本実施例においては、その前提技術として、遊技機における遊技結果の情報を二次元コード画像の形で遊技機画面に表示し、それを遊技者が自己の携帯端末のカメラ機能を用いて撮影することで情報を読み取ることができる。読み取った情報は専用ウェブサーバに送信されて遊技履歴として蓄積される。遊技者が再び遊技をする際、自己の携帯端末で専用ウェブサーバにアクセスすると、その携帯端末の識別情報と紐付けられた遊技履歴の情報を符号化した文字列(以下、この文字列を「パスワード」という)が携帯端末の画面に表示される。遊技者はそのパスワードを遊技機に入力すると、前回までの遊技結果の続きとなる形で遊技を開始することができる。
ここで、不正行為と考えられるエラーが検知されても、その場では本当に不正行為が行われたかを適切に判断することは困難である。このため本実施例では、遊技システムにおいて、遊技履歴サーバは、遊技者の携帯端末において符号化情報から所定の復号処理により復元された遊技履歴データを携帯端末からネットワーク経由で受信し、受信した遊技履歴データを遊技者ごとに蓄積する。また、遊技履歴サーバは、携帯端末からパスワード生成リクエストを受信した場合にパスワードを携帯端末へ送信する。遊技機は、遊技結果を二次元コードとして表示するよう遊技者により入力操作された場合、パスワードが入力され遊技履歴データを記憶した後にエラー検知手段によって検知されたエラー検知結果を遊技結果とともに符号化して二次元コードを生成し、表示する。遊技履歴サーバは、二次元コードから復元されたエラー検知結果をエラー履歴データとして遊技者ごとに蓄積する。遊技履歴サーバは、携帯端末からパスワード生成リクエストを受信した場合、エラー履歴データをパスワードに含ませて携帯端末へ送信する。遊技機は、遊技者の操作により入力されたパスワードを取得し、パスワードからエラー履歴データを抽出する。遊技機は、抽出されたエラー履歴データを用いて、携帯端末に対応するエラー履歴を外部に報知する。これにより、エラー履歴を携帯端末に対応付けて管理することができ、その携帯端末を持つ遊技者が不正行為を行う可能性を予め予測することが可能となる。以下、本実施例について、各図面に関連して詳細に説明する。
図1は、遊技システムの構成例を概略的に示す図である。遊技システム320は、「遊技機」の例であるぱちんこ遊技機10と、「専用ウェブサーバ」の例である遊技履歴サーバ314とを含む。ぱちんこ遊技機10と遊技履歴サーバ314は、遊技者所有の携帯端末310を媒介にして情報を交換する。まず、ぱちんこ遊技機10の液晶画面に表示された二次元コード画像316を遊技者が自己の携帯端末310に内蔵のカメラ機能により撮影して読み取り、その二次元コード画像316を文字列等のデータに復号する。二次元コード画像316は、データが二次元的に符号化されて形成される画像であり、符号化された内容を復元する所定の復号処理を実行するための撮像手段により撮像可能な態様で表示させる符号化情報である。二次元コード画像316には、例えばQRコード(登録商標)などの様々な規格があり、各種の二次元コード画像を文字列に変換する技術は周知であるためその説明を省略する。復号後の文字列の情報には、遊技履歴サーバ314のネットワークアドレス情報としてURL(UniformResourceLocator)の情報が含まれており、携帯端末310のブラウザ機能または専用アプリケーションソフトウェアを通じてネットワーク312経由で遊技履歴サーバ314へアクセスする。
ぱちんこ遊技機10と遊技履歴サーバ314が遊技者の携帯端末310を媒介にして情報を交換するために、遊技者の携帯端末310が遊技履歴サーバ314にユーザ登録されていることを前提とする。ただし、まだユーザ登録をしていない遊技者は、ぱちんこ遊技機10を操作して新規ユーザ登録の実行を指示し、初期的な二次元コード画像316を遊技機画面に表示させる。その二次元コード画像316には基本的に遊技履歴サーバ314のURLだけが含まれている。そのURLに示される遊技履歴サーバ314へ携帯端末310でアクセスすると、携帯端末310へ一意に割り当てられた固有の識別情報である個体識別番号が遊技履歴サーバ314へ送信される。遊技履歴サーバ314は、その個体識別番号を用いてユーザ登録を行う。遊技履歴サーバ314は携帯端末310に対して新しくパスワードを発行する。このパスワードは遊技履歴を符号化したデータであり、これを画面で確認した遊技者がぱちんこ遊技機10のボタン操作で入力すると、その時点からその遊技者がぱちんこ遊技機10における遊技を開始したものとみなされる。なお、初期的な遊技履歴には、遊技実績がゼロであることを示すパラメータが含まれる。
遊技時間が経過して遊技者が遊技を終えようとするとき、遊技者はぱちんこ遊技機10を操作してその画面に二次元コード画像316を表示させる。この二次元コード画像316には、遊技開始から終了までの遊技結果の情報が符号化されて含められる。遊技者が二次元コード画像316を携帯端末310で撮影して読み取ると、変換で得られるURLをもとに携帯端末310はネットワーク312を経由して遊技履歴サーバ314へアクセスして遊技結果の情報を送信する。遊技履歴サーバ314は、受け取った遊技結果の情報を携帯端末310の個体識別番号に対応させて遊技履歴データとして蓄積する。遊技履歴サーバ314は複数の遊技者、すなわち複数の携帯端末310からの遊技結果の情報を集約し、演出ごとの実際の出現頻度を統計処理で求める。
遊技者が新たにぱちんこ遊技機10での遊技を開始する場合、携帯端末310で遊技履歴サーバ314へアクセスすると、同時に送信される個体識別番号によって携帯端末310が遊技履歴サーバ314に認識される。遊技履歴サーバ314は、その個体識別番号に対応する遊技履歴を参照し、新たにパスワードを発行する。遊技者はそのパスワードをぱちんこ遊技機10へ入力することで、前回までの遊技履歴が反映された状態から遊技を開始することができる。
二次元コード画像316には、ぱちんこ遊技機10において悪質な不正行為がなされた場合にその旨を示すエラーの内容が含められてもよい。遊技履歴サーバ314には、遊技結果とともにエラーの内容も蓄積されるため、遊技履歴サーバ314はエラーの回数が所定回数を超えた遊技者について常習的な不正行為者であると推定することもできる。遊技履歴サーバ314が不正行為者と推定した遊技者に対しては、その遊技者の遊技履歴を削除する措置、その遊技者の携帯端末310に警告を表示する措置、遊技店やメーカーへ通知する措置などの対応策をとることができる。
ぱちんこ遊技機10で何らかの不具合が生じたときに報知される複数種類のエラーには、遊技の進行に影響を及ぼすことに鑑み、電源オフするまで報知を解除しない種類のエラーもある。その場合、電源オフによってその時点までの遊技結果の破損や消失を懸念する遊技者のために、ぱちんこ遊技機10はその時点までの遊技結果を符号化した二次元コード画像316を画面に表示してもよい。二次元コード画像316は遊技者が遊技を終了させようとするときにその終了指示の入力に対して表示されることを原則とするが、エラー報知時の二次元コード画像316の表示は、遊技者による終了指示がなくとも例外的に自動表示される。この二次元コード画像316を遊技者が撮影して遊技履歴サーバ314へ遊技結果のデータが送られると、そのデータはバックアップとして保存され、最終的に正式な遊技終了時における遊技結果が遊技履歴サーバ314へ送信されたときに破棄され、または結合される。
ぱちんこ遊技機10に対する遊技者による二次元コード画像316の出力指示には、遊技終了時に指示する終了指示の他、遊技途中における中途表示指示があってもよい。終了指示の場合、ぱちんこ遊技機10は二次元コード画像316を表示して所定時間、例えば3分が経過した後、記憶していた遊技結果の情報を消去する。一方、中途表示指示の場合、ぱちんこ遊技機10は二次元コード画像316を表示した後も遊技が継続されることを前提とするため、記憶していた遊技結果の情報は消去しない。中途表示指示をした遊技者は、その時点における遊技結果を中間結果として携帯端末310の画面で確認することができる。例えば、1日に図柄変動表示を5000回繰り返すといったミッションに挑戦しているとき、その途中で図柄変動表示が現在何回であるかを確認するといった用途に適した機能である。
ぱちんこ遊技機10に用意された複数のミッションの中には、遊技中に二次元コード画像316を表示させてその画像を撮影することを達成条件とするミッションが含まれていてもよい。この場合の二次元コード画像316はミッション達成の条件として表示される特別な画像であり、通常の遊技結果を示す二次元コード画像316とは異なる。ミッション達成の条件となる二次元コード画像316は、その表示時間が遊技状況に応じて複数の時間長さから選択される。表示時間が短ければ撮影に間に合わない可能性が高く、表示時間が長ければ落ち着いて撮影できる可能性が高くなる。例えば、遊技結果として大当りの回数が多いほど長い表示時間が選択される構成とすることにより、大当りを繰り返すほどミッションを達成しやすくなるといった遊技性を実現できる。
ぱちんこ遊技機10は、いわゆる先読み機能を有してもよい。すなわち、始動入賞口へ入賞し、保留された当否抽選値に対応する図柄変動表示の開始タイミングとなる前にその当否抽選値に基づく仮の当否判定、図柄決定、変動パターン決定を実行する。このとき、仮の当否判定、図柄決定、変動パターン決定の結果に応じて特定のミッションが達成されることが判明した場合であって、遊技者がパスワードをぱちんこ遊技機10に登録していなかった場合に、ミッション達成の予告を遊技者に報知してもよい。これに対して遊技者はミッション達成タイミングまでにパスワードを入力するのは時間的に困難であるため、ぱちんこ遊技機10は遊技者がボタンを押下するだけでパスワードを仮登録した状態とみなす。その後、図柄変動が停止して当否抽選値の保留がなくなり、デモ画面が表示されたときなどに正式にパスワードを入力すれば、仮登録のタイミングまで遡った遊技結果が遊技終了時に出力される遊技結果に反映される。
二次元コード画像316には、大当りが発生したときの図柄種類の情報とその次に発生する大当りまでの図柄変動表示回数の情報が含まれてもよい。この場合、大当りが発生してもその大当りが確率変動を伴うか否かは演出上明示されず、多数用意される特別図柄の種類で示されることが前提となる。一部の遊技者は雑誌やインターネット、自己の経験で得た知識をもとに、どの図柄種類の大当りが確率変動を伴うかを認識するが、新しく発売されたばかりの機種においては、どの図柄種類の大当りが確率変動を伴うかの情報が世間に広まっていない。ここで、図柄種類および図柄変動表示回数の情報が遊技履歴サーバ314に蓄積され、他の遊技者により送信された図柄種類および図柄変動表示回数の情報とともに集約され、図柄ごとに次の大当りまでの平均図柄変動表示回数が算出される。遊技履歴サーバ314は遊技者からの表示要求に応じて図柄ごとの平均図柄変動表示回数を携帯端末310へ表示させる。これにより、遊技者は遊技履歴サーバ314から統計的な情報を得て確率変動を伴う大当り図柄を推測するときの判断材料にすることができる。
ぱちんこ遊技機10は、リアルタイムクロックを内蔵してもよく、リアルタイムクロックによる日付および時刻の情報に基づいて特定の日時に特定の演出を発生させてもよい。特に、ぱちんこ遊技機10の製品出荷時にあらかじめ出荷日ないし遊技店導入日の情報をぱちんこ遊技機10に登録しておき、「出荷ないし導入から3日目に特定の演出を発生させる」といった出荷日ないし遊技店導入日を基準とした演出の発生を実現することができる。またそういった特定の演出の発生をミッションの一つとしてもよい。
ぱちんこ遊技機10に用意された複数のミッションの中には、パスワードの入力時刻から遊技終了時における二次元コード画像316の表示時刻までの時間が所定時間を超えていた場合に達成したと判定するミッションが含まれていてもよい。そのミッションは、パスワードの入力時刻が、遊技店の開店時刻として設定された第1の基準時刻から所定時間以内であることをさらに条件としてもよい。また、遊技終了時における二次元コード画像316の表示時刻が、遊技店の閉店時刻として設定された第2の基準時刻から所定時間以内であることをさらに条件としてもよい。また、パスワードの入力時刻から遊技終了時における二次元コード画像316の表示時刻までの間における図柄変動表示回数が所定回数を超えていることをさらに条件としてもよい。
ぱちんこ遊技機10に用意された複数のミッションの中には、二日をまたいで同じ台の遊技機にて連続して遊技をした場合や、二日をまたいで連続的に有利な遊技状態を継続させて遊技をした場合に達成したと判定するミッションが含まれていてもよい。そのミッションは、前日等の電源オフ時に有利な遊技状態であったことがバックアップメモリに保存されており、遊技機の電源をオンした時点でその有利な遊技状態が継続されたときにパスワードが入力されたことを条件としてもよい。また、遊技機のバックアップメモリに保存された遊技者を特定できる情報と、電源オンした後に最初に入力されたパスワードに含まれる遊技者を特定できる情報とが一致することをさらに条件としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技媒体としての遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」といった数字、文字、記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。決定ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する入力手段である。本実施例においては、例えば二次元コード画像316の表示やパスワードの入力を開始するための指示として決定ボタン82が遊技者により押下される。十字ボタン84は、遊技者が上下左右の各方向を指示するために操作する入力手段であり、その押下されたボタンが示す方向により上下左右いずれかの方向が指示される。例えばパスワードの文字列を入力するときに画面内でカーソル位置を動かすための方向指示が十字ボタン84の押下によってなされる。決定ボタン82および十字ボタン84は、上球皿15近傍の外壁面にて互いに隣接する位置に設けられる。可動役物140は、演出に連動して動作が制御される可動物であり、その動作によって演出的役割を果たす。
また、ぱちんこ遊技機10には、エラーセンサ92が設けられている。エラーセンサ92は、不正行為が行われた可能性があることを示す所定のエラーを検知する。具体的には、エラーセンサ92は、振動検知センサ(図示せず)、磁力検知センサ(図示せず)、および電波検知センサ(図示せず)を含む。例えば、始動口62に入球させるために遊技機をたたく、または揺らすなどの不正行為は、振動検知センサによって検知される。また、始動口62の付近に磁石を置いて始動口62に入球しやすい状態とする不正行為は、磁力検知センサによって検知される。また、ぱちんこ遊技機10内部の電子部品、電気部品に電波を与えることにより遊技機を誤動作させて賞球を得ようとする不正行為は、電波検知センサによって検知される。これらのセンサの構成は公知であるため説明を省略する。警告ランプ94は、ホールの店員または遊技者への警告を要するときに点灯される。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図3は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図4は、携帯端末310における画面例を模式的に示す図である。(a)の携帯端末画面300は、ぱちんこ遊技機10の画面に表示された二次元コード画像316を携帯端末310のカメラ機能で撮像しているときの画面内容である。携帯端末310はこの二次元コード画像316を読み取って文字列に変換する機能を有する。二次元コード画像316には、最大で約3キロバイトの情報が含まれ、二次元コード画像316を発行した遊技機種に対応する遊技履歴サーバ314のURLの他、遊技回数、すなわち図柄変動表示回数や大当りの数、クリアーしたミッションの数等の遊技結果が含まれる。
(b)の携帯端末画面300は、ユーザ登録をしていない状態で携帯端末310から遊技履歴サーバ314へアクセスしたときにユーザ登録を遊技者に促すための画面例である。(b)の携帯端末画面300にはユーザ登録ボタン322が表示される。携帯端末310による遊技履歴サーバ314へのアクセスには携帯端末310の個体識別番号が送られるため、遊技者がユーザ登録ボタン322を選択すると、遊技履歴サーバ314においてその個体識別番号に紐付いたユーザ登録が実行される。
(c)の携帯端末画面300は、遊技者が新しいパスワード発行を遊技履歴サーバ314へ指示するときの画面例である。(c)の携帯端末画面300にはパスワード発行ボタン324が表示され、遊技者がパスワード発行ボタン324を選択すると、次の(d)の画面が表示される。
(d)の携帯端末画面300は、携帯端末310の個体識別番号に対応して遊技履歴サーバ314に保持された遊技履歴を符号化したパスワード326が表示された画面例である。このパスワード326は32種の文字または記号が5桁で構成され、最大で25ビットの情報量を持つ。25ビットのうち、例えば所定ビットが「1」のときに所定範囲のビット列を参照することとし、そのビット列が変更対象となる演出パターンを示す値に設定されていてもよい。例えば所定の3ビットのビット列にて8種類の演出パターンを示すことができる。遊技者はこの5桁のパスワード326をぱちんこ遊技機10へ入力する。
図5は、演出表示装置60における画面例を模式的に示す。(a)の遊技機画面330は、遊技者がパスワードを入力するための演出表示装置60の画面例である。遊技者は十字ボタン84を操作して文字記号候補334の上でカーソル336を上下左右に動かし、決定ボタン82を押下したときにカーソル336が示す文字または記号がパスワード入力欄332に入力され、表示される。こうしてパスワードとなる5桁の文字列が入力される。(b)の遊技機画面330は、遊技結果を示す二次元コード画像316が表示された演出表示装置60の画面例である。遊技者が遊技を終了させるとき、決定ボタン82を押下して「遊技結果コード」として二次元コード画像316の表示を指示すると、この(b)の遊技機画面330が表示され、その時点における遊技結果が符号化された二次元コード画像316が表示される。遊技者はこの二次元コード画像316を自分の携帯端末310のカメラ機能で撮影すると、二次元コード画像316が読み取られて携帯端末310内で文字列等のデータに復号される。
図6は、遊技結果を遊技履歴サーバ314へ転送した後の携帯端末310の画面例を模式的に示す図である。(a)の携帯端末画面300は、最新の遊技結果を遊技履歴サーバ314へ転送したときの画面例である。(a)の携帯端末画面300には、その日に遊技者が遊技をした結果を示す各種パラメータの数値が表示される。例えば「ゲーム数:2549G」のように、その日の遊技開始から遊技終了までに実行された当否抽選回数ないし図柄変動表示回数が表示される。また、「大当り数:8回」のようにその日に引き当てた大当りの回数が表示され、「ミッション達成数:1個」のようにその日に達成したミッションの数が表示される。また、「確変回数:6回」のようにその日の遊技開始から遊技終了までに獲得した確変付き大当りの回数が表示される。これら遊技結果を示す値は図5(b)の遊技機画面330に表示された二次元コード画像316において符号化された情報に含まれており、この情報を受け取った携帯端末310は、遊技結果を示す値を遊技履歴サーバ314へ転送する。
(b)の携帯端末画面300は、通算の遊技履歴を表示させたときの画面例である。遊技履歴サーバ314には携帯端末310ごとに遊技結果の通算が遊技履歴として蓄積されており、遊技者の指示で(b)の遊技履歴の表示指示があったときに本図のような通算遊技履歴が表示される。例えば「総ゲーム数:52813G」のように、当否抽選ないし図柄変動表示の通算実行回数が表示される。また、「総大当り数:172回」のように大当りの通算回数が表示され、「総ミッション達成数:31個」のように達成したミッションの通算回数が表示される。また、「総確変回数:131回」のように獲得した確変付き大当りの回数が表示される。
(c)の携帯端末画面300は、ミッションの達成状況を表示させたときの画面例である。この携帯端末画面300では、複数のミッションが一覧表示され、そのうちすでに達成されたミッションの左側に丸印が表示される。遊技者はこの一覧表示されたミッションのすべてについて丸印が表示されることを目指すアイテム収集のようなゲームを楽しむことができる。
図7は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、決定ボタン82、十字ボタン84、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136、履歴処理手段138を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましいが、必ずしも同じ数字でなくともよい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果や変動パターンの種類に応じて異なる欄が参照されるように設定されている。例えば、当否抽選が当りの場合には外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。また、大当りの可能性が相対的に高いことを示唆する変動パターンが選択されるときほど高い確率で予告演出を表示させるよう、変動パターンの選択結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これらの対応関係により、予告演出パターンごとに個別の選択確率が定まる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出決定手段132は、複数のミッション達成条件が定められた複数種類のミッションパターンを保持する。演出決定手段132が変動演出パターンを選択するたびに、または予告演出パターンを選択するたびに、達成条件を満たすミッションパターンが存在するかを判定し、条件を満たしたミッションパターンがあればその種類および達成された旨を演出表示制御手段134により画面に表示させる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。履歴処理手段138は、遊技結果の出力やパスワードの入力を処理する。エラー報知手段139は、警告ランプ94を点灯させることにより、ホールの店員への警告を行う。
図8は、履歴処理手段138の構成を詳細に示すブロック図である。履歴処理手段138は、入力制御手段142、データ抽出手段144、遊技履歴記憶手段146、符号生成手段148、出力制御手段150を含む。入力制御手段142は、入力手段としての決定ボタン82および十字ボタン84を遊技者が操作することにより入力される指示や文字列の情報を取得する。より具体的には、決定ボタン82および十字ボタン84から受け取る選択信号に基づいて、指示内容や文字列を特定する。指示内容としては、例えば二次元コード画像316を画面に表示させる指示や、パスワード入力画面を表示させる指示である。文字列の特定方法としては、選択信号に基づいて複数の文字記号候補の中から遊技者が入力を指定した文字または記号を一つずつ特定することにより、パスワードとしての5桁の文字列を認識する。
データ抽出手段144は、入力制御手段142からパスワードの文字列を受け取り、その文字列を所定の復号方式にしたがって復号した25ビットのデータから当該遊技機の機種における遊技者の遊技履歴データを抽出する。例えば、25ビットのデータのうち所定範囲のビット列が遊技履歴を示すことがあらかじめデータ構成の仕様として定められ、その仕様に則り遊技履歴が抽出される。抽出された遊技履歴データは遊技履歴記憶手段146へ送られる。
遊技履歴記憶手段146は、RWM(Read Write Memory)とも呼ばれる揮発メモリと、ぱちんこ遊技機10の電源がオフになっても記憶を保持できるバックアップメモリと、を含む。遊技履歴記憶手段146は、抽出された遊技履歴データをデータ抽出手段144から受け取り、これを遊技終了の指示があるまでRWMに記憶するか、または、新たにパスワードが入力されて別の遊技履歴データを受け取るまでRWMに記憶する。ここでいう遊技終了の指示は、遊技者が決定ボタン82および十字ボタン84を操作して二次元コード画像316を画面に表示させる指示をいう。遊技終了の指示があったとき、またはその指示から所定時間経過後に遊技履歴記憶手段146が遊技履歴データおよび遊技結果のデータをRWMから消去する。遊技履歴記憶手段146は、遊技終了の指示があったか否かにかかわらず、新たにパスワードが入力されて別の遊技履歴データを受け取ったときに古い遊技履歴データがRWMに残っていればこれを上書きする。
演出決定手段132は、事実上の遊技開始の指示であるパスワードの入力があった場合に、それ以降の遊技回数として当否抽選回数ないし図柄変動回数をカウントし、大当りや小当りの回数、確変大当りの回数をカウントする。また、変動演出パターンの種類別の選択回数や予告演出パターンの種類別の選択回数もカウントする。さらに、達成されたミッションパターンの種類を特定する。これらカウントした結果およびミッションパターンの種類は、遊技履歴記憶手段146のRWMに、パスワードの入力時点以降の遊技結果として蓄積される。この遊技結果もまた、遊技終了の指示によって符号化された後、またはその指示から所定時間経過後にRWMから消去される。また、遊技終了の指示があったか否かにかかわらず、新たにパスワードが入力されて別の遊技履歴データを受け取ったときに、遊技結果のデータがRWMに残っていればこれを消去する。
演出決定手段132は、各ミッションの達成を判定するとき、遊技履歴記憶手段146に記憶された遊技履歴データまたは遊技結果にすでに達成されたことが記されたミッションパターンは達成判定の対象から外し、未達成のミッションパターンのみを判定する。
符号生成手段148は、二次元コード画像316の表示指示を入力制御手段142から受け取った場合、パスワードが入力された以降の遊技結果を示すデータを遊技履歴記憶手段146のRWMから読み出し、これを符号化して二次元コード画像316を生成する。この遊技結果を示すデータには、遊技履歴サーバ314のURLの他、例えば当否抽選または図柄変動表示の回数、大当りの回数、達成したミッションの種類、発生した確変の回数を示す値が含まれる。生成した二次元コード画像316は出力制御手段150へ送られる。
出力制御手段150は、生成された二次元コード画像316を演出表示制御手段134により出力手段としての演出表示装置60の画面に表示させる。
図9は、遊技履歴サーバ314の構成を詳細に示すブロック図である。本図の遊技履歴サーバ314は、特定のぱちんこ遊技機10の機種に対する専用ウェブサーバとして例示する。この点、遊技履歴サーバ314は、遊技機の機種ごとに物理的に異なるサーバを構築してURLを異にする設計としてもよいし、物理的には同じサーバに複数機種のデータ蓄積機能を設けてURLを異にする運用をしてもよい。遊技履歴サーバ314は、データ送受信手段152、データ蓄積手段154、符号化処理手段156を含む。
データ送受信手段152は、携帯端末310からネットワーク312を経由して遊技結果のデータや個体識別番号等のデータを受信する。ネットワーク312は、例えば携帯電話のパケット通信網やインターネットである。データ送受信手段152は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)通信により、携帯端末310のブラウザからのリクエストを受け取り、その応答として携帯端末310にウェブページを送信して携帯端末310の画面に表示させる。ウェブページは、携帯端末310からリクエストおよび引数を受け取って動的に生成されるページであってもよい。データ送受信手段152は、携帯端末310から受け取った遊技結果のデータおよび個体識別番号をデータ蓄積手段154へ送る。個体識別番号は携帯端末310の端末ごとに一意に割り当てられた固有の識別情報であり、遊技履歴サーバ314は個体識別番号を用いて遊技者を識別する。個体識別番号は携帯端末310からの通信におけるHTTPヘッダに含まれる。
データ蓄積手段154は、データ送受信手段152から受け取った遊技結果のデータを、受け取った個体識別番号に基づいて遊技者別に蓄積していき、これを遊技者別の遊技履歴データとして記憶する。
符号化処理手段156は、携帯端末310からパスワード生成リクエストを受信した場合、データ蓄積手段154に記憶された遊技履歴データのうち少なくとも一部を符号化したパスワードを生成し、携帯端末310へ送信する。符号化処理手段156は、データ蓄積手段154に記憶された遊技履歴データのうち、ぱちんこ遊技機10において各ミッションの達成条件を満たすか否かを判定するのに必要な遊技履歴を抽出して符号化し、パスワードを生成する。例えば、すでに達成されたミッションの種類または未達成のミッションの種類を示す値や遊技回数を示す値、大当り回数を示す値などのパラメータが符号化される。
図10は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には本図(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には本図(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図11は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、本図(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、本図(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
本図(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
本図(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
本図(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図12は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは本図(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは本図(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは本図(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
本図(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図13において説明する。
本図(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
本図(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図13は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、保留制御手段116による当否抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがその分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。なお、本図の第2欄214、第3欄216、第4欄218の各パターン抽選値範囲の割合と第1欄212におけるパターン抽選値範囲の割合を比較するために、第1欄212のパターン抽選値範囲の割合を示す破線を第2欄214、第3欄216、第4欄218に描いている。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし外れ」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲より小さい。また、第3欄216および第4欄218では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし外れ」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし外れ」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が0から1、2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンである。また、第4欄218に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短く、第3欄216の「短縮変動」よりもさらに変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンである。
図14は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、デモ画面に関する制御を処理する(S15)。通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図15は、図14におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動演出パターンにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図16は、図15におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、変動パターン決定手段115が特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動演出パターンを選択する(S52)。
次に履歴処理手段138は、遊技結果を蓄積する遊技結果蓄積処理を実行する(S54)。このS54の遊技結果蓄積処理では、履歴処理手段138は、図柄変動表示回数、大当り数、確変付き大当り数、クリアーしたミッション数、特定の変動演出パターンの実行回数、特定の予告演出パターンの実行回数、などの各項目の回数を、当否抽選の結果や選択した演出パターンに応じて適宜インクリメントすることで、遊技結果を蓄積する。
図17は、図14におけるS15のデモ画面に関する制御処理を詳細に示すフローチャートである。図柄変動中ではなく(S200のN)、当否抽選値の保留もない場合(S202のN)、デモ画面を演出表示装置60に表示させる(S204)。デモ画面の表示中において遊技者による決定ボタン82の押下があった場合(S206のY)、パスワード入力や二次元コード画像316の表示のためのメニューを演出表示装置60へ表示させる(S208)。図柄変動中の場合や(S200のY)、当否抽選値の保留がある場合(S202のY)、または、遊技者による決定ボタン82の押下がなかった場合(S206のN)、以降のフローをスキップする。
ここで、遊技者による決定ボタン82および十字ボタン84の押下によりパスワード入力の指示があった場合(S210のY)、パスワード入力を受け付ける処理を実行する(S212)。パスワード入力の指示ではなく(S210のN)、遊技者による決定ボタン82および十字ボタン84の押下により二次元コード画像316の表示指示があった場合(S214のY)、二次元コード画像316の生成および表示処理を実行する(S216)。二次元コード画像316の表示指示もない場合(S214のN)、S216をスキップする。
遊技者によりパスワードの入力があった場合(S218のY)、そのパスワードを復号し(S220)、遊技履歴データを抽出する。このとき、パスワードにエラー履歴データが含まれているとき、データ抽出手段144は、パスワードからエラー履歴データも抽出する。遊技者によりパスワード入力がなかった場(S218のN)、S220からS2226までの処理をスキップする。
次にエラー報知手段139は、パスワードにエラー履歴データが含まれていたか否かを判定する(S222)。エラー履歴データが含まれていた場合(S222のY)、エラー報知手段139は、警告ランプ94を継続して点灯させることで、その遊技者に対応してエラー履歴データが構築されている旨をホールの店員に報知する(S224)。こうしてホールの店員は、警告ランプ94が継続して点灯している遊技機があるかに注意することで、不正行為を行う可能性がある遊技者がいるか否かを予め把握することができる。また、警告ランプ94が継続して点灯している遊技機があった場合に、その遊技機で遊技している遊技者の行動を監視するなどの対応策を講じることができる。なお、エラー報知手段139は、例えば遊技者に報知するなど、エラー履歴をホールの店員以外の外部に報知してもよい。エラー履歴データが含まれていない場合(S222のN)、S224の処理をスキップする。
なお、パスワードにエラー履歴データが含まれていた場合の対応がこれに限られないことは勿論である。例えば、エラー報知手段139は、エラー履歴データに含められていたエラー検知回数が所定回数より少ない場合は警告ランプ94を点滅させ、所定回数より多い場合は警告ランプ94を継続して点灯させるなど、エラー履歴データに含められていたエラー検知内容に応じて警告ランプ94の表示態様を異ならせてもよい。
また、エラーセンサ92による検知結果以外にも、エラーが検出されてもよい。例えば、履歴処理手段138は、付与されたものと異なるパスワードが入力された場合であって、その回数が所定回数に達したときに、エラーと判定してもよい。また、ぱちんこ遊技機10が、ある携帯端末310に付与したパスワードが入力され蓄積した遊技結果を含む二次元コード画像316が別の携帯端末310によって読み取られたと遊技履歴サーバ314が判定した場合、遊技履歴サーバ314は、エラーと判定してもよい。このときぱちんこ遊技機10または遊技履歴サーバ314は、エラーセンサ92によって検知されたエラーと異なる対応をしてもよい。このような「なりすまし」は、獲得できる賞球に変化が生じにくいため、磁石や電波などによる不正行為ほど重大ではないと考えられる。このため、後述するアカウント削除や遊技履歴の減算など、エラーセンサ92で検知されたエラーよりも軽度の対応としてもよい。
また、エラー報知手段139は、パスワードにエラー履歴データが含められていた場合、その旨またはエラー履歴データ自体を演出決定手段132に出力してもよい。このとき演出決定手段132は、パスワードにエラー履歴データが含められていない通常の場合と異なる演出が実行されるよう、演出パターンを決定してもよい。この場合、演出決定手段132は、例えばエラー履歴データを受信したときにしか選択されることのない演出パターンを選択してもよく、ある特定の演出パターンの選択頻度を高めるなどしてもよい。これにより、ホールの店員または遊技者に、その遊技者が不正行為を行う可能性が高いことを報知することができる。また、演出決定手段132は、特定の演出パターンの選択を回避する、またはすべての演出パターンの選択を回避する、など、遊技者に演出パターンの懲罰的な選択態様を採用してもよい。これにより、遊技者にその遊技機で遊技を進める楽しみを減殺させ、さらなる不正行為の実行を抑制することができる。
図18は、図17におけるS216の二次元コード表示処理を詳細に示すフローチャートである。履歴処理手段138は、履歴処理手段138によってエラー検知結果が保持されているか否かを判定する(S250)。エラー検知結果が保持されている場合(S250のY)、符号生成手段148は、遊技履歴データを記憶した後にエラー検知手段によって検知されたエラー検知結果を、遊技結果とともに符号化して二次元コード画像316を生成する。具体的には、符号生成手段148は、履歴処理手段138によって保持されているエラー検知結果を、履歴処理手段138によって保持されている遊技結果と共にデータ蓄積手段154のURLなども含めて符号化し、遊技結果コードとして二次元コード画像316を生成する(S252)。
エラー検知結果が保持されていない場合(S250のN)、履歴処理手段138は、履歴処理手段138によって保持されている遊技結果をデータ蓄積手段154のURLなども含めて符号化し、遊技結果コードとして二次元コード画像316を作成する(S258)。符号化が終了すると、履歴処理手段138は、作成した二次元コードを表示する(S254)。次に履歴処理手段138は、保持していた遊技結果およびエラー検知結果を削除する(S256)。これにより、パスワードが入力され遊技履歴データを取得したときから二次元コード画像316が読み取られたときまでの遊技結果およびエラー検知結果が削除される。
図19は、遊技履歴サーバ314において実行される遊技履歴管理処理を詳細に示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
ユーザによって二次元コード画像316が携帯端末310を用いて読み取られると、携帯端末310の個体識別番号とともに、符号化された遊技結果が遊技履歴サーバ314に送信される。このためデータ蓄積手段154は、携帯端末310から遊技結果を受信したか否かを判定する(S300)。遊技結果を受信した場合(S300のY)、データ蓄積手段154は、受信した遊技結果を蓄積して遊技履歴データを更新する遊技履歴蓄積処理を実行する(S302)。
遊技履歴蓄積処理が実行されると、データ送受信手段152は、更新された遊技履歴データを送信元の携帯端末310に返送する遊技履歴送信処理を実行する(S304)。具体的には、遊技履歴サーバ314のデータ送受信手段152は、更新後の遊技履歴データを、遊技結果の送信元の携帯端末310に返送する。このようなデータの返送方法は公知であるため説明を省略する。携帯端末310に送信された遊技履歴データは、遊技者に確認可能に携帯端末画面300に表示される。これにより遊技者は、二次元コード画像316を携帯端末310で読み取った後、その機種のぱちんこ遊技機10での遊技履歴を速やかに確認することができる。
このときデータ送受信手段152は、更新後においてミッションを達成した項目がある場合には、その項目でミッションが達成されたことを示す情報も、遊技履歴データとともに携帯端末310に送信する。これにより、遊技者は遊技履歴によっていずれのミッションが達成されたか否かを確認することができる。
遊技結果コードの読み取り時以外でも、遊技者は携帯端末310を用いていつでも遊技履歴サーバ314にアクセスして自己の履歴を確認できる。具体的には、遊技者は、遊技履歴サーバ314のURLを用いて遊技履歴サーバ314にアクセスし、携帯に表示される遊技履歴確認ボタン(図示せず)を操作することで、遊技履歴サーバ314に遊技履歴送信リクエストを送信することができる。
このため、上記遊技結果を受信していない場合(S300のN)、データ送受信手段152は、遊技履歴送信リクエストを受信したか否かを判定する(S306)。遊技履歴送信リクエストを受信した場合(S306のY)、データ送受信手段152は、リクエストの送信元に遊技履歴データを返送するための遊技履歴送信処理を実行する(S304)。この遊技履歴送信リクエストには遊技結果は含まれないので、遊技履歴データの更新はされず、データ蓄積手段154によって保持される遊技履歴データがそのまま携帯端末310に送信される。携帯端末310における遊技履歴の表示方法は上述と同様である。
遊技者は、パスワード発行ボタン324を操作することにより、ぱちんこ遊技機10に入力するためのパスワードを取得すべく、携帯端末310から遊技履歴サーバ314にパスワード生成リクエストを送信することができる。このため遊技履歴送信リクエストを受信していない場合(S306のN)、符号化処理手段156は、符号化情報生成リクエストを受信したか否かを判定する(S308)。符号化情報生成リクエストを受信した場合(S308のY)、符号化処理手段156およびデータ送受信手段152は、遊技履歴データとエラー履歴データとを合わせて符号化してパスワードを作成し、リクエストの送信元の携帯端末310に返送する符号化情報送信処理を実行する(S310)。符号化情報生成リクエストを受信していない場合(S308のN)、S310はスキップされ、本フローチャートにおける処理は一旦終了する。
図20は、図19におけるS302の遊技履歴蓄積処理を詳細に示すフローチャートである。データ蓄積手段154は、遊技結果を遊技履歴データに蓄積する(S350)。具体的には、データ蓄積手段154が保持する遊技履歴データは、その機種のぱちんこ遊技機10における、図柄変動表示回数、大当り数、確変付き大当り数、クリアーしたミッション数、特定の変動演出パターンの実行回数、特定の予告演出パターンの実行回数、など各項目の回数を含む。携帯端末310から送信される遊技結果は、その機種のぱちんこ遊技機10において、その機種のぱちんこ遊技機10へのパスワード入力時から遊技結果コードである二次元コード画像316が読み取られるまでの上記各項目の回数を含む。データ蓄積手段154は、遊技結果とともに受信した個体識別番号を利用して更新すべき遊技履歴データを特定し、遊技結果を用いて上記各項目の回数を更新する。
遊技履歴データが更新されると、データ蓄積手段154は、不正行為が行われたときに検知されるエラー検知結果を遊技結果とともに受信した否かを判定する(S352)。エラー検知結果も受信した場合(S352のY)、データ蓄積手段154は、遊技結果とともに受信した個体識別番号に対応付けてエラー履歴データを作成し、遊技結果とともに受信した個体識別番号に対応付けてエラー履歴データがすでに作成されている場合は、そのエラー履歴データにエラー検知結果を蓄積し、未作成の場合はエラー検知結果を用いて、その個体識別番号に対応付けてエラー履歴データを作成する(S354)。
なお、データ蓄積手段154は、エラー履歴データが所定の条件を満たしたときに、そのエラー履歴データと対応する遊技履歴データを削除してその遊技者のアカウントを削除してもよい。また、データ蓄積手段154は、エラー履歴データが所定の条件を満たしたとき、遊技履歴データに含まれる遊技履歴を過去の遊技履歴に差し替える、遊技履歴に含まれる図柄変動表示回数、大当り数、確変付き大当り数、クリアーしたミッション数、特定の変動演出パターンの実行回数、特定の予告演出パターンの実行回数、など各項目の回数を減少させてもよい。「所定の条件」は、振動エラー回数、磁力エラー回数、電波エラー回数が所定数を超えた場合であってもよく、他の条件であってもよい。これにより、これの項目のいずれかの回数が所定数になることにより達成されるミッションを達成しずらくさせることができ、エラー履歴データが作成された遊技者にペナルティを与えることができる。
さらに、データ送受信手段152は、S304の遊技履歴送信処理を実行するとき、警告メッセージが携帯端末310に表示されるよう、警告データも同時に携帯端末310に送信してもよい。これにより、エラー履歴データが作成されていることを遊技者に報知することができ、その遊技者によるさらなる不正行為の実行を抑制することができる。
また、データ蓄積手段154は、エラー検知結果とともに受信した携帯端末310の個体識別番号を用いて、その携帯端末310の所有者を特定してもよい。これにより、不正行為をする遊技者を直接特定することができる。
エラー検知結果がない場合(S352のN)、S354はスキップされる。このようにデータ蓄積手段154は、携帯端末310において二次元コード画像316から復元されたエラー検知結果をエラー履歴データとして、携帯端末310の個体識別番号に対応付けて蓄積する。これにより、エラー履歴データをその携帯端末310を持つ遊技者に対応付けて蓄積することができる。
図21は、図19におけるS310のパスワード送信処理を詳細に示すフローチャートである。パスワード生成リクエストを受信した場合、符号化処理手段156は、そのパスワード生成リクエストとともに受信した個体識別番号に対応するエラー履歴データがあるか否かを判定する(S370)。その個体識別番号に対応するエラー履歴データがない場合(S370のN)、符号化処理手段156は、遊技履歴データを符号化してパスワード作成する通常のパスワード作成処理を実行する(S376)。
しかし、その個体識別番号に対応するエラー履歴データがある場合(S370のY)、この個体識別番号の携帯端末310を所持する遊技者が不正行為を過去に行っている可能性がある。このため符号化処理手段156は、エラー履歴データが所定の不正行為判定基準を満たすか否かを判定することで、エラー履歴データが示す行為が不正行為に該当するか否かを判定する(S372)。不正行為判定基準を満たさない場合(S372のN)、符号化処理手段156は、遊技履歴を符号化してパスワード作成する(S376)。不正行為判定基準を満たす場合(S372のY)、符号化処理手段156は、エラー履歴を遊技履歴とともに符号化してパスワード作成する(S374)。こうして、パスワードには、不正行為判定基準を満たす場合にエラー履歴データが含められる。
例えばエラーセンサ92によってぱちんこ遊技機10に与えられた振動が検知された場合、一日に1回など非常に少ない回数であれば、その振動が不正行為以外の行為によって生じた可能性もある。このためこのような場合、符号化処理手段156は、この振動検知結果が不正行為判定基準を満たさないと判定する。
不正行為判定基準には、一日あたりの振動検知基準回数、電波検知基準回数、磁力検知基準回数が定められている。エラー履歴データがこのうち一つでも満たす場合、符号化処理手段156は、不正行為判定基準を満たすとして、エラー履歴データを遊技履歴データとともに符号化してパスワード作成する。なお、一日あたりの基準回数ではなく、1回の遊技毎の基準回数であってもよい。この場合の「1回の遊技」とは、パスワードを入力したときから二次元コード画像316が読み取られるまでをいう。
また、不正行為判定基準には、振動検知基準日数、電波検知基準日数、磁力検知基準日数が定められている。エラー履歴データがこのうち一つでも満たす場合、符号化処理手段156は、不正行為判定基準を満たすとして、エラー履歴データを遊技履歴データとともに符号化してパスワード作成する。これにより、何日にもまたがって振動などのエラーが検知された不正行為の常習者を把握することができる。なお、基準日数に代えて、基準遊技回数が定められていてもよい。1回の遊技の定義は上述と同様である。
なお、エラー履歴データが存在するときには、必ずエラー履歴を遊技履歴とともに符号化してパスワード作成してもよい。パスワードが作成されると、データ送受信手段152は、携帯端末に送信する(S378)。こうして符号化処理手段156は、携帯端末310からパスワード生成リクエストを受信した場合であって、エラー履歴データが不正行為判定基準を満たす場合に、エラー履歴データをパスワードに含ませて携帯端末310へ送信する。
図22は、図14におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図23は、図22におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図24は、図22におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図25は、図14におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図26は、図25におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図27は、図25におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
上記の実施例においては、ぱちんこ遊技機を例にして説明したが、変形例においては、遊技機として回胴式遊技機を用いて実現してもよい。回胴式遊技機における遊技媒体は、遊技メダルである。また、入力手段としては、ボタンの押下により文字等を入力する手段を説明したが、変形例においては、出力手段と同様に二次元コード画像を撮像して元のデータに復号する手段を用いた手段としてもよい。別の入力手段としては、近距離無線通信ないし近接通信の技術または赤外線通信の技術により遊技履歴データを携帯端末から受信する手段を用いてもよい。出力手段としては、二次元コード画像を表示する手段を説明したが、変形例においては、近距離無線通信ないし近接通信の技術または赤外線通信の技術により遊技履歴データを携帯端末へ送信する手段を用いてもよい。