JP2012206775A - 液体の注入方法及び容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアゾール容器により高粘度の液体を注入した場合においても、その液体の量を、容易に視認することができる液体の注入方法を提供すること。
【解決手段】注入された液体の量を外部から視認可能な液体収容部を備えた容器1に、エアゾール容器90から吐出させた液体33Aを注入する液体の注入方法であって、液体収容部2に、該液体収容部2内の空気を送出可能な排気路94を設け、該排気路94により該液体収容部2内の圧力の過度の上昇を抑制すると共に、液体の注入により生じる該液体収容部2内の陽圧状態が注入終了まで継続するようにした状態下に、エアゾール容器90による該液体33Aの注入を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体の注入方法及び容器に関する。
従来、二剤式染毛剤のように、2種類の剤(第1剤、第2剤)を、個別の容器に収容しておき、それらを使用直前に混合させてから使用する商品が知られている。
例えば、アルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤とからなり、使用直前に第1剤と第2剤とを混合して使用する二剤式染毛剤が知られている(特許文献1)。
また、2種類の剤を使用直前に混合して使用する商品として、それぞれ個別の容器に充填されていた2種類の剤を、使用に際して、それぞれの容器から所定の割合になるように吐出させて混合するものが知られており、また、並設された2個の容器それぞれから第1剤及び第2剤を一つの操作で吐出できるようにした2連式吐出容器が知られている(例えば特許文献2参照)。
しかし、2種類の剤(第1剤、第2剤)の混合割合を使用者が自由に決定したい場合もある。
特開2000−297018号公報 特開2002−2757号公報
本発明者らは、二剤式染毛剤の第1剤と第2剤とを順次注入して内部でそれらを混合した上で、それらを送出して頭髪に塗布し得る容器を検討したが、エアゾール容器に第1剤として粘度の高い液体を充填し、第2剤を、ポンプ式の注入器等により容器内に注入した後に、第1剤を、エアゾール容器のガス圧により容器に注入しようとすると、第1剤が、先に注入した第2剤の液面を貫通して山状に隆起する現象が観察された。
このような現象が生じると、容器の全体又は一部を透明として、内部に注入された液の量を外部から視認できるようにしても、第2剤及び/又は第1剤の注入量を正確に把握することは困難である。
従って、本発明の課題は、エアゾール容器により高粘度の液体を注入した場合においても、その液体の量を、容易に視認することができる液体の注入方法を提供することにある。
また、本発明の課題は、エアゾール容器により内部に高粘度の液体を注入しても、該液体が山状に隆起しにくく、内部に注入した液体の量を、目視により比較的正確に把握できるようにした容器を提供することにある。
本発明は、注入された液体の量を外部から視認可能な液体収容部を備えた容器に、エアゾール容器から吐出させた液体を注入する液体の注入方法であって、前記液体収容部に、該液体収容部内の空気を排出可能な微小な排気路を設け、該排気路により該液体収容部内の圧力の過度の上昇を抑制すると共に、液体の注入により生じる該液体収容部内の陽圧状態が注入終了まで継続するようにした状態下に、前記エアゾール容器による該液体の注入を行う、液体の注入方法を提供するものである。
本発明は、エアゾール容器により内部に液体が注入される容器であって、注入された液体の量を外部から視認可能な液体収容部を備えており、前記液体収容部に、液体の注入時に該液体収容部内の空気を排出可能な排気路が設けられており、前記排気路は、前記液体の注入により前記液体収容部内の気圧が増大し、その陽圧状態が液体の注入中維持されると共に、該液体収容部内の液体を外部に漏出させないようになされている、容器を提供するものである。
本発明によれば、エアゾール容器により内部に液体が注入される容器であって、注入された液体の量を外部から視認可能な液体収容部を備えており、前記液体収容部に、液体の注入時に該液体収容部内の空気を排出可能な排気路が設けられている容器であって、(1)前記液体収容部が、容器本体と蓋体との螺合により形成されており、前記排気路は、前記螺合により前記容器本体と前記蓋体との間に形成される微小な隙間を介して、前記液体収容部内と容器外とを連通する容器、又は(2)前記液体収容部が、容器本体と蓋体との螺合により形成されており、該容器本体及び該蓋体は、該容器本体と該蓋体とを螺合させることにより密着する環状シール部を備えており、前記容器本体の環状シール部及び/又は前記蓋体の環状シール部の一部に、前記液体収容部内と、前記容器本体及び前記蓋体の螺合用凸条を有する面どうし間の空間とを連通する凹部が形成されており、該凹部によって、前記排気路の一部が形成されている容器も提供される。
本発明の液体の注入方法によれば、エアゾール容器により高粘度の液体を注入した場合においても、その液体の量を、容易に視認することができる。
また、本発明の容器によれば、エアゾール容器により内部に高粘度の液体を注入しても、該液体が山状に隆起しにくく、内部に注入した液体の量を、目視により比較的正確に把握することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る容器を示す斜視図である。 図2は、図1のI−I線拡大断面図である。 図3は、図1の容器における、蓋体と容器本体とを分離し、更に液体塗布用のノズル部材を取り外した状態を示す図(図2対応図)である。 図4は、容器本体の環状シール部に形成した排気路形成用の凹部を示す斜視図である。 図5は、図4の一部拡大図である。 図6は、図2の円Pで囲んだ部分の拡大図である。 図7は、図1に示す容器に、液体33Bの注入後にエアゾール容器で液体33Aを注入する様子を示す模式図である。 図8は、図1の容器における押圧変形部を押圧変形させた状態を示す断面図である。 図9は、図1の容器における押圧変形部が変形状態から元の状態に復帰した状態を示す断面図である。 図10は、容器本体の環状シール部に形成した排気路形成用の凹部の他の例示す図(図4相当図)である。
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の液体の注入方法の一実施形態においては、図7に示すように、注入された液体33の量を外部から視認可能な液体収容部2を備えた容器1に、エアゾール容器90から吐出させた液体33Aを注入する。また、エアゾール容器90により注入する液体33Aの注入に先立ち、該液体33Aよりも粘度が低い第2液体33Bを液体収容部2に任意の方法により注入する。
本発明の容器の一実施形態である容器1は、図7に示すように、エアゾール容器90により内部に液体33Aを注入される容器であり、注入された液体33A,33Bの量を外部から視認可能な液体収容部2を備えている。図7中、符号98は、透明なプラスティックからなる容器本体6に設けられた、液体33A及び/又は33Bの量を正確に計測できるようにするための目盛りである。
また、図6に示すように、液体収容部2には、エアゾール容器90による液体33Aの注入時に該液体収容部2内の空気93を排出可能な排気路94が設けられている。排気路94は、液体33Aの注入により液体収容部2内の気圧が増大し、その陽圧状態が液体33Aの注入中維持されると共に、液体収容部2内の液体33を外部に漏出させないように形成されている。
本実施形態に係る容器1は、図2に示すように、凹曲面状の内面を有する容器本体6と、容器本体6に脱着自在に取り付けられた蓋体7とを備えている。容器本体6は、上端部の内周面に螺合用凸条8を有し、蓋体7は下端部の外周面に螺合用凸条9を有している。容器本体6と蓋体7とは、螺合用凸条8及び螺合用凸条9を介して脱着自在に螺合されている。
蓋体7は、天面部形成部材11、隔壁形成部材12、シート状の弾性体3及び弾性体固定部材13を有する。
天面部形成部材11は、容器1の外に向けて凸となった凸曲面状の天面部14を形成している。天面部14は、その全体又は一部が、手による押圧により容易に変形しその押圧の解除により元の状態に復帰する押圧変形部15を形成している。すなわち、押圧変形部15は、凸曲面状の形状を有している。
天面部形成部材11の周縁部には、押圧変形部15の凸曲面の膨出方向とは反対方向に向かって筒状接続部17が垂設され、隔壁形成部材12の周縁部には上下に延びる一対の筒状接続部18,19が設けられている。天面部形成部材11と隔壁形成部材12とは、天面部形成部材11の筒状接続部17と隔壁形成部材12の周縁部において上方に延びる筒状接続部18とを、それぞれに設けられた螺合用凸条17aと螺合用凸条18aを介して螺合させることにより気密に接続されて一体化している。また、このように接続されることによって、天面部形成部材11と隔壁形成部材12との間に加圧室22が形成されている。
隔壁形成部材12は、加圧室22とシート状の弾性体3との間に平面視円形の平板状の隔壁23を形成している。隔壁23は、加圧室22とシート状の弾性体3との間を気密に仕切っている。隔壁23は、図8に示すように、押圧変形部15を手で押圧して変形させたときにも実質的に変形しない。
シート状の弾性体3は、隔壁23に近接させて該隔壁23に沿うように配されている。換言すると、隔壁23は、一面を弾性体3に覆われている。シート状の弾性体3は、その周縁部を、隔壁形成部材12と弾性体固定部材13との間に挟まれて固定されている。シート状の弾性体3は、前記周縁部以外は、隔壁形成部材12に固定されておらず、そのため、加圧手段4によって送られる空気の圧力(空気圧)により、図8に示すように、液体収容部2の凹曲面状の内面41に向かって膨らむ。
隔壁形成部材12と弾性体固定部材13とは、隔壁形成部材12の周縁部において下方に延びる筒状接続部19と弾性体固定部材13とを、それぞれに設けられた螺合用凸条19a,13aを介して螺合させることにより一体化している。
弾性体固定部材13は、筒状をなし、その内周面は、容器本体6の凹曲面状の内面と連続する凹曲面を形成している。液体収容部2の凹曲面状の内面41は、弾性体固定部材13の内周面及び容器本体6の凹曲面状の内面によって形成されている。液体収容部2の凹曲面状の内面41の一部、より具体的には後述するエア抜き装置24の直下に位置する部分には、注入及び送出路5の液体収容部2側の開口部25が円形ないし楕円形状に開口している。
容器1は、図1に示すように、容器本体6及び蓋体7からなる把持部10と、容器本体6の外周部分から突出し、内部に流体の流路を有する注入及び送出部51とを有している。把持部10は、図1に示すように、扁平楕円体状の概略形状を有している。把持部10は、容器1の内容物33を送出させる際に、使用者が把持する部分である。把持部10の持ち方は、天面部14に親指を当て、把持部10を、その親指と他の複数本の指との間に挟んで持つことが好ましい。
注入及び送出部51は、図3に示すように、筒状接続部52と、底部中央に貫通孔53aを有し該底部側が筒状接続部52内に挿入された有底筒状のコイルバネ保持体53と、コイルバネ54と、コイルバネ保持体53内に、コイルバネ54によって開口部27方向に付勢された状態で収容されている有底筒状の弁部材55と、筒状接続部52に外周部に螺合されて、コイルバネ保持体53を内側の所定位置に固定すると共に、コイルバネ保持体53内に延出する弁当接部56aが、弁部材55の開口周縁部と密着して、開口部25と開口部27との間の流路を遮断する弁外郭体56と、弁部材55の底部において底部同士が結合し、該底部近傍の周壁に、前記流路の一部を構成する複数の貫通孔57xを有するノズル接続部材57とを有している。
注入及び送出部51は、ノズル部材26を取り付けていない状態や、エアゾール容器90やポンプ式容器の液注入用のノズルを押し付けていない状態においては、弁部材55が弁外郭体56の弁当接部56aに密着して、開口部25と開口部27との間の流路が遮断されている。
これに対して、ノズル部材26を取り付ける際には、ノズル部材26の筒状接続部26bが、ノズル接続部材57を押圧して、ノズル接続部材57及びそれに結合した弁部材55が、コイルバネ54の付勢力に抗して、容器本体6側に向かって押し込まれる。これにより、開口部25と開口部27との間が連通状態となり、開口部25からノズル部材内の内容物送出用の開口部27’までの内容物33の送出路5が開放された状態となる。なお、ノズル部材26を、弁外郭体56に被せて捻ることにより、弁外郭体56の外周部に設けられた凸部56bと、ノズル部材26に設けられたロック用の溝又は開口部26cとが係合して、弁外郭体56との結合状態、及び開口部25から開口部27’までの流路が安定に維持される。
ノズル部材26は、容器1内の内容物33を送出させる際に使用するものであり、図7に示すように、容器1内に、液体33A,33Bを注入する際には、注入及び送出部51(より具体的には、弁外郭体56)からノズル部材26を外しておく。
ノズル部材26は、その交換により、容器本体側の開口部25から内容物送出用の開口部27’までの通路の長さや直径を代えることができる。また、ノズル先端側の開口部27’の寸法等が異なるノズル部材に交換したり、周囲に刷毛26aのついたブラシ付きのノズル部材から、そのような刷毛26aのないノズル部材に交換することができる。刷毛26aのついたブラシ付きのノズル部材26は、頭髪や頭皮、それ以外の部分の皮膚等に、染毛剤や頭髪化粧料等のヘアケア剤、スキンケア剤等を塗布するのに適している。なお、図1中の符号26eは、パーテーションフックといって、髪の毛を分けるのに用いる。
また、容器本体6の底面部21を形成する部材に、直接ノズル部材26が、脱着不可能又は脱着自在に固定されて、送出路5が形成されていても良い。
容器1に、液体33A,33Bを注入する際には、後述するポンプ式の注入器やエアゾール容器のノズル部材91で、ノズル接続部材57を押圧する。この場合にも、ノズル接続部材57及びそれに結合した弁部材55が、容器本体6側に向かって押し込まれる。これにより、開口部25と注入口となる開口部27との間が連通状態となる。
本実施形態の容器1に、二剤式染毛剤の第1剤及び第2剤を充填する方法の好ましい一例について説明する。
先ず、液体33Bとして、二剤式染毛剤の第2剤を、図示しないポンプ式の注入器により容器1に注入する。ポンプ式の注入器としては、例えば、容器1の前述したノズル接続部材57に押し当てるノズル部材を有し、ノズル接続部材57をノズル部材に押し当てた状態で、所定の操作をすることで、内部の内容物を吐出させるポンプ式の容器を用いることができる。内容物を吐出させるための所定の操作としては、レバーの上下動や前後動、押しボタン等の押圧部の押圧の繰り返し等が挙げられる。
このようにして容器1の液体収容部2内に注入した液体33Bの量を、該液体33Bの液面の位置が、目盛り98のどの位置にあるかを目視観察することで計量する。但し、目盛りのない場合には、大まかな量を把握するだけでも良い。
次いで、図7に示すように、容器1の注入及び送出部51を下方に向けて、エアゾール容器90により、容器の内部に、液体33Aとして、第2剤よりも粘度の高い二剤式染毛剤の第1剤を注入する。具体的には、容器1の前述したノズル接続部材57を、エアゾール容器90のノズル部材91に押し当てて、該ノズル部材91を押し下げることで、容器1の液体収容部2内に、エアゾール容器90内の液体33Aを注入する。
本発明の液体注入方法の好ましい実施形態においては、容器1の液体収容部2に、該液体収容部2内の空気93を排出可能な排気路94を設け、排気路94により、エアゾール容器90で液体33Aを注入する際の、該排気路により該液体収容部2内の圧力の過度の上昇を抑制した状態下に、該エアゾール容器による該液体33Aの注入を行う。
粘度の高い液体の注入には、エアゾール容器90、特にガス圧の高いエアゾール容器を用いて液体を注入することが好ましいが、注入口となる開口部27以外が完全に密閉された容器に、エアゾール容器90から液体33Aを注入した場合には、容器1の破損や、破裂、あるいはねじが外れるといった問題が生じ得る。これに対して、排気路94により、液体収容部2内の圧力の過度の上昇を抑制した状態下に、エアゾール容器による液体33Aの注入を行うことで、そのような問題を防止することができる。
しかし、排気路94として大断面の排気路を設けた場合には、容器1に、エアゾール容器により粘度の高い液体33Aを注入する際に、該液体33Aが、先に注入した液体33Bの液面を貫通して隆起する現象が生じ易い。
このような現象が生じると、液体33Bの液面や、液体33Bと液体33Aの混合液の液面を見ながら、液体33Aの注入量を確認することが困難となり、液面を見ることにより、液体33Bの量を知ることができなくなる。
そのため、本発明の液体注入方法の好ましい実施形態においては、排気路94として比較的微小ないし所定の圧力まで通気しないものを形成しておき、エアゾール容器90による液体33Aの注入により生じる液体収容部2内の陽圧状態が該液体33Aの注入終了まで継続するようにした状態下に、エアゾール容器90による該液体33Aの注入を行う。
即ち、エアゾール容器90により液体33Aを注入する際に、液体33Aの注入により容器1内の空気93が圧縮されるようにし、圧縮された空気93により、液面ないし注入される液体に所定の圧力を加えた状態で、該液体33Aの注入を行う。
これにより、液体33Aが先に注入した液体33Bの液面を貫通して隆起する現象を効果的に抑制することができる。
本実施形態の容器1の液体収容部2には、このような注入を可能とする排気路94を設けてある。即ち、容器1は、図7に示すように、液体収容部2に、エアゾール容器により液体33Aを注入する時に、図6に示すように、液体収容部2内の空気93を排出可能な排気路94が設けられており、その排気路94は、エアゾール容器による液体33Aの注入により液体収容部2内の気圧が増大し、その陽圧状態が液体の注入中維持されるように形成されている。また、その排気路94は、液体収容部2内の液体33A,33Bを外部に漏出させないように形成されている。
容器1における排気路94についてより具体的に説明すると、図6に示すように、容器1における容器本体6及び蓋体7には、容器本体6と蓋体7とを螺合させることにより密着して密閉性を高める環状シール部95,96が形成されているが、図4及び図5に示すように、容器本体6側の環状シール部95の周方向の一部に、排気路94を形成するための凹部95aが形成されている。そして、その凹部95aによって、排気路94の一部が形成されている。即ち、凹部95aの存在によって、環状シール部95,96どうし間に隙間、あるいは密着の程度が他の部分より低い部分が生じており、該隙間又は該部分が、排気路94の一部を構成している。
排気路94を生じさせるための凹部95aは、図示例では、容器本体6側の環状シール部95の上端部に形成されているが、それに代えて、環状シール95の外面側に形成しても良く、また、容器本体6側の環状シール部95に代えて、蓋体7側の環状シール部96の上端部や内面側に形成してもよい。
また、排気路94を生じさせるための凹部95aは、容器本体6の周方向に、一つのみ形成しても良いし、複数形成してもよい。図10に、凹部95aを複数形成した一例を示した。
また、本実施形態の容器1においては、排気路94は、図6に示すように、容器本体6と蓋体7との螺合により容器本体6と蓋体7とに間に形成される微小な隙間99を介して、液体収容部2内と容器外とを連通している。そのため、液体収容部2から該隙間99内に液体33が漏れ出しても、その液体33が容器1外へと直ちに漏れ出すことが防止される。特に、排気路94が、容器本体6における螺合用凸条8を有する面と蓋体7における螺合用凸条9を有する面との間の微小な空間97を介して、液体収容部2内と容器外とを連通していると、概ね周方向に沿って螺旋状に延びる、螺合用凸条8,9の存在によって、一層確実に、容器1外への液の漏れ出しが防止される。
しかも、容器の使用後には、容器本体6と蓋体7とを分離して洗浄することができ、当該空間97内に入った液を容易に除去することもできる。液体収容部は、その深さが、深さ方向中央部における該液体収容部の直径よりも小さいことが好ましい。
本実施形態である容器1は、容器1を手に持って振ることにより、内部に順次注入した液体33Bと33Aとを混合することができる。
また、本実施形態である容器1は、手による押圧により変形し該押圧の解除により元の状態に復帰する押圧変形部15を備えており、押圧変形部15の押圧と解除を繰り返すことにより、液体収容部2内の液体33を徐徐に送出できるようになされている。
より具体的には、容器1は、図2に示すように、液体収容部2における、容器本体6の対向部にシート状の弾性体3が配されており、加圧手段4により、該弾性体3に向かって気体を送り、その気体の圧力により弾性体3を、液体収容部2の凹曲面状の内面21に向かって膨らませることで、液体収容部2内の内容物33を、開口部25からノズル部材側の開口部27’に亘る流路を介して、外部に送出させることができる。本実施形態の容器1においては、弾性体3を膨らませる気体は、空気(酸素と窒素を含む混合気体)である。
本実施形態の容器1における加圧手段4は、前述した押圧変形部15、加圧室22及び隔壁23に加えて、第1逆止弁28及び第2逆止弁29を有している。
第1逆止弁28は、隔壁23に形成された通気路31に設けられており、図8に示すように、押圧変形部15を手で押圧して変形させたときに、通気路31を開放し、加圧室22内の空気を弾性体3に向かって送る。他方、図9に示すように、押圧変形部15の押圧を解除すると、第1逆止弁28によって通気路31が封鎖され、それにより、弾性体3を膨らませた空気が加圧室22に逆流することが阻止される。
第2逆止弁29は、天面部形成部材11に形成された吸気路32に設けられており、図8に示すように、押圧変形部15を手で押圧して変形させる際には、吸気路32を封鎖する。他方、押圧変形部15の押圧後にその押圧を解除すると、図9に示すように、押圧変形部15は、その復元弾性によって元の状態に復帰し、第2逆止弁29は、吸気路32を開放し、容器1の外の空気が加圧室22内へ流入する。
押圧変形部15には、厚みが他の部分より厚い補強部50と、厚みが他の部分より薄い薄肉部60とが設けられており、それによって、小さな力で押圧変形部15を変形させ得ると共に、変形状態から元の状態への回復性も向上している。
また、本実施形態の容器1は、内容物33の押し出し後に、膨張室34内に溜まっている空気を外部に逃がすエア抜き装置24を備えている。本実施形態における膨張室34は、隔壁23と弾性体3との間の空間であり、押圧変形部15を押圧する前の初期状態においては、隔壁23とシート状の弾性体3との間が密着して、両者間に、室と呼べるような空間が存在しない。しかし、本明細書における膨張室には、密着した状態の隔壁23とシート状の弾性体3との間も含まれる。なお、押圧変形部15を押圧する前の初期状態から、隔壁23と弾性体3との間に隙間や所定の容積を有する空間が存在していても良い。
エア抜き装置24は、コイルバネ37(弾性部材)により付勢されている栓部材36を有し、通常は、隔壁23と弾性体3との間の膨張室34と容器外とを繋ぐ通気路35を遮断しているが、栓部材36に結合している釦部材71を押圧することで、該通気路35を開放する。
本実施形態の容器1によれば、液体収容部2に、液やゲル状の内容物33を充填した状態で、押圧変形部15の押圧及びその解除を繰り返すことにより、シート状の弾性体3を液体収容部2の凹曲面状の内面41側に徐徐に膨らませることができる。そのため、弾性体3を膨らませる速度や量を適宜にコントロールすることで、送出させる内容物の量や速度を任意にコントロールすることができる。
また、弾性体3により内容物33を押圧させて送出するようにしたので、特許文献1の容器とは異なり、内容物33が少なくなっても適量の内容物を安定して送出させることができる。なお、本実施形態の容器1は、当初は平面状であったシート状の弾性体3を、液体収容部2の凹曲面状の内面41に沿う立体形態(やや潰れた半球状の立体形態)となるまで膨らますことができる。
また、本実施形態の容器1は、片手に持ちながらその片手で押圧変形部15を押圧して内容物を送出させることができる。「その片手」とは、右手に持っている場合にはその右手、左手に持っている場合にはその左手という意味である。
そのため、例えば内容物として、ヘアカラー等の染毛剤、育毛剤、整髪剤、シャンプー、マッサージ剤等の頭髪又は頭皮処理剤を充填して、それらを頭髪に塗布する場合、塗布する部位を移動させながら塗布作業を行うことも容易である。また、容器1を用いて塗布作業を行いながら、該容器を持っていない方の手で別の作業を同時に行うことも可能である。
容器1の各部の材料について説明する。
押圧変形部の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂や、熱可塑性エラストマー等を使用することができるが、手による押圧により容易に変形させることができるようにする観点や押圧の解除により自然に元の状態に復帰するようにする観点から、ポリプロピレンであることが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられる。
また、弾性体3の形成材料は、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、シリコーンゴム、天然ゴム等のゴム、ウレタン等のゲルが挙げられる。弾性体3の形成材料は、耐久性、耐内容物性の観点から、EPDMであることが好ましい。
また、エアゾール容器で注入する液体(第1剤)の粘度は、10000〜200000mPa・sであることが好ましい。また、エアゾール容器で注入する液体の注入に、先立ち、注入する第2液体(第2剤等)の粘度は、エアゾール容器で注入する液体より低く、50〜5000mPa・sであることが好ましい。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、容器1の液体収容部2には、エアゾール容器で注入する液体の注入に先立ち他の液体を注入しなくても良い。また、排気路94は、容器本体6の周方向における他の部分に設けても良い。また、容器は、容器本体6の全体を透明なプラスティックで形成するのに代えて、その一部のみを透明とし、その一部から液面が見えるようにしても良い。また、目盛りは、数字と線との組みあわせの他、線のみ、あるいは数字のみであっても良い。また、目盛りをなくしても良い。
また、押圧変形部15の補強部50及び薄肉部60は、何れか一方又は両者を省略することもできる。また、加圧手段として、天面部14に蛇腹状のポンプ機構を設けても良い。また、第1逆止弁及び/又は第2逆止弁としては、各種公知の逆止弁を用いることができ、例えば、スイング式逆止弁、ボール式逆止弁、スプリングディスク式逆止弁等を用いることもできる。
1 容器
2 液体収容部
3 シート状の弾性体
4 加圧手段
5 送出路(注入路)
6 容器本体
7 蓋体
14 天面部
15 押圧変形部
22 加圧室
23 隔壁
28 第1逆止弁
29 第2逆止弁
31 通気路
32 吸気路
33 内容物
33A エアゾール容器で注入する液体
33B 第2液体
34 膨張室
90 エアゾール装置
91 エアゾール装置のノズル部材
94 排気路
95 容器本体側の環状シール部
95a 排気路形成用の凹部
96 蓋体側の環状シール部

Claims (7)

  1. 注入された液体の量を外部から視認可能な液体収容部を備えた容器に、エアゾール容器から吐出させた液体を注入する液体の注入方法であって、
    前記液体収容部に、該液体収容部内の空気を排出可能な微小な排気路を設け、該排気路により該液体収容部内の圧力の過度の上昇を抑制すると共に、液体の注入により生じる該液体収容部内の陽圧状態が注入終了まで継続するようにした状態下に、前記エアゾール容器による該液体の注入を行う、液体の注入方法。
  2. 前記エアゾール容器により注入する前記液体の注入に先立ち、該液体よりも粘度が低い第2液体を前記液体収容部に任意の方法により注入する、請求項1記載の液体の注入方法。
  3. 前記エアゾール容器により注入する前記液体が、二剤式染毛剤のアルカリ剤を含有する第1剤であり、前記第2液体が、二剤式染毛剤の過酸化水素を含有する第2剤である、請求項2記載の液体の注入方法。
  4. エアゾール容器により内部に液体が注入される容器であって、
    注入された液体の量を外部から視認可能な液体収容部を備えており、
    前記液体収容部に、液体の注入時に該液体収容部内の空気を排出可能な排気路が設けられており、前記排気路は、前記液体の注入により前記液体収容部内の気圧が増大し、その陽圧状態が液体の注入中維持されると共に、該液体収容部内の液体を外部に漏出させないように形成されている、容器。
  5. 前記液体収容部が、容器本体と蓋体との螺合により形成されており、前記排気路は、前記螺合により前記容器本体と前記蓋体との間に形成される微小な隙間を介して、前記液体収容部内と容器外とを連通する、請求項4記載の容器。
  6. 前記液体収容部が、容器本体と蓋体との螺合により形成されており、該容器本体及び該蓋体は、該容器本体と該蓋体とを螺合させることにより密着する環状シール部を備えており、前記容器本体の環状シール部及び/又は前記蓋体の環状シール部の一部に、前記液体収容部内と、前記容器本体及び前記蓋体の螺合用凸条を有する面どうし間の空間とを連通する凹部が形成されており、該凹部によって、前記排気路の一部が形成されている、請求項4又は5記載の容器。
  7. 手による押圧により変形し該押圧の解除により元の状態に復帰する押圧変形部を備え、該押圧変形部の押圧と解除を繰り返すことにより、前記液体収容部内の液体を徐徐に送出できるようになされている、請求項4〜6の何れか1項記載の容器。
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