JP2012238991A - 局側装置、宅側装置、光通信システム、および光通信システムの制御方法 - Google Patents

局側装置、宅側装置、光通信システム、および光通信システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ONUがフレームの受信を一時的に停止した場合に、ONUがフレームを受信可能な状態に戻った後にOLTからの暗号化データをONUで復号できるための技術を提供する。
【解決手段】OLTは、OLTとONUとの間でタイムスタンプが同期している場合に復号可能な暗号化フレームをONUに送信する。OLTは、OLTのタイムスタンプを含む暗号化フレームをONUに送信して、それによりOLTとONUとの間でタイムスタンプを同期させる。ONUがスリープモードにある場合、ONUがスリープモードから復帰すると、OLTは、OLTのタイムスタンプを含む非暗号化フレームをONUに送信してOLTとONUとの間でタイムスタンプを同期させ、その後に暗号化フレームをONUに送信する。
【選択図】図9

Description

本発明は、局側装置、宅側装置、光通信システム、および光通信システムの制御方法に関する。本発明は、特に、局側装置と宅側装置との間でのタイムスタンプの同期に関する。
各家庭までのネットワークアクセスサービスを光ファイバによって提供するFTTH(Fiber To The Home)を実現する形態のひとつにPON(Passive Optical Network)がある。今日では、イーサネット(登録商標)技術を適用したPONであるEPONが、FTTHサービスに広く利用される。
PONの特長は、家庭等に設置される宅側装置(ONU(Optical Network Unit))と、電話局等に設置される局側装置(OLT(Optical Line Terminal))とが、それらの間を結ぶ光ファイバの一部を共有して通信を行なうことにより、光アクセスサービスを低コストで提供できることである。具体的には、PONでは、光スプリッタを介して、1つのOLTと複数のONUとが光ファイバで接続される。光スプリッタは、外部からの電源供給を特に必要とすることなく、入力された信号から受動的に信号を分岐または多重する。
PON方式では、双方向の通信データが暗号化される。たとえば特開2007−74645号公報(特許文献1)は、以下の構成を有する共通鍵暗号通信システムを開示する。すなわち、暗号化を行なう送信機ではPONクロックカウンタが定期的にインクリメントされる。復号化を行なう受信機では、同一長のPONクロックカウンタが、復号化の際に、暗号化の際のPONクロックカウンタと同じになるようにインクリメントされる。送信機は、最大ジッタ量の2倍以上かつ4倍未満の周期でインクリメントされる、部分PONクロックカウンタを読み出す。送信機は、読み出された部分PONクロックカウンタを含む入力ブロックカウンタにより生成した暗号とともに、当該部分PONクロックカウンタの再開ビットを受信機に送信する。受信機は、同位置の部分PONクロックカウンタを読み出す。読み出したPONクロックカウンタの最下位ビットと、送信された最下位ビットとが同じであるときには、受信機は、当該部分PONクロックカウンタを含む入力ブロックカウンタによる復号化を行なう。一方、読み出したPONクロックカウンタの最下位ビットと、送信された最下位ビットとが同じでない場合には、受信機は、当該部分PONクロックカウンタを1回インクリメントまたは1回デクリメントしたものを含む入力ブロックカウンタによる復号化を行なう。
特開2007−74645号公報
PONに用いられる通信機器の省電力化のための方式が検討されている。たとえば、OLTとONUとの間でハンドシェークが行なわれて、ONUがデータの送受信を行なっていない場合にONUの一部の機能が停止する。省電力モード時に停止するONUの構成要素は、たとえばOLTからのデータフレームおよび制御フレームを受信するための光受信部である。
PONの通常の運用時には、ONUはOLTから受信した光信号を元にしてクロックを再生する。その再生されたクロックがONUの動作用のクロックとして使用される。これにより、PONの基本プロトコルの1つであるMPCP(Multi-Point Control Protocol)で使用される時刻情報、すなわちMPCPタイムスタンプがOLTとONUとの間で同期する。
しかしながらONUが省電力モードになった場合には、ONUはOLTからの光信号を受信できない。ONUは自装置の内部にクロック生成部を具備する。省電力モード時において、クロック生成部によって生成されたクロックに基づいてONUが動作する。したがって、OLTとONUとの間でのクロックの誤差によって、MPCPタイムスタンプがOLTとONUとの間で同期しなくなる可能性がある。
特開2007−74645号(特許文献1)に開示された方式では、MPCPタイムスタンプ(上記文献では「PONクロックカウンタ」と記載されている)の一部が暗号の入力ブロックカウンタとして使用される。この方式によれば、OLTとONUとの間でMPCPタイムスタンプが完全に一致していなくても、OLTとONUとの間でMPCPタイムスタンプを同期させることができる。ただし、MPCPタイムスタンプの同期は、MPCPタイムスタンプの差分値がIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)標準で規定されたタイムスタンプドリフト値以内である場合に可能である。
一方、ONUが省電力モードから復帰した後に、ONUとOLTとの間でのMPCPタイムスタンプの差分値が、IEEEで規定されたタイムスタンプドリフト値以下になることは保証されていない。もし、その差分値がIEEEで規定されたタイムスタンプドリフト値を上回る場合には、ONUがOLTからの暗号化フレームを復号できないことが起こりうる。
本発明の目的は、ONUがフレームの受信を一時的に停止した場合に、ONUがフレームを受信可能な状態に戻った後にOLTからの暗号化データをONUで復号できるための技術を提供することである。
本発明のある局面に係る局側装置は、受動的光ネットワークを介して宅側装置に接続される局側装置であって、タイムスタンプを発生させるタイムスタンプ発生部と、局側装置と宅側装置との間でタイムスタンプが同期している場合に宅側装置で復号可能な暗号化フレームを生成して、宅側装置に暗号化フレームを送信する制御部とを備える。制御部は、局側装置のタイムスタンプを含む暗号化フレームを宅側装置に送信して、それにより局側装置と宅側装置との間でタイムスタンプを同期させる。宅側装置がフレームの受信を一時的に停止した場合には、宅側装置がフレームを受信可能な状態に復帰すると、制御部は、局側装置のタイムスタンプを含む非暗号化フレームを宅側装置に送信して局側装置と宅側装置との間でタイムスタンプを同期させ、その後に暗号化フレームを宅側装置に送信する。
この構成によれば、宅側装置がフレームの受信を一時的に停止した場合、宅側装置がフレームを受信可能な状態に戻った後に、非暗号化フレームによって宅側装置と局側装置との間でタイムスタンプを同期させることができる。これにより宅側装置がフレームを受信可能な状態に戻った後に局側装置からの暗号化データを宅側装置で復号できる。
好ましくは、制御部は、非暗号化フレームとして、ディスカバリゲートを送信する。
この構成によれば、元々暗号化されていないディスカバリゲートを用いて、局側装置と宅側装置との間でタイムスタンプを同期させることができる。
好ましくは、ディスカバリゲートにおいて、宅側装置の送信許可量が0に設定される。
この構成によれば、無駄なリソースの使用を防ぐことができる。
好ましくは、制御部は、宅側装置がフレームを受信可能な状態であるかどうかに関係なく、ディスカバリゲートを繰り返し送信する。
この構成によれば、宅側装置がフレームを受信可能な状態に復帰するタイミングにかかわらず、宅側装置がディスカバリゲートを受信できる。したがって、たとえば宅側装置がフレームの受信を停止する期間が予定された期間よりも短くなった場合にも、宅側装置がディスカバリゲートを受信できる。
好ましくは、ディスカバリゲートが繰り返し送信される間隔は、局側装置と宅側装置との間に生じ得るタイムスタンプのずれが、暗号化フレームの復号にとって許容されるタイムスタンプのずれの最大値に達するのに要する時間の長さ以下である。
この構成によれば、局側装置と宅側装置との間のタイムスタンプが同期した状態を維持できるので宅側装置で暗号化フレームを確実に復号することができる。
好ましくは、制御部は、非暗号化フレームとして、非暗号化ノーマルゲートを送信する。
この構成によれば、通常用いられるノーマルゲートが宅側装置に送られるため、局側装置の負荷の増大を抑えることができる。
好ましくは、制御部は、非暗号化に対して宅側装置が応答するまで、非暗号化ノーマルゲートを繰り返し送信する。
この構成によれば、宅側装置のタイムスタンプが局側装置のタイムスタンプに同期したことを局側装置で確認できる。したがって、局側装置からの暗号化フレームを宅側装置で確実に復号できる。
好ましくは、制御部は、宅側装置がフレームを受信不可な状態に移行したときから、非暗号化ノーマルゲートを繰り返し送信する。
この構成によれば、宅側装置がフレームを受信可能な状態に復帰するタイミングにかかわらず、宅側装置が非暗号化ノーマルゲートを受信できる。したがって、たとえば宅側装置がフレームの受信を停止する期間が予定された期間よりも短くなった場合にも、宅側装置が非暗号化ノーマルゲートを受信できる。
好ましくは、宅側装置がフレームを受信不可な状態にある間、宅側装置が受信すべきデータフレームは、局側装置に蓄積される。制御部は、非暗号化フレームを送信した後に、局側装置に蓄積されたデータフレームを暗号化して送信する。
この構成によれば、宅側装置が暗号化フレームを復号できないにもかかわらず局側装置が暗号化データフレームを宅側装置に送信することを防ぐことができる。
好ましくは、局側装置は、フレームの受信を一時的に停止させるスリープモードに宅側装置を移行させるためのスリープ要求を発生させるスリープ要求発生部をさらに備える。
この構成によれば、宅側装置の消費電力を低減することができる。
本発明の他の局面に係る宅側装置は、受動的光ネットワークを介して局側装置に接続される宅側装置であって、局側装置からのフレームの受信を一時的に停止するスリープモードに宅側装置を移行させるスリープモード設定部と、タイムスタンプを発生させるタイムスタンプ発生部と、宅側装置のタイムスタンプが局側装置のタイムスタンプと同期している場合に、局側装置から送られた暗号化フレームを復号可能な復号部と、局側装置のタイムスタンプを含む制御フレームを復号部から受けて、制御フレームを用いて、宅側装置のタイムスタンプを局側装置のタイムスタンプに同期させるタイムスタンプ補正部とを備える。スリープモードから復帰後、暗号化フレームを受信する前に、復号部は、非暗号化された制御フレームを局側装置から受信してタイムスタンプ補正部に送信する。タイムスタンプ補正部は、復号部からの非暗号化された制御フレームを用いて、宅側装置のタイムスタンプを局側装置のタイムスタンプに同期させる。
この構成によれば、宅側装置がスリープモードに移行し、その後、スリープモードから通常のモードに戻った場合に、局側装置からの暗号化データを宅側装置で復号できる。
本発明のさらに他の局面に係る光通信システムは、受動的光ネットワークを介して接続された局側装置および宅側装置を備える光通信システムであって、局側装置と宅側装置との間でタイムスタンプが同期している場合に復号可能な暗号化フレームを生成する暗号化部と、局側装置または宅側装置のタイムスタンプを用いて暗号化フレームを復号する復号部と、局側装置からのフレームの受信を一時的に停止するスリープモードに宅側装置を移行させるスリープモード設定部と、局側装置のタイムスタンプを含む制御フレームを用いて、宅側装置のタイムスタンプを局側装置のタイムスタンプに同期させるタイムスタンプ補正部とを備える。宅側装置がスリープモードから復帰後、暗号化フレームが送信される前に、タイムスタンプ補正部は、非暗号化された制御フレームに含まれる局側装置のタイムスタンプを用いて宅側装置のタイムスタンプを局側装置のタイムスタンプに同期させる。
この構成によれば、宅側装置がスリープモードに移行し、その後、スリープモードから通常のモードに戻った場合に、局側装置と宅側装置とのうちの一方から送信された暗号化フレームを他方で復号できる。
本発明のさらに他の局面に係る光通信システムの制御方法は、受動的光ネットワークを介して接続された局側装置および宅側装置を備える光通信システムの制御方法であって、局側装置と宅側装置との間でタイムスタンプが同期している場合に復号可能な暗号化フレームを生成するステップと、局側装置または宅側装置のタイムスタンプを用いて暗号化フレームを復号するステップと、局側装置からのフレームの受信を一時的に停止するスリープモードに宅側装置を移行させるステップと、宅側装置がスリープモードから復帰後、暗号化フレームが送信される前に、非暗号化された制御フレームに含まれる局側装置のタイムスタンプを用いて宅側装置のタイムスタンプを局側装置のタイムスタンプに同期させるステップとを備える。
この構成によれば、宅側装置がスリープモードに移行し、その後、スリープモードから通常のモードに戻った場合に、局側装置と宅側装置とのうちの一方から送信された暗号化フレームを他方で復号できる。
本発明によれば、ONUが省電力モードに移行し、その後省電力モードから復帰した場合においてもONUがOLTからの暗号化データを復号できる。
本発明の実施の形態に係るEPONシステム100の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るOLTの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るONUの概略構成を示すブロック図である。 制御フレームの構造を示した図である。 クロックカウント部のブロック図である。 暗号化部と復号部との動作を説明するためのブロック図である。 入力ブロックカウント値を表すビット列の構成図である。 ONUをスリープモードに移行させた場合に起こりうる課題を説明する図である。 実施の形態1に係るOLTとONUとの間のタイムスタンプの同期を説明するためのシーケンス図である。 ONUのスリープ期間中におけるOLTによるデータフレームの蓄積およびONUのスリープモードの終了後におけるOLTによるデータフレーム送信を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。 実施の形態3に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。 実施の形態4に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態4に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。 実施の形態5に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態5に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係るEPONシステム100の概略構成を示すブロック図である。図1を参照して、EPONシステム100は、OLT101と、ONU102−1,102−2,・・・,102−nと、PON回線104と、スプリッタ105とを備える。以下において、ONU102−1〜102−nを総括的に説明する場合、あるいはONU102−1〜102−nのうちの1つを代表的に説明する場合には、ONU102−1〜102−nを「ONU102」と表記する。
OLT101は、たとえば電話局に設置される。ONU102−1〜102−nの各々は、たとえばネットワークアクセスサービスの加入者の宅内に設置される。
ONU102−1〜102−nの各々にはユーザ端末111が接続される。各ONU102に接続されるユーザ端末111の数は特に限定されるものではない。たとえば1つのONUに複数のユーザ端末が接続されていてもよい。ユーザ端末111は、たとえばパーソナルコンピュータであるが、これに限定されるものではない。
PON回線104は光ファイバである。OLT101から送信された光信号は、PON回線104を通り、スプリッタ105によってONU102−1〜102−nへと分岐される。一方、ONU102−1〜102−nから送信された光信号は、スプリッタ105によって集束されるとともにPON回線104を通ってOLT101に送られる。スプリッタ105は、外部からの電源供給を特に必要とすることなく、入力された信号から受動的に信号を分岐または多重する。
OLT101は、上位ネットワーク109を介してデータを受信するとともに、そのデータをPON回線104に出力する。PONの物理的構成によれば、ONU102−1〜102−nのすべてが、OLT101から送信されたデータを受信可能である。このためOLT101は、送信フレームのプリアンブル部分に、その送信フレームを受信すべきONUの番号を示した識別子LLID(Logical Link ID)を挿入する。各ONUは、OLTから受信したフレームに含まれるLLIDを、予めOLTから通知された自己のLLIDと照合する。フレームに含まれるLLIDが自己のLLIDに一致する場合には、ONUはそのフレームを受信し、そうでない場合には、ONUは、そのフレームを破棄する。
一方、各ONUから送信される光信号はスプリッタ105において合流する。このため、各ONUからの信号(上り信号)がスプリッタ105で合流した後に衝突しないための制御が必要となる。
OLT101は、ONU102−1〜102−nから送信された制御フレーム(レポート)に基づいて、ONU102−1〜102−n内のバッファに蓄積されているデータの送信開始時刻および送信許可量を演算する。次に、OLT101は、指示信号を挿入した制御フレーム(グラント)を、PON回線104およびスプリッタ105を介してONU102−1〜102−nに送信する。
たとえば、ONU102−1は、宅側ネットワーク110を介してユーザ端末111から上り情報フレームを受信する。ONU102−1は、上り情報フレームをバッファに一旦蓄積する。ONU102−1は、グラントによって指定された時刻に、自己のバッファ内のデータの長さをレポートでOLT101に通知する。ONU102−1は、指示信号が挿入されたグラントをOLT101から受信するとともに、その指示信号に基づいて、自己のバッファ内のデータをレポートとともにOLT101に送信する。
ONU102−1〜ONU102−nの各々は、スリープ機能を有する。スリープ機能は、ONUとOLTとの間のトラフィックがない場合に、そのONUを構成するモジュールの一部を省電力状態に設定する機能である。スリープ機能によって、ONUの状態(モード)は、通常モードからスリープモードに移行する。設定されたスリープモードの期間(スリープ期間と呼ぶ)が経過した後に、ONUの状態は、スリープモードから通常モードに戻る。本発明の実施の形態では、ONU102はOLTからのスリープ要求によりスリープモードに設定される。
図2は、本発明の実施の形態に係るOLTの概略構成を示すブロック図である。図2を参照して、OLT101は、受信部11と、バッファメモリ12と、暗号化部13と、送信部14とを含む。受信部11と、バッファメモリ12と、暗号化部13と、送信部14とは下り方向の通信(OLT101からONU102への通信)に用いられる。
受信部11は、上位ネットワーク109から受信した下りデータフレームをバッファメモリ12に転送する。バッファメモリ12は、受信部11から送られた下りデータフレームを蓄積する。暗号化部13は、バッファメモリ12に蓄積された下りデータフレームを暗号化する。送信部14は、暗号化されたデータフレームをPON回線104へ送信する。
OLT101は、さらに、受信部15と、復号部16と、フレーム再生部17と、バッファメモリ18と、送信部19とを含む。受信部15と、復号部16と、フレーム再生部17と、バッファメモリ18と、送信部19とは上り方向の通信(ONU102からOLT101への通信)に用いられる。
受信部15は、ONU102から送信されたデータフレームまたは制御フレームを、PON回線104を介して受信する。これらのフレームは、ONU102によって暗号化されたフレームである。復号部16は、受信部15が受信した暗号化フレームを復号する。
フレーム再生部17は、復号されたフレームのヘッダ部分を読取り、それによって、OLT101により受信されたフレームが、データフレーム、または、レポートフレーム等の制御フレームのいずれであるかを判定する。データフレームはフレーム再生部17からバッファメモリ18へと転送される。一方、制御フレームはフレーム再生部17から通信制御部20へと転送される。
OLTとONUとの間では制御プロトコルに基づく制御フレームが伝送される。そのような制御プロトコルの一例として、MPCP(Multi-Point Control Protocol)プロトコルおよびOAM(Operations, Administration and Maintenance)プロトコルを挙げることができる。なお、制御プロトコルはこれらに限定されるものではない。
バッファメモリ18は、フレーム再生部17から転送されたデータフレームを蓄積する。送信部19は、バッファメモリ18に蓄積されたデータフレームを上位ネットワーク109に送信する。
OLT101は、さらに、通信制御部20と、クロックパルス発生部22と、クロックカウント部24とを備える。
通信制御部20は、OLT101とONU102との間の論理リンク(MPCPリンク)を制御する。具体的には、通信制御部20は、ONU102−1〜102−nに対して上り信号を送信するタイミングを教示するためのMPCPフレーム(ゲート)を生成する。通信制御部20で生成されたMPCPフレームは、暗号化部13に送られる。暗号化部13は、データフレームと同様にMPCPフレームを暗号化して、その暗号化されたMPCPフレームを送信部14に送る。送信部14は、暗号化されたMPCPフレームをPON回線104に出力する。
受信部15は、ONU102−1〜102−nの各々から、各ONUにおける上りデータの蓄積量を通知するためのMPCPフレーム(レポート)を受信する。このレポートは暗号化されている。受信部15で受信されたレポートは、復号部16によって復号され、フレーム再生部17によって通信制御部20に送られる。
クロックパルス発生部22は、たとえば水晶振動子を含む周知の発振回路によって構成されて、クロックパルスを発生させる。クロックパルスは、たとえば通信制御部20の動作の制御に用いられる。クロックカウント部24は、クロックパルスをカウントして、クロックカウント値を通信制御部20に送る。通信制御部20はクロックカウント値に基づいて、MPCPフレームに含まれるMPCPタイムスタンプを作成する。さらに、クロックカウント値は、暗号化部13に送られてフレームの暗号化に用いられる。同様にクロックカウント値は、復号部16に送られて暗号化フレームの復号に用いられる。
OLT101は、さらに、省電力設定部30を備える。省電力設定部30は、ONU102−1〜102−nの各々をスリープモードに設定する。省電力設定部30は、トラフィック監視部31と、省電力判定部32と、スリープ要求生成部33とを含む。
トラフィック監視部31は、OLT101とONU102との間のトラフィックを監視することで、OLT101とONU102との間のデータ通信の有無を監視する。トラフィック監視部31は、その監視結果を省電力判定部32へと送る。たとえばデータフレームの宛先アドレスおよび送信元アドレスからOLT101とONU102との間のデータ通信の有無を判断することができる。
省電力判定部32は、トラフィック監視部31の監視結果に基づいて、各ONUをスリープモードに設定すべきかどうかを判定する。具体的には、省電力判定部32は、ONU102−1〜102−nのそれぞれに対応する判定部32−1〜32−nを有する。判定部32−1は、トラフィック監視部31から、OLT101とONU102−1との間のデータ通信の有無に関する監視結果を受ける。判定部32−1は、OLT101とONU102−1との間でデータ通信が行なわれていない場合に、ONU102−1の状態をスリープモードに設定すべきであると判定する。判定部32−2〜32−nの各々の動作は、判定部32−1の上記の動作と同様であるので以後の詳細な説明は繰り返さない。
省電力判定部32の判定方法は上記方法に限定されるものではない。たとえば省電力判定部32は、ONU102−1〜102−nの各々のデータ通信の実績(たとえば1日の間でのデータ通信の実績)を予め記憶するとともに、その実績に基づいて、各ONU102−1の状態をスリープモードに設定するかどうかを判定してもよい。
判定部32−1〜32−nの各々の判定結果は、スリープ要求生成部33に送られる。スリープ要求生成部33は、各判定部32−1〜32−nの判定結果に基づいて、対応するONUの状態をスリープモードに設定するためのスリープ要求を生成する。スリープ要求生成部33は、そのスリープ要求を、暗号化部13に送信する。暗号化部13は、そのスリープ要求を暗号化して送信部14に送信する。送信部14は、暗号化されたスリープ要求をPON回線104に出力する。スリープ要求を受けたONUは、自身のモードをスリープモードに設定する。
本発明における局側装置に含まれる制御部は、通信制御部20、暗号化部13および送信部14によって実現可能である。同じく本発明における局側装置に含まれるタイムスタンプ発生部は、クロックパルス発生部22およびクロックカウント部24によって実現可能である。
図3は、本発明の実施の形態に係るONUの概略構成を示すブロック図である。図3を参照して、ONU102は、受信部41と、バッファメモリ42と、暗号化部43と、送信部44とを含む。受信部41と、バッファメモリ42と、暗号化部43と、送信部44とは上り方向の通信に用いられる。
受信部41は、宅側ネットワーク110から受信した上りデータフレームをバッファメモリ42に転送する。バッファメモリ42は、受信部41から送られた上りデータフレームを蓄積する。暗号化部43は、バッファメモリ42に蓄積された上りデータフレームを暗号化する。送信部44は、暗号化されたデータフレームをPON回線104へ送信する。
ONU102は、さらに、受信部45と、復号部46と、フレーム再生部47と、バッファメモリ48と、送信部49とを含む。受信部45と、復号部46と、フレーム再生部47と、バッファメモリ48と、送信部49とは下り方向の通信に用いられる。
受信部45は、OLT101から送信されたデータフレームまたは制御フレームを、PON回線104を介して受信する。受信部45は、フレームのヘッダ部分を読取る。フレームに含まれるLLIDがONU102のLLIDに一致する場合には、受信部45はそのフレームを受信し、そうでない場合には、受信部45は、そのフレームを破棄する。復号部46は、受信部45が受信した暗号化フレームを復号する。
フレーム再生部47は、復号されたフレームのヘッダ部分を読取り、それによって、ONU102により受信されたフレームが、データフレーム、または、レポートフレーム等の制御フレームのいずれであるかを判定する。データフレームはフレーム再生部47からバッファメモリ48へと転送される。一方、制御フレームはフレーム再生部47から通信制御部50へと転送される。
バッファメモリ48は、フレーム再生部47から転送されたデータフレームを蓄積する。送信部49は、バッファメモリ48に蓄積されたデータフレームを宅側ネットワーク110に送信する。
ONU102は、さらに、通信制御部50と、クロックパルス発生部52と、クロックカウント部54とを備える。
通信制御部50は、OLT101から送られたMPCPフレーム(たとえばMPCPゲートフレーム)を受けて、そのフレームへの応答のためのMPCPフレーム(たとえばレポートフレーム)を出力する。データフレームと同様に、通信制御部50で作成されたMPCPフレームは暗号化部43に送られる。暗号化部43はMPCPフレームを暗号化する。送信部44は、暗号化されたMPCPフレームを、PON回線104に出力する。
クロックパルス発生部52は、たとえば水晶振動子を含む周知の発振回路によって構成されて、クロックパルスを発生させる。クロックパルスは、たとえば通信制御部50の動作の制御に用いられる。クロックカウント部54は、クロックパルスをカウントして、クロックカウント値を通信制御部50に送る。通信制御部50はクロックカウント値に基づいて、MPCPフレームに含まれるMPCPタイムスタンプを作成する。さらに、クロックカウント値は、暗号化部43に送られてフレームの暗号化に用いられる。同様にクロックカウント値は、復号部46に送られて暗号化フレームの復号に用いられる。
本発明の実施の形態では、暗号化フレームを復号するために、OLT101とONU102との間でMPCPタイムスタンプの値が同期していることが要求される。この実施の形態の説明において、「同期」とは2つのタイムスタンプの値が一致している場合、および、2つのタイムスタンプの値の差分が、許容された範囲内(IEEE標準で規定されたタイムスタンプドリフト値以内)である場合の両方を含みうる。
ONU102のタイムスタンプをOLT101のタイムスタンプに同期させるため、通信制御部50は、OLT101から送られたMPCPフレームに含まれるタイムスタンプを抽出し、その抽出されたタイムスタンプを用いてクロックカウント部54のカウント値を補正する。すなわち本発明の宅側装置に含まれるタイムスタンプ補正部は、通信制御部50によって実現可能である。
ONU102は、さらに、省電力設定部60を備える。省電力設定部60は、OLT101からのスリープ要求によって、ONU102をスリープモードに設定する。省電力設定部60は、スリープモード設定部62と、スリープ要求受信部63とを含む。
OLT101からのスリープ要求は、受信部45により受信されて、復号部46により復号される。復号されたスリープ要求は、フレーム再生部47によって、省電力設定部60に送られる。スリープ要求受信部63は、スリープ要求を受信するとともに、そのスリープ要求をスリープモード設定部62に送信する。スリープモード設定部62は、スリープ要求受信部63からスリープ要求を受けることによって、ONU102をスリープモードに設定する。スリープ期間の長さは、スリープ要求によって設定される。スリープモードにおいて、スリープモード設定部62は、送信部44および受信部45を停止させる。
図2および図3に示された機能ブロックは、たとえばCPU、メモリ等のハードウェアあるいはそのCPUで実行されるソフトウェアによって実現可能である。したがって各機能ブロックの実現方法は特に限定されるものではない。また、複数の機能ブロックを1つのブロックに統合してもよい。たとえばOLT101,ONU102の各々において、クロックカウント部が通信制御部に組み込まれてもよい。
図4は、制御フレームの構造を示した図である。図4を参照して、制御フレームは、宛先アドレス、送信元アドレス、レングス/タイプ(Length/Type)、オペコード(Opcode)、タイムスタンプ、データ、パディング、およびFCSから構成される。
オペコード(Opcode)のフィールドには、制御フレームの種類を識別するためのコードが挿入される。MPCPでは、ディスカバリゲート(Discovery Gate)、レジスタリクエスト(Register Request)、レジスタ(Register)、ゲート(ノーマルゲートとも呼ばれる;Gate)、レジスタACK(Register Ack)、レポート(Report)などのメッセージを用いて双方向の通信が確立される。これらのメッセージはオペコードによって判別され,それぞれのメッセージではデータフィールドの内容が異なる。
また、スリープ要求の場合には、たとえばレングス/タイプのフィールドに、スリープモードを示すコードが挿入される。さらに、データのフィールドに、スリープモードの開始時刻および終了時刻の情報が含まれる。スリープ要求を受け取ったONUは、その開始時刻から終了時刻までの間、スリープモードに設定される。
各ONUの上り信号を時分割多重するには、OLTと各ONUとの間でタイムスタンプが同期している必要がある。本実施形態では、MPCPフレームに含まれるタイムスタンプを用いてOLTとONUとの間の同期を維持する方式が採用される。すなわちOLTは、自身の現在のクロックカウント値をタイムスタンプとしてMPCPフレームに含め、次に、そのフレームをONUに送信する。ONUはそのタイムスタンプに基づいて、自身の現在のクロックカウント値を更新する。なお、MPCPには、主に次の各機能が含まれる。
(1) PONに接続された複数のONUをOLTが認識して、各ONUとOLTとの間の通信に必要なRTT(Round Trip Time:往復遅延時間)測定およびLLID(Logical Link ID)の付与を行なうディスカバリ機能。
(2) 各ONUにタイムスロットを割り当て、各ONUからの上りバースト信号を時間軸上に多重する時分割多重制御機能。
(3) OLTとONUとの間の時刻同期機能。
本発明の実施形態に係るPONシステムでは、基本的には、AES128bitCTR方式に従ってフレームの暗号化および復号が行なわれる。このAES128bitCTR方式は、暗号化を行なう送信機と復号化する受信器との間で共通の鍵が用いられる、128ビットブロック暗号モードの暗号化方式である。
図5は、クロックカウント部のブロック図である。図4および図5を参照して、OLTに含まれるクロックカウント部24とONUに含まれるクロックカウント部54とは互いに共通の構成を有する。各クロックカウント部は、PONクロックカウンタ71と、ラウンドアップカウンタ72と、フレームブロックカウンタ73とを備える。カウント値C1a,C2a,C3aは、クロックカウント部24によって生成されるカウント値を表わし、カウント値C1b,C2b,C3bは、クロックカウント部54によって生成されるカウント値を表わしている。
PONクロックカウンタ71は、クロックパルスに基づいて、PONクロックカウント値C1a(C1b)を生成する。PONクロックカウント値C1a(C1b)は32ビットのビット列により表現される。当該ビット列の最下位ビット(LSB)は定期的にインクリメント(デクリメントでもよい。他のカウンタについて同様)される。このPONクロックカウント値C1a(C1b)はMPCPフレームに含まれるMPCPタイムスタンプに対応する。
ラウンドアップカウンタ72は、ラウンドアップカウント値C2a(C2b)を生成する。ラウンドアップカウント値C2a(C2b)は、PONクロックカウント値C1a(C1b)が1周するごとにインクリメントされるビット列として表現される。
フレームブロックカウンタ73は、フレームブロックカウント値C3a(C3b)を生成する。平文フレームを暗号化する場合には、フレームブロックカウント値C3a(C3b)はその平文フレームを128ビットごとのブロックに分けた場合のブロック番号を表わす。一方、暗号化フレームを復号する場合には、フレームブロックカウント値C3a(C3b)は、その暗号化フレームを128ビットごとのブロックに分けた場合のブロック番号を表わす。
図6は、暗号化部と復号部との動作を説明するためのブロック図である。図7は、入力ブロックカウント値を表すビット列の構成図である。図6および図7を参照して、OLT101の暗号化部13に、たとえば64バイト(512ビット)のフレーム1が入力される。暗号化部13は、PONクロックカウント値C1aから部分PONクロックカウント値C4aを読み出す。部分PONクロックカウント値C4aは、PONクロックカウント値C1を構成する32ビット列のうちの上位27ビットから構成される。部分PONクロックカウント値C4aはフレーム1を構成する複数のブロックの暗号化に共通に使用される。
次に暗号化部13は、クロックカウント値C5aを生成する。具体的には、暗号化部13は、部分PONクロックカウント値C4aの上位側にラウンドアップカウント値C2aを連結することによってクロックカウント値C5aを生成する。
続いて暗号化部13は、フレームブロックカウント値C3aをクロックカウント値C5aの下位側に連結する。これにより入力ブロックカウント値C6aが生成される。
フレーム1は、各々のビット数が128ビットである4つのブロックによって構成される。暗号化部13は、4つのブロックのうちの第1のブロック(平文)を、入力ブロックカウント値C6aを用いて暗号化する。同様に、暗号化部13は第2のブロック(平文)を暗号化するための入力ブロックカウント値C6aを生成する。この際に、フレームブロックカウント値C3aは1つインクリメントされる。
このような方法によって4つの暗号化されたブロックが生成され、それら4つの暗号化されたブロックはフレーム2に格納される。フレーム2のプリアンブル領域には、部分PONクロックカウント値C4aの最下位ビット(LSB)が格納される。フレーム2はONUに送られる。
ONUの復号部46にフレーム2が到着すると、復号部46は、PONクロックカウント値C1b(32ビット)から部分PONクロックカウント値C4bを読み出す。部分PONクロックカウント値C4bはPONクロックカウント値C1bの上位27ビットにより構成される。復号部46は、部分PONクロックカウント値C4bの最下位ビットと、フレーム2のプリアンブル領域に格納された最下位ビットとが同じか否かを判定する。ジッタがない場合には、ONU側のPONクロックカウント値C1bは、OLT側のPONクロックカウント値C1aと同期してインクリメントされるため、2つの最下位ビットが一致する。この場合、部分PONクロックカウント値C4a,C4bが同一であると判定される。
基本的に2つのPONクロックカウント値C1a,C1bは同一であるので、2つの部分PONクロックカウント値が同一となる。この場合、復号部46は、ONU側の部分PONクロックカウント値C4bを用いて、暗号化の場合と同様の手順により、入力ブロックカウント値C6bを生成する(図7を参照)。復号部46は、この入力ブロックカウント値C6bを用いて、フレーム2に含まれる4つの暗号化ブロックを復号する。
なお、ONU102の暗号化部43とOLT101の復号部16との間におけるフレームの暗号化および復号も上記の手順に従って実行される。また、OLT101,ONU102の各々において、暗号化部と復号部とを1つの機能ブロックによって実現することも可能である。
以上のように、OLTおよびONUの各々では、部分PONクロックカウント値を含む入力ブロックカウント値を用いて、フレームの暗号化および復号化を行なう。このため、OLTとONUとの間ではPONクロックカウント値が同期していることが必要となる。なお、厳密には、タイムスタンプ同士の差分がIEEE標準で規定されたタイムスタンプドリフト以内であれば、フレームの暗号化および復号化が可能である。以下で特に言及しない限り「同期」とは、タイムスタンプ同士が厳密に一致する場合およびタイムスタンプ同士の差分がタイムスタンプドリフト以内である場合の両方を含みうる。
図8は、ONUをスリープモードに移行させた場合に起こりうる課題を説明する図である。図8を参照して、時刻TにおいてONU102のスリープモードが開始される。時刻Tより以前ではOLT101とONU102との間でのMPCPタイムスタンプが同期している。したがってONU102はOLT101から送られた暗号化フレームを復号できる。復号されたフレームがMPCPフレームである場合には、ONU102は、そのMPCPフレームに含まれるタイムスタンプに基づいて自己のPONクロックカウント値を補正する。これによりOLT101とONU102との間ではタイムスタンプが同期する。
しかしながら、スリープモードの間にはONU102の受信部45が停止している。このためONU102はOLT101からMPCPフレームを受信することができない。すなわちスリープモードの間には、ONU102はPONクロックカウント値を補正できない。このためONU102がスリープモードから通常モードへと復帰したときに、OLT101とONU102との間でPONクロックカウント値が同期していることが保証されない。
図8の例では、OLT101がONU102のスリープモードの期間をカウントした結果はΔtとなる。これに対してOLT102が、ONU102のスリープモードの期間をカウントした結果はΔt’となる。Δt,Δt’は互いに異なる。Δt,Δt’の間の差が、上記の暗号方式で許容されているタイムスタンプドリフト値を超えた場合、ONU102は、スリープモード終了後にOLT101から受信した暗号化フレームの復号を失敗する。図8ではスリープモード後にONU102が受信する暗号化フレームとして、MPCPフレームが示されている。しかし、それ以外の暗号化フレームでも同様の結果となる。
本発明の各実施の形態は、上記の課題を解決するものである。図面を参照しつつ、各実施の形態について以下に詳細に説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1では、OLT101は、制御フレームの一種であるディスカバリゲート(Discovery GATE)をONU102に定期的に送信する。ディスカバリゲートは、論理的な接続が完了していないONUに送信される制御フレームである。したがって、ディスカバリゲートの宛先はすべてのONU(すなわちブロードキャスト)に設定されている。さらに、ディスカバリゲートは暗号化されていない。したがってスリープモードの終了後にOLT101とONU102との間でタイムスタンプが同期しているか否かに関係なく、ONU102はディスカバリゲートを受信できる。
OLT101から非暗号化フレームを送信するための方法は特に限定されない。たとえば暗号化部13が制御フレームの種類に基づいて当該制御フレームを暗号化するか否かを判別してもよい。あるいは通信制御部20が暗号化部13に対して、制御フレームを暗号化するか否かを指示してもよい。ディスカバリゲートに含まれるタイムスタンプに基づいて、ONU102は自己のタイムスタンプ(PONクロックカウント値)を補正する。
通常では、ディスカバリゲートは、PON回線に新たに接続されたONUをOLTが発見するために使用される。この実施の形態では、通常のディスカバリゲートに加えて、OLT101とONU102との間でのタイムスタンプの同期を目的としたディスカバリゲートがOLT101から繰り返し送信される。なお、後者のディスカバリゲートを以下では「時刻同期用ディスカバリゲート」と呼ぶことにする。
実施の形態1では、時刻同期用ディスカバリゲートがOLTから繰り返し送信される時間間隔は、タイムスタンプのずれが、上記の暗号化方式において許容されるタイムスタンプのずれの最大値に達するまでの時間以下に定められる。一例では、この時間間隔は5(msec)以下である(sec=秒)。
IEEEの規格によれば、イーサネット(登録商標)では、±100ppm以内のクロック誤差が許容されている。一方、上記の暗号方式では、タイムスタンプに許される誤差は最大で512(nsec)である。ONUとOLTとが非同期で動作する期間が5(msec)である場合、OLTとONUとの間に5(msec)×100(ppm)=500(nsec)のタイムスタンプのずれが発生しうる。したがって、時刻同期用ディスカバリゲートを5msec以下の時間間隔でOLTから繰り返し送信すれば、OLTとONUとの間のタイムスタンプのずれを、上記の暗号方式で許容された最大値以下に収めることができる。
図9は、実施の形態1に係るOLTとONUとの間のタイムスタンプの同期を説明するためのシーケンス図である。図9を参照して、OLT101は、5msecの時間間隔で時刻同期用ディスカバリゲートを繰り返し送信する。なお、OLT101は、ONU102がスリープモードであるか否かに関係なく、すなわち、ONU102がフレームを受信可能であるかどうかに関係なく時刻同期用ディスカバリゲートを送信する。
ONU102がスリープモードから復帰すると、ONU102はフレームを受信可能な状態になる。ONU102がスリープモードから復帰後、暗号化フレームがOLT101から送信される前に、OLT101が局側装置のタイムスタンプを含む非暗号化フレームをONU102に少なくとも1回送信する。ONU102は、時刻同期用ディスカバリゲートを受信して、ONU102のタイムスタンプをOLT101のタイムスタンプと同期させる。したがって、ONUが暗号化フレームを受信する前にOLTとONUとの間でタイムスタンプを同期させることができる。その後、OLT101から暗号化フレーム(たとえば暗号化MPCPフレーム)が送信される。ONU102は、この暗号化MPCPフレームを受信して復号する。
さらに、時刻同期用ディスカバリゲートでは、ONUの送信許可量が0に設定される。一般のディスカバリゲートは、新たなONUに制御フレームを送信させるために、ある時間帯をディスカバリースロットとして割り当てる。しかし、PONでは上り時分割多重を行なっているので、そのような割り当てを行なうと、上り帯域のリソース(時間)が使用される。本実施の形態では、時刻ディスカバリゲートの送信許可量が0に設定されるため、無駄なリソースの使用を防ぐことができる。
さらに、あるONUがスリープモードである期間、OLT101は、当該ONUが受信すべきデータフレームをその内部(たとえばバッファメモリ)に蓄積する。そしてOLT101は、そのONUがスリープモードから復帰した後に、蓄積されたデータフレームをONUに送信する。
図10は、ONUのスリープ期間中におけるOLTによるデータフレームの蓄積およびONUのスリープモードの終了後におけるOLTによるデータフレーム送信を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートは、ONU102−1〜ONU102−nのうちの任意の1つに対するOLTの処理を示すものである。図10を参照して、OLT101は、ONU102がスリープモードであるかどうかを判定する(ステップS1)。たとえば通信制御部20は、省電力判定部32から送られたスリープ要求に含まれるスリープモードの開始時刻および終了時刻に基づいて、ONU102がスリープモード中であるかどうかを判定する。
ONU102がスリープモードではないと判定された場合(ステップS1においてNO)、データフレームの蓄積は実行されない。一方、ONU102がスリープモードであると判定された場合(ステップS1においてYES)、OLT101は、当該ONU102に送信されるべきデータフレームを、その内部(たとえばバッファメモリ12)に蓄積する(ステップS2)。
次にOLT101は、ONU102のスリープ期間が終了したかどうかを判定する(ステップS3)。たとえば通信制御部20は、上記のスリープ要求に含まれるスリープモードの終了時刻に基づいて、ONU102がスリープモード中であるかどうかを判定する。スリープモードが終了していないと判定された場合(ステップS3においてNO)、処理はステップS2に戻る。一方、スリープモードが終了したと判定された場合(ステップS3においてYES)、処理はステップS4に進む。したがってONU102がスリープモードである間、当該ONU102に送信されるべきデータフレームがOLT101に蓄積される。
続いてOLT101は、ONU102が暗号化フレームを復号可能か否かを判定する(ステップS4)。ONU102が暗号化フレームを復号可能ではないと判定された場合(ステップS4においてNO)、処理がステップS4に戻される。一方、ONU102が暗号化フレームを復号可能であると判定された場合(ステップS4においてYES)、処理はステップS5に進む。ステップS5においてOLT101は、その内部に蓄積されたデータフレームをONU102に送信する。すなわち、ONU102のスリープ期間が終了後、OLT101はONU102が暗号化フレームを復号可能であることを確認する。ONU102が暗号化フレームを復号可能であることが確認されると、OLT101は、その内部に蓄積したデータフレームをONU102へと送信する。
このようにONU102がスリープモードにある間、当該ONUが受信すべきデータフレームがOLT101で蓄積される。これにより、ONU102が暗号化フレームを復号できないにもかかわらずOLT101が暗号化データフレームをONU102に送信することを防ぐことができる。
1つの実施形態では、OLT101は、ONU102のスリープ期間の終了後に時刻同期用ディスカバリゲートを送信したことにより、ONU102が暗号化フレームを復号可能であると判定する。ONU102が暗号化フレームを復号可能であると判定するために必要な時刻同期用ディスカバリゲートの送信回数は、少なくとも1回であるが、これに限定されるものではない。たとえば時刻同期用ディスカバリゲートを、2以上の所定の回数送信することによって、OLT101は、ONU102が暗号化フレームを復号可能であると判定してもよい。
別の実施形態では、OLT101は、ONU102からMPCPフレーム(レポートフレーム)を受信することにより、ONU102が暗号化フレームを復号可能であると判定する。
OLT101はMPCPゲートフレームを暗号化して送信する。ONU102が、その暗号化されたMPCPゲートフレームに対するレポートフレームをOLT101に送信するためには、ONU102のタイムスタンプがOLT101のタイムスタンプと同期していなければならない。さらに、ONU102が、OLT101から送信された暗号化MPCPゲートフレームを復号できることも必要である。したがって、OLT101は、ONU102からのレポートフレームを受信することにより、ONU102が暗号化フレームを復号可能であると判定してもよい。
なお、図10に示した処理は、以後に説明する実施の形態でも実行されるため、以後において説明は繰り返さない。
以上のように、実施の形態1では、OLTは、時刻同期用ディスカバリゲートをある時間間隔(たとえば5ミリ秒以下の周期)で繰り返し送信する。これにより、ONUがスリープモードから復帰後、暗号化フレームを受信する前にONUのタイムスタンプをOLTのタイムスタンプに同期させることができる。したがってONUはスリープモードの終了後にOLTから送られた暗号化フレームを復号できる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、OLTは、ONUがスリープモードであるかどうかにかかわらず、通常のディスカバリゲートの送信間隔よりも短い間隔で時刻同期用ディスカバリゲートを繰り返し送る。このためOLT101の負荷あるいはPON回線の負荷の増大が懸念される。
実施の形態2では、OLT101は、複数のONUのうちの少なくとも1つがスリープモードにある間、時刻同期用ディスカバリゲートを繰り返し送信する。一方、複数のONUのすべてが通常モードである場合には、OLT101は時刻同期用ディスカバリゲートを送信しない。時刻同期用ディスカバリゲートが繰り返し送信される時間間隔は、実施の形態1で説明された間隔と同じである。
図11は、実施の形態2に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。図12は、実施の形態2に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。図11および図12を参照して、OLT101は、複数のONUの中にスリープモードのONUがあるか否かを判定する(ステップS11)。スリープ要求が発生した場合には、スリープモードのONUがあるとOLT101は判定する。この場合(ステップS11においてYES)、処理はステップS12に進む。一方、複数のONUのいずれに対してもスリープ要求が発生していない場合、OLT101は、スリープモードのONUが存在しないと判定する。この場合(ステップS11においてNO)、以下に説明する処理が実行されることなく全体の処理が終了する。なお、以下の説明では、ONU102−1がスリープモードにあるとする。
ステップS12において、OLT101は、時刻同期用ディスカバリゲートを送信する。次に、OLT101は、ONU102−1のスリープ期間が終了したか否かを判定する(ステップS13)。実施の形態1と同様に、スリープ要求に含まれるスリープモードの終了時刻から、OLT101は、ONU102−1のスリープ期間が終了したか否かを判定できる。スリープ期間が未だ終了していないと判定された場合(ステップS13においてNO)、処理はステップS12に戻る。したがって、スリープ期間が終了するまで、時刻同期用ディスカバリゲートがOLT101から繰り返し送信される。一方、スリープ期間が終了したと判定された場合(ステップS13においてYES)、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、OLT101は、スリープ期間の終了後にONU102−1が暗号化フレームを復号可能であることを確保できるまで時刻同期用ディスカバリゲートを送信する。したがって、OLT101は、ONU102−1がスリープモードから復帰した後に時刻同期用ディスカバリゲートを少なくとも1回送信する。なお、実施の形態1と同じく、OLT101は、ステップS14において、時刻同期用ディスカバリゲートを1回のみ送信してもよい。あるいは、OLT101は、ステップS14において、ONU102−1からMPCPレポートを受信するまで時刻同期用ディスカバリゲートを繰り返し送信してもよい。ステップS15においてOLT101は、時刻同期用ディスカバリゲートの送信を終了する。
実施の形態2によれば、すべてのONUが通常モードであれば、OLT101から時刻同期用ディスカバリゲートが送信されない。このため、OLT101の処理の負荷およびPON回線の負荷が大幅に増加することを抑えることができる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、実施の形態2よりもOLTの負荷およびPON回線の負荷の増大を抑制する。
図13は、実施の形態3に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。図11および図13を参照して、実施の形態3に係る同期処理は、ステップS12の処理が省略されている点において実施の形態2に係る同期処理と異なる。図13に示した他のステップの処理は、図11に示した対応するステップの処理と同様である。
図14は、実施の形態3に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。図13および図14を参照して、実施の形態3では、ONU102がスリープモードから復帰すると、OLT101からONU102に時刻同期用ディスカバリゲートが送信される。実施の形態2と同様に、スリープ期間の終了後、ONUが暗号化フレームを復号可能であることを確保できるまでOLT101は時刻同期用ディスカバリゲートを送信する。したがって、OLT101は、時刻同期用ディスカバリゲートを1回のみ送信してもよい。あるいは、OLT101は、ONUからMPCPレポートを受信するまで、時刻同期用ディスカバリゲートを繰り返し送信してもよい。時刻同期用ディスカバリゲートが繰り返し送信される時間間隔は、実施の形態1で説明された間隔と同じである。
実施の形態3によれば、スリープモードのONUが存在する場合には、そのONUのスリープモードが終了してから暗号化フレームを復号可能であることを確保できるまでの間に時刻同期用ディスカバリゲートが送信される。時刻同期用ディスカバリゲートが送信される最低の回数は1回である。したがって実施の形態3によれば、実施の形態2に比べて、さらにOLT101の負荷およびPON回線の負荷を軽減することができる。
[実施の形態4]
実施の形態1〜3は、タイムスタンプをOLTとONUとの間で同期させるためのディスカバリゲートフレームが通常の制御フレームとは別に用いられる。実施の形態4では、通常の制御フレームを用いて、ONUのタイムスタンプをOLTのタイムスタンプと同期させることを可能にする。
図15は、実施の形態4に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートは、ONU102−1〜ONU102−nのうちの任意の1つに対するOLTの処理を示すものである。図16は、実施の形態4に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。図15および図16を参照して、ステップS21において、OLT101は、ONU102がスリープモードであるかどうかを判定する。たとえばステップS21の処理にはステップS1の処理と同様の処理を適用することができる。
ONU102がスリープモードではないと判定された場合(ステップS21においてNO)、全体の処理は終了する。一方、ONU102がスリープモードであると判定された場合(ステップS12においてYES)、OLT101は、当該ONU102に非暗号化MPCPフレームを送信する(ステップS22)。具体的には、OLT101は、ノーマルゲートを暗号化せずにONU102に送信する。たとえば通信制御部20は、スリープモードのONUに対するノーマルゲートを暗号化しないように暗号化部13に指示する。
ステップS23において、OLT101は、ONU102のスリープ期間が終了したか否かを判定する。ステップS23の処理にはステップS13の処理と同様の処理を適用できる。スリープ期間が未だ終了していないと判定された場合(ステップS23においてNO)、処理はステップS22に戻る。一方、スリープ期間が終了したと判定された場合(ステップS23においてYES)、処理はステップS24に進む。
ステップS24において、OLT101は、スリープ期間の終了後にONU102が暗号化フレームを復号可能であることを確保できるまで非暗号化ノーマルゲートを送信する。実施の形態1〜3と同様に、スリープ期間の終了後に非暗号化ノーマルゲートは少なくとも1回送信される。なお、ONU102からMPCPレポートを受信するまで非暗号化ノーマルゲートを繰り返し送信してもよい。
ステップS25においてOLT101は、暗号化フレームを送信する。ONU102は、その暗号化フレームを復号できるので、暗号化フレームは制御フレーム、データフレームのいずれでもよい。
実施の形態4においても蓄積されたデータフレームを送信する処理(図10参照)が実行される。ONU102が暗号化フレームを復号可能か否かを判定する処理(ステップS4)は、ステップS24の処理と同様の処理を適用できる。したがってスリープ期間の終了後、非暗号化MPCPノーマルゲートを送信したことをトリガとして、OLT101は蓄積されたデータフレームを送信する。あるいは、ONU102からMPCPレポートフレームが送信されたことをトリガとしてOLT101は蓄積されたデータフレームを送信してもよい。
実施の形態4では、OLT101は通常の制御フレームのうちのある特定のフレーム(たとえばノーマルゲート)を非暗号化して、その非暗号化された制御フレームをOLTとONUとの間のタイムスタンプの同期に用いる。したがって、実施の形態4によれば、OLTの負荷およびPON回線の負荷への影響を小さくすることができる。
[実施の形態5]
図17は、実施の形態5に係る同期処理を説明するためのフローチャートである。図15および図17を参照して、実施の形態5に係る同期処理は、ステップS22の処理が省略されている点において実施の形態4に係る同期処理と異なる。すなわち、実施の形態5では、ONUがスリープモードの間には非暗号化MPCPフレームが送信されない。図17に示した他のステップの処理は、図15に示した対応するステップの処理と同様である。
図18は、実施の形態5に係る同期処理を説明するためのシーケンス図である。図17および図18を参照して、実施の形態5では、スリープモード以前およびスリープモードの間、暗号化MPCPフレームが送信される。スリープモードが終了したと判定された場合には、ONU102が暗号化フレームを復号可能であることを確保できるまで、OLT101は非暗号化MPCPフレーム(たとえば非暗号化されたノーマルゲート)を送信する。実施の形態4と同じく、OLT101は、非暗号化MPCPフレームを1回のみ送信してもよい。あるいは、OLT101は、ONUからMPCPレポートを受信するまで、非暗号化MPCPフレームを繰り返し送信してもよい。
実施の形態5によれば、実施の形態4と同様に、OLT101は、通常の制御フレームのうちのある特定のフレーム(たとえばノーマルゲート)を非暗号化して、その非暗号化された制御フレームをOLTとONUとの間のタイムスタンプの同期に用いる。したがって実施の形態5によれば、実施の形態4と同様に、OLTの負荷およびPON回線の負荷への影響を小さくすることができる。
なお、実施の形態4,5によれば、時刻同期用ディスカバリゲートに代えて非暗号化MPCPフレームがOLTとONUとの間のタイムスタンプの同期に用いられる。ただし実施の形態4,5は時刻同期用ディスカバリゲートの使用を排除するものではない。すなわち、実施の形態4を実施の形態1〜3のいずれかと組み合わせる、あるいは実施の形態5を実施の形態1〜3のいずれかと組み合わせることも可能である。
また、ONUでは、予定された期間よりもスリープ期間が短くなることが起こりうる。具体的には、予定されたスリープ期間の途中で、宅側ネットワークに接続されたユーザ端末から上りデータがONUに送信された場合に、ONUがスリープモードから通常モードに復帰することが考えられる。
実施の形態1、2、4によれば、ONUのスリープモードが開始されると、時刻同期用ディスカバリゲートあるいは非暗号化MPCPフレームがOLTから送信される。したがって、スリープ期間が予定された期間より短縮された場合にも、暗号化フレームがOLT101から送信される前にONUのタイムスタンプをOLTのタイムスタンプに同期させることができる。
また、上記の実施の形態では、OLTとONUとの通信が一時的に停止される例としてONUのスリープモードを説明したが、他の原因によってOLTとONUとの通信が一時的に停止することも考えられる。OLTとONUとの間の通信状態をOLTが監視可能であれば、OLTとONUとの通信が一時的に停止される理由にかかわらず、本発明は適用可能である。
また、上記の実施の形態では、スリープ要求によって設定されたスリープモードの終了時刻に基づいてOLTはONUのスリープモードが終了したか否かを判断する。しかしながら、スリープモードが終了したことをOLTに通知するためのフレームをONUが送信してもよい。これによりOLTはONUのスリープモードが終了したことを判断できる。なお、ONUとOLTとの間でタイムスタンプが同期していない可能性が考えられる。したがってスリープモードの終了をOLTに通知するためのフレームは、非暗号化されていることが望ましい。
また、各実施の形態では、OLTからの暗号化フレームをONUで復号することが説明される。しかし、ONUからの暗号化フレームをOLTで復号するためには、ONUのタイムスタンプをOLTのタイムスタンプに同期させる必要がある。したがって本発明によるタイムスタンプの同期は、ONUからの暗号化フレームをOLTで復号する場合にも適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 フレーム、11,15,41,45 受信部、12,18,42,48 バッファメモリ、13,43 暗号化部、14,19,44,49 送信部、16,46 復号部、17,47 フレーム再生部、20,50 通信制御部、22,52 クロックパルス発生部、24,54 クロックカウント部、30,60 省電力設定部、31 トラフィック監視部、32 省電力判定部、32−1〜32−n 判定部、33 スリープ要求生成部、62 スリープモード設定部、63 スリープ要求受信部、71 クロックカウンタ、72 ラウンドアップカウンタ、73 フレームブロックカウンタ、100 PONシステム、104 PON回線、105 スプリッタ、109 上位ネットワーク、110 宅側ネットワーク、111 ユーザ端末。

Claims (13)

  1. 受動的光ネットワークを介して宅側装置に接続される局側装置であって、
    タイムスタンプを発生させるタイムスタンプ発生部と、
    前記局側装置と前記宅側装置との間でタイムスタンプが同期している場合に前記宅側装置で復号可能な暗号化フレームを生成して、前記宅側装置に前記暗号化フレームを送信する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記局側装置のタイムスタンプを含む前記暗号化フレームを前記宅側装置に送信して、それにより前記局側装置と前記宅側装置との間でタイムスタンプを同期させ、
    前記宅側装置がフレームの受信を一時的に停止した場合には、前記宅側装置がフレームを受信可能な状態に復帰すると、前記制御部は、前記局側装置のタイムスタンプを含む非暗号化フレームを前記宅側装置に送信して前記局側装置と前記宅側装置との間でタイムスタンプを同期させ、その後に前記暗号化フレームを前記宅側装置に送信する、局側装置。
  2. 前記制御部は、前記非暗号化フレームとして、ディスカバリゲートを送信する、請求項1に記載の局側装置。
  3. 前記ディスカバリゲートにおいて、前記宅側装置の送信許可量が0に設定される、請求項2に記載の局側装置。
  4. 前記制御部は、前記宅側装置がフレームを受信可能な状態であるかどうかに関係なく、前記ディスカバリゲートを繰り返し送信する、請求項2に記載の局側装置。
  5. 前記ディスカバリゲートが繰り返し送信される間隔は、
    前記局側装置と前記宅側装置との間に生じ得るタイムスタンプのずれが、前記暗号化フレームの復号にとって許容されるタイムスタンプのずれの最大値に達するのに要する時間の長さ以下である、請求項4に記載の局側装置。
  6. 前記制御部は、前記非暗号化フレームとして、非暗号化ノーマルゲートを送信する、請求項1から5のいずれか1項に記載の局側装置。
  7. 前記制御部は、前記非暗号化ノーマルゲートに対して前記宅側装置が応答するまで、前記非暗号化ノーマルゲートを繰り返し送信する、請求項6に記載の局側装置。
  8. 前記制御部は、前記宅側装置がフレームを受信不可な状態に移行したときから、前記非暗号化ノーマルゲートを繰り返し送信する、請求項7に記載の局側装置。
  9. 前記宅側装置がフレームを受信不可な状態にある間、前記宅側装置が受信すべきデータフレームは、前記局側装置に蓄積され、
    前記制御部は、前記非暗号化フレームを送信した後に、前記局側装置に蓄積された前記データフレームを暗号化して送信する、請求項1から8のいずれか1項に記載の局側装置。
  10. フレームの受信を一時的に停止させるスリープモードに前記宅側装置を移行させるためのスリープ要求を発生させるスリープ要求発生部をさらに備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の局側装置。
  11. 受動的光ネットワークを介して局側装置に接続される宅側装置であって、
    前記局側装置からのフレームの受信を一時的に停止するスリープモードに前記宅側装置を移行させるスリープモード設定部と、
    タイムスタンプを発生させるタイムスタンプ発生部と、
    前記宅側装置のタイムスタンプが前記局側装置のタイムスタンプと同期している場合に、前記局側装置から送られた暗号化フレームを復号可能な復号部と、
    前記局側装置のタイムスタンプを含む制御フレームを前記復号部から受けて、前記制御フレームを用いて、前記宅側装置のタイムスタンプを前記局側装置のタイムスタンプに同期させるタイムスタンプ補正部とを備え、
    前記スリープモードから復帰した後、前記暗号化フレームを受信する前に、前記復号部は、非暗号化された制御フレームを前記局側装置から受信して前記タイムスタンプ補正部に送信し、
    前記タイムスタンプ補正部は、前記復号部からの前記非暗号化された制御フレームを用いて、前記宅側装置のタイムスタンプを前記局側装置のタイムスタンプに同期させる、宅側装置。
  12. 受動的光ネットワークを介して接続された局側装置および宅側装置を備える光通信システムであって、
    前記局側装置と前記宅側装置との間でタイムスタンプが同期している場合に復号可能な暗号化フレームを生成する暗号化部と、
    前記局側装置または前記宅側装置のタイムスタンプを用いて前記暗号化フレームを復号する復号部と、
    前記局側装置からのフレームの受信を一時的に停止するスリープモードに前記宅側装置を移行させるスリープモード設定部と、
    前記局側装置のタイムスタンプを含む制御フレームを用いて、前記宅側装置のタイムスタンプを前記局側装置のタイムスタンプに同期させるタイムスタンプ補正部とを備え、
    前記宅側装置が前記スリープモードから復帰した後、前記暗号化フレームが送信される前に、前記タイムスタンプ補正部は、非暗号化された制御フレームに含まれる前記局側装置のタイムスタンプを用いて前記宅側装置のタイムスタンプを前記局側装置のタイムスタンプに同期させる、光通信システム。
  13. 受動的光ネットワークを介して接続された局側装置および宅側装置を備える光通信システムの制御方法であって、
    前記局側装置と前記宅側装置との間でタイムスタンプが同期している場合に復号可能な暗号化フレームを生成するステップと、
    前記局側装置または前記宅側装置のタイムスタンプを用いて前記暗号化フレームを復号するステップと、
    前記局側装置からのフレームの受信を一時的に停止するスリープモードに前記宅側装置を移行させるステップと、
    前記宅側装置が前記スリープモードから復帰した後、前記暗号化フレームが送信される前に、非暗号化された制御フレームに含まれる前記局側装置のタイムスタンプを用いて前記宅側装置のタイムスタンプを前記局側装置のタイムスタンプに同期させるステップとを備える、光通信システムの制御方法。
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