JP2012234289A - 意識低下判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の走行状態を考慮し車両の逸脱危険度を加味して運転者の意識低下判定を行うことにより、運転者の意識低下状態を精度よく判定できる意識低下判定装置を提供すること。
【解決手段】所定時間における逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値が決定され、車両の走行車線に対する無操舵逸脱危険度が、決定された閾値以上であると判定された場合に、運転者が意識低下状態であると判定される。ここで、ハンドル操作のフラツキが比較的多い被験者Aについては閾値aが設定され、ハンドル操作のフラツキが比較的少ない被験者Bについては閾値bが設定されて意識低下判定が行われるため、運転者としての被験者が異なったために意識低下状態を検出できなくなってしまうことを抑制することができる。この結果、精度よく意識低下判定が行える。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の運転者の意識低下状態を判定する意識低下判定装置に関するものである。
従来、車両の運転者の意識低下状態を判定する技術として、特表2008−542935号公報に記載されるように、車両の運転者の運転操作状態に基づいてその運転者の不注意状態を検出するものが知られている。すなわち、この公報に記載される技術は、ハンドル操作がない状態から所定以上の操舵角及び操舵速度におけるハンドル操作が行われた場合に、運転者が不注意状態にあると判定しようとするものである。
特表2008−542935号公報
しかしながら、このような検出技術にあっては、所定の運転操作において、運転者の意識低下状態であるかどうかが精度よく判定できないという問題点がある。例えば、運転者が異なれば一般的に運転特性も異なるため、覚醒状態のある運転者の運転特性としてのハンドル操作のフラツキが比較的多いが意識低下状態であると検出されないような判定閾値が設定された車両を、ハンドル操作のフラツキが比較的少ない他の運転者が運転中の場合を考える。この場合、運転中のこの運転者が意識低下状態になってハンドル操作のフラツキが多くなっても、前述のようにフラツキが比較的多いが意識低下状態であると検出されないような判定閾値が設定されているために、運転中のこの運転者の意識低下状態であることを検出できず未検出となってしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、運転者ごとに異なる運転特性を考慮し車両の逸脱危険度を加味して運転者の意識低下判定を行うことにより、運転者の意識低下状態を精度よく判定できる意識低下判定装置を提供することである。
すなわち、本発明に係る意識低下判定装置は、車両の運転者が意識低下状態であるか否かを判定する意識低下判定装置において、所定時間における車両の走行車線に対する逸脱危険度の分散を算出する分散算出手段と、分散算出手段により算出された分散に基づく設定値を決定する設定値決定手段と、車両の走行車線に対する逸脱危険度が、設定値決定手段により決定された設定値以上であるか否かを判定する危険度判定手段と、危険度判定手段により逸脱危険度が設定値以上であると判定された場合に、運転者が意識低下状態であると判定する意識低下判定手段と、を備えて構成されている。
この発明によれば、所定時間における逸脱危険度の分散に基づく設定値が決定され、車両の走行車線に対する逸脱危険度が、決定された設定値以上であると判定された場合に、運転者が意識低下状態であると判定される。このように、運転者ごとに異なる運転特性としての逸脱危険度の分散に基づく設定値が決定されて意識低下判定が行われるため、運転者が異なって意識低下状態を検出できないことを抑制することができる。この結果、精度よく意識低下判定が行える。
また本発明に係る意識低下判定装置において、所定時間は、車両の運転開始からの所定時間であってもよい。
この発明によれば、意識低下状態でない可能性が高い車両の運転開始からの所定時間における、車両の走行車線に対する逸脱危険度の分散に基づく設定値が決定され、逸脱危険度がこの設定値以上であると判定された場合に、運転者が意識低下状態であると判定される。このように、意識低下状態でない可能性が高い状態で設定値が決定されるため、意識低下状態になったことを、より精度よく判定することができる。
本発明によれば、車両の走行状態を考慮し車両の逸脱危険度を加味して運転者の意識低下判定を行うことにより、運転者の意識低下状態を精度よく判定することができる。
本発明の実施形態に係る意識低下判定装置の概要を示すブロック図である。 図1の意識低下判定装置において演算される逸脱危険度の説明図である。 閾値決定方法の説明図である。 図1の意識低下判定装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、同一要素又は同一相当要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る意識低下判定装置1の概要構成を示すブロック図である。意識低下判定装置1は、車両に搭載され、車両の運転者の意識が低下しているか否かを判定するドライバ状態判定装置である。
この意識低下判定装置1は、前方検知センサ2、車速センサ3、操舵角センサ4、ECU(Electronic Control Unit)5、警報部6を備えて構成されている。
前方検知センサ2は、車両の前方を検知する前方検知手段(情報取得手段)として機能するものであり、例えば車両の前方を撮像する曲率算出機能付きカメラが用いられる。前方検知センサ2はECU5と接続され、その出力信号はECU5に入力される。前方検知センサ2の撮像画像ないし撮像映像は、障害物有無の検知、走行路の白線検知に用いることができる。これにより、前方検知センサ2の出力画像に基づき演算される車線幅値を用いて、車線中央に対する車両Mの横位置(横ずれ量)を検出することができる。また、前方検知センサ2として、ミリ波レーダ、レーザレーダなどの他のセンサを用いて障害物検出を行う場合もある。
車速センサ3は、車速を検出する車速検出手段(情報取得手段)として機能するものであり、例えば車輪速センサが用いられる。車速センサ3は、ECU5と接続され、その出力信号はECU5に入力される。
操舵角センサ4は、車両のハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段(情報取得手段)として機能するものである。この操舵角センサ4としては、例えば、ステアリングシャフトの回転角を検出する操舵角センサが用いられる。この操舵角センサ4は、ECU5と接続され、その出力信号はECU5に入力される。なお、操舵角センサ4に代えて、操舵トルクセンサを用いてもよい。この場合、操舵トルクが出力する操舵トルク値に基づいてハンドルの操舵角が演算される。また、ハンドルの操舵角が取得できるものであれば、操舵角センサ4に代えて、いずれのものを用いてもよい。
ECU5は、意識低下判定装置の装置全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含むコンピュータを主体とし、入力信号回路、出力信号回路、電源回路を含んで構成される。
ECU5は、通常逸脱度演算部51、無操舵状態判定部52、無操舵危険度演算部53、無操舵危険度判定部54、警報制御部55、情報格納部56を少なくとも有している。ここで、情報格納部56は、前方検知センサ2、車速センサ3、操舵角センサ4から受信した情報を記憶して格納し、格納した情報を必要に応じて通常逸脱度演算部51、無操舵状態判定部52、無操舵危険度演算部53、無操舵危険度判定部54、警報制御部55に送信するものであり、記憶手段として機能する。
通常逸脱度演算部51は、所定時間における車両の走行車線に対する逸脱危険度の分散を運転者ごとに算出して学習するものであり、分散算出手段として機能する。通常逸脱度演算部51は、例えば、車両の運転開始からの所定時間(例えば、5分といった数分程度の時間から、20分といった数十分程度の時間)における覚醒時の車両の走行車線に対する逸脱危険度を演算し、この演算結果を用いて、通常時の逸脱危険度の分散値(ばらつき量)を運転者ごとに算出して記憶する。
例えば、意識低下していない運転時の逸脱危険度が通常逸脱度演算部51によって複数ないし多数取得され、それらの逸脱危険度データに基づき逸脱危険度の分散として通常逸脱危険度(後述する通常MLC)が演算される。なお、逸脱危険度は、少なくとも車両の車速、走行車線に対する進行方向及び走行車線に対する横位置に基づいて演算される。
このように車両の車速、走行車線に対する進行方向及び走行車線に対する横位置に基づいて車両の走行車線に対する逸脱危険度を演算することにより、車両の物理的な走行状態ないし挙動状態に基づいて車両の客観的な逸脱危険度を演算することができる。また、単に車両の横位置だけで車両の逸脱危険度を演算する場合と比べ、車速や車両の進行方向が加味されているので、車両が走行路にある障害物を回避しようとしているのか、運転者の意識低下により逸脱しそうになっているのかを的確に識別することが可能となる。
すなわち、単に車両の横位置だけで車両の逸脱危険度を演算する場合、車両の横位置が車線の端位置にあるときには逸脱危険度が高く判定されてしまう。しかしながら、本実施形態に係る意識低下判定装置では、逸脱危険度の演算に車速や車両の進行方向を加味することにより、車両の横位置が車線の端位置にあるとしても、車速が遅く車両の進行方向が走行路と平行であれば逸脱危険度が高くないと適切な判定が可能となる。
この逸脱危険度としては、例えば、車両の逸脱回避に必要な最小限のヨーレートとして演算される。逸脱危険度MLCは、次の式(1)により演算することができる。
MLC=v・(1−cosθ)/(w/2−y) ・・・(1)
図2に示すように、式(1)において、vは車両Mの車速、θは白線(レーンマーカ)に対する車両Mのヨー角、wは車線幅、yは車線中央に対する車両Mの横位置(横ずれ量)である。車速vは、車速センサ3の出力信号に基づく車速データを用いればよい。ヨー角θは、前方検知センサ2の出力画像に基づき白線に対する車両Mのヨー角の演算値を用いればよい。車線幅wは、前方検知センサ2の出力画像に基づき演算される車線幅値を用いてもよいし、図示しないナビゲーションシステムの地図情報ないし道路情報に基づいて取得される車線幅値を用いてもよい。横位置yは、前方検知センサ2の出力画像に基づき演算される車両Mのオフセット量を用いればよい。
なお、逸脱危険度MLCは、車両Mの車線逸脱の危険度が大きいほど大きい値又は小さい値となるようなものであれば、車両Mの逸脱回避に必要な最小限のヨーレート以外の値を用いてもよい。
また、通常逸脱度演算部51によって算出される逸脱危険度MLCの分散(後述する通常MLC)は、例えば、後述する図3(a)における太い実線及び破線で示されるように、横軸をMLC(rad/s)とし縦軸を(対応するMLCが発生する)確率密度とするグラフにおいて略正規分布状に表せる。
無操舵状態判定部52は、車両の運転者のハンドル操作において無操舵状態となっているか否かを判定するものであって、無操舵状態判定手段として機能する。例えば、車両のハンドルの操舵角が設定時間以上変化していない場合に無操舵状態であると判定され、ハンドルの操舵角が設定時間以内に変化している場合に無操舵状態でないと判定される。このとき、操舵角が変化しているか否かの判定は、例えば、操舵角が設定角度以上変化していないときには操舵角変化なしと判定し、操舵角が設定角度以上変化しているときには操舵角変化ありと判定される。設定時間及び設定角度は、予めECU5に設定される設定値が用いられる。この設定時間及び設定角度は、無操舵状態であるか否かを判定するための判定しきい値となるものである。
無操舵危険度演算部53は、通常逸脱度演算部51により算出された逸脱危険度MLCの分散に基づく(意識低下判定の判定基準となる)閾値(設定値)を運転者ごとに決定して記憶するものであって、設定値決定手段として機能する。算出された逸脱危険度MLCの分散は、図3(a)に示すように、横軸をMLC(rad/s)とし縦軸を確率密度とするグラフにおいて略正規分布状に表せる。縦軸より右に行くほど、車両の走行車線の中心から右寄りとなり、左に行くほど、車両の走行車線の中心から左寄りとなっている。太い実線は、運転者としての被験者Aの(意識低下状態でない)覚醒時についての分散グラフを示しており、破線は、運転者としての(意識低下状態でない)被験者Bについての分散グラフを示しており、細い実線は、運転者としての被験者A,Bの意識低下時についての分散グラフを示している。以下、車両を運転する運転者としての被験者はA,Bの二名であるとして説明するが、運転者の数は何名でもよく、特に限定されない。
ここで、無操舵危険度演算部53は、破線で示された被験者Bについての分散グラフについて、確率密度がゼロになる(又は、ゼロに近い所定の確率密度に対応する)MLC(値b)を、被験者Bについての閾値として設定する。そして、無操舵危険度演算部53は、ここで設定された閾値を、被験者Aについての閾値としても設定することはなく、図3(b)に示すように、太い実線で示された被験者Aについての分散グラフについて、確率密度がゼロになる(又は、ゼロに近い所定の確率密度に対応する)MLC(値a)を、被験者Aについての閾値として設定する。
無操舵危険度判定部54は、車両Mの走行車線に対する無操舵状態での逸脱危険度(無操舵危険度)が、無操舵危険度演算部53により決定された閾値以上であるか否かを判定するものであり、危険度判定手段として機能する。無操舵危険度は、通常逸脱度演算部51によって取得された現時点での逸脱危険度MLCを、前述のように算出された分散で除することによって無操舵危険度判定部54によって得られる意識低下判定指標である。すなわち、無操舵危険度は、次の式(2)により演算することができる。
無操舵危険度=(逸脱危険度MLC)/(逸脱危険度MLCの分散) ・・・(2)
なお、無操舵危険度判定部54は、被験者Aが運転中の場合、被験者Aの車両の逸脱危険度が、被験者Aについて決定された閾値以上であるか否かを判定し、被験者Bが運転中の場合、被験者Bの車両の逸脱危険度が、被験者Bについて決定された閾値以上であるか否かを判定する。
警報制御部55は、現時点での逸脱危険度MLCが(対応する運転者についての)閾値以上であると無操舵危険度判定部54により判定された場合に、この運転者が意識低下状態であると判定するものであり、意識低下判定手段として機能する。具体的に説明すると、警報制御部55は、被験者Aの車両の逸脱危険度が、被験者Aについて決定された閾値以上であると無操舵危険度判定部54により判定された場合に、被験者Aが意識低下状態であると判定する。同様に、警報制御部55は、被験者Bの車両の逸脱危険度が、被験者Bについて決定された閾値以上であると無操舵危険度判定部54により判定された場合に、被験者Bが意識低下状態であると判定する。
一方、警報制御部55は、被験者Aの車両の逸脱危険度が、被験者Aについて決定された閾値未満であると無操舵危険度判定部54により判定された場合に、被験者Aが覚醒状態であると判定する。同様に、警報制御部55は、被験者Bの車両の逸脱危険度が、被験者Bについて決定された閾値未満であると無操舵危険度判定部54により判定された場合に、被験者Bが覚醒状態であると判定する。
例えば、この警報制御部55は、運転者が意識低下状態であると判定した場合に意識低下フラグをオンとして運転者が意識低下状態であることを認識し、運転者が意識低下状態でないと判定した場合に意識低下フラグをオフとして運転者が意識低下状態でないことを認識する。
そして、警報制御部55は、運転者が意識低下状態である場合に警報部6に対し警告制御信号を出力制御する。
上述した通常逸脱度演算部51、無操舵状態判定部52、無操舵危険度演算部53、無操舵危険度判定部54、警報制御部55、及び情報格納部56は、これらの機能ないし処理を実行するプログラムなどのソフトウェアをECU5に導入することにより構成されている。
なお、通常逸脱度演算部51、無操舵状態判定部52、無操舵危険度演算部53、無操舵危険度判定部54、警報制御部55、及び情報格納部56は、それらの機能ないし処理が実行できるものであれば、個別のハードウェアによって構成されていてもよい。
警報部6は、車両の運転者に警報を与える警報手段であって、ECU5から出力される警報制御信号に応じて作動する。この警報部6としては、運転者の聴覚、視覚、触覚を通じて運転者に警報を与えるものが用いられる。例えば、警報部6としては、スピーカ、ブザー、ナビゲーションシステムのモニタ、ディスプレイ、ランプ、LED、ハンドル又はシートに設置される振動装置などが用いられる。
次に、本実施形態に係る意識低下判定装置1の動作について説明する。
図4に意識低下判定装置1の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の制御処理は、例えばECU5によって予め設定された周期(例えば100ms)で繰り返し実行される。
このフローチャートの制御処理は、例えば車両のイグニッションオンによって開始され、まずステップS01(以下、「S01」という。他のステップにおいても同様とする。)にて、センサ情報の読み込み処理が行われる。このセンサ情報の読み込み処理は、前方検知センサ2、車速センサ3、操舵角センサ4の出力信号に含まれるセンサ情報をそれぞれ読み込む処理である。
次に、S02に処理が移行し、通常MLC演算処理が行われる。通常MLC演算処理は、所定時間における車両Mの走行車線に対する逸脱危険度MLCの分散を運転者ごとに算出する処理であり、通常逸脱度演算部51により実行される。例えば、車両Mの運転開始からの所定時間における通常時の車両Mの逸脱危険度MLCが算出され、この算出結果を用いて、通常時の逸脱危険度MLCのばらつき量が通常MLCとして算出される。
具体的に説明すると、通常MLCは、意識低下していない運転時の逸脱危険度MLCの分散として演算される。例えば、意識低下していない通常運転時の逸脱危険度MLCが複数ないし多数取得され、それらの逸脱危険度データに基づき逸脱危険度MLCの分散として通常MLCが演算される(MLCの分散学習)。逸脱危険度MLCは、前述したように、車両Mの走行車線からの逸脱の回避に必要な最小限のヨーレートである。なお、このS02の通常MLC演算処理は、図4に示す一連の制御処理とは別の処理として実行されてもよい。
そして、S03に処理が移行し、車両が無操舵状態であるか否かが判定される。この判定処理は、車両の運転者のハンドル操作において無操舵状態となっているか否かを判定する処理であり、無操舵状態判定部52により実行される。例えば、車両のハンドルの操舵角が設定時間以上変化していない場合に無操舵状態であると判定され、ハンドルの操舵角が設定時間以内に変化している場合に無操舵状態でないと判定される。このとき、操舵角が変化しているか否かの判定は、操舵角が設定角度以上変化していないときには操舵角変化なしと判定され、操舵角が設定角度以上変化しているときには操舵角変化ありと判定される。設定時間及び設定角度としては、予めECU5に設定される設定値が用いられる。
S03にて無操舵状態でないと判定された場合には、運転者が意識低下状態でないと判断され、S04に処理が移行する。一方、S03にて無操舵状態であると判定された場合には、無操舵危険度演算処理が行われる(S05)。
無操舵危険度演算処理は、通常逸脱度演算部51により算出された通常MLCに基づく(意識低下判定の判定基準となる)閾値を、運転者ごとに決定して記憶する処理であり、無操舵危険度演算部53により実行される。具体的に説明すると、無操舵危険度演算部53は、図3(a)において破線で示された被験者Bについての分散グラフについて、確率密度がゼロになる(又は、ゼロに近い所定の確率密度に対応する)MLC(値b)を、被験者Bについての閾値として設定する。ここで、無操舵危険度演算部53は、ここで設定された閾値を、被験者Aについての閾値としても設定することはなく、図3(b)に示すように、太い実線で示された被験者Aについての分散グラフについて、確率密度がゼロになる(又は、ゼロに近い所定の確率密度に対応する)MLC(値a)を、被験者Aについての閾値として設定する。
そして、S06に処理が移行し、車両Mの走行車線に対する無操舵状態での逸脱危険度(無操舵危険度)が、無操舵危険度演算部53により決定された閾値以上であるか否かが判定される。この判定処理は、無操舵危険度判定部54により実行される。無操舵危険度は、現時点での逸脱危険度MLCを、通常逸脱度演算部51によって算出された分散で除することによって得られる。ここで、被験者Aが運転中の場合、被験者Aの車両の無操舵危険度が、被験者Aについて決定された閾値以上であるか否かが判定され、被験者Bが運転中の場合、被験者Bの車両の無操舵危険度が、被験者Bについて決定された閾値以上であるか否かが判定される。
このS06にて無操舵危険度が閾値以上でないと判定された場合には、運転者が意識低下状態でないと判断され、S04に処理が移行する。
S04では、意識低下でないとの認識処理が行われる。例えば、運転者の意識低下状態を認識するためのフラグがオフとされる。
一方、S06にて無操舵危険度が閾値以上であると判定された場合には、意識低下判定処理が行われる(S07)。意識低下判定処理は、運転者が意識低下状態であると判定し認識する処理である。例えば、運転者の意識低下状態を認識するためのフラグがオンとされ、そのフラグにより運転者が意識低下状態であることが認識される。
そして、S08に処理が移行し、警報処理が行われる。警報処理は、警報部6に対し警報制御信号を出力する処理である。この警報処理により、警報部6が運転者に対し警報動作、例えば音声もしくは警報音を発したり、モニタもしくはディスプレイに警報表示を行ったり、ハンドルもしくはシートに警報振動を与えたりする。これにより、運転者は意識低下状態から覚醒状態となる。S04及びS08の処理を終えたら、一連の制御処理が終了する。
以上のように、本実施形態に係る意識低下判定装置によれば、所定時間における逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値が決定され、車両Mの走行車線に対する無操舵状態での逸脱危険度(無操舵危険度)が、決定された閾値以上であると判定された場合に、運転者が意識低下状態であると判定される。このように、運転者ごとに異なる運転特性としての逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値が決定されて意識低下判定が行われるため、運転者が異なったために意識低下状態を検出できなくなってしまうことを抑制することができる。この結果、運転者ごとに異なる運転特性に対するロバスト性を高めて精度よく意識低下判定が行える。
例えば、本実施形態に係る意識低下判定装置に対する比較例として、ある運転者について設定された閾値を別の運転者についても設定してしまう場合(運転者ごとに設定値を変えない場合)を考える。
この比較例においては、図3(a)に示すように、ハンドル操作のフラツキが比較的少ない被験者Bについて設定された閾値bを、ハンドル操作のフラツキが比較的多いが(覚醒状態であるため)意識低下状態であると検出されない被験者Aについても設定してしまうと、覚醒状態である被験者AのMLCがこの閾値bを超過したときに意識低下状態であるとして誤検出してしまうおそれがある。
更に、図3(b)に示すように、ハンドル操作のフラツキが比較的多いが(覚醒状態であるため)意識低下状態であると検出されない被験者Aについて設定された閾値aを、ハンドル操作のフラツキが比較的少ない被験者Bについても設定してしまうと、被験者Bが意識低下状態となってMLCが閾値bより大きく閾値a未満の状態になっても、意識低下状態であることを検出できず未検出となってしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態に係る意識低下判定装置では、図3(b)に示すように、ハンドル操作のフラツキが比較的多い被験者Aについては閾値aが設定され、ハンドル操作のフラツキが比較的少ない被験者Bについては閾値bが設定されて意識低下判定が行われる。
これにより、覚醒状態である被験者AのMLCが閾値bを超過しても閾値aを超過していなければ、被験者Aが意識低下状態であるとして誤検出してしまうことがなくなる。また、覚醒状態である被験者BのMLCが閾値bを超過しても被験者Bの意識低下状態を検出できず未検出となってしまうことがなくなる。すなわち、運転者としての被験者が異なったために意識低下状態の誤検出や未検出が発生することを低減することができる。この結果、精度よく意識低下判定が行える。
なお、本実施形態に係る意識低下判定装置では、所定時間における逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値が決定されて判定処理が行われる。このため、例えば車両間に個体差があっても、各車両において逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値が決定されて判定処理が行われるため、車両間の個体差によるMLC差を吸収して精度よく意識低下判定が行える。
図3を用いて具体的に説明すると、例えばハンドルに遊びが比較的多い(車両がフラツキにくい)第一の車両に関して決定された閾値bを、第一の車両よりもハンドルに遊びが少ない(車両がフラツキやすい)第二の車両にも適用すると、第二の車両を運転中の運転者が覚醒状態であってもこの遊びの少ないハンドルによってMLCが閾値bを超過したときに意識低下状態であるとして誤検出してしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係る意識低下判定装置が第二の車両に搭載されていれば、第二の車両について所定時間における逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値aが決定されて判定処理が行われる。このため、覚醒状態であるこの運転者のMLCが閾値bを超過しても閾値aを超過していなければ、意識低下状態であるとして誤検出してしまうことがなくなる。
同様に、例えば天候や車外の明暗等の違いによる外部環境差があっても、各環境において逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値が決定されて判定処理が行われるため、環境差に関わらず精度よく意識低下判定が行える。
図3を用いて具体的に説明すると、例えば晴天時(又は車外が明るい時)において車両に関して決定された閾値bを、車両の進行方向のフラツキが多くなりがちな雨天時(又は車外が暗い時)における車両にも適用すると、雨天時における車両を運転中の運転者が覚醒状態であってもMLCが閾値bを超過したときに意識低下状態であるとして誤検出してしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係る意識低下判定装置がこの車両に搭載されていれば、雨天時に運転する際には雨天時の車両について所定時間における逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値aが決定されて判定処理が行われる。このため、覚醒状態である運転者のMLCが閾値bを超過しても閾値aを超過していなければ、意識低下状態であるとして誤検出してしまうことがなくなる。
また、本実施形態に係る意識低下判定装置においては、所定時間は、車両の運転開始からの所定時間とすることにより、意識低下状態でない可能性が高い車両Mの運転開始からの所定時間における、車両Mの走行車線に対する逸脱危険度MLCの分散に基づく閾値が決定され、無操舵危険度がこの閾値以上であると判定された場合に、運転者が意識低下状態であると判定される。このように、意識低下状態でない可能性が高い状態で閾値が決定されるため、意識低下状態になった場合にそのことを、より精度よく判定することができる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る意識低下判定装置の実施形態を説明したものであり、本発明に係る意識低下判定装置は本実施形態に記載したものに限定されるものではない。本発明に係る意識低下判定装置は、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係る意識低下判定装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、図4のS03及びS06の判定処理は、その順番を入れ替えて処理を実行してもよい。また、図4の一連の制御処理において、本実施形態に係る意識低下判定装置の作用効果が得られれば、その一部の処理を省略し又は追加の処理を行って実行してもよい。
1…意識低下判定装置、2…前方検知センサ、3…車速センサ、4…操舵角センサ、5…ECU、6…警報部、51…通常逸脱度演算部、52…無操舵状態判定部、53…無操舵危険度演算部、54…無操舵危険度判定部、55…警報制御部、56…情報格納部、M…車両。

Claims (2)

  1. 車両の運転者が意識低下状態であるか否かを判定する意識低下判定装置において、
    所定時間における前記車両の走行車線に対する逸脱危険度の分散を算出する分散算出手段と、
    前記分散算出手段により算出された前記分散に基づく設定値を決定する設定値決定手段と、
    前記車両の走行車線に対する逸脱危険度が、前記設定値決定手段により決定された前記設定値以上であるか否かを判定する危険度判定手段と、
    前記危険度判定手段により前記逸脱危険度が前記設定値以上であると判定された場合に、前記運転者が意識低下状態であると判定する意識低下判定手段と、
    を備えたことを特徴とする意識低下判定装置。
  2. 前記所定時間は、前記車両の運転開始からの所定時間である、請求項1に記載の意識低下判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024257264A1 (ja) * 2023-06-14 2024-12-19 日本電信電話株式会社 運転集中度推定装置、運転集中度推定方法、及びプログラム

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