JP2012244001A - ナノコンポジット熱電材料およびその製造方法 - Google Patents
ナノコンポジット熱電材料およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012244001A JP2012244001A JP2011113730A JP2011113730A JP2012244001A JP 2012244001 A JP2012244001 A JP 2012244001A JP 2011113730 A JP2011113730 A JP 2011113730A JP 2011113730 A JP2011113730 A JP 2011113730A JP 2012244001 A JP2012244001 A JP 2012244001A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoelectric material
- heat treatment
- temperature
- amorphous
- horizontal axis
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
Abstract
【課題】Mg−Si系であって地球上に多量に存在する物質を用い且つ650℃以上の温度での加熱という熱処理を必要とせず低い熱伝導率を与え得る熱電材料および前記熱電材料の製造方法を提供する。
【解決手段】非晶質シリコンからなる母材中にMg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が分散されてなるナノコンポジット熱電材料であって、全材料中の各元素原子比で示される割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545で規定される範囲内である、前記材料、およびその製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】非晶質シリコンからなる母材中にMg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が分散されてなるナノコンポジット熱電材料であって、全材料中の各元素原子比で示される割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545で規定される範囲内である、前記材料、およびその製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ナノコンポジット熱電材料およびその製造方法に関し、さらに詳しくは各元素が特定組成であって低い熱伝導率を与え得るMg−Si系のナノコンポジット熱電材料およびその製造方法に関する。
近年、地球温暖化問題から二酸化炭素排出量を削減するために、化石燃料から得られるエネルギーの割合を低減する技術への関心が益々増大しており、その1つとして未利用廃熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換し得る熱電材料が挙げられる。
熱電材料とは、火力発電のように熱を一旦運動エネルギーに変換しそれから電気エネルギーに変換する2段階の工程を必要とせず、熱から直接に電気エネルギーに変換することを可能とする機能を有する材料である。また、このような熱電材料は、ある部位から熱を吸って他の部位に熱を吐き出す熱を伝達する機能をも有し得る材料である。
熱電材料とは、火力発電のように熱を一旦運動エネルギーに変換しそれから電気エネルギーに変換する2段階の工程を必要とせず、熱から直接に電気エネルギーに変換することを可能とする機能を有する材料である。また、このような熱電材料は、ある部位から熱を吸って他の部位に熱を吐き出す熱を伝達する機能をも有し得る材料である。
そして、熱から電気エネルギーへの変換は、通常熱電材料から成形したバルク体の両端の温度差を利用して行われる。この温度差によって電圧が生じる現象はゼーペックにより発見されたのでゼーペック効果と呼ばれている。
この熱電材料の性能は、次式で求められる性能指数Zで表わされる。
Z=α2σ/κ(=Pf/κ)
この熱電材料の性能は、次式で求められる性能指数Zで表わされる。
Z=α2σ/κ(=Pf/κ)
ここで、αは熱電材料のゼーベック係数、σは熱電材料の導電率、κは熱電材料の熱伝導率である。α2σの項をまとめて出力因子Pfという。そして、Zは温度の逆数の次元を有し、この性能指数Zに絶対温度Tを乗じて得られるZTは無次元の値となる。そしてこのZTを無次元性能指数と呼び、熱電材料の性能を表す指標として用いられている。
熱電材料が幅広く使用されるためにはその性能をさらに向上させることが求められている。そして、熱電材料の性能向上には前記の式から明らかなように、より高いゼーベック係数α、より高い導電率σ、より低い熱伝導率κが求められる。
しかし、これらすべての項目を同時に改良することは困難であり、熱電材料の前記項目のいずれかを改良する目的で多くの試みがなされている。
熱電材料が幅広く使用されるためにはその性能をさらに向上させることが求められている。そして、熱電材料の性能向上には前記の式から明らかなように、より高いゼーベック係数α、より高い導電率σ、より低い熱伝導率κが求められる。
しかし、これらすべての項目を同時に改良することは困難であり、熱電材料の前記項目のいずれかを改良する目的で多くの試みがなされている。
そのため、熱電材料として適していると考えられる物質について、前記の特性のうちの少なくとも1つを向上させるために、より詳細な検討がなされている。
また、熱電材料として検討されてきた材料の中で、資源的に地球上に多く存在する元素を用い得て且つ使用温度範囲が低温〜高温まで幅広いことからMg−Si系熱電材料が有力な1つの材料と考えられ、様々な検討が進められている。
また、熱電材料として検討されてきた材料の中で、資源的に地球上に多く存在する元素を用い得て且つ使用温度範囲が低温〜高温まで幅広いことからMg−Si系熱電材料が有力な1つの材料と考えられ、様々な検討が進められている。
例えば、非特許文献1には、ゲルマニウム(Ge)の濃度を連続的に変化させてバルク機械合金化により得られる固溶体であるMg2Si1−xGexの熱電特性に関して、ゲルマニウムの割合(x)によってMg2Si(熱伝導率:8.0W/m/K)に対して変化し得ることが記載されている。そして、具体例としてMg、SiおよびGeの各粉末をバルク機械的混合とホットプレスとを組み合わせて作製した固溶体についての各熱電特性のうち、xが0.5の近傍で熱電材料の熱伝導率κの値の下限値が2.6W/m/K程度である結果が示されている。
また、特許文献1には、化学組成式がMg66.667−xSi33.333−yAx+y(Aはドーパントで、例えばAlである。)で表されるMg2Si基化合物であって、前記ドーパント元素がMg2Si結晶構造中のMg若しくはSiの一部と置換・固溶されると共に、前記化合物中には平均粒径Gが0.1μm<G<10μmの範囲内にあるSi粒子が非凝固状態で分散して存在しているMg−Si系熱電材料、および前記組成を与える各元素粉末を加えてMgの融点以上1073K以下に加熱して前記Mg2Si基を生成させ、未反応のSi粒子が残存する程度で加熱保持を止め、冷却する前記材料の製造方法が記載されている。そして、具体例としてSiを33.333at%に固定しドーパントとしてAlを含むかあるいは含まないでMg2Si基化合物を製造した例および熱電特性としての性能指数が示されている。
T.Aizawa,R.SongおよびA.Yamamoto,Materilas Transactions, Vol.46 No.7(2005)第1490−1496頁
しかし、前記非特許文献1に記載された熱電材料は必須成分として地球上での存在量の少ないGeを多く使用する必要がある。また、特許文献1に記載された熱電材料を得るために650℃以上の温度で加熱という厳しい熱処理を必要とする。
従って、本発明の目的は、Mg−Si系であって地球上に多量に存在する物質を用い且つ650℃以上の温度での加熱という熱処理を必要とせず低い熱伝導率を与え得る熱電材料を提供することである。
また、本発明の目的は、Mg−Si系であって650℃以上の温度での加熱という熱処理を必要とせず低い熱伝導率を与え得る前記熱電材料の製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、Mg−Si系であって650℃以上の温度での加熱という熱処理を必要とせず低い熱伝導率を与え得る前記熱電材料の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、固溶体化によって熱電材料の結晶格子を歪ませるフォノン散乱の効果による熱伝導率低減の効果は低いこと、そしてより低い熱伝導率を実現するためにはシリコンのナノ粒子が分散し未反応のシリコンがナノサイズで残存する組織を形成するためにシリコン粒子が完全に反応して消失する直前に反応を止める制御と、数ナノメートルのシリコンを多数残存させるために出発原料のシリコン粒子径をそのオーダーで揃える制御との2つの制御を行うことが必要であり、工業プロセスとして極めて実現化が困難であることを見出しさらに検討を行った結果、本発明を完成した。
本発明は、非晶質シリコンからなる母材中にMg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が分散されてなるナノコンポジット熱電材料であって、全材料中の各元素の原子比で示される(以下、同じ)割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545で規定される範囲内である、前記材料に関する。
また、本発明は、ナノコンポジット熱電材料の製造方法であって、
各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する工程、
横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択する工程、および
Mg2Siからなる結晶質のナノ粒子を形成させるために該非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加える工程、
を含む、前記方法に関する。
各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する工程、
横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択する工程、および
Mg2Siからなる結晶質のナノ粒子を形成させるために該非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加える工程、
を含む、前記方法に関する。
本発明によれば、Mg−Si系であって地球上に多量に存在する物質を用い且つ650℃以上での加熱という熱処理を必要とせず低い熱伝導率を与え得る熱電材料を提供することができる。
また、本発明によれば、Mg−Si系であって650℃以上での加熱という熱処理を必要とせず低い熱伝導率を与え得る前記熱電材料を容易に得ることができる。
また、本発明によれば、Mg−Si系であって650℃以上での加熱という熱処理を必要とせず低い熱伝導率を与え得る前記熱電材料を容易に得ることができる。
特に、本発明において、以下の実施態様を挙げることができる。
1)前記Mg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が、56.5nm以下の粒径を有する前記材料。
2)前記熱電材料が、非晶質シリコン単独の熱伝導率と比較して等しいかそれ以下の熱伝導率を示す前記材料。
3)前記熱電材料が、薄膜状である前記材料。
4)前記非晶質出発材料が薄膜状である前記方法。
5)前記熱処理が、2分〜10時間行われる前記方法。
本明細書で粒径とは、後述の実施例の欄で詳述する測定法によって求められる粒子の平均粒径を示す。
1)前記Mg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が、56.5nm以下の粒径を有する前記材料。
2)前記熱電材料が、非晶質シリコン単独の熱伝導率と比較して等しいかそれ以下の熱伝導率を示す前記材料。
3)前記熱電材料が、薄膜状である前記材料。
4)前記非晶質出発材料が薄膜状である前記方法。
5)前記熱処理が、2分〜10時間行われる前記方法。
本明細書で粒径とは、後述の実施例の欄で詳述する測定法によって求められる粒子の平均粒径を示す。
本発明は、非晶質シリコンからなる母材中にMg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が分散されてなるナノコンポジット熱電材料であって、全材料中の各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545で規定される範囲内である、ナノコンポジット熱電材料であることによって、Mg−Si系であって、2.0W/m/K以下の熱伝導率を与え得る熱電材料を得ることが可能である。
また、本発明は、ナノコンポジット熱電材料の製造方法であって、
各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する工程、
横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択する工程、および
Mg2Siからなる結晶質のナノ粒子を形成させるために該非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加える工程、を含むことによって、Mg−Si系であって、2.0W/m/K以下の熱伝導率を与え得る熱電材料を得ることが可能となる。
各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する工程、
横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択する工程、および
Mg2Siからなる結晶質のナノ粒子を形成させるために該非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加える工程、を含むことによって、Mg−Si系であって、2.0W/m/K以下の熱伝導率を与え得る熱電材料を得ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳説する。
本発明の実施態様のナノコンポジット熱電材料は、図1、図5−1、図5−2および図6から、非晶質シリコン(Si)からなる母材中に結晶化したMg2Siが分散されてなるものであることが明らかになった。
これは、本発明の実施態様のナノコンポジット熱電材料が、図1、図4および図6から、非晶質の組織と結晶質の組織とが混在していて、結晶質の組織が数nm〜数十nmの粒子状であり、後述の実施例の欄に示すXRD測定によりMg2Siの粒子径と同程度であることから結晶質相がMg2Siであることが確認され、また図7に示すように、SEM像において数nm〜数十nmの粒子とその間隙を占める組織が観察されるので、数nm〜数十nmのMg2Si結晶粒と非晶質の粒界相からなる又は非晶質の粒界相にMg2Si結晶粒が分散している組織であって、非晶質相がSiであると考えられることに基づく。
本発明の実施態様のナノコンポジット熱電材料は、図1、図5−1、図5−2および図6から、非晶質シリコン(Si)からなる母材中に結晶化したMg2Siが分散されてなるものであることが明らかになった。
これは、本発明の実施態様のナノコンポジット熱電材料が、図1、図4および図6から、非晶質の組織と結晶質の組織とが混在していて、結晶質の組織が数nm〜数十nmの粒子状であり、後述の実施例の欄に示すXRD測定によりMg2Siの粒子径と同程度であることから結晶質相がMg2Siであることが確認され、また図7に示すように、SEM像において数nm〜数十nmの粒子とその間隙を占める組織が観察されるので、数nm〜数十nmのMg2Si結晶粒と非晶質の粒界相からなる又は非晶質の粒界相にMg2Si結晶粒が分散している組織であって、非晶質相がSiであると考えられることに基づく。
これに対して、本発明の範囲外のナノコンポジット熱電材料は、図1、図2、図5−1、図5−2および図8から、Mg2SiおよびSiのいずれにもXRD分析でのピークが存在し共に結晶化していると考えられる場合と、XRD分析でのピークが存在せず完全な非晶質状態であることが理解される。
前者の場合、本発明の範囲外のナノコンポジット熱電材料は、Mg2Siの結晶粒径は数十nm〜数百nmで、Siの結晶粒径が20nm〜40nm程度であり、いずれも後述の実施例の欄に詳述するXRDの測定による粒子径と同程度である。
前者の場合、本発明の範囲外のナノコンポジット熱電材料は、Mg2Siの結晶粒径は数十nm〜数百nmで、Siの結晶粒径が20nm〜40nm程度であり、いずれも後述の実施例の欄に詳述するXRDの測定による粒子径と同程度である。
本発明のナノコンポジット熱電材料がMg−Si系であって、2.0W/m/K以下の熱伝導率を与え得る熱電材料である理論的な解明は未だ十分にはなされていないが、本発明の熱電材料が非晶質シリコンの母相に体積率で70〜90%の少なくとも一部のMg2Siナノ粒子が分散している組織と考えることができるので、Mg2Siと非晶質シリコンとが接する界面の面積が十分大きく、ほぼ非晶質シリコン(熱伝導率:1.8W/m/K)(出展:H.Wada.T.Kamijoh.Jpn.J.Appl.Phys.35(1996)648−650)以下の熱伝導率が達成されることによると考えられる。
このようにして、本発明のナノコンポジット熱電材料は、ほぼ非晶質シリコン以下の熱伝導率を有し得る。
このようにして、本発明のナノコンポジット熱電材料は、ほぼ非晶質シリコン以下の熱伝導率を有し得る。
前記のように、本発明のナノコンポジット熱電材料は、非晶質シリコンの母相に体積率で70〜90%の、Mg2Siナノ粒子が分散している組織を有するものであり得て、その結晶構造を保つ範囲内で、Mg又はSiの少量部、例えば10at%以下をAg、Sbなどの他の添加元素で置き換えることも可能である。
前記の他の添加元素が含まれる場合、前記式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545については、添加元素で置き換えられたMg又はSiとの合計量が前記式を満足すること[例えば、Mgの少量部をAgで置き換えた場合、(Mg+Agの量)/(Mg+Ag+Siの量)が前記範囲内であること]が必要である。
前記の他の添加元素が含まれる場合、前記式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545については、添加元素で置き換えられたMg又はSiとの合計量が前記式を満足すること[例えば、Mgの少量部をAgで置き換えた場合、(Mg+Agの量)/(Mg+Ag+Siの量)が前記範囲内であること]が必要である。
本発明の前記特性を有するナノコンポジット熱電材料は、例えば、
各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する工程、
横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択する工程、および
結晶質のナノ粒子を形成させるために該非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加える工程によって、得ることができる。
各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する工程、
横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択する工程、および
結晶質のナノ粒子を形成させるために該非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加える工程によって、得ることができる。
本発明の方法においては、先ず各元素の割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する。
前記の固化した非晶質出発材料は、例えば、所定割合のMgおよびSiを不活性ガス雰囲気中で溶融し、溶湯を回転ロール上に供給して急冷凝固を行うことにより薄片状粉末とする液体急冷法により得る工程であり得る。前記の液体急冷法それ自体は周知の技術である。
あるいは、前記の固化した非晶質出発材料は、純Mgおよび純Siのそれぞれをターゲットとして用いて蒸着法、例えばスパッタリング、イオンプレーティング等により、基板、例えばジルコニア基板上に形成した薄膜であり得る。前記の蒸着法それ自体は周知の技術である。
前記のいずれかの方法によって調製された非晶質出発材料は、必要であれば適した分析法によって組成を分析、確認され得る。前記の分析法として、例えば薄膜の非晶質出発材料である場合、ラザフォード後方散乱分析法であり得る。
前記の固化した非晶質出発材料は、例えば、所定割合のMgおよびSiを不活性ガス雰囲気中で溶融し、溶湯を回転ロール上に供給して急冷凝固を行うことにより薄片状粉末とする液体急冷法により得る工程であり得る。前記の液体急冷法それ自体は周知の技術である。
あるいは、前記の固化した非晶質出発材料は、純Mgおよび純Siのそれぞれをターゲットとして用いて蒸着法、例えばスパッタリング、イオンプレーティング等により、基板、例えばジルコニア基板上に形成した薄膜であり得る。前記の蒸着法それ自体は周知の技術である。
前記のいずれかの方法によって調製された非晶質出発材料は、必要であれば適した分析法によって組成を分析、確認され得る。前記の分析法として、例えば薄膜の非晶質出発材料である場合、ラザフォード後方散乱分析法であり得る。
本発明の方法においては、前記の固化した非晶質出発材料を加熱処理することが必要である。
前記の熱処理温度は、図3に示すように、横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択し得る。
前記の熱処理温度は、図3に示すように、横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択し得る。
図3において、曲線Aと曲線Bとで分けられる3つの領域があり得て、縦軸と曲線Aとで囲まれた結晶質Mg2Siと結晶質Siと非晶質Siとが混在しているナノコンポジット熱電材料が得られる領域、曲線Aと曲線Bとで囲まれ前記台形の範囲を含む領域、および曲線Bと横軸とで囲まれた非晶質Mg2Siと非晶質Siとが混在しているナノコンポジット熱電材料が得られる領域であり、本発明で規定される台形の領域(線上を含む)においては、結晶質Mg2Siと非晶質Siとが混在している。
本発明の方法によって熱処理温度を選択する場合、例えば、図3において、y/(x+y)=aとすると、横軸の点aを通り縦軸に平行な直線上で、前記台形の範囲内の点、例えば点bにおける温度を縦軸から読み取って熱処理温度として選択し得る。
本発明の方法によって熱処理温度を選択する場合、例えば、図3において、y/(x+y)=aとすると、横軸の点aを通り縦軸に平行な直線上で、前記台形の範囲内の点、例えば点bにおける温度を縦軸から読み取って熱処理温度として選択し得る。
本発明においては、結晶質Mg2Siのナノ粒子を形成させて本発明のナノコンポジット熱電材料を得るために、前記非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加えることが必要である。前記の熱処理を加える時間は、用いる非晶質出発材料の形状(薄膜、バルク体、粉末)によって異なるので一概に決められないが、一般的には熱処理は2分〜10時間行われ得る。
前記組成を有する固化した非晶質出発材料を用いても、図3に示す台形の範囲内の領域外の温度で加熱しても、目的とする低熱伝導率のナノコンポジット熱伝導材料を得ることはできない。
前記組成を有する固化した非晶質出発材料を用いても、図3に示す台形の範囲内の領域外の温度で加熱しても、目的とする低熱伝導率のナノコンポジット熱伝導材料を得ることはできない。
前記本発明の方法によって、非晶質Si母材中にMg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が分散されてなるナノコンポジット熱電材料を得ることができる。
本発明のナノコンポジット熱電材料は、好適には熱伝導率が2W/m/K以下であり得る。
本発明のナノコンポジット熱電材料は、好適には熱伝導率が2W/m/K以下であり得る。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の各例において、用いた出発材料および得られた熱電材料についての測定は以下に示す方法によって行った。なお、以下の測定法は例示であって同等の測定法を用いて同様に測定し得る。
以下の各例において、用いた出発材料および得られた熱電材料についての測定は以下に示す方法によって行った。なお、以下の測定法は例示であって同等の測定法を用いて同様に測定し得る。
1.出発材料の分析
測定方法:ラザフォード後方散乱分光分析法(RBS)
2.熱電材料のTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)観察
装置:JEOL社製、JEM−2010
3.熱電材料のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)観察
装置:Carl Zeiss社(ドイツ)製、 Ultra55
4.熱電材料のXRD(X-ray Diffraction:X線回折)による相同定
装置:リガク社 RIGAKU RINT−RAPID II
5.熱電材料の熱伝導率測定
装置:株式会社ピコサーム製、Pico−TR
サーモリフレクタンス法による。
6.熱電材料のXRDによる粒径の測定
装置:リガク社 RIGAKU RINT−RAPID II
方法:熱電材料のXRDを測定し全パターンフィッティング法で平均粒径を求めた。
測定方法:ラザフォード後方散乱分光分析法(RBS)
2.熱電材料のTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)観察
装置:JEOL社製、JEM−2010
3.熱電材料のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)観察
装置:Carl Zeiss社(ドイツ)製、 Ultra55
4.熱電材料のXRD(X-ray Diffraction:X線回折)による相同定
装置:リガク社 RIGAKU RINT−RAPID II
5.熱電材料の熱伝導率測定
装置:株式会社ピコサーム製、Pico−TR
サーモリフレクタンス法による。
6.熱電材料のXRDによる粒径の測定
装置:リガク社 RIGAKU RINT−RAPID II
方法:熱電材料のXRDを測定し全パターンフィッティング法で平均粒径を求めた。
実施例1
モル比で13%のY2O3を置換した安定化ジルコニア基板(111)面に、下記条件でマグネトロンスパッタリングにてMgとSiとを同時蒸着させて、膜厚3μmの蒸着膜を形成した。なお、MgとSiとの割合は純Mg、純Siそれぞれのスパッタリング出力/成膜速度比を測定したのち、膜中のMgとSiとのモル比が所定の割合となるようにMg,Siのスパッタリング出力を調整することによって調整した。
装置名:SHIBAURA i−Miller
ターゲット:Mg(純度3N、3inchφx5t、高純度化学研究所製)
Si(単結晶P形Bドープ、抵抗率0.02<cm、3inchφx4t)
基板:YSZ(111)5mmx5mmx0.5mm
到達圧力:3x10−5Pa
プロセスガス:Ar
圧力/流量:0.3Pa/20SCCM
成膜速度・投入電力
Mg:15nm/min DC 45W
Si:9.9nm/min DC 155W 13.3nm/min 205W
基板温度:室温
モル比で13%のY2O3を置換した安定化ジルコニア基板(111)面に、下記条件でマグネトロンスパッタリングにてMgとSiとを同時蒸着させて、膜厚3μmの蒸着膜を形成した。なお、MgとSiとの割合は純Mg、純Siそれぞれのスパッタリング出力/成膜速度比を測定したのち、膜中のMgとSiとのモル比が所定の割合となるようにMg,Siのスパッタリング出力を調整することによって調整した。
装置名:SHIBAURA i−Miller
ターゲット:Mg(純度3N、3inchφx5t、高純度化学研究所製)
Si(単結晶P形Bドープ、抵抗率0.02<cm、3inchφx4t)
基板:YSZ(111)5mmx5mmx0.5mm
到達圧力:3x10−5Pa
プロセスガス:Ar
圧力/流量:0.3Pa/20SCCM
成膜速度・投入電力
Mg:15nm/min DC 45W
Si:9.9nm/min DC 155W 13.3nm/min 205W
基板温度:室温
得られた薄膜に、ランプ加熱炉(アルバック理工社製、MILA−3000)にて、10−3torr以下の真空中で、所定の熱処理温度まで120℃/minで昇温させ、10分間保持後に炉冷して、ナノコンポジット熱電材料(試料4)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率およびXRDについての測定結果を表1、図3、図5−1に示す。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率およびXRDについての測定結果を表1、図3、図5−1に示す。
実施例2〜4
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料5、試料6、試料11)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率およびXRDについての測定結果を表1、図3、図5−1および図5−2に示す。
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料5、試料6、試料11)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率およびXRDについての測定結果を表1、図3、図5−1および図5−2に示す。
実施例5
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料12)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率、XRD、TEMおよびSEMについての測定結果を表1、図1、図3、図5−2、図6および図7に示す。
実施例1で得られたナノコンポジット熱電材料のTEM像を示す図6に基く模式図である図1では、結晶化したMg2Siと考えられる部分が強調表示されている。粒子が重なっているように見えるのは厚さ数十nmの試料を観察した像であるため、Mg2Si粒子が重なっているように見えるためである。
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料12)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率、XRD、TEMおよびSEMについての測定結果を表1、図1、図3、図5−2、図6および図7に示す。
実施例1で得られたナノコンポジット熱電材料のTEM像を示す図6に基く模式図である図1では、結晶化したMg2Siと考えられる部分が強調表示されている。粒子が重なっているように見えるのは厚さ数十nmの試料を観察した像であるため、Mg2Si粒子が重なっているように見えるためである。
比較例1〜3
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料1、試料2、試料3)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織および熱伝導率についての測定結果を表1、図3、図5−1に示す。
図5−1において、比較例1〜3では仕込み組成がMg:Si=2:1(モル比)であるため、Mg2Siのピークのみ観察される。
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料1、試料2、試料3)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織および熱伝導率についての測定結果を表1、図3、図5−1に示す。
図5−1において、比較例1〜3では仕込み組成がMg:Si=2:1(モル比)であるため、Mg2Siのピークのみ観察される。
比較例4〜7
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料7、試料8、試料9、試料10)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織および熱伝導率についての測定結果を表1、図3、図5−2に示す。
図5−2において、比較例4〜6、8ではMg2SiとSiのピークが存在し、ともに結晶化していると考えられる。また、比較例7では完全な非晶質状態でピークは観察されなかった(図示せず)。
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料7、試料8、試料9、試料10)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織および熱伝導率についての測定結果を表1、図3、図5−2に示す。
図5−2において、比較例4〜6、8ではMg2SiとSiのピークが存在し、ともに結晶化していると考えられる。また、比較例7では完全な非晶質状態でピークは観察されなかった(図示せず)。
比較例8
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料13)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率、XRD、TEMおよびSEMについての測定結果を表1、図2、図3、図5−2、図8および図9に示す。
組成および/又は熱処理温度を変えた他は実施例1と同様にして、ナノコンポジット熱電材料(試料13)を得た。
得られた試料の組成、熱処理温度、組織、熱伝導率、XRD、TEMおよびSEMについての測定結果を表1、図2、図3、図5−2、図8および図9に示す。
実施例2の熱伝導率は測定されていないが、XRD測定結果から、0.6W/m/K程度であると推定される。
表1から、実施例1〜5で得られたナノコンポジット熱伝導材料によれば2W/m/K以下の熱伝導率が達成され得る。
また、表1の実施例1〜5のSi粒径は、結晶化していないので測定できなかったものである。
表1から、実施例1〜5で得られたナノコンポジット熱伝導材料によれば2W/m/K以下の熱伝導率が達成され得る。
また、表1の実施例1〜5のSi粒径は、結晶化していないので測定できなかったものである。
表1から、本発明の実施例で得られたナノコンポジット熱電材料は、いずれもMg2Siの粒径が56.5nm以下であることが理解される。
また、図3から、熱処理温度が低すぎて組織全体が非晶質となると、ナノコンポジット熱電材料の熱伝導性が低くなる。
また、熱処理温度が高すぎると、図2および図8に示すように、Mg2Si母相中に粒径の大きい、例えば粒径が20nm以上のSiが分散している組織となり得て、母相が非晶質シリコンより熱伝導率が高いMg2Siであって、分散相(Si)の粒径も小さくないので低い熱伝導率を達成し得ない。
また、図3から、熱処理温度が低すぎて組織全体が非晶質となると、ナノコンポジット熱電材料の熱伝導性が低くなる。
また、熱処理温度が高すぎると、図2および図8に示すように、Mg2Si母相中に粒径の大きい、例えば粒径が20nm以上のSiが分散している組織となり得て、母相が非晶質シリコンより熱伝導率が高いMg2Siであって、分散相(Si)の粒径も小さくないので低い熱伝導率を達成し得ない。
本発明によれば、Mg−Si系であって低下した熱伝導率を与え得る熱電材料を提供することができる。
Claims (7)
- 非晶質シリコンからなる母材中にMg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が分散されてなるナノコンポジット熱電材料であって、全材料中の各元素の原子比で示される割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545で規定される範囲内である、前記材料。
- 前記Mg2Siからなる熱電材料のナノ粒子が、56.5nm以下の平均粒径を有する請求項1に記載の材料。
- 前記熱電材料が、非晶質シリコン単独の熱伝導率と比較して等しいかそれ以下の熱伝導率を示す請求項1又は2に記載の材料。
- 前記熱電材料が、薄膜状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の材料。
- ナノコンポジット熱電材料の製造方法であって、
各元素の原子比で示される割合が式:MgxSiyにおいて0.474≦y/(x+y)≦0.545である固化した非晶質出発材料を用意する工程、
横軸を前記の各元素の割合を示すy/(x+y)とし縦軸を熱処理温度とするグラフにおいて、横軸上のy/(x+y)=0.474を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ200℃である点および400℃である点、および横軸上のy/(x+y)=0.545を通る縦軸に平行な直線上の前記温度がそれぞれ300℃である点および400℃である点を結ぶ線で囲まれる台形の範囲内(線上を含む)であって前記横軸上の前記y/(x+y)の値に対応する温度を熱処理温度として選択する工程、および
結晶質のMg2Siからなるナノ粒子を形成させるために該非晶質出発材料に前記熱処理温度での熱処理を加える工程、
を含む、前記方法。 - 前記非晶質出発材料が薄膜状である請求項5に記載の方法。
- 前記熱処理が、2分〜10時間行われる請求項5又は6に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011113730A JP2012244001A (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | ナノコンポジット熱電材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011113730A JP2012244001A (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | ナノコンポジット熱電材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012244001A true JP2012244001A (ja) | 2012-12-10 |
Family
ID=47465360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011113730A Withdrawn JP2012244001A (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | ナノコンポジット熱電材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012244001A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013094598A1 (ja) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 熱電材料の製造方法、熱電材料及び熱電変換素子 |
JP2015110820A (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-18 | トヨタ紡織株式会社 | ナノコンポジット及びその製造方法 |
JP2017084987A (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-18 | 住友電気工業株式会社 | 熱電変換材料および熱電変換素子 |
CN106913582A (zh) * | 2015-12-28 | 2017-07-04 | 中国科学院上海硅酸盐研究所 | 一种硅化镁纳米材料及其制备方法和应用 |
WO2019035253A1 (ja) * | 2017-08-15 | 2019-02-21 | 三菱マテリアル株式会社 | マグネシウム系熱電変換材料、マグネシウム系熱電変換素子、及び、マグネシウム系熱電変換材料の製造方法 |
JP7442806B2 (ja) | 2020-06-05 | 2024-03-05 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 熱電変換材料、その製造方法およびそれを用いた熱電変換素子 |
-
2011
- 2011-05-20 JP JP2011113730A patent/JP2012244001A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013094598A1 (ja) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 熱電材料の製造方法、熱電材料及び熱電変換素子 |
US8728340B2 (en) | 2011-12-20 | 2014-05-20 | Japan Science And Technology Agency | Method for manufacturing thermoelectric material |
JP5545586B2 (ja) * | 2011-12-20 | 2014-07-09 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 熱電材料の製造方法、熱電材料及び熱電変換素子 |
JP2015110820A (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-18 | トヨタ紡織株式会社 | ナノコンポジット及びその製造方法 |
JP2017084987A (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-18 | 住友電気工業株式会社 | 熱電変換材料および熱電変換素子 |
CN106913582A (zh) * | 2015-12-28 | 2017-07-04 | 中国科学院上海硅酸盐研究所 | 一种硅化镁纳米材料及其制备方法和应用 |
WO2019035253A1 (ja) * | 2017-08-15 | 2019-02-21 | 三菱マテリアル株式会社 | マグネシウム系熱電変換材料、マグネシウム系熱電変換素子、及び、マグネシウム系熱電変換材料の製造方法 |
JP2019036623A (ja) * | 2017-08-15 | 2019-03-07 | 三菱マテリアル株式会社 | マグネシウム系熱電変換材料、マグネシウム系熱電変換素子、及び、マグネシウム系熱電変換材料の製造方法 |
US11462671B2 (en) | 2017-08-15 | 2022-10-04 | Mitsubishi Materials Corporation | Magnesium-based thermoelectric conversion material, magnesium-based thermoelectric conversion element, and method for producing magnesium-based thermoelectric conversion material |
JP7442806B2 (ja) | 2020-06-05 | 2024-03-05 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 熱電変換材料、その製造方法およびそれを用いた熱電変換素子 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Zheng et al. | Defect engineering in thermoelectric materials: what have we learned? | |
Wei et al. | Review of current high-ZT thermoelectric materials | |
Zhang et al. | Enhanced thermoelectric performance of Se-doped PbTe bulk materials via nanostructuring and multi-scale hierarchical architecture | |
JP5680090B2 (ja) | Gasb充填スクッテルダイト複合材料、およびその製造方法 | |
Fang et al. | Thermoelectric properties of solution-synthesized n-type Bi 2 Te 3 nanocomposites modulated by Se: An experimental and theoretical study | |
Tyagi et al. | Thermoelectric properties of Cu 3 SbSe 3 with intrinsically ultralow lattice thermal conductivity | |
Muthiah et al. | Significant enhancement in thermoelectric performance of nanostructured higher manganese silicides synthesized employing a melt spinning technique | |
JP2010512011A (ja) | ナノ構造をもつ熱電材料における高い示性数のための方法 | |
JP2012244001A (ja) | ナノコンポジット熱電材料およびその製造方法 | |
Burkov | Silicide thermoelectrics: Materials for energy harvesting | |
US11616182B2 (en) | Method of producing semiconductor sintered body, electrical/electronic member, and semiconductor sintered body | |
Wu et al. | Nanoporous (00l)-oriented Bi2Te3 nanoplate film for improved thermoelectric performance | |
Ivanova et al. | Thermoelectric and mechanical properties of the Bi 0.5 Sb 1.5 Te 3 solid solution prepared by melt spinning | |
Wu et al. | Facile synthesis of monodisperse Cu 3 SbSe 4 nanoparticles and thermoelectric performance of Cu 3 SbSe 4 nanoparticle-based materials | |
Wang et al. | Attaining reduced lattice thermal conductivity and enhanced electrical conductivity in as-sintered pure n-type Bi2Te3 alloy | |
Cappelli et al. | Nano-crystalline Ag–PbTe thermoelectric thin films by a multi-target PLD system | |
Wang et al. | Enhanced thermoelectric properties of Cu3SbSe4 via compositing with nano-SnTe | |
Choi et al. | Thermoelectric properties of higher manganese silicide consolidated by flash spark plasma sintering technique | |
Truong | Thermoelectric properties of higher manganese silicides | |
Sun et al. | A general strategy to bismuth chalcogenide films by chemical vapor transport | |
Kim et al. | A study of the synthesis of bismuth tellurium selenide nanocompounds and procedures for improving their thermoelectric performance | |
Liu et al. | Effect of annealing on thermoelectric properties of eutectic PbTe–Sb2Te3 composite with self-assembled lamellar structure | |
KR102046142B1 (ko) | 열안정성이 개선된 열전 파우더, 열전 재료 및 그 제조 방법 | |
Xiang et al. | Multistage nanostructures induced by precursor phase spontaneous partitioning lead to an excellent thermoelectric performance in Cu 1.8 S 0.8 Se 0.2 | |
JP5448942B2 (ja) | 熱電変換材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140805 |