JP2012219941A - ラジアル磁気軸受装置および真空ポンプ - Google Patents

ラジアル磁気軸受装置および真空ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】小型化を図ることができるラジアル磁気軸受装置の提供。
【解決手段】ラジアル磁気軸受装置は、ロータに固定されたシャフト3を磁気的に非接触支持するラジアル電磁石と、変位センサと、ラジアル電磁石の電流を制御する磁気軸受駆動制御部と、を備えている。そして、ラジアル電磁石は、ロータのシャフト3を挟むように対向配置された一対のN極用凸部52xp、52xmおよびシャフト3を挟むように対向配置された一対のS極用凸部52yp、52ymが形成された環状のコア50と、一対のN極用凸部52xp、52xmおよび一対のS極用凸部52yp、52ymの各々に巻き回された4つの電磁石コイル53と、を有している。磁気軸受駆動制御部は、変位センサの検出値に基づいて、一対のN極用凸部52xp、52xmから出た磁束線が一対のS極用凸部52yp、52ymへと入るように4つの電磁石コイル53に流れる電流を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ラジアル磁気軸受装置、およびそのラジアル磁気軸受装置を備えた真空ポンプに関する。
磁気浮上式ターボ分子ポンプ等に用いられるラジアル磁気軸受では、N極およびS極を備えた電磁石を4つ備え、その内の2つをロータを挟むようにx軸に沿って配置し、他の2つをロータを挟むようにy軸に沿って配置するようにしている(例えば、特許文献1の図11参照)。各電磁石はそれぞれ閉じた磁気回路を構成しており、各電磁石電流を独立に制御して各電磁石の吸引力を調整し、ロータを所望位置に支持するようにしている。
特開2003−013954号公報
上述した従来のラジアル磁気軸受では、S極およびN極を有する2極の電磁石をロータを挟んで一軸方向に対向配置しているので、2軸では磁極数は合計で8極となる。例えば、円環状のコアの内周側に磁極となる8つの凸部を形成し、その8つの凸部のそれぞれに電磁石コイルを巻回すように装着し、隣接する2つの電磁石コイルを結線することにより一つの電磁石が形成される。このように、ロータの周囲に8つの磁極を設けるような構成のため、コイル装着の余裕スペースを確保しようとするとその分ラジアル磁気軸受が大きくなり、ラジアル磁気軸受小型化の阻害要因の一つとなっている。
請求項1の発明は、ロータを磁気的に非接触支持するラジアル電磁石と、ラジアル電磁石によって非接触支持されたロータの、ラジアル方向への変位を検出する変位センサと、ロータが所定支持位置に非接触支持されるようにラジアル電磁石の電流を制御する制御部と、を備えた2軸のラジアル磁気軸受装置において、ラジアル電磁石は、ロータを挟むように対向配置された一対のN極用凸部およびロータを挟むように対向配置された一対のS極用凸部が形成された環状コアと、一対のN極用凸部および一対のS極用凸部の各々に巻き回された4つの電磁石コイルと、を有し、制御部は、変位センサの検出値に基づいて、一対のN極用凸部から出た磁束線が一対のS極用凸部へと入るように4つの電磁石コイルに流れる電流を制御することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のラジアル磁気軸受装置において、環状コアは、隣接するN極用凸部とS極用凸部との間に各々配置され、ロータ方向に突出する4つの余剰磁束用凸部を備えたものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のラジアル磁気軸受装置において、制御部は、一対のN極用凸部に巻き回された各々の電磁石コイルの電流Ixp、Ixmと、一対のS極用凸部の各々に巻き回された各々の電磁石コイルの電流Iyp、Iymとを、式(1-1)〜(1-4)のように制御するようにした。
Ixp={バイアス}+{αx}+(1/2)・{F(αy−バイアス)} …(1-1)
Ixm={バイアス}−{αx}+(1/2)・{F(αy−バイアス)} …(1-2)
Iyp={バイアス}+{αy}+(1/2)・{F(αx−バイアス)} …(1-3)
Iym={バイアス}−{αy}+(1/2)・{F(αx−バイアス)} …(1-4)
ただし、{バイアス}はロータ変位がゼロである前記所定支持位置に非接触支持されている時の電流値、{αx}はN極用凸部方向の変位検出値に基づく電流値、{αy}はS極用凸部方向の変位検出値に基づく電流値であって、関数F(β)は、β≧0ではF(β)=βとなり、β<0ではF(β)=0となる関数である。
請求項4の発明に係る真空ポンプは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラジアル磁気軸受装置と、真空排気機能部が形成され、ラジアル電磁石により非接触支持されるロータと、ロータを回転駆動するモータと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ラジアル磁気軸受装置の小型化を図ることができる。
本発明に係るラジアル磁気軸受装置を備えた真空ポンプの一実施の形態を示す図である。 ラジアル電磁石5を説明する図である。 2極タイプの電磁石を4つ配置した、従来のラジアル磁気軸受の一例を示す図である。 電磁石電流の駆動制御を説明するブロック線図である。 変形例を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明に係るラジアル磁気軸受装置が設けられた真空ポンプの一実施の形態を示す図である。ターボ分子ポンプは、ポンプユニット1と、ポンプユニット1を駆動制御するためのコントロールユニット30とを備えており、ポンプユニット1とコントロールユニット30との間はケーブル80によって接続されている。ケーブル80は、電力を供給する電源ケーブルと、制御信号用の制御ケーブルとで構成されている。
ロータ2が取り付けられたシャフト3は、ベース4に設けられたラジアル電磁石5およびアキシャル電磁石6によって非接触支持されている。シャフト3の支持位置は、ベース4に設けられたラジアル変位センサ71およびアキシャル変位センサ72によって検出される。本実施の形態の磁気軸受装置は、ラジアル電磁石5およびラジアル変位センサ71と、アキシャル電磁石6およびアキシャル変位センサ72とで5軸制御型磁気軸受が構成されている。なお、磁気軸受装置が作動していない状態では、シャフト3はメカニカルベアリング27,28によって支持される。
シャフト3の下端には円形のディスク41が設けられている。アキシャル電磁石6ではディスク41を上下に挟むように電磁石が設けられており、それら一対の電磁石によりディスク41を吸引することによりシャフト3がアキシャル方向に浮上する。ディスク41はナット部材42によりシャフト3の下端部に固定されている。
ロータ2には、回転軸方向に複数段の回転翼8が形成されている。上下に並んだ回転翼8の間には固定翼9がそれぞれ配設されている。これらの回転翼8と固定翼9とにより、ポンプユニット1のタービン翼段が構成される。各固定翼9は、スペーサ10によって上下に挟持されるように保持されている。スペーサ10は、固定翼9を保持する機能とともに、固定翼9間のギャップを所定間隔に維持する機能を有している。
さらに、固定翼9の後段(図示下方)にはドラッグポンプ段を構成するネジステータ11が設けられており、ネジステータ11の内周面とロータ2の円筒部12との間にはギャップが形成されている。ロータ2と、スペーサ10によって保持された固定翼9とは、吸気口13aが形成されたケーシング13内に納められている。ロータ2が取り付けられたシャフト3を電磁石5,6により非接触支持しつつモータ7により回転駆動すると、吸気口13a側のガスは背圧側に排気され、背圧側に排気されたガスは排気口26に接続された補助ポンプにより排出される。
なお、回転翼8および円筒部12は回転側の排気機能部を構成し、固定翼9およびネジステータ11は固定側の排気機能部を構成している。
コントロールユニット30には、主制御部31の他に、電磁石5,6を駆動制御する磁気軸受駆動制御部32およびモータ7を駆動制御するモータ駆動制御部33が設けられている。主制御部31からの指令に基づいて、磁気軸受駆動制御部32による軸受制御およびモータ駆動制御部33によるモータ7の制御が行われる。
図2はラジアル磁気軸受5の構成を説明する模式図である。円環状のコア50は、磁極用として4つの凸部52xp、52xm、52yp、52ymが形成されている。凸部52xp、52xm、52yp、52ymには電磁石コイル53がそれぞれ巻き回されている。
x軸方向に対向配置されている凸部52xp、52xmは、電磁石電流Ixp,IxmによってN極の磁極とされる。一方、y軸方向に対向配置されている凸部52yp、52ymは、電磁石電流Iyp,IymによってS極の磁極とされる。N極磁極である凸部52xp、52xmから出た磁束は、それぞれS極磁極である2つの凸部52yp、52ymに入る。例えば、凸部52xp、ロータ3、凸部52ypおよびコア50の円環部を通って凸部52xpに戻るループ状の磁路が形成される。すなわち、隣接する逆極性の磁極(凸部)との間に閉じた磁路がそれぞれ形成される。
図3は、2極タイプの電磁石を4つ配置した、従来のラジアル磁気軸受の一例を示したものである。電磁石XP0,XM0,YP0,YM0はそれぞれ、ロータ3と対向するように2つの磁極(N極,S極)を有している。そして、電磁石毎に閉じた磁路が形成されている。例えば、電磁石XP0の場合、N極から出た磁束は、ロータ3に入った後に同じ電磁石XP0のS極に入り、N極へと戻るようなループを形成している。そのため、電磁石電流Ixp,Ixm,Iyp,Iymを個別に制御して、各電磁石XP0,XM0,YP0,YM0による吸引力を独立に制御することが可能である。
各電磁石XP0,XM0,YP0,YM0の各磁極での磁束と電磁石電流とは近似的に比例するので、電磁石電流Ixp0,Ixm0,Iyp0,Iym0は次式(1a)〜(1d)のように制御される。
Ixp0={バイアス}+{x軸電流指令} …(1a)
Ixm0={バイアス}−{x軸電流指令} …(1b)
Iyp0={バイアス}+{y軸電流指令} …(1c)
Iym0={バイアス}−{y軸電流指令} …(1d)
式(1a)〜(1d)において{バイアス}はバイアス電流であり、ロータ3が目標とする磁気浮上位置である軸受中央位置に支持されている時、すなわち、ロータ変位がゼロのときの電流指令に基づく電流値である。また、{x軸電流指令}はx軸電流指令に基づく電流であり、{y軸電流指令}はy軸電流指令に基づく電流である。{x軸電流指令}および{y軸電流指令}は、ロータ3が軸受中央位置(目標支持位置)から変位したときに、ロータ3を軸受中央位置に戻すための電流である。そのため、ロータ3が軸受中央位置に支持されている場合には、電流値{x軸電流指令},{y軸電流指令}はゼロとなる。
一方、本実施の形態におけるラジアル電磁石5の場合には、図2に示すようにx軸方向に配設された磁極(凸部52xp、52xm)とy軸方向に配設された磁極(凸部52yp、52ym)とに跨るように磁路が形成される。
そのため、凸部52xpの磁束Φxpは電磁石電流Ixpによって形成されるものであるが、凸部52xpからでた磁束Φxpは隣接する2つの凸部52yp,52ymに入っている。その結果、凸部(磁極)から出た磁束がコア50から溢れ出ないようにするためには、電磁石電流Ixp,Iyp,Iymを相互に関連させて制御する必要がある。凸部52xmの磁束Φxmを形成している電磁石電流Ixmについても同様であって、電磁石電流Ixm,Iyp,Iymを相互に関連させて制御する必要がある。すなわち、磁極から出た磁束がコア50から溢れ出ないように、電磁石電流Ixp,Ixm,Iyp,Iymを相互に関連させて制御する必要がある。
図4は、電磁石電流の駆動制御を説明するブロック線図であり、図1の磁気軸受駆動制御部32の構成を示したものである。凸部52xpに設けられた電磁石コイル53には、Ixp制御回路303から電磁石電流Ixpが供給される。凸部52xmの電磁石コイル53には、Ixm制御回路304から電磁石電流Ixmが供給される。凸部52ypの電磁石コイル53には、Iyp制御回路305から電磁石電流Iypが供給される。凸部52ymの電磁石コイル53には、Iym制御回路306から電磁石電流Iymが供給される。
X軸制御回路301には、ラジアル変位センサ71の検出値に基づくx軸変位信号が入力される。X軸制御回路301はx軸変位信号に基づいてx軸電流指令αxを出力する。一方、Y軸制御回路302には、ラジアル変位センサ71の検出値に基づくy軸変位信号が入力される。Y軸制御回路302はy軸変位信号に基づいてy軸電流指令αyを出力する。
次式(2a)〜(2d)は凸部52xp,52xm,52ypおよび52ymの各電磁石コイル53に供給される電磁石電流Ixp,Ixm,Iyp,Iymを示したものである。なお、関数F(β)は、β≧0ではF(β)=βとなり、β<0ではF(β)=0となる関数である。
Ixp={バイアス}+{αx}+(1/2)・{F(αy−バイアス)} …(2a)
Ixm={バイアス}−{αx}+(1/2)・{F(αy−バイアス)} …(2b)
Iyp={バイアス}+{αy}+(1/2)・{F(αx−バイアス)} …(2c)
Iym={バイアス}−{αy}+(1/2)・{F(αx−バイアス)} …(2d)
図4に示すように、Ixp制御回路303には、電流指令αxとバイアス信号との加算値にさらに信号(1/2)・F(αy−バイアス)を加算した信号が電流指令として入力される。式(2a)において、右辺第1項はバイアス信号に基づく電流値であり、右辺第2項はx軸方向の変位検出値に基づいて生成された電流指令αxに基づく電流値である。これらは、式(1a)に示した従来の電磁石電流値Ixp0に相当する。式(2a)の右辺第3項は、隣接する凸部52yp、52ymに設けられた電磁石コイル53の電磁石電流Iyp,Iymの影響を表す項である。
電流指令αyがバイアス信号よりも小さい場合には、式(2a),(2b)の右辺第3項はゼロとなり、従来の式(1a),(1b)と同じものになる。例えば、ロータ3が中央位置からy軸マイナス方向(凸部52ym方向)に変位した場合を考える。この場合、ロータ3をy軸プラス方向へ吸引して中央位置へ戻すために、電磁石電流Iypを増加して凸部52ypの磁束Φypを大きくするとともに、電磁石電流Iymを減らして凸部52ymの磁束Φymを小さくするように制御する。このとき、x軸方向の凸部52xp、52xmに入る磁束は磁束Φypに依存する分が増え、磁束Φymに依存する分が減少するので、合計の影響はゼロとなる。
ロータ3がx軸方向へ変位した場合の電磁石電流Iyp,Iymについても同様であって、電流指令αxがバイアス信号よりも小さい場合には式(2a),(2b)の右辺第3項はゼロとなる。このように、電流指令αx、αyがバイアス信号よりも小さい場合には、式(2a)〜(2d)は、式(1a)〜(1d)と同じものになる。
一方、ロータ3の変位が大きくて電流指令αx,αyがバイアス信号よりも大きくなる場合には、式(2a),(2b)の右辺第3項は(1/2)・{αy−バイアス}となり、式(2c)、(2d)の右辺第3項は(1/2)・{αx−バイアス}となる。
電流指令αx,αyがバイアス信号よりも大きい場合には、電流指令αx,αyは正の数γx、γyを用いて「バイアス+γx」、「バイアス+γy」のように表すことができる。これを用いると、上述した式(2a)〜(2d)は次式(3a)〜(3d)のように書き換えられる。
Ixp={バイアス}+{αx}+(1/2)・{γy} …(3a)
Ixm={バイアス}−{αx}+(1/2)・{γy} …(3b)
Iyp={バイアス}+{αy}+(1/2)・{γx} …(3c)
Iym={バイアス}−{αy}+(1/2)・{γx} …(3d)
例えば、ロータ3が中央位置からx軸マイナス方向に大きく変位して、αx≧(バイアス)となった場合を考える。この場合も、電流指令αxによって電磁石電流Ixpを増加させると共に電磁石電流Ixmを減少させて、ロータ3を中央位置に引き戻すように制御する。このとき、αy=0なので式(2a),(2b)の右辺第3項はゼロになって、式(2a),(2b)は電磁石電流Ixp={バイアス}+{αx}、Ixm={バイアス}−{αx}となる。ただし、電磁石電流IxmについてはマイナスにはできないのでIxm=0のように制御することになる。
ロータ3が中央位置にある場合、電磁石電流Ixp,Ixmの電流値はいずれも{バイアス}であって、凸部52xp、52xmの磁束Φxp,Φxmは電流値{バイアス}に対応する値となる。y軸方向の各凸部52yp、52ymには、各磁束Φxp,Φxmの半分の磁束がそれぞれ入ることになる。すなわち、各凸部52yp、52ymには、電流値{バイアス}に対応する磁束がそれぞれ入る。
一方、ロータ3がx軸マイナス方向に大きく変位した場合には、凸部52xpの磁束Φxpは電磁石電流Ixp={バイアス}+{αx}に比例した大きさとなるが、凸部52xmの電磁石コイル53に流れる電磁石電流Ixmはゼロとなるため磁束ΦxmはΦxm=0となる。そのため、y軸方向の各磁極52yp、52ymには、[{バイアス}+{αx}]/2に対応する磁束がそれぞれ入ることになる。
このときの電磁石電流IxpはIxp=2{バイアス}+{γx}となるので、各凸部52yp、52ymに入る磁束は{バイアス}+{γx}/2に比例したものとなる。そのため、凸部52yp、52ymの各電磁石コイル53に供給される電磁石電流Iyp,Iymは、凸部52yp、52ymに入る磁束に見合った電流とされる。すなわち、凸部52xp、52xmの磁束Φxp、Φxmと凸部52yp、52ymの磁束Φyp、Φymとのバランス(全体のバランス)を取って、磁束がコア50から溢れ出ないようにするために、式(2c),(2d)のように電磁石電流Iyp,Iymを制御する。x軸に関する電磁石電流Ixp,Ixmについても同様に考える。
(変形例)
図5は本実施の形態の変形例を示す図である。上述した式(2a)〜(2d)のように電磁石電流Ixp〜Iymを制御することで計算上は磁束のバランスが取れて、磁束がコア50から溢れ出ないことになるが、実際上は電流計測の誤差、磁界と磁束の非直線性等が原因で全体のバランスを正確に取るのは困難である。図5に示す変形例では、上述した制御でバランスが取り切れなかった場合に余分な磁束を逃がすための磁極(ここでは、余剰磁極と呼ぶ)54を、各磁極52xp〜52ym間に形成した。
図5(a)に示す例では、凸部52xp、52xmから出た磁束の一部55は、y軸方向の凸部52yp、52ymに入らずに余剰磁極54へと入り、コア50を通って凸部52xp、52xmへと戻っている。一方、図5(b)に示す例では、凸部52yp、52ymの電磁石コイル53で発生した磁束の一部55は余剰磁極54を通って凸部52yp、52ymへ戻るような閉ループを形成している。誤差等によって想定されたような磁束とならなかった場合であっても、図5のように一部の磁束55が余剰磁極54を通って閉ループを形成することにより、ラジアル電磁石5によるロータ支持の安定化が図られる。
上述した実施の形態のラジアル磁気軸受装置は、ロータ2に固定されたシャフト3を磁気的に非接触支持するラジアル電磁石5と、ラジアル電磁石5によって非接触支持されたロータ2の、ラジアル方向への変位を検出する変位センサ71と、ロータ2が所定支持位置に非接触支持されるようにラジアル電磁石5の電流を制御する磁気軸受駆動制御部32と、を備えている。そして、ラジアル電磁石5は、図2に示すようにシャフト3を挟むように対向配置された一対のN極用凸部52xp、52xmおよびシャフト3を挟むように対向配置された一対のS極用凸部52yp、52ymが形成された環状のコア50と、一対のN極用凸部52xp、52xmおよび一対のS極用凸部52yp、52ymの各々に巻き回された4つの電磁石コイル53と、を有している。磁気軸受駆動制御部32は、変位センサ71の検出値に基づいて、一対のN極用凸部52xp、52xmから出た磁束線が一対のS極用凸部52yp、52ymへと入るように4つの電磁石コイル53に流れる電流を制御する。
ラジアル電磁石5を図2に示すような構成とすることにより、ラジアル電磁石5の磁極の数および電磁石コイル53の数を従来の8から4へと減らすことができる。これにより、コア50に電磁石コイル53を組み込む際の余裕できるとともに、ラジアル電磁石5の小型化も図ることができる。また、同一外径寸法のコア50であっても従来より磁極(凸部52xp、52xm、52yp、52ym)の断面積を大きくできるので、同一スペースでより強力なラジアル電磁石5を設計することができ、また、軸径および荷重が同一であればラジアル電磁石5の外径をより小さくすることができる。
また、隣接するN極用凸部52xp、52xmとS極用凸部52yp、52ymとの間に各々配置され、環状コア部51からロータ方向に突出する4つの余剰磁極54を備えたことにより、電流計測の誤差、磁界と磁束の非直線性等が有る場合や磁気飽和等が生じた場合であっても、余剰磁極54から余分な磁束55を逃がすことにより、ラジアル電磁石5によるロータ支持の安定性を確保することができる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、真空ポンプとして磁気軸受式ターボ分子ポンプを例に説明したが、磁気軸受式でなくても良いし、ターボ分子ポンプの他にドラッグポンプのような真空ポンプでも良い。また、本実施の形態のラジアル磁気軸受装置は、真空ポンプ以外の装置の軸受としても使用することができる。
1:ポンプユニット、2:ロータ、3:シャフト、4:ベース、5:ラジアル電磁石、6:アキシャル電磁石、7:モータ、8:回転翼、9:固定翼、11:ネジステータ、12:円筒部、30:コントロールユニット、31:主制御部、32:磁気軸受駆動制御部、33:モータ駆動制御部、50:コア、52xp、52xm、52yp、52ym:凸部、53:電磁石コイル、54:余剰磁極、71:ラジアル変位センサ、72:アキシャル変位センサ、301:X軸制御回路、302:Y軸制御回路、303:Ixp制御回路、304:Ixm制御回路、305:Iyp制御回路、306:Iym制御回路、Ixp,Ixm,Iyp,Iym:電磁石電流、Φxp,Φxm、Φyp,Φym:磁束

Claims (4)

  1. 前記ロータを磁気的に非接触支持するラジアル電磁石と、
    前記ラジアル電磁石によって非接触支持された前記ロータの、ラジアル方向への変位を検出する変位センサと、
    前記ロータが所定支持位置に非接触支持されるように前記ラジアル電磁石の電流を制御する制御部と、を備えた2軸のラジアル磁気軸受装置において、
    前記ラジアル電磁石は、前記ロータを挟むように対向配置された一対のN極用凸部および前記ロータを挟むように対向配置された一対のS極用凸部が形成された環状コアと、前記一対のN極用凸部および前記一対のS極用凸部の各々に巻き回された4つの電磁石コイルと、を有し、
    前記制御部は、前記変位センサの検出値に基づいて、前記一対のN極用凸部から出た磁束線が前記一対のS極用凸部へと入るように前記4つの電磁石コイルに流れる電流を制御することを特徴とするラジアル磁気軸受装置。
  2. 請求項1に記載のラジアル磁気軸受装置において、
    前記環状コアは、前記隣接する前記N極用凸部と前記S極用凸部との間に各々配置され、ロータ方向に突出する4つの余剰磁束用凸部を備えたことを特徴とするラジアル磁気軸受装置。
  3. 請求項1または2に記載のラジアル磁気軸受装置において、
    前記制御部は、前記一対のN極用凸部に巻き回された各々の電磁石コイルの電流Ixp、Ixmと、前記一対のS極用凸部の各々に巻き回された各々の電磁石コイルの電流Iyp、Iymとを、式(1-1)〜(1-4)のように制御することを特徴とするラジアル磁気軸受装置。
    Ixp={バイアス}+{αx}+(1/2)・{F(αy−バイアス)} …(1-1)
    Ixm={バイアス}−{αx}+(1/2)・{F(αy−バイアス)} …(1-2)
    Iyp={バイアス}+{αy}+(1/2)・{F(αx−バイアス)} …(1-3)
    Iym={バイアス}−{αy}+(1/2)・{F(αx−バイアス)} …(1-4)
    ただし、{バイアス}はロータ変位がゼロである前記所定支持位置に非接触支持されている時の電流値、{αx}はN極用凸部方向の変位検出値に基づく電流値、{αy}はS極用凸部方向の変位検出値に基づく電流値であって、関数F(β)は、β≧0ではF(β)=βとなり、β<0ではF(β)=0となる関数である。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラジアル磁気軸受装置と、
    真空排気機能部が形成され、前記ラジアル電磁石により非接触支持されるロータと、
    前記ロータを回転駆動するモータと、を備えたことを特徴とする真空ポンプ。
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