JP2012222129A - プラズマ成膜方法及びプラズマ成膜装置 - Google Patents

プラズマ成膜方法及びプラズマ成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】構成が簡単なプラズマ成膜方法及び装置、より具体的には、危険な原料ガスを用いる必要がなく、高速に成膜が可能なプラズマ成膜方法及びプラズマ成膜装置を提供することを目的とする。
【解決手段】誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、螺旋形の導体棒3が、シリコンを表面にコーティングした石英管4の内部に配置され、その周囲に真鍮ブロック5が配置されている。筒状チャンバ内にガスを供給しつつ、導体棒3に高周波電力を供給して、筒状チャンバ内にプラズマを発生させ、基材2に照射することで解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン系材料の薄膜形成に係り、特に、半導体装置や太陽電池などに用いられる半導体基板上やガラス基板上に電子素子を形成するための薄膜形成方法、液晶パネルや太陽電池などに用いられる基板に半導体薄膜を形成するためのプラズマ成膜方法及びプラズマ成膜装置に関する。
シリコン系薄膜は、液晶表示装置や有機EL表示装置などの画素回路を構成するスイッチング素子、或いは液晶駆動用ドライバの回路素子などの薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)や太陽電池などに広く利用されている。
シリコン系薄膜を形成するに際し、一般的には、プラズマ化学気層堆積(Chemical Vapor Deposition:CVD)法が用いられる。真空チャンバの内に、SIH4、Si26やSiF4等の原料ガスおよびH2やArなどの希釈ガスを導入し、電極に高周波電力を印加することで、プラズマを発生させ、原料ガスを分解し、所望の基板に水素化アモルファスシリコン膜、微結晶シリコン膜やポリシリコン膜を形成する方法である。プラズマにより、比較的低温で成膜できること、大面積に均一に成膜できること、また、成膜中にドーピングガスを混ぜることで、p型やn型シリコン膜を得られることから多く用途に用いられている。
最近では、高額な真空チャンバ及び排気装置を使用せず、大気圧でプラズマを生成させ、また、有害で危険なSiH4,Si2H6やSiF4などの原料ガスも使わずに、シリコン薄膜を形成する方法や装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図22は、前記特許文献1に記載された従来のシリコン薄膜を形成するプラズマ成膜装置の概略構成を示している。図22において、反応室内に上部電極51と下部電極52が平行に設けられ、上部電極51には、水冷機構、下部電極52には、サセプタ(加熱媒体)を用いた加熱機構が設けられている。下部電極52は接地され、上部電極には、マッチングボックス53を介して高周波電力が印加できる機構になっている。下部電極52は上下に移動可能であり、上下電極間の距離を任意に変化させることができる。下部電極52のサセプタ上に基板54を設置し、上部電極51の下面には、結晶シリコン板(ターゲット)55を装着する。反応室内に水素ガスを導入し、高周波を印加することで大気圧水素プラズマを発生させ、低温側の上部電極51に設置したターゲット55から放出されるシリコン原子によって、高温側の下部電極52に設置した基板54にシリコン薄膜を成膜することができる。
他に、有害で危険なSiH4,Si2H6やSiF4などの原料ガスも使用しないシリコン膜形成方法としては、プラズマ溶射法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
国際公開第2007/049402号 特開2000−216090号公報
しかしながら、従来例に示した特許文献1に記載のプラズマ成膜方法においては、低温大気圧プラズマを用いているため、プラズマ密度が低く(一般的には、電子密度1013cm-3程度)、シリコンの分解効率が悪く、成膜速度を大きくあげることができないという問題点があった。また、従来例に示した特許文献2に記載のプラズマ溶射方法においては、成膜速度は極端に高いが、大面積領域に均一に成膜することは困難で、さらに、真空装置を用いる必要があった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、構成が簡単なプラズマ成膜方法及び装置、より具体的には、危険な原料ガスを用いる必要がなく、真空設備を用いる必要がなく、さらに、高速成膜が可能なプラズマ成膜方法及びプラズマ成膜装置を提供することを目的としている。
本願の第1発明のプラズマ成膜方法は、シリコンを、プラズマの熱による昇華、または、プラズマ中の活性種による化学的エッチングによって発生させ、前記プラズマを、基材に照射することにより、前記基材にシリコン系薄膜を形成させることを特徴とする。
このような構成により、構成が簡単なプラズマ成膜方法が実現できる。また、本願使用のプラズマは、熱プラズマであるためガス温度が高く(10、000K以上)、電子密度も 1015cm-3程度と非常に高いため、プラズマ中の活性種による化学エッチングが促進され、成膜速度を劇的に増加させることができる。
本願の第1発明のプラズマ成膜方法において、好適には、前記シリコンは、ボロン、アルミニウム、リン、砒素のいずれか1つを含有するシリコンであることが望ましい。
このような構成により、半導体装置、太陽電池、液晶パネルなどにおいて、p型、n型シリコン薄膜形成を簡単な構成で実現できる。
また、好適には、前記プラズマは、水素を含むガスを電離させることによって得られるものであることが望ましい。
このような構成により、シリコン薄膜の品質向上や高速化を図ることができる。
また、前記プラズマが発生する空間に、前記シリコンを含有した粉体を導入してもよい。
このような構成により、長期間に渡って安定した処理を行うことができる。
また、好適には、筒状チャンバ内にガスを供給しつつ、前記チャンバに形成されたスリット状の開口部から前記基材に向けてガスを噴出すると共に、コイルに高周波電力を供給することで、前記チャンバ内に前記プラズマを発生させるプラズマ成膜方法であって、
前記開口部の長手方向に対して垂直な向きに前記チャンバと前記基材とを相対的に移動しながら前記基材の表面を処理することが望ましい。
このような構成により、シリコン薄膜の品質向上や高速化を図ることができる。
また、好適には、前記プラズマが発生する空間を画定する部材のほぼ全部が、前記シリコン材料で構成されていることが望ましい。
このような構成により、長期間に渡って安定した処理を行うことができる。
本願の第2発明のプラズマ成膜装置は、スリット状の開口部を備える筒状チャンバと、前記チャンバ内にガスを供給するガス導入口と、前記チャンバ内に高周波電磁界を発生させるコイルと、前記コイルに高周波電力を供給する高周波電源と、前記開口部と対向して配置され、かつ基材を保持する基材載置台と、を有し、前記基材にシリコン系薄膜を形成するプラズマ成膜装置であって、前記筒状チャンバの長手方向と前記開口部の長手方向とは平行に配置され、前記開口部の長手方向に対して垂直な向きに、前記チャンバと前記基材載置台とを相対的に移動可能とする移動機構を備え、前記筒状チャンバの内壁面の少なくとも一部が、前記シリコン材料で構成されていることを特徴とする。
このような構成により、構成が簡単なプラズマ成膜装置が実現できる。また、本願使用のプラズマは、熱プラズマであるためガス温度が高く(10、000K以上)、電子密度も 1015cm-3程度と非常に高いため、高速成膜が実現できる。
本願の第2発明のプラズマ成膜装置において、好適には、前記コイルはソレノイドコイルであり、前記コイルの延出方向と前記開口部の長手方向とは平行に配置されていることが望ましい。
このような構成により、シリコン薄膜の品質向上や高速化を図ることができる。
或いは、前記コイルは、前記筒状チャンバの長手方向に平行に配置された複数の導体棒を、前記筒状チャンバの長手方向と垂直に配置された導体リンクにより接続してなるものであり、前記導体棒は、誘電体筒内に挿入され、前記誘電体筒の一部が前記筒状チャンバ内部の空間に露出するよう配置されている構成としてもよい。
このような構成により、シリコン薄膜の品質向上や高速化を図ることができる。
また、好適には、前記筒状チャンバの内壁面のほぼ全部が、前記シリコン材料で構成されていることが望ましい。
このような構成により、長期間に渡って安定した処理を行うことができる。
本願の第3発明のプラズマ成膜装置は、誘電体で囲まれた長尺チャンバと、前記チャンバ内にガスを供給するガス導入口と、前記チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体で囲まれた長尺の穴と、前記長尺の穴内に設けられた長尺のソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルに接続された高周波電源と、前記チャンバに設けられたスリット状の開口部と、前記開口部と対向して配置され、かつ基材を保持する基材載置台と、を有するプラズマ処理装置において、前記チャンバの長手方向と前記開口部の長手方向とは平行に配置され、前記開口部の長手方向に対して垂直な向きに、前記チャンバと前記基材載置台とを相対的に移動可能とする移動機構を備え、前記筒状チャンバの内壁面の少なくとも一部が、前記シリコン材料で構成されていることを特徴とする。
このような構成により、反応ガスによるプラズマまたはプラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射して基材にシリコン系薄膜を形成することに際して、基材の所望の被処理領域全体をより短時間で成膜することができる。
本発明によれば、構成が簡単なプラズマ成膜方法、より具体的には、危険な原料ガスを用いる必要がなく、成膜工程において真空設備を用いる必要がなく、高速でシリコン系薄膜を形成するプラズマ成膜方法及びプラズマ成膜装置が実現できる。
本発明の実施の形態1におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態1におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態2におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態2におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態2におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ成膜装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態4におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態5におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態6におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態6におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態7におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態7におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態8におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態8におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態9におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図 従来例におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマ成膜装置について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1〜図3を参照して説明する。
本発明の実施の形態1においては、プラズマ成膜装置として誘導結合型プラズマトーチを用いるものを例示する。図1(a)は本発明の実施の形態1におけるプラズマ成膜装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。図1(b)は、図1(a)の破線A〜A’で切った断面図であり、ソレノイドコイルの中心軸を含み、かつ、基材に垂直な面で切った断面図である。なお、図1(a)は、図1(b)の破線B〜B’で切った断面図である。
また、図2は、図1に示した誘導結合型プラズマトーチユニットの組立構成図であり、各部品の斜視図を並べたものである。また、図3は、誘導結合型プラズマトーチユニットを構成する蓋を、下から見たときの斜視図である。
図1〜図3において、基材載置台1上に基材2が載置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、ソレノイドコイルをなす螺旋形の導体棒3が、誘電体筒としての石英管4の内部に、石英管4を貫通して配置される。石英管4の周囲に、筒状チャンバの壁面を与える筐体としての真鍮ブロック5が配置され、また、石英管4の上側は、真鍮製の真鍮蓋6に接している。筒状チャンバ内部の空間7は、石英管4、真鍮ブロック5、真鍮蓋6、真鍮ブロック17により囲まれた筒状の長細いU字状の空間である。つまり、筒状チャンバを導体棒3の延出方向に対して垂直な面で切った断面形状のうち、筒状チャンバ内部の空間は、U字状である。なお、導体棒3の延出方向とは、導体棒3がなすソレノイドコイルの中心軸の方向(図1(b)の左右方向)であり、コイルが延びる方向を意味する。
真鍮蓋6の下方に、プラズマガスマニホールド8となる溝、プラズマガス供給穴9となる溝、シースガスマニホールド10となる溝、シースガス供給穴11となる溝が形成されている。また、基材載置台1に近い部分に、シールドガスノズル13が配置され、その内部にはシールドガスマニホールド14が設けられる。このように、3系統のガス導入が準備されており、プラズマ生成に適したプラズマガスと、真鍮ブロック5の内壁面を保護するシースガスとに分けて、ガス種・ガス流量などを適宜調整することにより、安定したプラズマ処理を可能とするほか、シールドガスを別途供給して大気中の酸素、二酸化炭素など、処理に不要、或いは悪影響を及ぼすガスのプラズマ照射面への混入を低減することが可能となる。
導体棒3が配置されている石英管4の内部は、絶縁性流体としての水に浸され、かつ、冷媒としての水が流れることによって導体棒3が冷却される構成となっている。また、真鍮ブロック5及び真鍮蓋6には、これらを貫通する冷媒流路15が設けられている。これらの水路(冷媒流路)は、真鍮ブロック17の外側に設けられた樹脂ケース18と真鍮ブロック17との間の空間がなす冷媒マニホールドとしての冷媒マニホールド22に連通している。樹脂ケース18には、冷媒導入口・冷媒排出口としての冷却水出入口24が各1箇所ずつ設けられ、誘導結合型プラズマトーチユニットTへの水冷配管の引き回しが非常に簡潔なものとなっており、小型のトーチを構成しうる。すなわち、筒状チャンバの長手方向の両側に2つの冷媒マニホールド22を備え、筒状チャンバを構成する各部材に、2つの冷媒マニホールド22を連通する冷媒流路15を備えた構成である。
なお、石英管4の内部も冷媒流路である。また、全ての冷媒流路が並列に冷媒マニホールド22に接続され、1つの冷媒導入口と1つの冷媒排出口が、それぞれ、2つの冷媒マニホールド22のうちの片方に設けられている構成である。また、冷媒マニホールド22と各冷媒流路との接続部や、冷媒流路そのものの流路断面積は一様でなく、真鍮ブロック5、真鍮蓋6に設けられた冷媒流路やその接続部(真鍮ブロック17に設けられた、小さい多数の貫通穴)の断面積は小さく、石英管4の内径(冷媒流路の径)やその接続部(真鍮ブロック17に設けられた、1つの大きい貫通穴)の断面積は大きくなっている。このような構成により、強い冷却が必要な部材である、石英管4の流路断面積が大きくなるように構成することで、合計の冷媒流量を小さくすることができる。
導体棒3は樹脂ケース18に設けられた高周波導入端子穴26及び接地端子穴27を介して銅ブロック19に接続され、銅板20を通じて図示しない高周波整合回路に接続される。
石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)に、不純物の濃度が低く、抵抗の高いシリコンがコーティングされている。ここで示す不純物とは、ボロン(B)、アルミニウム(Al)やリン(P)、砒素(As)を示す。不純物濃度の低いシリコンを、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。また、抵抗の高いシリコンウェハやシリコンブロックを石英管4の表面に貼り付けても良い。或いは、石英管4の表面に形成する代わりに、石英管4そのものをこれらの抵抗の高いシリコンで構成してもよい(この場合、部品名は「石英管」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
或いは、不純物濃度が高く、抵抗の低いシリコン(例えば、ボロン(B)、アルミニウム(Al)が高い濃度でドーピングされたp型シリコンや、リン(P)、砒素(As)が高い濃度でドーピングされたn型シリコン)は、真鍮ブロック5の内側の面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)にコーティングしておく。これは、抵抗の低いシリコンを石英管4の表面にコーティングしてしまうと、ソレノイドコイルにより発生する高周波電磁界が遮蔽されてしまうためである。抵抗の低いシリコンは、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、真鍮ブロック5の内側の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。また、抵抗の低いシリコンウェハやシリコンブロックを真鍮ブロック5の表面に貼り付けても良い。
或いは、真鍮ブロック5の表面に形成する代わりに、真鍮ブロック5そのものをこれらのシリコン材料で構成してもよい(この場合、部品名は「真鍮ブロック」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
長方形のスリット状のプラズマ噴出口12(これを「開口部」と称する場合もある)が設けられ、基材載置台1(或いは、基材載置台1上に基材2)は、プラズマ噴出口12と対向して配置されている。この状態で、筒状チャンバ内にガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源よりソレノイドコイルをなす導体棒3に高周波電力を供給することにより、筒状チャンバ内にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射することにより、基材2上のシリコン薄膜16を形成することができる。本構成においては、筒状チャンバの長手方向と、コイルの延出方向と、プラズマ噴出口12の長手方向とがすべて平行に配置されていることが特徴で、プラズマ噴出口12の長手方向に対して垂直な向きに、チャンバと基材載置台1とを相対的に移動させることで、基材2を処理する。つまり、図1(a)の左右方向へ、図1(b)の紙面に垂直な方向へ、誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台1を動かす。
シリコンは、プラズマの熱による昇華により発生する。或いは、筒状チャンバ内に水素を含むガスを供給し、水素ガスを電離させることによって得られる活性種である水素ラジカルを筒状チャンバ内壁に作用させ、化学的エッチングにより水素化シリコン(Sixy)を発生させることも可能である。また、不純物としてボロン(B)、リン(P)、砒素(As)を含む場合は、化学的エッチングにより、それぞれ、水素化ボロン(Bxy)、水素化リン(Pxy)、水素化砒素(Asxy)が筒状チャンバ内に発生するので、これらの分解物であるボロン、リン、砒素などが含有されたシリコン薄膜を形成することができる。
このようにして、プラズマを基材2に照射することにより、シリコン薄膜を成膜することができる。
従来例では、低温大気圧プラズマにより、シリコンターゲットの分解が遅かったため、成膜速度を大きくあげることができなかったが、本実施の形態においては、熱プラズマを利用するため、シリコンターゲットからのシリコンの生成効率が高く、高速成膜が可能であるという利点がある。
また、本実施の形態においては、昇華または化学的エッチングによって発生させたシリコン含有ガス利用するため、ガス流れ等の工夫により、長尺方向の成膜速度分布を均一化することは困難ではなく、また、誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材2を相対的に移動させて走査し、基材2の全面を処理するので、走査方向の均一性は原理的に担保されており、従来例よりも均一性確保が容易なプラズマ成膜方法となっている。
筒状チャンバ内に供給するガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となり(10、000K以上)、基材2の表面のシリコン薄膜16を形成することができる。また、H2を添加すると、既に述べたように、化学的エッチングの作用をもたらす他、シリコン膜中の欠陥を水素によって終端し、高品質なシリコン薄膜を得ることができる。
また、N2やNH3ガスを供給することで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが窒素化され、シリコン窒素化膜(SiNx)膜を形成することも可能である。さらに、同様に酸素を含有しているガスを用いることで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが酸化され、シリコン酸化膜(SiOx)膜を形成することも可能である。
次に、ガス供給の構造について説明する。プラズマガス供給配管41、シースガス供給配管42は、真鍮蓋6に設けられ、真鍮蓋6内部の貫通穴を介してプラズマガスマニホールド8、シースガスマニホールド10に連通する。図3に示すように、真鍮蓋6の下面にプラズマガスマニホールド8、シースガスマニホールド10やプラズマガス供給穴9、シースガス供給穴11となる溝が形成されている。プラズマガスマニホールド8、シースガスマニホールド10となる溝は深く、筒状チャンバの長手方向に平行に長く掘り込まれており、ガス溜まりとして機能する。プラズマガス供給穴9、シースガス供給穴11となる溝は浅く、筒状チャンバの長手方向に平行に短く掘り込まれており、その数は多数となっている。真鍮蓋6の凸部と石英管4の間の僅かな隙間から、プラズマガスが下方、すなわち、誘導結合型プラズマトーチユニットTから基材2へ向かう向きに染み出してくる構成である。
同様に、真鍮蓋6の凸部と真鍮ブロック5の間の僅かな隙間から、シースガスが下方、すなわち、誘導結合型プラズマトーチユニットTから基材2へ向かう向きに染み出してくる構成である。ガスが筒状チャンバ内に染み出してくる部位をガス導入口と呼ぶならば、ガス導入口はプラズマ噴出口12の長手方向と平行に設けられ、かつプラズマ噴出口12と対向する面に設けられている構成となっている。このような構成により、筒状チャンバ内のガスの流れと、ガス噴出口から基材載置台1に向かうガスの流れが、ともにスムーズになって層流化しやすく、安定したプラズマ処理が可能となる。
一方、シールドガスは、シールドガスマニホールド14に連通した多数の穴、または単一の溝から、プラズマ噴出口12と基材2の間に向けて噴出させる。このとき、穴または単一の溝の向きを工夫することにより、ガス噴出の向きをプラズマ噴出口12に向けたり、基材2の表面に向けたりすることも可能であり、処理の種類に応じて適宜選択すればよい。
また、本構成においては、プラズマ噴出口12の長手方向の長さが、基材2の幅以上となっているので、一度の走査(誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材載置台1とを相対的に移動すること)で基材2の表面近傍のシリコン薄膜16の全体を処理することができる。
このようなプラズマ成膜装置において、筒状チャンバ内にガス噴出口よりArまたはAr+H2ガス、シースガス供給穴11からN2やO2ガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、ソレノイドコイルをなす導体棒3に供給することにより、筒状チャンバ内にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射するとともに走査することで、シリコン薄膜16形成することができる。そして、半導体装置、太陽電池、液晶パネルなどに使用される、シリコン系薄膜を簡単な構成で実現できる。
本実施の形態で用いた誘導結合型プラズマトーチにおいては、ソレノイドコイルの中心軸の方向と、プラズマ噴出口12の長手方向と、基材載置台1とが平行に配置されたまま、プラズマ噴出口12の長手方向とは垂直な向きに、筒状チャンバと基材載置台1とを相対的に移動するので、生成すべきプラズマの長さと、基材2の処理長さがほぼ等しくなるように構成することが可能となる。また、筒状チャンバをその中心軸に垂直な面で切った断面の幅(図1(b)における、チャンバ内部の空間7の幅)は、プラズマ噴出口12の幅(図1(b)における隙間の長さ)より少しでも大きければよい。つまり、生成すべきプラズマの体積を極めて小さくすることができる。その結果、本方式は電力効率に優れる。
また、筒状チャンバの内部空間においては、中心軸の向きに比較的均一なプラズマを生成することができるので、長尺方向にプラズマが均一となり、基材を均一に処理することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図4〜図6を参照して説明する。
図4(a)は本発明の実施の形態2におけるプラズマ成膜装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。図4(b)は、図4(a)の破線A〜A’で切った断面図であり、ソレノイドコイルの中心軸を含み、かつ、基材に垂直な面で切った断面図である。なお、図4(a)は、図4(b)の破線B〜B’で切った断面図である。
また、図5は、図4に示した誘導結合型プラズマトーチユニットの組立構成図であり、各部品の斜視図を並べたものである。また、図6は、誘導結合型プラズマトーチユニットを構成する真鍮蓋を、下から見たときの斜視図である。
本発明の実施の形態2においては、実施の形態1とは、石英管4と真鍮蓋6の形状が異なるだけであるから、それ以外の説明は省略する。
石英管4は、位置決めとシールのための突出部(一部、外径が大きくなっている部分)を除き、外径が一様の円筒であり、製作が極めて容易であるという点で、本発明の実施の形態1よりも優れる。石英管4の上方の空間を埋めることにより、ガス流れの層流化を図るため、真鍮蓋6の下方が下に向けて大きく凸になっている。そして、凸部の先端が石英管4に沿うように、円弧状に成形されている。また、凸部にも冷媒流路15を形成できるので、実施の形態1よりも効果的な水冷が可能である。
プラズマガス供給配管41、シースガス供給配管42は、真鍮蓋6に設けられ、真鍮蓋6内部の貫通穴を介してプラズマガスマニホールド8、シースガスマニホールド10に連通する。図6に示すように、真鍮蓋6の下面にプラズマガスマニホールド8、シースガスマニホールド10やプラズマガス供給穴9、シースガス供給穴11となる溝が形成されている。プラズマガスマニホールド8、シースガスマニホールド10となる溝は深く、筒状チャンバの長手方向に平行に長く掘り込まれており、ガス溜まりとして機能する。プラズマガス供給穴9となる溝は、浅く、筒状チャンバの長手方向に平行に長く掘り込まれており、その数は1つである。
シースガス供給穴11となる溝は浅く、筒状チャンバの長手方向に平行に短く掘り込まれており、その数は多数となっている。プラズマガス供給穴9となる溝が、長手方向に長く掘り込まれている点が、実施の形態1との大きな違いである。
実施の形態2のような構成においても、長手方向に短く掘り込まれた多数の浅い溝を用いることができるし、逆に、実施の形態1のような構成においても、長手方向に長く掘り込まれた1つの浅い溝を用いることも可能である。
この構成は、真鍮蓋6の凸部と石英管4の間の僅かな隙間(浅い溝)から、プラズマガスが下方、すなわち、誘導結合型プラズマトーチユニットTから基材2へ向かう向きに染み出してくる構成である。同様に、真鍮蓋6の凸部と真鍮ブロック5の間の僅かな隙間から、プラズマガスが下方、すなわち、誘導結合型プラズマトーチユニットTから基材2へ向かう向きに染み出してくる構成である。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、図7〜図12を参照して説明する。
図7(a)は本発明の実施の形態3におけるプラズマ成膜装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。図7(b)は、図7(a)の破線A〜A’で切った断面図であり、導体棒の中心軸を含み、かつ、基材に垂直な面で切った断面図である。なお、図7(a)は、図7(b)の破線B〜B’で切った断面図である。
また、図8は、図7に示した誘導結合型プラズマトーチユニットの組立構成図であり、各部品の斜視図を並べたものである。また、図9は、図7(b)C部の拡大断面図である。また、図10は、導体棒の周辺構造を示す斜視図、図11は長い導体棒の周辺構造を示す斜視図、図12は、導体棒と導体リンクの配置を示す斜視図である。
図7〜図8において、基材載置台1上に基材2が載置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、コイルは、筒状チャンバの長手方向に平行に配置された複数の導体棒3を、筒状チャンバの長手方向と垂直に配置された導体リンク23により接続してなるものであり、全体として螺旋形を構成し、その螺旋の内部空間と筒状チャンバ内部の空間7が重なり合っている構造である。複数の導体棒3は、誘電体筒としての石英管4の内部に、石英管4を貫通して配置される。石英管4の周囲に、筒状チャンバの壁面を与える筐体としての真鍮ブロック5が配置され、また、石英管4の外側は、真鍮ブロック5に接している。筒状チャンバ内部の空間7は、石英管4、真鍮ブロック5、真鍮ブロック17により囲まれた筒状の長細い空間である。つまり、石英管4の一部(内側の半円柱部分)が筒状チャンバ内部の空間7に露出するよう配置されている。
真鍮ブロック5の上方に、プラズマガスマニホールド8となる溝、プラズマガス供給穴9となる溝が形成されており、2つの真鍮ブロック5を組み合わせたときに、これらに囲まれた空間が閉じた空間としてプラズマガスマニホールド8とプラズマガス供給穴9が画定される構造である。また、真鍮蓋6にシースガスマニホールド10となる座グリが設けられ、真鍮ブロック5と組み合わせたときに、真鍮ブロック5と真鍮蓋6に囲まれた空間が閉じた空間としてシースガスマニホールド10が画定される構造である。
また、真鍮ブロック5に、シースガス供給穴11となる貫通孔が形成されている。また、基材載置台1に近い部分に、シールドガスノズル13が配置され、その内部にはシールドガスマニホールド14が設けられる。このように、3系統のガス導入が準備されており、プラズマ生成に適したプラズマガスと、石英管4の外壁面を保護するシースガスとに分けて、ガス種・ガス流量などを適宜調整することにより、安定したプラズマ処理を可能とするほか、シールドガスを別途供給して大気中の酸素、二酸化炭素など、処理に不要、或いは悪影響を及ぼすガスのプラズマ照射面への混入を低減することが可能となる。
導体棒3が配置されている石英管4の内部は、絶縁性流体としての水に浸され、かつ、冷媒としての水が流れることによって石英管4と導体棒3が冷却される構成となっている。さらに、導体棒3は中空の管状であり、導体棒3内部にも水が流れ、導体棒3が冷却される構成となっている。すなわち、導体棒3の外壁面と石英管4の内壁面の間の空間に冷媒としての絶縁性流体が流れることによって、導体棒3及び石英管4が冷却され、導体棒3が中空の管状であり、導体棒3がなす管の内部空間に冷媒が流れることによって、導体棒3が冷却される構成である。
また、真鍮ブロック5には、これらを貫通する冷媒流路としての冷媒流路15が設けられている。これらの水路(冷媒流路)は、真鍮ブロック17の外側に設けられた樹脂ケース18と真鍮ブロック17との間の空間がなす冷媒マニホールド22に連通している。樹脂ケース18には、冷媒導入口・冷媒排出口としての冷却水出入口24が各1箇所ずつ設けられ、誘導結合型プラズマトーチユニットTへの水冷配管の引き回しが非常に簡潔なものとなっており、小型のトーチを構成しうる。すなわち、筒状チャンバの長手方向の両側に2つの冷媒マニホールド22を備え、筒状チャンバを構成する各部材に、2つの冷媒マニホールド22を連通する冷媒流路15を備えた構成である。
なお、導体棒3と石英管4の内壁の間の空間、及び、導体棒3の内部も冷媒流路である。また、全ての冷媒流路が並列に冷媒マニホールド22に接続され、1つの冷媒導入口と1つの冷媒排出口が、それぞれ、2つの冷媒マニホールド22のうちの片方に設けられている構成である。また、冷媒マニホールド22と各冷媒流路との接続部や、冷媒流路そのものの流路断面積は一様でなく、真鍮ブロック5に設けられた冷媒流路やその接続部(真鍮ブロック17に設けられた、小さい多数の貫通穴)の断面積は小さく、石英管4の内径(冷媒流路の径)やその接続部(真鍮ブロック17に設けられた、6つの大きい貫通穴)の断面積は大きくなっている。
このような構成により、強い冷却が必要な部材である、石英管4の流路断面積が大きくなるように構成することで、合計の冷媒流量を小さくすることができる。
導体棒3のうち、2本の長い導体棒(これを符号「3a」で表す)は、樹脂ケース18に設けられた高周波導入端子穴26及び接地端子穴27を介して銅ブロック19に接続され、銅板20を通じて図示しない高周波整合回路に接続される。
石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)に、不純物の濃度が低く、抵抗の高いシリコンがコーティングされている。ここで示す不純物とは、ボロン(B)、アルミニウム(Al)やリン(P)、砒素(As)を示す。不純物濃度の低いシリコンを、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。また、抵抗の高いシリコンウェハやシリコンブロックを石英管4の表面に貼り付けても良い。或いは、石英管4の表面に形成する代わりに、石英管4そのものをこれらの抵抗の高いシリコンで構成してもよい(この場合、部品名は「石英管」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
或いは、不純物濃度が高く、抵抗の低いシリコン(例えば、ボロン(B)、アルミニウム(Al)が高い濃度でドーピングされたp型シリコンや、リン(P)、砒素(As)が高い濃度でドーピングされたn型シリコン)は、真鍮ブロック5の内側の面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)にコーティングしておく。これは、抵抗の低いシリコンを石英管4の表面にコーティングしてしまうと、ソレノイドコイルにより発生する高周波電磁界が遮蔽されてしまうためである。抵抗の低いシリコンは、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、真鍮ブロック5の内側の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。
また、抵抗の低いシリコンウェハやシリコンブロックを真鍮ブロック5の表面に貼り付けても良い。或いは、真鍮ブロック5の表面に形成する代わりに、真鍮ブロック5そのものをこれらのシリコン材料で構成してもよい(この場合、部品名は「真鍮ブロック」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
長方形のスリット状のプラズマ噴出口12(これを「開口部」と称する場合もある)が設けられ、基材載置台1(或いは、基材載置台1上に基材2)は、プラズマ噴出口12と対向して配置されている。この状態で、筒状チャンバ内にガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源よりコイルをなす導体棒3に高周波電力を供給することにより、筒状チャンバ内にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射することにより、基材2上のシリコン薄膜16を形成することができる。
本構成においては、筒状チャンバの長手方向と、導体棒3の長手方向と、プラズマ噴出口12の長手方向とがすべて平行に配置されていることが特徴で、プラズマ噴出口12の長手方向に対して垂直な向きに、チャンバと基材載置台1とを相対的に移動させることで、基材2を処理する。つまり、図7(a)の左右方向へ、図7(b)の紙面に垂直な方向へ、誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台1を動かす。
シリコンは、プラズマの熱による昇華により発生する。或いは、筒状チャンバ内に水素を含むガスを供給し、水素ガスを電離させることによって得られる活性種である水素ラジカルを筒状チャンバ内壁に作用させ、化学的エッチングにより水素化シリコン(Sixy)を発生させることも可能である。また、不純物としてボロン(B)、リン(P)、砒素(As)を含む場合は、化学的エッチングにより、それぞれ、水素化ボロン(Bxy)、水素化リン(Pxy)、水素化砒素(Asxy)が筒状チャンバ内に発生するので、これらの分解物であるボロン、リン、砒素などが含有されたシリコン薄膜を形成することができる。
このようにして、プラズマを基材2に照射することにより、シリコン薄膜を成膜することができる。
従来例では、低温大気圧プラズマにより、シリコンターゲットの分解が遅かったため、成膜速度を大きくあげることができなかったが、本実施の形態においては、熱プラズマを利用するため、シリコンターゲットからのシリコンの生成効率が高く、高速成膜が可能であるという利点がある。また、本実施の形態においては、昇華または化学的エッチングによって発生させたシリコン含有ガス利用するため、ガス流れ等の工夫により、長尺方向の成膜速度分布を均一化することは困難ではなく、また、誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材2を相対的に移動させて走査し、基材2の全面を処理するので、走査方向の均一性は原理的に担保されており、従来例よりも均一性確保が容易なプラズマ成膜方法となっている。
筒状チャンバ内に供給するガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となり(10,000K以上)、基材2の表面のシリコン薄膜16を形成することができる。また、H2を添加すると、既に述べたように、化学的エッチングの作用をもたらす他、シリコン膜中の欠陥を水素によって終端し、高品質なシリコン薄膜を得ることができる。
また、N2やNH3ガスを供給することで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが窒素化され、シリコン窒素化膜(SiNx)膜を形成することも可能である。さらに、同様に酸素を含有しているガスを用いることで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが酸化され、シリコン酸化膜(SiOx)膜を形成することも可能である。
次に、ガス供給の構造について説明する。プラズマガス供給配管41はフランジ25に設けられ、真鍮ブロック5を組み合わせてできる穴を介して、プラズマガスマニホールド8に連通する。また、シースガス供給配管42は真鍮蓋6に設けられ、真鍮蓋6内部の貫通穴を介してシースガスマニホールド10に連通する。プラズマガスマニホールド8となる溝は深く、筒状チャンバの長手方向に平行に長く掘り込まれており、ガス溜まりとして機能する。プラズマガス供給穴9となる溝は浅く、筒状チャンバの長手方向に平行に短く掘り込まれており、その数は多数となっている。真鍮ブロック5の凹部と石英管4の間の僅かな隙間から、プラズマガスが側方、すなわち、誘導結合型プラズマトーチユニットTから基材2へ向かう向きとは垂直な向きに染み出してくる構成である。ガスが筒状チャンバ内に染み出してくる部位をガス導入口と呼ぶならば、ガス導入口はプラズマ噴出口12の長手方向と平行に設けられる構成となっている。
一方、シールドガスは、シールドガスマニホールド14に連通した多数の穴、または単一の溝から、プラズマ噴出口12と基材2の間に向けて噴出させる。このとき、穴または単一の溝の向きを工夫することにより、ガス噴出の向きをプラズマ噴出口12に向けたり、基材2の表面に向けたりすることも可能であり、処理の種類に応じて適宜選択すればよい。
次に、冷却水の流れ方について説明する。図9において、真鍮ブロック17には、石英管4の位置決めを担う機能があり、石英管4の数に応じて貫通穴が設けられる。貫通穴には両側から座グリが形成され、内側の座グリには水漏れ防止のためのオーリング28が配置されるとともに、石英管4の外径が太くなった部分が嵌め込まれる。図9、10に示すように、石英管4の両端の先端付近に、矩形の貫通穴29が設けられ、真鍮ブロック17に嵌め込まれたときに、貫通穴29aが外側の座グリ30の中に配置されるようになっている。石英管4の両端は、導体棒3と石英管4の中心軸を一致させるためのブッシュ21により蓋される。
したがって、冷却水は、外側の座グリ30、貫通穴29aを通って、石英管4の内部に流れ込み、出て行く構造となっている。一方、ブッシュ21の中心には貫通穴が設けられ、冷媒マニホールド22から導体棒3の内部に冷却水が流れ込み、出て行くことができる。ただし、長い導体棒3aは、樹脂ケース18に設けられた高周波導入端子穴26及び接地端子穴27を突き抜ける構造であり、その内部に水を連通させるために、貫通穴29bが設けられている。つまり、冷却水は、樹脂ケースに設けられた座グリ、貫通穴29bを通って、長い導体棒3aの内部に流れ込み、出て行く構造となっている。
また、図12に示すように、複数の導体棒3は、導体リンク23により接続され、全体として3ターンの螺旋形を構成し、その螺旋の内部空間と筒状チャンバ内部の空間7が重なり合っている構造となっている。
本構成においては、プラズマ噴出口12の長手方向の長さが、基材2の幅以上となっているので、一度の走査(誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材載置台1とを相対的に移動すること)で基材2にシリコン薄膜16形成することができる。
このようなプラズマ処理装置において、筒状チャンバ内にガス噴出口よりArまたはAr+H2ガス、シースガス供給穴11からN2やO2ガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、コイルをなす導体棒3に供給することにより、筒状チャンバ内にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射するとともに走査することで、シリコン薄膜16形成することができる。そして、半導体装置、太陽電池、液晶パネルなどにおいて、半導体膜形成を簡単な構成で実現できる。
本実施の形態で用いた誘導結合型プラズマトーチにおいては、プラズマ噴出口12の長手方向と、基材載置台1とが平行に配置されたまま、プラズマ噴出口12の長手方向とは垂直な向きに、筒状チャンバと基材載置台1とを相対的に移動するので、生成すべきプラズマの長さと、基材2の処理長さがほぼ等しくなるように構成することが可能となる。また、筒状チャンバをその中心軸に垂直な面で切った断面の幅(図7(b)における、チャンバ内部の空間7の幅)は、プラズマ噴出口12の幅(図7(b)における隙間の長さ)より少しでも大きければよい。つまり、生成すべきプラズマの体積を極めて小さくすることができる。その結果、本方式は電力効率に優れる。
また、筒状チャンバの内部空間においては、中心軸の向きに比較的均一なプラズマを生成することができるので、長尺方向にプラズマが均一となり、基材を均一に処理することができる。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について、図13を参照して説明する。
図13は本発明の実施の形態4におけるプラズマ成膜装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。
本発明の実施の形態4においては、実施の形態3とは、導体棒3と石英管4の本数が異なるだけであるから、それ以外の説明は省略する。
図13において、導体棒3はともに長い導体棒3aであり、導体リンク23で接続されることにより、1ターンコイルを構成する。
この構成では、プラズマの発生する体積が実施の形態3よりも小さくなり、パワー効率に優れたトーチユニットを実現可能である。
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について、図14を参照して説明する。
図14は本発明の実施の形態5におけるプラズマドーピング装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。
本発明の実施の形態5においては、実施の形態4とは、導体棒3と石英管4の配置が異なるだけであるから、それ以外の説明は省略する。
図14において、2本の導体棒3は、プラズマ噴出口12から同じ距離に配置されており、導体リンク23で接続されることにより、1ターンコイルを構成する。
この構成では、プラズマの発生する体積が実施の形態4よりも小さくなり、パワー効率に優れたトーチユニットを実現可能である。
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6について、図15〜図16を参照して説明する。
図15は本発明の実施の形態6におけるプラズマ成膜装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。
本発明の実施の形態6においては、実施の形態3とは、導体棒3と石英管4の配置が異なるだけであるから、それ以外の説明は省略する。
図15において、6本の導体棒3は、2本ずつペアになってプラズマ噴出口12から同じ距離に配置されており、導体リンク23で接続されることにより、3ターンコイルを構成する。
或いは、2本ずつのペアごとに異なる高周波電源に接続することで、各ペアに供給する電力を独立に制御することができる。
さらに、図16に示すように、シースガスマニホールド10、シースガス供給穴11を、各ペアに別系統に構成することも可能である。このような構成により、各ペアに必要最小限のシースガス流量を流すことが可能である。
或いは、各ペアに供給する電力を独立に制御することと、シースガスマニホールド10、シースガス供給穴11を、各ペアに別系統に構成することを同時に行うこともできる。この場合、各系統に異なるガス種を供給し、その電離度を電力バランスで制御することで、より制御性に優れたプラズマ処理が可能となる。
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7について、図17及び図18を参照して説明する。
図17(a)は、本発明の実施の形態1におけるプラズマ成膜装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。図17(b)は、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に平行で、かつ、基材に垂直な面で切った断面図である。図17(b)は図17(a)の破線で切った断面図、図17(c)は図17(a)の破線B〜B‘で切った断面図である。また、図17(a)は図17(b)の破線で切った断面図である。また、図18は、図17に示した誘導結合型プラズマトーチユニットの組立構成図であり、各部品(一部)の斜視図を並べたものである。
図17及び図18において、基材載置台1上に基材2が載置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、銅製で長尺の導体棒3が、誘電体製の長尺チャンバの内側に配置される。すなわち、誘電体ブロックとしての石英ブロック4内に円筒型の誘電体管としての石英管4が挿入され、石英管4内に長尺の穴が設けられており、この長尺の穴内に導体棒3が設けられる。長尺チャンバの外壁を与える誘電体製の石英ブロック4は、真鍮ブロック5及び真鍮蓋6で囲まれた部分に収納される。真鍮ブロック5及び真鍮蓋6は接地されるので、高周波の漏洩(ノイズ)が効果的に防止できるとともに、好ましくない異常放電などを効果的に防止できる。
長尺チャンバ内部の空間7は、石英ブロック4に設けられたスリット、及び、石英ブロック4と導体棒3が挿入されている石英管4との間の空間である。つまり、長尺チャンバが誘電体で囲まれている構成である。長尺チャンバ内部の空間7に発生したプラズマは、長尺チャンバにおけるスリット状の開口部としてのプラズマ噴出口12より基材2に向けて噴出する。また、長尺チャンバの長手方向とプラズマ噴出口12の長手方向とは平行に配置されている。
真鍮蓋6の上方に、プラズマガスマニホールド8が設けられる。プラズマガスマニホールドに供給されたガスは、石英ブロック4に設けられた穴からなるプラズマガス供給穴9を介して、石英ブロック4に設けられたガス導入口としてのプラズマガス供給穴9より長尺チャンバ内部の空間7に導入される。プラズマガス供給穴9は長手方向に複数設けられているので、長手方向に均一なガス流れを簡単に形成できる。
導体棒3は長尺チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体である石英に囲まれた長尺の穴である石英管4内に設けられている。
また、基材載置台1に近い部分に、シールドガスノズル13が配置され、その内部にはシールドガスマニホールド14が設けられる。このように、2系統のガス導入が準備されており、プラズマ生成に適したプラズマガスとは別にシールドガスを供給して、大気中の酸素、二酸化炭素など、処理に不要、或いは悪影響を及ぼすガスのプラズマ照射面への混入を低減することが可能となる。
石英ブロック4及び真鍮ブロック5には、これらを貫通する冷媒流路15が設けられている。石英管4と冷媒流路15は互いに平行に配置された水路(冷媒流路)であり、真鍮ブロック17の外側に設けられた樹脂ケース18と真鍮ブロック17との間の空間がなす冷媒マニホールドとしての冷媒マニホールド22に連通している。樹脂ケース18には、図示しない冷媒導入口・冷媒排出口としての冷却水出入口が各1箇所ずつ設けられ、誘導結合型プラズマトーチユニットTへの水冷配管の引き回しが非常に簡潔なものとなっており、小型のトーチを構成しうる。すなわち、長尺チャンバの長手方向の両側に2つの冷媒マニホールド22を備え、各部材に2つの冷媒マニホールド22を連通する冷媒流路を備えた構成である。
導体棒3の両端は、真鍮ブロック17を貫通し、樹脂ケース18に設けられた高周波導入端子穴または接地端子穴を介して銅ブロック19に接続され、図示しない銅板を通じて図示しない高周波整合回路に接続される。
このように、本実施の形態においては、石英ブロック4を貫通する、断面が円形の石英管4及び冷媒流路15が設けられているので、冷却効率が非常に高い。
なお、プラズマガスマニホールド8へのガス導入は、その上流にマスフローコントローラなどの流量制御装置を備えたプラズマガス供給穴9を介して実現される。
石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)に、不純物の濃度が低く、抵抗の高いシリコンがコーティングされている。ここで示す不純物とは、ボロン(B)、アルミニウム(Al)やリン(P)、砒素(As)を示す。不純物濃度の低いシリコンを、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。また、抵抗の高いシリコンウェハやシリコンブロックを石英管4の表面に貼り付けても良い。或いは、石英管4の表面に形成する代わりに、石英管4そのものをこれらの抵抗の高いシリコンで構成してもよい(この場合、部品名は「石英管」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
或いは、不純物濃度が高く、抵抗の低いシリコン(例えば、ボロン(B)、アルミニウム(Al)が高い濃度でドーピングされたp型シリコンや、リン(P)、砒素(As)が高い濃度でドーピングされたn型シリコン)は、真鍮ブロック5の内側の面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)にコーティングしておく。
これは、抵抗の低いシリコンを石英管4の表面にコーティングしてしまうと、導体棒により発生する高周波電磁界が遮蔽されてしまうためである。抵抗の低いシリコンは、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、真鍮ブロック5の内側の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。また、抵抗の低いシリコンウェハやシリコンブロックを真鍮ブロック5の表面に貼り付けても良い。或いは、真鍮ブロック5の表面に形成する代わりに、真鍮ブロック5そのものをこれらのシリコン材料で構成してもよい(この場合、部品名は「真鍮ブロック」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
長方形のスリット状のプラズマ噴出口12が設けられ、基材載置台1(或いは、基材載置台1上の基材2)は、プラズマ噴出口12と対向して配置されている。この状態で、長尺チャンバ内にガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より導体棒3に高周波電力を供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射することにより、基材2上のシリコン薄膜16を形成することができる。
プラズマ噴出口12の長手方向に対して垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動させることで、基材2を処理する。つまり、図17(a)の左右方向へ、図17(b)の紙面に垂直な方向へ、誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台1を動かす。
本構成では、長尺チャンバを含む長尺方向に垂直な面で切った任意の断面において、導体棒3と導体棒3以外の導体(真鍮ブロック5及び真鍮蓋6)との距離が、導体棒3と長尺チャンバの距離よりも大きくなっている。なお、ここでは、導体棒3と長尺チャンバの距離とは、導体棒3と長尺チャンバ内部の空間7(が構成する直方体)との距離を意味する。一般に、高周波電流源が形成する誘導電磁界は、高周波電流源からの距離の二乗に反比例するので、導体棒3と導体棒3以外の導体との距離が導体棒3と長尺チャンバの距離よりも近いと、プラズマ生成に有効な電磁界よりも導体棒3以外の導体内に渦電流を誘導する電磁界の方が大きくなり、銅損(渦電流損)が大きくなってしまう。これを避けるために、導体棒3と導体棒3以外の導体との距離が、導体棒3と長尺チャンバの距離よりも大きくなるように構成している。
このような構成においては、導体棒3とプラズマ噴出口12の間にある程度の距離を保つ必要があるので、導体棒3よりもプラズマ噴出口12に近い部位に、石英ブロック4を冷却するための冷媒流路15を配している。同様に、導体棒3よりも真鍮蓋6に近い部位にも、石英ブロック4を冷却するための冷媒流路15を配している。
また、真鍮ブロック5及び真鍮蓋6には、導体棒3からの距離を保ったとしても、銅損(渦電流損)が生じるので、これによる問題を防ぐために冷媒流路15を導体棒3に近い部位に設けている。
長尺チャンバ内に供給するガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となり(10,000K以上)、基材2の表面のシリコン薄膜16を形成することができる。また、H2を添加すると、既に述べたように、化学的エッチングの作用をもたらす他、シリコン膜中の欠陥を水素によって終端し、高品質なシリコン薄膜を得ることができる。また、N2やNH3ガスを供給することで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが窒素化され、シリコン窒素化膜(SiNx)膜を形成することも可能である。
さらに、同様に酸素を含有しているガスを用いることで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが酸化され、シリコン酸化膜(SiOx)膜を形成することも可能である。真鍮ブロック5のプラズマガスマニホールド8の下流にあたる部分は、基材2に向かって徐々に広くなる空間を形成している。このような構成により、真鍮ブロック5へのプラズマの接触によるプラズマ密度の低下を抑制できると同時に、プラズマと接触する部位に近い位置に冷媒流路15を設けることができる。
なお、本構成においては、プラズマ噴出口12の長手方向の長さが、基材2の幅以上となっているので、一度の走査(誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材載置台1とを相対的に移動すること)で基材2にシリコン薄膜16を形成するができる。
このようなプラズマ処理装置において、長尺チャンバ内にガス噴出口よりArまたはAr+H2ガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、導体棒3に供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7に高周波電磁界を発生させてプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射するとともに走査することで、シリコン膜を形成することができる。
このように、プラズマ噴出口12の長手方向と、基材載置台1とが平行に配置されたまま、プラズマ噴出口12の長手方向とは垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動するので、生成すべきプラズマの長さと、基材2の処理長さがほぼ等しくなるように構成することが可能となる。また、長尺チャンバをその中心軸に垂直な面で切った断面の幅(図17(a)における、チャンバ内部の空間7の幅)は、プラズマ噴出口12の幅(図17(a)における隙間の幅)と同じか、少し大きい程度でよい。つまり、生成すべきプラズマの体積を、従来と比較して極めて小さくすることができる。その結果、電力効率が飛躍的に高まる。
(実施の形態8)
以下、本発明の実施の形態8について、図19及び図20を参照して説明する。
図19(a)は、本発明の実施の形態8におけるプラズマ処理装置の構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。図19(b)及び(c)は、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に平行で、かつ、基材に垂直な面で切った断面図である。図19(b)は図19(a)の破線A〜A‘で切った断面図、図19(c)は図19(a)の破線B〜B‘で切った断面図である。
また、図19(a)は図19(b)の破線で切った断面図である。また、図20は、図19に示した誘導結合型プラズマトーチユニットの組立構成図であり、各部品(一部)の斜視図を並べたものである。
図19及び図20において、基材載置台1上に基材2が載置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、コイルをなす導体棒としての導体棒3が、誘電体製の長尺チャンバを構成する石英ブロック4の内部に配置される。石英ブロック4の周囲に設けられた真鍮ブロック5及び真鍮蓋6で囲まれた部分に、石英ブロック4が収納されている。真鍮ブロック5及び真鍮蓋6は接地されるので、高周波の漏洩(ノイズ)が効果的に防止できるとともに、好ましくない異常放電などを効果的に防止できる。
長尺チャンバ内部の空間7は、石英ブロック4に設けられたスリットである。つまり、長尺チャンバが誘電体で囲まれている構成である。長尺チャンバ内部の空間7に発生したプラズマは、長尺チャンバにおけるスリット状の開口部としてのプラズマ噴出口12より基材2に向けて噴出する。また、長尺チャンバの長手方向とプラズマ噴出口12の長手方向とは平行に配置されている。
真鍮蓋6の上方に、プラズマガスマニホールド8が設けられる。プラズマガスマニホールドに供給されたガスは、石英ブロック4に設けられた穴からなるプラズマガス供給配管41を介して、石英ブロック4に設けられたガス導入口としてのプラズマガス供給穴9より長尺チャンバ内部の空間7に導入される。プラズマガス供給配管41は長手方向に複数設けられているので、長手方向に均一なガス流れを簡単に形成できる。
導体棒3は4本設けられており、これらは端部で電気的に接続され、全体としてコイルを構成するよう構成されている。導体棒3は、長尺チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体である石英に囲まれた長尺の穴である銅棒挿入穴内に設けられている。
また、基材載置台1に近い部分に、シールドガスノズル13が配置され、その内部にはシールドガスマニホールド14が設けられる。このように、2系統のガス導入が準備されており、プラズマ生成に適したプラズマガスとは別にシールドガスを供給して、大気中の酸素、二酸化炭素など、処理に不要、或いは悪影響を及ぼすガスのプラズマ照射面への混入を低減することが可能となる。
石英ブロック4及び真鍮ブロック5には、これらを貫通する冷媒流路15が設けられている。銅棒挿入穴と冷媒流路15は互いに平行に配置された水路(冷媒流路)であり、真鍮ブロック17の外側に設けられた樹脂ケース18と真鍮ブロック17との間の空間がなす冷媒マニホールドとしての冷媒マニホールド22に連通している。樹脂ケース18には、図示しない冷媒導入口・冷媒排出口としての冷却水出入口が各1箇所ずつ設けられ、誘導結合型プラズマトーチユニットTへの水冷配管の引き回しが非常に簡潔なものとなっており、小型のトーチを構成しうる。すなわち、長尺チャンバの長手方向の両側に2つの冷媒マニホールド22を備え、各部材に2つの冷媒マニホールド22を連通する冷媒流路を備えた構成である。
導体棒3は冷媒マニホールド22内でカプラ23により電気的に接続され、4本の導体棒3全体として螺旋形で巻き数2のソレノイドコイルを形成する。導体棒3のうち2本は、真鍮ブロック17を貫通し、樹脂ケース18に設けられた高周波導入端子穴または接地端子穴を介して銅板20に接続され、銅板20を通じて図示しない高周波整合回路に接続される。
このように、本実施の形態においては、石英ブロック4を貫通する、断面が円形の銅棒挿入穴及び冷媒流路15が設けられているので、冷却効率が非常に高い。
なお、プラズマガスマニホールド8へのガス導入は、その上流にマスフローコントローラなどの流量制御装置を備えたプラズマガス供給配管41を介して実現される。
石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)に、不純物の濃度が低く、抵抗の高いシリコンがコーティングされている。ここで示す不純物とは、ボロン(B)、アルミニウム(Al)やリン(P)、砒素(As)を示す。不純物濃度の低いシリコンを、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、石英管4の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。また、抵抗の高いシリコンウェハやシリコンブロックを石英管4の表面に貼り付けても良い。
或いは、石英管4の表面に形成する代わりに、石英管4そのものをこれらの抵抗の高いシリコンで構成してもよい(この場合、部品名は「石英管」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
或いは、不純物濃度が高く、抵抗の低いシリコン(例えば、ボロン(B)、アルミニウム(Al)が高い濃度でドーピングされたp型シリコンや、リン(P)、砒素(As)が高い濃度でドーピングされたn型シリコン)は、真鍮ブロック5の内側の面(筒状チャンバの壁面を構成する部分)にコーティングしておく。これは、抵抗の低いシリコンを石英管4の表面にコーティングしてしまうと、ソレノイドコイルにより発生する高周波電磁界が遮蔽されてしまうためである。抵抗の低いシリコンは、塗布法・蒸着法・スパッタリング法などを適宜用いて、真鍮ブロック5の内側の表面(筒状チャンバの壁面を構成する部分であり、プラズマが発生する空間を画定する部材の一部)に形成しておく。
また、抵抗の低いシリコンウェハやシリコンブロックを真鍮ブロック5の表面に貼り付けても良い。或いは、真鍮ブロック5の表面に形成する代わりに、真鍮ブロック5そのものをこれらのシリコン材料で構成してもよい(この場合、部品名は「真鍮ブロック」ではなく、用いる材料名を冠したものとなる)。
長方形のスリット状のプラズマ噴出口12が設けられ、基材載置台1(或いは、基材載置台1上の基材2)は、プラズマ噴出口12と対向して配置されている。この状態で、長尺チャンバ内にガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源よりコイルをなす導体棒3に高周波電力を供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射することにより、基材2上のシリコン薄膜16を形成することができる。
プラズマ噴出口12の長手方向に対して垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動させることで、基材2を処理する。つまり、図19(a)の左右方向へ、図19(b)(c)の紙面に垂直な方向へ、誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台1を動かす。
複数の導体棒3は平行に配置され、4本の導体棒3全体として螺旋形で巻き数2のソレノイドコイルを形成する。すなわち、複数の導体棒のうち、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒に逆位相の高周波電流が流れるよう構成されている。この場合、誘導結合型プラズマトーチユニットTの長尺方向に垂直な面で切った断面において、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒の中心を結ぶ線分の中点付近の誘導電磁界が強くなり、効率的なプラズマ発生を実現しうる。
これに対して、4本の導体棒3の全てを冷媒マニホールド22内で束ね、長手方向の片側に高周波電力を供給し、他の片側を接地することにより、4本の導体棒3全てに同位相の高周波電流を流すこともできる。すなわち、複数の導体棒のうち、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒に同位相の高周波電流が流れるよう構成することも可能である。この場合、誘導結合型プラズマトーチユニットTの長尺方向に垂直な面で切った断面において、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒の中心を結ぶ線分の中点付近の誘導電磁界はほぼゼロになるが、長尺チャンバの上下端付近に強い誘導電磁界が発生するので、効率的なプラズマ発生を実現しうる。
また、この場合、4本の銅棒に高周波電流が分岐するので、1本当たりの電流が小さくなる。言い換えると、同じ太さの銅棒を使用した場合、コイル全体の直流抵抗及びインダクタンスが小さくなる。したがって、コイルにおける銅損が小さくなり、電力効率が高まる。
長尺チャンバを挟んで同じ側に配置された2本の導体棒を冷媒マニホールド22内で束ねることで、巻き数1のコイルを2段に並列配置することも可能である。この場合も、複数の導体棒のうち、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒に逆位相の高周波電流が流れるが、2系統の銅棒に高周波電流が分岐するので、1本当たりの電流が小さくなる。言い換えると、同じ太さの銅棒を使用した場合、コイル全体の直流抵抗及びインダクタンスが小さくなる。したがって、コイルにおける銅損が小さくなり、電力効率が高まる。
このような配線構成上の工夫によって銅損を低減する方法は、処理したい基材2の幅が大きい場合、すなわち、誘導結合型プラズマトーチユニットTが長尺方向に長くなる場合にとくに有効である。
また、本構成では、長尺チャンバを含む長尺方向に垂直な面で切った任意の断面において、導体棒3と導体棒3以外の導体(真鍮ブロック5及び真鍮蓋6)との距離が、導体棒3と長尺チャンバの距離よりも大きくなっている。なお、ここでは、導体棒3と長尺チャンバの距離とは、導体棒3と長尺チャンバ内部の空間7(が構成する直方体)との距離を意味する。一般に、高周波電流源が形成する誘導電磁界は、高周波電流源からの距離の二乗に反比例するので、導体棒3と導体棒3以外の導体との距離が導体棒3と長尺チャンバの距離よりも近いと、プラズマ生成に有効な電磁界よりも導体棒3以外の導体内に渦電流を誘導する電磁界の方が大きくなり、銅損(渦電流損)が大きくなってしまう。
これを避けるために、導体棒3と導体棒3以外の導体との距離が、導体棒3と長尺チャンバの距離よりも大きくなるように構成している。このような構成においては、導体棒3とプラズマ噴出口12の間にある程度の距離を保つ必要があるので、最もプラズマ噴出口12に近い導体棒3よりもプラズマガスマニホールド8に近い部位に、石英ブロック4を冷却するための冷媒流路15を配している。同様に、最も真鍮蓋6に近い導体棒3よりも真鍮蓋6に近い部位にも、石英ブロック4を冷却するための冷媒流路15を配している。
また、真鍮ブロック5及び真鍮蓋6には、導体棒3からの距離を保ったとしても、銅損(渦電流損)が生じるので、これによる問題を防ぐために冷媒流路15を導体棒3に近い部位に設けている。
長尺チャンバ内に供給するガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となり(10,000K以上)、基材2の表面のシリコン薄膜16を形成することができる。また、H2を添加すると、既に述べたように、化学的エッチングの作用をもたらす他、シリコン膜中の欠陥を水素によって終端し、高品質なシリコン薄膜を得ることができる。また、N2やNH3ガスを供給することで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが窒素化され、シリコン窒素化膜(SiNx)膜を形成することも可能である。
さらに、同様に酸素を含有しているガスを用いることで、プラズマ中及び基材表面で、シリコンが酸化され、シリコン酸化膜(SiOx)膜を形成することも可能である。真鍮ブロック5のプラズマ噴出口12の下流にあたる部分は、基材2に向かって徐々に広くなる空間を形成している。このような構成により、真鍮ブロック5へのプラズマの接触によるプラズマ密度の低下を抑制できると同時に、プラズマと接触する部位に近い位置に冷媒流路15を設けることができる。
なお、本構成においては、プラズマ噴出口12の長手方向の長さが、基材2の幅以上となっているので、一度の走査(誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材載置台1とを相対的に移動すること)で基材2にシリコン薄膜16形成することができる。
このようなプラズマ処理装置において、長尺チャンバ内にガス噴出口よりArまたはAr+H2ガスを供給しつつ、プラズマ噴出口12から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、コイルをなす導体棒3に供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7に高周波電磁界を発生させてプラズマを発生させ、プラズマ噴出口12からプラズマを基材2に照射するとともに走査することで、シリコン系薄膜を形成することができる。
このように、プラズマ噴出口12の長手方向と、基材載置台1とが平行に配置されたまま、プラズマ噴出口12の長手方向とは垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動するので、生成すべきプラズマの長さと、基材2の処理長さがほぼ等しくなるように構成することが可能となる。また、長尺チャンバをその中心軸に垂直な面で切った断面の幅(図19(a)における、チャンバ内部の空間7の幅)は、プラズマ噴出口12の幅(図19(a)における隙間の幅)と同じか、少し大きく程度でよい。つまり、生成すべきプラズマの体積を、従来と比較して極めて小さくすることができる。その結果、電力効率が飛躍的に高まる。
(実施の形態9)
以下、本発明の実施の形態9について、図21を参照して説明する。
図21は本発明の実施の形態9におけるプラズマ成膜装置の構成を示す断面図である。図21において、プラズマ成膜装置を構成するDCトーチユニット31は、陰極32と、この陰極32と所定距離だけ離間して対向配置される陽極33を含んで構成される。陰極32は、例えばシリコンからなる。陽極33は、例えば銅などの導電体からなる。
また、陽極33は、中空に形成され、この中空部分に水を通して冷却可能に構成されている。また、陽極33には噴出孔(ノズル)34が設けられている。陰極32と陽極33の間に直流(DC)電圧を印加すると両極間にアーク放電が発生する。陰極32をシリコン製としたことにより、シリコンは、アークプラズマの熱による昇華により発生する。このように、DCトーチを用いることも可能である。謡曲33の表面にシリコン材料でコーティングしてもよい。
以上のように本発明は、半導体膜形成に係り、とくに、半導体装置や太陽電池などに用いられる半導体基板上に電子素子を形成するためのシリコン系薄膜の形成、液晶パネルや太陽電池などに用いられる電子素子を形成するためのシリコン膜の形成などに有用な発明である。
1 基材載置台
2 基材
T 誘導結合型プラズマトーチユニット
3,3a 導体棒
4 石英管(石英ブロック)
5 真鍮ブロック
6 真鍮蓋
7 空間
8 プラズマガスマニホールド
9 プラズマガス供給穴
10 シースガスマニホールド
11 シースガス供給穴
12 プラズマ噴出口
13 シールドガスノズル
14 シールドガスマニホールド
15 冷媒流路
16 シリコン薄膜
17 真鍮ブロック
18 樹脂ケース
19 銅ブロック
20 銅板、銅ブロック

Claims (12)

  1. シリコンを、プラズマの熱による昇華、または、プラズマ中の活性種による化学的エッチングによって発生させ、前記プラズマを、基材に照射することにより、前記基材にシリコン系薄膜を形成させることを特徴とするプラズマ成膜方法。
  2. 前記シリコンには、ボロン、アルミニウム、リン、砒素のいずれか1つを含有することを特徴とする、請求項1記載のプラズマ成膜方法。
  3. 前記プラズマは、水素を含むガスを電離させることによって得られるものであることを特徴とする、請求項1記載のプラズマ成膜方法。
  4. 前記プラズマが発生する空間に、シリコンを含有した粉体や固体を導入することを特徴とする、請求項1記載のプラズマ成膜方法。
  5. 筒状チャンバ内にガスを供給しつつ、前記チャンバに形成されたスリット状の開口部から前記基材に向けてガスを噴出すると共に、コイルに高周波電力を供給することで、前記チャンバ内に前記プラズマを発生させるプラズマ成膜方法であって、
    前記開口部の長手方向に対して垂直な向きに前記チャンバと前記基材とを相対的に移動しながら前記基材の表面を処理することを特徴とする、請求項1記載のプラズマ成膜方法。
  6. 前記プラズマが発生する空間を画定する部材の一部がシリコン材料で構成され、前記シリコンを、前記基材に対して部分的に成膜することを特徴とする、請求項1記載のプラズマ成膜方法。
  7. 前記プラズマが発生する空間を画定する部材のほぼ全部が、前記シリコン含有する材料で構成されていることを特徴とする、請求項1記載のプラズマ成膜方法。
  8. スリット状の開口部を備える筒状チャンバと、前記チャンバ内にガスを供給するガス導入口と、前記チャンバ内に高周波電磁界を発生させるコイルと、前記コイルに高周波電力を供給する高周波電源と、前記開口部と対向して配置され、かつ基材を保持する基材載置台と、を有し、前記基材にシリコン膜を形成するプラズマ成膜装置であって、
    前記筒状チャンバの長手方向と前記開口部の長手方向とは平行に配置され、
    前記開口部の長手方向に対して垂直な向きに、前記チャンバと前記基材載置台とを相対的に移動可能とする移動機構を備え、
    前記筒状チャンバの内壁面の少なくとも一部が、前記シリコン材料で構成されていること
    を特徴とするプラズマ成膜装置。
  9. 前記コイルはソレノイドコイルであり、前記コイルの延出方向と前記開口部の長手方向とは平行に配置されていることを特徴とする、請求項8記載のプラズマ成膜装置。
  10. 前記コイルは、前記筒状チャンバの長手方向に平行に配置された複数の導体棒を、前記筒状チャンバの長手方向と垂直に配置された導体リンクにより接続してなるものであり、
    前記導体棒は、誘電体筒内に挿入され、
    前記誘電体筒の一部が前記筒状チャンバ内部の空間に露出するよう配置されていること
    を特徴とする、請求項8記載のプラズマ成膜装置。
  11. 前記筒状チャンバの内壁面のほぼ全部が、シリコン材料で構成されていることを特徴とする、請求項8記載のプラズマ成膜装置。
  12. 誘電体で囲まれた長尺チャンバと、前記チャンバ内にガスを供給するガス導入口と、前記チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体で囲まれた長尺の穴と、前記長尺の穴内に設けられた長尺のソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルに接続された高周波電源と、前記チャンバに設けられたスリット状の開口部と、前記開口部と対向して配置され、かつ基材を保持する基材載置台と、を有するプラズマ処理装置において、
    前記チャンバの長手方向と前記開口部の長手方向とは平行に配置され、
    前記開口部の長手方向に対して垂直な向きに、前記チャンバと前記基材載置台とを相対的に移動可能とする移動機構を備え、
    前記長尺チャンバの内壁面の少なくとも一部が、前記シリコン材料で構成されていること
    を特徴とするプラズマ成膜装置。
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