偏光状態とを独立に変化させることができる。
また、本実施形態では、空間光変調器3の作用により、例えば6極状の瞳強度分布21を構成する6つの面光源のうち、一対の面光源P11aとP11bとの間、P12aとP12bとの間、P13aとP13bとの間で、周方向偏光状態を維持しつつ光強度を相対的に変化させることができる。ただし、空間光変調器3の作用だけでは、例えば面光源P11aと面光源P11b以外の他の面光源との間で、偏光状態を維持しつつ光強度を相対的に変化させることはできない。
本実施形態では、空間光変調器3と偏光ユニット4との協働作用により、例えば6極状の瞳強度分布21を構成する6つの面光源の間で、周方向偏光状態を維持しつつ光強度を相対的に変化させることができる。具体的に、1/2波長板41だけを図6に示す位置から−X方向側へ移動させると、第1部分光束F11の断面積(部分領域R11の面積)が減少し、第3部分光束F13の断面積(部分領域R13の面積)が増大する。その結果、一対の面光源P11a,P11bの光強度を減少させ、一対の面光源P13a,P13bの光強度を増大させることができる。
1/2波長板41だけを図6に示す位置から+X方向側へ移動させると、第3部分光束F13の断面積が減少し、第1部分光束F11の断面積が増大する。その結果、一対の面光源P13a,P13bの光強度を減少させ、一対の面光源P11a,P11bの光強度を増大させることができる。1/2波長板42だけを図6に示す位置から+X方向側へ移動させると、第2部分光束F12の断面積(部分領域R12の面積)が減少し、第3部分光束F13の断面積が増大する。
その結果、一対の面光源P12a,P12bの光強度を減少させ、一対の面光源P13a,P13bの光強度を増大させることができる。1/2波長板42だけを図6に示す位置から−X方向側へ移動させると、第3部分光束F13の断面積が減少し、第2部分光束F12の断面積が増大する。その結果、一対の面光源P13a,P13bの光強度を減少させ、一対の面光源P12a,P12bの光強度を増大させることができる。
このように、一対の1/2波長板41および42のうちの少なくとも一方をX方向に移動させることにより、第1部分光束F11の断面積と第2部分光束F12の断面積と第3部分光束F13の断面積との比を変化させることができ、ひいては6極状の瞳強度分布21を構成する6つの面光源P11a,P11b;P12a,P12b;P13a,P13bの間で、周方向偏光状態を維持しつつ光強度を相対的に変化させることができる。同様に、他の瞳強度分布22〜25においても、偏光状態を維持しつつ複数の面光源の間で光強度を相対的に変化させることができる。
一対の1/2波長板41と42とが光軸AXに沿って互いに隣接するように配置された構成では、1/2波長板41を図6に示す位置から+X方向側へ移動させたり、1/2波長板42を図6に示す位置から−X方向側へ移動させたりすると、図14に示すように1/2波長板41と42とが重なり合う部分領域R14が発生する。この場合、部分領域R14を通過する部分光束F14は、1/2波長板41および42の偏光作用を受けて、Y方向直線偏光の入射光がY方向直線偏光のまま射出される。
したがって、図14に示す例では、偏光ユニット4の1/2波長板41および42を経た部分光束F14を、空間光変調器3の第4ミラー要素群S04(不図示)を経て、瞳領域R13a,R13bへ導くことにより、図9に示す瞳強度分布21と同じ分布を形成することができる。同様に、1/2波長板41と42とが重なり合った状態で、図10〜図14に示す瞳強度分布22〜25と同じ分布を形成することができる。
ところで、本実施形態では、一対の1/2波長板41および42が光軸AXと平行な軸線41a,42aを中心とする円形状の外形を有し、軸線41a,42a廻りに回転可能である。したがって、図15に示すように、円形状の1/2波長板41および42のエッジ41b,42bの直ぐ内側を通過した光と直ぐ外側を通過した光とが同じミラー要素(ハッチングを施したミラー要素)3aaに入射する現象が発生する。図15では、説明の理解を容易にするために、1/2波長板41,42の配置面および空間光変調器3の配列面を光軸AXと直交する単一平面上に図示するとともに、ミラー要素3aの数を実際よりもはるかに少なく(ミラー要素3aの反射面のサイズを実際よりもはるかに大きく)表している。
図15では、多数のミラー要素3aのうち、1/2波長板41および42のエッジ41b,42bと重なって見えるミラー要素3aaに、1/2波長板41または42の偏光作用を受けた光と全く受けない光とが混在して入射する。その結果、ミラー要素3aaへ入射した光(偏光状態が混在した光)がマイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳へ導かれると、所望の偏光状態の瞳強度分布が形成されなくなる。本実施形態では、ミラー要素3aaで反射された光を、瞳強度分布の形成に寄与させないこと(例えば照明光路の外側へ導くこと)により、所望の偏光状態の瞳強度分布を得ることができる。
なお、本実施形態では、一対の1/2波長板41,42を軸線41a,42a廻りに微小角度だけ回転させることにより、例えば6極状の瞳強度分布21を構成する6つの面光源の形状および光強度を変化させることなく、一対の面光源の偏光状態だけを微調整することができる。このことは、1/2波長板41,42を軸線41a,42a廻りに回転させても、エッジ41b,42bの軌道が変化しないこと、ひいてはエッジ41b,42bと重なって見えるミラー要素3aaに変化がないことから明らかである。
したがって、例えば6極状の瞳強度分布21を形成した後に、必要に応じて、1/2波長板41を軸線41a廻りに微小角度だけ回転させることにより、面光源P11a,P11bを構成する光の偏光方向だけを微調整することができる。このとき、面光源P11a,P11bの偏光状態の微調整に際して、ミラー要素3aの姿勢を一切変える必要はなく、ひいてはミラー要素3aの反射面の傾きを再計算する必要はない。同様に、1/2波長板42を軸線42a廻りに微小角度だけ回転させることにより、面光源P12a,P12bを構成する光の偏光方向だけを微調整することができる。
以上のように、本実施形態の照明光学系(2〜10)では、光学部材の交換を伴うことなく、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に形成される瞳強度分布の形状および偏光状態の変更に関して高い自由度を実現することができる。本実施形態の露光装置(2〜WS)では、瞳強度分布の形状および偏光状態の変更に関して高い自由度を有する照明光学系(2〜10)を用いて、転写すべきマスクMのパターンの特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで、微細パターンをウェハWに正確に転写することができる。
上述の実施形態において、制御系CRは、たとえば、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等からなるいわゆるワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等から構成することができ、装置全体を統括して制御することができる。また、制御系CRには、例えばハードディスクから成る記憶装置、キーボード,マウス等のポインティングデバイス等を含む入力装置,CRTディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)等の表示装置、及びCD(compact disc),DVD(digital versatile disc),MO(magneto-optical disc)あるいはFD(flexible disc)等の情報記憶媒体のドライブ装置が、外付けで接続されていてもよい。
本実施形態では、記憶装置には、投影光学系PLによってウェハW上に投影される投影像の結像状態が最適(例えば収差又は線幅が許容範囲内)となる瞳強度分布(照明光源形状)に関する情報、これに対応する照明光学系、特に空間光変調器3のミラー要素の制御情報等を格納してもよい。ドライブ装置には、後述する瞳強度分布の設定を行うためのプログラム等が格納された情報記憶媒体(以下の説明では便宜上CD−ROMとする)がセットされていてもよい。なお、これらのプログラムは記憶装置にインストールされていても良い。制御系CRは、適宜、これらのプログラムをメモリ上に読み出す。
制御系CRは、たとえば以下の手順で、空間光変調器3および偏光ユニット4を制御することができる。なお、以下の説明に際して、実施形態の露光装置は、図9に示す瞳強度分布21を形成するものとする。瞳強度分布は、たとえば瞳面を格子状に複数の区画に分割し、それぞれの区画の光強度および偏光状態を用いて数値として表現した形式(広義のビットマップ形式)で表現することができる。ここで、空間光変調器3のミラー要素数をN個とし、瞳強度分布の分割された区画数をM個とすると、個々のミラー要素により反射されるN本の光線を適当に組み合わせてM個の区画に導く、換言すれば、M個の区画により構成されるM個の輝点上でN本の光線を適当に重ね合わせることで、瞳強度分布(二次光源)が形成(設定)される。
まず、制御部CRは、目標となる瞳強度分布21に関する情報を記憶装置から読み出す。次に、読み出された瞳強度分布21に関する情報から、偏光状態ごとの強度分布を形成するのに、それぞれ何本の光線が必要なのかを算出する。そして、制御部CRは、空間光変調器3の複数のミラー要素を、それぞれ所要数のミラー要素からなる3つのミラー要素群S01,S02,S03に仮想的に分割し、それぞれのミラー要素群S01〜S03が位置する部分領域R01〜R03およびこれらの部分領域に対応する部分領域R11〜R13を設定する。
制御部CRは、偏光ユニット4の1/2波長板41および42を駆動して、部分領域R11に所要の回転姿勢で1/2波長板41を位置させ、部分領域R12に所要の回転姿勢で1/2波長板42を位置させる。また、制御部CRは、第1ミラー要素群S01のミラー要素3aを駆動して、第1ミラー要素群S01からの光が面光源P11a,P11bに向かうように設定する。同様に、第2ミラー要素群S02および第3ミラー要素群S03のミラー要素3aを駆動して、第2ミラー要素群S02からの光が面光源P12a,P12bに向かい、第3ミラー要素群S03からの光が面光源P13a,P13bに向かうように設定する。
なお、上述の実施形態では、偏光ユニット4が、光軸AXと平行な軸線41a,42a廻りに回転可能で且つX方向に移動可能な一対の円形状の1/2波長板41および42により構成され、ビーム送光部2と空間光変調器3との間の光路中に配置されている。しかしながら、これに限定されることなく、偏光ユニットの具体的な構成、すなわち偏光ユニットを形成する波長板の数、外形、配置、移動形態、偏光特性などについて、様々な変形例が可能である。
一例として、図16に示すように、並列配置された4つの1/2波長板41,42,43,44により偏光ユニット4Aを構成することもできる。図16に示す例では、図5に示す実施形態の構成に対して、Y方向に沿って配置された一対の1/2波長板43,44が付設されている。1/2波長板43,44は、1/2波長板41,42と同様に、例えば光軸AXと平行な軸線43a,44aを中心とする円形状の外形を有し、その入射面および射出面が光軸AXと直交するように配置されている。1/2波長板43,44は、軸線43a,44a廻りに回転可能であり、且つY方向に(必要に応じてX方向にも)移動可能である。
図16に示す例では、偏光ユニット4Aに入射するY方向直線偏光の平行光束F1のうち、部分光束F11は1/2波長板41を経て、部分光束F12は1/2波長板42を経て、空間光変調器3に入射する。同様に、部分光束F13は1/2波長板43を経て、部分光束F14は1/2波長板44を経て、空間光変調器3に入射する。一方、部分光束F15は、1/2波長板41〜44を経ることなく、空間光変調器3に入射する。
1/2波長板41は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+45度(図16の紙面において時計廻りに45度)回転させた+45度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。一方、1/2波長板42は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を−45度回転させた−45度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。
1/2波長板43,44は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+90度回転させた方向、すなわちX方向に偏光方向を有するX方向直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。その結果、偏光ユニット4の直後において空間光変調器3に入射する部分光束F11は、1/2波長板41の偏光作用を受けて、Y方向を+45度回転させた方向に偏光方向を有する+45度斜め方向直線偏光になる。部分光束F12は、1/2波長板42の偏光作用を受けて、Y方向を−45度回転させた方向に偏光方向を有する−45度斜め方向直線偏光になる。
部分光束F13およびF14は、1/2波長板43および44の偏光作用をそれぞれ受けて、X方向直線偏光になる。部分光束F15は、1/2波長板41〜44の偏光作用を受けないため、Y方向直線偏光のままである。こうして、偏光ユニット4Aおよび空間光変調器3を経た光束は、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に、例えば図17に示すように8つの円形状の実質的な面光源P61a,P61b;P62a,P62b;P634a,P634b;P65a,P65bからなる8極状で周方向偏光状態の瞳強度分布26を形成する。
すなわち、偏光ユニット4Aの1/2波長板41を経た部分光束F11は、光軸AXを挟んで−X方向と45度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R61a,R61bを占める面光源P61a,P61bを形成する。一対の面光源P61a,P61bを形成する光は、1/2波長板41を経ているので、+45度斜め方向直線偏光である。偏光ユニット4Aの1/2波長板42を経た部分光束F12は、光軸AXを挟んで+X方向と45度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R62a,R62bを占める面光源P62a,P62bを形成する。一対の面光源P62a,P62bを形成する光は、1/2波長板42を経ているので、−45度斜め方向直線偏光である。
偏光ユニット4Aの1/2波長板43,44を経た部分光束F13,F14は、光軸AXを挟んでZ方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R634a,R634bを占める面光源P634a,P634bを形成する。一対の面光源P634a,P634bを形成する光は、1/2波長板43,44を経ているので、X方向直線偏光である。偏光ユニット4Aの1/2波長板41〜44を経ることのない部分光束F15は、光軸AXを挟んでX方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R65a,R65bを占める面光源P65a,P65bを形成する。一対の面光源P65a,P65bを形成する光は、1/2波長板41〜44を経ていないので、Z方向直線偏光(図16におけるY方向直線偏光に対応)である。
図16に示す例では、1/2波長板41を図16に示す位置から軸線41a廻りに回転させると、一対の面光源P61a,P61bの偏光方向が回転する。同様に、1/2波長板42,43,44を図16に示す位置から軸線42a,43a,44a廻りに回転させると、一対の面光源P62a,P62bの偏光方向および一対の面光源P634a,P634bの偏光方向が回転する。すなわち、偏光ユニット4Bは、一対の面光源P61a,P61bの偏光状態と、一対の面光源P62a,P62bの偏光状態と、一対の面光源P634a,P634bの偏光状態とを独立に変化させることができる。
また、図16に示す例では、一対の1/2波長板41,42をX方向に移動させたり、一対の1/2波長板43,44をY方向に移動させたりすることにより、各部分光束F11〜F15の断面積の比を独立的に変化させることができ、ひいては8極状の瞳強度分布26を構成する8つの面光源P61a,P61b;P62a,P62b;P634a,P634b;P65a,P65bの間で、周方向偏光状態を維持しつつ光強度を相対的に変化させることができる。
別の例として、図18に示すように、矩形状の外形を有する一対の1/2波長板45,46により偏光ユニット4Bを構成することもできる。1/2波長板45,46は、例えば光軸AXと平行な軸線45a,46aを中心とする矩形状の外形を有し、その入射面および射出面が光軸AXと直交するように配置されている。1/2波長板45,46は、軸線45a,46a廻りに回転可能であり、且つX方向に(必要に応じてY方向にも)移動可能である。
図18に示す例では、偏光ユニット4Bに入射するY方向直線偏光の平行光束F1のうち、部分光束F15は1/2波長板45だけを経て、部分光束F16は1/2波長板46だけを経て、空間光変調器3に入射する。部分光束F156は1/2波長板45および46の双方を経て、部分光束F13は1/2波長板45,46を経ることなく、空間光変調器3に入射する。
図16に示す状態において、1/2波長板45は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を+60度(図18の紙面において時計廻りに60度)回転させた+60度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。一方、1/2波長板46は、Y方向直線偏光の光が入射した場合、Y方向を−60度回転させた−60度斜め方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように、光学軸の向きが設定されている。
その結果、偏光ユニット4の直後において空間光変調器3に入射する部分光束F15は、1/2波長板45だけの偏光作用を受けて、Y方向を+60度回転させた方向に偏光方向を有する+60度斜め方向直線偏光になる。部分光束F16は、1/2波長板46だけの偏光作用を受けて、Y方向を−60度回転させた方向に偏光方向を有する−60度斜め方向直線偏光になる。
部分光束F156は、1/2波長板45および46の双方の偏光作用を受けて、Y方向直線偏光である。部分光束F13は、1/2波長板45,46の偏光作用を受けないため、Y方向直線偏光のままである。こうして、偏光ユニット4Bおよび空間光変調器3を経た光束は、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に、例えば図9に示すように6つの円形状の実質的な面光源P11a,P11b;P12a,P12b;P13a,P13bからなる6極状で周方向偏光状態の瞳強度分布21を形成する。
すなわち、偏光ユニット4Bの1/2波長板45を経た部分光束F15は、光軸AXを挟んで−X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R11a,R11bを占める面光源P11a,P11bを形成する。一対の面光源P11a,P11bを形成する光は、1/2波長板45を経ているので、+60度斜め方向直線偏光である。偏光ユニット4Bの1/2波長板46を経た部分光束F16は、光軸AXを挟んで+X方向と60度をなす方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R12a,R12bを占める面光源P12a,P162bを形成する。一対の面光源P12a,P12bを形成する光は、1/2波長板46を経ているので、−60度斜め方向直線偏光である。
偏光ユニット4Bの1/2波長板45,46の双方を経た部分光束F156および1/2波長板45,46を経ることのない部分光束F13は、光軸AXを挟んでX方向に間隔を隔てた一対の円形状の瞳領域R13a,R13bを占める面光源P13a,P13bを形成する。一対の面光源P13a,P13bを形成する光は、1/2波長板45,46の双方を経るか、あるいは1/2波長板45,46を経ていないので、Z方向直線偏光(図18におけるY方向直線偏光に対応)である。
図18に示す例では、一対の1/2波長板45,46を軸線45a,46a廻りに回転させることにより、一対の面光源P11a,P11bの偏光方向と一対の面光源P12a,P12bの偏光方向とを独立的に変化させることができる。この場合、必要に応じて、1/2波長板45,46の双方を経た部分光束F156を、瞳領域R13a,R13bへ導いたり、瞳領域R13a,R13b以外の別の瞳領域へ導いたり、瞳強度分布の形成に寄与しないように照明光路の外へ導いたりすることができる。
また、図18に示す例では、一対の1/2波長板45,46をX方向に移動させることにより、部分光束F15,F16,F156,F13の断面積の比を独立的に変化させることができ、ひいては6極状の瞳強度分布21を構成する6つの面光源P11a,P11b;P12a,P12b;P13a,P13bの間で、周方向偏光状態を維持しつつ光強度を相対的に変化させることができる。
また、別の例として、図19に示すように、一対の1/2波長板41,42と直列的に重なり合うように一対の1/4波長板401,402を配置することにより偏光ユニット4Cを構成することもできる。図19に示す例では、図5に示す実施形態の構成に対して、1/2波長板41の直後において光軸AXの方向から見て1/2波長板41と重なり合うように配置された1/4波長板401と、1/2波長板42の直後において光軸AXの方向から見て1/2波長板42と重なり合うように配置された1/4波長板402とが付設されている。
1/4波長板401,402は、1/2波長板41,42の回転軸線41a,42a(図19では不図示)を中心とする円形状の外形を有し、その入射面および射出面が光軸AXと直交するように配置されている。1/4波長板401,402は、軸線41a,42a廻りに回転可能であり、且つ1/2波長板41,42と一体的にX方向に(必要に応じてY方向にも)移動可能である。偏光ユニット4Cは、1/4波長板401,402を軸線41a,42a廻りに回転させる駆動部DR401,DR402を有する。駆動部DR401,DR402は、制御系CRからの制御信号に基づいて1/4波長板401,402を回転させる。
なお、1/4波長板401,402を、1/2波長板41,42とは独立させて、X方向に(必要に応じてY方向にも)移動可能に構成することもできる。この場合、1/4波長板401,402は、円形状の外形の中心軸線廻りに回転できるように構成される。駆動部DR401,DR402は、制御系CRからの制御信号に基づいて、1/4波長板401,402を回転させたり、X方向に移動させたりする。また、1/2波長板41の直前に1/4波長板401を配置したり、1/2波長板42の直前に1/4波長板402を配置したりすることもできる。
図19に示す例では、偏光ユニット4Cおよび空間光変調器3を経た光束が、マイクロフライアイレンズ7の直後の照明瞳に、例えば図20に示すように6つの円形状の実質的な面光源P71a,P71b;P72a,P72b;P73a,P73bからなる6極状の瞳強度分布27を形成する。瞳強度分布27は、図9に示す瞳強度分布21に比して、一対の面光源P71a,P71bの偏光状態および一対の面光源P72a,P72bの偏光状態だけが異なっている。
換言すれば、瞳強度分布27における面光源P71a,P71b;P72a,P72bの形状は、瞳強度分布21における面光源P11a,P11b;P12a,P12bの形状と同じである。しかしながら、面光源P11a,P11b;P12a,P12bを形成する光は直線偏光であるのに対し、面光源P11a,P11b;P12a,P12bを形成する光は1/4波長板401,402の作用により楕円偏光である。なお、瞳強度分布27における面光源P73a,P73bの形状および偏光状態は、瞳強度分布21における面光源P13a,P13bの形状および偏光状態と同じである。
偏光ユニット4を経て形成された縦偏光または横偏光(図9におけるX方向直線偏光またはZ方向直線偏光)は、その後側に配置された平面反射鏡(例えばミラーMR1,MR2,MR3)の影響を受けにくく、偏光状態を維持しつつウェハWに達する。しかしながら、偏光ユニット4を経て形成された斜め偏光(図9における+60度斜め方向直線偏光または−60度斜め方向直線偏光)は、平面反射鏡の影響を受けて楕円偏光化し易い。
偏光ユニット4Cでは、その後側に配置された平面反射鏡の偏光状態への影響を補償するために、1/4波長板401,402の作用により、面光源P11a,P11b;P12a,P12bを形成する光を所要の楕円偏光状態に積極的に設定する。その結果、例えば投影光学系PLの瞳面に形成される最終的な瞳強度分布において、面光源P11a,P11b;P12a,P12bに対応する面光源を所望の斜め偏光状態にすることができる。
このように、図19の例では、空間光変調器3の複数のミラー要素3aのうちの第1ミラー要素群を経由する第1光路を進行する第1光束の偏光度の状態を、複数のミラー要素3aのうちの第2ミラー要素群を経由する第2光路を進行する第2光束の偏光度の状態とは独立に変化させる偏光ユニット4Cを備えているため、面光源を形成する光を所要の楕円偏光状態に設定することができる。
ここで、光束の偏光度とは、当該光束の光強度に対する当該光束のうちの楕円偏光成分の光強度の割合で表すことができる。また、楕円偏光の状態は楕円率と楕円方位角とで表すことができる。図19の例では、回転可能な1/4波長板401,402が光束の楕円率を変更し、回転可能な1/2波長板41,42が光束の楕円方位角を変更している。なお、楕円率を変更する光学部材として、光束の進行方向に沿った厚みが変更可能な位相子を用いることもでき、楕円方位角を変更する光学部材として、光束の進行方向に沿った厚みが変更可能な旋光子を用いることもできる。
なお、上述の説明では、偏光ユニット4(4A,4B,4C)がビーム送光部2と空間光変調器3との間の光路中に配置された例を示している。しかしながら、これに限定されることなく、空間光変調器と光源との間の光路中における適当な位置に偏光ユニットを配置したり、あるいは空間光変調器よりも被照射面側の光路中において空間光変調器の配列面と光学的に共役な面を含む共役空間に偏光ユニットを配置したりしても良い。ここで、「共役空間」とは、空間光変調器の配列面と光学的に共役な共役位置の前側に隣接するパワーを有する光学素子と当該共役位置の後側に隣接するパワーを有する光学素子との間の空間である。なお、「共役空間」内には、パワーを持たない平行平面板や平面鏡が存在していても良い。
具体的には、図21および図22に示すように、偏光ユニット4(4A,4B,4C)を、リレー光学系5と6との間の光路中の適当な位置、例えば空間光変調器3の配列面と光学的に共役な共役位置またはその近傍の位置に配置することもできる。なお、図21では、ミラーMR1からマイクロフライアイレンズ7までの光路を示しているが、それ以外の構成は図1と同様である。また、図22では、図2の光路展開図と同様に、光源1からマイクロフライアイレンズ7までの光路を直線状に展開するとともに、空間光変調器3を透過型の空間光変調器として図示し且つミラーMR1の図示を省略している。
偏光ユニット4を共役空間に配置する場合、1/2波長板41と42とを光軸AXと直交する単一の平面に沿って配置してもよいし、1/2波長板41と42とを光軸AXに沿って隣接配置してもよい。あるいは、1/2波長板41と42とを互いに異なる共役空間に配置することもできる。すなわち、偏光ユニット4を共役空間に配置する場合、1/2波長板41が配置された面からパワーを有する光学部材を介して離れた面に1/2波長板42を配置することもできる。
同様に、偏光ユニット4Cを共役空間に配置する場合、1/2波長板41,42が配置された面からパワーを有する光学部材を介して離れた面に1/4波長板401,402を配置することもできる。あるいは、1/2波長板41および1/4波長板401が配置された空間からパワーを有する光学部材を介して離れた空間に、1/2波長板42および1/4波長板402を配置することもできる。
また、上述の説明では、偏光ユニット4(4A,4B,4C)が少なくとも一対の1/2波長板を含む例を示している。しかしながら、これに限定されることなく、光路を伝搬する伝搬光束のうちの一部の光束に作用する回転可能な波長板(例えば少なくとも1つの1/2波長板または1/4波長板)を有する形態の偏光ユニットも可能である。
具体的に、偏光ユニット4を構成する一対の1/2波長板41,42の少なくとも1つに代えて1/4波長板を用いる構成も可能である。この場合、1/4波長板に入射した直線偏光は、1/4波長板の光学軸の向きに応じた楕円偏光(円偏光を含む広い概念)に変換されて射出される。偏光ユニット4Aを構成する1/2波長板41〜44の少なくとも1つに代えて1/4波長板を用いる構成、偏光ユニット4Bを構成する1/2波長板45,46の少なくとも1つに代えて1/4波長板を用いる構成が可能である。
上述の実施形態では、二次元的に配列されて個別に制御される複数のミラー要素を有する空間光変調器として、二次元的に配列された複数の反射面の向き(角度:傾き)を個別に制御可能な空間光変調器を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、たとえば二次元的に配列された複数の反射面の高さ(位置)を個別に制御可能な空間光変調器を用いることもできる。このような空間光変調器としては、たとえば特開平6−281869号公報及びこれに対応する米国特許第5,312,513号公報、並びに特表2004−520618号公報およびこれに対応する米国特許第6,885,493号公報の図1dに開示される空間光変調器を用いることができる。これらの空間光変調器では、二次元的な高さ分布を形成することで回折面と同様の作用を入射光に与えることができる。なお、上述した二次元的に配列された複数の反射面を持つ空間光変調器を、たとえば特表2006−513442号公報およびこれに対応する米国特許第6,891,655号公報や、特表2005−524112号公報およびこれに対応する米国特許公開第2005/0095749号公報の開示に従って変形しても良い。
上述の実施形態では、空間光変調器3が所定面内で二次元的に配列された複数のミラー要素3aを備えているが、これに限定されることなく、所定面内に配列されて個別に制御される複数の透過光学要素を備えた透過型の空間光変調器を用いることもできる。
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含む空間光変調素子を用いることができる。空間光変調素子を用いた露光装置は、たとえば米国特許公開第2007/0296936号公報に開示されている。また、上述のような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図23は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図23に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。
その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板つまりプレートPとしてパターンの転写を行う。
図24は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図24に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、上述の実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するF2レーザ光源などに対して本発明を適用することもできる。
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第WO99/49504号パンプレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。ここでは、国際公開第WO99/49504号パンフレット、特開平6−124873号公報および特開平10−303114号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスク(またはウェハ)を照明する照明光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク(またはウェハ)以外の被照射面を照明する一般的な照明光学系に対して本発明を適用することもできる。
1 光源
2 ビーム送光部
3 空間光変調器
4,4A,4B,4C 偏光ユニット
41,42,43,44,45,46 1/2波長板
401,402 1/4波長板
5,6 リレー光学系
7 マイクロフライアイレンズ
8 コンデンサー光学系
9 マスクブラインド
10 結像光学系
DTr,DTw 瞳強度分布計測部
CR 制御系
M マスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ

Claims (31)

  1. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
    所定面内に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、前記照明光学系の照明瞳に光強度分布を可変的に形成する空間光変調器と、
    前記空間光変調器と前記光源との間の光路中に配置され、あるいは前記空間光変調器よりも前記被照射面側の光路中において前記所定面と光学的に共役な面を含む共役空間に配置されて、光路を伝搬する伝搬光束のうちの一部の光束に作用する回転可能な第1波長板を有する偏光ユニットとを備えていることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記複数の光学要素のうちの前記所定面上の第1領域に位置する光学要素の群を第1光学要素群とし、前記複数の光学要素のうちの前記第1領域に隣接する前記所定面上の第2領域に位置する光学要素の群を第2光学要素群とするとき、前記第1波長板は、前記第1光学要素群を経由する第1光路を進行する第1光束の偏光状態を、前記第2光学要素群を経由する第2光路を進行する第2光束の偏光状態とは独立に変化させることを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記複数の光学要素のうちの前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域に位置する光学要素の群を第3光学要素群とするとき、前記第3光学要素群を経由した第3光束を前記被照射面に導かないように前記複数の光学要素を制御する制御部をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の照明光学系。
  4. 前記第1波長板は、前記照明光学系の光軸と平行な軸線廻りに回転可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明光学系。
  5. 前記第1波長板は、前記伝搬光束の断面に沿った第1面に配置され、該第1面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系。
  6. 前記第1波長板は、1/2波長板または1/4波長板であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の照明光学系。
  7. 前記第1波長板は、回転軸線を中心とする円形状の外形を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明光学系。
  8. 前記偏光ユニットは、前記第1波長板と並列的に配置されて回転可能な第2波長板を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明光学系。
  9. 前記第2波長板は、前記照明光学系の光軸と平行な軸線廻りに回転可能であることを特徴とする請求項8に記載の照明光学系。
  10. 前記第2波長板は、前記第1面に配置され、前記第1面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の照明光学系。
  11. 前記第2波長板は、前記伝搬光束の断面に沿った面であって前記第1面からパワーを有する光学部材を介して離れた第2面に配置され、該第2面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の照明光学系。
  12. 前記第2波長板は、1/2波長板または1/4波長板であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明光学系。
  13. 前記第2波長板は、回転軸線を中心とする円形状の外形を有することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の照明光学系。
  14. 前記偏光ユニットは、前記第1波長板と直列的に重なり合うように配置されて回転可能な第3波長板を有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の照明光学系。
  15. 前記第3波長板は、前記照明光学系の光軸と平行な軸線廻りに回転可能であることを特徴とする請求項14に記載の照明光学系。
  16. 前記第3波長板は、前記伝搬光束の断面に沿った面であって前記第1波長板と隣接した第3面に配置され、該第3面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする請求項14または15に記載の照明光学系。
  17. 前記第3波長板は、前記伝搬光束の断面に沿った面であって前記第1面からパワーを有する光学部材を介して離れた第4面に配置され、該第4面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする請求項14または15に記載の照明光学系。
  18. 前記第3波長板は、1/4波長板または1/2波長板であることを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の照明光学系。
  19. オプティカルインテグレータを備え、
    前記偏光ユニットは、前記光源と前記オプティカルインテグレータとの間の光路中に配置されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の照明光学系。
  20. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
    所定面内に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、前記照明光学系の照明瞳に光強度分布を可変的に形成する空間光変調器と、
    前記複数の光学要素のうちの前記所定面上の第1領域に位置する光学要素の群を第1光学要素群とし、前記複数の光学要素のうちの前記第1領域に隣接する前記所定面上の第2領域に位置する光学要素の群を第2光学要素群とするとき、前記第1光学要素群を経由する第1光路を進行する第1光束の偏光度の状態を、前記第2光学要素群を経由する第2光路を進行する第2光束の偏光度の状態とは独立に変化させる偏光ユニットとを備えていることを特徴とする照明光学系。
  21. 前記偏光ユニットは、前記第1光束の偏光度の状態のうちの楕円率を変更する楕円率変更部材と、前記第1光束の前記偏光度の状態のうちの楕円方位角を変更する楕円方位角変更部材とを備えていることを特徴とする請求項20に記載の照明光学系。
  22. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
    所定面内に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、前記照明光学系の照明瞳に光強度分布を可変的に形成する空間光変調器と、
    前記複数の光学要素のうちの前記所定面上の第1領域に位置する光学要素の群を第1光学要素群とし、前記複数の光学要素のうちの前記第1領域とは異なる前記所定面上の第2領域に位置する光学要素の群を第2光学要素群とするとき、前記第1光学要素群を経由する第1光路を進行する第1光束の偏光状態を、前記第2光学要素群を経由する第2光路を進行する第2光束の偏光状態とは独立に変化させる偏光ユニットと、
    前記複数の光学要素のうちの前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域に位置する光学要素の群を第3光学要素群とするとき、前記第3光学要素群を経由した第3光束を前記被照射面に導かないように前記複数の光学要素を制御する制御部とを備えていることを特徴とする照明光学系。
  23. 前記空間光変調器は、前記所定面内で二次元的に配列された複数のミラー要素と、該複数のミラー要素の姿勢を個別に制御する制御部とを有することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の照明光学系。
  24. 前記複数のミラー要素のうちの前記所定面上の第1領域に位置するミラー要素の群を第1ミラー要素群とし、前記複数のミラー要素のうちの前記第1領域とは異なる前記所定面上の第2領域に位置するミラー要素の群を第2ミラー要素群とするとき、前記制御部は、前記第1ミラー要素群を経た光が前記所定面の光学的なフーリエ変換面上の第1瞳領域へ導かれるように前記第1ミラー要素群を制御駆動し、且つ前記第2ミラー要素群を経た光が前記所定面の光学的なフーリエ変換面上の第2瞳領域へ導かれるように前記第2ミラー要素群を制御駆動することを特徴とする請求項23に記載の照明光学系。
  25. 前記第1瞳領域と前記第2瞳領域とは異なる領域であることを特徴とする請求項24に記載の照明光学系。
  26. 前記第1瞳領域と前記第2瞳領域とは一部が重複することを特徴とする請求項24または25に記載の照明光学系。
  27. 前記偏光ユニットは、光路を伝搬する伝搬光束のうちの一部の光束に作用する回転可能な第1波長板を備え、
    前記第1ミラー要素群に対応する第1部分光束は前記第1波長板を通過することなく、前記第2ミラー要素群に対応する第2部分光束は前記第1波長板を通過することを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1項に記載の照明光学系。
  28. 前記被照射面と光学的に共役な面を形成する投影光学系と組み合わせて用いられ、前記照明瞳は前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置であることを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の照明光学系。
  29. 所定のパターンを照明するための請求項1乃至28のいずれか1項に記載の照明光学系を備え、前記所定のパターンを感光性基板に露光することを特徴とする露光装置。
  30. 前記所定のパターンの像を前記感光性基板上に形成する投影光学系を備えていることを特徴とする請求項29に記載の露光装置。
  31. 請求項29または30に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
    前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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