JP2012228601A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者により異常操作がなされたり、何らかのトラブルが発生して、遊技球の投入または払い出しが繰り返された場合にも、ゲートアクチュエータの過度の稼働を禁止して必要以上の発熱を防止し、その損傷を防ぐことができる遊技機を提供すること。
【解決手段】投入ソレノイド作動禁止フラグ113uがオンされていれば(S151:Yes)、投入ソレノイド534a〜534cが必要以上に稼働を継続した結果、必要以上に発熱する恐れが生じている状態である。よって、かかる場合には、液晶表示ユニット81に「投入ユニットのクールダウン中」と表示して(S152)、その旨を遊技者へ報知し、更に、ベットLED35aを消灯して(S153)、現在、遊技球の投入ができない状態にあることを報知する。その後、投入ソレノイド534a〜534cの稼働停止時間、即ちクールダウンの時間を確保するべく、15秒間のウエイト処理を実行する(S154)。
【選択図】図14

Description

本発明は、パチンコ球等の遊技球を使用して、スロットマシン等の回胴遊技機の遊技を楽しむことができる遊技球使用回胴遊技機に関するものである。
下記特許文献1,2に示す通り、遊技球使用回胴遊技機は、パチンコ球等の遊技球を使用して、スロットマシン等の回胴遊技機の遊技を楽しむことができるものである。遊技者が所定数の遊技球を投入してスタートレバーを操作すると、遊技が開始される。即ち、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきに表示された回胴(環状リール)が回転を開始し、図柄列の変動表示が始まる。通常、回胴は3台設けられており、これらの回胴の回転中に、遊技者によってストップスイッチが押下されると、その押下に対応した回胴が1つずつ回転を停止する。すべての回胴の回転が停止した後、回胴の停止図柄の組合せによって、遊技の当否を決定し、遊技に当たっていれば、その当たりに応じた数の遊技球を払い出して、遊技者に所定の遊技価値を付与するものである(特許文献1,2)。
一般に、スロットマシンの遊技に使用されるメダルは1枚20円で貸し出され、パチンコ機に使用されるパチンコ球(遊技球)は1個4円で貸し出される。このため、スロットマシンにおいて、3枚のメダルを投入して行う遊技を遊技球を使用して行おうとすると、15個の遊技球の投入が必要となる。また、15枚のメダルの払い出しを遊技球を使用して払い出そうとすると、75個の遊技球の払い出しが必要となる。
特開2003−305167号公報 特開2003−305168号公報
このため、上記特許文献1,2に開示される遊技球使用回胴遊技機では、遊技球の投入や払い出しに長時間を要するので、投入や払い出しを行うモータやソレノイドが発熱し易い。よって、遊技者により異常操作がなされたり、何らかのトラブルが発生して、遊技球の投入や払い出しが繰り返されると、モータやソレノイドが必要以上に発熱して損傷してしまうという問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者により異常操作がなされたり、何らかのトラブルが発生して、遊技球の投入または払い出しが繰り返された場合にも、ゲートアクチュエータの過度の稼働を禁止して必要以上の発熱を防止し、その損傷を防ぐことができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、複数の遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段に連通され前記遊技媒体が流入する通路と、その通路上に出没して、その通路を前記遊技媒体が通過することを許容又は禁止するゲート部材と、そのゲート部材を前記通路上に突出又は没入させるゲートアクチュエータと、前記通路を通過させる遊技媒体の数を記憶する媒体数記憶手段と、その媒体数記憶手段に記憶された数の遊技媒体が前記通路を通過するように、前記ゲートアクチュエータを制御するゲート制御手段と、そのゲート制御手段による前記ゲートアクチュエータの稼働状況を記憶する稼働状況記憶手段と、その稼働状況記憶手段の記憶状況に応じて、前記ゲート制御手段による前記ゲートアクチュエータの稼働を禁止する稼働禁止手段とを備えている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、定期的に実行される定期制御手段を備え、前記稼働状況記憶手段は、前記ゲートアクチュエータの稼働状況をカウント値によって記憶する稼働状況タイマと、前記定期制御手段の実行時に前記ゲートアクチュエータが稼働している場合には前記稼働状況タイマに第1の所定値を加算し、逆に、停止している場合には前記稼働状況タイマから第2の所定値を減算する加減算手段とを備え、前記稼働禁止手段は、その加減算手段による加減算の結果、前記稼働状況タイマの値が第3の所定値以上となった場合に前記ゲート制御手段による前記ゲートアクチュエータの稼働を禁止するものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、定期的に実行される定期制御手段を備え、前記稼働状況記憶手段は、前記ゲートアクチュエータの稼働状況をカウント値によって記憶する稼働状況タイマと、前記定期制御手段の実行時に前記ゲートアクチュエータが稼働している場合には前記稼働状況タイマから第1の所定値を減算し、逆に、停止している場合には前記稼働状況タイマに第2の所定値を加算する加減算手段とを備え、前記稼働禁止手段は、その加減算手段による加減算の結果、前記稼働状況タイマの値が
第4の所定値以下となった場合に前記ゲート制御手段による前記ゲートアクチュエータの稼働を禁止するものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項2又は3に記載の遊技機において、前記第1の所定値は、前記第2の所定値の2倍以上の値とされている。
請求項5記載の遊技機は、請求項2又は4に記載の遊技機において、前記第3の所定値は、前記第1の所定値の100倍以上の値とされている。
請求項6記載の遊技機は、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機において、前記稼働禁止手段により前記ゲートアクチュエータの稼働が禁止された場合に、その稼働禁止状態を所定時間以上継続させる稼働禁止継続手段を備えている。
請求項7記載の遊技機は、請求項2,4から6のいずれかに記載の遊技機において、前記通路は、前記貯留手段に連通され前記遊技媒体が流入する複数の通路によって構成されると共に、前記ゲート部材及びゲートアクチュエータは、その複数の通路にそれぞれ設けられ、前記稼働状況記憶手段は、いずれかの前記ゲートアクチュエータが稼働している場合に前記加減算手段によって前記稼働状況タイマに第1の所定値を加算し、すべての前記ゲートアクチュエータが停止している場合に前記加減算手段によって前記稼働状況タイマから第2の所定値を減算するものであり、前記稼働禁止手段は、その加減算手段による加減算の結果、前記稼働状況タイマの値が第3の所定値以上となった場合に、すべての前記ゲートアクチュエータの稼働を禁止するものである。
請求項8記載の遊技機は、請求項3,4又は6のいずれかに記載の遊技機において、前記通路は、前記貯留手段に連通され前記遊技媒体が流入する複数の通路によって構成されると共に、前記ゲート部材及びゲートアクチュエータは、その複数の通路にそれぞれ設けられ、前記稼働状況記憶手段は、いずれかの前記ゲートアクチュエータが稼働している場合に前記加減算手段によって前記稼働状況タイマから第1の所定値を減算し、すべての前記ゲートアクチュエータが停止している場合に前記加減算手段によって前記稼働状況タイマに第2の所定値を加算するものであり、前記稼働禁止手段は、その加減算手段による加減算の結果、前記稼働状況タイマの値が第4の所定値以下となった場合に、すべての前記ゲートアクチュエータの稼働を禁止するものである。
請求項9記載の遊技機は、請求項1から8のいずれかに記載の遊技機において、前記稼働禁止手段により前記ゲートアクチュエータの稼働が禁止されている場合に、その旨を報知する報知手段を備えている。
請求項10記載の遊技機は、請求項1から9のいずれかに記載の遊技機において、前記ゲートアクチュエータは、ソレノイドによって構成され、そのソレノイドを通電した場合に前記ゲート部材が前記通路上から没入して前記遊技媒体の通過を許容し、逆に、そのソレノイドの通電を解除した場合に前記ゲート部材が前記通路上に突出して前記遊技媒体の通過を禁止するように構成されている。
請求項1記載の遊技機によれば、ゲート制御手段によってゲートアクチュエータが制御されると、その制御に応じて、ゲート部材が通路上に突出又は没入し、貯留手段に貯留される複数の遊技媒体が通路を通過することが許容又は禁止される。遊技媒体の投入又は払い出しは、媒体数記憶手段に記憶された数の遊技媒体が通路を通過するように、ゲート制御手段によってゲートアクチュエータが制御されて行われる。
稼働状況記憶手段は、ゲート制御手段によるゲートアクチュエータの稼働状況を記憶しており、その稼働状況記憶手段の記憶状況に応じて、稼働禁止手段により、ゲート制御手段によるゲートアクチュエータの稼働が禁止される。よって、遊技者により異常操作がなされたり、何らかのトラブルが発生して、遊技球の投入または払い出しが繰り返された場合にも、ゲートアクチュエータの過度の稼働を禁止して必要以上の発熱を防止し、その損傷を防ぐことができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。稼働状況記憶手段は、ゲートアクチュエータの稼働状況をカウント値によって記憶する稼働状況タイマを備え、その稼働状況タイマの値は、加減算手段によって、定期的に実行される定期制御手段の実行時にゲートアクチュエータが稼働している場合には第1の所定値が加算され、逆に、停止している場合には第2の所定値が減算される。稼働禁止手段は、加減算手段による加減算の結果、稼働状況タイマの値が第3の所定値以上となった場合に、ゲート制御手段によるゲートアクチュエータの稼働を禁止する。このように、ゲートアクチュエータの稼働状況を、稼働状況タイマの値により監視し、その値に応じてゲートアクチュエータの稼働を禁止又は許容することにより、ゲートアクチュエータを適正な状態で稼働させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。稼働状況記憶手段は、ゲートアクチュエータの稼働状況をカウント値によって記憶する稼働状況タイマを備え、その稼働状況タイマの値は、加減算手段によって、定期的に実行される定期制御手段の実行時にゲートアクチュエータが稼働している場合には第1の所定値が減算され、逆に、停止している場合には第2の所定値が加算される。稼働禁止手段は、加減算手段による加減算の結果、稼働状況タイマの値が第4の所定値以下となった場合に、ゲート制御手段によるゲートアクチュエータの稼働を禁止する。このように、ゲートアクチュエータの稼働状況を、稼働状況タイマの値により監視し、その値に応じてゲートアクチュエータの稼働を禁止又は許容することにより、ゲートアクチュエータを適正な状態で稼働させることができるという効果がある。なお、第4の所定値として、0を例示することができる。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、第1の所定値は、第2の所定値の2倍以上の値とされているので、ゲートアクチュエータの停止時間を十分に確保して、ゲートアクチュエータの必要以上の発熱を防止できるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項2又は4に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3の所定値は、第1の所定値の100倍以上の値とされている。よって、稼働禁止手段の発動条件、即ち稼働禁止手段によるゲートアクチュエータの稼働禁止の開始条件を、特定の場合に限定することができるので、遊技の進行中に、稼働禁止手段が発動することを極力少なくして、遊技をスムースに進行させることができるという効果がある。
請求項6記載の遊技機によれば、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。稼働禁止手段によりゲートアクチュエータの稼働が禁止されると、稼働禁止継続手段により、その稼働禁止状態が所定時間以上継続される。よって、遊技者により異常操作がなされたり、何らかのトラブルが発生して、遊技球の投入または払い出しが繰り返され、その結果、ゲートアクチュエータが発熱した場合には、稼働禁止継続手段により、ゲートアクチュエータの稼働が所定時間以上継続して禁止されるので、ゲートアクチュエータの再稼働を、ゲートアクチュエータを十分にクールダウンした後に行わせることができるという効果がある。
請求項7記載の遊技機によれば、請求項2又は4から6のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。貯留手段には、遊技媒体が流入する複数の通路が連通され、その複数の通路には、ゲート部材及びゲートアクチュエータがそれぞれ設けられている。稼働状況記憶手段は、複数の通路にそれぞれ設けられた、いずれかのゲートアクチュエータが稼働している場合に、加減算手段によって稼働状況タイマに第1の所定値を加算し、一方、複数の通路にそれぞれ設けられた、すべてのゲートアクチュエータが停止している場合に、加減算手段によって稼働状況タイマから第2の所定値を減算する。稼働禁止手段は、加減算手段による加減算の結果、稼働状況タイマの値が第3の所定値以上となった場合に、複数の通路にそれぞれ設けられた、すべてのゲートアクチュエータの稼働を禁止する。
このように、複数の通路にそれぞれ設けられたゲートアクチュエータをまとめて制御することにより、各ゲートアクチュエータの稼働の禁止と許容とを統一して制御することができる。よって、遊技媒体の投入または払い出しの可能状態と禁止状態とを明確に区別することができるという効果がある。
請求項8記載の遊技機によれば、請求項3,4又は6のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。貯留手段には、遊技媒体が流入する複数の通路が連通され、その複数の通路には、ゲート部材及びゲートアクチュエータがそれぞれ設けられている。稼働状況記憶手段は、複数の通路にそれぞれ設けられた、いずれかのゲートアクチュエータが稼働している場合に、加減算手段によって稼働状況タイマから第1の所定値を減算し、一方、複数の通路にそれぞれ設けられた、すべてのゲートアクチュエータが停止している場合に、加減算手段によって稼働状況タイマに第2の所定値を加算する。稼働禁止手段は、加減算手段による加減算の結果、稼働状況タイマの値が第4の所定値以下となった場合に、複数の通路にそれぞれ設けられた、すべてのゲートアクチュエータの稼働を禁止する。
このように、複数の通路にそれぞれ設けられたゲートアクチュエータをまとめて制御することにより、各ゲートアクチュエータの稼働の禁止と許容とを統一して制御することができる。よって、遊技媒体の投入または払い出しの可能状態と禁止状態とを明確に区別することができるという効果がある。
請求項9記載の遊技機によれば、請求項1から8のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、稼働禁止手段によりゲートアクチュエータの稼働が禁止されている場合には、報知手段によってその旨が報知されるので、ゲートアクチュエータの稼働禁止状態となっても、遊技者やホールの店員は、遊技機が故障したと間違うことがない。よって、ゲートアクチュエータの稼働禁止状態が終了した場合には、正常に遊技を再開できるという効果がある。
請求項10記載の遊技機によれば、請求項1から9のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。ゲートアクチュエータは、ソレノイドによって構成され、そのソレノイドを通電した場合にゲート部材が通路上から没入して遊技媒体の通過を許容し、逆に、そのソレノイドの通電を解除した場合にゲート部材が通路上に突出して遊技媒体の通過を禁止するように構成されている。よって、ゲートアクチュエータの稼働禁止状態では、遊技媒体の通路の通過は禁止されるので、該稼働禁止状態では、遊技媒体の投入または払い出しを停止することができる。従って、ゲートアクチュエータの稼働禁止を、放熱に必要な十分な時間継続させることができるという効果がある。
本実施形態における遊技球使用回胴遊技機及びカードユニットを示す斜視図である。 遊技球使用回胴遊技機及びカードユニットの正面図である。 面替えブロックの斜視図である。 遊技機本体部の前面に設けられた前面枠と、受け皿ブロックとを分離して示した斜視図である。 受け皿ブロックの分解斜視図である。 投入ユニットが装着された上皿の平面図である。 投入ユニットの斜視図である。 投入ユニットの分解斜視図である。 投入ユニットの内部構造を示した断面図である。 投入装置の投入動作および排出動作の説明図であり、(a)は、投入動作及び排出動作のいずれもが行われていない待機状態を図示しており、(b)は、遊技球の投入動作(取込動作)の実行状態を図示しており、(c)は、遊技球の排出動作の実行状態を図示している。 遊技球使用回胴遊技機の電気的構成を示したブロック図である。 主制御装置のRAMに設けられた各メモリの説明図である。 主制御装置において、電源投入後に実行される電源立上げ処理を示したフローチャートである。 主制御装置のMPUで実行されるメイン処理である通常処理を示したフローチャートである。 通常処理の中で実行される抽選処理を示したフローチャートである。 通常処理の中で実行されるリール制御処理を示したフローチャートである。 通常処理の中で実行される遊技球払出処理を示したフローチャートである。 通常処理の中で実行される特別遊技状態処理を示したフローチャートである。 ボーナス図柄判定処理を示したフローチャートである。 通常処理の中で実行される遊技球投入処理を示したフローチャートである。 投入個数振分処理を示したフローチャートである。 投入実行処理を示したフローチャートである。 主制御装置で定期的に実行されるタイマ割込み処理を示したフローチャートである。 投入ソレノイド稼働タイマ更新処理を示したフローチャートである。 停電時処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置のMPUで実行されるメイン処理である通常処理を示したフローチャートである。 第2実施形態の投入ソレノイド稼働タイマ更新処理を示したフローチャートである。
以下、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う、遊技球使用回胴遊技機1についての一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、遊技機1及びカードユニット20を示す斜視図であり、図2は、遊技機1及びカードユニット20の正面図である。図1及び図2を参照して、遊技機1の外観構成を説明する。本実施形態において遊技機1は、カードユニット20に接続されて使用されるものであり、カードユニット20に挿入されたカードや紙幣など(貸出媒体)の残額(有価価値)の範囲内で、遊技媒体としての遊技球が貸し出され、遊技者は、その貸し出された遊技球を使用して遊技を行うものである。
本実施形態の遊技機1は、遊技に際して所定数の遊技媒体としての遊技球(例えば、パチンコ球)の投入を必要とし、所定条件が成立した場合に、複数或いは場合によって大量の遊技球が、遊技価値として払い出されるよう構成されている。本遊技機1には、遊技ホールなどにおいてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようにされており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に、本遊技機1を設置することが可能となっている。
遊技機1は、本体枠としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体部3とを有している。外枠2は、木製の板材を四辺に連結して構成されたものであって、全体として矩形状をなしている。遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付けられて固定される。なお、外枠2を合成樹脂やアルミニウムなどの金属によって構成することも可能である。
遊技機本体部3の前面上半部には、図柄視認部として略台形状をなす視認窓4が形成されている。視認窓4には、平坦な透明板よりなる透明パネル5が嵌め込まれており、この透明パネル5を介して、本体部3の内方が視認可能となっている。透明パネル5は、上下に分割され僅かに折り曲げ形成された二つのパネル部(上パネル部5a、下パネル部5b)を有している。上パネル部5aは、ほぼ鉛直方向に配設され、下パネル部5bは、若干上方を向くように傾斜して配設されている。上パネル部5aは、後述する液晶表示ユニット81の前面を覆うものであり、この上パネル部5aを介して、液晶表示ユニット81の表示画像が視認される(図3参照)。下パネル部5bは、後述するリールユニット82の前面を覆うものであり、この下パネル部5bを介して、リールユニット82の図柄が視認される(図3参照)。
こうした比較的大型に形成される視認窓4(透明パネル5)によれば、大型の液晶表示ユニット81を用いた画像の表示演出によって、遊技者に多大なインパクトを与えることが可能になることに加え、遊技機1の主表示装置たるリールユニット82の図柄の視認性を良好なものとできる。
視認窓4の上方には、透明パネル5よりも前方へ張り出した中央ランプ6が設けられ、同様に、視認窓4の両側には、透明パネル5よりも前方へ張り出した一対の側方ランプ7が設けられている。また、一対の側方ランプ7の上方には、それぞれスピーカ8が設けられている。遊技に際し、これらランプ6,7やスピーカ8により、その都度、遊技状況に応じたランプ演出や音演出等が行われる。即ち、ランプ6,7による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ8による音パターンを適宜変更することで、遊技での役の成立などが遊技者に告知される。また、ランプ6,7やスピーカ8を用いて、エラー告知なども行われる。
視認窓4の下方には、左右に延びる長板状のサブパネル10が設けられている。サブパネル10の右側には、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示器11と、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどの特別遊技状態の際に残りゲーム数などを表示するゲーム数表示器12とが設けられている。これらは、7セグメントLEDによって構成されるが、液晶表示器等によって代替しても良い。
サブパネル10の左側には、貸球操作部13が設けられている。貸球操作部13は、本遊技機1の例えば左側方に配設される縦長のカードユニット(球貸しユニット)20に、紙幣やカードを投入した状態で、球貸し操作、カードなどの返却操作、及び有効度数の確認を行うためのものであり、球貸しボタン14と、返却ボタン15と、度数表示器16とが並設されている。球貸しボタン14は、カードなどに記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるボタンであり、球貸しボタン14の操作により、カードユニット20に挿入されているカード等に残額が存在する限りにおいて、貸出球が払い出される。返却ボタン15は、カードユニット20に挿入されたカードなどの返却を求める際に操作されるボタンである。度数表示器16は、カードユニット20に挿入されているカードなどの残額情報を表示する表示器であり、7セグメントLEDで構成されている。なお、度数表示器16を、液晶表示器で代替しても良い。
サブパネル10の下方には、遊技者により操作される各種操作部材等を配設した操作部30が設けられている。操作部30には、スタートレバー31と、3連ボタンからなるストップスイッチ32,33,34とが設けられ、また、操作部30の上端部には、ボタン状のベットスイッチ35が設けられている。
ベットスイッチ35は、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるものであり、その押し操作により上皿36に貯留された遊技球が所定個数分取り込まれる(投入される)。本遊技機1では、ベットスイッチ35として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており、有効な1回の押し操作により3ベット相当の15個の遊技球が投入される。なお、後述するJACゲームの実行中にベットスイッチ35が操作されると、1ベット相当の5個の遊技球が投入される。
ベットスイッチ35の内部には、発光ダイオードで構成されるベットLED35aが設けられている。ベットLED35aは、遊技球の投入が可能な状態にある場合に点灯され、逆に、遊技球の投入が禁止状態にある場合に消灯される。即ち、ベットLED35aが点灯して、ベットスイッチ35が点灯している場合には、ベットスイッチ35の押し操作が有効に機能する状態である。
遊技球の投入が禁止状態にある場合としては、第1に、ベットスイッチ35の押し操作により、1回の遊技に必要な数の遊技球が投入された場合である。即ち、通常ゲーム時は15個の、JACゲーム時は5個の遊技球が投入された場合である。かかる場合は、その回の遊技が終了するまで、ベットLED35aは消灯を継続する。第2に、遊技者による異常操作によって、遊技球の投入と返却とが繰り返された結果、投入ソレノイド534a〜534cのクールダウンが必要となった場合である。遊技者により、ベットスイッチ35と返却レバー38とが交互に繰り返し操作されると、投入ソレノイド534a〜534cが必要以上に発熱し損傷する。よって、かかる場合には、投入ソレノイド534a〜534cの稼働を一定時間(本実施形態では15秒)停止し、投入ソレノイド534a〜534cをクールダウン(冷却)した上で、再稼働するようにしている。
MAXベットスイッチとしてのベットスイッチ35の他に、1ベットスイッチや2ベットスイッチを設けて構成しても良い。1ベットスイッチは、1回の押し操作により1ベット相当の5個の遊技球を投入するスイッチであり、2ベットスイッチは、1回の押し操作により2ベット相当の10個の遊技球を投入するスイッチである。JACゲームの実行中には、2ベットスイッチが操作されても、1ベット相当の5個の遊技球が投入される。
スタートレバー31は、図3に示すリールユニット82の各リール82L,82M,82R(回転体)を回転始動させるための操作部材である。スタートレバー31の操作により、各リール82L,82M,82Rが回転を開始し、図柄の可変表示が開始される。なお、スタートレバー31を、ベットスイッチ35やストップスイッチ32〜34などと同様に、ボタン状のスイッチとして構成しても良い。
ストップスイッチ32〜34は、左、中、右の三列のリール82L,82M,82Rに対応してそれぞれ設けられており、回転中の各リール82L,82M,82Rを個別に停止させるために操作される。各リール82L,82M,82Rは定速回転となると、対応するストップスイッチ32〜34を押し操作することにより停止させることができる。かかる停止可能な状態中には、各ストップスイッチ32〜34内に設けられたランプがそれぞれ点灯表示されて、停止操作が可能であることが遊技者に報知される。なお、リール82L,82M,82Rの回転が停止すると、そのリール82L,82M,82Rに対応するランプは消灯する。
操作部30の右下方には、切り欠け部37が形成されている。この切り欠け部37には、上皿36の遊技球や、遊技機1へ投入された投入済みの遊技球を、下皿41へ返却するための返却レバー38が配設されている。また、下皿41の底部には、開口42が形成されており、その開口42は開閉板43によって閉鎖にされている。下皿41の右下方には左右方向にスライド可能に形成された球抜きレバー44が設けられており、この球抜きレバー44を左方向へ操作することにより、開口42が開放されて、下皿41内の遊技球が下方へ落下し排出される。下皿41の下方に、予め球収容箱(いわゆるドル箱)を配置しておくことにより、下皿41から排出された遊技球を球収容箱に収容することができる。なお、球抜きレバー44の操作を解除することにより、該レバー44は右方向へスライドし、それと共に、開閉板43によって開口42が閉鎖される。更に、下皿41の奥方には、スピーカ45が配設されており、この部分からも効果音などの音出力が行われる。
次に、図3を参照して、面替えブロック80について説明する。面替えブロック80は、遊技内容を表示する主要部品を備えたものであり、液晶表示ユニット81と、リールユニット82とを備えて、視認窓4の透明パネル5の奥方に配設されている。例えば、この面替えブロック80を、現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで、機種入れ替えを行うことができるようにされている。
面替えブロック80の上方には、液晶表示ユニット81が配設されている。液晶表示ユニット81は、リールユニット82で行われる演出の補助演出を行うための表示装置であり、リールユニット82の各リール82L,82M,82Rの回転駆動時のみならず、その回転駆動前或いは回転駆動後の停止時等において、その時の遊技状態に応じた補助演出が行われる。
面替えブロック80の下方には、リールユニット82が配設されている。リールユニット82は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール82L,中リール82M,右リール82Rを備えている。各リール82L,82M,82Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。また、ベルトやドラム等の回胴として構成しても良い。
各リール82L,82M,82Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール82L,82M,82Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、各リール82L,82M,82Rの表面の一部は、透明パネル5の下パネル部5bを通じて視認可能な状態となっている。リール82L,82M,82Rが正回転すると、下パネル部5bを通じてリール82L,82M,82Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール82L,82M,82Rは、それぞれがステッピングモータ91L,91M,91Rに連結されており、各ステッピングモータ91L,91M,91Rの駆動により各リール82L,82M,82Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動される。ステッピングモータ91L,91M,91Rは、例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転するように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ91L,91M,91Rの回転位置、すなわち対応する各リール82L,82M,82Rの回転位置が制御される。
各リール82L,82M,82Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、各リール82L,82M,82Rの原点位置を検出するリールインデックスセンサから検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が下パネル部5bから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を下パネル部5bから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
次に、主に、図4から図6を参照して、受け皿ブロック50について説明する。図4は、遊技機本体部3の前面に設けられた前面枠3aと、受け皿ブロック50とを分離して示した斜視図であり、図5は、受け皿ブロック50の分解斜視図である。図4では、カードユニット20を省略して図示している。また、図6は、投入ユニット52が装着された上皿36の平面図である。受け皿ブロック50は、カードユニット20の指示に基づいて貸し出される遊技球や、遊技の結果、入賞して払い出される遊技球を一時的に貯留すると共に、遊技を開始するための遊技球を遊技機内に取り込む(投入する)ためのものである。
図4に示すように、受け皿ブロック50の前方には、貸し出され或いは払い出された遊技球を一時的に貯留するための上皿36が設けられている。まず、図6を参照して、上皿36の詳細を説明する。
図6に示すように、上皿36は、横長の樋状に形成されており、底板部361と、周壁部362とにより囲まれて遊技球貯留領域が形成されている。周壁部362のうち左奥側の壁部には、遊技球を上皿36内へ排出するための排出口363が形成されている。底板部361の右側には、開口部364が穿設されている。上皿36内に貯留された遊技球は、この開口部364から、後述する投入ユニット52を経由して、遊技機1内に取り込まれ、或いは下皿41へ排出される。
底板部361は、概して排出口363から開口部364へ向けて(図6の左側から右側へ向けて)低くなる構成とされている。詳しくは、底板部361は、前後二段に形成されており、更に、そのうち奥側領域が左右二段に形成されている。この場合、底板部361において、前側領域R1が最も高位となり、次に奥左側領域R2が高位となり、奥右側領域R3が最も低位となっている。従って、排出口363から上皿36へ排出された遊技球は、領域R2、R1、R3の順の経路で、または、領域R2、R3の順の経路で、下流側たる開口部364へ流れる。
なお、底板部361の前側領域R1には、底板部361に突設された突状案内部365が形成されている。よって、前側領域R1に流れ込んだ遊技球は、突状案内部365に当接することによって、奥右側領域R3へ案内される。
上皿36の最低位である奥右側領域R3には、2つの仕切部366,367が突設されている。奥右側領域R3の右端は、この2つの仕切部366,367に仕切られて、3列の案内通路371,372,373に分割されている。各案内通路371〜373は、開口部364に連通しており、その幅は遊技球1個分に相当する。よって、上皿36内へ排出された遊技球は、奥右側領域R3の各案内通路371〜373上に一列に整列して、開口部364に配設された投入ユニット52へ投入される。なお、奥右側領域R3は、領域R1側が高く、遊技機1側が低く傾斜して形成されている。よって、上皿36内の遊技球は、奥右側領域R3の遊技機1側の側面に沿って案内通路371〜373へ案内され易く構成されている。
図4及び図5に示すように、上皿36の開口部364及び各案内通路371〜373の上方には、これらを覆うカバー部材375が設けられている。カバー部材375は、各案内通路371〜373の高さ方向の寸法を概ね遊技球1個分に規制するための部材であり、このカバー部材375を上皿36に取り付けることにより、各案内通路371〜373から投入ユニット52へ、遊技球が1個ずつ取り込まれる(投入される)ように構成されている。カバー部材375は、その下方に遊技球が有るか否かを視認できるように、透明な材料によって形成されている。
上皿36の右下前方には、払出操作伝達装置51が配設されている。払出操作伝達装置51は、返却レバー38を左方向へスライドさせることにより、上皿36に貯留される遊技球を下皿41へ排出させると共に、後述する投入ユニット52によって遊技機1内に投入された(取り込まれた)遊技球を、下皿41へ排出させるものである。
上皿36の奥側には、球通路形成体53が設けられている。球通路形成体53は、通路カバー53aと共に、遊技球を遊技機1外部(遊技ホールの島設備)へ排出するための外部排出通路や、遊技球を下皿41へ排出するための下皿排出通路を形成するものである。下皿排出通路を通過した遊技球は、排出口53dから下皿41へ排出される。また、球通路形成体53の左上方(最上流部付近)には、上皿36の排出口363と連通する排出通路53eが形成されている。排出通路53eを通過した遊技球は、上皿36の排出口363から上皿36内へ流入する。
排出通路53eの近傍であって球通路形成体53の左上方には、遊技球を、外部排出通路、下皿排出通路、排出通路53eへ分配して排出するための遊技球分配部材53bが取り付けられている。遊技球分配部材53bには、3つの通路53b1〜53b3が形成されており、遊技球分配部材53bを球通路形成体53に取り付けた状態では、通路53b1が外部排出通路に連通し、通路53b2が下皿排出通路に連通し、通路53b3が排出通路53eに連通して、各通路53b1〜53b3を通過する遊技球を、それぞれの通路へ分配する。また、球通路形成体53の上部には、横長薄板状のシート板53cが取り付けられている。このシート板53cは、球通路形成体53に上皿36を装着した状態で取り付けられるものであり、上皿36の奥側の上蓋として機能する。
球通路形成体53の右下方には、後述する投入ユニット52を収容するための略正方形状の開口部53fが形成されている。また、球通路形成体53の背面には、払出制御ユニット55が取り付けられている。払出制御ユニット55は、払出制御装置57と電源装置58とを横に並べ、それら各装置57,58を連結具56で連結して構成されている。
次に、図7から図10を参照して、投入ユニット52について説明する。本遊技機1は、15個又は5個の遊技球を遊技機1へ投入することを条件に遊技を開始するものであり、投入ユニット52は、遊技球を遊技機1内へ投入するためのものである。図7は、投入ユニット52の斜視図であり、図8は、その投入ユニット52の分解斜視図である。また、図9は、投入ユニット52の内部構造を示した断面図である。図10は、投入装置521aの投入動作および排出動作の説明図である。
まず、図7に示すように、投入ユニット52は、3個の投入装置521a〜521cが並設されて、全体として略立方体形状に形成されている。各投入装置521a〜521cの側面(遊技機1を正面視した場合の左側面)は、結合板523によって結合されている。各投入装置521a〜521cの上面には、上方が開放されて外部に露出した入口通路522a〜522cがそれぞれ形成されている。入口通路522a〜522cは、投入ユニット52への遊技球の入り口をなすものであり、上皿36の案内通路371〜373から供給された遊技球は、まず、入口通路522a〜522cへ案内され(図6参照)、その後、投入ユニット52内へ取り込まれる(投入される)。
次に、図8及び図9を参照して、各投入装置521a〜521cの構成を説明する。各投入装置521a〜521cは、概ね同様の構成をしているので、ここでは、1の投入装置521aを例に挙げて説明する。
投入装置521aは、合成樹脂成型品よりなる表裏一体のハウジング部材521a1,521a2を備え、両ハウジング部材521a1,521a2がネジ等により結合されて略四角箱状の筐体が形成されている。その筐体の内部空間内には、後述する遊技球の通路が形成されると共に、その通路を開閉するための開閉ゲート機構が収容されている。
ハウジング部材521a1,521a2の上面には、通路壁524a1,524a2が形成されており、両ハウジング部材521a1,521a2を結合することにより、相対向する通路壁524a1,524a2の間に、前記した入口通路522aが形成される。この入口通路522aの底面は、図9の右側へ僅かに下方に傾斜している。
手前側の通路壁524a1には、円弧状の凹部525a1が形成され、一方、奥側の通路壁524a2には、凹部525a1に対向する位置に三角山状の突起部525a2が形成されている。凹部525a1及び突起部525a2は、遊技球の流れを一定に整えるための整流部を構成している。入口通路522aを下流側(図9の右方向)へ流れる遊技球は、凹部525a1及び突起部525a2で構成される整流部に達すると、先ず突起部525a2に衝突し、その後、凹部525a1の内壁に衝突して、流れの向き(進路)を変更しつつ流下する。このように、入口通路522aの整流部(凹部525a1及び突起部525a2)で、遊技球の進路が変更されるので、遊技球の流れの勢いが減じられ、その後の流下速度が低減される。遊技球の検出は整流部の通過後に行われるが、流下速度を低減させることにより、誤検出を減少することができる。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって投入装置521aに投入された場合、整流部を通過して生じる速度差によって、隣接する遊技球の通過間隔を大きくすることができる。よって、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検出する不具合をも解消することができる。このように、整流部(凹部525a1及び突起部525a2)によって、遊技球の検出を確実なものとすることができる。
投入装置521aには、入口通路522aの下流側において、両ハウジング部材521a1,521a2により囲まれて形成される投入通路526aと、排出通路527aとが設けられている。投入通路526a及び排出通路527aは、入口通路522aと同様に、遊技球を一列で通過させるに足りるだけの通路幅を有している。投入通路526aは、入口通路522aに連続して設けられ、その途中で鉛直方向に折れ曲がるように形成されている。遊技者によってベットスイッチ35が押下されると、各投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを通じて、合計で、通常ゲーム時(JACゲーム時以外)には15個の、JACゲーム時には5個の遊技球が遊技機1内へ投入される(取り込まれる)。一方、排出通路527aは、投入通路526aの折れ曲がり部分から、その投入通路526aから分岐して形成されている。遊技終了に伴う精算時などにおいて、本投入装置521a〜521cや上皿36に残留している遊技球が、この排出通路527a〜527cを通じて下皿41へ排出され、遊技者へ返還される。
なお、ハウジング部材521a1,521a2は、厚さ方向の寸法が異なっており、入口通路522a、投入通路526a、排出通路527aは、その大部分が一方(図8における手前側)のハウジング部材521a1側に形成されている。これにより、遊技球が実際に接触する経路は、両ハウジング部材521a1,521a2の境界部分(接合部分)から外れた部位となる。ハウジング部材521a1,521a2の境界部分には、ゴミやほこり等が溜まり易い。しかし、かかる境界部分を遊技球が実際に接触する経路から外した構成とすることにより、境界部分に溜まったゴミやほこり等により、遊技球の流れが阻害されるといった不具合を解消することができる。
図9において投入通路526aの左側方には、当該投入通路526aの鉛直方向部分に沿うようにして、投入ゲート部材530aが配設されている。投入ゲート部材530aは、支軸531aを軸として揺動可能に支持されており、その支軸531aを支点とする揺動によって、投入ゲート部材530aの先端部に形成された爪部532aが投入通路526aへ出没する。投入通路526aの通路壁には、通路切欠部533aが形成されており、その通路切欠部533aから投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ出没する。通常時には、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ突出され、遊技球の投入通路526aの通過が阻止された状態となっている。一方、遊技球の投入(取り込み)時には、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aから没入され、遊技球の投入通路526aの通過が許容された状態となる。
なお、投入ゲート部材530aの爪部532aの出没位置は、投入通路526aが鉛直方向に曲がるコーナー部分の直ぐ下流位置に設けられている。よって、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526a内へ突出した状態で、投入通路526aのコーナー部分まで流れてきた遊技球が、投入通路526aの鉛直部分に流れ込んでしまうことが無い。従って、後述する排出ゲート部材540を操作して、投入ユニット52内にある遊技球を排出する場合に、遊技球が投入通路526aに詰まって、投入ユニット52内に残量することがない。即ち、該構成により、投入ユニット52内の遊技球を、排出通路527a〜527cを介して、完全に排出することができるのである。
次に、投入ゲート部材530aを出没動作させる投入ソレノイド534aについて説明する。ハウジング部材521a1,521a2内には、投入ゲート部材530aの駆動源としての投入ソレノイド534aが配設されている。投入ソレノイド534aは、棒状の出力軸535aを備えており、この出力軸535aは、コイルバネ536aにより、図9に示す如く、伸長状態に保持されている。該状態で投入ソレノイド534aに通電すると、出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力に抗して投入ソレノイド534a内へ引き込まれる。また、出力軸535aの先端には、ガイド537aが取着されている。ガイド537aは、その一部が、軸部538aを中心に揺動する揺動片539aと係合されており、揺動片539aの揺動によって、投入ゲート部材530aが揺動するように構成されている。
かかる構成において、投入ソレノイド534aへの通電がない場合には、図9に示す如く、投入ソレノイド534aの出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力によって、伸長した状態に保持され、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526a内へ突出した状態となっている。これにより、投入通路526aが閉鎖されて、遊技球の投入通路526aの通過が阻止される。
一方、投入ソレノイド534aへの通電が行われると、出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力に抗して縮み方向に移動する。即ち、出力軸535aは、投入ソレノイド534a内へ引き込まれる。すると、出力軸535aの先端に取着されたガイド537aにより、揺動片539aが軸部538aを中心に、図9における時計回り方向へ揺動回転し、投入ゲート部材530aの爪部532aは、投入通路526aから没入した状態とされる。これにより、投入通路526aが開放され、遊技球の投入通路526aの通過が許容される。
その後、投入ソレノイド534aへの通電が中止されると、出力軸535aはコイルバネ536aの付勢力によって伸長され、揺動片539aが軸部538aを中心に、図9における反時計回り方向へ揺動回転し、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ突出した状態に復帰する。このように、投入ソレノイド534aへの通電を行うことにより、投入通路526aが開放され、該通電を中止することにより、投入通路526aが閉鎖される。
次に、排出ゲート部材540について説明する。排出ゲート部材540は、投入ユニット52内にある遊技球を排出する場合に作動させる部材である。排出ゲート部材540が作動すると、入口通路522aと排出通路527aとが連通して、投入ユニット52内の遊技球は、排出通路527a〜527cを介して、下皿41へ排出される。
ハウジング部材521a1,521a2の排出通路527aの入口位置には、貫通孔541a1,541a2が穿設されており、その貫通孔541a1,541a2を、図9における前後方向にスライド可能に排出ゲート部材540が配設されている。排出ゲート部材540は、各投入装置521a〜521cに個別に設けられるのではなく、1の排出ゲート部材540が全投入装置521a〜521cに対して共通に設けられている。この排出ゲート部材540の作動状態により、各投入装置521a〜521cにおいて同時に遊技球の排出(球抜き)が許容又は阻止される。
図8に示すように、排出ゲート部材540は、全体として略長方形状をなしており、3箇所に略正方形状の開口部542a〜542cが形成されている。各開口部542a〜542cの間には、それぞれ壁状の壁板部543a〜543cが形成されている。各開口部542a〜542c及び各壁板部543a〜543cは、それぞれ、各投入装置521a〜521cの排出通路527a〜527cに対応して形成され、排出ゲート部材540を、その長手方向にスライドさせることにより、各排出通路527a〜527cが同時に開放又は閉鎖される。
排出ゲート部材540の一方の端部(図8における右前方の端部)には、バネ受け部544が形成され、他方の端部には、ロッド545が形成されている。また、投入装置521cの一側面には、カバー部材528が設けられている。このカバー部材528とバネ受け部544との間には、図示しないコイルバネが組み込まれており、排出ゲート部材540は、このコイルバネにより、図8における左手前側へ常時付勢されている。かかる状態では、各壁板部543a〜543cによって、各排出通路527a〜527cが閉鎖されて、遊技球の排出が阻止された状態となっている。
排出ゲート部材540のロッド545は、前述した返却レバー38の操作に連動して作動するように構成されており、該返却レバー38が操作されると、排出ゲート部材540のロッド545が、図8の右前方へ押し出され、その結果、該方向へ排出ゲート部材540がスライドする。これにより、各開口部542a〜542cが各排出通路527a〜527cの位置へ至り、各入口通路522a〜522cと各排出通路527a〜527cとが連通して、投入ユニット52内の遊技球が、排出通路527a〜527cを介して下皿41へと排出される。一方、返却レバー38の操作を終了すると、コイルバネの付勢力により、排出ゲート部材540が、図8の左後方へ押し戻され、その結果、該方向へ排出ゲート部材540がスライドする。これにより、各壁板部543a〜543cが各排出通路527a〜527cの位置へ戻り、各排出通路527a〜527cが閉鎖される。
次に、各投入装置521a〜521cにおける遊技球の投入を検出する検出手段(投入センサユニット(Wセンサ)550a〜550c及び投入下流側検出センサ555a〜555c)について説明する。
投入装置521aには、投入通路526aを通過する遊技球を検出するための投入センサユニット550aが設けられている。投入センサユニット550aは、投入通路526aを通過する遊技球の数をカウントする遊技球カウント手段を構成するものであり、発光素子と受光素子とからなる周知の光学式センサを備えている。投入センサユニット550aは、一対のアーム部551a,552aを有して略コ字状に形成され、一対のハウジング部材521a1,521a2に跨るようにして組み付けられている。
アーム部551aの一方には発光素子が収容され、アーム部552aの他方には受光素子が収容されている。両アーム部551a,552aの先端部には、それぞれ互いに内側となる部位に上下一対のセンサ検出孔553a,554aが穿設されている。一対のアーム部551a,552a内には、発光素子と受光素子とが各2個ずつ収容され、これら各素子は、センサ検出孔553a,554aを通じて発光及び受光を行う。
図9に示すように、センサ検出孔553a,554aは、投入通路526a内で中心から幾分オフセットした位置(図9の左方向へ幾分ずれた位置)に設けられている(図示は略すが、センサ検出孔554aも同様)。このセンサ検出孔553a,554aの穿設位置が投入センサユニット550aによる遊技球検出位置である。この場合、センサ検出孔553a,554aは、投入ゲート部材530aの先端部に形成した爪部532aの真下位置に設けられているので、投入ゲート部材530aの爪部532aが没入側に移動しない限り投入センサユニット550aにより遊技球は検出されない。
投入ゲート部材530aが開放されて遊技球が投入される際(遊技球が投入装置521aへ取り込まれる際)、投入センサユニット550aの上下の各センサ素子では、先に上流側のセンサ素子で遊技球が検出され、その後、下流側のセンサ素子で遊技球が検出される。これら各センサ素子による検出信号は、遊技球の投入(取り込み)を管理する後述する主制御装置110へ順に出力される。この場合、主制御装置110では、各センサ素子による遊技球の検出信号によって正常に遊技球の投入が行われたかどうかが判定される。具体的には、所定の規定時間内に、上流側のセンサ素子、次に下流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合のみ、正常に遊技球の投入が行われたと判定する。
仮に、上流側のセンサ素子による遊技球の検出から、下流側のセンサ素子による遊技球の検出までの所要時間が規定時間よりも長い場合や、正常時とは逆に、下流側のセンサ素子、次に上流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合には、異常と認めて、その旨が報知されると共に、それ以降の遊技が停止される。従って、例えば、遊技球やその他ダミー被検出物にひも等を付けて上下させることにより、あたかも複数の遊技球が投入されたように偽装するなどの不正行為を防止することができる。
投入通路526aの最下流部には、投入ゲート部材530aを通過した遊技球を投入センサユニット550aで検出した後、同遊技球を再度検出するための投入下流側検出センサ555aが設けられている。この投入下流側検出センサ555aは、磁気検出タイプの近接センサにて構成され、遊技球の通過に伴う磁界の変化により遊技球の通過を検出する。
投入下流側検出センサ555aによる検出信号は、投入センサユニット550aの検出信号と同様に、後述する主制御装置110に対して出力される。この場合、主制御装置110では、投入センサユニット550aの検出信号と投入下流側検出センサ555aの検出信号とに基づいて、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規なものかどうか、すなわち不正なものでないかどうかを判定する。具体的には、投入センサユニット550aによる遊技球のカウント数(例えば、一方のセンサ素子の検出結果による遊技球のカウント数)と、投入下流側検出センサ555aによる遊技球のカウント数とを比較し、それら各カウント数が一致する場合に、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規であると判定する。これに対し、各カウント数が不一致となる場合には、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規なものでなく、不正行為によるものであると判定する。
このように、投入通路526aに、互いに検出方式の異なる2つのセンサ装置(投入センサユニット550a、投入下流側検出センサ555a)を配設しているので、各センサ装置のいずれかにも、遊技球を誤検出させる不正行為は困難なものとなる。故に、投入装置521aにおける不正対策を望ましいものとすることができる。
次に、図10を参照して、投入装置521aによる遊技球の投入動作(取込動作)及び排出動作を説明する。図10(a)は、投入動作及び排出動作のいずれもが行われていない待機状態を図示しており、図10(b)は、遊技球の投入動作(取込動作)の実行状態を図示しており、図10(c)は、遊技球の排出動作の実行状態を図示している。
図10(a)の待機状態は、投入ソレノイド534aが非通電で、排出ゲート部材540が非操作(返却レバー38が非操作)の場合である。即ち、投入ソレノイド534aは非通電となっているので、投入ゲート部材530aの爪部532aは投入通路526a内に突出している。また、排出ゲート部材540は非操作の状態にあるので、排出ゲート部材540の壁板部543aが排出通路527aの位置にあり、排出通路527aの入口が閉鎖されている。つまり、投入ゲート部材530a及び排出ゲート部材540によって、投入通路526a及び排出通路527aが閉状態となっており、これにより遊技球の通過が阻止されている。この場合、投入装置521a内へ入ってきた遊技球のうち、先頭の遊技球は投入ゲート部材530aと排出ゲート部材540との両方に当たった状態で保持される。
図10(a)の待機状態から投入ソレノイド534aへの通電が行われると、図10(b)に示す遊技球の投入(取込)動作状態となる。即ち、投入ソレノイド534aへの通電が行われると、投入ゲート部材530aの爪部532aは、投入通路526aから没入した状態となる(引っ込んだ状態となる)。かかる状態では、投入通路526aの遊技球の通過が許容されて、遊技球の投入(取り込み)が順次行われる。遊技球の投入が行われる際、入口通路522aから投入通路526aへ入ってきた遊技球は、通路閉鎖状態にある排出ゲート部材540の壁板部543aに衝突し、その衝突により流れの勢いが減じられると共に、一瞬停止状態となった後、投入通路526aの下流側へと流れる。このため、投入通路526aでは、前後する遊技球が互いに離間した状態で流下するので、投入センサユニット550aによって遊技球の通過を確実に検知することができる。
図10(a)の待機状態から遊技者による排出操作(遊技者による返却レバー34の操作)が行われると、図10(c)に示す遊技球の排出動作状態となる。かかる状態では、排出ゲート部材540が動作(スライド)して、排出ゲート部材540の開口部542aが排出通路527aの位置へ至り、排出通路527aが開放状態とされる。このとき、投入ソレノイド534aは非通電なので、投入ゲート部材530aの爪部532aは投入通路526a内に突出しており、投入通路526aは閉鎖状態となっている。よって、入口通路522aから入ってきた遊技球は、投入通路526aへの通過が阻止され、排出通路527aへの通過が許容されるので、その結果、排出通路527aを通過して下皿41へ排出される。これにより遊技球の排出(球抜き)が行われる。
投入ユニット52には、上記構成の投入装置521a〜521cが3台並設されており、上皿36の案内通路371〜373から各投入装置521a〜521cへ、それぞれ遊技球が供給される。そして、遊技者によってベットスイッチ35が操作されると、各投入装置521a〜521cによって、それぞれ遊技球が投入される(取り込まれる)。具体的には、例えば15個(マックスベット分)の遊技球が投入される場合、全ての投入装置521a〜521cにおいて同時に投入ゲート部材530a〜530cが没入位置に操作され、遊技球の投入が一斉に開始される。このとき、各投入装置521a〜521cでは遊技球が5個ずつ取り込まれる。
ただし、3台の投入装置521a〜521cのうち、いずれかの投入装置に遊技球が充填されていない場合や、いずれかの投入ソレノイド534a〜534cの故障などで、いずれかの投入装置が正常に作動しない場合には、正常な投入動作を行うことができる残りの投入装置により遊技球の投入が行われる。いずれかの投入装置に遊技球が充填されない場合としては、遊技球は、上皿36にあるものの、いずれかの案内通路371〜373で停留し、その結果、その案内通路371〜373に連通する投入装置521a〜521cに遊技球が充填されない場合がある。例えば、投入装置521aに遊技球が充填されていないとき、又は同投入装置521aの投入ソレノイド534aなどが故障しているときには、その投入装置521a以外の他の投入装置521b,521cによって、15個の遊技球が投入される(取り込まれる)。一方、投入装置521a〜521cや上皿36に残っている遊技球を下皿41へ排出する場合には、遊技者による返却レバー38の操作に伴って排出ゲート部材540がスライドして、各投入装置521a〜521cから、一斉に遊技球の排出が行われる。
次に、本実施形態の遊技球使用回胴遊技機1の電気的構成を、図11のブロック図に基づいて説明する。主制御装置110は、遊技機1の主な制御を行うためのものである。この主制御装置110には、演算処理手段であるマイクロコンピュータのMPU111が搭載されている。MPU111は、制御プログラムや固定値データを記憶した書換不能なメモリであるROM112や、ワークメモリ等として使用される書換可能なメモリであるRAM113の他、タイマ回路や、各種周辺制御装置等とデータ等の送受信を行う送受信回路などを内蔵している。図13から図26に示すフローチャートの処理は、制御プログラムの一部として、ROM112内に記憶されている。また、RAM113のワークメモリの詳細については、図12を参照して後述する。MPU111には、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路(図示せず)や、入出力ポート114などが内部バス等を介して接続されている。かかる主制御装置110は、遊技機1の主な制御を行うメイン基板としての機能を果たすものである。
主制御装置110の入出力ポート114の入力側には、後述する電源装置120に設けられたリセットスイッチ122の出力信号線122aと、スタートレバー検出スイッチ31aと、ラッチ回路132と、左、中、右三列の回転中の各リール82L,82M,82Rを個別に停止させるストップスイッチ32〜34と、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるベットスイッチ35と、返却レバー検出スイッチ38aと、前述した各投入装置521a〜521cの投入センサユニット550a〜550cにそれぞれ2つずつ設けられたセンサと、各投入装置521a〜521cにそれぞれ設けられた投入下流側検出センサ555a〜555cと、リールインデックスセンサ83L,83M,83Rと、設定キー検出スイッチ133と、後述する払出制御装置210からの出力信号線とが、それぞれ接続されている。
スタートレバー検出スイッチ31aは、スタートレバー31の操作を検出するためのスイッチであり、スタートレバー31の操作を検出すると、主制御装置110の入出力ポート114及び後述するラッチ回路132へ、該操作の検出信号を出力する。
乱数カウンタ更新回路131は、所定の周波数のクロックと16ビットの乱数カウンタとを備え、クロックから出力されるクロックパルスの例えば立ち下がり毎に、1カウントずつ乱数カウンタの値をカウントアップするものである。乱数カウンタの乱数値は、クロックパルスによって、ソフト制御では到底追従することができない高速な速度で、「0〜65535」の範囲で常時更新されている。その更新された乱数値は、常時、ラッチ回路132へ出力されている。ラッチ回路132は、上記した入出力ポート114の他に、乱数カウンタ更新回路131とスタートレバー検出スイッチ31aとに接続されている。このラッチ回路132は、16ビットの記憶回路で構成され、乱数カウンタ更新回路131から出力される信号(乱数値)を、スタートレバー31の操作タイミングでラッチするためのものである。即ち、スタートレバー31の操作タイミングで、乱数カウンタの乱数値はラッチ回路132にラッチされる。ラッチ回路132にラッチされた乱数値は、MPU111へ出力される。
尚、乱数カウンタ更新回路131とラッチ回路132とは、主制御装置110に搭載されている。また、乱数カウンタ更新回路131のクロックには、MPU111の動作クロックとは非同期の周波数クロックであって、1.49msecの間隔を得ることのできないものが用いられている。乱数カウンタを、主制御装置110の動作周期である1.49msecの間隔とは非同期の間隔で更新することにより、「ぶら下げ基板」と称される不正な基板が、主制御装置110(MPU111)に同期して動作するように、遊技機1に取り付けられていても、「ぶら下げ基板」によって乱数カウンタの値(乱数値)を把握することはできない。
返却レバー検出スイッチ38aは、返却レバー38の操作を検出するためのスイッチであり、返却レバー38の操作を検出すると、該操作の検出信号を主制御装置110の入出力ポート114へ出力する。リールインデックスセンサ83L,83M,83Rは、対応する各リール82L,82M,82Rの回転原点位置を、それぞれ個別に検出するためのものであり、回転原点位置を検出した場合には、該検出信号を主制御装置110の入出力ポート114へ出力する。また、設定キー検出スイッチ133は、設定キー挿入孔(図示せず)に設定キーが挿入され、該設定キーが回転操作されたことを検出するためのスイッチであり、該操作を検出すると、主制御装置110の入出力ポート114へ、該操作の検出信号を出力する。
主制御装置110の入出力ポート114の出力側には、表示制御装置310と、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示器11と、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどの特別遊技状態の際に残りゲーム数などを表示するゲーム数表示器12と、ベットスイッチ35の内部に設けられ、ベットスイッチ35の押し操作が可能な場合に点灯するベットLED35aと、前述した投入ユニット52の各投入装置521a〜521cにそれぞれ設けられた投入ソレノイド534a〜534cと、各リール82L,82M,82Rをそれぞれ個別に回転させるステッピングモータ91L,91M,91Rと、図示しないホール管理装置などに情報を送信する外部端子板134と、後述する払出制御装置210への出力信号線及びコマンド信号線とが、それぞれ接続されている。
表示制御装置310は、中央ランプ6、側方ランプ7、スピーカ8,45並びに液晶表示ユニット81を駆動制御するための制御装置であり、これらを駆動制御するためのMPU、ROM、RAM等を搭載した制御基板を備えている。そして、主制御装置110からの信号(例えば、コマンド)を受信した上で、表示制御装置310が独自に、中央ランプ6、側方ランプ7、スピーカ8,45並びに液晶表示ユニット81を駆動制御する。従って、表示制御装置310は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置110との関係では、補助的な制御を実行するサブ基板となっている。このように、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設け、それに制御させることにより、メイン基板の制御負担の軽減を図っている。
払出制御装置210は、主制御装置110からの指示に基づいて賞球の払い出しを行うと共に、カードユニット20から指示に基づいて貸し球の払い出しを行うためのものである。この払出制御装置210には、演算処理手段であるマイクロコンピュータのMPU211が搭載されている。MPU211は、制御プログラムや固定値データを記憶した書換不能なメモリであるROM212や、ワークメモリ等として使用される書換可能なメモリであるRAM213の他、タイマ回路や、各種周辺制御装置等とデータ等の送受信を行う送受信回路などを内蔵している。MPU211には、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路(図示せず)や、入出力ポート214などが内部バス等を介して接続されている。
払出制御装置210の入出力ポート214には、空切れ防止スイッチ221と、払出カウントスイッチ222と、払出ソレノイド223と、オーバーフロー検出スイッチ224と、カードユニット接続基板21とが、それぞれ接続されている。
空切れ防止スイッチ221は、払い出しに用いられる遊技球を貯留するための貯留タンク(図示せず)に、遊技球が貯留されているか否かを検出するためのスイッチである。貯留タンクに遊技球が無い状態では、遊技球を払い出せないからである。払出制御装置210は、空切れ防止スイッチ221の出力により、「タンク球有り中」の状態において、貯留タンクの球無しを200msの間継続して検出すると、状態を「タンク球無し中」へ遷移する。逆に、「タンク球無し中」の状態において、貯留タンクの球有りを2000(=200×10)msの間継続して検出すると、状態を「タンク球有り中」へ遷移する。このように「タンク球有り中」又は「タンク球無し中」への状態遷移を、空切れ防止スイッチ221の出力が200ms以上又は2000ms以上継続した場合に行うことで、貯留タンクに一時的に遊技球が無くなった場合の誤検出やノイズなどの影響による誤検出を防止することができる。特に、「タンク球有り中」への遷移条件を、「タンク球無し中」への遷移条件に比べて厳しくすることで、「タンク球有り中」状態の検出を確実に行うことができる。
払出カウントスイッチ222は、払い出された遊技球をカウントするためのスイッチである。遊技球の払い出しは、その払い出し時間を短縮するために、4条の払出通路(図示せず)を設け、その4条の払出通路を介してぞれぞれ行われる。よって、払出カウントスイッチ222は、4条の払出通路のそれぞれに合計で4個設けられている。払出ソレノイド223は、遊技球の払い出しを開始させるためアクチュエータである。この払出ソレノイド223に通電すると、図示しない払出ゲート部材が動作して払出通路が開放され、遊技球の払い出しが行われる。払出ソレノイド223は、払出カウントスイッチ222と同様に、4条の払出通路のそれぞれに合計で4個設けられている。
オーバーフロー検出スイッチ224は、払い出された遊技球で下皿41が満タンになっているか否かを検出するためのスイッチである。下皿41が満タンの状態で、更に遊技球の払い出しを行っても、遊技球が払出通路等に溢れて、遊技球の払い出しを行うことができないからである。払出制御装置210は、オーバーフロー検出スイッチ224の出力により、「下皿満タン中」において、下皿41が満タンでないことを200msの間継続して検出すると、状態を「下皿球無し中」へと遷移する。逆に、「下皿球無し中」において、下皿41の満タンを200msの間継続して検出すると、状態を「下皿満タン中」へと遷移する。このように「下皿満タン中」又は「下皿球無し中」への状態遷移を、オーバーフロー検出スイッチ224の出力が200ms以上継続した場合に行うことで、一時的な満タン状態の発生による誤検出や、ノイズなどの影響による誤検出を防止することができる。
カードユニット接続基板21は、払出制御装置210とカードユニット20とを相互に接続するための中継基板である。カードユニット20は、このカードユニット接続基板21を介して、払出制御装置210とデータ等の送受信を行っている。また、カードユニット接続基板21には、カードユニット20の他に、貸出球の払い出しを促す球貸しボタン14と、カードユニット20に挿入されたカードなどの返却を促す返却ボタン15と、カードユニット20に挿入されているカードなどの残額情報を表示する度数表示器16とが、接続されている。
電源装置120は、主制御装置110をはじめ、遊技機1の各電子機器へ駆動電力を供給する電源部121と、リセットスイッチ122と、バックアップ電源部123と、停電監視回路124とを備えている。リセットスイッチ122は、遊技機1で発生したエラーを解除するためのスイッチである。リセットスイッチが操作されると、リセット信号122aが、主制御装置110や払出制御装置210をはじめとする各制御装置等へ出力され、各制御装置等にて初期化が行われる。この初期化によって、発生したエラーが解除される。
バックアップ電源部123は、遊技機1の電源遮断後においても、主制御装置110へバックアップ電圧を供給するためのものである。よって、主制御装置110は、停電の発生や電源スイッチのオフにより電源が遮断された場合にも、バックアップ電源部123からバックアップ電圧の供給を受けて、RAM113のデータを保持することができる。
停電監視回路124は電源の遮断状態を監視して、停電の発生時や電源スイッチのオフによる電源遮断時に、停電信号124aを出力するためのものである。停電監視回路124は、電源部121から出力される例えば直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号124aを出力するように構成されている。停電信号124aは、MPU111のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)へ出力され、MPU111ではこの停電信号を入力することにより後述する停電時処理が実行される。電源部121からは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置110などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置110による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
尚、停電監視回路124を、電源装置120ではなく、主制御装置110内に設けても良い。また、停電監視回路124から出力される停電信号124aは、MPU111のNMI端子へ出力するだけでなく、主制御装置110の入出力ポート114へも出力するように構成しても良い。この場合、MPU111は、NMI端子へ入力された停電信号124aにより、停電フラグ113hをオンする。そして、その停電フラグ113hのオンによって実行される停電時処理の中で、入出力ポート114を介して入力される停電信号124aの状態を監視し、停電信号124aが依然として出力されている場合には停電時処理を継続し、一方、停電信号124aが既にオフされた場合には、停電フラグ113hをオフして、停電時処理を中止するように構成しても良い。かかる構成によれば、何らかの状態により、停電信号124aの出力が安不定な場合にも、停電時処理を頻繁に行うことなく、遊技機1の制御を安定して行わせることができる。
次に、図12を参照して、主制御装置110のRAM113に設けられた各メモリについて説明する。RAM113には、図12に示す各種のメモリ、フラグ、カウンタ等が設けられている。
当否乱数メモリ113aは、開始された遊技に対応する役を決定するための乱数値を記憶するメモリである。開始された遊技がいずれの役に当選するかまたは外れになるかは、この当否乱数メモリ113aに記憶される値によって決定される。当否乱数メモリ113aには、乱数カウンタ更新回路131から出力された乱数値の内、スタートレバー31が操作されることによりラッチ回路132にラッチされた乱数値が書き込まれる(図14のS207)。MPU111は、後述する抽選処理(図15のS208)の中で、この当否乱数メモリ113aに記憶される乱数値を、諸条件に基づいて選定された乱数テーブルに照らして役の抽選を行い、該乱数値に対応する当否(役に当選させるか外れとするか)と、役への当選である場合には当選させる役の種類とを判断する。
次に、RB当選フラグ113b、RB設定フラグ113c、BB当選フラグ113d、BB設定フラグ113e、残JAC成立数カウンタ113f、残JACゲーム数カウンタ113gの説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。ボーナスゲームには、レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームと、ビッグボーナス(以下「BB」という)ゲームとの2種類のボーナスゲームがある。
RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、5個の遊技球の投入でのみ開始されるゲーム(遊技)であり、JAC図柄(例えば「リプレイ」図柄)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大数(ここでは75枚)の遊技球が払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。
一方、BBゲームは、複数回の小役ゲームと複数回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは、高確率で小役が当選する(有効ライン上に例えば「ベル」図柄などが揃う)ゲームである。JACインとは、12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJACイン図柄(例えば「リプレイ」図柄。本実施形態では、JAC図柄と同じ)が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、BBゲームは、BBゲームでの遊技球の総払出個数が所定の総払出予定個数以上となると、JACインによるJACゲーム中であるか否かに拘わらず終了する。
RB当選フラグ113bは、抽選処理(S208)によって、RBゲームが当選した場合にオンされるフラグであり、RB設定フラグ113cは、そのRBゲームが成立した場合にオンされるフラグである。即ち、RB設定フラグ113cは、RB当選フラグ113bがオンされている状態で、RB図柄が揃うと、オンされる。RB設定フラグ113cがオンされると、RB当選フラグ113bはオフされる。そして、RBゲームが終了すると、RB設定フラグ113cはオフされる。
同様に、BB当選フラグ113dは、抽選処理(S208)によって、BBゲームが当選した場合にオンされるフラグであり、BB設定フラグ113eは、そのBBゲームが成立した場合にオンされるフラグである。即ち、BB設定フラグ113eは、BB当選フラグ113dがオンされている状態で、BB図柄が揃うと、オンされる。BB設定フラグ113eがオンされると、BB当選フラグ113dはオフされる。そして、BBゲームが終了すると、BB設定フラグ113eはオフされる。
残JAC成立数カウンタ113fは、RBゲームにおいて、またはBBゲームにおけるJACインにおいて、JAC図柄の成立可能残数を記憶するカウンタである。残JAC成立数カウンタ113fには、初期値として8が設定され、その値は、JAC図柄の成立毎に1ずつ減算される。残JAC成立数カウンタ113fの値が0となると、RBゲームまたは、BBゲームにおけるJACゲームが終了する。残JACゲーム数カウンタ113gは、RBゲームにおいて、またはBBゲームにおけるJACゲームにおいて、JACゲームの残ゲーム数を記憶するカウンタである。残JACゲーム数カウンタ113gには、初期値として12が設定され、その値は、JACゲームの実行毎に1ずつ減算される。残JACゲーム数カウンタ113gの値が0となると、RBゲームまたは、BBゲームにおけるJACゲームが終了する。
停電フラグ113hは、停電の発生又は遊技機1の電源の遮断を報知するためのフラグである。停電等の発生により遊技機1の電源が遮断されると、停電監視回路124から停電信号124aが主制御装置110のMPU111へ出力される。MPU111は、かかる停電信号124aを入力すると、NMI割込処理(図26参照)を実行して、その結果、停電フラグ113hがオンされる。停電フラグ113hがオンされていると、タイマ割込処理(図23参照)において、停電時処理(S920)が実行される。停電フラグ113hは、一旦オンされると、電源立ち上げ処理(図13参照)の復電処理(S110〜S117)の中でオフされる。
残り払出個数カウンタ113iは、払出コマンドによって主制御装置110から払出制御装置210へ指示した遊技球の払い出し個数を記憶するカウンタである。払出制御装置210によって遊技球の払い出しが行われると、払出制御装置210から主制御装置110へ払出カウント信号が出力される。主制御装置110では、その払出カウント信号の立ち上がりパルスを検出する毎に、残り払出個数カウンタ113iの値を1ずつ減算する。電源立ち上げ処理(図13参照)において、残り払出個数カウンタ113iの値が0でなければ、その値に応じた払出コマンドを払出制御装置210へ送信し、電源の遮断前に払い出しが未完に終わった遊技球の払い出しを、電源の立ち上げ時に行うようにしている。
投入済個数カウンタ113jは、遊技球投入処理(S201)によって遊技機1内へ投入された遊技球の数を記憶するカウンタである。投入済個数カウンタ113jの値が、通常ゲーム時には15に、JACゲーム時には5になると、新たな遊技を開始できる。スタートレバー31の操作によって遊技が開始されると、投入済個数カウンタ113jの値は0クリアされる(S207)。
総投入個数カウンタ113kは、その回の遊技球投入処理によって投入する遊技球の総数を記憶するカウンタである。通常ゲーム時には、15−投入済個数カウンタ113jの値が、JACゲーム時には、5−投入済個数カウンタ113jの値が、それぞれ総投入個数カウンタ113kへセットされる。総投入個数カウンタ113kの値は、遊技球の投入が確認される毎に1ずつ減算され、この値が0となると、遊技球投入処理が終了する。
投入予定個数カウンタ113mは、各投入装置521a〜521cでの投入予定個数を記憶するカウンタである。3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のカウンタ113m1〜113m3が設けられている。第1条は投入装置521aに対応し、第2条は投入装置521bに対応し、第3条は投入装置521cに対応する。投入予定個数カウンタ113mの値は、投入個数振分処理(S812)によって設定され、その値は投入実行処理(S815)によって減算される。投入予定個数カウンタ113mの値が0となると、その条の投入処理が終了する。
投入条ポインタ113nは、第1条から第3条の投入条(投入装置521a〜521c)を指定するためのポインタである。第1条から第3条に併せて、1,2,3の範囲で更新される。投入個数振分処理(S812)や投入実行処理(S815)は、投入条ポインタ113nの値を指定して、投入装置521a〜521c毎に行われる。
投入リトライフラグ113oは、投入装置521a〜521cが遊技球の投入動作を行うことができるか否かを記憶するフラグである。3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のフラグ113o1〜113o3が設けられている。投入リトライフラグ113oがオンされていれば投入動作可能であり、オフされていれば投入動作不可能である。投入リトライフラグ113oは、遊技球投入処理(S201)の開始時に、全て一旦オンされる。そして、投入実行処理(S815)の進行に伴って、投入動作が不可能となった投入装置521a〜521cのフラグ113o1〜113o3が順にオフされる。全条の投入リトライフラグ113oがオフされると、その回の遊技球投入処理(S201)は、終了する。
投入ソレノイド作動フラグ113pは、投入ソレノイド534a〜534cのオン又はオフを指示するためのフラグである。3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のフラグ113p1〜113p3が設けられている。投入ソレノイド作動フラグ113pがオンならば、S818の処理によって、対応する投入ソレノイド534a〜534cがオンし、投入ゲート部材530a〜530cが動作して、投入通路526a〜526cが開放され、その結果、遊技球の投入が許容される。一方、投入ソレノイド作動フラグ113pがオフならば、S818の処理によって、対応する投入ソレノイド534a〜534cがオフされ、投入ゲート部材530a〜530cが動作して、投入通路526a〜526cが閉鎖され、その結果、遊技球の投入が禁止される。
投入遊技球タイマ113qは、遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間)である360msや、遊技球の再投入処理(リトライ処理(S812〜S819))を行う場合の最小ウエイト時間である100msを記憶するためのタイマである。3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のタイマ113q1〜113q3が設けられている。投入遊技球タイマ113qの値は、図23に示すタイマ割込処理によって更新される。
投入禁止タイマ113rは、返却レバー38の操作によって、上皿36の遊技球が下皿41へ排出された場合に、以降の処理の実行を待機するウエイト時間をカウントするためのタイマである。返却レバー38の操作が検出されると、投入禁止タイマ113rに370msが設定され、該タイマ113rの値が0となるまで、以降の処理の進行が待機される。遊技球の返却動作の直後に、投入動作等を行うと、その動作を正常に行えない場合が生じるので、該返却動作が完全に終了するのを待機するのである。なお、投入禁止タイマ113rの値は、図23に示すタイマ割込処理によって更新される。
タイマ割込実行フラグ113sは、図23に示すタイマ割込処理が実行されたことを示すフラグである。投入実行処理(S815)を同一の条に対して連続して行うと、1個の遊技球の投入を、2個以上の投入として誤って検出することがある。よって、タイマ割込処理の1回の実行につき、1の条の投入実行処理(S815)を1回実行するように、タイマ割込実行フラグ113sを設けている。具体的には、タイマ割込処理の実行毎に、タイマ割込実行フラグ113sをオンする。そして、タイマ割込実行フラグ113sがオンされている場合に限り、投入実行処理(S815)を開始可能とし、その開始の際にタイマ割込実行フラグ113sをオフするのである。
投入ソレノイド稼働タイマ113tは、投入ソレノイド534a〜534cの稼働時間を記憶するタイマである。3つの投入ソレノイド534a〜534cに対して、1つの投入ソレノイド稼働タイマ113tが設けられている。投入ソレノイド稼働タイマ113tの値は、図23に示すタイマ割込処理の実行時に、いずれかの投入ソレノイド534a〜534cがオンされていれば、その値に3が加算され、逆に、すべての投入ソレノイド534a〜534cがオフされていれば、その値から1が減算される。
タイマ割込処理は、1.49ms毎に実行されるので、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値は、いずれかの投入ソレノイド534a〜534cがオンされていれば、4.47ms分加算され、逆に、すべての投入ソレノイド534a〜534cがオフされていれば、1.49ms分減算される。加減算の結果、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が5秒以上(3356カウント以上)となると、投入ソレノイド534a〜534cの必要以上の発熱を防止するために、すべての投入ソレノイド534a〜534cの稼働が略15秒間停止され、投入ソレノイド534a〜534cがクールダウンされる。なお、投入ソレノイド534a〜534cのオンまたはオフは、投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3のオンまたはオフの状態によって判断される。
投入ソレノイド作動禁止フラグ113uは、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が、タイマ割込処理での加減算の結果、5秒以上となった場合にオンされるフラグである。投入ソレノイド作動禁止フラグ113uがオンされると、遊技球投入処理(S201)の実行が略15秒間待機される。これにより、投入ソレノイド534a〜534cの稼働が略15秒間停止され、クールダウンが行われる。また、このクールダウン時には、かかる旨が液晶表示ユニット81に表示されると共に、ベットLED35aが消灯して、該状況が遊技者へ報知される。一旦オンされた投入ソレノイド作動禁止フラグ113uは、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0となるとオフされる。
次に、図13から図26のフローチャートを参照して、主制御装置110で実行される各処理について説明する。図13は、主制御装置110において、電源投入後に実行される電源立上げ処理を示したフローチャートである。電源立上げ処理は、停電からの復旧や電源スイッチのオン操作によって電源が投入された場合に実行される。
先ず、スタックポインタの値を設定すると共に、割込み処理を実行するための割込みモードを設定する。その後、MPU111のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などの初期化処理を実行する(S101)。これらの初期化処理(S101)が終了すると、他の制御装置210,310との立ち上げタイミングを調整するために、所定時間のウエイト処理を実行する(S102)。
ウエイト処理(S102)の実行後は、設定キーが設定キー挿入孔に挿入され且つ操作されているか否かを判定する(S103)。設定キーが操作されている場合には(S103:Yes)、設定変更処理を行う(S104)。設定変更処理(S104)では、先ずRAM113に記憶されたデータを全てクリアし、その後、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうち、設定キーの操作によって、どの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。設定変更処理(S104)の実行後は、図14の通常処理(S105)を実行する。
S103の処理において、設定キーが操作されていなければ(S103:No)、以前に実行された設定変更処理(S104)による設定値が、正常に保たれているか否かを確認し(S106)、正常であれば(S106:Yes)、停電フラグ113hがオンされているか否かを確認する(S107)。停電フラグ113hがオンされていれば(S107:Yes)、更に、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(S108)。具体的には、RAM113のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する(S108)。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0であれば(S108:Yes)、RAM113のデータは正常であると判定する。よって、かかる場合には、即ち、停電フラグ113hがオンで、RAM113判定値が正常である場合には、前回の電源遮断時における停電時処理(S920)は正常に完了したということなので、処理をS110へ移行して、復電処理を実行する(S110〜S117)。
一方、S106の処理において、設定変更処理(S104)によって設定されていた設定値に異常がある場合や(S106:No)、停電フラグ113hがオフの場合や(S107:No)、RAM判定値が異常であれば(S108:No)、前回の電源遮断時に何らかの異常が発生している。よって、かかる場合には、エラー表示処理を実行して(S109)、エラーの発生を遊技場の従業員等へ報知する。この場合、遊技場の従業員が、遊技機1の電源を一旦オフし、その後、設定キーを挿入した状態で電源を再投入することにより、該エラーは解除される。前述した通り、設定キーを操作した状態で電源を再投入すると(S103:Yes)、設定変更処理(S104)が実行されてRAM113の内容がクリアされる。その結果、エラーが解除され、遊技機1は通常状態に復帰するからである。
S110からの復電処理では、停電時処理(S920)の際に、RAM113へ保存されたスタックポインタの値を、MPU111のスタックポインタに書き込んで、スタックの状態を電源遮断前の状態に復帰する(S110)。次に、復電処理の実行を伝える内部状態コマンド(復電コマンド)を、払出制御装置210および表示制御装置310へ送信する(S111)。その後、遊技状態として打ち止め設定保存処理を行い(S112)、スタートレバー検出スイッチ31aや投入センサユニット550a〜550c内に設けられるセンサ等の状態を記憶するメモリの初期化、即ち各種センサの初期化を行い(S113)、停電フラグ113hをオフする(S114)。
残り払出個数カウンタ113iの値を確認し(S115)、その値が0であれば(S115:Yes)、処理をS117へ移行する。一方、残り払出個数カウンタ113iの値が0でなければ(S115:No)、払出コマンド設定処理を実行して、残り払出個数カウンタ113iに記憶される値の遊技球を払い出すよう、払出制御装置210へ送信するための払出コマンドを設定する(S116)。
S117の処理では、リターン命令を実行する。これにより、スタックメモリに記憶される電源遮断前の番地へジャンプする。具体的には、後述するタイマ割込処理(図23参照)のウォッチドッグタイマクリア処理(S903)へジャンプする。これにより、タイマ割込処理が実行されて、払出コマンド設定処理で設定された払出コマンドが、ポート出力処理(913)によって払出制御装置210へ送信されると共に、その払出コマンドを受信した払出制御装置210によって遊技球が払い出される。
払い出された遊技球が払出制御装置210によって検出されると、払出制御装置210から主制御装置110へ払出カウント信号が出力される。主制御装置110では、かかる払出カウント信号の立ち上がりパルスを検出する毎に、遊技球の1個の払い出しを確認し、残り払出個数カウンタ113iの値を1ずつ減算する。なお、払出カウント信号の検出は、タイマ割込処理(図23)のセンサ監視処理(S907)で行われ、残り払出個数カウンタ113iの値の減算はタイマ減算処理(S908)で行われる。
次に、図14のフローチャートを参照して、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理(S105)について説明する。通常処理は、主制御装置110のMPU111が実行するメイン処理を構成する。
通常処理では、まず、投入ソレノイド作動禁止フラグ113uの状態を確認する(S151)。該フラグ113uがオンされていれば(S151:Yes)、投入ソレノイド534a〜534cが必要以上に稼働を継続した結果、必要以上に発熱する恐れが生じている状態である。よって、かかる場合には、液晶表示ユニット81に「投入ユニットのクールダウン中」と表示して(S152)、その旨を遊技者へ報知し、更に、ベットLED35aを消灯して(S153)、現在、遊技球の投入ができない状態にあることを報知する。その後、投入ソレノイド534a〜534cの稼働停止時間、即ちクールダウンの時間を確保するべく、15秒間のウエイト処理を実行する(S154)。
なお、15秒のウエイト処理(S154)が実行されると、投入ソレノイド作動禁止フラグ113uは、タイマ割込処理の中で実行される投入ソレノイド稼働タイマ更新処理(図24、S915)によってオフされる。また、投入ソレノイド534a〜534cが必要以上に稼働を継続した場合としては、遊技者による異常操作によって、遊技球の投入と返却とが繰り返された場合などの異常時を例示することができる。ウエイト処理(S154)の実行後は、処理をS151へ移行する。
S151の処理において、投入ソレノイド作動禁止フラグ113uがオフされていれば(S151:No)、投入ソレノイド534a〜534cは稼働可能な状態にある。よって、かかる場合には、液晶表示ユニット81に「投入ユニットのクールダウン中」と表示されていれば、これを消去し(S155)、ベットLED35aを点灯して(S156)、遊技球の投入が可能であることを示した上で、遊技の開始条件となる遊技球の投入を行う遊技球投入処理を実行する(S201)。
遊技は、通常ゲーム時には15個の遊技球の投入を条件に、また、JACゲーム中は5個の遊技球の投入を条件に、遊技を開始することができる。遊技球投入処理は、上皿36に貯留される遊技球を遊技機1の遊技状態に応じて、15個又は5個、遊技機1内へ投入するための処理である。この遊技球投入処理については、後述する。
遊技球投入処理(S201)の実行後は、遊技機1の遊技状態がJACゲーム中であるか否かを確認する(S202)。JACゲーム中でなければ(S202:No)、投入済個数カウンタ113jの値が15であるか否かを確認し(S203)、15でなければ(S203:No)、遊技の開始条件を満たしていないので、処理をS201へ移行して、遊技球投入処理(S201)を再実行する。また、JACゲーム中である場合に(S202:Yes)、投入済個数カウンタ113jの値が5であるか否かを確認し(S204)、5でなければ(S204:No)、同様に、遊技の開始条件を満たしていないので、処理をS201へ移行して、遊技球投入処理(S201)を再実行する。
一方、JACゲーム中で無い場合に(S202:No)、投入済個数カウンタ113jの値が15であるか(S203:Yes)、JACゲーム中に(S202:Yes)、投入済個数カウンタ113jの値が5であれば(S204:Yes)、遊技の開始条件を満たしている。よって、それ以上の遊技球の投入は必要ない(それ以上の遊技球の投入はできない)ので、ベットLED35aを消灯した上で(S205)、スタートレバー31の操作を監視する(S206)。
スタートレバー31が操作されると、その操作は、スタートレバー検出スイッチ31aによって検出される。スタートレバー31が未操作であれば(S206:No)、その処理をS201へ移行して、再度、スタートレバー31の操作を待機する。一方、スタートレバー31の操作が、スタートレバー検出スイッチ31aによって検出されると(S206:Yes)、かかる操作のタイミングで、ラッチ回路132にラッチされた乱数値を当否乱数メモリ113aに書き込むと共に、投入済個数カウンタ113jの値を0クリアする(S207)。
次に、スタートレバー31の操作を契機として実行される遊技に対し、当否および当選させる役を抽選するための抽選処理を実行する(S208)。抽選処理の実行後は、端数球払出処理を実行する(S209)。端数球払出処理は、遊技球投入処理(S201)により必要な数以上の遊技球が遊技機1内へ投入された場合に、その端数の遊技球を払い出すための処理である。端数球払出処理の実行後は、各リール82L,82M,82Rの回転と停止とを制御するリール制御処理を実行する(S210)。このリール制御処理では、ストップスイッチ32〜34の操作に起因して対応するリールの回転を停止させると共に、停止した各リール82L,82M,82Rによって抽選処理(S208)で決定された役および図柄が現出するように、抽選処理(S208)にて決定されたスベリテーブルに基づいて、各リール82L,82M,82Rの停止を制御する。各リール82L,82M,82Rが停止すると、リール制御処理を終了する。
リール制御処理(S210)の終了後は、停止された各リール82L,82M,82Rの図柄の組合せに応じて遊技球を払い出す遊技球払出処理を実行する(S211)。遊技球払出処理(S211)の終了後は、ボーナス役に入賞している場合に通常より有利な特別遊技であるボーナスゲームを実行する特別遊技状態処理を実行する(S212)。特別遊技状態処理の実行後は、処理をS201へ移行して、前述した各処理を繰り返し実行する。
図15は、図14の通常処理(S105)の中で実行される抽選処理のフローチャートである。抽選処理(S208)は、実行する遊技に対し、当否および当選させる役を抽選するための処理である。まず、遊技機1の現在の設定状態や小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する(S301)。ここで、遊技機1の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
S302では、このようにして選択された乱数テーブルに、当否乱数メモリ113aに記憶される値、即ち、スタートレバー31の操作を契機としてラッチ回路132にラッチした乱数カウンタ更新回路131の乱数値を照らして役の抽選を行う(S302)。そして、いずれかの役に当選したか否かを判定し(S303)、いずれの役にも当選していない(外れである)場合には(S303:No)、そのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合には(S303:Yes)、その役に応じた当選フラグ113b,113d等をオンし(S304)、図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。S304の処理後、リール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM113のスベリテーブル格納エリアに格納して(S305)、この抽選処理(S208)を終了する。
尚、ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ32〜34が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリール82L,82M,82Rをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。リール制御処理(S210)において、かかるスベリテーブルを用いて、リール82L,82M,82Rの停止位置を制御することにより、停止したリール82L,82M,82Rの態様を抽選結果に整合させることができる。
図16は、図14の通常処理(S105)の中で実行されるリール制御処理のフローチャートである。リール制御処理(S210)は、各リール82L,82M,82Rの回転を開始させると共に、ストップスイッチ32〜34の押下操作に連動して、回転しているリール82L,82M,82Rの停止制御を行うための処理である。
リール制御処理では、まず、ウエイト処理を実行する(S401)。このウエイト処理は、前回の遊技(ゲーム)において、リール82L,82M,82Rの回転を開始した時点から所定のウエイト時間(例えば4.1秒)が経過するまで、今回のゲームにおいてリール82L,82M,82Rの回転を開始せずに待機するための処理である。この処理は、一定時間中に行われるゲームの回数を制限して、一定時間中に消費される遊技球の数を制限するために設けられている。ウエイト時間が経過していれば直ちに各リール82L,82M,82Rは回転を開始し、一方、ウエイト時間が経過していなければ遊技者により、遊技球が投入され、スタートレバー31が操作されたとしても、各リール82L,82M,82Rの回転は待機される。
S401のウエイト処理の後、リール回転処理を行い(S402)、各リール82L,82M,82Rを回転させる。その後、左リール82Lが回転を開始してから所定時間(例えば0.8秒)が経過したか否かを判定し(S403)、経過していない場合には(S403:No)、所定時間が経過するまで待機する。一方、左リール82Lの回転開始後、所定時間が経過した場合には(S403:Yes)、処理をS404へ移行する。
S403の処理は、各リール82L,82M,82Rが安定した回転速度に達するまで待機するために設けられた遅延タイマである。各リール82L,82M,82Rは、ステッピングモータ91L,91M,91Rにより回転駆動されており、その始動時および停止時には大きなトルクが発生する。そのため、各リール82L,82M,82Rの始動時に停止処理を行うと、ステッピングモーター91L,91M,91Rに大きな負荷がかかり寿命が低下してしまう。よって、所定時間(リール安定時間)の遅延タイマを設けることにより、ステッピングモーター91L,91M,91Rの寿命が低下することを防止することができる。
S404の処理では、ストップスイッチ32〜34のいずれかが押下操作されて、リールの停止指令が発生したか否かを判定する(S404)。停止指令が発生していなければ(S404:No)、各リール82L,82M,82Rの回転時間が最大回転時間(例えば300秒)が経過したか否かを判定する(S405)。最大回転時間とは、スタートレバー31が操作された結果、各リール82L,82M,82Rが回転を開始してから計測される経過時間である。S402の処理において、リールが回転を開始するタイミングで最大回転時間を計時するためのカウンタに300秒後に「0」に更新される初期値を書き込み、その後のタイマ割込処理によって1ずつ減算して更新させて計測する。ステッピングモーター91L,91M,91Rは、長時間駆動した状態が継続すると、発熱し故障の原因となるが、このように、最大回転時間を設定することで、ステッピングモーター91L,91M,91Rの故障の発生を低減することができる。なお、最大回転時間の計測は、公知の他の技術を使用して行うようにしても良い。
各リール82L,82M,82Rの回転時間が最大回転時間を経過していなければ(S405:No)、処理をS404へ移行する。一方、最大回転時間を経過していれば(S405:Yes)、強制停止処理を実行して、回転中のすべてのリール82L,82M,82Rを強制的に順次停止させる(S406)。強制停止処理の実行後は、処理をS412へ移行する。
S404の処理において、ストップスイッチ32〜34のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には(S404:Yes)、リール停止処理を実行する(S407)。このリール停止処理(S407)では、押下操作されたストップスイッチ32〜34に対応するリール82L,82M,82Rを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグ113b,113d等がセット(S304)されている場合には、RAM113のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチ32〜34が押下操作された場合には、「スイカ」図柄が下ラインに停止するように図柄2つ分だけリール82L,82M,82Rを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチ32〜34を押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄を停止できないこともある。
今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール82L,82M,82R全てが回転しているときにストップスイッチ32〜34が押下操作されたか否かを判定し(S408)、第1停止指令の場合には(S408:Yes)、スベリテーブル変更処理を行う(S409)。このスベリテーブル変更処理(S409)では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに、役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リール82Lにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理(S409)は、役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、S408の処理で、今回の停止指令が第1停止指令でないと判定された場合には(S408:No)、今回の停止指令が第2停止指令か否か、つまり3つのリール82L,82M,82Rのうち1のリールが停止し他の2のリールが回転しているときに、他の回転しているリール82L,82M,82Rに対応したストップスイッチ32〜34が押下操作されたか否かを判定する(S410)。
今回の停止指令が第2停止指令のときには(S410:Yes)、2のリールが停止した状態となるので、その時の停止表示された図柄を判定するために停止目判定処理を行う(S411)。この停止目判定処理(S411)では、2つのリールが停止している場合にその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ8,45から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に液晶表示ユニット81を用いた演出を行ってもよい。
スベリテーブル変更処理(S409)または停止目判定処理(S411)の実行後、或いは、S410の処理において今回の停止指令が第2停止指令でなかったと判定された場合には(S410:No)、各リール82L,82M,82Rの全ての回転が停止したか否かを判定する(S412)。いずれかのリール82L,82M,82Rが回転していると判定された場合には(S412:No)、処理をS404に戻して、前述したS404からS412の各処理を繰り返す。一方、全てのリール82L,82M,82Rの回転が停止したと判定された場合には(S412:Yes)、払出判定処理を実行する(S413)。
払出判定処理(S413)では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときには、RAM113の残り払出個数カウンタ113iに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときには、並んだ役と対応する払出し個数を、残り払出個数カウンタ113iにセットする。なお、役が有効ライン上に並んでいるときには、その役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには中央ランプ6や側方ランプ7を点滅させる等してエラー表示を行うと共に、残り払出個数カウンタ113iに0をセットするものとしても良い。
図17は、図14の通常処理(S105)の中で実行される遊技球払出処理のフローチャートである。遊技球払出処理(S211)は、遊技の結果、生じた遊技球の払い出しを払出制御装置210へ指示すると共に、その指示した遊技球の払い出しを確認するための処理である。
遊技球払出処理では、まず、前述した払出判定処理(S413)によってセットされた残り払出個数カウンタ113iの値が0であるか否かを判定する(S501)。残り払出個数カウンタ113iの値が0であれば(S501:Yes)、払い出される遊技球は無いので、かかる場合には、この遊技球払出処理を終了する。
払出判定処理(S413)によってセットされた残り払出個数カウンタ113iの値が0で無ければ(S501:No)、払出コマンド設定処理を実行する(S502)。払出コマンド設定処理では、残り払出個数カウンタ113iにセットされた値の遊技球を払い出すよう指示するための払出コマンドが設定される。設定された払出コマンドは、後述するタイマ割込処理(図23参照)のポート出力処理(S913)によって、払出制御装置210へ送信される。
払出制御装置210によって払出コマンドが受信されると、その払出コマンドで指示された数の遊技球が払い出される。払い出された遊技球が払出制御装置210によって検出されると、払出制御装置210から主制御装置110へ払出カウント信号が出力される。主制御装置110では、かかる払出カウント信号の立ち上がりパルスを検出する毎に、遊技球の1個の払い出しを確認し、残り払出個数カウンタ113iの値を1ずつ減算する。なお、払出カウント信号の検出は、タイマ割込処理(図23)のセンサ監視処理(S907)で行われ、残り払出個数カウンタ113iの値の減算はタイマ減算処理(S908)で行われる。
よって、払出コマンド設定処理の後は、残り払出個数カウンタ113iの値を確認する(S503)。残り払出個数カウンタ113iの値が0でなければ(S503:No)、その値が0となるまで、S503の各処理を繰り返す。一方、残り払出個数カウンタ113iの値が0となれば(S503:Yes)、すべての遊技球の払い出しは終了したので、かかる場合には、この遊技球払出処理を終了する。遊技球払出処理は、すべての遊技球の払い出しを完了した場合に終了する。
図18は、図14の通常処理(S105)の中で実行される特別遊技状態処理のフローチャートである。特別遊技状態処理(S212)は、RBゲームやBBゲームの制御を行うための処理である。特別遊技状態処理では、まず遊技状態がボーナスゲーム中であるか否かを判定し(S601)、ボーナスゲーム中でなければ(S601:No)、図19に示すボーナス図柄判定処理を実行する(S602)。
図19は、ボーナス図柄判定処理のフローチャートである。ボーナス図柄判定処理(S602)は、停止図柄に応じて、RBやBBを成立させるための処理である。まず、RB当選フラグ113bがオンされているか否かを判定し(S701)、オンされていれば(S701:Yes)、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定する(S702)。RB図柄が揃っていなければ(S702:No)、このボーナス図柄判定処理を終了する。
一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃っていれば(S702:Yes)、RBゲーム初期設定処理を実行する(S703)。RBゲーム初期設定処理では、各カウンタやフラグ等の値をRBゲームを開始できる状態に設定する。特に、RB当選フラグ113bをオフし、RB設定フラグ113cをオンし、残JAC成立数カウンタ113fに8をセットし、残JACゲーム数カウンタ113gに12をセットする。S703の処理後は、このボーナス図柄判定処理を終了する。
S701の処理において、RB当選フラグがオフされていれば(S701:No)、BB当選フラグ113dがオンされているか否かを判定し(S704)、オンされていなければ(S704:No)、ボーナス図柄判定処理を終了する。S704の処理において、BB当選フラグ113dがオンされていれば(S704:Yes)、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定する(S705)。今回有効ライン上にBB図柄が揃っていなければ(S705:No)、ボーナス図柄判定処理を終了する。
一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃っていれば(S705:Yes)、BBゲーム初期設定処理を実行する(S706)。BBゲーム初期設定処理では、各カウンタやフラグ等の値をBBゲームを開始できる状態に設定する。特に、BB当選フラグ113dをオフし、BB設定フラグ113eをオンをする。更に、1回のBBゲームで払い出すことができる総払出予定個数(S615参照)を設定する。S706の処理後は、このボーナス図柄判定処理を終了する。
図18に戻って特別遊技状態処理(S212)について説明する。S601の処理において、遊技状態がボーナスゲーム中であれば(S601:Yes)、そのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する(S603)。JACゲームでなければ(S603:No)、BBゲームの小役ゲーム中であるので、JACイン図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する(S612)。JACイン図柄が有効ライン上に揃っていれば(S612:Yes)、JACインなのでJACゲームを開始するために、BBゲーム中のJACゲーム初期設定処理を実行する(S613)。JACゲーム初期設定処理では、各カウンタやフラグ等の値をJACゲームを開始できる状態に設定する。特に、残JAC成立数カウンタ113fに8をセットし、残JACゲーム数カウンタ113gに12をセットする。
S613の処理後、或いは、S612の処理でJACイン図柄が有効ライン上に揃わない場合には(S612:No)、今回のBBゲーム中の遊技球の総払出個数が、1回のBBゲームに許容される総払出予定個数以上となったか否かを判断する(S615)。遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上で無ければ(S615:No)、BBゲームを継続したまま、この特別遊技状態処理を終了する。一方、遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上であれば(S615:Yes)、BBゲームをこれ以上継続することはできないので、特別遊技状態終了処理を実行して(S611)、この特別遊技状態処理を終了する。特別遊技状態終了処理(S611)では、BB設定フラグ113eやRB設定フラグ113cがオフされると共に、BBゲーム中であればBBゲームの、RBゲーム中であればRBゲームの、各エンディング処理が実行される。
S603の処理において、JACゲーム中であると判定された場合には(S603:Yes)、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する(S604)。JAC図柄が有効ライン上に揃っていれば(S604:Yes)、残JAC成立数カウンタ113fの値を1減算する(S605)。S605の処理後、又は、S604の処理においてJAC図柄が有効ライン上に揃わなければ(S604:No)、JACゲームを1つ消化したことになるため、残JACゲーム数カウンタ113gの値を1減算する(S606)。
続いて、残JAC成立数カウンタ113fの値を確認し(S607)、その値が0であれば(S607:Yes)、JACゲームの終了なので、処理をS609へ移行する。残JAC成立数カウンタ113fの値が0でなければ(S607:No)、残JACゲーム数カウンタ113gの値を確認し(S608)、その値が0であれば(S608:Yes)、同様に、JACゲームの終了なので、処理をS609へ移行する。
S609の処理では、JACゲームの解消処理を行って、JACゲームを終了させる(S609)。このとき、残JAC成立数カウンタ113fおよび残JACゲーム数カウンタ113gの各値は、それぞれ0クリアされる。
S609の処理後、又はS608の処理において残JACゲーム数カウンタ113gの値が0でなければ(S608:No)、RB設定フラグ113cを確認し(S610)、RB設定フラグ113cがオンされていれば(S610:Yes)、今回の特別遊技はRBゲームであるので、前述した特別遊技状態終了処理を実行して(S611)、この特別遊技状態処理を終了する。
一方、RB設定フラグ113cがオフされていれば(S610:No)、今回の特別遊技はBBゲームであるので、今回のBBゲーム中の遊技球の総払出個数が、1回のBBゲームに許容される総払出予定個数以上となったか否かを判断する(S615)。遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上で無ければ(S615:No)、BBゲームを継続したまま、この特別遊技状態処理を終了する。一方、遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上であれば(S615:Yes)、BBゲームをこれ以上継続することはできないので、特別遊技状態終了処理を実行して(S611)、この特別遊技状態処理を終了する。
図20は、図14の通常処理(S105)の中で実行される遊技球投入処理のフローチャートである。遊技球投入処理(S201)は、通常ゲーム時には15個の、JACゲーム時には5個の遊技球を、前述した上皿36から投入ユニット52を介して、遊技機1内へ投入する(取り込む)ための処理である。
遊技球投入処理(S201)では、まず、JACゲーム中であるか否かを判断する(S801)。JACゲーム中でなければ(S801:No)、遊技機1内へ投入された遊技球の数を記憶する投入済個数カウンタ113jの値が15であるかを確認する(S802)。投入済個数カウンタ113jの値が15であれば(S802:Yes)、既に15個の遊技球が投入されており、ゲーム(遊技)を開始するために新たな遊技球の投入は不要なので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。一方、投入済個数カウンタ113jの値が15でなければ(S802:No)、処理をS804へ移行する。
S801の処理において、JACゲーム中であれば(S801:Yes)、投入済個数カウンタ113jの値が5であるかを確認する(S803)。投入済個数カウンタ113jの値が5であれば(S803:Yes)、既に5個の遊技球が投入されており、ゲーム(遊技)を開始するために新たな遊技球の投入は不要なので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。一方、投入済個数カウンタ113jの値が5でなければ(S803:No)、処理をS804へ移行する。
S804の処理では、遊技球の投入を指示するベットスイッチ35が押下されたか否かを確認し(S804)、押下されていなければ(S804:No)、この遊技球投入処理を終了する。ベットスイッチ35が押下された場合(S804:Yes)、JACゲーム中でなければ(S805:No)、15−投入済個数カウンタ113jの値を総投入個数カウンタ113kへセットし(S806)、JACゲーム中であれば(S805:Yes)、5−投入済個数カウンタ113jの値を総投入個数カウンタ113kへセットする(S807)。これにより、今回の遊技球投入処理において投入するべき遊技球の総数が、総投入個数カウンタ113kへセットされる。
そして、第1条〜第3条投入リトライフラグ113o1〜113o3をそれぞれオンして(S808)、3台の投入装置521a〜521cのすべてについて、投入処理が行われるように初期設定する。なお、投入リトライフラグ113o1〜113o3をはじめ、3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のフラグやカウンタが設けられているが、投入装置521aに第1条が対応し、投入装置521bに第2条が対応し、投入装置521cに第3条が対応する。
S809の処理では、いずれかの投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンされていれば(S809:Yes)、総投入個数カウンタ113kの値を確認し(S810)、その値が0でなければ(S810:No)、全条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3が0となるまで待機し(S811:No)、すべてのタイマ113q1〜113q3の値が0となれば(811:Yes)、図21に示す投入個数振分処理を実行する(S812)。なお、投入遊技球タイマ113q1〜113q3の値は、図23に示すタイマ割込処理によって更新される。
図21は、投入個数振分処理を示したフローチャートである。前述した通り、投入ユニット52は3台の投入装置521a〜521cによって構成され、その3台の投入装置521a〜521cにより、それぞれ遊技球の投入が行われる。よって、投入個数振分処理(S812)は、各投入装置521a〜521cで均等に遊技球の投入を行うために、各投入装置521a〜521cがそれぞれ何個ずつ投入するのかの投入予定個数を振り分けるための処理である。
投入個数振分処理では、まず、総投入個数カウンタ113kの値をスタックエリアへ退避する(S831)。次に、各投入装置521a〜521cでの投入予定個数を記憶する第1条〜第3条投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値をそれぞれ0クリアし(S832)、更に、投入条ポインタ113nへ3を書き込んで初期化する(S833)。投入条ポインタ113nは、3台の投入装置521a〜521cのうち、遊技機1側に配設される投入装置521c,521b,521aから順に指定するために、3,2,1,3,・・と順に更新される。
投入条ポインタ113nの値が示す投入リトライフラグ113o1〜113o3の状態を確認し(S834)、オンであれば(S834:Yes)、その条に対応する投入装置521a〜521cを使用しての遊技球の投入は可能である。よって、かかる場合には、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を1加算して、1個の遊技球を、当該条に対応する投入装置521a〜521cから投入するように振り分ける。更に、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオンし、1個の遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間)である360msを、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3にセットし、総投入個数カウンタ113kの値を1減算する(S835)。
当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオンすることにより、図20のS818の処理によって、該当する投入装置521a〜521cの投入ソレノイド534a〜534cがオンされ、投入ゲート部材530a〜530cによって遊技球の投入通路526a〜526cが開放され、その投入装置521a〜521cにおいて投入動作が開始される。
次に、総投入個数カウンタ113kの値を確認し(S836)、0でなければ(S836:No)、遊技球の振り分けは完了していないので、投入条ポインタ113nの値を更新する(S837,S838,S833)。具体的には、投入条ポインタ113nの値が1でなく、3又は2であれば(S837:No)、投入条ポインタ113nの値を1減算して(S838)、処理をS834へ移行する。一方、投入条ポインタ113nの値が1であれば(S837:Yes)、処理をS833へ移行して、投入条ポインタ113nの値を3に初期化する(S833)。
S836の処理において、総投入個数カウンタ113kの値が0であれば(S836:Yes)、S833からS838の各処理を繰り返した結果、投入すべき全ての遊技球の振り分けは完了したことになるので、S831の処理で退避しておいた総投入個数カウンタ113kの値を復帰して(S839)、この投入個数振分処理を終了する。
また、S834の処理において、投入条ポインタ113nの値が示す投入リトライフラグ113o1〜113o3がオフであれば(S834:No)、その条に対応する投入装置521a〜521cを使用しての遊技球の投入は不可能である。よって、かかる場合には、その条に対応する投入装置521a〜521cへの遊技球の振り分けを行わないように、S835及びS836の処理をスキップして、処理をS837へ移行する。
このように、投入すべき遊技球を、3台の投入装置521a〜521cに対して1ずつ振り分けるので、3台の投入装置521a〜521cで投入する遊技球の数をほぼ均等にすることができる。よって、3台の投入装置521a〜521cを同時に使用して投入を開始した場合に、その投入を短時間で終了することができる。投入すべき遊技球を、いずれかの投入装置521a〜521cに数多く振り分けると、その投入装置521a〜521cでの投入に長時間を要し、全体の投入時間が長くなるからである。
また、投入すべき遊技球は、3台の投入装置521a〜521cのうち、遊技機1の本体側に配設される投入装置521c,521b,521aほど、その数が多くなるように振り分けられる。図6に示す上皿36の最低位である奥右側領域R3は、領域R1側が高く、遊技機1側が低く傾斜して形成されている。よって、上皿36内の遊技球は、奥右側領域R3の遊技機1側の側面に沿って案内通路371〜373へ案内され易く構成されている。従って、遊技球は、遊技機1の本体側の案内通路371〜373ほど通過し易く構成されるので、投入する遊技球の振り分けを遊技機1の本体側に配設される投入装置521a〜521cほど多くすることで、遊技球の投入をスムースに行うことができるのである。かかる遊技球の振り分け方式は、上皿36内の遊技球が数少なくなった場合にも、遊技球の投入をスムースに行うことができる。遊技球が流入し易い案内通路373に連通する投入装置521cに、多くの数の遊技球を振り分けるからである。
図20に戻って説明する。投入個数振分処理(S812)の実行後は、タイマ割込実行フラグ113sの状態を確認する(S813)。タイマ割込実行フラグ113sがオンされていれば(S813:Yes)、投入条ポインタ113nへ3を書き込んでこれを初期化し(S814)、その上で、図22に示す投入実行処理を実行する(S815)。
図22は、投入実行処理を示したフローチャートである。投入実行処理(S815)は、投入個数振分処理(S812)によって、各投入装置521a〜521cに対して振り分けられ、その後、各投入装置521a〜521cによって投入が開始された遊技球の個数をカウントすると共に、その投入の終了を管理するための処理である。各投入装置521a〜521cでは、自己の条に対応する投入予定個数カウンタ113m1〜113m3に記憶される個数の遊技球の投入が行われる。
投入実行処理では、まず、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を確認し(S851)、その値が0であれば(S851:Yes)、既に当該条に対応する投入装置521a〜521cによる投入は終了しているので、この投入実行処理を終了する。なお、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3は、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が0になるタイミングでオフされるので(S861参照)、かかる場合には、当該条の投入ソレノイド534a〜534cは、既にオフされている(図20のS818参照)。
当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が0でなければ(S851:No)、上皿36に貯留されている遊技球を下皿41へ返却するための返却レバー38の操作中であるか否かを確認する(S852)。返却レバー38の操作は、返却レバー検出スイッチ38aの出力信号によって確認することができる。返却レバー38の操作中でなければ(S852:No)、当該条の投入センサユニット(Wセンサ)550a〜550cの出力に変化があるかを確認し(S853)、変化がなければ(S853:No)、遊技球の投入状態に変化がないので、S854からS861の各処理の実行をスキップして、処理をS871へ移行する。一方、当該条の投入センサユニット550a〜550cの出力に変化があれば(S853:Yes)、その変化位相が正常であるか否かを確認する(S854)。
前述した通り、投入センサユニット550a〜550cは、発光素子および受光素子で構成される一対のセンサが、上下2段に2組設けられたものである。S854の処理では、その2組のセンサの出力信号の位相変化によって、遊技球が正常に投入されたものであるか否かを監視している。当該条の投入センサユニット550a〜550cの出力した変化位相が異常であれば(S854:No)、エラー処理を実行して、位相異常のエラー発生を報知する(S855)。S855のエラー処理は無限ループとなっており、該エラーは遊技機1をリセットすることによってのみ解消できる。よって、遊技場の店員等に該エラーの発生を確実に報せることができる。
このように、投入センサユニット550a〜550cの出力信号に位相異常が発生した場合には、位相異常のエラーを発生させてエラー処理を無限ループし、遊技の進行をストップする。よって、何らかの不正行為によって位相異常のエラーが発生すると、遊技者は以降の遊技を続行することができないので、不正行為を継続し得ず、故に不正行為の実行を未然に防ぐことができる。
S854の処理において、当該条の投入センサユニット550a〜550cの出力した変化位相が正常であれば(S854:Yes)、遊技球の投入は正常なので、かかる場合には、更に、投入された遊技球が当該条の投入センサユニット550a〜550cの通過を完了したか否かを確認する(S856)。通過の完了は、投入センサユニット550a〜550cの上下2段のセンサがいずれも遊技球を検出しなくなった場合に確認することができる。遊技球が当該条の投入センサユニット550a〜550cの通過を完了していれば(S856:Yes)、遊技球の投入を1個検出したものとして、総投入個数カウンタ113kおよび当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値をそれぞれ1ずつ減算し、投入済個数カウンタ113jの値を1加算する(S857)。その後は、処理をS871へ移行する。
一方、S856の処理において、遊技球が当該条の投入センサユニット550a〜550cの通過を完了していなければ(S856:No)、遊技球の通過の開始か否かを確認する(S858)。遊技球の通過の開始は、投入センサユニット550a〜550cの上下2段のセンサがいずれも遊技球を検出しない状態から、上段のセンサのみが遊技球を検出する状態に遷移した場合に確認することができる。遊技球の通過の開始でなければ(S858:No)、処理をS871へ移行する。
S858の処理において、遊技球の通過の開始が検出されれば(S858:Yes)、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を確認する(S859)。その値が1でなければ(S859:No)、即ち、通過を開始した遊技球が、投入されるべき最後の1個でなければ、次の遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間)である360msを、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3にセットして(S860)、処理をS871へ移行する。
一方、S858の処理において、遊技球の通過の開始が検出され(S858:Yes)、その時の当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が1であれば(S859:Yes)、その通過を開始した遊技球は、その投入装置521a〜521cにおいて、投入されるべき最後の1個の遊技球である。よって、かかる場合には、以降の遊技処理を迅速に進めるために、投入実行処理(S815)を含め、遊技球投入処理(S201)を迅速に終了するべく、次の処理を行う(S861)。
まず、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフする。これにより、図20のS818の処理によって、該当する投入装置521a〜521cの投入ソレノイド534a〜534cがオフされ、投入ゲート部材530a〜530cによって遊技球の投入通路526a〜526cが閉鎖され、その投入装置521a〜521cにおける投入動作が終了する。
次に、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3に0をセットし、総投入個数カウンタ113kおよび当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値をぞれぞれ1ずつ減算し、更に、投入済個数カウンタ113jの値を1加算する。これにより、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値は0となる。また、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3に0をセットしているので、後述するS871の処理において、即座にS871:Yesに分岐し、その条の投入実行処理を完了できる。
S871の処理では、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3の値を確認し(S871)、その値が0でなければ(S871:No)、今回の投入実行処理を終了する。投入遊技球タイマ113q1〜113q3は、1の遊技球の投入開始の検出から、次の遊技球の投入開始を検出するまでのタイムアウト時間、或いは、後述するS876の処理で設定された100msを、計時するタイマである。よって、該タイマ113q1〜113q3の値が0でなければ、未だタイムアウト時間或いはS876の処理で設定された100msには至っていないので、かかる場合には、正常に、今回の投入実行処理を終了する。
一方、S871の処理において、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3の値が0であれば(S871:Yes)、当該条の投入装置521a〜521cにおいて、遊技球の投入間隔が長過ぎてタイムアウトとなった場合か、S876の処理で設定された100msの経過か、或いは、その投入装置521a〜521cにおける遊技球の投入がすべて終了した場合である。よって、かかる場合には、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3の状態を確認し(S872)、該フラグ113p1〜113p3がオフであれば(S872:No)、当該投入装置521a〜521cにおける遊技球の投入がすべて終了した場合であるので、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を0クリアし、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3に80msを設定して(S873)、投入実行処理を終了する。
なお、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3に80msを設定するのは、リトライ処理(再投入処理(S812〜S819))の実行前に、最低80msのウエイト時間を確保するためである。他の投入装置521a〜521cにおいて、投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値分の遊技球が投入できない場合には、リトライ処理(S812〜S819)が行われるが、その場合には、S811の処理により、全条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3の値が0となるまでウエイとされるので、リトライ処理の前に、最低80msのウエイト時間を確保できるのである。
S872の処理において、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオンであれば(S872:Yes)、遊技球の投入間隔が長過ぎてタイムアウトとなった場合である。タイムアウトは、遊技球が投入センサユニット550a〜550c内に詰まっている(滞留している)場合か、遊技球が投入装置521a〜521cを通過しない場合に生じる。よって、遊技球が、投入センサユニット550a〜550cの通過途中であるか否かを確認し(S874)、通過途中であれば(S874:Yes)、遊技球が何らかの原因で投入センサユニット550a〜550c内に詰まっている(滞留している)。かかる場合には、エラー処理を実行して、遊技球の滞留エラーの発生を報知する(S875)。S875のエラー処理は無限ループとなっており、該エラーは、遊技球の滞留状態を解消した上で、遊技機1をリセットすることによって解消できる。なお、かかる遊技球の滞留エラーを、その滞留状態の解除によって解消するように構成しても良い。
S874の処理において、遊技球が、該当する投入センサユニット550a〜550cの通過途中でなければ(S874:No)、遊技球が投入装置521a〜521cを通過しないためにタイムアウトとなった場合である。よって、投入するべき遊技球が上皿に36に無いか、上皿36に遊技球があっても、遊技球が上皿36上で詰まる(停留する)などして、該当する投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cへ遊技球が流れない場合である。かかる場合には、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3および当該条の投入リトライフラグ113o1〜113o3をそれぞれオフし、更に、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3に100msをセットして(S876)、この投入実行処理を終了する。
S876の処理において、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフすることにより、図20のS818の処理の実行により、該当する投入装置521a〜521cの投入ソレノイド534a〜534cをオフし、投入ゲート部材530a〜530cによって、その投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを閉鎖する。また、当該条の投入リトライフラグ113o1〜113o3をオフすることによって、図20のS810:Noの分岐で開始されるリトライ処理(再投入処理(S812〜S819))において、当該投入装置521a〜521cで投入を行わないように設定する。不具合のある投入装置521a〜521cで、再度、投入を試みても(リトライ処理を行っても)、結局、遊技球の投入を完了できないからである。
更に、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3に100msをセットすることにより、その投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを閉鎖直前に通過した遊技球があれば、それを100msの間、監視する。なお、100msの経過後は、S871:Yes,S872:Yesの分岐を経由して、S873の処理を実行し、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が0とされ、当該条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3に80msが設定される。よって、他の条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値がすべて0となっていることを条件に(S819:Yes)、リトライ処理(S812〜S819)へ移行される。これにより、リトライ処理では、最低80msのウエイト時間が確保される。
S852の処理において、返却レバー38の操作中であれば(S852:Yes)、直ちに、すべての投入ソレノイド534a〜534cをオフして(S881)、すべての投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを閉鎖する。返却レバー38の操作によって、排出ゲート部材540がスライドして、その開口部542a〜542cが入口通路522a〜522cと連通し、すべての排出通路527a〜527cが開放される。よって、上皿36上の遊技球は、各排出通路527a〜527cを介して、下皿41へ排出される。
次の動作への以降時間を少なくとも370ms確保するために、投入禁止タイマ113rに370msをセットする(S882)。再度、返却レバー38の操作があるか確認し(S883)、返却レバー38の操作があれば(S883:Yes)、処理をS882へ移行して、投入禁止タイマ113rへ370msを再セットする。一方、返却レバー38の操作がなければ(S883:No)、投入禁止タイマ113rの値を確認する(S884)。投入禁止タイマ113rの値が0でなければ(S884:No)、次の動作を実行できないので、処理をS883へ移行して、返却レバー38の操作の有無を確認する。
投入禁止タイマ113rの値が0になれば(S884:Yes)、この投入実行処理(S815)を含め、遊技球投入処理(S201)を一旦終了するために、全条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を0クリアし、全条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフし、総投入個数カウンタ113kの値を0クリアし、投入条ポインタ113nの値を1として(S885)、この投入実行処理を終了する。これにより、遊技球投入処理(S201)が終了する(図20のS810:Yes)。
図20に戻って説明する。投入実行処理(S815)の終了後は、投入条ポインタ113nの値を確認し(S816)、その値が1でなければ(S816:No)、投入条ポインタ113nの値を1減算して(S817)、処理をS815へ移行し、再度、投入実行処理を行う。投入実行処理は投入条ポインタ113nの値を3にして開始されるので(S814参照)、これにより、投入実行処理は、投入条ポインタ113nの値を3,2,1としてそれぞれ実行される。故に、3台の投入装置521a〜521cに対して、521c,521b,521aの順に投入実行処理がそれぞれ実行される。
投入条ポインタ113nの値が1であれば(S816:Yes)、全条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3の状態に応じて、投入ソレノイド534a〜534cをオン又はオフする(S818)。前述した通り、投入ソレノイド534a〜534cがオンされると、そのオンされた投入装置521a〜521cによって遊技球の投入が開始され、逆に、投入ソレノイド534a〜534cがオフされると、そのオフされた投入装置521a〜521cにおいて遊技球の投入動作が終了する。
このようにS818の処理により、全条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3の状態に応じて、各投入装置521a〜521cの状態が同時に変化するので、各投入装置521a〜521cにおいて、遊技球の投入動作を同時に開始することができる。各投入装置521a〜521cにおいて、遊技球の投入動作を同時に開始することにより、投入動作を別々に開始する場合に比べて、投入動作の総所要時間を短時間にできる。よって、投入動作を短時間で終了させて、遊技をスムースに進行させることができる。
全条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を確認し(S819)、その値がすべて0でなければ(S819:No)、投入された遊技球の数は本来の予定個数に達していない。よって、かかる場合には、タイマ割込実行フラグ113sをオフし(S820)、その後、処理をS813へ移行して、前述したS813〜S818の各処理を繰り返す。なお、S813の処理では、タイマ割込実行フラグ113sがオンされるまで(S813:No)、以降の処理の実行を待機する。これは、同一の条について(投入条ポインタ113nの値を同一にして)、投入実行処理を連続して行うと、1個の遊技球の投入を、2個以上の投入として誤って検出することがあるからである。
全条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が0であれば(S819:Yes)、予定された個数の遊技球の投入は終了したか、リトライ処理(S812〜S819)への移行であるので、処理をS809へ移行する。S809の処理では、全ての投入リトライフラグ113o1〜113o3がオフであれば(S809:No)、いずれの投入装置521a〜521cによっても、遊技球の投入動作を行うことはできないので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。
いずれかの投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンであれば(S809:Yes)、総投入個数カウンタ113kの値を確認し(S810)、その値が0であれば(S810:Yes)、投入すべき個数の遊技球はすべて投入されたので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。
なお、総投入個数カウンタ113kの値が0でなければ(S810:No)、遊技球の投入を再度行う必要がある(リトライ処理をする必要がある)。よって、かかる場合には、全条の投入遊技球タイマ113q1〜113q3の値が0となるまで(S811:No)、リトライ処理(S812〜S819)の実行を待機する。これにより、少なくとも80msのウエイト時間を確保した上で、リトライ処理を実行することができる(図22のS873参照)。
図23は、主制御装置110で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置110のMPU111により、例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、S901に示すレジスタ退避処理では、MPU111内の全レジスタの値をRAM113のスタックエリアに退避する(S901)。その後、停電フラグ113hがオンされているか否かを確認し(S902)、停電フラグ113hがオンされていれば(S902:Yes)、停電時処理を実行する(S920)。停電時処理については、図25を参照して後述する。停電時処理の実行後は、処理をS903へ移行する。また、S902の処理において、停電フラグ113hがオフされている場合には(S902:No)、処理をS903へ移行する。
S903では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う(S903)。S904では、MPU111自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う(S904)。S905では、各リール82L,82M,82Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ91L〜91Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う(S905)。S906では、入出力ポート114に接続された各種スイッチ(図11参照)の状態を監視するスイッチ読込み処理を行う(S906)。S907では、入出力ポート114に接続された各種センサ(図11参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う(S907)。S908では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う(S908)。S909では、遊技球のベット数や、払い出し個数をカウントした結果を外部端子板134へ出力するカウンタ処理を行う(S909)。
S910では、表示制御装置310へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う(S910)。S911では、獲得球数表示器11およびゲーム数表示器12にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う(S911)。S912では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示器11,12へ出力して該当する数字や記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う(S912)。S913では、入出力ポート114からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う(S913)。払出制御装置210へのコマンドは、このポート出力処理によって出力される。S914では、タイマ割込実行フラグ113sをオンする(S914)。S915では、投入ソレノイド稼働タイマ113tの更新処理を実行する(S915、図24参照)。S916では、先のS901にてスタックエリアに退避した各レジスタの値を、それぞれMPU111内の対応するレジスタに復帰させる(S916)。S917では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(S917)。これらの処理により、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図24は、投入ソレノイド稼働タイマ更新処理(S915)を示したフローチャートである。投入ソレノイド稼働タイマ更新処理は、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値に応じて、投入ソレノイド534a〜534cの稼働を、禁止または許容するための処理である。
この処理では、まず、いずれかの投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオンされているか否かを判断し(S951)、オンされていれば(S951:Yes)、いずれかの投入ソレノイド534a〜534cがオンされているので、その場合には、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値を+3する(S952)。前述した通り、タイマ割込処理は、1.49ms毎に実行されるので、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値は、+3により4.47ms加算されたことになる。
加算の結果、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が5秒以上でなければ(S953:No)、この処理を終了する。一方、加算後の投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が5秒以上であれば(S953:Yes)、投入ソレノイド作動禁止フラグ113uをオンして(S954)、この処理を終了する。これにより、前述した遊技球投入処理(S201)の実行前に、投入ソレノイド534a〜534cの稼働が略15秒間停止され、投入ソレノイド534a〜534cがクールダウンされる。よって、投入ソレノイド534a〜534cの必要以上の発熱を防止して、その損傷を防ぐことができる。
一方、S951の処理において、すべての投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオフされていれば(S951:No)、すべての投入ソレノイド534a〜534cはオフされているので、その場合には、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0でなければ(S955:No)、その値を−1する(S956)。投入ソレノイド稼働タイマ113tの値は、−1により1.49ms減算されたことになる。
減算の結果、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0でなければ(S957:No)、この処理を終了する。一方、減算の結果、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0となった場合(S957:Yes)、或いは、S955の処理において、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が既に0であれば(S955:Yes)、投入ソレノイド作動禁止フラグ113uをオフして(S958)、この処理を終了する。これにより、投入ソレノイド534a〜534cの稼働が許容され、前述した遊技球投入処理(S201)の実行が可能となる。
図25は、停電時処理(S920)を示したフローチャートである。この停電時処理は、タイマ割込処理のうち、特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んで、この停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がない。これにより停電時処理の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を低減できる。なお、これは、前述した復電処理(図13のS110〜S117)の処理プログラムの簡略化をも可能にしている。
停電時処理(S920)では、まず、コマンド送信が終了しているか否かを判定する(S931)。送信が終了していなければ(S931:No)、停電時処理(S920)を終了して、図23のタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理(S920)を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時処理プログラムを簡略化してプログラム容量を低減できる。
S931の処理において、コマンドの送信が完了している場合には(S931:Yes)、MPU111のスタックポインタの値をRAM113内に保存する(S932)。その後、停止処理として、RAM判定値をクリアすると共に入出力ポート114における出力ポートの出力状態をクリアし、全てのアクチュエータをオフ状態にする(S933)。更に、RAM判定値を算出し、RAM113内に保存する(S934)。RAM判定値とは、具体的にはRAM113のチェックサムの2の補数である。RAM判定値を保存することにより、RAM113のチェックサムは0となる。RAM113のチェックサムを0とした後、それ以後のRAM113のアクセスを禁止する(S935)。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグ113hが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号124aが出力されているか否かを確認し、停電信号124aが未出力となっていれば、停電状態から復旧したこととなるため、RAM113への書き込みを許可すると共に停電フラグ113hをオフして、図23のタイマ割込み処理に復帰するように構成しても良い。この場合、停電信号124aの出力が継続していれば、そのまま無限ループに入る。
図26は、NMI割込処理を示したフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置120の停電監視回路124から主制御装置110に対して停電信号124aが出力される。停電信号124aは、主制御装置110のMPU11のNMI端子に入力されるので、MPU11が停電信号124aを入力すると、即座に、このNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、MPU111の各レジスタをスタックエリアへ退避し(S1001)、停電フラグ113hをオンする(S1002)。退避した各レジスタを復帰して(S1003)、このNMI割込処理を終了する。なお、レジスタの退避及び復帰処理(S1001,S1003)は、停電フラグ113hのオンに使用されるレジスタについてのみ行われるので、NMI割込処理を短時間で終了することができる。
また、電源装置120の電源部121は、図26のNMI割込み処理及び図25の停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力を保持できるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続ける。
次に、図27及び図28を参照して、第2実施形態における遊技球使用回胴遊技機1について説明する。なお、第2実施形態の説明では、前述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態は、前述した第1実施形態に比べて、クールダウン処理(S152〜S154)の実行契機を変更したものである。即ち、第1実施形態では、投入ソレノイド534a〜534cのクールダウン処理(図14のS152〜S154)は、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が5秒以上となって、投入ソレノイド作動禁止フラグ113uがオンされた場合に実行された。これに対し、第2実施形態では、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0より大である場合に実行される。
即ち、図27に示すように、主制御装置110のMPU111が実行するメイン処理としての通常処理では、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0より大であるか否かが調べられ、(S161)、その値が0より大であれば(S161:Yes)、投入ソレノイド534a〜534cのクールダウン処理(S152〜S154)が実行される。一方、S161の処理において、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0であれば(S161:No)、該クールダウン処理(S152〜S154)を実行することなく、遊技球投入処理(S201)が実行される。
なお、第2実施形態のS206の処理では、スタートレバー31の操作がなければ(S206:No)、処理をS155へ移行する。第2実施形態では、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0より大であれば、投入ソレノイド534a〜534cのクールダウン処理(S152〜S154)を実行するので、スタートレバー31の操作により、遊技を開始できる状態にある場合には、クールダウン処理(S152〜S154)の実行を待機させるためである。スタートレバー31が操作され、遊技が開始されると、その遊技の実行時間内に、投入ソレノイド534a〜534cがクールダウンされるからである。
図28は、第2実施形態の投入ソレノイド稼働タイマ更新処理(S915)を示したフローチャートである。まず、いずれかの投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオンされているか否かを判断し(S951)、オンされていれば(S951:Yes)、いずれかの投入ソレノイド534a〜534cがオンされているので、その場合には、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値を+3して(S952)、この処理を終了する。
一方、S951の処理において、すべての投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオフされていれば(S951:No)、すべての投入ソレノイド534a〜534cはオフされているので、その場合には、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が0でなければ(S955:No)、その値を−1して(S956)、この処理を終了する。また、S955の処理において、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が既に0であれば(S955:Yes)、それ以上の減算を回避するべく、S956の処理をスキップして、この処理を終了する。
このように、遊技球投入処理(S201)の実行前に、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値を確認し、その値が0より大であれば、クールダウン処理(S152〜S154)を実行するようにしても良い。
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
本発明は、上皿36内の遊技球を、3台又は複数台の投入装置521a〜521cにほぼ均等に振り分けて投入する場合のみならず、遊技の結果としての賞球やカードユニット20を介して貸し出される貸し球の払い出しに適用することも可能である。その場合には、貯留タンクに貯留される遊技球が4条又は複数条の払出通路からほぼ均等に払い出されるように、振り分けるのである。即ち、本発明は遊技球の投入動作のみならず、払出動作にも適用することができるのである。
上記実施形態では、投入ソレノイド稼働タイマ113tおよび投入ソレノイド作動禁止フラグ113uは、3つの投入ソレノイド534a〜534cに対して1つずつ設けられたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、投入ソレノイド稼働タイマ113tおよび投入ソレノイド作動禁止フラグ113uを、各投入ソレノイド534a〜534c毎に設けて、各投入ソレノイド534a〜534c毎に、クールダウンを行うように構成しても良い。かかる場合、タイマ割込処理における投入ソレノイド稼働タイマ113tの値の加減算と、投入ソレノイド作動禁止フラグ113uのオンまたはオフは、各投入ソレノイド534a〜534cの状態に応じて個別に行われる。
また、上記実施形態では、遊技球の投入を行う投入ソレノイド534a〜534cについてのクールダウン処理(S152〜S154)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遊技球の払い出しを行うソレノイドやモータに、該処理を適用するようにしても良い。また、遊技球の投入をモータを用いて行う場合にも、該クールダウン処理(S152〜S154)を適用するようにしても良い。
更に、投入ソレノイド稼働タイマ更新処理(S915)では、投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオンされている場合に、投入ソレノイド稼働タイマ113tに+3し、オフされている場合に−1した。しかし、これらの値についても、上記実施形態に限定されるのではなく、適宜変更するようにしても良い。また、クールダウン処理(S152〜S154)における投入ソレノイド534a〜534cの稼働停止時間は、必ずしも15秒に限定されるのではなく、ソレノイドやモータの種別、その他の状況に応じて適宜変更するようにしても良い。更に、第1実施形態では、投入ソレノイド稼働タイマ113tの値が5秒以上となった場合に、クールダウン処理(S152〜S154)を実行したが、かかる5秒の値も、適宜変更するようにしても良い。
1 遊技球使用回胴遊技機(遊技機)
36 上皿(貯留手段)
52 投入ユニット
113m1〜113m3 投入予定個数カウンタ(媒体数記憶手段)
113t 投入ソレノイド稼働タイマ(稼働状況タイマ、稼働状況記憶手段の一部)
371〜373 案内通路(通路の一部)
521a〜521c 投入装置
522a〜522c 入口通路(通路の一部)
526a〜526c 投入通路(通路の一部)
527a〜527c 排出通路(通路の一部)
530a〜530c 投入ゲート部材(ゲート部材)
534a〜534c 投入ソレノイド(ゲートアクチュエータ)
S151,S161 稼働禁止手段
S152,S153 報知手段
S154 稼働禁止継続手段
S813〜S819 ゲート制御手段
S915 投入ソレノイド稼働タイマ更新処理(定期制御手段)
S951,S952,S955,S956 加減算手段、稼働状況記憶手段の一部

Claims (1)

  1. 複数の遊技媒体を貯留する貯留手段と、
    その貯留手段に連通され前記遊技媒体が流入する通路と、
    その通路上に出没して、その通路を前記遊技媒体が通過することを許容又は禁止するゲート部材と、
    そのゲート部材を前記通路上に突出又は没入させるゲートアクチュエータと、
    前記通路を通過させる遊技媒体の数を記憶する媒体数記憶手段と、
    その媒体数記憶手段に記憶された数の遊技媒体が前記通路を通過するように、前記ゲートアクチュエータを制御するゲート制御手段と、
    そのゲート制御手段による前記ゲートアクチュエータの稼働状況を記憶する稼働状況記憶手段と、
    その稼働状況記憶手段の記憶状況に応じて、前記ゲート制御手段による前記ゲートアクチュエータの稼働を禁止する稼働禁止手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
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