JP2012217974A - ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 維持管理が容易で、装置のランニングコストおよび維持コストの低減を図ることができるガス処理装置を提供することである。
【解決手段】 ガス処理装置は、放電によって非平衡プラズマを発生させて、有害物質を含むガスを処理するプラズマ反応部と、前記プラズマ反応部を経て処理されたガスを第1処理水と気液接触させて、前記処理されたガス中の水溶性の有害物質を第1処理水中に回収する回収部と、前記水溶性の有害物質が回収された第1処理水に加圧下で所定の気体を供給して、微細気泡を含有させて第2処理水を得る処理部と、前記微細気泡を含有する第2処理水を貯留し、前記第2処理水を大気圧下に曝して、第2処理水中の微細気泡の消滅に伴って前記水溶性の有害物質を分解処理し、懸濁物を含有する第2処理水を、第1処理水と懸濁物とに分離する分離部と、前記分離部で分離された第1処理水を前記回収部に供給する供給部とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス中に含まれる有害物質を除去するガス処理装置に関する。
従来、脱臭方法には、
a)脂肪酸およびアミン類などを水に溶解させる、水洗法、
b)高温で生じる脂肪酸を水で冷却し溶解させる、冷却法、
c)悪臭の原因となる臭気成分を多孔質な活性炭の微細な空間に吸着して閉じ込める、活性炭吸着法、
d)酸性水溶液およびアルカリ性水溶液に臭気成分、酸性成分およびアルカリ成分などを溶解させ、中和させる、酸アルカリ洗浄法、
e)芳香性物質などによって別の臭いで臭気成分を覆い隠す、マスキング法、
f)臭気成分を含むガスを800℃以上の高温で燃焼させる、直接燃焼法、
g)微生物にその栄養源となる脂肪酸およびアミン類を摂取させて分解させる、微生物分解法、
h)硫黄化合物およびアルデヒド類などを塩素に反応させる塩素処理法、ならびに
i)不飽和有機化合物、硫化水素、メルカプタン類、およびアルデヒド類などをオゾンおよびマンガン系触媒表面で吸着酸化を繰返し、化学的に脱臭する、気相オゾン触媒脱臭法、などが知られている。
特開平8−309148号公報
悪臭を大風量で処理するための装置の大型化を実現するためには問題が多く、最適化には困難が伴っている。最もよく知られた脱臭方法に活性炭吸着法があるが、活性炭を適切な充填体積(SV値)で装置化を図れば、膨大な設備体積が必要となる。また活性炭が吸着飽和に達すると、活性炭を再生させて吸着した臭気成分を放出しなければならない。この方法は、活性炭の交換費用も高くつき、コスト面で有効な方法ではない。
またオゾン(酸化力)を用いた脱臭方法がある。このような従来の気相オゾン脱臭方法では、窒素または硫黄化合物に対してはオゾン自体によるマスキング効果が期待できる。またさらに優れた脱臭効果が期待できる方法に、オゾン脱臭と活性炭脱臭とを組合せる方法がある。この方法では、臭気成分における臭いの原因となる二重結合を速やかに分解し、硫黄化合物、たとえば硫化水素(HS)、メチルメルカプタン(CHSH)、硫化メチル((CH)2S)、二硫化メチル((CH)2S)、および二酸化硫黄(SO)、ならびに窒素化合物、たとえばトリメチルアミン(CH)3Nおよびアンモニア(NH)等を活性炭表面で効率よく吸着させている。
しかしながら、この方法は、炭化水素(RH)およびその誘導体、たとえばアルコール(ROH)、アルデヒド(RCOH)および有機酸(R(COO))等については、気相オゾン脱臭法と活性炭吸着法とによっても充分に解消されず、また活性炭への吸着の限界を把握することが困難であり、したがって維持管理が容易ではなく、さらに吸着した臭気成分が活性炭から離脱して再放出されることを防ぐためのランニングコストが維持管理上負担となっている。
また熱プラズマまたは800℃以上の高温で臭気成分を燃焼させる直接燃焼法では、高度な設備と大量のエネルギとを必要とし、ダイオキシンおよび二酸化炭素(CO)などの増加が伴う。このような方法は、地球環境保全に対して逆行する方法であり、省資源および省エネルギの観点からも問題がある。
本発明の目的は、維持管理が容易で、装置のランニングコストおよび維持コストの低減を図ることができるガス処理装置を提供することである。
本発明は、放電によって非平衡プラズマを発生させて、有害物質を含むガスを処理するプラズマ反応部と、
前記プラズマ反応部を経て処理されたガスを第1処理水と気液接触させて、前記処理されたガス中の水溶性の有害物質を第1処理水中に回収する回収部と、
前記水溶性の有害物質が回収された第1処理水に加圧下で所定の気体を供給して、微細気泡を含有させて第2処理水を得る処理部と、
前記微細気泡を含有する第2処理水を貯留し、前記第2処理水を大気圧下に曝して、第2処理水中の微細気泡の消滅に伴って前記水溶性の有害物質を分解処理し、懸濁物を含有する第2処理水を、第1処理水と懸濁物とに分離する分離部と、
前記分離部で分離された第1処理水を前記回収部に供給する供給部とを含むことを特徴とするガス処理装置である。
また本発明において、前記回収部は、第1処理水を貯留し、
前記プラズマ反応部で処理されたガスが、複数の開口を通って、前記回収部に貯留される第1処理水中に直接供給されることを特徴とする。
また本発明において、前記第1処理水には、固形成分が含まれ、
前記固形成分を含む第1処理水に無機系凝集剤が添加されることを特徴とする。
本発明によれば、有害物質を含むガスは、プラズマ反応部に導かれる。プラズマ反応部では、内部のガスを放電によって電子とイオンとに電離させ、電子の電子温度がイオンのイオン温度に比べて高い状態で、電子温度とイオン温度とが熱力学的に平衡していない状態のプラズマである非平衡プラズマを発生させる。このプラズマ反応部では、非平衡プラズマの温度が常温に保たれた状態で、高速の電子を得ることができる。この高速の電子は有害物質を含むガスに衝突し、ラジカル、励起分子およびイオンなどの反応性に富む化学的活性種を生成する。有害物質、特に非水溶性の有害物質は、その大部分が高速の電子の衝突とともに、化学的活性種による化学反応によって分解除去される。またプラズマ反応部では、前記ラジカルと同時にオゾンも生成されており、このオゾンによっても有害物質が酸化分解される。
有害物質が処理されたガスであって、水溶性の有害物質を含むガスは、回収部に導かれる。このとき、化学的活性種は不安定であり、元の臭気成分に戻ったり、他の有害物質が生成される可能性がある。しかしながら回収部において、該ガスを第1処理水と気液接触させるので、回収部に供給されたガスから、化学的活性種、水溶性の有害物質を第1処理水の第1処理水中に捕集して分離する。このように処理されたガスは、排出部に導かれ、排出部から適切な処理を経て大気中に排出される。
このようにガスを処理した第1処理水は、処理部に導かれる。処理部では、水溶性の有害物質が回収された第1処理水に、加圧下で所定の気体が供給されて微細気泡、たとえば直径50μm以下のマイクロバブルが含有され、微細気泡を含む第2処理水が得られる。
この第2処理水は、分離部に導かれる。分離部では、第2処理水が貯留されて大気圧下に曝されることによって、第2処理水中の微細気泡が浮上消滅する。第2処理水に含有される微細気泡は負の電荷を帯びているとともに、微細気泡が消滅する際に、泡内部の温度が高温となり高圧となる。微細気泡が負の電荷を帯びていることによって、水溶性の有害物質を引き寄せ、微細気泡が消滅する際に生じる高温高圧状態によって、泡を形成する所定のガスが分解され、強力なラジカルを発生し、このラジカルによって水溶性の有害物質が除去される。このようにして、処理部から供給された微細気泡を含有した第2処理水が処理される。第2処理水中の反応物などの懸濁物は、微細気泡の浮上に伴って、水面上にスカムとして浮遊する。このようにして、分離部では、第2処理水は、第1処理水と懸濁物とに分離される。
分離部で分離された第1処理水は、供給部を経て、再び回収部へと導かれる。
このように、非水溶性の有害物質の処理に有効な非平衡プラズマによるガス処理と水溶性の有害物質の処理に有効な湿式のガス処理とを組み合わせることによって、従来の活性炭などを用いた吸着処理と比べて、維持管理を容易にし、装置のランニングコストおよび維持コストの低減を図ることができる。また、非平衡プラズマによるガス処理の後段のガス処理として湿式処理を行うので、後段のガス処理に触媒を用いた乾式処理を行う場合と比べて、高価な触媒を用いずに、安価な水を用いてガス処理を行うことができ、非常に経済的である。
また、ガス処理装置は第1処理水と気液接触させてガス中の水溶性の有害物質を回収する回収部を含んで構成されているので、元の有害物質に戻ったり、他の有害物質が生成されることを防ぐことができる。したがって、有害物質が含まれない安全なガスを排出することができる。
また、ガス処理装置は微細気泡を前記第1処理水に含有させて第2処理水を得る処理部と、第2処理水を大気圧下に曝して、第2処理水中の微細気泡の消滅に伴って前記水溶性の有害物質を分解処理し、懸濁物を含有する第2処理水を、第1処理水と懸濁物とに分離する分離部と、第1処理水を回収部に供給する供給部とを含んで構成されており、前記分離部では処理部において微細気泡を含有した第2処理水から、懸濁物をスカムとして分離して第1処理水を得る。したがって、懸濁物を分離処理した第1処理水を繰り返し用いることができる。
本発明によれば、前記回収部は、第1処理水を貯留し、前記プラズマ反応部で酸化処理されたガスが、複数の開口を通って、前記回収部に貯留される第1処理水中に直接供給される。このように構成することによって、第1処理水と処理すべきガスとが直接接触することになり、水溶性の有害物質の第1処理水への吸収量を増大させ、高濃度の有害物質を含むガスの処理を行うことができる。またガスが複数の開口を経て第1処理水に供給されるので、第1処理水で生じる気泡の大きさを小さくでき、ガスと第1処理水との接触面積を増大させることができる。
本発明によれば、固形成分を含む第1処理水に無機系凝集剤が添加されるので、処理部において該凝集剤が第2処理水中で撹拌され、分離部において、該凝集剤が固形成分を素早く凝集させる。これによって、固形成分が第2処理水中の微細気泡に悪影響を与えることなく、分離部における第2処理水の処理を効率よく行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るガス処理装置1の全体図である。 非平衡プラズマ発生部12を簡略化して示す正面図である。 気泡発生装置22の横断面図である。 図3の切断線A−Aで気泡発生装置22を切断した断面図である。 反応室54に設けられた状態の気泡発生装置22を示す図である。 第1処理水が回収部5から処理部6、分離部7および供給部8を経て回収部5へと循環する流れの全体を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係るガス処理装置1Aの全体図である。 本発明の第3実施形態に係るガス処理装置における回収部105の一部の縦断面図である。 気泡発生装置22Aの縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明に係る技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明に係る技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るガス処理装置1の全体図である。ガス処理装置1は、導気手段と、除塵部3と、プラズマ反応部4と、回収部5と、分離部7と、供給部8と、排出部9とを含んで構成される。導気手段は、ガス処理を行うべきガスをガス処理装置1に導く。除塵部3は、塵埃および有害物質を含むガスから塵埃を除去する。プラズマ反応部4は、放電によって非平衡プラズマを発生させて、有害物質を含むガスを処理する。回収部5は、第1処理水と気液接触させてガス中の水溶性の有害物質を回収する。処理部6は、水溶性の有害物質が回収された第1処理水に加圧下で所定のガスを供給して、微細気泡を含有させて第2処理水を得る。分離部7は、微細気泡を含有する第2処理水を貯留し、第2処理水を大気圧下に曝して、第2処理水中の微細気泡の消滅に伴って前記水溶性の有害物質を分解処理し、懸濁物を含有する第2処理水を、第1処理水と懸濁物とに分離する。供給部8は、分離部7で分離された第1処理水を回収部5に供給する。排出部9は、有害物質が除去されたガスを大気中に排出する。なお、第1処理水は、pH6〜7に調整された処理水である。
導気手段は、除塵部3に塵埃および有害物質を含むガスを吸引または送風するファン10によって実現される。本実施形態において、ファン10は後述する排出部9に設けられる。
除塵部3は、ガス処理装置1におけるガスの流下方向の最も上流側に設けられる。除塵部3は、塵埃および有害物質を含むガスから塵埃を除去する。除塵部3は、所定の目の粗さを有する濾布から成る濾過フィルタ(図示せず)、電気集塵機(図示せず)、またはそれらの組合せ等によって実現される。
プラズマ反応部4は、除塵部3のガスの流下方向下流側に設けられる。プラズマ反応部4は、放電によって非平衡プラズマを発生させて、塵埃が除去された有害物質含むガスを処理する。プラズマ反応部4は、非平衡プラズマを発生させる非平衡プラズマ発生部12と、ガス排出口13と、オイルクーラ14とを含んで構成される。プラズマ反応部4では、ガスに含まれる有害物質のうち、非水溶性の有害物質が効率よく分解除去される。
ここで非平衡プラズマとは、電離した電子の電子温度が電離したイオンのイオン温度に比べて高い状態で、電子温度とイオン温度とが熱力学的に平衡していない状態のプラズマである。このような非平衡プラズマにおいては、非平衡プラズマの温度が常温に保たれた状態で、高速の電子を得ることができる。このようにして得られた高速の電子をガス中の分子に衝突させて、ラジカル、励起分子、イオンあるいはオゾンなどの反応性に富む化学的活性種を生成する。
図2は、非平衡プラズマ発生部12を簡略化して示す正面図である。非平衡プラズマ発生部12は、線上の放電電極15と、螺旋状のアース電極16と、パルス電源装置17とを含む。非平衡プラズマを発生させるには、放電電極15およびアース電極16間にコロナ放電を発生させ、放電電極15およびアース電極16間のガスを電離させる。このとき放電電極15およびアース電極16間には、直流電圧30k〜200kV、周波数100〜2000Hz、すなわち周期T=500μs〜10ms、好ましくは周波数1000Hz、すなわち周期T=1msのパルス電圧が印加される。また電圧の立上り時間τは、たとえば20〜300ns、好ましくは100nsであり、この極端に短い立上り時間τの間に質量の小さい電子だけが加速されて高速の電子が得られる。またパルス電圧の周期は立上り時間τに比べて充分に長いので、この期間中に冷却が行われて次のパルス電圧印加時には再び初期状態に復帰し、ガスの温度上昇が抑制され、ガスの温度は常温に保たれる。
ここでパルス電圧の極性は、放電電極15を正極とし、アース電極16を負極とする。これは正のストリーマコロナが強い進展傾向を有し、放電電極15およびアース電極16間の空間を橋絡し、全空間にわたって非平衡プラズマを発生させて単位容積あたりの反応効果が大幅に向上するためである。印加される電圧は、放電電極15およびアース電極16間の放電距離に対して決定される。すなわち前記放電距離が大きいときには高い電圧が印加され、前記放電距離が小さいときには低い電圧が印加される。
なお、本実施形態においては、アース電極16は螺旋状に形成されているが、円筒状に形成されていてもよい。
本実施形態において、プラズマ反応部4のガス排出口13は、ガスの流下方向の下流側に形成され、回収部5の下部に機械的に接続される。前記プラズマ反応部4のガス排出口13は、ダクトを介して回収部5の下部と機械的に接続されてもよい。また、ガス排出口13には、図1に示されるように、ガス供給ダクト13Aが取付けられてもよい。ガス供給ダクト13Aの出口は、複数の開口を実現するために、複数のパイプ13A1で構成されてもよい。複数のパイプ13A1の代わりに、メッシュを用いて複数の開口を実現してもよい。
排出部9は、ファン10を含んで構成される。排出部9は、後述する回収部5において化学的活性種および有害物質が除去されたガスを外部に排出することができるように、回収部5の上部に設けられる。排出部9は、ダクトによって回収部5と連結して設けられる。ファン10は、排出部9のガスの流下方向の下流側に設けられる。また、ファン10は導気手段におけるいずれの位置に設けてもよい。
回収部5は、プラズマ反応部4のガスの流下方向下流側に設けられる。回収部5は、ガスに同伴する第1処理水の微粒子(以下、ミストと称する。)をガスから分離するミストセパレーター18と、回収部5内に第1処理水を供給する処理水供給手段19と、気液接触材20とを含んで構成される。回収部5は、プラズマ反応部4で処理されたガスと第1処理水とを気液接触させる。回収部5には、第1処理水が貯留される。本実施形態では、ガス供給ダクト13Aの出口は、貯留された第1処理水中に設けられてもよい。これによってガス供給ダクト13Aの出口は、貯留された第1処理水の水面よりも下方に配置されることになる。回収部5には、貯留された第1処理水に旋回流を与えるための撹拌手段が設けられてもよい。この場合、ガス供給ダクト13Aの出口からガスは、第1処理水の旋回流によって、第1処理水中に導入されやすくなる。回収部5では、化学的活性種、水溶性の有害物質ならびにプラズマ反応部4で発生したオゾンを第1処理水中に捕集して分離する。
ミストセパレーター18は、ワイヤーメッシュデミスターやワイヤーメッシュブランケット等によって実現される。ミストセパレーター18は、回収部5内の上部に設けられる。
処理水供給手段19は、回収部5内であって、ミストセパレーター18よりも下方に設けられる。本実施形態において、処理水供給手段19は、水を噴霧するノズルによって実現される。処理水供給手段19は、後述する分離部7と供給部8を介して機械的に接続されており、後述する浮上分離槽70で懸濁物を分離した第1処理水が供給部8を介して、処理水供給手段19に供給される。本実施形態において、処理水供給手段19は、回収部5の軸線L1と垂直な仮想一平面上に設けられる。
気液接触材20は、回収部5内であって、処理水供給手段19よりも下方に設けられる。本実施形態において気液接触材20は、回収部5の軸線L1に垂直な内部寸法と同じ寸法の板状に形成される。気液接触材20は、ガスに第1処理水を完全に接液させるために、複数枚積層され、気液接触材層21を構成する。本実施形態において、気液接触材20はステンレスまたは化成品から成る多面積接触型多孔材によって実現される。多面積接触型多孔材とは、たとえば複数の細かい孔が形成された多孔板である。
また他の実施形態として、気液接触材20は、通気性および通水性を有する基材と、該基材から垂下する多数のパイルとを含んで構成されてもよい。このように構成することで、気液接触材20の表面積を増大させることができる。処理水供給手段19から水が噴霧されると、基材を濡らした水は、基材を通過し、多数のパイルを伝って気液接触材20全体を濡らす。このとき、水の供給速度が、水の基材通過速度を上回ると、基材表面に水が滞留し、基材の上方に臨む表面全体に水の薄膜が形成される。ガスは気液接触材20の下方から供給されるので、ガスは多数のパイル表面に存在する水に接触するとともに、基材を通過して基材表面に達する。基材表面全体には、水の薄膜が形成されているので、ガスと水との接触を確実に行うことができる。
また回収部5の下部には、後述の浮上分離槽70で懸濁物を分離した第1処理水が供給部8を介して供給されて貯留される。
他の実施形態において、ガス供給ダクト13Aを設ける代わりに、ガス排出口13に連なる回収部5の空間に、処理水供給手段19に類似の構成を有する第1処理水を供給するための手段が設けられてもよい。このようにすることによって、ガス排出口13に連なる回収部5の空間を第1処理水のミストで満たし、ガス排出口13から排出されるガスと台1処理水のミストとを接触させることができる。
処理部6は、気泡発生装置22と、圧力反応器23と、ポンプ装置24(図6参照)と、気体供給装置25(図6参照)とを含んで構成される。
図3は、気泡発生装置22の横断面図である。図4は、図3の切断線A−Aで気泡発生装置22を切断した断面図である。
気泡発生装置22は、大略的に円筒状に形成され、耐腐食性の優れた材料、たとえばステンレス、チタンまたはカーボナイトおよびABSなどの合成樹脂から成る。以下では、気泡発生装置22の軸線L2に平行な方向を軸線方向と称する。気泡発生装置22は、筐体26を含んで構成され、筐体26には、第1筐体27と、第2筐体28と、第1蓋体29と、第2蓋体30とが含まれる。
第1筐体27は、大略的に円筒状に形成される部材である。第1筐体27の軸線は、気泡発生装置22の軸線L2に一致している。第1筐体27の内周面部31は、部分的にテーパ状に形成されている。
第2筐体28には、循環路形成部36と処理水供給管路部37とが含まれる。図3および図4を参照しつつ説明する。循環路形成部36は、その軸線が軸線L2に一致する円筒状に形成される。循環路形成部36は、第1筐体27との間に循環流路38を形成する。
処理水供給管路部37は、円筒状に形成され、その軸線L3が軸線L2に垂直な仮想平面上に含まれるように循環路形成部36の外周部に配設されている。第2筐体28には、処理水供給管路部37の軸線L3に沿って形成され、循環路形成部36の内方に開口する処理水供給流路部39が形成されている。
第1蓋体29は、大略的に円筒状に形成され、その軸線が軸線L2に一致している。第1蓋体29は、軸線L2に沿って延びる円筒状部40と、円筒状部40の軸線方向一端部に連なる円錐状部40aとを含む。円筒状部40は、その内部空間がガス溜まり32として機能する。さらに円錐状部40aには、その軸線L2に沿って延び、円錐状部40aの軸線方向両端部で開口する気体供給流路部41が形成されている。気体供給流路部41の円筒状部40側の開口には、第1筐体27内に供給された第1処理水が気体供給流路部41を通ってガス溜まり32に流入するのを防ぐ逆止弁33が設けられる。
第2蓋体30は、大略的に円盤状に形成され、その軸線が軸線L2に一致している。第2蓋体30は、軸線L2に沿って、その軸線方向一端部および他端部で開口する排出流路部42が形成される。
第2蓋体30は、第2筐体28の軸線方向他端部に、その軸線方向一端部が第1筐体27の軸線方向他端部が当接している。このように構成することによって、気泡発生装置22の内方に、第1筐体27、第1蓋体29および第2蓋体30とによって囲まれる旋回空間43が形成される。また第1筐体27と第2筐体28と第2蓋体30とによって、円環状の循環流路38を形成する循環流路部44が形成される。この循環流路38は、第1処理水を循環可能に形成されている。
第1筐体27には、循環流路38と旋回空間43とを連通し、循環流路38を循環する第1処理水を旋回空間43に導入する複数の処理水導入流路部45が形成されている。導入流路部である各処理水導入流路部45は、第1筐体27の軸線方向他端部に形成され、旋回空間43に開口する開口部46が互いに周方向に等間隔に形成されている。処理水導入流路部45は、単数形成されても、複数形成されてもよい。
処理水導入流路部45は、循環流路38を循環する第1処理水を、旋回空間43に導入可能に形成される。
図5は、反応室54に設けられた状態の気泡発生装置22を示す図である。図6は、第1処理水が回収部5から処理部6、分離部7および供給部8を経て回収部5へと循環する流れの全体を示す概略図である。図6を参照して、ポンプ装置24は、ポンプユニット47と流量制御部48と開閉弁49とを有する。ポンプユニット47は、吸入ポートから処理水を吸入可能に構成され、排出ポートから第1処理水を排出可能に構成される。ポンプユニット47の吸入ポートは、回収部5に接続され、ポンプユニット47の排出ポートは、ポンプユニット47の処理水供給管50によって処理水供給流路部39に接続され、吸入ポートから吸入された第1処理水を処理水供給流路部39に圧送可能に構成されている。ポンプユニット47には、たとえばEBARA製バレルドモータポンプMMLF/AAVF型が用いられる。ポンプユニット47から気泡発生装置22に印加される圧力は、たとえば5〜6kg/cm(490〜588kPa)である。
流量制御部48は、ポンプユニット47から圧送する第1処理水の流量および圧力を制御可能に構成される。開閉弁49は、処理水供給管50に介在し、前記処理水供給管50の管路の開閉を可能に構成されている。
気体供給装置25は、オゾン発生装置51と気体供給管52とを含んで構成される。オゾン発生装置51は、吸入ポートから空気を吸入可能に構成され、排出ポートから圧縮されたオゾンを排出可能に構成される。オゾン発生装置51の排出ポートには、気体供給管52の一端部が接続される。気体供給管52の他端部は、第1蓋体29の円筒状部40の軸線方向他端部に接続される。
オゾン発生装置51は、その排出ポートが気体供給管52、ガス溜まり32および逆止弁33を介して気体供給流路部41に接続され、所定の気体であるオゾンを気体供給流路部41に圧送可能に構成されている。気体供給管52には、開閉弁53が介在している。開閉弁53は、管路を開閉可能に構成されている。オゾン発生装置51を用いることによって、第2処理水のオゾンの溶存率を高めることによって、第2処理水の化学反応を促進することができる。また気体供給流路部41に供給される所定の気体は、オゾンに限定されず、空気や他の気体、たとえば窒素、二酸化炭素および純酸素であってもよい。
このように構成される処理部6は、気泡発生装置22が圧力反応器23に設けられている。圧力反応器23は、いわゆるオートクレーブであり、第1処理水を封入して大気圧より高い圧力に保持可能な反応室54を有する。前記圧力は、たとえば2〜4kg/cm(196〜392kPa)である。気泡発生装置22は、反応室54に設けられている。
図5を参照して、このようにして構成される気泡発生装置22は、開閉弁49を開放してポンプユニット47を駆動させると、処理水供給管50および処理水供給流路部39を介して、循環流路38に第1処理水が供給される。
圧力反応器23は、排出管55および開閉弁56を介して分離部7と機械的に接続される。
このような構成により、気泡発生装置22は、処理水供給管路部37から導入された第1処理水とオゾン発生装置51からのオゾンとが供給されることによって、オゾンが直径50μm以下のマイクロバブルなどの微細気泡となり、第1処理水とともに排出流路部42から排出し、反応室54内に微細気泡を放出する。なお、排出流路部42の近傍に超音波発生器が設けられてもよい。排出流路部42から放出される微細気泡に超音波発生器からの超音波を当てることによって、微細気泡をたとえばナノオーダーの直径を有する微細気泡とすることができる。
気体供給装置25から供給されたオゾンは、第1蓋体29内のガス溜まり32に供給された後、逆止弁33を介して気体供給流路部41に供給される。したがって、気体供給装置25からのオゾンの供給量が変動しても、ガス溜まり32がバッファとして機能し、オゾンを気体供給流路部41に安定して供給することができる。また、第1蓋体29には逆止弁33が設けられるので、気体供給装置25からオゾンが供給されていない状態であっても、旋回空間43内の処理液の気体供給装置25側への逆流を防ぐことができる。
このようにして反応室54内で微細気泡を発生させることができる。また反応室54内に放出される第1処理水は、ポンプ装置24によって圧送されるので、反応室54内の圧力を高くすることができる。また微細気泡を発生させることによっても、反応室54内の圧力を高めることができる。また反応室54内で微細気泡は、キャビテーション現象によって、第1処理水に溶存する。このようにして第2処理水が得られる。
分離部7は、浮上分離槽70と、スクレーパ71と、スカム受け72とを含んで構成される。浮上分離槽70は、処理部6から供給された第2処理水を大気圧下で貯留する。浮上分離槽70では、微細気泡の消滅によって、第2処理水中の水溶性の有害物質が分解されるとともに、微細気泡の浮上作用によって、第2処理水中の懸濁物を浮上凝集させて、第2処理水が、第1処理水と懸濁物とに分離される。懸濁物は、水面上にスカムとして浮遊する。
さらに詳しくは、溶存した微細気泡は、第2処理水が反応室54から放出されて浮上分離槽70に大気圧下で貯留されると、再度第2処理水中に現れる。第2処理水に含有される微細気泡は負の電荷を帯びているとともに、微細気泡が消滅する際に、泡内部の温度が高温となり高圧となる。微細気泡が負の電荷を帯びていることによって、水溶性の有害物質を引き寄せ、微細気泡が消滅する際に生じる高温高圧状態によって、泡を形成するオゾンが分解され、強力なラジカルを発生し、このラジカルによって水溶性の有害物質が除去される。このようにして、処理部6から供給された微細気泡を含有した第2処理水が処理される。第2処理水中の反応物などの懸濁物は、凝集しながら微細気泡の浮上に伴って、水面上にスカムとして浮遊する。このようにして、分離部では、第2処理水は、第1処理水と懸濁物とに分離される。
スクレーパ71は、浮上分離槽70に貯留される第2処理水の水面上に浮遊するスカムを掻き取って、浮上分離槽70の外部に設けられるスカム受け72に向けて押しやり、除去する。
図6を参照して、供給部8は、浮上分離槽70から第1処理水を排出する排出管57と、排出管57から排出される第1処理水の圧力を調整する圧力調整弁58と、排出管57から分岐する分岐管59と、分岐管59に介在される開閉弁60とを含んで構成される。供給部8は、浮上分離槽70と回収部5とを機械的に接続する。排出管57および分岐管59は、たとえばパイプによって実現される。排出管57は、その一端部が回収部5内に設けられる処理水供給手段19に機械的に接続され、他端部が浮上分離槽70に機械的に接続される。分岐管59は、回収部5の下部に機械的に接続される。
ここで、代表的な有害物質の本発明のガス処理装置での除去効率を表1に示す。
Figure 2012217974
本実施形態において、処理水供給手段19は、気液接触材20の上部に設けられているけれども、処理水供給手段の下方に気液接触材を設け、その下方に別の処理水供給手段を設け、さらにその下方に別の気液接触材を設けるように形成してもよい。
本実施形態においては、1つのポンプ装置24に対して1つの気泡発生装置22が設けられているが、1つのポンプ装置24に対して複数の気泡発生装置22が設けられてもよい。
本実施形態によれば、非水溶性の有害物質の処理に有効な非平衡プラズマによるガス処理と水溶性の有害物質の処理に有効な湿式のガス処理とを組み合わせることによって、従来の活性炭などを用いた吸着処理と比べて、維持管理を容易にし、装置のランニングコストおよび維持コストの低減を図ることができる。また、非平衡プラズマによるガス処理の後段のガス処理として湿式処理を行うので、後段のガス処理に触媒を用いた乾式処理を行う場合と比べて、高価な触媒を用いずに、安価な水を用いてガス処理を行うことができ、非常に経済的である。
またガス処理装置は塵埃および有害物質を含むガスから塵埃を除去する除塵部3を含んで構成されているので、プラズマ反応部4には塵埃が除去されたガスが導かれ、プラズマ反応部4を汚損することがない。したがって、清掃などの手間がかからず、維持管理を容易にすることができる。
また本実施形態によれば、ガス処理装置1は第1処理水と気液接触させてガス中の水溶性の有害物質を回収する回収部5を含んで構成されているので、プラズマ処理部4で分解された有害物質が元の有害物質に戻ったり、他の有害物質が生成されることを防ぐことができる。したがって、有害物質が含まれない安全なガスを排出することができる。
また、ガス処理装置1は微細気泡を第1処理水に含有させて第2処理水を得る処理部6と、第2処理水を大気圧下に曝して、第2処理水中の微細気泡の消滅に伴って前記水溶性の有害物質を分解処理し、懸濁物を含有する第2処理水を、第1処理水と懸濁物とに分離する分離部7と、第1処理水を回収部5に供給する供給部8とを含んで構成されており、前記分離部7では処理部6において微細気泡を含有した第2処理水から、懸濁物をスカムとして分離して第1処理水を得る。したがって、懸濁物を分離処理した第1処理水を繰り返し用いることができる。
また本実施形態によれば、回収部5は、第1処理水を貯留し、プラズマ反応部4で処理されたガスが、複数の開口を通って、回収部5に貯留される第1処理水中に直接供給される。このように構成することによって、第1処理水と処理すべきガスとが直接接触することになり、水溶性の有害物質の第1処理水への吸収量を増大させ、高濃度、たとえば10,000〜30,000ppmの有害物質を含むガスの処理を行うことができる。またガスが複数の開口を経て第1処理水に供給されるので、第1処理水で生じる気泡の大きさを小さくでき、ガスと第1処理水との接触面積を増大させることができる。
また本実施形態によれば、第1処理水を噴霧する処理水供給手段19が、回収部5の軸線L1と垂直な仮想一平面上に設けられているので、排出部9に向かって上昇してくるガスに第1処理水を均一に気液接触させることができる。したがって、水溶性の有害物質を効率よく回収することができ、安全なガスを排出することができる。
また本実施形態によれば、複数の細かい孔が形成されたような多面積接触型多孔材を、複数積層し、気液接触材層21を形成しているので、第1処理水がガスに気液接触する時間を多くすることができる。したがって、水溶性の有害物質を効率よく回収することができ、安全なガスを排出することができる。
また本実施形態によれば、ミストセパレーター18を回収部5内の上部の全面にわたって設けるので、ガスに同伴するミストを回収部5内に留めることができる。したがって、有害物質の回収効率を一定に保つことができる。また、前記ミストには、水溶性の有害物質が溶存しているので、ミストを回収部5内に留めることにより、安全なガスを排出することができる。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係るガス処理装置1Aの全体図を示す。第2実施形態に係るガス処理装置1Aは、第1実施形態に係るガス処理装置1に類似しており、以下、第1実施形態に対する第2実施形態の相違点を中心に説明する。
第2実施形態において、ガス処理装置1Aは、第1実施形態のガス処理装置1の構成に加えて、凝集剤添加部80と、第2の処理部6Aと、第2の分離部7Aとをさらに含む。第2の処理部6Aおよび第2の分離部7Aの構成は、第1実施形態の処理部6および分離部7の構成に類似し、対応する構成の参照符号に添え字Aを付して、その詳細な説明を省略する。第2の処理部6Aおよび第2の分離部7Aは第2の処理系統を構成する。処理水供給管50Aは、処理水供給管50に介在される開閉弁49の、第1処理水の流下方向上流側で、処理水供給管50から分岐し、第2の処理部6Aに接続される。処理水供給管50Aには、第1処理水の流下方向下流側に向かって、開閉弁49Aおよびポンプユニット47Aがこの順で介在される。凝集剤添加部80は、回収部5と第2の処理部6Aとの間に介在され、特にポンプユニット47Aよりも第1処理水の流下方向下流側に配置され、回収部5から処理部6Aに供給されている第1処理水に、無機系凝集剤を添加する。本実施形態においては、無機系凝集剤は、天然材料、たとえば火山灰由来の無機系凝集剤である。無機系凝集剤は正の電荷を帯びていることが好ましい。
第2の処理部6Aの圧力反応器23Aは、排出管55Aおよび開閉弁56Aを介して第2の分離部7Aと機械的に接続される。第2の分離部7Aの浮上分離槽70Aから第1処理水を排出する排出管57Aが、開閉弁58Aを介して、排出管55の開閉弁56の第1処理水の流下方向下流側に接続される。
第1処理水の処理としては、開閉弁49,56を閉じ、開閉弁49A,56A,58Aを開き、処理水供給管50A、ポンプユニット47A、凝集剤供給部80、第2の処理部6A、第2の分離部7Aおよび排出管57Aから成る第2の処理系統を規定する。次いで、ポンプユニット47Aを駆動して、回収部5の第1処理水が処理水供給管50Aに導かれる。処理水供給管50Aを流下する第1処理水に、凝集剤供給部80から無機系凝集剤が添加される。オゾン発生装置51Aからのオゾンの供給がなされない状態で、無機系凝集剤が添加された第1処理水が第2の処理部6Aの気泡発生装置22Aに供給される。気泡発生装置22Aから圧力反応器23Aに排出された第2処理水は、排出管55Aを介して、第2の分離部7Aの浮上分離槽70Aに供給される。
回収部5から第2の処理部6Aに供給されている第1処理水に、無機系凝集剤を添加することによって、第2の処理部6Aの気泡発生装置22Aにおいて該凝集剤が第2処理水中で強く撹拌され、第2の分離部7Aの浮上分離槽70Aにおいて、強く撹拌された第2処理水において、正に帯電した凝集剤が負に帯電した固形成分を引き寄せて素早く凝集させる。無機系凝集剤によって凝集させた第2処理水中の固形成分は浮上分離槽70Aで浮上し、固形成分が第2処理水から分離される。このようにして、第1処理水が得られる。浮上分離槽70Aで得られた第1処理水は排出管57Aを介して、分離部7の浮上分離槽70に供給され、さらに供給部8を経て回収部5に戻される。
回収部5に戻された第1処理水は、再び第2の処理系統に導入される。このとき、第2の処理部6Aでは、オゾン発生装置51Aから気泡発生装置22Aにオゾンが供給される。第1処理水が固形成分を含んでいる場合、第1処理水に無機系凝集剤を添加すると効果的である。固形成分を含んだまま第2処理水を分離部で処理した場合、固形成分が微細気泡の作用を阻害し、ひいてはオゾンを分解してしまい、第2処理水中の水溶性の有害物質の分解除去が十分に進まないおそれがある。しかしながら、本実施形態では、固形成分のない第1処理水にオゾンの微細気泡が導入されるので、固形成分が第2処理水中の微細気泡に悪影響を与えることなく、第2の分離部7Aにおける第2処理水の処理を効率よく行うことができる。この処理が複数回繰返されてもよい。
なお、変形例として、分離部において第2処理水に無機系凝集剤を添加した後、分離処理を行ってもよい。このようにすることによっても、オゾンが固形成分によって分解されることがなく、第2処理水のオゾン処理を効率よく行って、清浄な第1処理水を得ることができる。
(第3実施形態)
図8は、本発明の第3実施形態に係るガス処理装置における回収部105の一部の縦断面図である。第3実施形態に係るガス処理装置は、第1実施形態に係るガス処理装置1に類似しており、以下、第1実施形態に対する第3実施形態の相違点を中心に説明する。
第3実施形態において、回収部105は、プラズマ反応部4のガスの流下方向下流側に設けられる。回収部105は、ガスに同伴する処理水の微粒子(以下、ミストと称する。)をガスから分離するミストセパレーター118と、処理水を供給する処理水供給手段119と、螺旋状の気液接触材120とを含んで構成される。
ミストセパレーター118は、ワイヤーメッシュデミスターやワイヤーメッシュブランケット等によって実現される。ミストセパレーター118は、回収部105内を湿潤に保つために回収部105内の上部に設けられる。
処理水供給手段119は、回収部105内であって、ミストセパレーター118よりも下方に設けられる。本実施形態において、処理水供給手段119は、シャワー状の水を噴霧するノズルによって実現される。本実施形態において。処理水供給手段119は、回収部105の軸線L11を中心としてドーナツ状に形成される。
気液接触材120は、回収部105内であって、処理水供給手段119の下方に設けられる。本実施形態において気液接触材120は、前記回収部105の軸線L11を中心として螺旋状に形成される。本実施形態において、気液接触材120はステンレス製の多面積接触型多孔材によって実現される。
第3実施形態によれば、気液接触材120が螺旋状に形成されるので、処理水供給手段119により供給された処理水がガスと接触する時間をより長くすることができる。したがって、水溶性の有害物質の多くを回収できるので、安全なガスを排出することができる。
(変形例)
以下に、気泡発生装置の変形例を示す。図9は、気泡発生装置22Aの縦断面図である。気泡発生装置22Aは、第1実施形態の気泡発生装置22に類似し、以下、気泡発生装置22に対する気泡発生装置22Aの相違点を中心に説明する。
気泡発生装置22Aは、2つの気泡発生装置22をそれぞれの第1蓋体29で結合した構成を有する。すなわち、気泡発生装置22Aは、2つの第1筐体27,27Aと、2つの第2筐体28,28Aと、第1蓋体結合体90と、2つの第2蓋体30,30Aとを含んで構成される。第1蓋体結合体90は、2つの第1蓋体29が結合した構成を有する。したがって、気泡発生装置22Aは、第1蓋体結合体90の軸線L2方向長さを二等分する仮想平面P1に関して対称な構造を有する。
さらに詳しくは、第1蓋体結合体90は、軸線L2に沿って延びる円筒状部40と、円筒状部40の軸線方向一端部および他端部にそれぞれ連なる2つの円錐状部40aとを含む。第1蓋体結合体90には、それぞれの円錐状部40aに気体供給流路部41と、逆止弁33が設けられる。第1蓋体結合体90において、ガス溜まり32は円筒状部40と2つの円錐状部40aとによって規定される。円筒状部40には、気体供給管52の他端部が接続され、オゾン発生装置51から圧縮されたオゾンが供給される気体供給ポート91が形成される。第1蓋体結合体90の一方側には、第1筐体27、第2筐体28および第2蓋体30が設けられ、第1蓋体結合体90の他方側には、第1筐体27A、第2筐体28Bおよび第2蓋体30Aが設けられる。第1筐体27A、第2筐体28Aおよび第2蓋体30Aの構成は、第1筐体27、第2筐体28および第2蓋体30の構成と同様であり、説明を省略する。
このように構成することによって、1つの気体供給ポート91からオゾンを供給して、気泡発生装置22Aの両端から微細気泡を発生することができ、気体供給管52の数を減らしつつ気泡発生装置22と比べて2倍の量の第2処理水を得ることができる。
第2実施形態において、無機系凝集剤は、回収部5から処理部6に供給される第1処理水に直接添加されているが、気体供給管52を経て無機系凝集剤を供給してもよい。この場合、第1蓋体29および第1蓋体結合体90の内部壁材質は、セミックスや合成樹脂など非磁性体から成るのが好ましい。このようにすることで、ガス溜まり32内で無機系凝集剤自体が凝集したり、内壁に付着したりすることなく、無機系凝集剤が浮遊した状態の気体(オゾン)を気体供給流路部41から噴出することができる。
1 ガス処理装置
3 除塵部
4 プラズマ反応部
5 回収部
6 処理部
7 分離部
8 供給部
9 排出部
10 ファン
12 非平衡プラズマ発生部
13 ガス排出口
14 オイルクーラ
15 放電電極
17 パルス電源装置
18 ミストセパレーター
19 処理水供給手段
20 気液接触材
21 気液接触材層
22 気泡発生装置
23 圧力反応器
47 ポンプユニット
49 開閉弁
51 オゾン発生装置
54 反応室

Claims (3)

  1. 放電によって非平衡プラズマを発生させて、有害物質を含むガスを処理するプラズマ反応部と、
    前記プラズマ反応部を経て処理されたガスを第1処理水と気液接触させて、前記処理されたガス中の水溶性の有害物質を第1処理水中に回収する回収部と、
    前記水溶性の有害物質が回収された第1処理水に加圧下で所定の気体を供給して、微細気泡を含有させて第2処理水を得る処理部と、
    前記微細気泡を含有する第2処理水を貯留し、前記第2処理水を大気圧下に曝して、第2処理水中の微細気泡の消滅に伴って前記水溶性の有害物質を分解処理し、懸濁物を含有する第2処理水を、第1処理水と懸濁物とに分離する分離部と、
    前記分離部で分離された第1処理水を前記回収部に供給する供給部とを含むことを特徴とするガス処理装置。
  2. 前記回収部は、第1処理水を貯留し、
    前記プラズマ反応部で処理されたガスが、複数の開口を通って、前記回収部に貯留される第1処理水中に直接供給されることを特徴とする請求項1記載のガス処理装置。
  3. 前記第1処理水には、固形成分が含まれ、
    前記固形成分を含む第1処理水に無機系凝集剤が添加されることを特徴とする請求項1または2記載のガス処理装置。
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