JP2012202665A - 熱駆動型ヒートポンプサイクル装置およびこれに使用される冷媒循環ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を抑えるのに有利な熱駆動型ヒートポンプサイクル装置および熱駆動型冷媒循環ポンプを提供する。
【解決手段】本装置は、ランキンサイクル用蒸発器5を備えるランキンサイクル装置1と、膨張要素60およびヒートポンプ用蒸発器7を備える蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを一体的に備える。冷媒循環ポンプ4は熱駆動型であり、圧力容器40と入熱要素43とをもつ。冷媒循環ポンプ4は、圧力容器40内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうち膨張要素60と第2吸入ポート27との間の部位または膨張要素60の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、ガス状冷媒供給操作に伴い低圧化された圧力容器40に凝縮器3側の液状の冷媒を吸入させる冷媒吸入操作と、圧力容器40内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
【選択図】図1
【解決手段】本装置は、ランキンサイクル用蒸発器5を備えるランキンサイクル装置1と、膨張要素60およびヒートポンプ用蒸発器7を備える蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを一体的に備える。冷媒循環ポンプ4は熱駆動型であり、圧力容器40と入熱要素43とをもつ。冷媒循環ポンプ4は、圧力容器40内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうち膨張要素60と第2吸入ポート27との間の部位または膨張要素60の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、ガス状冷媒供給操作に伴い低圧化された圧力容器40に凝縮器3側の液状の冷媒を吸入させる冷媒吸入操作と、圧力容器40内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は外部熱の入熱により駆動される熱駆動型ヒートポンプサイクル装置およびこれに使用される冷媒循環ポンプに関する。
特許文献1は、廃熱等の熱入力でヒートポンプを駆動させる熱駆動型ヒートポンプシステムを開示する。本システムは、ランキンサイクルで熱入力を膨張仕事に変換し、膨張機のピストンを駆動し、この駆動力により膨張機と一体の圧縮ピストンで圧縮仕事を発生させる。この圧縮仕事で冷媒ガスの圧縮を行い、凝縮器から放熱し、膨張弁での膨張により冷熱を発生させる。本システムは、電動モータで駆動されるポンプ、入熱用熱交換器、切替バルブ、コンプレッサー、凝縮器、空調用の蒸発器等で構成されている。
特許文献2は、膨張タンク、吸入用の逆止弁a1、吐出側の圧力調整弁a2および膨張タンクと凝縮器の均圧弁sから構成された熱ポンプを、ランキンサイクルの冷媒循環ポンプとして、凝縮器と集熱器との間に配置している。均圧弁sの開放により、膨張タンクおよび凝縮器を均圧させ、さらに膨張タンクの配管に冷水を流すことで、膨張タンク内を減圧させ、逆止弁a1より液を流入させる。このものでは、膨張タンクの配管Hに温水を流すことにより、液が蒸発しタンク内圧が上がる。タンク内圧が圧力調整弁a2の設定値を超えるとa2が開となり、液が集熱器に吐出される。
上記した特許文献1によれば、本文献で報告されている電動モータ駆動の冷媒循環ポンプは、一般的に損失が大きく、消費電力が大きい。たとえば一般的に使用されるギアポンプでは、数100cc/minの小流量領域では、理論ポンプ動力の約10〜20倍程度の電力を必要とする。そのため、ランキンサイクルの膨張仕事に対するポンプ動力の割合が大きくなり、総合効率が低下する。
特許文献2によれば、熱ポンプを駆動させるために温熱源および冷熱源が必要であり、温熱源は入熱を利用できるが、冷熱源は、これを作り出すエネルギーが必要となるため、全体効率を落とす要因となり、上記同様、サイクルの有効性が薄れることとなる。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、消費電力を抑えるのに有利な熱駆動型ヒートポンプサイクル装置およびこれに使用される熱駆動型冷媒循環ポンプを提供することを課題とする。
(1)様相1の本発明に係る熱駆動型ヒートポンプサイクル装置は、(i)ランキンサイクル用の第1吸入ポートおよび第1吐出ポートをもつと共に蒸気圧縮サイクル用の第2吸入ポートおよび第2吐出ポートをもつと共に冷媒の膨張および圧縮を行う膨張圧縮機と、膨張圧縮機に接続され膨張圧縮機の第1吐出ポートおよび第2吐出ポートから帰還したガス状の冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器の出口側に接続され凝縮器で凝縮された液状の冷媒を加圧させる冷媒循環ポンプと、冷媒循環ポンプに接続され冷媒循環ポンプで加圧された液状の冷媒を蒸発させてガス状の冷媒とさせると共に膨張圧縮機の第1吸入ポートに供給させるランキンサイクル用蒸発器とを備えるランキンサイクル装置と、
(ii)凝縮器の出口側に接続され凝縮器で凝縮された液状の冷媒を膨張させる膨張要素と、膨張要素に接続され膨張要素で膨張させた冷媒を蒸発させると共に蒸発させたガス状の冷媒を膨張圧縮機の第2吸入ポートに吸入させるヒートポンプ用蒸発器とを備えると共に、ランキンサイクル装置に組み合わされた蒸気圧縮式ヒートポンプ装置とを具備しており、
(iii)冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式であり、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもち、
圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち膨張要素と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、ガス状冷媒供給操作に伴い低圧化された圧力容器に凝縮器側の液状の冷媒を吸入させる冷媒吸入操作と、入熱要素からの入熱に基づいて圧力容器内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
(ii)凝縮器の出口側に接続され凝縮器で凝縮された液状の冷媒を膨張させる膨張要素と、膨張要素に接続され膨張要素で膨張させた冷媒を蒸発させると共に蒸発させたガス状の冷媒を膨張圧縮機の第2吸入ポートに吸入させるヒートポンプ用蒸発器とを備えると共に、ランキンサイクル装置に組み合わされた蒸気圧縮式ヒートポンプ装置とを具備しており、
(iii)冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式であり、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもち、
圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち膨張要素と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、ガス状冷媒供給操作に伴い低圧化された圧力容器に凝縮器側の液状の冷媒を吸入させる冷媒吸入操作と、入熱要素からの入熱に基づいて圧力容器内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式である。冷媒循環ポンプは、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもつ。そして、冷媒循環ポンプは、圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち膨張要素と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、ガス状冷媒供給操作に伴い圧力容器に凝縮器側の液状の冷媒を吸入させる冷媒吸入操作と、入熱要素からの入熱に基づいて圧力容器内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
このように冷媒循環ポンプは熱駆動型であり、入熱要素からの入熱に基づいてポンプ作用を果たすことができ、電力の消費を抑えることができる。入熱要素からの入熱は、エンジンや燃料電池等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等からの入熱が例示される。冷媒としては、液相およびガス相に相変化できるものであれば、何でも良い。なお、膨張要素は凝縮器の出口側に接続されており、凝縮器で凝縮された液状の冷媒を膨張させるものであり、膨張弁、エジェクタが挙げられる。
(2)様相2の本発明に係る熱駆動型ヒートポンプサイクル装置によれば、上記様相において、冷媒循環ポンプは、入熱要素からの入熱により加圧された圧力容器内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給通路と、圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち膨張要素と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給通路と、圧力容器の低圧化に基づいて凝縮器側の液状の冷媒を圧力容器に吸入させる冷媒吸入通路とを具備する。
本様相によれば、入熱要素からの入熱に基づいて、冷媒循環ポンプは、圧力容器内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作と、圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうちヒートポンプ用蒸発器の出口と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、凝縮器側の冷媒を圧力容器に吸入させる冷媒吸入操作とを実行する。このように冷媒循環ポンプは、入熱要素からの入熱に基づいてポンプ作用を果たすことができ、電力の消費を抑えることができる。
(3)様相3の本発明に係る熱駆動型ヒートポンプサイクル装置によれば、上記様相において、(i)ガス状冷媒供給通路は、開放に伴い前記圧力容器内のガス状の冷媒を前記蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち前記膨張要素と前記第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させる第1弁を有し、(ii)冷媒吸入通路は、圧力容器の低圧化に基づいて開放して前記凝縮器側の液状の冷媒を前記圧力容器に吸入させる第2弁を有し、(iii)ガス状冷媒供給通路は、開放に伴い圧力容器内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器に供給させる第3弁を有する。このように冷媒循環ポンプは、入熱要素からの入熱に基づいてポンプ作用を果たすことができ、電力の消費を押さえることができる。
(4)様相4の本発明に係る熱駆動型ヒートポンプサイクル装置によれば、上記様相において、冷媒循環ポンプは複数個設けられており、交代して運転される。冷媒循環ポンプによる脈動を抑えるのに有利である。
(5)様相5の本発明に係る熱駆動型ヒートポンプサイクル装置用の熱駆動型冷媒循環ポンプは、ランキンサイクル用蒸発器をもつランキンサイクル装置とヒートポンプ用蒸発器をもつ蒸気圧縮式ヒートポンプ装置とを組み合わせた上記した様相に係る熱駆動型ヒートポンプサイクル装置に用いられる冷媒循環ポンプであって、
冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式であり、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもち、圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち膨張要素と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、凝縮器側の液状の冷媒を圧力容器に吸入させる冷媒吸入操作と、入熱要素からの入熱に基づいて圧力容器内の液状の冷媒を前記ランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式であり、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもち、圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち膨張要素と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、凝縮器側の液状の冷媒を圧力容器に吸入させる冷媒吸入操作と、入熱要素からの入熱に基づいて圧力容器内の液状の冷媒を前記ランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式である。冷媒循環ポンプは、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもつ。そして、冷媒循環ポンプは、圧力容器内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち膨張要素と第2吸入ポートとの間の部位または膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、凝縮器側の液状の冷媒を圧力容器に吸入させる冷媒吸入操作と、入熱要素からの入熱に基づいて圧力容器内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する。
このように冷媒循環ポンプは熱駆動型であり、入熱要素からの入熱に基づいてポンプ作用を果たすことができ、電力の消費を抑えることができる。なお、膨張要素は凝縮器の出口側に接続されており、凝縮器で凝縮された液状の冷媒を膨張させるものであり、膨張弁、エジェクタが挙げられる。
本発明によれば、外部からの電力供給を抑えるのに有利な熱駆動型ヒートポンプサイクル装置を提供できる。更に冷媒循環ポンプを駆動させるための冷熱源が不要であり、これを作り出すエネルギーが不要となり、全体効率を上昇させることができる。
(参考形態1)
図1は参考形態1の熱駆動型ヒートポンプサイクル装置を示す(本出願時に未公知)。本装置は、ランキンサイクル装置1と蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを一体的に組合せて形成されている。図1は、ランキンサイクル装置1と蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを組合せた回路図を示す。ランキンサイクル装置1は、ランキンサイクル用蒸発器5に外部から熱(エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱など)を投入し、高圧冷媒を液相からガス相に相変化させるものである。ランキンサイクル装置1は、ランキンサイクル用の第1吸入ポート25および第1吐出ポート26をもち膨張仕事を行う膨張機21をもつ膨張圧縮機2と、膨張圧縮機2の膨張機21に接続され膨張機21の第1吐出ポート26から帰還したガス状の冷媒を凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3の出口3p側に接続され凝縮器3で凝縮されて液化が進行した冷媒を加圧させる冷媒循環ポンプ4Xと、冷媒循環ポンプ4Xの出口4p側に接続され冷媒循環ポンプ4Xで加圧された液状の冷媒を蒸発させてガス状の冷媒とさせると共にガス状の冷媒を第1吸入用開閉弁91iを介して膨張機21の第1吸入ポート25に供給させるランキンサイクル用蒸発器5とを備える。
図1は参考形態1の熱駆動型ヒートポンプサイクル装置を示す(本出願時に未公知)。本装置は、ランキンサイクル装置1と蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを一体的に組合せて形成されている。図1は、ランキンサイクル装置1と蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを組合せた回路図を示す。ランキンサイクル装置1は、ランキンサイクル用蒸発器5に外部から熱(エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱など)を投入し、高圧冷媒を液相からガス相に相変化させるものである。ランキンサイクル装置1は、ランキンサイクル用の第1吸入ポート25および第1吐出ポート26をもち膨張仕事を行う膨張機21をもつ膨張圧縮機2と、膨張圧縮機2の膨張機21に接続され膨張機21の第1吐出ポート26から帰還したガス状の冷媒を凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3の出口3p側に接続され凝縮器3で凝縮されて液化が進行した冷媒を加圧させる冷媒循環ポンプ4Xと、冷媒循環ポンプ4Xの出口4p側に接続され冷媒循環ポンプ4Xで加圧された液状の冷媒を蒸発させてガス状の冷媒とさせると共にガス状の冷媒を第1吸入用開閉弁91iを介して膨張機21の第1吸入ポート25に供給させるランキンサイクル用蒸発器5とを備える。
冷媒循環ポンプ4Xは、電動モータで駆動されるタイプである。ランキンサイクル用蒸発器5は、蒸気圧縮サイクル用の第2吸入ポート27および第2吐出ポート28をもち圧縮仕事を行う圧縮機23を備えており、外部から熱(エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱など)の入熱により、液状の冷媒を蒸発させてガス化させる。ここで、膨張圧縮機2は、冷媒を膨張させるためのランキンサイクル用の膨張機21に設けられた第1室21aと、冷媒を圧縮させるための蒸気圧縮サイクル用の圧縮機23に設けられた第2室23aと、往復移動式の可動部として機能するピストン24とをもつ。膨張圧縮機2は、往復動式であるが、回転式の膨張圧縮機でも可能である。
図1に示すように、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6はランキンサイクル装置1に組み合わされており、凝縮器3の出口3p側に接続され凝縮器3で凝縮されて液化が進行した冷媒を膨張させる膨張要素として機能する膨張弁60と、膨張弁60の出口60p側に接続され膨張弁60で膨張させた冷媒を蒸発させると共に蒸発させたガス状の冷媒を膨張圧縮機2の圧縮機23の第2吸入ポート27に第2吸入用逆止弁47を介して吸入させるヒートポンプ用蒸発器7とを備える。凝縮器3の出口3pよりも下流には液溜めタンク35が設けられている。液溜めタンク35は冷媒の気液を分離させる機能をもつ。図1に示すように、液溜めタンク35は、液状の冷媒を冷媒循環ポンプ4に供給すると共に膨張弁60に独立して供給できる。凝縮器3は双方のサイクルに共用されるように、膨張圧縮機2の膨張機21および圧縮機23の双方に接続されており、膨張機21の第1吐出ポート26および圧縮機23の第2吐出ポート28から帰還したガス状の冷媒を凝縮させる。
図1に示す装置によれば、ランキンサイクル用蒸発器5により蒸発させてガス化した高圧の冷媒を、通路100aおよび第1吸入用開閉弁91iを経由して膨張機21の第1吸入ポート25に吸入させる。このガスが膨張機21の第1室21aにおいて膨張し、ピストン24に対し膨張仕事を行い、ピストン24を第2室23aの容積を小さくする方向に移動させる。その後、ガス状の冷媒は第1吐出用開閉弁91pを通して膨張機21の第1室21aから中圧状態で通路100bに吐出され、入口3iから凝縮器3に供給される。凝縮器3は外部に放熱するため、ガス状の冷媒は凝縮器3において液状に相変化し、冷媒の液化が進行される。さらに、凝縮器3において液化が進行した冷媒は、凝縮器3の出口3pから吐出され、通路100cを経て液溜めタンク35の底側に溜まり、更に、冷媒循環ポンプ4Xのポンプ作用により通路100dを経て冷媒循環ポンプ4Xに吸い込まれる。電動式の冷媒循環ポンプ4Xは液状の冷媒を高圧状態に加圧する。冷媒循環ポンプ4Xは、加圧された液状の冷媒を通路100eを経て入口5iからランキンサイクル用蒸発器5に供給させて蒸発させる。前述したように、ランキンサイクル用蒸発器5は、外部から熱(エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱など)の入熱により、液状の冷媒を蒸発させてガス化させる。したがって、ランキンサイクル装置1は、膨張圧縮機2のピストンに膨張仕事を与えていると言える。
また、図1に示す装置によれば、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6では、圧縮機23はピストン24の仕事を受け、第2室23aにおいて圧縮仕事を行う。そして、第2室23aにおいて中圧に圧縮されたガス状の冷媒は、第2吐出用逆止弁92pおよび通路100hを通り、入口3iから凝縮器3に入る。凝縮器3は放熱するため、冷媒はガスから液状に相変化し、冷媒の液化は進行される。さらに、液化が進行された冷媒が液溜めタンク35に溜まり、膨張弁60に入る。膨張弁60では中圧のガス状の冷媒が等エンタルピー膨張し、低圧の気液2相状態となり、温度も低下する。その低温の気液2相状態の冷媒が通路100kを経て入口7iからヒートポンプ用蒸発器7に入り、外部から吸熱してガスに相変化する。そのガス化された冷媒は、低圧通路である通路100mおよび第2吸入用逆止弁47を経由して第2吸入ポート27から圧縮機23の第2室23aに吸い込まれる。したがって、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6は、膨張機21の仕事を圧縮仕事に変え、外部から低温での吸熱と外部へ高温での放熱とのヒートポンプ動作を行っている。なお、冷媒循環ポンプ4Xはモータ駆動式であるため、消費電力が多い不具合をもつ。
(実施形態1)
図2および図3は実施形態1を示す。本実施形態は、上記した参考形態と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。但し、冷媒循環ポンプ4は電動式ではなく、熱駆動式とされている。図2は、ランキンサイクル装置1と蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを組合せたサイクルの回路図を示す。図3は熱駆動式の冷媒循環ポンプ4の作動を示す。更に説明を加える。熱駆動型のヒートポンプサイクル装置は、ランキンサイクル装置1と、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを一体的に組み込んだものである。図2に示すように、ランキンサイクル装置1は、ランキンサイクル用の第1吸入ポート25および第1吐出ポート26をもつ第1可動機としての膨張機21をもつ膨張圧縮機2と、膨張圧縮機2の膨張機21に接続され膨張機21の第1吐出ポート26から帰還したガス状の冷媒を凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3の出口3p側に接続され凝縮器3で凝縮(液化)が進行した冷媒を加圧させる冷媒循環ポンプ4と、冷媒循環ポンプ4の出口側に接続され冷媒循環ポンプ4で加圧された液状の冷媒を蒸発させてガス状の冷媒とさせると共に膨張圧縮機2の膨張機21の第1吸入ポート25に供給させるランキンサイクル用蒸発器5とを備える。
図2および図3は実施形態1を示す。本実施形態は、上記した参考形態と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。但し、冷媒循環ポンプ4は電動式ではなく、熱駆動式とされている。図2は、ランキンサイクル装置1と蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを組合せたサイクルの回路図を示す。図3は熱駆動式の冷媒循環ポンプ4の作動を示す。更に説明を加える。熱駆動型のヒートポンプサイクル装置は、ランキンサイクル装置1と、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを一体的に組み込んだものである。図2に示すように、ランキンサイクル装置1は、ランキンサイクル用の第1吸入ポート25および第1吐出ポート26をもつ第1可動機としての膨張機21をもつ膨張圧縮機2と、膨張圧縮機2の膨張機21に接続され膨張機21の第1吐出ポート26から帰還したガス状の冷媒を凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3の出口3p側に接続され凝縮器3で凝縮(液化)が進行した冷媒を加圧させる冷媒循環ポンプ4と、冷媒循環ポンプ4の出口側に接続され冷媒循環ポンプ4で加圧された液状の冷媒を蒸発させてガス状の冷媒とさせると共に膨張圧縮機2の膨張機21の第1吸入ポート25に供給させるランキンサイクル用蒸発器5とを備える。
前述同様に、ランキンサイクル用蒸発器5は、外部から熱(エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱など)の入熱により、液状の冷媒を蒸発させてガス化させる。凝縮器3は入口3iおよび出口3pをもつ。図2に示すように、凝縮器3の出口3pよりも下流には液溜めタンク35が設けられている。液溜めタンク35は冷媒の気液分離機能をもつ。液溜めタンク35は入口35iおよび複数の出口35pをもつ。図2に示すように、液溜めタンク35は、液溜めタンク35に溜めた液状の冷媒を通路100dを介して液吸入口107から冷媒循環ポンプ4に供給すると共に、液状の冷媒を通路100kを介して膨張弁60に供給する。
図2に示すように、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6は、蒸気圧縮サイクル用の第2吸入ポート27および第2吐出ポート28をもつ第2可動機としての圧縮機23と、凝縮器3に液溜めタンク35および通路100kを介して接続され凝縮器3で凝縮された液状の冷媒を膨張させる膨張弁60と、膨張弁60の出口60pに接続され膨張弁60(膨張要素)で膨張させた冷媒を蒸発させると共に蒸発させたガス状の冷媒を膨張圧縮機2の第2吸入ポート27に通路100m(低圧通路)を介して吸入させるヒートポンプ用蒸発器7とを備える。蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6において、膨張弁60の出口60pと圧縮機23の第2吸入ポート27との間は、冷媒の圧力が相対的に低い低圧通路とされている。ヒートポンプ用蒸発器7は入口7iおよび出口7pをもつ。上記したように膨張圧縮機2は、冷媒を膨張させるための第1室21aをもつ膨張機21と、冷媒を圧縮させるための第2室23aをもつ圧縮機23と、往復移動式の可動部として機能するピストン24とをもつ。膨張圧縮機2は、往復動式であるが、回転式の膨張圧縮機でも可能である。
本実施形態によれば、冷媒循環ポンプ4は外部熱の入熱で駆動される熱駆動により冷媒を循環させる熱駆動式ポンプである。図2および図3に示すように、冷媒循環ポンプ4は、ガス状の冷媒を溜めるガス層42を形成するように液状の冷媒を収容する液室41をもつ圧力容器40と、圧力容器40に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素43とをもつ。圧力容器40は、液状の冷媒を溜める液室41と、液室41の上方に位置すると共にガス状の冷媒を溜めるガス層42とを有する。入熱要素43は、エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等の熱を圧力容器40内の冷媒に供給させて圧力容器40の冷媒を加熱させ、冷媒循環ポンプ4にポンプ作用を発揮させる要素である。入熱要素43は、圧力容器40の液室41とガス層42とを連通させる循環通路44と、循環通路44に設けられた受熱フィン45とを有しており、エンジン等の機器の廃熱、太陽熱等の外部熱を受熱して循環通路44の冷媒を加熱させる。後述するように、冷媒循環ポンプ4は、入熱要素43からの入熱に基づいて、圧力容器40内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に供給させる液状冷媒供給操作と、圧力容器40内のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうち圧力容器40のガス層42よりも低圧の低圧部位100wに供給させるガス状冷媒供給操作と、凝縮器3側の液状の冷媒を液吸入口107から圧力容器40に吸入させる冷媒吸入操作とを実行する。なお低圧部位100wは、圧縮機23の作動に拘わらず、吸入用逆止弁47の逆止作用により低圧に維持される。
具体的には、図2に示すように、冷媒循環ポンプ4は、入熱要素43からの入熱により加圧されたガス層42の圧力に基づいて圧力容器40内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に入口5iから供給させる液状冷媒供給通路として機能する第1供給通路101と、圧力容器40内のガス層42のガス状の冷媒を蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうち膨張弁60の出口60pから圧縮機23の第2吸入ポート27までの低圧部位(具体的には、圧縮機23の第2吸入ポート27側、圧力容器40のガス層42よりも低圧の低圧部位100w)に供給させるガス状冷媒供給通路として機能する第2供給通路102と、圧力容器40内の低圧化に基づいて凝縮器3側の液状の冷媒を液吸入口107から圧力容器40に吸入させる冷媒吸入通路として機能する吸入通路103とを有する。
図2に示すように、第2供給通路102の一端部102eは、圧力容器40のガス層42に対面するガス放出口49に連通する。第2供給通路102の他端部102fは、圧力容器40のガス層42のガス状の冷媒を低圧部位100wに放出させるように、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうち膨張弁60の出口60pと圧縮機23の第2吸入ポート27との間における低圧部位100wに連通している。具体的には、第2供給通路102の他端部102fは、圧縮機23の第2吸入ポート27側の通路100m(蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6における低圧通路の一部)の低圧部位100wに連通している。低圧部位100wは、第2吸入用逆止弁47とヒートポンプ用蒸発器7の出口7pとの間に位置しており、吸入用逆止弁47の逆止作用により低圧に維持される。吸入用逆止弁47は、蒸発器7および通路100mから第2吸入ポート27への冷媒流れを許容するが、その逆流れを阻止する。当該低圧通路は、膨張弁60の出口60pと圧縮機23の第2吸入ポート27との間の通路を意味する。吐出用逆止弁92pは、第2吐出ポート28から凝縮器3への冷媒流れを許容するが、その逆流れを阻止する。
図2に示すように、第2供給通路102は電動開閉式のガス放出弁46(第1弁)を有する。吸入通路103は第1吸入用逆止弁47(第2弁)を有する。第1吸入用逆止弁47は、圧力容器40の低圧化に基づいて開放して凝縮器3側の液溜めタンク35の液状の冷媒を圧力容器40に吸入させる。第1吸入用逆止弁47は、凝縮器3および液溜めタンク35から圧力容器40に向かう方向へ冷媒を通過させるものの、その逆方向には冷媒を通過させない。液状冷媒供給通路としての第1供給通路101は第1吐出用逆止弁48(第3弁)を有する。第1吐出用逆止弁48の開放に伴い、圧力容器40内の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に供給させる。第1吐出用逆止弁48は、圧力容器40の液吐出口105からランキンサイクル用蒸発器5の入口5iに向かう方向へ冷媒を通過させるものの、その逆方向には冷媒を通過させない。
図2に示すように、第1供給通路101の一端部101eは、圧力容器40の液室41の底側に浸漬されており、液状の冷媒を吐出させる液吐出口105を形成する。液吐出口105は、圧力容器40の液状の冷媒を第1吐出用逆止弁48を経てランキンサイクル用蒸発器5に供給させる。前述したように第2供給通路102の一端部102eは、圧力容器40のガス層42に対面しており、ガス状の冷媒を放出させるガス放出口49を形成する。ガス放出口49はガス層42に対面するため、液室41の液状の冷媒に浸漬される液吐出口105よりも上方に位置する。液吸入口107は、圧力容器40の液室41の底付近に形成されており、液溜めタンク35に溜められている液状の冷媒を第1吸入用逆止弁47を経て圧力容器40の液室41に供給させる。第1吸入用逆止弁47は、通路100mから圧縮機23に吸入される冷媒の流れ方向を許容するものの、その逆方向流れを遮断させる。
また本実施形態によれば、図2に示すように、圧縮機23の第2吸入ポート27とヒートポンプ用蒸発器7の出口7pとを繋ぐ通路100mには、第2吸入用逆止弁47が設けられている。第2吸入用逆止弁47は、ヒートポンプ用蒸発器7の出口7pから圧縮機23の第2吸入ポート27に冷媒を通過させるものの、その逆方向には冷媒を通過させない。圧縮機23の第2吐出ポート28と凝縮器3の入口3iとの間の通路100hには、第2吐出用逆止弁92pが設けられている。第2吐出用逆止弁92pは、圧縮機23の第2吐出ポート28から凝縮器3の入口3iに向けて冷媒を通過させるものの、その逆方向には冷媒を通過させない。
次に本実施形態の作用について図3を参照しつつ説明する。入熱要素43からの入熱の影響で、圧力容器40の冷媒のガス化が進行し、ガス層42の圧力は高圧(例えば0.8MPa程度)に維持される。このように圧力容器40のガス層42の圧力は高圧に維持される。ここで、熱駆動式の冷媒循環ポンプ4のガス放出弁46が開くことにより、圧力容器40のガス層42の高圧のガス状の冷媒が第2供給通路102を介して圧縮機23の第2吸入ポート27側の低圧の低圧部位100w(例えば0.08MPa程度)に放出される。この結果、圧力容器40内が中圧(例えば0.25MPa以下)となる。このため、凝縮器3側の液溜めタンク35に溜められている液状の冷媒が吸入通路103、第1吸入用逆止弁47および液吸入口107を通り、圧力容器40の液室41に自動的に吸入される(図3の(A)参照)。図3の(A)に示す状態では、第1ガス放出弁46が開放され、第1吸入用逆止弁47が開放されていると共に、圧力容器40内の圧力は第1吐出用逆止弁48のリリーフ圧未満であるため、第1吐出用逆止弁48は閉鎖されている。
そして、上記したように液状の冷媒が圧力容器40に吸入されるため、図3の(B)に示すように、圧力容器40に吸入された液状の冷媒の液位4kが上昇する。図3の(B)に示す状態では、第1ガス放出弁46が開放されていると共に第1吸入用逆止弁47が開放されており、第1吐出用逆止弁48がまだ閉鎖されている。そして、液状の冷媒の液位4kが圧力容器40の液室41の上限まで到達すると、ガス放出弁46が閉じる(図3の(C)に示す状態)。この場合、入熱要素43からの入熱が連続的に継続しているため、圧力容器40の液状の冷媒のガス化が進行し、圧力容器40のガス層42の圧力が昇圧する。このように圧力容器40内の圧力が上昇するため、圧力応答式のリリーフ弁である第1吸入用逆止弁47が閉鎖される(図3の(C)参照)。図3の(C)に示す状態では、第1吐出用逆止弁48、第1吸入用逆止弁47、第1ガス放出弁46が閉鎖され、圧力容器40は密閉状態とされる。前述したように入熱要素43からの入熱は継続しているため、入熱により圧力容器40内の液状の冷媒が蒸発し、圧力容器40内のガス層42の圧力が次第に上昇して高圧化する(図3の(D)参照)。このように圧力容器40のガス層42の圧力が高圧所定値(例えば0.8MPa)以上、即ち、圧力応答式の第1吐出用逆止弁48のリリーフ圧以上に上昇すると、圧力応答式の第1吐出用逆止弁48が自動的に開放する(図3の(D)(E)参照)。この結果、圧力容器40の液室41の液状の冷媒が第1供給通路101および第1吐出用逆止弁48を介してランキンサイクル用蒸発器5に導入される(図3の(D)参照)。これに伴い、圧力容器40内に溜まっている液状の冷媒の液位4kが次第に低下する(図3の(D)(E)参照)。そして、圧力容器40内に溜まっている液状の冷媒の液位4kが下限まで到達すると、前述したように、第1ガス放出弁46が開き(図3の(A)参照)、圧力容器40のガス層42の高圧のガスが圧縮機23の低圧部である第2吸入ポート27側の低圧部位100wに吸い込まれる。これにより圧力容器40のガス層42が低圧となる。なお、図3の(D)に示す状態では、第1吐出用逆止弁48が開放されているものの、第1ガス放出弁46、第1吸入用逆止弁47が閉鎖されている。上記したように圧力容器40内の冷媒がランキンサイクル用蒸発器5に供給されて圧力容器40内が低圧化されると、前述したように、液溜めタンク35の液状の冷媒が吸入通路103および第1吸入用逆止弁47を介して圧力容器40に自動的に導入される(図3の(A)(B)参照)。以下、同様な動作が繰り返される。したがって、熱駆動式の冷媒循環ポンプ4は、外部から熱が入熱要素43に入力されると、圧力容器40内の液状の冷媒を高圧状態にしてランキンサイクル用蒸発器5に自動的に送り出す機能を有すると共に、液溜めタンク35の液状の冷媒を圧力容器40内に自動的に吸入させる機能を有する。冷媒循環ポンプ4は入熱要素43への入熱で駆動する熱駆動式であり、電動モータ駆動式ではなく、モータの損失およびポンプの機械的損失等が生じないことから、電力の節約を図り得る。
上記したように本実施形態によれば、外部からの電力供給を抑えるのに有利な熱駆動型ヒートポンプサイクル装置を提供できる。冷媒循環ポンプ4を駆動させるための冷熱源が不要であり、これを作り出すエネルギーが不要となり、全体効率を上昇させることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、図2,図3に示すように、液状の冷媒が循環する配管で形成された循環通路44が圧力容器40の下部(液室41)と上部(ガス層42)に接続されている。循環通路44の配管の外部に受熱フィン45を設け、廃熱や太陽熱等の外部熱で加熱された空気(またはガス)を媒体に循環通路44内の冷媒と熱交換させる。これは、外部からの入熱時に圧力容器40全体の液状の冷媒に入熱しようとするとき、液状の冷媒が過冷却状態の場合には、圧力容器40内の液状の冷媒は循環通路44に比較して大容積であるため、短時間に沸騰せず、蒸気を短時間で発生させない状態が考えられる。そのため、分岐された配管で形成されているため圧力容器40よりも容積が小さな循環通路44の液状の冷媒を外部熱の熱媒体で加熱させる。これにより迅速に液状の冷媒の沸騰、蒸発ガスの発生が得られ、圧力容器40内を高圧化できる利点がある。
換言すると、本実施形態によれば、ランキンサイクル装置1のポンプとして、一般的に用いられるモータ駆動の冷媒循環用ポンプは、損失が大きく、消費電力が大きい不具合をもつ。例えば、一般的に使用されるギアポンプでは、数100cc/minの小流量領域では、理論ポンプ動力の約10〜20倍程度の電力を必要とする。そのため、ポンプの必要電力が大きく総合効率が低下する不具合がある。この点本実施形態によれば、冷媒循環用ポンプ4は熱駆動式であり、電動機を必要としないことから、電動機の損失を抑えることが出来る。また、ポンピングのためのギアまたはプランジャなどを必要としないため、本体にシール部が無く、漏れによる損失が抑えられている。また、また、廃熱、太陽熱などの熱で駆動するため、消費電力を抑えることができる。
(実施形態2)
図4は実施形態2を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。入熱要素43Cは、圧力容器40の液室41の液状の冷媒に浸漬された入熱用熱交換器82を備えている。エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等の外部熱で加熱された温水などの熱媒体が入熱用熱交換器82に入口82iから流れて出口82pから吐出される。これにより圧力容器40の液室41の液状の冷媒を加熱させ、冷媒のガス化を進行させる。
図4は実施形態2を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。入熱要素43Cは、圧力容器40の液室41の液状の冷媒に浸漬された入熱用熱交換器82を備えている。エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等の外部熱で加熱された温水などの熱媒体が入熱用熱交換器82に入口82iから流れて出口82pから吐出される。これにより圧力容器40の液室41の液状の冷媒を加熱させ、冷媒のガス化を進行させる。
(実施形態3)
図5は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。入熱要素43Dは、圧力容器40の液室41とガス層42とを連通させる循環通路44と、エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等の外部熱で加熱された熱媒体を通過させる加熱通路44cとをもつ。循環通路44の冷媒と加熱通路44cの熱媒体とが熱交換可能されている。液室41の冷媒が循環通路44に流入すると、熱媒体により加熱され、冷媒のガス化が進行する。
図5は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。入熱要素43Dは、圧力容器40の液室41とガス層42とを連通させる循環通路44と、エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等の外部熱で加熱された熱媒体を通過させる加熱通路44cとをもつ。循環通路44の冷媒と加熱通路44cの熱媒体とが熱交換可能されている。液室41の冷媒が循環通路44に流入すると、熱媒体により加熱され、冷媒のガス化が進行する。
図5に示すように、冷媒循環ポンプ4の循環通路44は、圧力容器40の下部(液室41)と上部(ガス層42)とに接続されており、循環通路44と、エンジン等の機器の廃熱や太陽熱等の外部熱で加熱された温水などの熱媒体が流れる加熱通路44cとを熱交換させる熱交換器82を形成させる。これも上記同様に、外部熱が入熱したときに、圧力容器40の全体の液状の冷媒に入熱しようとすると、液状の冷媒が過冷却状態の場合には、短時間に沸騰せず蒸気を発生させない状態が考えられる。そのため、圧力容器40の容積よりも小さくなるように圧力容器40から分岐された配管で形成された循環通路44の液状の冷媒を加熱する。これにより迅速に液状の冷媒の沸騰、ガス化が得られ、圧力容器40内を早期に高圧化できる利点がある。
(実施形態4)
図6は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。入熱要素43Eは、圧力容器40のガス層42を連通させる循環通路44と、エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等の外部熱で加熱された熱媒体と接触する受熱フィン45とをもつ。通常の状態では、循環通路44の入口44iおよび出口44pは、圧力容器40の上部のガス層42側に位置する。循環通路44の冷媒と熱媒体とが受熱フィン45を介して熱交換可能されている。液室41の冷媒の液位4kが上昇しての入口44iから循環通路44に流入すると、循環通路44の冷媒は熱媒体により受熱フィン45を介して加熱される。吸入通路103から第1吸入用逆止弁47を介して液状の冷媒が圧力容器40に吸入している行程では、熱ポンプへの入熱は不要である。そのため、吸入通路103から第1吸入用逆止弁47を介して液状の冷媒が圧力容器40に吸入している行程では、液室41の冷媒の液位4kが循環通路44の入口44iに到達する前までは、循環通路44にはガス状の冷媒が存在する。ここで、ガス状の冷媒と液状の冷媒とでは熱伝達率が相違し、ガス状の冷媒の熱伝達率は液状の冷媒に比較して低い。このため、ガス状の冷媒が熱媒体(外部熱)で加熱されたとしても、圧力容器40への入熱は少なくて済むこととなる。
図6は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。入熱要素43Eは、圧力容器40のガス層42を連通させる循環通路44と、エンジン等の機器の廃熱、太陽熱、地熱等の外部熱で加熱された熱媒体と接触する受熱フィン45とをもつ。通常の状態では、循環通路44の入口44iおよび出口44pは、圧力容器40の上部のガス層42側に位置する。循環通路44の冷媒と熱媒体とが受熱フィン45を介して熱交換可能されている。液室41の冷媒の液位4kが上昇しての入口44iから循環通路44に流入すると、循環通路44の冷媒は熱媒体により受熱フィン45を介して加熱される。吸入通路103から第1吸入用逆止弁47を介して液状の冷媒が圧力容器40に吸入している行程では、熱ポンプへの入熱は不要である。そのため、吸入通路103から第1吸入用逆止弁47を介して液状の冷媒が圧力容器40に吸入している行程では、液室41の冷媒の液位4kが循環通路44の入口44iに到達する前までは、循環通路44にはガス状の冷媒が存在する。ここで、ガス状の冷媒と液状の冷媒とでは熱伝達率が相違し、ガス状の冷媒の熱伝達率は液状の冷媒に比較して低い。このため、ガス状の冷媒が熱媒体(外部熱)で加熱されたとしても、圧力容器40への入熱は少なくて済むこととなる。
液状の冷媒が圧力容器40に吸入している行程で、圧力容器40の液状の冷媒の液位4kが入口44iよりも上昇すると、入口44iから循環通路44に流入する。循環通路44に流入した液状の冷媒はガス状の冷媒に比較して高い熱伝達率をもつため、効率よく加熱されてガス化され、ひいては圧力容器40内の圧力を効率よく高めることができる。この結果、圧力容器40内の圧力は第1吐出用逆止弁48のリリーフ圧よりも高くなり、第1吐出用逆止弁48は開放し、圧力容器40の液状の冷媒はランキンサイクル用蒸発器5に供給される。
上記したように本実施形態によれば、吸入通路103から第1吸入用逆止弁47を介して液状の冷媒が圧力容器40に供給され毎に、圧力容器40の液状の冷媒はこれの液位4kが上昇するため入口44iから循環通路44に流入し、液状の冷媒は循環通路44において加熱されてガス化される。このように本実施形態によれば、圧力容器40の高圧化が必要とされるとき(圧力容器40の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に供給させたいとき)には、ガス放出弁46を開放すれば、吸入通路103から液状の冷媒を圧力容器40に供給させて循環通路44に流入させることができる。
これに対して、冷媒の液位4kが低下した後、ガス放出弁46を開とし吸入通路103から第1吸入用逆止弁47を介して液状の冷媒が圧力容器40に供給される行程では、入熱要素43Eに入熱される熱量は、熱ポンプには不要な熱となる。そのため、図6の構成をとれば、第1吸入用逆止弁47を介して液状の冷媒が圧力容器40に供給される行程では、冷媒の液位4kが循環通路44の入口44iよりも下方にある間は、循環通路44には冷媒ガスが充満した状態となり、冷媒の液相よりもガス相の熱伝達率が低いため、入熱量を抑える効果がある。換言すると、冷媒循環ポンプ4の循環通路44の出口44pが圧力容器40の上部に接続され、入口40iが圧力容器40上方の液位4kの上限位置に接続されている。上記同様に、外部熱が入熱要素43Eから入熱されるとき、圧力容器40全体の液状の冷媒に入熱しようとすると、液状の冷媒が過冷却状態の場合には、短時間に沸騰せず、蒸気を発生させない状態が考えられる。そのため、分岐された配管で形成された循環通路44の液状の冷媒を加熱させることにより、液状の冷媒の迅速な沸騰、ガス化が容易に得られる利点がある。
(実施形態5)
図7は実施形態5を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。本実施形態は、冷媒循環ポンプ4の吐出圧力の脈動防止を図る。図7に示すように、熱駆動式の冷媒循環ポンプ4A,Bが複数台並列に設置されている。冷媒循環ポンプ4Aは、圧力容器40Aと入熱要素43Aとをもつ。入熱要素43Aは、圧力容器40Aの液室41とガス層42とを連通させる循環通路44Aと、循環通路44Aに設けられた受熱フィン45Aとをもつ。冷媒循環ポンプ4Bは、圧力容器40Bと入熱要素43Bとをもつ。入熱要素43Bは、圧力容器40Bの液室41とガス層42とを連通させる循環通路44Bと、循環通路44Bに設けられた受熱フィン45Bとをもつ。エンジン等の機器の廃熱、太陽熱などの外部熱が受熱フィン45A,45Bに伝熱され、循環通路44A,44Bの冷媒が加熱され、冷媒の蒸発が進行する。図7に示すように、ランキンサイクル用蒸発器5は冷媒循環ポンプ4A,Bに共通化されている。
図7は実施形態5を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。本実施形態は、冷媒循環ポンプ4の吐出圧力の脈動防止を図る。図7に示すように、熱駆動式の冷媒循環ポンプ4A,Bが複数台並列に設置されている。冷媒循環ポンプ4Aは、圧力容器40Aと入熱要素43Aとをもつ。入熱要素43Aは、圧力容器40Aの液室41とガス層42とを連通させる循環通路44Aと、循環通路44Aに設けられた受熱フィン45Aとをもつ。冷媒循環ポンプ4Bは、圧力容器40Bと入熱要素43Bとをもつ。入熱要素43Bは、圧力容器40Bの液室41とガス層42とを連通させる循環通路44Bと、循環通路44Bに設けられた受熱フィン45Bとをもつ。エンジン等の機器の廃熱、太陽熱などの外部熱が受熱フィン45A,45Bに伝熱され、循環通路44A,44Bの冷媒が加熱され、冷媒の蒸発が進行する。図7に示すように、ランキンサイクル用蒸発器5は冷媒循環ポンプ4A,Bに共通化されている。
冷媒循環ポンプ4A,4Bはそれぞれ、前述したように、吸入通路103からの液状の冷媒の吸い込み、圧力容器40の圧力の上昇、第1供給通路101から高圧の液状の冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に向けて吐出させる動作を繰り返すため、ランキンサイクル用蒸発器5に液状の冷媒の吐出を間欠的に行う。このため、冷媒循環ポンプ4A,Bのポンプ出口である液吐出口105および膨張機21の入口21iである第2吸入ポート27の圧力とが脈動し、膨張機21に影響を与える可能性がある。この対策として本実施形態によれば、図7に示すように、2台の熱駆動式の冷媒循環ポンプ4A,Bを並列に接続し、冷媒循環ポンプ4A,Bを180°位相をずらせつつ交互に交代に運転させ、上記した吐出圧力の脈動を低減させることにしている。
この場合、図7に示す回路図において、熱駆動式の冷媒循環ポンプ4Aについて、第1ガス放出弁46Aが開放することにより、圧力容器40A内が低圧となり、レシーバタンクである液溜めタンク35から第1吸入用逆止弁47Aを通り、圧力容器40Aに液状の冷媒が吸入される。そして液状の冷媒の液位4kが圧力容器40Aの上限まで到達すると、第1ガス放出弁46Aが閉じ、第1吸入用逆止弁47Aも自動的に閉じる。このとき、他方の冷媒循環ポンプ4Bは入熱要素43Bからの入熱により、圧力容器40Bの液状の冷媒が蒸発し、圧力容器40B内の圧力を上昇させている。このように圧力容器40Bの圧力が高圧以上に上昇すると、第1吐出用逆止弁48Bが開き、液状の冷媒がランキンサイクル用蒸発器5に供給される。
次に、冷媒循環ポンプ4Aについては、圧力容器40A内の液状の冷媒の液位4kが上限まで到達し、第1ガス放出弁46Aが閉鎖し、第1吸入用逆止弁47Aも閉鎖した後、入熱要素43Aからの入熱により圧力容器40A内の液状の冷媒が蒸発し、蒸発したガスが圧力容器40Aのガス層42に溜まることにより、圧力容器40A内の圧力が上昇する。このように前記した圧力が高圧以上に上昇すると、冷媒循環ポンプ4Aにおいて第1吐出用逆止弁48Aが開き、液状の冷媒がランキンサイクル用蒸発器5に導入される。このとき、冷媒循環ポンプ4Aは、これの第1ガス放出弁46Aが開放することにより、圧力容器40A内が低圧となり、液溜めタンク35から第1吸入用逆止弁47Aを通り、圧力容器40Aに液状の冷媒が吸入される。液状の冷媒が上限まで到達すると第1ガス放出弁46Aが閉鎖し、第1吸入用逆止弁47Aも閉鎖する。以下、同様の動作を繰り返し、連続的にランキンサイクル用蒸発器5に高圧の液状の冷媒を吐出することにより、冷媒循環ポンプ4の吐出圧力の脈動を減少させて安定した吐出圧力が得られることが期待できる。
(実施形態6)
図8は実施形態6を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。熱駆動式の冷媒循環ポンプ4は、前述したように、液状の冷媒の吸い込み、圧力容器40内の圧力の上昇、高圧の液状冷媒の吐出の動作を繰り返すため、液状の冷媒を間欠的に吐出させることになる。このため、冷媒循環ポンプ4のポンプ出口である液吐出口105および膨張機21の入口21i側の第2吸入ポート27の圧力が脈動し、膨張機21に影響を与える可能性がある。この対策について以下に記す。
図8は実施形態6を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。熱駆動式の冷媒循環ポンプ4は、前述したように、液状の冷媒の吸い込み、圧力容器40内の圧力の上昇、高圧の液状冷媒の吐出の動作を繰り返すため、液状の冷媒を間欠的に吐出させることになる。このため、冷媒循環ポンプ4のポンプ出口である液吐出口105および膨張機21の入口21i側の第2吸入ポート27の圧力が脈動し、膨張機21に影響を与える可能性がある。この対策について以下に記す。
図8に示すように、本実施形態の装置は、膨張圧縮機2、ランキンサイクル用蒸発器5、凝縮器3、ヒートポンプ用蒸発器7、冷媒循環ポンプ4で構成されるランキンサイクル装置1と、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6とを組合せた熱駆動型のヒートポンプ装置である。ランキンサイクル装置1の構成要素である冷媒循環ポンプ4は、エンジン等の機器の廃熱や太陽熱などの外部熱の入熱により駆動する熱駆動式ポンプとされている。
上記における冷媒循環ポンプ4の構成として、図8に示すように、圧力容器40の下部に冷媒を吸入させる液吸入口107を設け、さらに液吸入口107を吸入用逆止弁47を介して液溜めタンク35に接続している。更に図8に示すように、圧力容器40の下部に、液状冷媒をランキンサイクル用蒸発器5に吐出させる液吐出口105を設けている。さらに液吐出口105を第1吐出用逆止弁48を介してランキンサイクル用蒸発器5の入口7iに接続している。また図8に示すように、圧力容器40のガス層42の上部に第1ガス放出口49を設け、第1ガス放出口49を第1ガス放出弁46を介して蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6における低圧部(圧縮機23の第2吸入ポート27側の低圧部位100w)に接続している。さらに、圧力容器40の液室41に、入熱要素としての入熱用熱交換器82を組み込んでいる。
本実施形態によれば、第1吐出用逆止弁48の開放タイミングと膨張機21の第1吸入用開閉弁91iの開放タイミングとを同期させる。また第1吐出用逆止弁48の閉鎖タイミングと膨張機21の第1吸入用開閉弁91iの閉鎖タイミングとを同期させる。これによりランキンサイクル用蒸発器5における脈動を抑制でき、冷媒循環ポンプ4の吐出圧力および膨張機21の入口圧力における脈動を低減させることができる。
なお、上記した開閉タイミングを同期させる他の方法として、圧力容器40の内圧を検知する圧力センサー200を設け、圧力応答式の第1吐出用逆止弁48に代えて、ソレノイドまたはモータで開閉されるポンプ吐出弁(図示せず)を設けても良い。この場合には、圧力センサー200の検知出力値に基づいて、ポンプ吐出弁および膨張機21の第1吸入用開閉弁91iの開放を同期させると共に、ポンプ吐出弁および膨張機21の第1吸入用開閉弁91iの閉鎖を同期させる。
(実施形態7)
図9は実施形態7を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。図9に示すように、液溜めタンク35の出口35pとヒートポンプ用蒸発器7の入口7iとの間には、膨張要素として機能するエジェクタ65が設けられている。エジェクタ65は、冷媒の膨張時における渦の発生を抑制できるものであり、冷媒を等エントロピー膨張させるものである。図9に示すように、エジェクタ65は、液溜めタンク35の出口35pに繋がる入口65iと、ヒートポンプ用蒸発器7の入口7iに繋がる出口65pと、圧力容器40のガス放出口49に脈動抑制用のバッファ210を介して繋がれた吸入口65eとをもつ。ランキンサイクル装置1の冷媒循環ポンプ4の第2供給通路102の他端部f(ガス放出口49)は、エジェクタ65の吸入口65eに連通している。圧縮機23の作動に伴い、液溜めタンク35の液状の冷媒は、入口65iからエジェクタ65に流入し出口65pからヒートポンプ用蒸発器7に向けて流れる。このとき、ガス放出弁46が開放すると、圧力容器40のガス状の冷媒は第2供給通路102を介してエジェクタ65の吸入口65eは(エジェクタ65の吸入部位)に吸入され、液溜めタンク35からヒートポンプ用蒸発器7に向けて流れる冷媒に合流される。
図9は実施形態7を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成、作用効果をもつ。図9に示すように、液溜めタンク35の出口35pとヒートポンプ用蒸発器7の入口7iとの間には、膨張要素として機能するエジェクタ65が設けられている。エジェクタ65は、冷媒の膨張時における渦の発生を抑制できるものであり、冷媒を等エントロピー膨張させるものである。図9に示すように、エジェクタ65は、液溜めタンク35の出口35pに繋がる入口65iと、ヒートポンプ用蒸発器7の入口7iに繋がる出口65pと、圧力容器40のガス放出口49に脈動抑制用のバッファ210を介して繋がれた吸入口65eとをもつ。ランキンサイクル装置1の冷媒循環ポンプ4の第2供給通路102の他端部f(ガス放出口49)は、エジェクタ65の吸入口65eに連通している。圧縮機23の作動に伴い、液溜めタンク35の液状の冷媒は、入口65iからエジェクタ65に流入し出口65pからヒートポンプ用蒸発器7に向けて流れる。このとき、ガス放出弁46が開放すると、圧力容器40のガス状の冷媒は第2供給通路102を介してエジェクタ65の吸入口65eは(エジェクタ65の吸入部位)に吸入され、液溜めタンク35からヒートポンプ用蒸発器7に向けて流れる冷媒に合流される。
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。実施形態1によれば、図2に示すように、第2供給通路102の他端部102fは、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうちヒートポンプ用蒸発器7の出口7pと圧縮機23の第2吸入ポート27との間における低圧部位100wに連通している。これに限らず、第2供給通路102の他端部102fは、図示しないものの、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうち膨張弁60の出口60pとヒートポンプ用蒸発器7の入口7iとの間における低圧部位に連通していても良い。また、第2供給通路102の他端部102fは、ヒートポンプ用蒸発器7の入口7iに直接的に繋がれていても良い。要するに、他端部102fは、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6において膨張弁60の出口60pと第2吸入ポート27との間に位置する低圧通路のうちのいずれかの部位に繋げることができる。凝縮器3および/または液溜めタンク35は、両サイクルに共用ではなく、互いに独立して設けても良い。
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。実施形態1によれば、図2に示すように、第2供給通路102の他端部102fは、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうちヒートポンプ用蒸発器7の出口7pと圧縮機23の第2吸入ポート27との間における低圧部位100wに連通している。これに限らず、第2供給通路102の他端部102fは、図示しないものの、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6のうち膨張弁60の出口60pとヒートポンプ用蒸発器7の入口7iとの間における低圧部位に連通していても良い。また、第2供給通路102の他端部102fは、ヒートポンプ用蒸発器7の入口7iに直接的に繋がれていても良い。要するに、他端部102fは、蒸気圧縮式ヒートポンプ装置6において膨張弁60の出口60pと第2吸入ポート27との間に位置する低圧通路のうちのいずれかの部位に繋げることができる。凝縮器3および/または液溜めタンク35は、両サイクルに共用ではなく、互いに独立して設けても良い。
本発明は、エンジンや燃料電池等の機器の廃熱、太陽熱、地熱などの外部熱を熱入力とし、冷房、暖房、給湯などに利用される。
1はランキンサイクル装置、2は膨張圧縮機、21は膨張機、23は圧縮機、35は液溜めタンク、4は冷媒循環ポンプ、40は圧力容器、41は液室、42はガス層、43は入熱要素43、44は循環通路、45は受熱フィン、46はガス放出弁(第1弁)、47は吸入用逆止弁(第2弁)、48は第1吐出用逆止弁(第3弁)、49はガス放出口、5はランキンサイクル用蒸発器、6は蒸気圧縮式ヒートポンプ装置、60は膨張弁(膨張要素)、65はエジェクタ(膨張要素)、7はヒートポンプ用蒸発器、91iは第1吸入用開閉弁、91pは第1吐出用開閉弁、92iは第2吸入用逆止弁、92pは第2吐出用逆止弁、100wは低圧部位、101は第1供給通路(液状冷媒供給通路)、102は第2供給通路(ガス状冷媒供給通路)、103は吸入通路(冷媒吸入通路)を示す。
Claims (5)
- (i)ランキンサイクル用の第1吸入ポートおよび第1吐出ポートをもつと共に蒸気圧縮サイクル用の第2吸入ポートおよび第2吐出ポートをもつと共に冷媒の膨張および圧縮を行う膨張圧縮機と、前記膨張圧縮機に接続され前記膨張圧縮機の前記第1吐出ポートおよび前記第2吐出ポートから帰還したガス状の冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器の出口側に接続され前記凝縮器で凝縮された液状の冷媒を加圧させる冷媒循環ポンプと、前記冷媒循環ポンプに接続され前記冷媒循環ポンプで加圧された液状の冷媒を蒸発させてガス状の冷媒とさせると共に前記膨張圧縮機の前記第1吸入ポートに供給させるランキンサイクル用蒸発器とを備えるランキンサイクル装置と、
(ii)前記凝縮器の出口側に接続され前記凝縮器で凝縮された液状の冷媒を膨張させる膨張要素と、前記膨張要素に接続され前記膨張要素で膨張させた冷媒を蒸発させると共に蒸発させたガス状の冷媒を前記膨張圧縮機の前記第2吸入ポートに吸入させるヒートポンプ用蒸発器とを備えると共に、前記ランキンサイクル装置に組み合わされた蒸気圧縮式ヒートポンプ装置とを具備しており、
(iii)前記冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式であり、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、前記圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもち、
前記圧力容器内のガス状の冷媒を前記蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち前記膨張要素と前記第2吸入ポートとの間の部位または前記膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、前記ガス状冷媒供給操作に伴い低圧化された前記圧力容器に前記凝縮器側の液状の冷媒を吸入させる冷媒吸入操作と、前記入熱要素からの入熱に基づいて前記圧力容器内の液状の冷媒を前記ランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する熱駆動型ヒートポンプサイクル装置。 - 請求項1において、前記冷媒循環ポンプは、
前記入熱要素からの入熱により加圧された前記圧力容器内の液状の冷媒を前記ランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給通路と、前記圧力容器内のガス状の冷媒を前記蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち前記膨張要素と前記第2吸入ポートとの間の部位または前記膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給通路と、前記圧力容器の低圧化に基づいて前記凝縮器側の液状の冷媒を前記圧力容器に吸入させる冷媒吸入通路とを具備する熱駆動型ヒートポンプサイクル装置。 - 請求項1または2において、前記ガス状冷媒供給通路は、開放に伴い前記圧力容器内のガス状の冷媒を前記蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち前記膨張要素と前記第2吸入ポートとの間の部位または前記膨張要素の吸入部位に供給させる第1弁を有し、
前記冷媒吸入通路は、前記圧力容器の低圧化に基づいて開放して前記凝縮器側の液状の冷媒を前記圧力容器に吸入させる第2弁を有し、
前記ガス状冷媒供給通路は、開放に伴い前記圧力容器内の液状の冷媒を前記ランキンサイクル用蒸発器に供給させる第3弁を有する熱駆動型ヒートポンプサイクル装置。 - 請求項1〜3のうちの一項において、前記冷媒循環ポンプは複数個設けられており、交代して運転される熱駆動型ヒートポンプサイクル装置。
- ランキンサイクル用蒸発器をもつランキンサイクル装置とヒートポンプ用蒸発器をもつ蒸気圧縮式ヒートポンプ装置とを組み合わせた請求項1〜4のうちの一項に係る熱駆動型ヒートポンプサイクル装置に用いられる冷媒循環ポンプであって、
前記冷媒循環ポンプは入熱で駆動される熱駆動式であり、ガス状の冷媒を溜めるガス層を形成するように液状の冷媒を収容する圧力容器と、前記圧力容器に収容されている冷媒に入熱させる入熱要素とをもち、
前記圧力容器内のガス状の冷媒を前記蒸気圧縮式ヒートポンプ装置のうち前記膨張要素と前記第2吸入ポートとの間の部位または前記膨張要素の吸入部位に供給させるガス状冷媒供給操作と、前記凝縮器側の液状の冷媒を前記圧力容器に吸入させる冷媒吸入操作と、前記入熱要素からの入熱に基づいて前記圧力容器内の液状の冷媒を前記ランキンサイクル用蒸発器に供給させる液状冷媒供給操作とを実行する熱駆動型ヒートポンプサイクル装置用の冷媒循環ポンプ。
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JP2011069982A JP2012202665A (ja) | 2011-03-28 | 2011-03-28 | 熱駆動型ヒートポンプサイクル装置およびこれに使用される冷媒循環ポンプ |
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---|---|---|---|---|
JP2017053254A (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | 株式会社ティラド | ランキンサイクル装置における潤滑方法 |
CN112460825A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-03-09 | 新疆维吾尔自治区寒旱区水资源与生态水利工程研究中心(院士专家工作站) | 单活塞压缩空气制冷循环装置 |
CN114856742A (zh) * | 2021-01-20 | 2022-08-05 | 浙江雪波蓝科技有限公司 | 朗肯循环系统及具有其的废热回收利用系统、车 |
-
2011
- 2011-03-28 JP JP2011069982A patent/JP2012202665A/ja not_active Withdrawn
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