JP2012256186A - 飲食物摂取タイミング提示方法および飲食物摂取タイミング提示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】飲食物の種類や量を大きく変化させることなく体重の増減管理を行うための飲食物摂取タイミング提示方法及び装置を提供する。
【解決手段】予め測定しておいた腸蠕動音の単位時間当たりの最大蠕動音数に対する腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上であるときを易栄養吸収タイミングと判定し、又は第2の栄養摂取タイミング判定値以下であるときを難栄養吸収タイミングと判定し、その判定結果に基づいて飲食物摂取タイミングを提示する。あるいは、腸蠕動音の単位時間当たりの最大蠕動音数に対する腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の比率を経時的に求め、経時的に求めた前記比率と第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値と比較して、腸が栄養を吸収しやすい時間帯又は吸収しにくい時間帯を決定し、前記時間帯と摂取された飲食物が腸に届くまでの時間とに基づいて、飲食物摂取のタイミングを提示する。
【選択図】図1
【解決手段】予め測定しておいた腸蠕動音の単位時間当たりの最大蠕動音数に対する腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上であるときを易栄養吸収タイミングと判定し、又は第2の栄養摂取タイミング判定値以下であるときを難栄養吸収タイミングと判定し、その判定結果に基づいて飲食物摂取タイミングを提示する。あるいは、腸蠕動音の単位時間当たりの最大蠕動音数に対する腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の比率を経時的に求め、経時的に求めた前記比率と第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値と比較して、腸が栄養を吸収しやすい時間帯又は吸収しにくい時間帯を決定し、前記時間帯と摂取された飲食物が腸に届くまでの時間とに基づいて、飲食物摂取のタイミングを提示する。
【選択図】図1
Description
本発明は、飲食物摂取のタイミングを提示する方法及び装置に関する。
近年、交通機関の発達等に起因する運動不足と欧米化された食生活とにより、内臓脂肪型肥満の人が増加している。このような内臓脂肪型肥満に高脂血症、高血圧、高血糖、脂質異常等を合併した状態はメタボリックシンドロームと呼ばれている。メタボリックシンドロームは、心筋梗塞や脳卒中など重篤な病気を引き起こす原因となるため、予防・改善する必要がある。
メタボリックシンドロームの予防・改善には、先ず内臓脂肪型肥満を予防し改善する必要があり、このための手段として食生活の改善と適度な運動が挙げられる。食生活の改善は、一見簡単なことのように思えるが、これには飲食物の摂取量制限が伴うため、食べたいという人間の基本的欲望との戦いとなる。一般に飲食物の摂取量の制限を行うと、精神的ストレスが高まる。精神的ストレスが高まると、その反動によって過剰摂取してしまうという現象がしばしば生じる。
また、飲食物の摂取量制限は、良好な健康状態を維持するために、必要な栄養素を摂取しつつ、肥満に繋がる無用なカロリー摂取のみを減らすことがポイントになるが、このためにのみ常に特別な食事を用意することが難しいという現実がある。このため、摂取量制限の実行が上がりにくいという問題がある。
他方、運動でカロリー消費量を増やし、脂肪の蓄積を予防し、又は蓄積している脂肪を消費することができるが、適度な運動をするとお腹がすくため、ついつい食べ過ぎてしまうということになる。よって、運動で内臓脂肪型肥満の予防・改善を行う場合においても、飲食物量の摂取制限を行う必要がある。
ところで、栄養物の吸収は消化器で行われるが、特許文献1には、蠕動音を自動的に検出し、消化器系の状態を推定する装置が開示されている。より詳しくは、マイク付き聴診器で記録した信号をフーリエ変換し、スペクトルに基づき消化器系の蠕動音を検出し、外部マイクのスペクトルを参照して外部雑音を除去し、大まかな変化を独立成分解析して、蠕動音の発生場所を推定することにより、消化器系の活性をモニタする構成が開示されている。
ただし、上記特許文献1の技術は、医師が聴診器で腹部の蠕動音を聴取し、消化器系の状態を診断する方法に代え、消化器系の蠕動音を自動的に検出し、消化器系の状態を推定する技術を提供するものであって、食生活を管理する技術ではない。それゆえ、この技術をそのまま内臓脂肪型肥満の予防・改善に使うことはできない。
上記したように、飲食物摂取は人間の最も基本的な欲望であり、現代は食べ物に満ち溢れた社会であるので、飲食物摂取の制限は容易でない。本発明は、このような現代社会の実情を考慮して完成された発明である。
本発明は、飲食物の摂取量を大きく低減させたり、又は増加させたりすることなくして、摂取カロリー量を低減または増加させることのできる新規な摂取カロリー制御法を提供しようとするものである。このような本発明の具体的目的は、ユーザに摂取カロリー量を低減または増加させることのできる飲食物の摂取タイミングを知らせる飲食物摂取タイミング提示方法およびこのような飲食物摂取タイミングを提示する装置を提供することにある。
本発明者は、腸における栄養吸収について鋭意研究し、腸の蠕動音の発生数が小腸の栄養吸収活動と相関があること、腸が栄養を吸収しやすい状態及び吸収しにくい状態は一定時間継続すること、腸が栄養を吸収しやすい状態と吸収しにくい状態とはほぼ交互に現れることなどの知見を得た。本発明は、この知見に基づき完成されたものであり、本発明によると、飲食物の摂取量を大きく変化させることなくして、カロリー摂取量をコントロールすることができる。
本発明にかかる飲食物摂取タイミング提示方法(以下、第1の提示方法と称する)は、次のように構成されている。ユーザの腹部で発生する音を経時的に測定しデジタルデータに変換する腹部音データ測定ステップと、腹部音データ測定ステップで経時的に測定された腹部音デジタルデータを、蠕動音のデジタルデータと比較して一致する場合を腸蠕動音と認定する腸蠕動音認定ステップと、腸蠕動音認定ステップで認定された腸蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントする単位時間当たり腸蠕動音数カウントステップと、予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数を基準とし、当該最大蠕動音数に対する腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出ステップと、蠕動音数比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、または蠕動音数比率が第2の栄養摂取タイミング判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する栄養吸収性判定ステップと、栄養吸収性判定ステップにおける判定結果に基づいて、ユーザに飲食物摂取のタイミングを提示する提示ステップと、を備える。
この第1の提示方法は、腸が栄養を吸収しやすい状態及び栄養を吸収しにくい状態が一定時間継続することを利用している。蠕動音数比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上である場合、腸の蠕動運動が活発な状態にあり、蠕動音数比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上であると判定された後の一定期間は、腸が栄養を吸収しやすい状態にある。他方、蠕動音数比率が第2の栄養摂取タイミング判定値以下である場合には、腸の蠕動運動が不活発な状態にあり、蠕動音数比率が第2の栄養摂取タイミング判定値以上であると判定された後の一定期間は、腸が栄養を吸収しにくい状態にあると考えられる。
よって、例えば太っているユーザには、腸が栄養を吸収しにくいタイミングを提示し、妊婦や手術後の患者など栄養を必要としているユーザには、腸が栄養を吸収しやすいタイミングを提示する。ユーザは提示された飲食物摂取タイミングで飲食物の摂取を行うことにより、飲食物の種類や量を大きく変化させることなく、体重の増減管理を行うことができる。
第1の提示方法において、第1の栄養摂取タイミング判定値が0.25以上であることが好ましく、第2の栄養摂取タイミング判定値は0.2以下であることが好ましい。さらに、最大蠕動音数に係る単位時間と、腸蠕動音数カウントステップに係る単位時間は同一であり且つ1〜5分であることが好ましい。最大蠕動音数に係る単位時間と、腸蠕動音数カウントステップに係る単位時間は同一としかつ1〜5分とすることにより、前記判定値を用いて腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の経時変化を細かく調べることができる。その結果、飲食物摂取のタイミングをより的確に提示することができる。
なお、腹部音デジタルデータが蠕動音デジタルデータに一致する場合とは、完全一致のみを意味するものではなく、相関度が所定の閾値(例えば0.6)以上である場合も含まれる。
上記第1の提示方法は、蠕動音デジタルデータと、単位時間当たりの最大蠕動音数と、第1の栄養摂取タイミング判定値及び第2の栄養摂取タイミング判定値の少なくとも一方と、を記憶する記憶部と、ユーザの腹部音を経時的に測定する集音部と、時間を計測する時間計測部と、集音部で測定された腹部音をデジタルデータに変換するデジタルデータ変換部と、腹部音デジタルデータを蠕動音デジタルデータと比較して、腹部音デジタルデータと蠕動音デジタルデータとが一致するか否かを判定する蠕動音判定部と、時間計測部で計測された時間と、蠕動音デジタルデータと一致する腹部音デジタルデータと、に基づき、蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントするカウント部と、単位時間当たりの最大蠕動音数に対する単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出部と、蠕動音数算出比率と、第1の栄養摂取タイミング判定値又は第2の栄養摂取タイミング判定値とを比較し、蠕動音数算出比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、又は蠕動音数算出比率が第2の栄養摂取タイミング判定値以下であるときに腸が栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する比較判定部と、比較判定部での比較判定結果に基づいて、飲食物摂取のタイミングを提示する提示部と、を備える飲食物摂取タイミング提示装置(以下、第1の提示装置と称する)によって行うことができる。
また、本発明は、予め経時的に測定された単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数と、の比率を算出する蠕動音数比率算出ステップと、得られた蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易吸収状態にあると判定し、蠕動音数比率が第1の腸状態判定値よりも小さい第2の腸状態判定値以下であるときに腸が栄養を吸収しにくい難吸収状態にあると判定し、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定する吸収時間帯決定ステップと、吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間と、に基づいて、飲食物摂取のタイミングを決定する摂取タイミング決定ステップと、摂取タイミング決定ステップでの決定に基づいて、飲食物摂取のタイミングをユーザに提示する提示ステップと、を備える飲食物摂取タイミング提示方法(以下、第2の提示方法と称する)に関する。
第2の提示方法は、腸が栄養を吸収しやすい状態と吸収しにくい状態とがほぼ交互に現れることを利用している。第2の提示方法は、腸が栄養を吸収しやすい状態又は栄養を吸収しにくい状態のいずれかに適合させた飲食物摂取のタイミングをユーザに提示する。これにより、ユーザは自己が望む栄養摂取条件に適合するタイミングで合目的的に飲食物を摂取することができる。
第1の提示方法と同様に、第2の提示方法においても、第1の腸状態判定値は0.25以上であることが好ましく、第2の腸状態判定値は0.2以下であることが好ましい。このとき、最大蠕動音数に係る単位時間と、腸蠕動音数カウントステップに係る単位時間は同一であり且つ1〜5分であることが好ましい。
上記第2の提示方法は、経時的に測定された単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、単位時間当たりの最大蠕動音数と、第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値の少なくとも一方と、を記憶する記憶部と、単位時間当たりの最大蠕動音数に対する、経時的に測定された単位時間当たりの腸蠕動音発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出部と、経時的な蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易吸収状態にあると判定し、又は前記蠕動音数比率が前記第2の腸状態判定値以下であるときに腸が栄養を吸収しにくい難吸収状態にあると判定して、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定する吸収時間帯決定部と、吸収時間帯決定部で決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間と、に基づいて、飲食物摂取のタイミングを決定する飲食物摂取タイミング決定部と、飲食物摂取タイミング決定部で決定された飲食物摂取タイミングを、ユーザに提示する提示部と、を備える飲食物摂取タイミング提示装置(以下、第2の提示装置と称する)を用いて、行うことができる。
上記第2の提示方法は、ユーザの腹部で発生する音を経時的に測定しデジタルデータに変換する腹部音データ測定ステップと、腹部音データ測定ステップで経時的に測定された腹部音デジタルデータを、蠕動音のデジタルデータと比較して一致する場合を腸蠕動音と認定する腸蠕動音認定ステップと、腸蠕動音認定ステップで認定された腸蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントする単位時間当たり腸蠕動音数カウントステップと、最大蠕動音数に対する単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出ステップと、蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、または前記蠕動音数比率が第2の腸状態判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する栄養吸収性判定ステップと、吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、栄養吸収性判定ステップで決定された易栄養吸収タイミング又は難栄養吸収タイミングに基づいて、次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を予測する予測ステップと、をさらに備える構成とすることができる(以下、第3の提示方法と称する)。
ここで、摂取タイミング決定ステップは、吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯に代えて、予測ステップで予測された次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を用いて、飲食物摂取のタイミングを決定するステップとすることができる。
第3の提示方法においては、予め求められた易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、測定によって求められた易栄養吸収タイミング又は難栄養吸収タイミングとに基づいて、次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を高い精度で予測することが可能となる。このため、飲食物摂取のタイミングを精度よく提示することができる。
第3の提示方法においても、第1の腸状態判定値は、0.25以上であることが好ましく、第2の腸状態判定値は、0.2以下であることが好ましい。このとき、最大蠕動音数に係る単位時間と、経時的に測定された腸蠕動音発生数に係る単位時間と、腸蠕動音数カウントステップに係る単位時間とがいずれも同一で且つ1〜5分であることが好ましい。
第3の提示方法において、腹部音デジタルデータが蠕動音デジタルデータに一致する場合とは、完全一致のみを意味するものではなく、相関度が所定の閾値(例えば0.6)以上である場合も含まれる。
第3の提示方法は、第2の提示装置の構成要素の他に、ユーザの腹部音を経時的に測定する集音部と、時間を測定する時間計測部と、集音部で測定された腹部音をデジタルデータに変換するデジタルデータ変換部と、腹部音デジタルデータと蠕動音デジタルデータとを比較して、腹部音デジタルデータと蠕動音デジタルデータとが一致するか否かを判定する蠕動音判定部と、時間計測部で計測された時間と、蠕動音デジタルデータと一致する腹部音デジタルデータと、に基づき、蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントするカウント部と、単位時間当たりの最大蠕動音数に対する単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出部と、蠕動音数算出比率と、第1の腸状態判定値又は第2の腸状態判定値とを比較し、蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、又は蠕動音数比率が第2の腸状態判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する比較判定部と、吸収時間帯決定部で決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、比較判定部で決定された易栄養吸収タイミング又は難栄養吸収タイミングに基づいて、次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を予測する予測する予測部と、をさらに備える第3の提示装置を用いて行うことができる。
ここで、上記記憶部は、蠕動音デジタルデータをさらに記憶している。摂取タイミング決定部は、吸収時間帯決定部で決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯に代えて、予測部で予測された次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を用いて、飲食物摂取のタイミングを決定する。
本発明によると、腸が栄養を吸収しやすい状態にあるか、又は栄養を吸収しにくい状態にあるかを判定し、そのいずれかの状態にある腸に、飲食物が到達する飲食物摂取タイミングを提示する。ユーザは、本発明が提示する飲食物摂取タイミングに基づいて自己の目的に合致したタイミングを選び、飲食物を摂取することにより、飲食物の種類や量が同じ場合であっても、実際に体内(血液中)に取り込まれる摂取カロリー量を低減させることができ、又は必要とするカロリーを効率的に取り込むことができる。よって、本発明によると、飲食物の種類や量を大きく変動させることなくして、体重の増減管理を行うことが可能になる。
本発明者は、小腸の活性状態を調べる方法として、主に小腸の蠕動運動により発せられる腸蠕動音に着目した。本発明者の検討の結果、腸蠕動音の発生数が小腸の栄養吸収活動と相関があること、腸が栄養を吸収しやすい状態及び吸収しにくい状態が所定時間継続すること、腸が栄養を吸収しやすい状態と吸収しにくい状態とがほぼ交互に現れることなどが明らかとなった。
(実施の形態1)
本実施の形態は、主に、腸蠕動音の発生数が小腸の栄養吸収活動と相関があること及び腸が栄養を吸収しやすい状態及び吸収しにくい状態が所定時間継続することを利用するものである。
本実施の形態は、主に、腸蠕動音の発生数が小腸の栄養吸収活動と相関があること及び腸が栄養を吸収しやすい状態及び吸収しにくい状態が所定時間継続することを利用するものである。
以下、本実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に、本実施の形態に係る飲食物摂取タイミング提示方法(第1の提示方法)のフローチャートを示し、図2に、本実施の形態で用いられる飲食物摂取タイミング提示装置(第1の提示装置)の一例のブロック図を示す。
図1に、本実施の形態に係る飲食物摂取タイミング提示方法(第1の提示方法)のフローチャートを示し、図2に、本実施の形態で用いられる飲食物摂取タイミング提示装置(第1の提示装置)の一例のブロック図を示す。
図2の第1の提示装置10は、集音部11、アナログ/デジタル(A/D)変換器(図示せず)、信号処理部13、及び提示部15を備える。信号処理部13は、蠕動音判定部14、周波数スペクトル変換部17、カウント部20、比較判定部21、記憶部22、及び時間計測部(図示せず)を備える。蠕動音判定部14は、相関係数算出部18と判定部19とを備える。提示装置10において、デジタルデータ変換部は、A/D変換器と周波数スペクトル変換部17から構成され、比較判定部21が蠕動音数比率算出部を兼ねている。また、提示装置10は、中継ボックス12及び入力部16をさらに備える。
第1の提示方法は、ユーザの腹部で発生する音を経時的に測定しデジタルデータに変換する腹部音データ測定ステップと、腹部音データ測定ステップで経時的に測定された腹部音デジタルデータを、蠕動音のデジタルデータと比較して一致する場合を腸蠕動音と認定する腸蠕動音認定ステップと、腸蠕動音認定ステップで認定された腸蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントする単位時間当たり腸蠕動音数カウントステップと、予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数を基準とし、当該最大蠕動音数に対する前記単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出ステップと、蠕動音数比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、または蠕動音数比率が第2の栄養摂取タイミング判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する栄養吸収性判定ステップと、栄養吸収性判定ステップにおける判定結果に基づいて、ユーザに飲食物摂取のタイミングを提示する提示ステップと、を備える。
次に、第1の提示方法を、図1を参照しながら説明する。
(腹部音データ測定ステップ)
まず、ユーザの腹部で発生する音を経時的に測定しデジタルデータに変換する。この腹部音データ測定ステップは、ユーザの腹部から発生する音を経時的に測定する腹部音測定工程S1と、測定された音を処理して、周波数スペクトルを得る周波数スペクトル変換工程S2とを備える。
まず、ユーザの腹部で発生する音を経時的に測定しデジタルデータに変換する。この腹部音データ測定ステップは、ユーザの腹部から発生する音を経時的に測定する腹部音測定工程S1と、測定された音を処理して、周波数スペクトルを得る周波数スペクトル変換工程S2とを備える。
腹部音測定工程S1では、集音部11により、ユーザの腹部の音を経時的に測定する。集音部11としては、例えば、図3に示されるような密着型マイク31が挙げられる。密着型マイク31は、円柱形状で一端面が開口した筐体部32と、筐体部32の開口面を閉塞するように筐体部32に密着したダイアフラム33とを備える。筐体部32の内部には、変換部35と、円錐形状の空気室壁36からなる集音部と、変換部35により得た電気信号を処理したり、送信したりする素子39と、変換部35及び素子39を搭載した基板37と、変換部35及び素子39に電源を供給するバッテリ部38とから構成される。密着型マイク31は、ダイアフラム33に設けられた粘着剤層34をユーザの腹部Hに押し当てることにより、ユーザに取り付けられる。
集音部11で測定された音は、中継ボックス12を介して、周波数スペクトル変換部17に送られる。図2の提示装置10においては、集音部11、中継ボックス12、及び信号処理部13がそれぞれ通信部(図示せず)を有しており、無線通信にて、集音部11で測定された音が、中継ボックス12を介して、周波数スペクトル変換部17に送られる。
なお、中継ボックス12の機能を、集音部11が有していてもよい。また、集音部11で測定された音は、中継ボックス12を介さず、有線通信にて、信号処理部13に送られてもよい。
周波数スペクトル変換工程S2では、周波数スペクトル変換部17において、A/D変換器(図示せず)によってデジタルデータに変換し、さらにこのデジタルデータを所定の時間ごとに短時間高速フーリエ変換処理して、周波数スペクトルのデジタルデータを得る。
本実施の形態において、デジタルデータ変換部は、A/D変換器と周波数スペクトル変換部17とから構成されるが、これ以外の構成であってもよい。本実施の形態において、A/D変換器は、集音部11に設けられていてもよいし、信号処理部13に設けられていてもよい。
腸蠕動音の長さは、0.3〜0.5秒程度であるため、短時間高速フーリエ変換を行う場合、工程S1で経時的に測定された音を例えば0.3〜0.5秒の範囲ごとにフーリエ変換し、周波数スペクトルを得る。測定された音の周波数スペクトルへの変換は、公知の方法を用いて行うことができ、例えばMATLAB(登録商標)等の短時間高速フーリエ変換操作を行うことが可能な市販のソフトウェアにより行うことができる。
なお、短時間高速フーリエ変換以外の方法により、測定された音を周波数スペクトルに変換してもよい。例えば、ウェーブレット変換を用いて、測定された音を周波数スペクトルに変換してもよい。また、周波数スペクトル以外のデジタルデータを用いてもよい。この場合、デジタルデータの種類に応じて、デジタルデータ変換部の種類が適宜選択される。
(腸蠕動音認定ステップ)
腸蠕動音認定ステップでは、腹部音データ測定ステップで経時的に測定された腹部音デジタルデータを、蠕動音のデジタルデータと比較して一致する場合を腸蠕動音と認定する。このステップは、得られた周波数スペクトルと腸蠕動音の特徴音周波数スペクトルとを比較して、相関係数を算出する相関係数算出工程S3と、相関係数が所定の閾値以上である場合に、測定された音を腸蠕動音である(測定された音が蠕動音のデジタルデータと一致する)と判定する蠕動音判定工程S4とを備える。
腸蠕動音認定ステップでは、腹部音データ測定ステップで経時的に測定された腹部音デジタルデータを、蠕動音のデジタルデータと比較して一致する場合を腸蠕動音と認定する。このステップは、得られた周波数スペクトルと腸蠕動音の特徴音周波数スペクトルとを比較して、相関係数を算出する相関係数算出工程S3と、相関係数が所定の閾値以上である場合に、測定された音を腸蠕動音である(測定された音が蠕動音のデジタルデータと一致する)と判定する蠕動音判定工程S4とを備える。
この腸蠕動音認定ステップは、相関係数算出部18と判定部19とを備える蠕動音判定部14で行われる。
相関係数算出工程S3では、相関係数算出部18において、周波数スペクトル変換部17で得られた周波数スペクトルと、予め腸蠕動音であると判定された音の周波数スペクトル(特徴音周波数スペクトル)とを比較して、相関係数を算出する。腸蠕動音の特徴音周波数スペクトルは、記憶部22に記憶されている。
特徴音周波数スペクトルは、予め医師が腸の蠕動音と判定した音を抽出し、その音を周波数スペクトルに変換することにより得たものである。特徴音周波数スペクトルの一例を図4に示す。特徴音周波数スペクトルとしては、ユーザの腸の蠕動音として認識された音を変換処理して得られたものを用いることが好ましい。
測定音を変換して得られた周波数スペクトルと特徴音周波数スペクトルの相関係数は、両者のパターンマッチングを行うことにより得ることができる。パターンマッチングとしては、公知の方法を採用することができ、例えば、相関係数の算出は、MATLAB(登録商標)のような市販のソフトウェアにより行うことができる。
蠕動音判定工程S4では、判定部19において、相関係数算出部18で算出された相関係数が所定の閾値以上である(正の相関が大きい)ときに、測定された音を腸蠕動音であると判定する。相関係数が比較される閾値は、記憶部22に記憶されている。
図5に、所定時間ごとに得られる周波数スペクトルと特徴音周波数スペクトルの相関係数の変化のグラフを示す。図5において、例えば0.3秒ごとに周波数スペクトルが得られると仮定した場合、2分間の間に、400個の周波数スペクトルが得られる。
蠕動音判定工程S4においては、得られた周波数スペクトルの各々と、特徴音周波数スペクトルとの相関係数を求める。相関係数が所定の閾値以上であるときに、得られた周波数スペクトルの元となった音が腸蠕動音であると判定する。
相関係数の閾値は、0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがさらに好ましく、0.9以上であることが特に好ましい。相関係数が0.6以上であれば、音を変換して得られた周波数スペクトルと特徴音周波数スペクトルとの相関性が高いと考えられるからである。
(腸蠕動音数カウントステップ)
腸蠕動音数カウントステップS5では、カウント部20において、所定の単位時間当たりの、蠕動音判定工程S4で相関係数が所定の閾値以上であると判定された周波数スペクトルの数をカウントする。例えば、0.3秒ごとに周波数スペクトルが得られ、単位時間が2分である場合、連続する400個の周波数スペクトルにおける相関係数が所定の閾値であると判定された周波数スペクトルの数をカウントする。この単位時間当たりのカウント数が、蠕動音の単位時間当たりの発生数となる。
腸蠕動音数カウントステップS5では、カウント部20において、所定の単位時間当たりの、蠕動音判定工程S4で相関係数が所定の閾値以上であると判定された周波数スペクトルの数をカウントする。例えば、0.3秒ごとに周波数スペクトルが得られ、単位時間が2分である場合、連続する400個の周波数スペクトルにおける相関係数が所定の閾値であると判定された周波数スペクトルの数をカウントする。この単位時間当たりのカウント数が、蠕動音の単位時間当たりの発生数となる。
時間の計測は、時間計測部(図示せず)によって行われる。時間計測部は、カウント部20に設けられてもよいし、カウント部20とは別個に設けられてもよい。
腸蠕動音の発生数をカウントするときの単位時間は、1〜5分であることが好ましく、1〜3分であることがさらに好ましく、1〜2分であることが特に好ましい。腸蠕動音の発生数をカウントするときの単位時間を1〜5分とすることにより、腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の経時変化を、細かく調べることができるからである。腸蠕動音の発生数の経時変化を細かく調べることができれば、以下で説明するように腸が栄養を吸収しやすい状態であるか又は吸収しにくい状態であるかを細かく調べることができるため、飲食物摂取のタイミングをより的確に提示することができる。
(蠕動音数比率算出ステップ)
蠕動音数比率算出ステップS6では、記憶部22に記憶された予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数を基準とし、単位時間当たりの最大蠕動音数に対する、ステップS5で求められた単位時間当たりの蠕動音の発生数の比率を算出する。単位時間当たりの最大蠕動音数の測定法については、後ほど説明する。
蠕動音数比率算出ステップS6では、記憶部22に記憶された予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数を基準とし、単位時間当たりの最大蠕動音数に対する、ステップS5で求められた単位時間当たりの蠕動音の発生数の比率を算出する。単位時間当たりの最大蠕動音数の測定法については、後ほど説明する。
(栄養性吸収判定ステップ)
栄養性吸収判定ステップS7では、蠕動音数比率が第1の栄養摂取タイミング判定値(第1判定値)又は第1の栄養摂取タイミング判定値よりも小さい第2の栄養摂取タイミング判定値(第2判定値)と比較される。蠕動音数比率と第1判定値とが比較される場合、蠕動音数比率が第1判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定する(ステップS8)。蠕動音数比率と第2判定値とが比較される場合、蠕動音数比率が第2判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する(ステップS10)。
栄養性吸収判定ステップS7では、蠕動音数比率が第1の栄養摂取タイミング判定値(第1判定値)又は第1の栄養摂取タイミング判定値よりも小さい第2の栄養摂取タイミング判定値(第2判定値)と比較される。蠕動音数比率と第1判定値とが比較される場合、蠕動音数比率が第1判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定する(ステップS8)。蠕動音数比率と第2判定値とが比較される場合、蠕動音数比率が第2判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する(ステップS10)。
本実施の形態では、比較判定部21が蠕動音数比率算出部を兼ねており、蠕動音数比率算出ステップS6及び栄養性吸収判定ステップS7は、比較判定部21で行われる。なお、比較判定部21とは別個に、蠕動音数比率算出部を設けてもよい。
蠕動音数比率が第1判定値以上である場合、腸の蠕動運動が活発な状態にあり、蠕動音数比率が第1判定値以上であると判定された後の一定期間、腸が栄養を吸収しやすい状態にあると考えられる。一方で、蠕動音数比率が第2判定値以下である場合には、腸の蠕動運動も不活発な状態にあり、蠕動音数比率が第2判定値以上であると判定された後の一定期間腸、栄養を吸収しにくい状態にあると考えられる。
第1判定値は、0.25以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましい。蠕動音の単位時間当たりの発生数を所定の期間にわたって測定した場合、単位時間当たりの発生数が多い領域(腸が活発な状態)は、蠕動音数比率が0.25以上であることが多いからである。
第2判定値は0.2以下であることが好ましく、0.16以下であることがさらに好ましい。単位時間当たりの発生数が少ない領域(腸が不活発な状態)は、蠕動音数比率が0.2以下であることが多いからである。
図6に、1分間当たりの腸蠕動音の発生数の1日にわたる変化の一例のグラフを示す。図6を参照すると、単位時間当たりの最大蠕動音数は150回程度であり、蠕動音数比率が0.25の場合に対応する単位時間当たりの発生数は38回程度となる。時間帯にもよるが、蠕動音数比率が第1判定値(0.25)以上である状態が、30分〜3時間程度持続することが分かる。摂取された飲食物が小腸に達するまでの時間は、飲食物の種類や個人差にもよるが、10分〜3時間程度である。よって、蠕動音数比率と第1判定値とが比較される場合、蠕動音数比率が第1判定値以上であると判定されたときを、飲食物摂取のタイミングとしてユーザに提示する。これにより、腸が栄養を吸収しやすい状態にあるときに、飲食物を腸に送ることができる。
一方で、図6において蠕動音数比率が0.2の場合に対応する単位時間当たりの発生数は30回程度となり、時間帯にもよるが、蠕動音数比率が第2判定値(0.2)以下である状態が2〜4時間程度持続することも分かる。よって、蠕動音数比率と第2判定値とが比較される場合、蠕動音数比率が第2判定値以下であると判定されたときを、飲食物摂取のタイミングとしてユーザに提示する。これにより、腸が栄養を吸収しにくい状態にあるときに、飲食物を腸に送ることができる。
図6は、蠕動音数比率が第1判定値以上となったときに飲食物を摂取した場合を示しており、図6において、飲食物の摂取を行ったのは、16時と、7時である。理由は明らかとなっていないが、図6に示されるように飲食物を摂取した後、単位時間当たりの蠕動音発生数が一時的に低下する場合がある。しかしながらその後、単位時間当たりの蠕動音発生数は増加し、第1判定値以上となっている。
なお、腸の蠕動音は、一般に、飲食物の消化時のみならず、空腹時でも発生する。腸蠕動音が空腹時でも発生する原因・理由は明らかとなっていないが、空腹時にも発生する腸蠕動音するのは、小腸が栄養吸収を行う一種のアイドリング活動と考えられる。
蠕動音数比率を第1判定値と比較するか又は第2判定値と比較するかは、ユーザの使用目的により適宜選択される。例えば、ユーザが体重を増やしたい(回復させたい)場合には、腸が栄養を吸収しやすいときに腸に飲食物を送るよう、蠕動音数比率と第1判定値とを比較する。あるいは、ユーザが体重を減らしたい場合には、腸が栄養を吸収しにくいときに、腸に飲食物を送るよう、蠕動音数比率と第2判定値とを比較する。本実施の形態においては、第1判定値及び第2判定値の少なくとも一方が、記憶部22に記憶されている。
(提示ステップ)
提示ステップでは、栄養吸収性判定ステップにおける判定結果に基づいて、ユーザに飲食物摂取のタイミングを提示する。蠕動音数比率と第1判定値とが比較される場合、提示ステップS9において、蠕動音数比率が第1判定値以上であると判定されたときを、飲食物摂取のタイミングとしてユーザに提示する。
提示ステップでは、栄養吸収性判定ステップにおける判定結果に基づいて、ユーザに飲食物摂取のタイミングを提示する。蠕動音数比率と第1判定値とが比較される場合、提示ステップS9において、蠕動音数比率が第1判定値以上であると判定されたときを、飲食物摂取のタイミングとしてユーザに提示する。
蠕動音数比率と第2判定値とが比較される場合、提示ステップS11において、蠕動音数比率が第2判定値以下であると判定されたときを、飲食物摂取のタイミングとしてユーザに提示する。
本提示ステップでは、比較判定部21において、蠕動音数比率と第1判定値以上であると判定されたとき又は第2判定値以下であると判定されたときに、提示部15に信号が送られ、提示部15により、ユーザに飲食物摂取を行うように通知される。
上記のように、蠕動音数比率が第1判定値以上である状態又は第2判定値以下である状態は所定時間継続する。このため、例えば、蠕動音数比率が第1判定値より小さい期間が続いた後、蠕動音数比率が第1判定値以上であると最初に判定されたときを飲食物摂取のタイミングとしてもよい。又は、蠕動音数比率が第2判定値より大きい期間が続いた後、蠕動音数比率が第2判定値以下であると最初に判定されたときを、飲食物摂取のタイミングとしてもよい。
提示部15によるユーザへの提示方法は、特に限定されず、視覚的、聴覚的、触覚的な提示方法の1つあるいは2以上を組み合わせることができる。例えば、ディスプレイへの表示、振動、音、あるいはこれらの組み合わせによって行うことができる。また、ユーザの使用する携帯電話にメール送信、着信等により通知を行うものであってもよく、テレビやデジタルフォトフレーム等に表示させるものであってもよい。
この場合、提示部15は、ディスプレイ、スピーカ、振動装置、通信装置、あるいはこれらの組み合わせから構成することができる。
例えば、提示部15を、ディスプレイとスピーカとから構成し、ディスプレイに飲食物摂取のタイミングであることを表示するとともに、スピーカからも音を出して知らせるようにしてもよい。又は、提示部15を、振動装置とスピーカとから構成して、飲食物摂取のタイミングを振動と音の両方で提示するようにしてもよい。あるいは、提示部15を、ディスプレイ、スピーカ、又は振動装置のいずれかで構成してもよい。
上記のうちの2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。これにより、飲食物摂取のタイミングをユーザに確実に通知することができるようになるからである。
提示装置10において、信号処理部13と、提示部15とは、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよいし、ネットワーク回線で接続されていてもよい。この場合、信号処理部13及び提示部15には、それぞれ通信部(図示せず)が設けられる。
提示装置10において、周波数スペクトル変換部17、相関係数算出部18、判定部19、カウント部20、及び比較判定部21は、中央処理装置(CPU)等の処理手段と、上記のような処理を行うためのプログラムを記憶した記憶手段とを備える。周波数スペクトル変換部17、相関係数算出部18、判定部19、カウント部20、及び比較判定部21が、1つの処理手段と1つの記憶手段とから構成されていてもよく、それぞれが処理手段と記憶手段とを備えていてもよく、前記以外であってもよい。記憶部22は、例えば、ハードディスク、半導体メモリ、ホログラフィックメモリなどで構成することができる。記憶部22が、上記記憶手段を兼ねていてもよい。
特徴音周波数スペクトル、相関係数の閾値、第1判定値及び/又は第2判定値は、入力部16により、記憶部22に入力される。入力部16は、前記各種データを記憶部22に入力できれば、特に限定されず、キーボード、マウス等の公知の入力手段を用いることができる。また、通信手段により上記データを取得する構成であってもよい。
記憶部22に、第1判定値及び第2判定値の両方を記憶させておくとともに、提示装置10にモード切替部(図示せず)を設けておき、比較判定部21において蠕動音数比率と比較される判定値を切替可能とすることが好ましい。これにより、ユーザの希望に応じて、栄養を吸収しやすい状態又は吸収しにくい状態にある腸に飲食物を送ることができ、その結果、簡便に腸におけるカロリー摂取のコントロールを行うことができる。
モード切替部としては、蠕動音数比率と比較される判定値を選択できれば、特に限定されない。モード切替部は、例えば、第1判定値又は第2判定値を指定するスイッチから構成することができる。
次に、単位時間当たりの最大蠕動音数の測定法について説明する。
上記工程S1〜S5と同様にして単位時間当たりの腸蠕動音の発生数をカウントして記憶し、単位時間当たりの腸蠕動音の発生数の変化を記録する。この際、1日以上の期間、単位時間当たりの腸蠕動音の発生数をカウントして記憶する。この記憶は、記憶部22で行うことができる。
上記工程S1〜S5と同様にして単位時間当たりの腸蠕動音の発生数をカウントして記憶し、単位時間当たりの腸蠕動音の発生数の変化を記録する。この際、1日以上の期間、単位時間当たりの腸蠕動音の発生数をカウントして記憶する。この記憶は、記憶部22で行うことができる。
所定の1日にわたって単位時間当たりの腸蠕動音の発生数の変化を測定した場合、その1日における単位時間当たりの腸蠕動音の発生数の最大値を、単位時間当たりの最大蠕動音数とすることができる。
1日を超えて、単位時間当たりの腸蠕動音の発生数の変化を測定した場合、各日ごとの単位時間当たりの腸蠕動音の発生数の最大値を求め、それらの最大値の平均値を、単位時間当たりの最大蠕動音数とすることができ、また、全期間での単位時間当たり腸蠕動音の発生数の最大値を、単位時間当たりの最大蠕動音数とすることができる。
単位時間当たりの最大蠕動音数には、ユーザの腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の変化を測定して求めた値が用いられることが好ましい。
最大蠕動音数を測定するときの単位時間は、腸蠕動音数カウントステップS5において蠕動音の発生数を測定するときの単位時間以上であることが好ましい。特に、最大蠕動音数を測定するときの単位時間は、腸蠕動音数カウントステップS5において蠕動音の発生数を測定するときの単位時間と同じであることが好ましい。
最大蠕動音数を測定するときの単位時間が、腸蠕動音数カウントステップS5において蠕動音の発生数を測定するときの単位時間と比較して大きすぎると、腸が栄養を吸収しやすい状態のときを、難栄養吸収タイミングと判定される可能性がある。最大蠕動音数を測定するときの単位時間は、1〜5分であることが好ましく、1〜3分であることがさらに好ましく、1〜2分であることが特に好ましい。
最大蠕動音数を測定するときの単位時間が、腸蠕動音数カウントステップS5において蠕動音の発生数を測定するときの単位時間よりも小さい場合、腸が栄養を吸収しにくい状態のときを、易栄養吸収タイミングと判定される可能性がある。
最大蠕動音数を測定するときの単位時間と、腸蠕動音数カウントステップにおける蠕動音の発生数を測定するときの単位時間は同一とし且つ1〜5分とするとともに、上記第1の栄養摂取タイミング判定値又は第2の栄養摂取タイミング判定値を用いるにより、腸蠕動音の単位時間当たりの発生数の経時変化を細かく調べることができ、その結果、飲食物摂取のタイミングをより的確に提示することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、主に、腸蠕動音の発生数が小腸の栄養吸収活動と相関があること、及び腸が栄養を吸収しやすい状態と吸収しにくい状態とがほぼ交互に表れることを利用するものである。
本実施の形態は、主に、腸蠕動音の発生数が小腸の栄養吸収活動と相関があること、及び腸が栄養を吸収しやすい状態と吸収しにくい状態とがほぼ交互に表れることを利用するものである。
本実施の形態の飲食物摂取タイミング提示方法(第2の提示方法)は、次のステップを備えている。予め経時的に測定された単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数との比率を算出し(蠕動音数比率算出ステップ)、蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易吸収状態にあると判定し、又は蠕動音数比率が第2の腸状態判定値以下であるときに腸が栄養を吸収しにくい難吸収状態にあると判定し、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定し(吸収時間帯決定ステップ)、吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と摂取された飲食物が腸に届くまでの時間とに基づいて、飲食物摂取のタイミングを決定し(摂取タイミング決定ステップ)、摂取タイミング決定ステップでの決定に基づいて、飲食物摂取タイミングをユーザに提示する(提示ステップ)。
図7に、本実施の形態に係る提示方法のフローチャートを示し、図8に、本実施の形態で用いられる飲食物摂取タイミング提示装置(第2の提示装置)の一例のブロック図を示す。図8の提示装置80は、信号処理部81が、比較判定部21の代わりに、吸収時間帯決定部82及び摂取タイミング決定部83を備えること以外、図1の飲食物摂取タイミング提示装置10と同じである。本実施の形態において、吸収時間帯決定部82が蠕動音数比率算出部を兼ねている。図8の提示装置80において、図2の提示装置10と同じ構成要素には、同じ番号を付し、その説明は省略する。
なお、第2の提示方法に用いられる第2の提示装置は、記憶部が、単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、ユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数と、第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値の少なくとも一方とを含めば、その記憶部と、蠕動音数比率算出部と、吸収時間帯決定部と、摂取タイミング決定部と、提示部と、を少なくとも備えていればよい。なお、記憶部への単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、ユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数と、第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値の少なくとも一方との入力は、入力部等を用いて行われる。
(蠕動音数比率算出ステップ)
蠕動音数比率算出ステップS71では、吸収時間帯決定部82において、蠕動音数比率が経時的に求められる。蠕動音数比率を求めるために用いられる単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、ユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数とは、実施の形態1と同様にして予め測定され、記憶部22に記憶されていたものを用いることができる。
蠕動音数比率算出ステップS71では、吸収時間帯決定部82において、蠕動音数比率が経時的に求められる。蠕動音数比率を求めるために用いられる単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、ユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数とは、実施の形態1と同様にして予め測定され、記憶部22に記憶されていたものを用いることができる。
(吸収時間帯決定ステップ)
吸収時間帯決定ステップS72では、吸収時間帯決定部82において、経時的に求めた蠕動音数比率を、第1の腸状態判定値又は第2の腸状態判定値と比較して、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定する。第1の腸状態判定値及び/又は第2の腸状態判定値は、記憶部22に記憶されている。
吸収時間帯決定ステップS72では、吸収時間帯決定部82において、経時的に求めた蠕動音数比率を、第1の腸状態判定値又は第2の腸状態判定値と比較して、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定する。第1の腸状態判定値及び/又は第2の腸状態判定値は、記憶部22に記憶されている。
図6を例にとって説明すると、図6には、12時から翌日の12時までの、蠕動音の1分間当たりの発生数の変化が示されている。図6から単位時間当たりの最大蠕動音数を求め、図6の単位時間当たりの蠕動音発生数の変化グラフにおいて、蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときを易吸収状態とし、蠕動音数比率が第2の腸状態判定値以下であるときを難吸収状態とする。こうして、腸の状態が易吸収状態になる時刻及び易吸収状態にある長さ、並びに/あるいは難吸収状態になる時刻及び難吸収状態にある長さを求めることにより、易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定できる。なお、蠕動音数比率を第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値の両方と比較することにより、1日における易吸収時間帯及び難吸収時間帯を決定してもよい。得られた決定結果は、記憶部22に記憶されて、摂取タイミング決定ステップS73で用いられる。
1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定するときに用いる単位時間当たりの最大蠕動音数には、上記のように、易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定した所定の1日における蠕動音の単位時間当たりの最大発生数を用いてもよい。
あるいは、単位時間当たりの最大蠕動音数は、実施の形態1と同様にして予め求めておいてもよい。
第1の腸状態判定値は0.25以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましい。第2の腸状態判定値は0.2以下であることが好ましく、0.16以下であることがさらに好ましい。最大蠕動音数を求めるときの単位時間は、経時的に測定された腸蠕動音発生数を求めるときの単位時間以上であることが好ましく、両方の単位時間は同一であることが特に好ましい。また、両方の単位時間は1〜5分であることが好ましく、1〜3分であることがさらに好ましく、1〜2分であることが特に好ましい。これらは、実施の形態1と同様の理由による。
(摂取タイミング決定ステップ)
摂取タイミング決定ステップS73では、摂取タイミング決定部83において、吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間に基づいて、飲食物摂取のタイミングを決定する。
摂取タイミング決定ステップS73では、摂取タイミング決定部83において、吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間に基づいて、飲食物摂取のタイミングを決定する。
摂取された飲食物が腸(小腸)に達するまでの時間は、上記のように10分〜3時間程度である。吸収時間帯決定ステップで易吸収時間帯又は難吸収時間帯が決定されているため、摂取した飲食物が腸に達するまでの時間を考慮して、摂取した飲食物が易吸収時間帯又は難吸収時間帯に腸に到達するように、摂取タイミングを決定することができる。
例えば、ユーザが、飲食物の種類等に応じて、摂取のタイミングを易吸収時間帯又は難吸収時間帯から10分〜3時間前に適宜設定しておいてもよい。飲食物が、飲料、流動食のような液体の場合、約10〜30分で腸に達すると考えられる。よって、液体を摂取する場合、易吸収時間帯又は難吸収時間帯から10〜30分前を摂取タイミングとしてもよい。飲食物が米、肉、野菜のような固形物の場合、約1〜3時間で小腸に達すると考えられる。よって、固形物を摂取する場合、易吸収時間帯又は難吸収時間帯から1〜3時間前を摂取タイミングとしてもよい。
このとき、易吸収時間帯又は難吸収時間帯の開始時刻に、飲食物が腸に到達するように、摂取タイミングを決定してもよい。又は、易吸収時間帯又は難吸収時間帯の長さに基づいて、その易吸収時間帯内又は難吸収時間帯内に、腸に飲食物が達するように、摂取可能な時間帯を決定してもよい。この場合、その時間帯をユーザに提示する。
摂取タイミングを決定する場合、摂取された飲食物の少なくとも半分、好ましくは3分の2以上が、易吸収時間帯内又は難吸収時間帯内に腸に届くようにすることが好ましい。1回の食事における食事時間は、飲食物の種類や個人差によって異なるが、例えば5〜30分である。1回の食事において食事時間と摂取量とが比例すると仮定する(前記食事時間の半分の時間で、全摂取量の半分の量が摂取されると仮定する)。食事時間内に摂取された飲食物の少なくとも半分、好ましくは3分の2以上が、易吸収時間帯内又は難吸収時間帯内に腸に届くように、前記摂取された飲食物が腸に届くまでの時間を考慮して、摂取タイミング又は摂取可能な時間帯を決定してもよい。
なお、飲食物の経口摂取が困難な患者に対し、体外からチューブを用いて胃に流動食のような飲食物を投与する場合、流動食が胃から腸までに移動する時間を考慮して、投与タイミングが決定される。
摂取タイミング決定部83で用いられる、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間は、ユーザが適宜入力してもよい。あるいは、提示装置80に、タイマーのような飲食物到達時間切替部(図示せず)を設けておき、飲食物到達時間切替部により飲食物が腸に届く時間をユーザが適宜選択してもよい。飲食物の経口摂取が困難な患者等の場合には、医師等が飲食物到達時間切替部により飲食物が腸に届く時間を選択してもよい。
(提示ステップ)
提示ステップS74では、摂取タイミング決定ステップS73での決定に基づいて、摂取タイミングをユーザに提示する。具体的には、摂取タイミングとなったときに、摂取タイミング決定部83から提示部15に信号が送られ、提示部15によって、飲食物の摂取を行うようにユーザに通知される。あるいは、摂取タイミング決定ステップS73で決定された飲食物摂取に適したタイミングを予め提示部15に送り、時間計測部(図示せず)で計測された時間に基づいて、摂取タイミングとなったときに提示部15が飲食物の摂取を行うようにユーザに通知してもよい。
提示ステップS74では、摂取タイミング決定ステップS73での決定に基づいて、摂取タイミングをユーザに提示する。具体的には、摂取タイミングとなったときに、摂取タイミング決定部83から提示部15に信号が送られ、提示部15によって、飲食物の摂取を行うようにユーザに通知される。あるいは、摂取タイミング決定ステップS73で決定された飲食物摂取に適したタイミングを予め提示部15に送り、時間計測部(図示せず)で計測された時間に基づいて、摂取タイミングとなったときに提示部15が飲食物の摂取を行うようにユーザに通知してもよい。
吸収時間帯決定ステップで決定された1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯は、例えば飲食物摂取のタイミングの提示を行う日の前日のものであってもよい。または、前記1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯は2日以上の測定結果を平均したものでもよい。具体的には、易吸収状態になる時刻T1、T2・・、及び易吸収状態にある長さ、並びに/あるいは難吸収状態になる時刻Ta、Tb、・・・、及び難吸収状態にある長さを2日以上にわたって測定し、それらの各時刻及び長さを平均したものを用いてもよい。
以上のように、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間に基づいて、飲食物摂取のタイミングを簡便に提示することができる。
1日における易吸収時間帯と難吸収時間帯は、日によって多少変動することがある。このため、上記第2の提示方法に加えて、以下のステップをさらに含む第3の提示方法を用いて、飲食物摂取のタイミングを提示してもよい。
この第3の提示方法は、第2の提示方法に加えて、腹部音データ測定ステップと、腸蠕動音認定ステップと、腸蠕動音数カウントステップと、蠕動音数比率算出ステップとにより、蠕動音数比率を求め、蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、または蠕動音数比率が第2の腸状態判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する栄養吸収性判定ステップと、前記吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、栄養吸収性判定ステップで決定された易栄養吸収タイミング又は難栄養吸収タイミングに基づいて、次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を予測する予測ステップをさらに備える。摂取タイミング決定ステップでは、前記吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯の代わりに、予測ステップで予測された次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を用いて、飲食物の摂取タイミングが決定される。
第3の方法で用いられる第3の提示装置は、図8の提示装置80に加えて、比較判定部(図示せず)、予測部(図示せず)をさらに備える。なお、第3の提示方法においては、腸蠕動音認定ステップが行われるため、第3の提示装置に含まれる記憶部は、蠕動音デジタルデータをさらに含む。
腹部音データ測定ステップと、腸蠕動音認定ステップと、腸蠕動音数カウントステップと、蠕動音数比率算出ステップとは、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。
(栄養吸収性判定ステップ)
実施の形態1と同様に、比較判定部において、得られた蠕動音数比率が、第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミング(易吸収状態)であると判定され、または蠕動音数比率が第2の腸状態判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミング(難吸収状態)であると判定される。
実施の形態1と同様に、比較判定部において、得られた蠕動音数比率が、第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミング(易吸収状態)であると判定され、または蠕動音数比率が第2の腸状態判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミング(難吸収状態)であると判定される。
第1の腸状態判定値は0.25以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましい。第2の腸状態判定値は0.2以下であることが好ましく、0.16以下であることがさらに好ましい。
(予測ステップ)
予測ステップでは、予測部において、易栄養吸収タイミングが、予め決定された1日における複数ある易吸収時間帯のうちのどの易吸収時間帯に対応するのかを調べる。測定された易栄養吸収タイミングに対応する易吸収時間帯が分かれば、その次に現れる易吸収時間帯を予測することができる。
予測ステップでは、予測部において、易栄養吸収タイミングが、予め決定された1日における複数ある易吸収時間帯のうちのどの易吸収時間帯に対応するのかを調べる。測定された易栄養吸収タイミングに対応する易吸収時間帯が分かれば、その次に現れる易吸収時間帯を予測することができる。
あるいは、易栄養吸収タイミングの経時変化を調べ、その経時変化に基づき易吸収状態にある時間帯を求め、前記時間帯が前記1日における易吸収時間帯のうちのどの易吸収時間帯に対応するかを調べる。前記経時変化に基づく易吸収状態にある時間帯と、それに対応する易吸収時間帯がずれているならば、そのずれを考慮して、前記1日における易吸収時間帯から、次に現れる易吸収時間帯を予測してもよい。
上記は、次の難吸収時間帯を予測する場合も同様である。
(摂取タイミング決定ステップ)
摂取タイミングの決定は、摂取タイミング決定部にて、第2の提示方法と同様にして、予測ステップで予測された次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間とに基づいて行われる。なお、飲食物摂取のタイミングは、上記摂取タイミング決定ステップの決定結果に基づいて、第2の提示方法と同様にして、ユーザに提示される。
摂取タイミングの決定は、摂取タイミング決定部にて、第2の提示方法と同様にして、予測ステップで予測された次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間とに基づいて行われる。なお、飲食物摂取のタイミングは、上記摂取タイミング決定ステップの決定結果に基づいて、第2の提示方法と同様にして、ユーザに提示される。
この提示方法により、摂取タイミングを精度よく提示することができる。よって、腸における栄養吸収のコントロールをより効率的に行うことができる。
この提示方法において、実施の形態1と同様の理由から、最大蠕動音数を求めるときの単位時間は、経時的に測定された腸蠕動音発生数を求めるときの単位時間及び腸蠕動音数カウントステップにおける単位時間以上であることが好ましく、前記3種の単位時間は同一であることが特に好ましい。また前記3種の単位時間は1〜5分であることが好ましく、1〜3分であることがさらに好ましく、1〜2分であることが特に好ましい。
吸収時間帯決定部82、摂取タイミング決定部83、必要に応じて予測部及び比較判定部は、CPU等の処理手段と、上記処理を行うためのプログラムを記憶する記憶手段とを備える。吸収時間帯決定部82、摂取タイミング決定部83、必要に応じて予測部及び比較判定部は、1つの処理手段と1つの記憶手段とにより構成されてもよく、それぞれが処理手段と記憶手段とを備えていてもよく、前記以外であってもよい。実施の形態1と同様に、記憶部22が記憶手段を兼ねてもよい。
上記第2及び第3の提示装置においても、提示装置にモード切替部(図示せず)を設けておき、比較判定部において蠕動音数比率と比較される判定値を切り替えてもよい。この場合、記憶部には、第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値が記憶される。
上記実施の形態1において、本実施の形態2で用いた1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯をさらに加味して、飲食物摂取のタイミングをユーザに提示してもよい。
例えば、腸が易吸収状態であるときに腸に飲食物が届くようにする場合を考える。実施の形態1と同様にして蠕動音数比率を経時的に測定しておき、蠕動音数比率が所定時刻tに第1の栄養摂取タイミング判定値以上となったとする。吸収時間帯決定ステップで決定された1日における易吸収時間帯のうちの前記所定時刻及びその近傍に現れる易吸収時間帯の長さが、摂取された飲食物が腸に届く時間よりも長いと判定された場合に、所定時刻tを、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングとしてもよい(摂取可能性判定ステップ)。この場合、前記判定結果に基づいて、実施の形態1と同様にして、ユーザに飲食物摂取のタイミングが提示される。
なお、易吸収時間帯と経口摂取された飲食物が腸に届く時間との比較を行う必要があるため、ユーザへの飲食物摂取のタイミングの提示は、所定時刻tに厳密に行われる必要はなく、所定時刻tから数秒〜数十秒程度遅れてもよい。
以上のことは、腸が難吸収状態であるときに腸に飲食物が届くようにする場合も同様である。
上記摂取タイミング判定ステップは、摂取タイミング判定部で行われる。摂取タイミング判定部は、例えば、CPU等の処理手段と、上記処理を行うためのプログラムを記憶する記憶手段とから構成することができる。
次に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。以下の実施例1及び2では、1日当たりの摂取カロリーをほぼ同じにして、腸が栄養を吸収しやすい状態にあるとき又は吸収しにくい状態のときに、腸に栄養が達するように、飲食物摂取を行い、被験者の体重の変化について調べた。これらの実施例では、上記実施の形態1で説明した飲食物摂取タイミング提示方法及び装置を用いて、被験者に飲食物摂取のタイミングを提示した。
(実施例1)
本実施例では、腸が栄養を吸収しにくい状態にあると判定されたときを飲食物摂取のタイミングとして被験者に提示し、被験者の体重が減少するか否かについて、調べた。
本実施例では、腸が栄養を吸収しにくい状態にあると判定されたときを飲食物摂取のタイミングとして被験者に提示し、被験者の体重が減少するか否かについて、調べた。
まず、腸蠕動音の単位時間当たりの最大蠕動音数を、以下のようにして求めた。
被験者の腹部に、集音部(密着型マイク)を貼り付けて、腹部で発生する音を連続的に測定した。測定した音を、A/D変換器によりデジタルデータに変換するとともに、0.32秒ずつ短時間高速フーリエ変換(FFT)処理に供し、周波数スペクトルのデジタルデータを得た。
被験者の腹部に、集音部(密着型マイク)を貼り付けて、腹部で発生する音を連続的に測定した。測定した音を、A/D変換器によりデジタルデータに変換するとともに、0.32秒ずつ短時間高速フーリエ変換(FFT)処理に供し、周波数スペクトルのデジタルデータを得た。
次に、相関係数算出部において、得られた周波数スペクトルと、腸蠕動音の特徴音周波数スペクトルデータのパターンマッチングを行い相関係数の算出を行った。判定部において、相関係数が0.8以上の場合、検出された音を腸の蠕動音であると判定し、カウント部で蠕動音の発生数をカウントして、1分間当たりの蠕動音の発生数を計測した。
本実施例で用いた特徴音周波数スペクトルデータは、予め医師が腸の蠕動音と認識する音を抽出し、その音をデジタルデータに変換し、そのデジタルデータを短時間FFT処理して算出したものである。具体的には、特徴音周波数スペクトルデータとしては、図4に示される周波数スペクトルを用いた。
得られた音の周波数スペクトルの変換及び相関係数の算出は、市販の計算ソフトウェアであるMATLAB(登録商標)(MathWorks社製)を用いて行った。具体的には、得られた音の周波数スペクトルへの変換は、関数spectrogramを用いて行った。相関係数の算出は、関数corrcoefを用いて行った。
1分間当たりの蠕動音の発生数の24時間にわたる変化を調べ、単位時間当たりの腸蠕動音の発生数の最大値を、単位時間当たりの最大蠕動音数とした。
次に、被験者の腸蠕動音の1分間当たりの発生数を測定しながら、単位時間当たりの最大蠕動音数に対する測定された1分間当たりの発生数の比率(蠕動音数比率)が0.2以下であるときを難栄養吸収タイミングであると判定し、この判定結果に基づいて、飲食物摂取のタイミングを被験者に提示した。本実施例では、難栄養吸収タイミングであると判定されたときを飲食物摂取のタイミングとした。飲食物摂取は、午前と午後の2回に分けて行い、1日当たりの合計摂取カロリーは、2000〜2300kcalとした。
このようにして、飲食物摂取を10日間継続し、被験者の起床直後の体重変化を2日毎に調べた。被験者の体重変化を表1に示す。
(実施例2)
次に、上記実施例1の試験の終了後、同一被験者にて、腸が栄養を吸収しやすい状態にあると判定されたときを飲食物摂取のタイミングとして被験者に提示し、被験者の体重が増加するか否かについて調べた。本実施例では、蠕動音数比率が0.25以上であるときを易栄養吸収タイミングであると判定し、その易栄養吸収タイミングであると判定されたときを飲食物摂取のタイミングとして、被験者に提示した。本実施例においても、飲食物摂取は、午前と午後の2回に分けて行い、1日当たりの合計摂取カロリーは、約2000kcalとした。
次に、上記実施例1の試験の終了後、同一被験者にて、腸が栄養を吸収しやすい状態にあると判定されたときを飲食物摂取のタイミングとして被験者に提示し、被験者の体重が増加するか否かについて調べた。本実施例では、蠕動音数比率が0.25以上であるときを易栄養吸収タイミングであると判定し、その易栄養吸収タイミングであると判定されたときを飲食物摂取のタイミングとして、被験者に提示した。本実施例においても、飲食物摂取は、午前と午後の2回に分けて行い、1日当たりの合計摂取カロリーは、約2000kcalとした。
このようにして、飲食物摂取を10日間継続し、被験者の起床直後の体重変化を2日毎に調べた。被験者の体重変化を表1に示す。
なお、実施例1及び2において、起床及び就寝時間、1日の消費カロリー、1日の水分の摂取量は、できる限り同じになるようにした。
表1に示されるように、蠕動音数比率が0.2以下となったときに飲食物摂取を行った場合、10日間で、体重が減少する傾向が確認された。
一方で、蠕動音数比率が0.25以上となったときに飲食物摂取を行った場合、10日間で、実施例1とは同等以下の摂取カロリーにも関わらず、体重が増加する傾向が確認された。
以上のように、本発明によれば、腸が栄養を吸収しやすい状態又は吸収しにくい状態にあるときに、栄養が腸に達するように、飲食物摂取のタイミングを提示することができる。これにより、腸における栄養吸収のコントロールを効率的に行い、飲食物の種類及び/又は量を大きく変化させることなく体重管理を行うことができる。
(追記事項)
上記実施の形態1及び2において、提示装置は、ユーザが栄養を摂取した後、所定の時間の間、飲食物摂取のタイミングを提示しないように構成してもよい。例えば、提示部に、提示解除ボタン(図示せず)と、提示を行わない時間を記憶する記憶部(図示せず)と、時間計測部(図示せず)から構成される提示解除手段(図示せず)と、を設けておく。前記提示解除ボタンを押すことにより、所定の時間の間、飲食物摂取のタイミングを提示しないようにすることができる。提示を行わない時間の長さは、希望の食事間隔等に基づいて、適宜決定される。
上記実施の形態1及び2において、提示装置は、ユーザが栄養を摂取した後、所定の時間の間、飲食物摂取のタイミングを提示しないように構成してもよい。例えば、提示部に、提示解除ボタン(図示せず)と、提示を行わない時間を記憶する記憶部(図示せず)と、時間計測部(図示せず)から構成される提示解除手段(図示せず)と、を設けておく。前記提示解除ボタンを押すことにより、所定の時間の間、飲食物摂取のタイミングを提示しないようにすることができる。提示を行わない時間の長さは、希望の食事間隔等に基づいて、適宜決定される。
あるいは、別の集音部(図示せず)や加速度センサ(図示せず)を用いて、ユーザが食事を行ったと判定された場合に、自動的に、所定時間の間、飲食物摂取のタイミングを提示しないように構成してもよい。
さらに、上記提示装置は、1日のライフサイクルに基づき、睡眠時間帯のような所定の時間帯に、提示部による提示が行われない構成としてもよい。また、飲食物摂取時間帯を予め定めておき(例えば、朝食6〜9時、昼食11〜13時、夕食18〜20時等)、これらの時間内のみに提示を行う構成であってもよい。
また、飲食物摂取のタイミングを、ユーザではなく、ユーザ以外の第三者に提示してもよい。例えば、病院等において、入院患者等の腸蠕動音の発生数をモニタしておき、医師や看護師等に、入院患者等の飲食物摂取のタイミングを提示してもよい。この場合、信号処理部と提示部とは、無線で接続されるか、インターネット回線を通して接続されることが好ましい。
以上説明したように、本発明によると、腸が栄養を吸収しやすい状態にあるとき又は吸収しにくい状態にあるときに、腸に飲食物が達するように、飲食物摂取のタイミングを提示することができる。このため、本発明により、腸におけるカロリー摂取のコントロールを効率的に行うことができ、その結果飲食物の種類や量を大きく変化させることなく体重の増減管理を行うことができる。よって、本発明の産業上の利用可能性は高い。
10、80 飲食物摂取タイミング提示装置
11 集音部
12 中継ボックス
13、81 信号処理部
14 蠕動音判定部
15 提示部
16 入力部
17 周波数スペクトル変換部
18 相関係数算出部
19 判定部
20 カウント部
21 比較判定部
22 記憶部
82 吸収時間帯決定部
83 摂取タイミング決定部
11 集音部
12 中継ボックス
13、81 信号処理部
14 蠕動音判定部
15 提示部
16 入力部
17 周波数スペクトル変換部
18 相関係数算出部
19 判定部
20 カウント部
21 比較判定部
22 記憶部
82 吸収時間帯決定部
83 摂取タイミング決定部
Claims (15)
- ユーザの腹部で発生する音を経時的に測定しデジタルデータに変換する腹部音データ測定ステップと、
前記腹部音データ測定ステップで経時的に測定された腹部音デジタルデータを、蠕動音のデジタルデータと比較して一致する場合を腸蠕動音と認定する腸蠕動音認定ステップと、
前記腸蠕動音認定ステップで認定された腸蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントする単位時間当たり腸蠕動音数カウントステップと、
予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数を基準とし、当該最大蠕動音数に対する前記単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出ステップと、
前記蠕動音数比率が第1の栄養摂取タイミング判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、または前記蠕動音数比率が前記第1の栄養摂取タイミング判定値よりも小さい第2の栄養摂取タイミング判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する栄養吸収性判定ステップと、
前記栄養吸収性判定ステップにおける判定結果に基づいて、ユーザに飲食物摂取のタイミングを提示する提示ステップと、
を備える飲食物摂取タイミング提示方法。 - 請求項1に記載の飲食物摂取タイミング提示方法において、
前記最大蠕動音数に係る単位時間と、前記腸蠕動音数カウントステップに係る単位時間と、が同一で且つ1〜5分であり、
前記第1の栄養摂取タイミング判定値が0.25以上である、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示方法。 - 請求項1に記載の飲食物摂取タイミング提示方法において、
前記最大蠕動音数に係る単位時間と、前記腸蠕動音数カウントステップに係る前記単位時間と、が同一で且つ1〜5分であり、
前記第2の栄養摂取タイミング判定値が0.2以下である、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示方法。 - 予め経時的に測定された単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、予め測定されたユーザの単位時間当たりの最大蠕動音数と、の比率を算出する蠕動音数比率算出ステップと、
前記蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易吸収状態にあると判定し、又は前記蠕動音数比率が前記第1の腸状態判定値よりも小さい第2の腸状態判定値以下であるときに腸が栄養を吸収しにくい難吸収状態にあると判定し、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定する吸収時間帯決定ステップと、
前記吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間と、に基づいて、飲食物摂取のタイミングを決定する飲食物摂取タイミング決定ステップと、
前記飲食物摂取タイミング決定ステップでの決定に基づいて、飲食物摂取のタイミングをユーザに提示する提示ステップと、
を備える飲食物摂取タイミング提示方法。 - 請求項4に記載の飲食物摂取タイミング提示方法において、
前記提示方法は、
ユーザの腹部で発生する音を経時的に測定しデジタルデータに変換する腹部音データ測定ステップと、
前記腹部音データ測定ステップで経時的に測定された腹部音デジタルデータを、蠕動音のデジタルデータと比較して一致する場合を腸蠕動音と認定する腸蠕動音認定ステップと、
前記腸蠕動音認定ステップで認定された腸蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントする単位時間当たり腸蠕動音数カウントステップと、
前記最大蠕動音数に対する前記単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出ステップと、
前記蠕動音数比率が前記第1の腸状態判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、または前記蠕動音数比率が前記第2の腸状態判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する栄養吸収性判定ステップと、
前記吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、前記栄養吸収性判定ステップで決定された易栄養吸収タイミング又は難栄養吸収タイミングに基づいて、次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を予測する予測ステップと、をさらに備え、
前記飲食物摂取タイミング決定ステップは、前記吸収時間帯決定ステップで決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯に代えて、前記予測ステップで予測された次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を用いて、飲食物摂取のタイミングを決定するステップである、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示方法。 - 請求項4又は5に記載の飲食物摂取タイミング提示方法において、
前記最大蠕動音数に係る単位時間と、前記経時的に測定された腸蠕動音発生数に係る単位時間と、が同一で且つ1〜5分であり、
前記第1の腸状態判定値が、0.25以上である、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示方法。 - 請求項4又は5に記載の飲食物摂取タイミング提示方法において、
前記最大蠕動音数に係る単位時間と、前記経時的に測定された腸蠕動音発生数に係る単位時間と、が同一で且つ1〜5分であり、
前記第2の腸状態判定値が、0.2以下である、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示方法。 - 請求項5に記載の飲食物摂取タイミング提示方法において、
前記最大蠕動音数に係る単位時間と、前記経時的に測定された腸蠕動音発生数に係る単位時間と、前記腸蠕動音数カウントステップに係る単位時間と、がいずれも同一で且つ1〜5分であり、
前記第1の腸状態判定値が、0.25以上である、
前記第2の腸状態判定値が、0.2以下である、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の飲食物摂取タイミング提示方法において、
前記提示ステップにおいて、前記ユーザへの飲食物摂取のタイミングの提示が、ディスプレイへの表示、振動、音、あるいはこれらの組み合わせによって行われる、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示方法。 - 蠕動音デジタルデータと、単位時間当たりの最大蠕動音数と、第1の栄養摂取タイミング判定値及び第2の栄養摂取タイミング判定値の少なくとも一方と、を記憶する記憶部と、
ユーザの腹部音を経時的に測定する集音部と、
時間を測定する時間計測部と、
前記集音部で測定された腹部音をデジタルデータに変換するデジタルデータ変換部と、
前記腹部音デジタルデータと前記蠕動音デジタルデータとを比較して、前記腹部音デジタルデータと前記蠕動音デジタルデータとが一致するか否かを判定する蠕動音判定部と、
前記時間計測部で計測された時間と、前記蠕動音デジタルデータと一致する前記腹部音デジタルデータと、に基づき、蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントするカウント部と、
前記単位時間当たりの最大蠕動音数に対する前記単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出部と、
前記蠕動音数算出比率と、前記第1の栄養摂取タイミング判定値又は前記第2の栄養摂取タイミング判定値とを比較し、前記蠕動音数比率が前記第1の栄養摂取タイミング判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、又は前記蠕動音数比率が前記第2の栄養摂取タイミング判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する比較判定部と、
前記比較判定部での比較判定結果に基づいて、飲食物摂取のタイミングを提示する提示部と、
を備える飲食物摂取タイミング提示装置。 - 経時的に測定された単位時間当たりの腸蠕動音発生数と、単位時間当たりの最大蠕動音数と、第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値の少なくとも一方と、を記憶する記憶部と、
前記単位時間当たりの最大蠕動音数に対する、前記経時的に測定された単位時間当たりの腸蠕動音発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出部と、
前記経時的な蠕動音数比率が第1の腸状態判定値以上であるときに腸が栄養を吸収しやすい易吸収状態にあると判定し、又は前記蠕動音数比率が前記第2の腸状態判定値以下であるときに腸が栄養を吸収しにくい難吸収状態にあると判定し、1日における易吸収時間帯又は難吸収時間帯を決定する吸収時間帯決定部と、
前記吸収時間帯決定部で決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、摂取された飲食物が腸に届くまでの時間と、に基づいて、飲食物摂取のタイミングを決定する摂取タイミング決定部と、
前記摂取タイミング決定部で決定された前記タイミングを、ユーザに提示する提示部と、
を備える飲食物摂取タイミング提示装置。 - 請求項11に記載の飲食物摂取タイミング提示装置において、
前記記憶部は、蠕動音デジタルデータをさらに記憶し、
前記提示装置は、
ユーザの腹部音を経時的に測定する集音部と、
時間を測定する時間計測部と、
前記集音部で測定された腹部音をデジタルデータに変換するデジタルデータ変換部と、
前記腹部音デジタルデータと前記蠕動音デジタルデータとを比較して、前記腹部音デジタルデータと前記蠕動音デジタルデータとが一致するか否かを判定する蠕動音判定部と、
前記時間計測部で計測された時間と、前記蠕動音デジタルデータと一致する前記腹部音デジタルデータと、に基づき、蠕動音の単位時間当たりの発生数をカウントするカウント部と、
前記単位時間当たりの最大蠕動音数に対する前記単位時間当たりの発生数の比率を算出する蠕動音数比率算出部と、
前記蠕動音数算出比率と、前記第1の腸状態判定値又は前記第2の腸状態判定値とを比較し、前記蠕動音数比率が前記第1の腸状態判定値以上であるときに、腸が栄養を吸収しやすい易栄養吸収タイミングであると判定し、又は前記蠕動音数比率が前記第2の腸状態判定値以下であるときに、栄養を吸収しにくい難栄養吸収タイミングであると判定する比較判定部と、
前記吸収時間帯決定部で決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯と、前記比較判定部で決定された易栄養吸収タイミング又は難栄養吸収タイミングに基づいて、次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を予測する予測部と、をさらに備え、
前記摂取タイミング決定部は、前記吸収時間帯決定部で決定された易吸収時間帯又は難吸収時間帯に代えて、前記予測部で予測された次に現れる易吸収時間帯又は難吸収時間帯を用いて、飲食物摂取のタイミングを決定するものである、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示装置。 - 請求項10に記載の飲食物摂取タイミング提示装置において、
前記記憶部は、第1の栄養摂取タイミング判定値及び第2の栄養摂取タイミング判定値を記憶するものであり、
前記提示装置は、
前記比較判定部で用いる前記第1の栄養摂取タイミング判定値又は前記第2の栄養摂取タイミング判定値を切り替えるモード切替部をさらに備える、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示装置。 - 請求項11又は12に記載の飲食物摂取タイミング提示装置において、
前記記憶部は、第1の腸状態判定値及び第2の腸状態判定値を記憶するものであり、
前記提示装置は、
前記吸収時間帯決定部あるいは前記吸収時間帯決定部及び前記比較判定部で用いる前記第1の腸状態判定値又は前記第2の腸状態判定値を切り替えるモード切替部をさらに備える、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示装置。 - 請求項10ないし14のいずれか1項に記載の飲食物摂取タイミング提示装置において、
前記提示部が、ディスプレイ、スピーカ、振動装置、あるいはこれらの組み合わせからなる、
ことを特徴とする飲食物摂取タイミング提示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011128626A JP2012256186A (ja) | 2011-06-08 | 2011-06-08 | 飲食物摂取タイミング提示方法および飲食物摂取タイミング提示装置 |
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JP2011128626A JP2012256186A (ja) | 2011-06-08 | 2011-06-08 | 飲食物摂取タイミング提示方法および飲食物摂取タイミング提示装置 |
Publications (1)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011128626A Withdrawn JP2012256186A (ja) | 2011-06-08 | 2011-06-08 | 飲食物摂取タイミング提示方法および飲食物摂取タイミング提示装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016036637A (ja) * | 2014-08-10 | 2016-03-22 | 国立大学法人徳島大学 | 腸音測定装置および腸音の測定方法 |
WO2019131607A1 (ja) * | 2017-12-26 | 2019-07-04 | 株式会社タニタ | 腸蠕動音測定装置及び腸蠕動音測定プログラム |
CN110960197A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-04-07 | 广西壮族自治区人民医院 | 肠蠕动检测及康复辅助装置及其使用方法 |
WO2022168827A1 (ja) * | 2021-02-05 | 2022-08-11 | サントリーホールディングス株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体 |
-
2011
- 2011-06-08 JP JP2011128626A patent/JP2012256186A/ja not_active Withdrawn
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