JP2012225482A - 捩じり振動低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの広範囲の運転状態に渡って高い捩じり振動減衰効果を得る。
【解決手段】エンジン1の回転速度ωが設定速度ωset以下である場合は、遠心クラッチ20が係合状態となることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントが大きくなり、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が低くなる。一方、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetより高い場合は、遠心クラッチ20が解放状態となることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントが小さくなり、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が高くなる。
【選択図】図2
【解決手段】エンジン1の回転速度ωが設定速度ωset以下である場合は、遠心クラッチ20が係合状態となることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントが大きくなり、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が低くなる。一方、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetより高い場合は、遠心クラッチ20が解放状態となることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントが小さくなり、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が高くなる。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンから出力軸への捩じり振動の伝達を低減するための捩じり振動低減装置に関する。
この種の捩じり振動低減装置の関連技術が下記特許文献1に開示されている。特許文献1の捩じり振動低減装置では、エンジンに結合された駆動側の伝達部材と、被駆動側の伝達部材とにそれぞれ回転質量が配設されており、駆動側の伝達部材が遊星歯車機構の太陽歯車に結合され、被駆動側の伝達部材が遊星歯車機構の内歯歯車に結合されている。さらに、遊星歯車機構の遊星支持体に中間質量が配設されており、駆動側の伝達部材(回転質量)がばね装置を介して遊星支持体(中間質量)に結合されている。
特許文献1では、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が狭い範囲に固定されるのに対して、捩じり振動減衰対象となる周波数帯は、エンジンの回転速度やエンジンのトルク等のエンジンの運転状態に応じて変化する。したがって、特許文献1では、捩じり振動減衰効果が得られるエンジンの運転状態が狭い範囲に限定され、エンジンの運転状態が変化すると、捩じり振動減衰対象となる周波数帯が捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯から外れるため、捩じり振動減衰効果が低下する。
本発明は、エンジンの広範囲の運転状態に渡って高い捩じり振動減衰効果を得ることができる捩じり振動低減装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩じり振動低減装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る捩じり振動低減装置は、エンジンから出力軸への捩じり振動の伝達を低減するための捩じり振動低減装置であって、エンジンと出力軸との角加速度差の発生時に、当該角加速度差に応じた角加速度で慣性体の回転速度を変化させることで、慣性体の回転速度の変化による慣性トルクをエンジンと出力軸間のトルク伝達経路に作用させる慣性体回転機構と、エンジンの運転状態に応じて、前記トルク伝達経路に作用させる慣性トルクを変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる振動伝達特性可変機構と、を備えることを要旨とする。
本発明の一態様では、慣性体回転機構は、エンジンとともに回転する入力側回転要素と、出力軸とともに回転する出力側回転要素と、慣性体とともに回転する、または慣性体の少なくとも一部を構成する慣性側回転要素と、を含み、慣性側回転要素と出力側回転要素との回転速度差が出力側回転要素と入力側回転要素との回転速度差に比例する、または慣性側回転要素と入力側回転要素との回転速度差が入力側回転要素と出力側回転要素との回転速度差に比例する差動機構であることが好適である。
本発明の一態様では、捩じり振動を吸収するための緩衝部材を介して入力側回転要素と出力側回転要素が連結されていることが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントを変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる機構であることが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、エンジンの回転速度の増加に応じて、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる機構であることが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、エンジンのトルクの減少に応じて、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる機構であることが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、エンジンの角速度ω、出力軸の角速度ωt、慣性体の角速度ωf、及び差動ゲインKに関して、
ωf=K×(ω−ωt)+ω
が成立する場合に、緩衝部材の弾性係数をKluとすると、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントと
との差の絶対値が設定値以下になるように、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントを変化させる機構であることが好適である。
ωf=K×(ω−ωt)+ω
が成立する場合に、緩衝部材の弾性係数をKluとすると、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントと
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、慣性体と前記トルク伝達経路間のトルク伝達を許容または遮断するトルク断続機構を含むことが好適である。
本発明の一態様では、トルク断続機構は、エンジンの回転速度が設定速度より高い場合に、慣性体と前記トルク伝達経路間のトルク伝達を遮断する遠心クラッチであることが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構においては、慣性体に対してトルク伝達を行うための歯車機構にバックラッシュを有し、歯車機構のバックラッシュの大きさは、エンジンの回転速度が所定の低回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも小さく、且つエンジンの回転速度が所定の高回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも大きいことが好適である。
本発明の一態様では、差動機構が差動歯車機構であり、振動伝達特性可変機構においては、差動歯車機構の互いに噛み合う慣性側回転要素と歯車要素との間にバックラッシュを有し、バックラッシュの大きさは、エンジンの回転速度が所定の低回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも小さく、且つエンジンの回転速度が所定の高回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも大きいことが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、慣性体と前記トルク伝達経路間で伝達されるトルクの制限値を変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる機構であることが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、エンジンの回転速度の増加に応じて、前記制限値を減少させる機構であることが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、エンジンのトルクの減少に応じて、前記制限値を減少させる機構であることが好適である。
本発明の一態様では、差動機構が遊星ローラ機構であり、振動伝達特性可変機構は、遊星ローラ機構におけるローラ押付力を変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる押付力可変機構を含むことが好適である。
本発明の一態様では、振動伝達特性可変機構は、慣性体のエンジンに対する回転速度比を変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる変速機構を含むことが好適である。
本発明の一態様では、変速機構は、エンジンの回転速度の増加に応じて、慣性体のエンジンに対する回転速度比を減少させる機構であることが好適である。
本発明の一態様では、変速機構は、エンジンのトルクの減少に応じて、慣性体のエンジンに対する回転速度比を減少させる機構であることが好適である。
本発明によれば、エンジンの運転状態に応じて、エンジンと出力軸間のトルク伝達経路に作用させる慣性トルクを変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させるため、エンジンの広範囲の運転状態に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は自動車の動力伝達系の概略構成を示す図であり、図2は本発明の実施形態に係る捩じり振動低減装置6の概略構成を示す図である。エンジン(内燃機関)1が発生した動力は、捩じり振動低減装置6を介して変速機2へ伝達される。変速機2は、エンジン1からの動力を変速して、差動装置3及びドライブシャフト4を介して車両の駆動輪5へ伝達する。本実施形態に係る捩じり振動低減装置6は、エンジン1から変速機2への捩じり振動の伝達を低減するために、エンジン1の出力軸と変速機2の入力軸との間に設けられている。
本実施形態に係る捩じり振動低減装置6は、差動機構である遊星機構11と、捩じり振動を吸収するための緩衝部材19と、慣性体としてのイナータ(フライホイール)17と、トルク断続機構としての遠心クラッチ20とを含んで構成される。遊星機構11は、サン回転要素16と、サン回転要素16の外周を取り囲むリング回転要素13と、サン回転要素16とリング回転要素13との間にこれらと係合して配置された複数のピニオン回転要素(遊星回転要素)18と、各ピニオン回転要素18を回転自在に支持するキャリア14と、を有する。ここでの遊星機構11は、遊星歯車機構であってもよいし、遊星ローラ機構であってもよい。遊星機構11が遊星歯車機構である場合は、サン回転要素16とリング回転要素13と各ピニオン回転要素18が歯車要素(サンギヤとリングギヤと各ピニオンギヤ)により構成され、遊星機構11が遊星ローラ機構である場合は、サン回転要素16とリング回転要素13と各ピニオン回転要素18がローラ要素(サンローラとリングローラと各ピニオンローラ)により構成される。図2は、遊星機構11がシングルピニオン式の遊星機構である例を示している。
捩じり振動低減装置6の入力軸12がエンジン1の出力軸に機械的に連結され、リング回転要素13が入力軸12に機械的に係合していることで、入力側回転要素であるリング回転要素13がエンジン1及び入力軸12とともに一体で回転する。捩じり振動低減装置6の出力軸15が変速機2の入力軸に機械的に連結され、キャリア14が出力軸15に機械的に係合していることで、出力側回転要素であるキャリア14が出力軸15及び変速機2の入力軸とともに一体で回転する。遠心クラッチ20はサン回転要素16とイナータ17との間に設けられている。サン回転要素16の回転速度ωfが設定速度ωset以下である場合は、遠心クラッチ20が係合状態となり、サン回転要素16とイナータ17が遠心クラッチ20により係合することで、慣性側回転要素であるサン回転要素16がイナータ17とともに一体で回転する。一方、サン回転要素16の回転速度ωfが設定速度ωsetより高い場合は、遠心クラッチ20が解放状態となり、サン回転要素16とイナータ17が遠心クラッチ20により解放される。イナータ17の慣性モーメントは、サン回転要素16の慣性モーメントと比較して、十分大きい値に設定される。さらに、リング回転要素13とキャリア14が緩衝部材19を介して機械的に連結されている。ここでの緩衝部材19は、リング回転要素13の周方向に関して弾性を有するばね要素等の弾性部材を含んで構成することが可能である。さらに、リング回転要素13の周方向に関して粘性摩擦力やクーロン摩擦力を発生可能なダンパ要素を含んで緩衝部材19を構成することも可能である。エンジン1が発生するトルクは、リング回転要素13と緩衝部材19とキャリア14によるトルク伝達経路を介して出力軸15へ伝達される。
遊星機構11においては、サン回転要素16の外径とリング回転要素13の内径との比をρ(0<ρ<1)とすると、サン回転要素16の回転速度ωf、キャリア14(出力軸15)の回転速度ωt、及びリング回転要素13(エンジン1)の回転速度ωに関して以下の(1)式が成立する。つまり、サン回転要素16の回転速度ωfとキャリア14の回転速度ωtとの差ωf−ωtが、キャリア14の回転速度ωtとリング回転要素13の回転速度ωとの差ωt−ωに正の比例定数1/ρで比例する条件が成立する。
ωf−ωt=1/ρ×(ωt−ω) (1)
また、(1)式を変形すると、以下の(2)式が得られる。(2)式から、サン回転要素16の回転速度ωfは、リング回転要素13とキャリア14との回転速度差ω−ωtの一次関数で表され、サン回転要素16は、エンジン1と出力軸15との回転速度差ω−ωtに応じた回転速度で回転する。したがって、サン回転要素16の角加速度dωf/dt(時間微分をd/dtで表す)は、リング回転要素13とキャリア14との角加速度差dω/dt−dωt/dtの一次関数で表され、サン回転要素16は、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた角加速度で回転速度が変化する。
ωf=−(1+ρ)/ρ×(ω−ωt)+ω (2)
エンジン1にトルク変動(回転変動)が発生していない状態では、エンジン1と出力軸15との間に角加速度差は発生しておらず、遊星機構11のサン回転要素16とリング回転要素13と各ピニオン回転要素18とキャリア14が等しい回転速度で一体となって回転する。一方、エンジン1にトルク変動が発生して捩じり振動が発生すると、緩衝部材19がリング回転要素13の周方向に関して変形しながら捩じり振動を緩和及び吸収することで、エンジン1から出力軸15(変速機2)への捩じり振動の伝達が低減される。
さらに、エンジン1のトルク変動が発生して、エンジン1と出力軸15との間に角加速度差が発生すると、サン回転要素16は、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた角加速度で回転速度が変化する。トルク変動発生直前において、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωset以下である場合は、サン回転要素16の回転速度ωfも設定速度ωset以下であるため、遠心クラッチ20が係合状態となる。その場合は、イナータ17とサン回転要素16が等しい回転速度で一体となって回転し、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた角加速度でイナータ17の回転速度ωfが変化する。このイナータ17の回転速度ωfの変化により、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた慣性トルクがイナータ17に発生し、この慣性トルクがエンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路であるキャリア14に作用する。このキャリア14に作用する慣性トルクがエンジン1と出力軸15間のトルク変動を妨げる働きを行い、エンジン1から出力軸15(変速機2)への捩じり振動の伝達が低減される。このように、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωset以下であり、遠心クラッチ20が係合状態にある場合は、イナータ17とキャリア14(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)間のトルク伝達が許容され、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じたイナータ17の慣性トルクがキャリア14に伝達される。その場合におけるエンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性(出力軸トルク振幅/エンジントルク振幅の周波数特性)は、図3のAに示すようになり、低周波数帯においてゲインが低くなって捩じり振動減衰効果が得られる。
一方、トルク変動発生直前において、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetより高い場合は、サン回転要素16の回転速度ωfも設定速度ωsetより高いため、遠心クラッチ20が解放状態となる。その場合は、イナータ17とキャリア14間のトルク伝達が遮断され、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた慣性トルクがイナータ17からキャリア14に作用しなくなり、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(質量)が減少する。その場合におけるエンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性は、図3のBに示すようになり、高周波数帯においてゲインが低くなって捩じり振動減衰効果が得られる。このように、遠心クラッチ20の係合/解放の切り替えにより、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを変化させることで、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性を変化させることができ、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯を変化させることができる。
エンジン1の回転速度ωが低い場合は、捩じり振動減衰対象となる周波数帯も低くなる。一方、エンジン1の回転速度ωが高い場合は、捩じり振動減衰対象となる周波数帯も高くなり、また、エンジン1と変速機2間の捩じりトルクも小さくなるため、イナータ17が加振すると振動の原因となる場合がある。これに対して本実施形態では、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωset以下である場合は、遠心クラッチ20が係合状態となることで、エンジン1のトルク変動の発生時(エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時)に、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(質量)が大きくなり、キャリア14に作用する慣性トルクも大きくなる。その結果、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性は、図3のAに示すような、低周波数帯においてゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数特性となる。一方、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetより高い場合は、遠心クラッチ20が解放状態となることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(質量)が小さくなり、キャリア14に作用する慣性トルクも小さくなる。その結果、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性は、図3のBに示すような、高周波数帯においてゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数特性となる。このように、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる(キャリア14に作用する慣性トルクを減少させる)ことで、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯を高くすることができるので、エンジン1の低回転領域から高回転領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。特にエンジン1を少気筒化する場合は、エンジン1の回転変動が大きくなりやすいが、本実施形態では、その場合であっても、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。さらに、エンジン1の回転速度ωに応じて、遠心クラッチ20の係合/解放が切り替わることで、クラッチ機構の電子制御を行うことなく、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(キャリア14に作用する慣性トルク)を変化させることができ、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性を変化させることができる。
上記の説明では、遠心クラッチ20をサン回転要素16とイナータ17との間に設けるものとしたが、遠心クラッチ20を設ける位置は、エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路と、イナータ17との間のトルク伝達を許容または遮断可能な位置であればよく、上記の位置に限定されるものではない。例えば図4に示すように、キャリア14を、各ピニオン回転要素18を回転支持する部分14aと、出力軸15に機械的に係合している部分14b(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)とに分割し、これらの部分14a,14b間に遠心クラッチ20を設けることも可能である。図4に示す構成例においても、遠心クラッチ20の係合/解放により、出力軸15に機械的に係合している部分14b(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)とイナータ17との間のトルク伝達の許容/遮断が可能となる。さらに、図4に示す構成例では、イナータ17とサン回転要素16を一体化することも可能であり、慣性体の少なくとも一部をサン回転要素16により構成することも可能である。また、遠心クラッチ20以外のクラッチ機構を用いて、エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路と、イナータ17との間のトルク伝達を許容または遮断することも可能である。その場合は、クラッチ機構の係合/解放を電子制御により行う。
また、上記の説明では、エンジン1の回転速度ωに応じて、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(キャリア14に作用する慣性トルク)を2段階に変化させることで、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性を2段階に変化させるものとした。ただし、本実施形態では、例えば図5や図6に示すように、イナータ17及び遠心クラッチ20の数をさらに増やして、遠心クラッチ20の係合/解放が切り替わるときのエンジン1の回転速度ωを各遠心クラッチ20毎に異ならせることで、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる(キャリア14に作用する慣性トルクを減少させる)ように、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを多段階に変化させることが可能である。これによって、例えば図7に示すように、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性を多段階に変化させることが可能である。その場合における各イナータ17の接続方法は、例えば図5に示すような直列接続であってもよいし、例えば図6に示すような並列接続であってもよい。図7に示すように、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントが減少するほど、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が高くなる。
ここで、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/s(sは時間微分を表す)を以下の(3)式で表し、イナータ17の角速度ωfを以下の(4)式で表すものとすると、緩衝部材19(弾性部材)によるエンジン1と変速機2間の伝達トルクTsは以下の(5)式で表され、イナータ17による伝達トルク(キャリア14に作用する慣性トルク)Tiは以下の(6)式で表される。(4)式のKは差動ゲインを表し、図2ではK=−(1+ρ)/ρ<−2である。また、(3)式のKluは、リング回転要素13の周方向に関する緩衝部材19(弾性部材)の弾性係数を表し、(4)式のIfは、イナータ17の慣性モーメントを表す。
(ω−ωt)/s=−A/ω2×sin(ω×t) (3)
ωf=K×(ω−ωt)+ω (4)
Ts=Klu×−A/ω2×sin(ω×t) (5)
Ti=If×K×ωf×s
=If×K×[(K+1)×A×sin(ω×t)+ωt×s] (6)
ωf=K×(ω−ωt)+ω (4)
Ts=Klu×−A/ω2×sin(ω×t) (5)
Ti=If×K×ωf×s
=If×K×[(K+1)×A×sin(ω×t)+ωt×s] (6)
(6)式において、ωt×s≒0と近似すると、イナータ17による伝達トルクTiは以下の(7)式で近似できる。
Ti≒If×K×(K+1)×A×sin(ω×t) (7)
(5)式で表される緩衝部材19によるエンジン1と変速機2間の伝達トルクTsと、(7)式で近似されるイナータ17による伝達トルクTiが、逆位相で振幅が一致する場合に、常に最大の捩じり振動減衰効果を得ることが可能となる。その場合におけるイナータ17の慣性モーメントIfは以下の(8)式で表される。(8)式で表されるIfは、エンジン1の回転速度の2乗ω2に反比例する。
そこで、本実施形態では、慣性トルクをキャリア14(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)に作用させるイナータ17の慣性モーメントと、(8)式で表されるIfとの差の絶対値が設定値以下になる状態が保たれるように、各遠心クラッチ20の係合/解放が切り替わるときのエンジン1の回転速度ωを設定することで、慣性トルクをキャリア14に作用させるイナータ17の慣性モーメントを多段階に変化させることが好ましい。これによって、エンジン1の回転速度ωが変化しても、慣性トルクをキャリア14に作用させるイナータ17の慣性モーメントを、最大の捩じり振動減衰効果が得られる値付近に常に適応させることができる。したがって、捩じり振動減衰効果をさらに向上させることができる。
また、エンジン1のトルクTeが小さい場合は、エンジン1と変速機2間のトルクの捩じり成分も小さくなるため、イナータ17が加振すると振動の原因となる場合がある。一方、エンジン1のトルクTeが大きい場合は、エンジン1と変速機2間のトルクの捩じり成分も大きくなるため、捩じり振動も大きくなりやすい。これに対して本実施形態では、クラッチ機構の係合/解放を電子制御により行う場合は、エンジン1のトルクTeの減少に応じて、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる(キャリア14に作用する慣性トルクを減少させる)ことも可能である。エンジン1のトルクTeが設定トルクTset以上である場合は、クラッチ機構を係合状態に制御することで、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(キャリア14に作用する慣性トルク)が大きくなり、低周波数帯において捩じり振動減衰効果が大きくなる。これによって、慣性トルクによる捩じり振動減衰効果を大きくすることができる。一方、エンジン1のトルクTeが設定トルクTsetより小さい場合は、クラッチ機構を解放状態に制御することで、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(キャリア14に作用する慣性トルク)が小さくなり、高周波数帯において捩じり振動減衰効果が大きくなる。これによって、イナータ17の加振による振動を抑制することができる。したがって、エンジン1の低トルク領域から高トルク領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。
また、図8に示す構成例では、図2に示す構成例と比較して、トルクリミッタ機構30がサン回転要素16とイナータ17との間に設けられている。エンジン1の回転速度ωやエンジン1のトルクTe等のエンジン1の運転状態に応じて、トルクリミッタ機構30における摩擦接触部の面積や摩擦接触部の押付力を制御することで、トルクリミッタ機構30のトルク伝達容量を制御することができる。これによって、イナータ17とキャリア14(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)との間で伝達されるトルクをトルクリミッタ機構30のトルク伝達容量以下(制限値以下)に制限することができ、キャリア14に作用する慣性トルクをトルクリミッタ機構30のトルク伝達容量以下に制限することができる。
図8に示す構成例では、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、トルクリミッタ機構30のトルク伝達容量を減少させることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時にキャリア14に作用する慣性トルクを減少させることができ、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性については、ゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が高くなる。これによって、エンジン1の低回転領域から高回転領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。また、エンジン1のトルクTeの減少に応じて、トルクリミッタ機構30のトルク伝達容量を減少させることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時にキャリア14に作用する慣性トルクを減少させることができる。これによって、エンジン1の低トルク領域から高トルク領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。
なお、図8に示す構成例でも、トルクリミッタ機構30を設ける位置は、エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路と、イナータ17との間で伝達されるトルクの制限値を変更可能な位置であればよく、サン回転要素16とイナータ17との間に限定されるものではない。例えば図7に示す構成例と同様に、キャリア14を、各ピニオン回転要素18を回転支持する部分14aと、出力軸15に機械的に係合している部分14b(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)とに分割し、これらの部分14a,14b間にトルクリミッタ機構30を設けることも可能である。その場合は、イナータ17とサン回転要素16を一体化することも可能であり、慣性体の少なくとも一部をサン回転要素16により構成することも可能である。また、イナータ17及びトルクリミッタ機構30の数をさらに増やして、各トルクリミッタ機構30毎にトルク伝達容量を異ならせることも可能である。その場合における各イナータ17の接続方法も、直列接続であってもよいし、並列接続であってもよい。
また、遊星機構11が遊星ローラ機構である場合は、遊星機構11におけるリング回転要素(リングローラ)13とピニオン回転要素(ピニオンローラ)18間、及びサン回転要素(サンローラ)16とピニオン回転要素18間のローラ押付力を押付力可変機構により制御することで、リング回転要素13とピニオン回転要素18間、及びサン回転要素16とピニオン回転要素18間のトルク伝達容量を制御することができる。これによっても、イナータ17とキャリア14との間で伝達されるトルクを遊星機構11のトルク伝達容量以下(制限値以下)に制限することができ、キャリア14に作用する慣性トルクを遊星機構11のトルク伝達容量以下に制限することができる。その場合は、イナータ17とサン回転要素16を一体化することも可能であり、慣性体の少なくとも一部をサン回転要素16により構成することも可能である。ここでの押付力可変機構については、公知の構成で実現可能であるため、具体的構成の説明を省略する。エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、遊星機構11におけるリング回転要素13とピニオン回転要素18間、及びサン回転要素16とピニオン回転要素18間のローラ押付力を押付力可変機構により減少させることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時にキャリア14に作用する慣性トルクを減少させることができ、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性については、ゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が高くなる。これによって、エンジン1の低回転領域から高回転領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。また、エンジン1のトルクTeの減少に応じて、遊星機構11におけるリング回転要素13とピニオン回転要素18間、及びサン回転要素16とピニオン回転要素18間のローラ押付力を押付力可変機構により減少させることで、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時にキャリア14に作用する慣性トルクを減少させることができ、これによって、エンジン1の低トルク領域から高トルク領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。
また、図9に示す構成例では、図2に示す構成例と比較して、変速比γを変更可能な変速機構31がサン回転要素16とイナータ17との間に設けられている。エンジン1の回転速度ωやエンジン1のトルクTe等のエンジン1の運転状態に応じて、変速機構31の変速比γを制御することで、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを制御することができる。これによって、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に、エンジン1側から見たイナータ17の見かけの慣性モーメントを変化させることができ、キャリア14に作用する慣性トルクを変化させることができる。その結果、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性を変化させることが可能となる。
図9は、変速機構31がボール機構を用いた無段変速機構である例を示しており、ボールの回転軸の角度を変更することで、サン回転要素16及びイナータ17へのボール機構の接触半径を変化させることができ、変速機構31の変速比γを連続的に変化させることが可能である。これによって、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを連続的に変化させることができ、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時にキャリア14に作用する慣性トルクを連続的に変化させることができる。その結果、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性を連続的に変化させることが可能となる。なお、ボール機構を用いた無段変速機構については、公知の構成で実現可能であるため、具体的構成の説明を省略する。
図9に示す構成例では、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを減少させるように変速機構31の変速比γを変化させることで、イナータ17の慣性Ifが見かけ上小さくなり、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時にキャリア14に作用する慣性トルクを減少させることができ、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性については、ゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が高くなる。これによって、エンジン1の低回転領域から高回転領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。また、エンジン1のトルクTeの減少に応じて、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを減少させるように変速機構31の変速比γを変化させることで、イナータ17の慣性Ifが見かけ上小さくなり、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時にキャリア14に作用する慣性トルクを減少させることができ、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯が高くなる。これによって、エンジン1の低トルク領域から高トルク領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。
なお、緩衝部材19によるエンジン1と変速機2間の伝達トルクTsを(5)式で表し、イナータ17による伝達トルクTiを(7)式で近似するものとすると、TsとTiが逆位相で振幅が一致する場合に、常に最大の捩じり振動減衰効果を得ることが可能となる。その場合は、差動ゲインKに関して以下の(9)式が成立し、(9)式を差動ゲインKについて解くと、以下の(10)式が得られる。
図9に示す構成例では、(4)式を満たす差動ゲインKは、サン回転要素16の外径とリング回転要素13の内径との比ρ(定数)と、変速機構31の変速比γとから決まり、変速機構31の変速比γを変化させると、(4)式を満たす差動ゲインKも変化する。つまり、変速機構31の変速比γを変化させる動作は、(4)式を満たす差動ゲインKを変化させる動作に相当する。そこで、本実施形態では、(4)式を満たす差動ゲインKと(10)式で表されるKとの差の絶対値が設定値以下になる状態が保たれるように、変速機構31の変速比γを変化させることで、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを変化させることが好ましい。さらに、(4)式を満たす差動ゲインKと(10)式で表されるKとが等しい状態が保たれるように、変速機構31の変速比γを連続的に変化させることで、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを連続的に変化させることがより好ましい。これによって、エンジン1の回転速度ωが変化しても、変速機構31の変速比γ(イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ω)を、最大の捩じり振動減衰効果が得られる値付近に常に適応させることができる。したがって、捩じり振動減衰効果をさらに向上させることができる。
なお、図9に示す構成例でも、変速機構31を設ける位置は、エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路と、イナータ17との間で変速比γを変更することで、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを変更可能な位置であればよく、サン回転要素16とイナータ17との間に限定されるものではない。例えば図7に示す構成例と同様に、キャリア14を、各ピニオン回転要素18を回転支持する部分14aと、出力軸15に機械的に係合している部分14b(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)とに分割し、これらの部分14a,14b間に変速機構31を設けることも可能である。その場合は、イナータ17とサン回転要素16を一体化することも可能であり、慣性体の少なくとも一部をサン回転要素16により構成することも可能である。また、変速機構31は、無段変速機構に限られるものではなく、変速比を段階的に変更可能な有段変速機構であってもよい。変速機構31が有段変速機構である場合は、イナータ17のエンジン1に対する回転速度比ωf/ωを段階的に変化させることで、キャリア14に作用する慣性トルクが段階的に変化し、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性が段階的に変化する。
また、エンジン1の回転速度ωが高い場合は、エンジン1と変速機2間のトルク伝達経路の回転要素自体がフライホイールの機能を有し、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅が小さくなる。一方、エンジン1の回転速度ωが低い場合は、エンジン1と変速機2間のトルク伝達経路の回転要素自体はフライホイールの機能をほとんど有さず、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅が大きくなる。このように、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅は、エンジン1の回転速度ωとの相関が高く、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅が減少する特性を有する。遊星機構11が遊星歯車機構(差動歯車機構)である場合は、この特性を利用して、図10に示すように、遊星機構11の互いに噛み合うサン回転要素(サンギヤ)16とピニオン回転要素(ピニオンギヤ)18との間に有する不感帯としてのバックラッシュ33の大きさを調整することで、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを、エンジン1の回転速度ωに応じて変化させることが可能となる。より具体的には、サン回転要素16とピニオン回転要素18間のバックラッシュ33の大きさを、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetであるときのエンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅に等しく設定する。これによって、サン回転要素16とピニオン回転要素18間のバックラッシュ33の大きさは、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetより低い所定の低回転速度ωlowであるときのエンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅よりも小さくなり、且つエンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetより高い所定の高回転速度ωhighであるときのエンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅よりも大きくなる。
エンジン1の回転速度ωが所定の高回転速度ωhighである(設定速度ωsetより高い)ときは、サン回転要素16とピニオン回転要素18間のバックラッシュ33の大きさが、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅よりも大きくなる。そのため、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に、図11に示すように、サン回転要素16とピニオン回転要素18の歯面同士が互いに十分に接触できなくなる。これによって、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(質量)が小さくなり、キャリア14に作用する慣性トルクも小さくなる。その結果、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性は、図3のBに示すような、高周波数帯においてゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数特性となる。一方、エンジン1の回転速度ωが所定の低回転速度ωlowである(設定速度ωsetより低い)ときは、サン回転要素16とピニオン回転要素18間のバックラッシュ33の大きさが、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅よりも小さくなる。そのため、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に、サン回転要素16とピニオン回転要素18の歯面同士が互いに十分に接触する。これによって、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメント(質量)が大きくなり、キャリア14に作用する慣性トルクも大きくなる。その結果、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性は、図3のAに示すような、低周波数帯においてゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数特性となる。このように、サン回転要素16とピニオン回転要素18間のバックラッシュ33の大きさを調整することで、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる(キャリア14に作用する慣性トルクを減少させる)ことができ、捩じり振動減衰効果が得られる周波数帯を高くすることができる。したがって、エンジン1の低回転領域から高回転領域に渡って、高い捩じり振動減衰効果を得ることができる。
また、例えば図12に示すように、イナータ17に対してトルク伝達を行うための歯車機構34をサン回転要素16とイナータ17との間に設け、歯車機構34において、イナータ17に機械的に連結されたイナータ側歯車34aと、サン回転要素16に機械的に連結された遊星機構側歯車34bとの間に有するバックラッシュの大きさを調整することによっても、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる(キャリア14に作用する慣性トルクを減少させる)ことが可能となる。その場合も、歯車機構34のイナータ側歯車34aと遊星機構側歯車34b間のバックラッシュの大きさを、エンジン1の回転速度ωが設定速度ωsetであるときのエンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅に等しく設定する。エンジン1の回転速度ωが所定の高回転速度ωhighである(設定速度ωsetより高い)ときは、イナータ側歯車34aと遊星機構側歯車34b間のバックラッシュの大きさが、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅よりも大きくなるため、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に、イナータ側歯車34aと遊星機構側歯車34bの歯面同士が互いに十分に接触できなくなる。これによって、キャリア14に作用する慣性トルクが小さくなり、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性は、図3のBに示すような、高周波数帯においてゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数特性となる。一方、エンジン1の回転速度ωが所定の低回転速度ωlowである(設定速度ωsetより低い)ときは、イナータ側歯車34aと遊星機構側歯車34b間のバックラッシュの大きさが、エンジン1と出力軸15間の捩じれ角(ω−ωt)/sの振幅よりも小さくなるため、エンジン1と出力軸15間の角加速度差の発生時に、イナータ側歯車34aと遊星機構側歯車34bの歯面同士が互いに十分に接触する。これによって、キャリア14に作用する慣性トルクが大きくなり、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性は、図3のAに示すような、低周波数帯においてゲインが低く捩じり振動減衰効果が得られる周波数特性となる。
なお、図12に示す構成例でも、バックラッシュを有する歯車機構34を設ける位置は、エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路と、イナータ17との間でトルク伝達を行う位置であればよく、サン回転要素16とイナータ17との間に限定されるものではない。例えば図7に示す構成例と同様に、キャリア14を、各ピニオン回転要素18を回転支持する部分14aと、出力軸15に機械的に係合している部分14b(エンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路)とに分割し、これらの部分14a,14b間に歯車機構34を設けることも可能である。また、イナータ17及び歯車機構34の数をさらに増やして、各歯車機構34毎にバックラッシュを異ならせることで、エンジン1の回転速度ωの増加に応じて、キャリア14に作用する慣性トルクを減少させるように、慣性トルクをキャリア14に作用させる慣性体の慣性モーメントを多段階に変化させることが可能である。これによって、例えば図7に示すように、エンジン1と出力軸15間の捩じり振動伝達特性を多段階に変化させることが可能である。その際には、慣性トルクをキャリア14に作用させるイナータ17の慣性モーメントと、(8)式で表されるIfとの差の絶対値が設定値以下になる状態が保たれるように、各歯車機構34のバックラッシュの大きさを設定することで、慣性トルクをキャリア14に作用させるイナータ17の慣性モーメントを多段階に変化させることが好ましい。その場合における各イナータ17の接続方法も、直列接続であってもよいし、並列接続であってもよい。
以上の説明では、入力側回転要素としてリング回転要素13がエンジン1及び入力軸12とともに回転し、出力側回転要素としてキャリア14が出力軸15及び変速機2の入力軸とともに回転し、慣性側回転要素としてサン回転要素16がイナータ17とともに回転する例について説明した。ただし、本実施形態では、エンジン1の出力軸に連結される入力軸12と変速機2の入力軸に連結される出力軸15とを入れ替えて、入力側回転要素としてキャリア14がエンジン1及び入力軸12とともに回転し、出力側回転要素としてリング回転要素13が出力軸15及び変速機2の入力軸とともに回転するように構成することも可能である。その場合は、サン回転要素16の回転速度ωf、キャリア14(エンジン1)の回転速度ω、及びリング回転要素13(出力軸15)の回転速度ωtに関して、以下の(11)式が成立する。そのため、差動ゲインK=1/ρ>1となる(変速機構31を設けた例を除く)。
ωf−ω=1/ρ×(ω−ωt) (11)
また、リング回転要素13とイナータ17との間に遠心クラッチ20やトルクリミッタ機構30や変速機構31や歯車機構34を設け、慣性側回転要素としてリング回転要素13がイナータ17とともに回転するように構成することも可能である。入力側回転要素としてサン回転要素16がエンジン1及び入力軸12とともに回転し、出力側回転要素としてキャリア14が出力軸15及び変速機2の入力軸とともに回転する場合は、サン回転要素16(エンジン1)の回転速度ω、キャリア14(出力軸15)の回転速度ωt、及びリング回転要素13の回転速度ωfに関して、以下の(12)、(13)式が成立する。その場合は、差動ゲインK=−(1+ρ)、−2<K<−1となる(変速機構31を設けた例を除く)。一方、入力側回転要素としてキャリア14がエンジン1及び入力軸12とともに回転し、出力側回転要素としてサン回転要素16が出力軸15及び変速機2の入力軸とともに回転する場合は、サン回転要素16(出力軸15)の回転速度ωt、キャリア14(エンジン1)の回転速度ω、及びリング回転要素13の回転速度ωfに関して、以下の(14)式が成立する。その場合は、差動ゲインK=ρ、0<K<1となる(変速機構31を設けた例を除く)。以上説明した場合でも、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた角加速度でイナータ17の回転速度ωfを変化させることが可能であり、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた慣性トルクをエンジン1と出力軸15間のトルク伝達経路に作用させることが可能である。
ωf−ωt=ρ×(ωt−ω) (12)
ωf=−(1+ρ)×(ω−ωt)+ω (13)
ωf−ω=ρ×(ω−ωt) (14)
ωf=−(1+ρ)×(ω−ωt)+ω (13)
ωf−ω=ρ×(ω−ωt) (14)
以上の説明では、遊星機構11がシングルピニオン式の遊星機構である例について説明した。ただし、本実施形態では、遊星機構11にダブルピニオン式の遊星機構を用いることで、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた角加速度でイナータ17の回転速度ωfを変化させることも可能である。遊星機構11がダブルピニオン式の遊星機構である例では、サン回転要素16とイナータ17との間に遠心クラッチ20やトルクリミッタ機構30や変速機構31や歯車機構34を設け、慣性側回転要素としてサン回転要素16がイナータ17とともに回転するように構成することが可能である。その場合は、入力側回転要素としてキャリア14及びリング回転要素13の一方がエンジン1及び入力軸12とともに回転し、出力側回転要素としてキャリア14及びリング回転要素13の他方が出力軸15及び変速機2の入力軸とともに回転する。あるいは、遊星機構11がダブルピニオン式の遊星機構である例では、キャリア14とイナータ17との間に遠心クラッチ20やトルクリミッタ機構30や変速機構31や歯車機構34を設け、慣性側回転要素としてキャリア14がイナータ17とともに回転するように構成することも可能である。その場合は、入力側回転要素としてサン回転要素16及びリング回転要素13の一方がエンジン1及び入力軸12とともに回転し、出力側回転要素としてサン回転要素16及びリング回転要素13の他方が出力軸15及び変速機2の入力軸とともに回転する。遊星機構11がダブルピニオン式の遊星機構である場合は、リング回転要素13がシングルピニオン式の遊星機構のキャリアと同等の役割を果たし、キャリア14がシングルピニオン式の遊星機構のリング回転要素と同等の役割を果たす。遊星機構11がダブルピニオン式の遊星機構である場合の動作は、遊星機構11がシングルピニオン式の遊星機構である場合に対して、ρをρ/(1−ρ)に置き換えたものを考えればよい。
また、本実施形態では、例えば図13に示すように、遊星機構以外の差動機構11を用いることで、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた角加速度でイナータ17の回転速度ωfを変化させることも可能である。図13に示す構成例では、差動機構11は、入力側回転要素42と、出力側回転要素44と、かさ歯車・ラックアンドピニオン機構46と、ボールねじ機構47と、を有する。入力側回転要素42は、入力軸12に機械的に係合しており、エンジン1及び入力軸12とともに回転する。出力側回転要素44は、出力軸15に機械的に係合しており、出力軸15及び変速機2の入力軸とともに回転する。入力側回転要素42と出力側回転要素44は、緩衝部材19を介して機械的に連結されている。かさ歯車・ラックアンドピニオン機構46のラックがボールねじ機構47に機械的に連結され、イナータ17がボールねじ機構47に支持されている。そして、かさ歯車・ラックアンドピニオン機構46のかさ歯車と出力側回転要素44との間に遠心クラッチ20が設けられている。ただし、遠心クラッチ20をボールねじ機構47とイナータ17との間に設けることも可能である。また、遠心クラッチ20に代えて、トルクリミッタ機構30や変速機構31や歯車機構34を設けることも可能である。図13に示す構成例でも、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtの発生に応じて、かさ歯車・ラックアンドピニオン機構46によりボールねじ機構47が軸方向に駆動されることで、エンジン1と出力軸15との角加速度差dω/dt−dωt/dtに応じた角加速度でイナータ17の回転速度ωfが変化する。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1 エンジン、2 変速機、3 差動装置、4 ドライブシャフト、5 駆動輪、6 捩じり振動低減装置、11 遊星機構(差動機構)、12 入力軸、13 リング回転要素、14 キャリア、15 出力軸、16 サン回転要素、17 イナータ、18 ピニオン回転要素、19 緩衝部材、20 遠心クラッチ、30 トルクリミッタ機構、31 変速機構、33 バックラッシュ、34 歯車機構、34a イナータ側歯車、34b 遊星機構側歯車、42 入力側回転要素、44 出力側回転要素、46 かさ歯車・ラックアンドピニオン機構、47 ボールねじ機構。
Claims (19)
- エンジンから出力軸への捩じり振動の伝達を低減するための捩じり振動低減装置であって、
エンジンと出力軸との角加速度差の発生時に、当該角加速度差に応じた角加速度で慣性体の回転速度を変化させることで、慣性体の回転速度の変化による慣性トルクをエンジンと出力軸間のトルク伝達経路に作用させる慣性体回転機構と、
エンジンの運転状態に応じて、前記トルク伝達経路に作用させる慣性トルクを変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる振動伝達特性可変機構と、
を備える、捩じり振動低減装置。 - 請求項1に記載の捩じり振動低減装置であって、
慣性体回転機構は、
エンジンとともに回転する入力側回転要素と、
出力軸とともに回転する出力側回転要素と、
慣性体とともに回転する、または慣性体の少なくとも一部を構成する慣性側回転要素と、
を含み、
慣性側回転要素と出力側回転要素との回転速度差が出力側回転要素と入力側回転要素との回転速度差に比例する、または慣性側回転要素と入力側回転要素との回転速度差が入力側回転要素と出力側回転要素との回転速度差に比例する差動機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項2に記載の捩じり振動低減装置であって、
捩じり振動を吸収するための緩衝部材を介して入力側回転要素と出力側回転要素が連結されている、捩じり振動低減装置。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントを変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項4に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、エンジンの回転速度の増加に応じて、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項4または5に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、エンジンのトルクの減少に応じて、慣性トルクを前記トルク伝達経路に作用させる慣性体の慣性モーメントを減少させる機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項4〜7のいずれか1に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、慣性体と前記トルク伝達経路間のトルク伝達を許容または遮断するトルク断続機構を含む、捩じり振動低減装置。 - 請求項5または7に係る請求項8に記載の捩じり振動低減装置であって、
トルク断続機構は、エンジンの回転速度が設定速度より高い場合に、慣性体と前記トルク伝達経路間のトルク伝達を遮断する遠心クラッチである、捩じり振動低減装置。 - 請求項5または7に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構においては、慣性体に対してトルク伝達を行うための歯車機構にバックラッシュを有し、
歯車機構のバックラッシュの大きさは、エンジンの回転速度が所定の低回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも小さく、且つエンジンの回転速度が所定の高回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも大きい、捩じり振動低減装置。 - 請求項5に記載の捩じり振動低減装置であって、
差動機構が差動歯車機構であり、
振動伝達特性可変機構においては、差動歯車機構の互いに噛み合う慣性側回転要素と歯車要素との間にバックラッシュを有し、
バックラッシュの大きさは、エンジンの回転速度が所定の低回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも小さく、且つエンジンの回転速度が所定の高回転速度であるときのエンジンと出力軸間の捩じれ角の振幅よりも大きい、捩じり振動低減装置。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、慣性体と前記トルク伝達経路間で伝達されるトルクの制限値を変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項12に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、エンジンの回転速度の増加に応じて、前記制限値を減少させる機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項12または13に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、エンジンのトルクの減少に応じて、前記制限値を減少させる機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載の捩じり振動低減装置であって、
差動機構が遊星ローラ機構であり、
振動伝達特性可変機構は、遊星ローラ機構におけるローラ押付力を変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる押付力可変機構を含む、捩じり振動低減装置。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載の捩じり振動低減装置であって、
振動伝達特性可変機構は、慣性体のエンジンに対する回転速度比を変化させることで、エンジンと出力軸間の捩じり振動伝達特性を変化させる変速機構を含む、捩じり振動低減装置。 - 請求項16に記載の捩じり振動低減装置であって、
変速機構は、エンジンの回転速度の増加に応じて、慣性体のエンジンに対する回転速度比を減少させる機構である、捩じり振動低減装置。 - 請求項16または17に記載の捩じり振動低減装置であって、
変速機構は、エンジンのトルクの減少に応じて、慣性体のエンジンに対する回転速度比を減少させる機構である、捩じり振動低減装置。
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