JP2012201897A - 真空脱ガスシステム - Google Patents

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JP2012201897A JP2011064815A JP2011064815A JP2012201897A JP 2012201897 A JP2012201897 A JP 2012201897A JP 2011064815 A JP2011064815 A JP 2011064815A JP 2011064815 A JP2011064815 A JP 2011064815A JP 2012201897 A JP2012201897 A JP 2012201897A
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Kiyoharu Ito
清春 伊藤
Masanori Taniguchi
雅紀 谷口
Toshio Wada
利男 和田
Katsuyoshi Shiotsuki
賢好 塩月
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Abstract

【課題】吸引能力の強大な真空排気装置を適用することなく、システム内を所望の高真空雰囲気とでき、かつこの高真空雰囲気を維持することができるとともにダスト捕集性にも優れた真空脱ガスシステムを提供する。
【解決手段】真空脱ガス槽Tと、真空排気装置Eと、これらを繋ぐ配管系Lと、排ガスからダストを分離除去するダストセパレータ1と、からなる真空脱ガスシステム10において、ダストセパレータ1は、流入する排ガスが衝突するとともにその角度を変化自在な可動式の衝突板を備え、真空脱ガスシステム10は、衝突板の角度を調整してその開度を全閉から全開まで制御する制御部3と真空度を検知する真空度センサ2をさらに備え、真空度センサ2の検知データに基づいて制御部3が衝突板を回動させてその開度が制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、精鋼分野において二次精錬の際に適用される真空脱ガスシステムに関するものである。
製鋼分野の二次精錬をおこなう真空脱ガスシステム(RH式脱ガスシステム:RH(Ruhrstahl-Hausen))においては、真空排気装置(真空ポンプ、もしくは真空エジェクタ、もしくはそれらのユニット)によって真空脱ガスシステムの系内を真空処理し、溶鋼から発生するガスを吸引除去している。この真空脱ガスシステムの概要を図7を参照して概説する。
同図で示すように、真空脱ガスシステムESは、昇降自在な溶鋼鍋N上に位置決めされた真空脱ガス槽Tと、真空排気装置Eと、真空脱ガス槽Tと真空排気装置Eを繋ぐ配管系Lに配設されて脱ガス槽Tから真空排気装置Eによって吸引された(X1方向)排ガスの温度を低下させるガスクーラCと、このガスクーラCを通過した排ガスからダストを分離除去するダストセパレータDSとから大略構成されている。
溶鋼LSが収容された溶鋼鍋Nを上昇させて(Y1方向)真空脱ガス槽Tの下部ノズルTaに溶鋼LSを吸い上げ可能とし、真空排気装置Eを稼動させて真空脱ガス槽T内を真空雰囲気として溶鋼LSを真空脱ガス槽T内に吸い上げる。真空脱ガス槽T内で吸い上げられた溶鋼LSが真空雰囲気に曝されることによって溶鋼中のガス成分(C、O、N、H)の脱ガス(脱炭、脱酸、脱窒素、脱水素)がおこなわれ、この脱ガスの際に生じた排ガスをガスクーラCに通過させることでたとえば1000℃程度から300℃程度まで温度低下させ、温度が低下された排ガスをダストセパレータDSに通してここで排ガス中のダストをできる限り取り除き、ダストの一部が取り除かれた排ガスが真空排気装置Eへ吸引されるものである。
従来の真空脱ガスシステムでは、ダストセパレータ内に流入してきた排ガスを衝突板に衝突させて排ガス内のダストを分離除去する形態がある。このダストセパレータの内部構造を図8の縦断面図を参照して概説する。同図で示すダストセパレータDSは、その内部にガスクーラから送られてきた排ガスの流れ方向(X1方向)に直交する鉛直姿勢で固定式の衝突板Wが設けてあり、ダストセパレータDS内に流入してきた排ガスを衝突板Wに衝突させてその下流側への流れ方向を90度変化させながら、この衝突の際に排ガス中のダストを排ガスから分離させてダストセパレータDSの下端位置に堆積させ、ダストシュートShを介して除去するようになっている。
衝突板Wに衝突した排ガスはその流れ方向を90度変化されて衝突板Wに沿って下方へ流れ、衝突板Wの先端で上方へ回り込んでさらに流れ方向を180度変化させ、上方へ流れてダストセパレータDSから真空排気装置Eへ吸引されていく。
図示するダストセパレータDSを備えた真空脱ガスシステムでは、衝突板Wによって排ガスの流れ方向が90度、次いで180度と大きな方向転換を余儀なくされることからダストセパレータDS内における圧力損失が大きくなってしまう。システム内での圧力損失が大きいと、真空脱ガスシステム内をたとえば1〜1.5Torrかそれ以下の高真空雰囲気とし、さらにこの高真空雰囲気を維持することが極めて困難になる。そして、このような高真空雰囲気を形成し、維持するために吸引能力が強大で高規格な真空排気装置が必須となってしまい、設備コストと設備の運転コストがともに高騰するという課題が生じることになる。
そこで、特許文献1では、ダストセパレータ内における圧力損失を低減することのできる構造を備えたダストセパレータが開示されており、ここで開示されるダストセパレータを図9に模擬している。
同図で示すように、特許文献1で開示されるダストセパレータは固定式の衝突板W’を備えているが、この衝突板W’は鉛直方向の板でなくて、排ガスの流入方向に対して傾斜した角度の傾斜部とこれに連続する鉛直部から構成されたものであり、衝突板W’に対する排ガスの衝突の程度を緩和しながら、その流れ方向を除々に変化させるようにしてガス流れを滑らかにし、もって圧力損失を小さくして設備コストと設備の運転コストの軽減を図ることができる、というものである。
しかしながら、図9からも明らかなように、図8で示すダストセパレータに比して排ガスの流れ方向を除々に変化させることはできるが、依然として衝突板W’の下端で流れ方向を180度転換させるものであることから、大きな圧力損失低減効果を期待できるものではなく、システム内を高真空雰囲気としてこれを維持するには依然として吸引能力が強大な真空排気装置を要し、設備コストと設備の運転コストの低減を図ることはできない。
特許第3088442号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、システム内の真空度に応じて圧力損失を変化させることができ、もって吸引能力の強大な真空排気装置を適用することなく、システム内を所望の高真空雰囲気とでき、かつこの高真空雰囲気を維持することができるとともにダスト捕集性にも優れた真空脱ガスシステムを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による真空脱ガスシステムは、真空脱ガス槽と、真空排気装置と、これらを繋ぐ配管系と、この配管系に配設されて脱ガス槽から送られてきた排ガスからダストを分離除去するダストセパレータと、からなる真空脱ガスシステムにおいて、前記ダストセパレータは、流入する排ガスが衝突するとともに、排ガスの流入方向に対してその角度を変化自在な可動式の衝突板を備え、前記真空脱ガスシステムは、前記衝突板の角度を調整することによってその開度を全閉から全開まで制御する制御部と、真空脱ガスシステム内の少なくとも一箇所の真空度を検知して検知データを制御部へ送信する真空度センサをさらに備えており、前記真空度センサの検知データに基づいて前記制御部が衝突板を回動させてその開度を全閉状態から開状態に制御するものである。
本発明の真空脱ガスシステム(RH式脱ガスシステム)は、当該システムを構成するダストセパレータ内に固定式でなく、可動式の衝突板を配設しておき、システム内の真空度に応じてその開閉制御が制御部にて実行されるものである。
真空脱ガスシステム内がたとえば760Torr程度の大気圧下でシステムを稼動させると、真空脱ガス槽から多量のダストが発生する。このように多量のダストが発生する段階では、ダストセパレータ内の可動式の衝突板を閉じておき、これに排ガスを衝突させて排ガスからのダストの分離を積極的におこなう。すなわち、この段階ではダストセパレータにおける圧力損失は大きい。ここで、「全閉」もしくは「閉じた状態」とは、ダストセパレータ内に配された衝突板が排ガスの流れを塞いで流入してきた排ガスを衝突させ、衝突した排ガスの流れ方向を上下や左右に90度方向転換させることを意味している。すなわち、衝突板の全閉状態では、排ガスの衝突板に衝突する量が最も多く、この衝突による排ガス中のダスト除去率の最も高い状態である。
一方、「全開」とは、衝突板が排ガスの流れ方向に沿う向き、すなわち、流れ方向に平行な向きに姿勢制御されることを意味しており、この全開状態ではダストセパレータ内の圧力損失はない、もしくはほとんどない状態となっている。
本システムでは、ダストセパレータの入口位置や真空排気装置の入口位置などの適所に真空度センサが配設されてシステムの所望位置における真空度が随時センシングされ、その検知データが制御部に送信されるようになっている。
この制御部による制御形態として、たとえば以下の2つの制御形態を挙げることができる。
一つの制御形態は、前記制御部には真空度に関する閾値データが記憶されていて、真空度センサから送信される検知データが該閾値もしくはそれよりも高真空側となった段階で衝突板を回動させてその開度を全閉状態から開状態に制御する実施の形態である。
すなわち、制御部内に閾値データを記憶させる以外は、真空度のセンシングから衝突板の回動制御までの全てを自動制御する制御形態である。なお、この制御部は、運転室内のコンピュータ内に内蔵等されるものである。
一方、他の一つの制御形態は、たとえば運転室内にあるコンピュータ内に内蔵された制御部に検知データが随時送信され、送信されてきたデータが画面表示されるようになっていて、この画面表示を参照して運転操作者が衝突板を所望する角度となるように制御部に入力し、この入力に基づいて制御部から衝突板へ回動信号が送信され、その回動制御をおこなうものである。
システム内の真空度は760Torrから徐々に高まり、逆にダストの発生量は徐々に少なくなってくるが、制御部が受信した検知データが制御部内に記憶された閾値と同じか、もしくはそれよりも高真空側となった段階で制御部から衝突板に稼動信号が送信されて、閉状態の衝突板が開状態に制御されるようになっている。
たとえば100〜200Torr程度の真空状態となった段階で、真空脱ガス槽内に酸素を吹いて脱炭処理がおこなわれる。真空脱ガス槽内に酸素が提供されることからシステム内の真空度の高まりは低減するが、この脱炭処理の際の真空度を上記する閾値に設定し、脱炭処理後にダストセパレータ内の衝突板を開制御する制御形態などを挙げることができる。
なお、本明細書では、閉状態の衝突板が開きはじめる真空度、すなわち設定された閾値に対応する真空度よりも高真空な状態を高真空状態、もしくは高真空域と称するものとし、たとえば200Torr以下や100Torr以下、さらには50Torr以下の真空範囲が高真空域として規定され得る。そして、本システム内の真空度は、最終的に1.5Torr〜0.5Torr程度の真空度にまで減圧調整されることになる。
また、衝突板の開制御の形態としては大きく以下2つの形態が挙げられる。
衝突板の開制御の一つの実施の形態は、衝突板が回動して一気に全開される制御形態である。システム内の真空度が200Torrとなった段階でたとえば全閉状態の衝突板が一気に全開姿勢に制御されることから、システム内は圧力損失が最大の状態から一気に圧力損失なしの状態となる。
また、衝突板の開制御の他の実施の形態は、前記衝突板が回動して全開までその開度を徐々に大きくしていく制御形態である。
たとえば全閉状態の衝突板をシステム内の真空度が200Torrとなった段階でその開制御を実行し、真空度が5Torrとなるまでリニアに開度を大ききしていき、5Torrで全開とする制御形態を挙げることができる。
このような制御により、システム内が制御部内に記憶された閾値よりも低い真空度、すなわち低真空状態においては、ダストセパレータ内における圧力損失を大きくして排ガス中のダスト分離を促進させ、システム内が高真空状態となった段階で圧力損失をなしにして排ガス流れ(排ガス吸引)を促進させ、システム内を所望の高真空状態としながらこの高真空状態の維持を図ることが可能となる。
そして、この高真空状態の形成と維持に際しては、システム内の圧力損失がない、もしくはほとんどないことから、真空排気装置を形成する真空ポンプや真空エジェクタに吸引能力が強大で高規格のものを適用する必要は必ずしもない。すなわち、真空度センサからの信号によって開閉状態が制御される可動式の衝突板をダストセパレータ内に適用したことで、システム内の圧力損失をその真空度に応じて所望に制御することができ、特に高真空域ではダストセパレータ内の衝突板による圧力損失をなしに制御して排ガス流れを促進させ、もって可及的に吸引能力の小さな真空排気装置にてシステム内の高真空状態の形成と維持を実現することができる。さらに、ダスト発生量の多い低真空域では衝突板を閉状態としてダストセパレータ内の圧力損失を最大に制御することでダスト捕集率を高めることができる。
また、上記衝突板の実施の形態として、水平回動軸を中心に鉛直方向に回動する形態、もしくは鉛直回動軸を中心に水平方向に回動する形態を挙げることができる。
いずれの回動形態であっても、衝突板が閉じた状態においては、ダストセパレータ内における排ガスの流れを完全に遮断してその流れ方向を上下もしくは左右に90度転換させ、衝突板を回り込ませてダストセパレータから流出させることができ、衝突板が全開の状態では、圧力損失をなしにして排ガスのスムーズな流れ(吸引)を図ることができる。
また、上記衝突板においては、複数の前記水平回動軸もしくは前記鉛直回動軸のそれぞれに衝突板が回動自在に設けてあり、該複数の衝突板の全部が同期して開制御されているのが好ましい。
ダストセパレータ内において排ガスの流れを遮断したり、あるいはこの遮断の解除に当たっては、比較的面積の大きな1枚の衝突板が回動するよりも、2以上の相対的に小面積の衝突板が同期して回動する方が応答性もよく、かつ、回動の際に必要なスペースも少なくてよい。
上記する制御部から複数の全ての衝突板に開信号が同時に送信されるようにしておき、全ての衝突板を同期制御できる構成としておく。たとえば全ての衝突板が閉じている全閉姿勢から高真空域になった段階で全ての衝突板が一気に全開して全開姿勢に制御される形態や、高真空域になった段階で全ての衝突板が同期してリニアに開度を大きくしていく制御形態などを挙げることができる。
また、後者の開度を徐々に大きくしていく制御形態においてはさらに、複数の衝突板が同期して同様の開度拡大スピードでそれぞれの開度を大きくしていく形態のほかにも、複数の衝突板が同期して異なる開度拡大スピードでそれぞれの開度を大きくしていく形態もある。
以上の説明から理解できるように、本発明の真空脱ガスシステムによれば、システムを構成するダストセパレータ内に衝突板を可動式に設け、システム内に配設された真空度センサからの検知データを受信する制御部からの信号により、システム内の真空度に応じて衝突板の開閉制御が実行されることから、システム内が低真空域でダストの発生量が多い状態では衝突板を閉じてダストセパレータ内の圧力損失を最大とし、もって排ガス中のダスト捕集率を高めることができ、システム内が高真空域でその真空度を高める際には、衝突板を開いてダストセパレータ内の圧力損失を最小とし、もって可及的に吸引能力の小さな真空排気装置にてシステム内の高真空状態の形成と維持を実現することができる。
本発明の真空脱ガスシステムの全体構成を説明した図である。 (a),(b)ともにダストセパレータの実施の形態の縦断面図であって、衝突板の全閉状態を説明した図である。 (a),(b)はそれぞれ図2a,bに対応する図であって、衝突板の全開状態を説明した図である。 システム内の真空度とダスト発生量の時系列的な変化を説明した図である。 ダストセパレータの他の実施の形態の縦断面図であって、衝突板の全閉状態と全開状態をともに説明した図である。 図5のVI−VI矢視図である。 従来の真空脱ガスシステムの全体構成を説明した図である。 従来のダストセパレータの一実施の形態の縦断面図である。 従来のダストセパレータの他の実施の形態の縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の真空脱ガスシステムの実施の形態を説明する。なお、図示する真空脱ガスシステムは、なお、図1で示す本発明の真空脱ガスシステムにおいて、図7で示す従来の真空脱ガスシステムと同じ構成機器には同じ符号を付しており、以下では同様の説明は省略する。
図1は本発明の真空脱ガスシステムの全体構成を説明した図であり、図2a,bはダストセパレータの実施の形態の縦断面図であって、衝突板の全閉状態を説明した図であり、図3a,bはそれぞれ図2a,bに対応する図であって、衝突板の全開状態を説明した図である。
図示する真空脱ガスシステム10は、ガスクーラCとダストセパレータ1を繋ぐ配管系L内に真空度センサ2が配設されており、この真空度センサ2で当該領域、より具体的にはダストセパレータ1近傍領域の真空度が随時センシングされるようになっている。なお、真空度センサはそのほかにも、真空排気装置Eの手前の配管系L内等にも配設されていてもよく、真空度センサの配設位置が相違することでセンシング時が同じであっても各真空度センサによるセンシングデータは相違する。
真空度センサ2でセンシングされた検知データは、有線もしくは無線で制御部3が内蔵されたコンピュータに送信される。このコンピュータはたとえば製鋼工場施設内の運転室等に収容されており、制御部3で検知データを受信し、この受信データに基づいてダストセパレータ1内の衝突板4の開閉制御が実行される。
図示を省略するが、制御部3の内部には、真空度に関する閾値を記憶する記憶部と、真空度センサ2からの検知データを随時受信してこれを格納する格納部と、閾値と検知データの大小を随時比較する比較部と、ROMやRAM、中央演算部(CPU)等があり、各部がバスで繋がれた内部構造となっている。
ここで、図4には、システム内の真空度とダスト発生量の時系列的な変化を説明したグラフを示している。真空脱ガスシステム10内は、システムの稼動初期は760Torr程度の大気圧雰囲気となっている。そしてシステム10を稼動させると、真空脱ガス槽Tから多量のダストが発生し、多量のダストを含んだ排ガスがシステム10内を真空排気装置Eへ向かって流通する。
システム10内の真空度は760Torrから徐々に高まるが、逆にダストの発生量は徐々に少なくなってくる。
そして、100〜200Torr程度の真空状態となった段階で、真空脱ガス槽T内に酸素を吹いて脱炭処理がおこなわれる。真空脱ガス槽T内に酸素が提供されることからシステム10内の真空度の高まりは図4の点線の略フラットな領域で示すように低減する。
ここで、この脱炭処理の際の真空度は100〜200Torr程度であるが、たとえば200Torrを制御部3内に閾値として記憶させておき、真空度が200Torrとなった段階で制御部3からダストセパレータ1内にあるそれぞれの衝突板4,…に開制御信号が送信される。
なお、図4で示すシステム内の真空度とダスト発生量の時系列グラフにおいて、衝突板稼動の閾値を200Torrに規定したので、この200Torrよりも真空度の低い領域を低真空域、200Torrよりも真空度の高い領域を高真空域と規定する。
このように、図示する真空脱ガスシステム10では、制御部3には真空度に関する閾値データが記憶されていて、真空度センサ2から送信される検知データと閾値データを制御部3が自動的に比較し、検知データが閾値データを超えた段階で衝突板を回動させてその開度を全閉状態から開状態に制御するものであるが、このような完全自動制御形態以外にも、運転室内にあるコンピュータ内に内蔵された制御部3に検知データが随時送信され、送信されてきたデータが画面表示されるようになっていて、この画面表示を参照して運転操作者が衝突板を所望する角度となるように制御部3に入力し、この入力に基づいて制御部3から衝突板4へ回動信号が送信されてその回動制御をおこなう制御形態であってもよい。
ここで、図2,3で示すダストセパレータ1では、3つの衝突板4,…がそれぞれ固有の水平稼動軸5,…を中心に鉛直方向に回動自在となっている。
ダストセパレータ1から下流へ排ガスを流す配管系は、図2aで示す配管系Lの形態と図2bで示す配管系L’の形態の主に2種類存在しており、どちらのレイアウトが選定されるかは、その下流へ向けてガス流れがより一層スムーズになる(すなわち圧損がより少なく)形態が選定される。なお、図2aで示す配管系Lの形態は衝突板が閉じた状態であり、その衝突板が開いた状態を図3aに示しており、図2bで示す別途の配管系L’の形態は衝突板が閉じた状態であり、その衝突板が開いた状態を図3bに示している。
システム10内が200Torrよりも真空度の低い低真空域では、図2a,bで示すように各衝突板4,…が完全に閉じ、ダストセパレータ1内に流入してくる排ガス(X1方向)がこれら各衝突板4,…に対して略垂直に衝突し、この衝突の際の衝撃で排ガス中のダストが分離されて下方へ落下して堆積する。
一方、ダストの一部が分離された排ガスに関し、図2aの配管系形態の場合には、各衝突板4,…に衝突してその進路を90度上方に転換され(X2方向)、上方の配管系Lを介して下流の真空排気装置Eへ吸引されるようになり、一方、図2bの配管系形態の場合には、各衝突板4,…に衝突して衝突板4を回り込むようにして流入方向と同じ方向で(X3方向)下流の真空排気装置Eへ吸引される。
図2a,bで示す衝突板4,…の全閉状態では、ダストセパレータ1内の圧力損失が最大となり、排ガス中のダストの分離除去が積極的におこなわれる。なお、ダストセパレータ1の下方に堆積したダストは、排出弁6を作動させて適時にダストシュート7を介して外部排出される。
システム10内の真空度が高まり、200Torrの高真空域となった段階で制御部3からの信号を各衝突板4が受信し、固有の水平稼動軸5を中心に回動して開制御される。
ここで、この開制御の制御形態としては、一度に開度を全開して図3で示す排ガスの流れ方向X1と各衝突板4が平行な全開状態に制御する形態と、各衝突板4,…を同期してリニアに開度を徐々に大きくしていき、5Torr程度で全開となるように開制御する形態がある。
図3aで示す配管系Lの形態では、流入した排ガスの流れ(X1方向)をスムーズに上方の配管系Lに導くように各衝突板4,…が開き、各衝突板4に案内されるようにしてダストの一部が分離された排ガスが流下する(X4方向)。
一方、図3bで示す配管系L’の形態では、流入した排ガスの流れ(X1方向)と同じ方向で配管系L’にダストの一部が分離された排ガスが流下するように、各衝突板4,…がほぼ90度回動してその流下を案内する(X5方向)。
このように、高真空域では、排ガス中のダスト量も少ないことから、各衝突板4,…を全開状態としてダストセパレータ1内の圧力損失を最小とし、可及的に吸引能力の小さな真空排気装置Eにてシステム10内の高真空状態の形成と維持を実現できるようにする。なお、5Torrで全開となっているシステム10内の真空度は、最終的に1〜1.5Torr、好ましくは0.5Torr程度の超高真空状態とされる。
図5は、ダストセパレータの他の実施の形態を示しており、具体的には、衝突板の他の実施の形態を備えたダストセパレータを示しており、図6は図5を平面的に見た図である。
図示するダストセパレータ1Aでは、2つの衝突板4A,4Aがそれぞれ固有の鉛直稼動軸5A,5Aを中心に水平方向に回動自在に構成されたものである。
図5、図6の実線で示す全閉状態でダストセパレータ1A内の圧力損失が最大となり、流入してきた排ガスが各衝突板4Aに衝突してダストが分離され、流れ方向を90度上方に転換されて配管系L’を介して真空排気装置E側に吸引される(X5方向)。
システム10内が高真空域となった段階で図6の二点鎖線で示すように2つの衝突板4A,4Aが鉛直稼動軸5A,5Aを中心に水平方向に回動し、排ガスの流れ方向と平行に姿勢変更してダストセパレータ1A内の圧力損失を最小とし、排ガスを配管系L’を介して真空排気装置E側へ流通させる(X5方向)。
このように、図示する本発明の真空脱ガスシステム10によれば、システム10を構成するダストセパレータ1,1A内に衝突板4,4Aを可動式に設け、システム10内に配設された真空度センサ2からの検知データを受信する制御部3からの信号により、システム10内の真空度に応じて衝突板4,4Aの開閉制御が実行される。これにより、システム10内が低真空域でダストの発生量が多い状態では衝突板4,4Aを閉じてダストセパレータ1,1A内の圧力損失を最大とし、もって排ガス中のダスト捕集率を高めることができる。一方、システム10内が高真空域でその真空度を高める際には、衝突板4,4Aを開いてダストセパレータ1,1A内の圧力損失を最小とし、もって可及的に吸引能力の小さな真空排気装置Eにてシステム10内の高真空状態の形成と維持を実現することができる。
[従来構造の固定式の衝突板、および、本発明の真空脱ガスシステムのダストセパレータに適用される可動式の衝突板それぞれの圧力損失を算定した結果]
本発明者等は、従来構造の固定式の衝突板(比較例)と、本発明の真空脱ガスシステムのダストセパレータに適用される可動式の衝突板(実施例)それぞれの圧力損失を算定して双方の比較をおこなった。
比較例の固定式衝突板では圧力損失が0.6Torrほどであるが、実施例の可動式衝突板では圧力損失は0.1Torr程度にまで低減する。これは、実施例の衝突板が可動式のためにその開度を自在に調整できるからである。
一方、高真空処理時においては真空槽での圧力が0.5〜1.0Torr程度必要であることより、実施例のような可動式衝突板を採用することで容易に真空槽における高真空処理が可能となった。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1,1A…ダストセパレータ、2…真空度センサ、3…制御部(コンピュータ)、4,4A…衝突板、5…水平回動軸(回動軸)、5A…鉛直回動軸(回動軸)、6…排出弁、7…ダストシュート、10…真空脱ガスシステム、L,L’…配管系、B…遮断板、N…溶鋼鍋、T…真空脱ガス槽、LS…溶鋼、C…ガスクーラ、E…真空排気装置

Claims (5)

  1. 真空脱ガス槽と、真空排気装置と、これらを繋ぐ配管系と、この配管系に配設されて脱ガス槽から送られてきた排ガスからダストを分離除去するダストセパレータと、からなる真空脱ガスシステムにおいて、
    前記ダストセパレータは、流入する排ガスが衝突するとともに、排ガスの流入方向に対してその角度を変化自在な可動式の衝突板を備え、
    前記真空脱ガスシステムは、前記衝突板の角度を調整することによってその開度を全閉から全開まで制御する制御部と、真空脱ガスシステム内の少なくとも一箇所の真空度を検知して検知データを制御部へ送信する真空度センサをさらに備えており、
    前記真空度センサの検知データに基づいて前記制御部が衝突板を回動させてその開度を全閉状態から開状態に制御する真空脱ガスシステム。
  2. 前記制御部には真空度に関する閾値データが記憶されていて、真空度センサから送信される検知データが該閾値もしくはそれよりも高真空側となった段階で衝突板を回動させてその開度を全閉状態から開状態に制御する請求項1に記載の真空脱ガスシステム。
  3. 前記衝突板は、水平回動軸を中心に鉛直方向に回動する請求項1または2に記載の真空脱ガスシステム。
  4. 前記衝突板は、鉛直回動軸を中心に水平方向に回動する請求項1または2に記載の真空脱ガスシステム。
  5. 複数の前記水平回動軸もしくは前記鉛直回動軸のそれぞれに衝突板が回動自在に設けてあり、該複数の衝突板の全部が同期して開制御される請求項3または4に記載の真空脱ガスシステム。
JP2011064815A 2011-03-23 2011-03-23 真空脱ガスシステム Withdrawn JP2012201897A (ja)

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CN102943151A (zh) * 2012-10-24 2013-02-27 杭州杭真真空工程技术有限公司 一种采用全干式机械真空泵机组的钢液真空精炼系统

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CN102943151A (zh) * 2012-10-24 2013-02-27 杭州杭真真空工程技术有限公司 一种采用全干式机械真空泵机组的钢液真空精炼系统
CN102943151B (zh) * 2012-10-24 2015-05-06 杭州杭真真空工程技术有限公司 一种采用全干式机械真空泵机组的钢液真空精炼系统

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