JP2012225543A - 熱融通制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】需要家Aについて、深夜電力蓄熱量(ΣH')>温水負荷(ΣH)の場合には、総温水負荷に見合う蓄熱量(Hb”=Ha+Hb−Ha')を新たな温水蓄熱量に設定して、需要家Bにつき熱主電従運転による最適発電スケジュールを策定する。需要家Bの余剰蓄熱量ΔH(=Hb'−Hb)を需要家Aに熱融通することになる。ΣH'≦ΣHの場合には、電主熱従運転による最適発電スケジュールを策定する。需要家A、Bの温水負荷ピーク前に熱融通完了又は蓄熱量最大となるように、需要家Aに対する熱融通及び需要家Bの蓄熱スケジュール策定を行う。スケジュールに基づき燃料電池ユニット4aの運転、需要家Aに対する温水搬送が行われ、搬送終了後は需要家A、Bとも独立運転に戻る。
【選択図】図1
Description
この問題を解消するため、過去の外部環境条件(気温、水温等)データ、不足熱量実績を記憶し、これに基づいて運転必要時間を予測して運転開始時間を逆算して、深夜時間帯終了時刻までに蓄熱完了するように制御する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の技術を適用しても深夜時間帯の運転による蓄熱では温水負荷を充足できない場合には、不足分を昼間電力により補うという問題は解消されない。
なお、コジェネ・システムの制御技術に関しては、複数台のコージェネレーション装置を同時に運転する技術として、個々のコージェネレーション装置の需要予測を行い、全体として最も効率が良くなる運転制御を行う技術が開示されている(例えば特許文献2)。
本発明は、HP給湯機システム又はコジェネ・システムのいずれかを備えた複数の需要家間が、相互に余剰エネルギーを融通し合い、全体として高効率運転を実現する技術を提供するものである。
(1)一以上のコージェネレーション利用需要家(以下、需要家Bという)から、一以上のヒートポンプ給湯機又は電気温水器利用需要家(以下、需要家Aという)に対して、不足分の温水負荷を随時、融通する熱融通制御方法であって、制御対象日について、
需要家Aのうち、温水負荷予測値((Ha(i))が温水蓄熱量予測値(Ha'(i))を超える一以上の需要家Aiが存在し、かつ、
需要家Bのうち、電力負荷予測値((Eb(j))に対応して電主熱従運転したときの温水蓄熱量(Hb(j)')が、温水負荷予測値(Hb(j))を超える一以上の需要家Bjが存在する場合に、
当該一以上の需要家Aiの温水不足分総計(ΣΔHa(i)=Σ(Ha(i)−Ha(i)'))の一部又は全部を、当該一以上の需要家Biの温水余剰分総計(ΣΔHb(j)=Σ(Hb(j)'−Hb(j)))から融通可能とするように、当該一以上の需要家Bjの発電スケジュールを策定する、ことを特徴とする熱融通制御方法。
「温水蓄熱」とは、一般的には高温水の形で貯湯ユニット等に蓄熱されるものをいうが、水以外の熱媒による蓄熱も含む概念である。
「温水負荷」とは、制御対象日における当該需要家の熱需要量を意味する概念である。
「発電スケジュール」の策定に際しては、公知の学習型アルゴリズムに基づく燃料電池運転制御ロジック(例えば、特開2006−266121号公報参照)を適用することができる。なお市販の実機では、現在の需要データを過去数ヶ月の同じ曜日、同じ時刻の需要データと比較して、水温など他のパラメータも加味して、最も近似する日を抽出する。そしてその日の24時間の需要パターンを、今後24時間の予測値として設定し、これに基づいて起動時間を逆算し、運転スケジュールを決定する方式を採用する例がある。
「コージェネレーション」とは、内燃機関、外燃機関等の排熱を利用して、動力・温熱・冷熱を取り出されるものをいい、熱機関として燃料電池に限らず、エンジン発電機なども含まれる。
需要家Aの「温水蓄熱量予測値」は、例えば、インターネット等からの読み込み、あるいは気象計による計測から得られる制御対象日の天候、気温、湿度、水温を、過去数ヶ月のデータと比較し、最も近似する日の蓄熱量を抽出することにより求めることができる。
また、「温水負荷予測値」は、現在の需要データを過去数ヶ月の同じ曜日、同じ時刻の需要データと比較して、水温など他のパラメータも加味して、最も近似する日を抽出することにより求めることができる。
「電主熱従運転」とは、規定の運転時間帯内、燃料電池の能力範囲内において、電力負荷を最大限充足するように運転スケジュールを策定する運転制御をいう。
また、HP給湯機システム又は電気温水器利用需要家について、深夜電力時間帯での蓄熱では温水負荷を充足できない場合であっても、コジェネ需要家から熱融通を受けることができるため、高料金の昼間電力を使用する必要がなく、ランニングコストの低減化が可能という効果がある。
また、コジェネ・システム需要家について、需要家全体の総温水負荷予測と総温水蓄熱量を比較して、最適な運転形態(電主熱従運転又は熱主電従運転)を選択できるという効果がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱融通制御システム1の構成を示す図である。熱融通制御システム1は、2需要家A、B間の蓄熱融通制御に係る。需要家Aはヒートポンプユニット2aと、貯湯ユニット2bを主要構成とするHP給湯機システム2を備えている。また、需要家Bは燃料電池ユニット4a、貯湯ユニット4bを主要構成とするコジェネ・システム4を備えている。
なお、燃料電池の最適運転スケジュール策定に際しては、上述の燃料電池運転制御ロジックを適用することができる。
最初に需要家Aの温水負荷(Ha)を予測し(S101)、次いで深夜電力時間帯での蓄熱量(Ha')を予測演算する(S102)。次いで、温水負荷(Ha)と蓄熱量(Ha')との比較を行う(S103)。Ha'≧Ha(S103においてYES)の場合には、熱融通を受ける必要がないと判定され、独立運転制御による運転となる(S113)。
Ha'<Ha(S103においてNO)、すなわち深夜電力時間帯での蓄熱のみでは温水負荷を充足できないと予測される場合には、熱融通を受けるステップに移行する(S107以下)。
まず、両需要家の総温水蓄熱量(ΣH'=Ha'+Hb')と総温水負荷(ΣH=Ha+Hb)との比較を行う(S107)。図3(a)をも参照して、ΣH'>ΣHの場合には(S107においてYES)、総温水負荷に見合う蓄熱確保のため、Hb”=Ha+Hb−Ha'を新たな温水蓄熱量に設定して、熱主電従運転による最適発電スケジュールを策定する(S108)。この場合、需要家Bの余剰蓄熱量ΔH(=Hb'−Hb)を、需要家Aに熱融通することとなる。
なお、「熱主電従運転」とは、規定の運転時間帯内、燃料電池の能力範囲内において、蓄熱量が温水負荷に最も近くなるように運転スケジュールを策定する運転制御をいう。
最適発電スケジュール策定は、図4(a)上段に模式的に示すように、予め定められた運転時間帯(例えば8:00−20:00)の中で、0.3−1.0kWの範囲で電力負荷に対応して能力変動により運転を行う。一方、需要家Aについては深夜電力時間帯終了前に満畜となるように蓄熱を行う。
なお、設定運転時間帯内では熱融通分の確保ができない場合には、図4(b)に示すように、通常運転時間帯(ここでは8:00−20:00)には需要家Bに対する蓄熱を行い、運転時間を延長して(例えば8:00以前、又は20:00以降)、需要家Aに対する熱融通分を確保する運転スケジュールを策定することもできる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は3需要家間の蓄熱融通制御に係る。図5を参照して、本実施形態に係る熱融通制御システム20の構成が上述の熱融通制御システム1と異なる点は、HP給湯機システム需要家A2が追加されていることである。すなわち、需要家A1はHPユニット22aと貯湯ユニット22bを含むHP給湯機システム22を備え、需要家A2はHPユニット25aと貯湯ユニット25bを含むHP給湯機システム25を備えている。
両需要家の総温水蓄熱量(ΣH'=Ha(1)'+Ha(2)'+Hb')と総温水負荷(ΣH=Ha(1)+Ha(2)+Hb)との比較を行う(S210)。ΣH'>ΣHの場合には(S210においてYES)、総温水負荷に見合う蓄熱とするため、Hb”=ΣH−(Ha(1)'+Ha(2)')を新たな温水蓄熱量に設定して、熱主電従運転による最適発電スケジュールを策定する(S211)。また、ΣH'≦ΣHの場合には(S210においてNO)、上述の電主熱従運転による最適発電スケジュールを策定する(S212)。
さらに、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は3需要家間の蓄熱融通制御に係る点において、上述の実施形態と同じく同様であるが、本実施形態に係る熱融通制御システム30の構成が上述の熱融通制御システム20と異なる点は、2件のコジェネ需要家と1件の電気温水器需要家により構成されていることである。
需要家B1は燃料電池ユニット34a、貯湯ユニット34bを含むコジェネ・システム34を備えている。需要家B2は燃料電池ユニット36a、貯湯ユニット36bを含むコジェネ・システム36を備えている。
各燃料電池ユニットと各貯湯ユニット又は電気温水器間は温水配管33を介して接続されており、需要家B1、B2から需要家A3に対して温水を融通可能に構成されている。温水配管33経路内には三方弁33a、33b及び熱量計33c、33dが配設されており、燃料電池ユニット34a、36aにおいて回収した排熱を、三方弁の切り替えにより自家又は需要家A3の電気温水器32に搬送可能に構成されている。また、熱量計33c、33dにより需要家B1、B2から需要家A3への搬送熱量を計量して、随時、課金可能に構成されている。
需要家B2についても需要家B1と同じステップが実行される(S307−S309)。
両需要家の総温水蓄熱量(ΣH'=Ha'+Hb(1)'+Hb(2)')と総温水負荷(ΣH=Ha+Hb(1)+Hb(2))との比較を行う(S310)。ΣH'>ΣHの場合には(S310においてYES)、総温水負荷に見合う蓄熱とするため、Hb(1)"+Hb(2)"=ΣH−Ha を新たな温水蓄熱量に設定して、燃料電池ユニット34a、34bについて熱主電従運転による発電スケジュールを策定する(S311)。
なお、需要家B1、B2の熱融通量の分担割合は、それぞれの余剰蓄熱量の比(Hb(1)"/Hb(2)")と、温水蓄熱量の比(Hb(1)'/Hb(2)')が等しくなるように調整する。熱量計33c、33dの積算値がそれぞれHb(1)"、Hb(2)"に達した時点で、それぞれ熱搬送を終了する。
また、ΣH'≦ΣHの場合には(S310においてNO)、上述の電主熱従運転による発電スケジュールを策定する(S312)。
2,22,25・・・・HP給湯機システム
2a,22a、25a・・・HPユニット
2b,22b,25b・・・(HP給湯機)貯湯ユニット
4c,24c,34c,36c・・・バックアップ給湯器
3,23、33・・・・搬送配管
3a,33a、33b・・・三方弁
3b,23b、33b・・・熱量計
4、24、34,36・・・・コジェネ・システム
4a、24a、34a、36a・・・燃料電池ユニット
4b、24b、34b、36b・・・(コジェネ)貯湯ユニット
5,25,35・・・・制御装置
23a・・・四方弁
32・・・・電気温水器
A、A1、A2・・・・HP給湯機システム利用需要家
A3・・・・電気温水器利用需要家
B、B1、B2・・・・コジェネ・システム利用需要家
Claims (2)
- 一以上のコージェネレーション利用需要家(以下、需要家Bという)から、一以上のヒートポンプ給湯機又は電気温水器利用需要家(以下、需要家Aという)に対して、不足分の温水負荷を随時、融通する熱融通制御方法であって、制御対象日について、
需要家Aのうち、温水負荷予測値((Ha(i))が温水蓄熱量予測値(Ha'(i))を超える一以上の需要家Aiが存在し、かつ、
需要家Bのうち、電力負荷予測値((Eb(j))に対応して電主熱従運転したときの温水蓄熱量(Hb(j)')が、温水負荷予測値(Hb(j))を超える一以上の需要家Bjが存在する場合に、
当該一以上の需要家Aiの温水不足分総計(ΣΔHa(i)=Σ(Ha(i)−Ha(i)'))の一部又は全部を、当該一以上の需要家Biの温水余剰分総計(ΣΔHb(j)=Σ(Hb(j)'−Hb(j)))から融通可能とするように、当該一以上の需要家Bjの発電スケジュールを策定する、
ことを特徴とする熱融通制御方法。 - 請求項1において、さらに、
需要家Aiの温水負荷ピーク前に温水搬送を完了し、かつ、需要家Biの温水負荷ピーク前に温水蓄熱量が最大となるように、前記需要家Bjから前記需要家Aiへの温水搬送スケジュールを策定することを特徴とする熱融通制御方法。
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