JP2012201037A - 成形物を金型から取り出す離型方法 - Google Patents

成形物を金型から取り出す離型方法 Download PDF

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淳 間瀬
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正洋 堀
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Abstract

【課題】金型に形成された微細な形状が転写された成形物を金型から容易に取り出す方法を提供する。
【解決手段】振動子40に対して保持された金型10に同振動子によって高周波振動を付与することにより同金型によって作成された同金型内の成形物30を同金型の開放面側から取り出す離型方法において、前記振動子と前記金型との間に弾性を有する部材50を介在させた状態にて前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与する。
【選択図】図3

Description

本発明は、金型に超音波振動等の高周波振動を付与することによりその金型内に作成されている成形物をその金型から取り出す離型方法に関する。
金型に形成された微細な形状を樹脂等に転写するインプリント法が知られている。このインプリント法においては、微細形状が転写された成形物を金型から取り出す(離型する)ことが必要である。このような離型を行う方法の一つにおいては、圧電素子等によって「成形物を保持した金型の背面」に微細振動を加えている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2007−320037号公報(図13及び図14)
しかしながら、金型により作成される微細形状、その大きさ、成形物の材料及び金型の成形面の状態等によっては、容易に離型することできない場合がある。従って、本発明の目的の一つは、インプリント法等において「金型から成形物をより容易に取り出すことができる(即ち、より容易に離型することができる)離型方法」を提供することにある。
本発明の離型方法は、振動子に対して保持された金型に同振動子によって高周波振動を付与することにより同金型によって作成された同金型内の成形物を同金型の開放面側から取り出す離型方法に関する。本発明の特徴は、前記振動子と前記金型との間に「弾性を有する部材」を介在させた状態にて前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与することにある。
これによれば、振動子が振動したとき、振動子と金型との間に存在している「弾性を有する部材」が振動子の動きに追従できないと推定される。よって、「振動子の振動」と「弾性を有する部材を介して振動子に保持されている金型の振動」との間に位相差が発生すると考えられる。即ち、振動子と金型との相対位置関係(距離)が変化し、結果として、金型に「振動子に生じている加速度よりも大きな加速度(振動子の加速度の最大値よりも大きい加速度)」が生じると推定される。換言すると、金型により大きな力(慣性力)が加わるので、離型力(金型を成形物から離脱させるための力)を大きくすることができると考えられる。よって、離型を容易に行うことができる。
加えて、振動子の振動周波数と振幅とを増加させることにより振動子の加速度を大きくすれば金型の加速度を大きくすることができるが、そのようにするには離型のための装置が大型化する。これに対し、上記本発明による離型方法によれば、弾性を有する部材を振動子と金型との間に介在させるだけであるので、離型のための装置が大型化することを回避することができる。
前記振動子は「前記振動子の端部の面に一端が開口し且つ前記振動子を通過する吸着孔」を備えることができる。この場合、その吸着孔及び開口を用いて前記振動子の端部の面に「弾性を有する部材」を吸着させることによって、前記振動子と前記金型との間に「弾性を有する部材」を介在させることが好適である。
これによれば、金型に高周波振動が付与される際、「振動子の端部の面に形成された吸着孔の開口(開口縁部)をその振動子の端部の面と直交する方向に延長することによって形成される仮想柱と、金型と成形物とが接触している部分と、が交差する箇所」において成形物の伸縮及び歪の程度が最大となり、その部分が離型の開始箇所(離型の契機となる箇所)になると推定される。従って、上記のように、吸着孔及び開口を用いて振動子に金型を保持させれば、離型を容易に行うことが可能となる。更に、吸着孔の開口の位置は比較的自由に決めることができるので、離型の開始箇所が「微細な形状が形成されている成形物の部分(微細形状部)」以外の部分となるように、吸着孔の開口位置を決定することができる。その結果、離型によって成形物の微細形状部が破壊されることを回避することができる。
本発明の離型方法の態様の一においては、
前記金型の開放面と反対側の同金型の背面と前記振動子の端部の面とを対向させるとともに、前記金型の背面と前記振動子の端部の面との間に「前記弾性を有する部材としての弾性体」を介在させた状態にて前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与する。
これによれば、振動子が成形物と直接的に接触しないので、成形物が破損する可能性を低下させることができる。
本発明の離型方法の態様の他の一においては、
前記金型の開放面側に露呈した前記成形物の表面と前記振動子の端部の面とを対向させるとともに、前記成形物の表面と前記振動子の端部の面との間に「前記弾性を有する部材としての弾性体」を介在させた状態にて前記振動子に前記成形物を保持させることによって前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与する。
これによれば、離型後において成形物が振動子から落下しないので、成形物が落下によって破損する可能性を低下させることができる。
更に、本発明の離型方法の態様の他の一においては、
前記金型によって作成された成形物は弾性を有し、
前記金型の開放面側に露呈した前記成形物の表面と前記振動子の端部の面とを対向させ、それらの面を互いに密着させるか、又は、それらの面の間に弾性を有さない部材を介在させた状態にて、前記振動子に前記成形物を保持させることによって、前記成形物を前記弾性を有する部材として用いながら前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与する。
これによれば、成形物自体の弾性を利用して金型に大きな慣性力を付与することができると推定される。その結果、離型を促進することができるので、成形物とは別の弾性体を別途準備する必要がない。更に、離型後において成形物が振動子から落下しないので、成形物が落下によって破損する可能性を低下させることができる。加えて、前述した吸着孔及び開口を用いて振動子の端部の面に弾性を有する成形物を吸着させる場合には、その成形物が吸着孔により強固に保持されるので、離型の開始箇所(離型の契機となる箇所)をより容易に発生させることができると推定される。
本発明装置の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1の(A)は本発明の第1実施形態に係る離型方法(第1離型方法)において用いられる金型の平面図であり、図1の(B)は(A)の1−1線に沿った平面にて金型を切断した断面図であり、図1の(C)は(A)の2−2線に沿った平面にて金型を切断した断面図である。 図2は、成形体を作成する工程を説明するための図である。 図3の(A)は振動子の断面図であり、図3の(B)は振動子の先端部近傍を拡大した断面図であり、図3の(C)は振動子の先端部近傍を更に拡大した断面図である。 図4は図3に示した吸着用板体の正面図である。 図5の(A)は本発明の第2実施形態に係る離型方法(第2離型方法)において使用される振動子の先端部近傍を拡大した断面図であり、図3の(B)はその振動子の先端部近傍を更に拡大した断面図である。 図6の(A)は本発明の第3実施形態に係る離型方法(第3離型方法)において使用される振動子の先端部近傍を拡大した断面図であり、図3の(B)はその振動子の先端部近傍を更に拡大した断面図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る離型方法(以下、「第1離型方法」とも称呼する。)について説明する。なお、本発明の各実施形態に係る離型方法は、金型を用いた成形体製造方法(インプリント成形体製造方法)の一工程である。以下、成形体製造方法の工程に沿って説明を行う。但し、以下の工程は矛盾が生じない範囲において実施順序を入れ替えることができる。
(スラリー準備工程)
先ず、スラリーSLを準備する。スラリーSLは、主原料の粒子としてのセラミック粉末、セラミック粉末の溶剤、有機材料及び可塑剤からなっている。これらの重量比率は、例えば、セラミック粉末:溶剤:有機材料:可塑剤=100:50〜100:5〜10:2〜5である。本例において、セラミック粉末はアルミナ及びジルコニア等からなり、溶剤はトルエン及びイソプロピルアルコール等からなる。有機材料はポリビニルブチラール等からなる。可塑剤はフタル酸系ブチルである。各材料及び重量比率は、これらに限定されるものではない。更に、このスラリーの粘性は、例えば、0.1〜100Pa・secであることが望ましい。
<型準備工程>
次に、第1離型方法において使用される金型(押し型・スタンパ)10を準備する。図1の(A)は、金型10の概略平面図である。図1の(B)は、図1の(A)の1−1線に沿った平面にて金型10を切断した断面図である。図1の(C)は、図1の(A)の2−2線に沿った平面にて金型10を切断した断面図である。
金型10は略直方体形状を有する。即ち、金型10は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸に平行な辺を有する。金型10の高さ(厚さ)方向はZ軸方向である。金型10は、基部11、外枠部12、内枠部13及び複数の立設部14を備えている。
基部11はZ軸方向に厚さを有する平板状であり、その平面視の形状は長方形である。
外枠部12は、基部11の外周部において基部11から立設している。従って、外枠部12の平面視における形状は、所定の幅を有する長方形の枠体である。
内枠部13は、外枠部12の内側において基部11から立設している。内枠部13の平面視おける形状は長方形である。内枠部13の高さは、外枠部12の高さよりも僅かに低い。
複数の立設部14は、内枠部13の内側において基部11から立設している。立設部14はY軸方向に長手方向を有する四角柱形状を有している。立設部14の高さは内枠部13の高さと同一である。複数の立設部14はX軸方向において所定の距離を隔てて配置されている。
この金型10は、立設部14が立設している側が成形面であり、成形面側において開放されている。開放面10b側と反対の金型10の背面(閉鎖面)10aはX−Y平面に平行であり、平坦である。なお、第1離型方法及び本発明の他の実施形態において使用される金型は、成形物を成形する成形面側において開放されていればよく、金型10に限定されることはない。
金型10の成形面は離型剤により被覆されていることが好ましい。この場合、金型10と離型剤との密着力を向上させるために、離型剤を金型10(金型10の成形面、即ち、離型面)に塗布する前に金型10の洗浄を行っておくことが望ましい。この洗浄は、超音波洗浄、酸洗浄、アルカリ洗浄、及び、紫外線オゾン洗浄等により行うことができる。この洗浄により、離型剤が塗布される予定の成形面(洗浄表面)が原子レベルにまで清浄されることが好ましい。離型剤の一例は、ダイキン工業株式会社製の「オプツールDSX」等のフッ素系離型剤である。離型剤は、シリコン系又はワックス系の離型剤であってもよい。離型剤は、ディッピング、スプレー塗布、及び、刷毛塗り等により塗布された後、乾燥及び洗浄の各工程を通して型の表面に膜状に形成される。型の表面を、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングによる無機膜処理によって被覆してもよい。加えて、型の表面を、「DLCコーティングによる無機膜処理」と「離型剤による被覆処理」との組み合わせにより被覆してもよい。
(多孔質板準備工程)
次に、図2に示したように、気体が通過可能な多孔質板20を準備する。多孔質板20の少なくとも一つの面20u(実際には両面)は平面である。このような多孔質板20の代表例は、樹脂からなる多孔質フィルムである。多孔質板20の細孔径(平均細孔径、目開き)は、スラリーSLのセラミック粉末の粒径(平均粒子径)よりも小さく、溶剤の分子径よりも大きい。より具体的には、多孔質板20は、その細孔径が1μm以下(更に、望ましくは0.5μm以下)の「ポリプロピレン及びポリオレフィン等」からなる多孔質フィルムである。なお、多孔質板20は、多孔質セラミック基板、及び、多孔質金属(例えば、焼結金属)基板等であってもよい。
(成形体作成工程)
更に、図2に示したように、金型10の外枠部12よりも内側(金型10の内部)にスラリーSLを充填する。スラリーSLの充填は塗布により行われる。この工程は「スラリー充填(塗布)工程」とも称呼される。スラリーSLは、塗布以外の適当な方法(例えば、ディッピング、スキージ、刷毛塗り、及び、ディスペンサーによる充填等)により充填されてもよい。
次に、スラリーSLを「多孔質板20の平面20uと金型10の成形面との間」に存在させた状態において、多孔質板20と金型10(金型の開放面10b)とが対向するように、多孔質板20と金型10とを配置する。即ち、スラリーSLが充填された金型10を多孔質板20の平面20uの上に搭載する。このとき、金型10を多孔質板20に対して適当な力で押圧してもよい。
この結果、図2に矢印により示したように、「金型10の内部に保持されているスラリーSL」に含まれる溶剤が、毛細管現象によって、多孔質板20の平面20u近傍の細孔内に浸み込むとともに気化(蒸発)する。これにより、スラリーSLが乾燥して行く。この結果、スラリーSLは乾燥され固化し、乾燥後の成形物30が「金型10と多孔質板20との間」に作成される。即ち、金型10の成形面の形状が転写された成形体が作成される。なお、内枠部13の内側に相当する部分(複数の立設部14により成形される部分)は便宜上「微細形状部」とも称呼される。その後、「金型10及び成形物30」と多孔質板20とを分離する。
(離型工程:離型方法)
次に、図3の(A)〜(C)に示したように、振動子40に「その内部に成形物30が作成されている金型10」を保持させる。振動子40は金型10に高周波振動(超音波振動)を付与するためのものである。図3の(A)は振動子40全体の断面図、図3の(B)は振動子40の先端部近傍を拡大した断面図、図3の(C)は振動子40の先端部近傍を更に拡大した断面図である。
より具体的に述べると、振動子40は円柱部40aと円錐台部40bと吸着用板体41とを備えている。この形態の振動子40は、一般に超音波ホーン(振動体)と称呼され、振動素子の微小な振幅の振動を増幅するように設計されている。円柱部40aと円錐台部40bとは同軸的に配置され一体化されている。振動子40は図示しない振動発生装置により振動させられる。その振動の振幅は所定の振幅(例えば、60μm)であり、その振動の周波数は所定の高周波数(例えば、28kHz)である。振動子40の内部には第1吸着孔40cが形成されている。第1吸着孔40cの一端は、振動子40の円錐台部40bの頂面に到達している。第1吸着孔40cの他端は、振動子40の円柱部40aの側面に到達し、更に、図示しない真空発生装置(例えば、真空ポンプ)に接続されている。
吸着用板体41は、振動子40の円錐台部40bの頂面に、第1吸着孔40cを閉じるように取り付けられている。吸着用板体41は、図4にも示したように、所定の直径(例えば、25mm程度)を有する円盤形状を備える。吸着用板体41は、複数(本例において、合計8個)の小径(例えば、直径1mm程度)の第2吸着孔41aを備えている。各第2吸着孔41aは、吸着用板体41を貫通している。各第2吸着孔41aは、振動子40の外部と振動子40内の第1吸着孔40cとを連通させている。
再び、図3の(A)〜(C)を参照すると、成形物30を保持した金型10は、「弾性を有する部材としての弾性体50」を介して吸着用板体41に保持されている。弾性体50は本例においてカプトン(登録商標)テープである。このテープは、ポリイミドにシリコン系粘着材を塗布した両面テープである。即ち、金型10は、その背面(開放面10b側と反対側の面)10aが弾性体50の一面に接着される。弾性体50の他面は吸着用板体41の外表面(露呈面)41cに接着される。加えて、第1吸着孔40c及び第2吸着孔41a内の圧力は低下させられ、それによって、弾性体50及び金型10は振動子40に吸着される。なお、吸着用板体41は、図4に仮想線により示したように、金型10の内枠部13の内側の部分(即ち、微細形状部)の直上(Z軸方向)に第2吸着孔41aが存在しないように、設計されている。
このように金型10が振動子40に対して保持された状態にて、振動子40を前述した振幅及び周波数にて振動させ、それにより金型10を振動させる。
このとき、振動子40と金型10との間に存在している「弾性を有する部材50」が振動子40の動きに追従できないと推定される。よって、「振動子40の振動」と「金型10の振動」との間に位相差が発生すると推定される。即ち、振動子40と金型10との相対位置関係(距離)が変化し、金型10に「振動子40に生じている加速度よりも大きな加速度」が生じると推定される。これにより金型10により大きな力(慣性力)が加わるので、離型力(金型10を成形物30から離脱させるための力)を大きくすることができると推定される。この結果、成形物30が金型10から離脱する。即ち、離型が行われる。
(焼成工程等)
その後、成形物30は焼成され、その焼成された成形体に圧電素子等が必要に応じて形成・固定される。
以上、説明したように、第1離型方法において、振動子40は「振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)に一端が開口し且つ振動子40を通過する吸着孔(第1吸着孔40c及び第2吸着孔41aからなる吸着孔)」を備えている。更に、第1離型方法においては、その吸着孔と、その吸着孔の開口と、を用いて振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)に「弾性を有する部材50」を吸着させることによって、振動子40と金型10との間に「弾性を有する部材50」を介在させている。
これにより、金型10に高周波振動が付与される際、「振動子40の端部の面に形成された吸着孔(第2吸着孔41a)の開口(開口縁部)をその振動子40の端部の面と直交する方向に延長することによって形成される仮想柱(図3の(C)の仮想線Cを参照。)と、金型10と成形物30とが接触している部分と、が交差する箇所(図3の(C)の点Dを参照。)」において成形物30の伸縮及び歪の程度が最大となると推定される。よって、その部分(点Dを参照。)が離型の開始箇所(離型の契機となる箇所)となると推定される。
従って、第1離型方法のように、吸着孔(第2吸着孔41a)及びその開口を利用して振動子40に金型10を保持させれば、離型をより容易に行うことが可能となる。
更に、吸着孔の開口の位置(第2吸着孔41aの位置)は比較的自由に決めることができるので、離型の開始箇所が「微細な形状が形成されている成形物30の部分(微細形状部)」以外の部分となるように、吸着孔の開口位置(第2吸着孔41aの位置)を決定することができる(図4を参照。)。その結果、離型によって成形物30の微細形状部が破壊されることを回避することができる。
更に、第1離型方法においては、
金型10の開放面10bと反対側の面(金型10の背面)10aと、振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)と、を対向させるとともに、金型10の背面10aと振動子40の端部の面41cとの間に「弾性を有する部材としての弾性体である両面ポリイミドテープ50」を介在させた状態にて振動子40に金型10を保持させ、その状態にて振動子40を振動させることによって金型10に高周波振動を付与している。
従って、振動子40が成形物30と直接的に接触しないので、成形物30が離型時に破損する可能性を低下させることができる。
なお、金型10に振動子40によって高周波振動を付与して離型を行う場合、その金型10に振動子40以外の部材を用いて引張力及び/又は圧縮力を意図的に付与し、それによって、「振動子40の振動」と「金型10の振動」との間の位相差を大きくしてもよい。これにより金型10により大きな力(慣性力)が加わるので、離型力を一層大きくすることができると推定される。
更に、「弾性体50と金型10とからなる系の固有振動数」が「離型工程における振動子40の振動数」に近くなるように、弾性体50及び金型10の少なくとも一方を設計することが好ましい。即ち、「弾性体50と金型10とからなる系の固有振動数」が「離型工程における振動子40の振動数」に近くなるように、弾性体50の弾性特性及び/又は金型10の質量を調整することが好ましい。これによれば、「弾性体50と金型10とからなる系」を共振状態(又は共振状態に近い状態)にて振動させることができるので、金型10の加速度をより大きくすることができ、離型力を一層大きくすることができると推定される。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る離型方法(以下、「第2離型方法」とも称呼する。)について説明する。第2離型方法は、金型10が「弾性体及び成形物」を介して振動子40に保持される点のみにおいて第1離型方法と相違している。従って、以下、この相違点について説明する。
図5の(A)及び(B)に示したように、成形物30を保持した金型10は、その開放面10b側(即ち、成形物30が形成されている側)が吸着用板体41の外表面41cに対向するように配置され、且つ、成形物30と吸着用板体41との間には「弾性を有する部材としての弾性体55」が介在させられている。
弾性体55は本例においてカプトンテープである。成形物30の表面は弾性体55の一面に接着される。弾性体55の他面は吸着用板体41の外表面41cに接着される。加えて、第1吸着孔40c及び第2吸着孔41a内の圧力は低下させられ、それによって、弾性体55及び成形物30は振動子40に吸着される。その結果、金型10は振動子40に保持される。
このように金型10が振動子40に対して保持された状態にて、振動子40を前述した振幅及び周波数にて振動させ、それにより金型10を振動させる。
このとき、振動子40と成形物30との間に存在している「弾性を有する部材(カプトンテープ)55」が振動子40の動きに追従できないと推定される。更に、成形物30自体も弾性を有する。よって、「振動子40の振動」と「金型10の振動」との間に位相差が発生すると推定される。即ち、振動子40と金型10との相対位置関係(距離)が変化し、金型10に「振動子40に生じている加速度よりも大きな加速度」が生じると推定される。これにより金型10により大きな力(慣性力)が加わるので、離型力を大きくすることができると推定される。この結果、金型10が成形物30から離脱する。即ち、離型が行われる。
以上、説明したように、第2離型方法は、振動子40と金型10との間に「弾性を有する部材55」を介在させた状態にて振動子40に金型10を(成形物30を介して)保持させ、その状態にて振動子40を振動させることによって金型10に高周波振動を付与する方法である。
更に、「弾性を有する部材55、成形物30及び金型10」は、「吸着孔(第1吸着孔40c及び第2吸着孔41a)及びその開口」を用いて、振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)に吸着させられる。これによれば、前述した仮想柱(図5の(B)の仮想線Cを参照。)と、金型10と成形物30とが接触している部分と、が交差する箇所(図5の(B)の点Dを参照。)」において成形物30の伸縮及び歪の程度が最大となると推定される。よって、その部分(点Dを参照。)が離型の開始箇所となると推定されるので、離型をより確実に行うことができる。
また、第2離型方法は、「金型10の開放面10b側に露呈した成形物30の表面と振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)とを対向させるとともに、成形物30の表面と振動子40の端部の面(外表面41c)との間に「弾性を有する部材としての弾性体55」を介在させた状態にて、振動子40に成形物30を保持させることによって前記振動子40に前記金型10を保持させ、その状態にて前記振動子40を振動させることによって前記金型10に前記高周波振動を付与する離型方法」であると言うこともできる。
従って、離型後において成形物30は弾性を有する部材55を介して振動子40に吸着されているので、振動子40から落下しない。よって、成形物30が落下によって破損する可能性を低下させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る離型方法(以下、「第3離型方法」とも称呼する。)について説明する。第3離型方法は、金型10が「弾性を有する部材として機能する成形物30」を介して振動子40に保持される点のみにおいて第1離型方法と相違している。従って、以下、この相違点について説明する。
図6の(A)及び(B)に示したように、成形物30を保持した金型10は、その開放面10b側(即ち、成形物30が形成されている側)が吸着用板体41の外表面41cに対向するように配置される。更に、成形物30の表面(露呈面)と吸着用板体41の外表面41cとが密着させられた状態にて、第1吸着孔40c及び第2吸着孔41a内の圧力が低下させられる。それによって、成形物30は振動子40に吸着される。その結果、金型10は振動子40に保持される。
このように金型10が振動子40に対して保持された状態にて、振動子40を前述した振幅及び周波数にて振動させ、それにより金型10を振動させる。
このとき、成形物30自身が有する弾性により成形物30が振動子40の動きに追従できないと推定される。よって、「振動子40の振動」と「金型10の振動」との間に位相差が発生すると推定される。即ち、振動子40と金型10との相対位置関係(距離)が変化し、金型10に「振動子40に生じている加速度よりも大きな加速度」が生じると推定される。これにより金型10により大きな力(慣性力)が加わると推定されるので、離型力を大きくすることができると推定される。この結果、金型10が成形物30から離脱する。即ち、離型が行われる。
以上、説明したように、第3離型方法も、第1離型方法と同様、振動子40と金型10との間に「弾性を有する部材としての成形物30」を介在させた状態にて振動子40に金型10を(成形物30を介して)保持させ、その状態にて振動子40を振動させることによって金型10に高周波振動を付与する方法である。
更に、「弾性を有する部材としての成形物30及び金型10」は、「吸着孔(第1吸着孔40c及び第2吸着孔41a)及びその開口」を用いて、振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)に吸着させられる。これによれば、前述した仮想柱(図6の(B)の仮想線Cを参照。)と、金型10と成形物30とが接触している部分と、が交差する箇所(図6の(B)の点Dを参照。)」において成形物30の伸縮及び歪の程度が最大となると推定される。よって、その部分(点Dを参照。)が離型の開始箇所となると推定されるので、離型をより確実に行うことができる。
また、第3離型方法は、「金型10の開放面10b側に露呈した成形物30の表面(露呈面)と振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)とを対向させ、それらの面を互いに密着させた状態にて振動子40に成形物30を保持させることによって、前記成形物30を「弾性を有する部材」として用いながら前記振動子40に前記金型10を保持させ、その状態にて前記振動子40を振動させることによって前記金型10に前記高周波振動を付与する離型方法」であると言うこともできる。
これによれば、成形物30自体の弾性を利用して金型10に大きな慣性力を付与することができると推定され、それにより離型を促進することができるので、成形物30とは別の弾性体を別途準備する必要がない。更に、離型後において成形物30が振動子40から落下しないので、成形物30が落下によって破損する可能性を低下させることができる。加えて、「吸着孔(第1吸着孔40c及び第2吸着孔41a)及びその開口」を用いて振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)に成形物30を吸着させている。よって、その成形物30が吸着孔により強固に保持されるので、離型の開始箇所(離型の契機となる箇所)をより容易に発生させることができると推定される。
なお、第3離型方法において、金型10の開放面10b側に露呈した成形物30の表面(露呈面)と振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)とを対向させ、更に、それらの間に「弾性を有さない部材」を介在させてもよい。即ち、図5の(A)及び(B)に示した「弾性を有する部材としての弾性体55」を「弾性を有さない部材(弾性を実質的に有さない部材)」に置換してもよい。
このような「弾性を実質的に有さない部材」の代表例は、両面粘着加熱剥離シート(常温においては通常の粘着シートであり、加熱すると容易に剥離することができるシート、例えば、リバアルファ(登録商標))である。
この場合、第3離型方法は、「金型10の開放面10b側に露呈した成形物30の表面(露呈面)」と「振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)」とを対向させ、それらの面の間に弾性を有さない部材を介在させた状態にて振動子40に成形物30を保持させることによって、前記成形物30を「弾性を有する部材」として用いながら前記振動子40に前記金型10を保持させ、その状態にて前記振動子40を振動させることによって前記金型10に前記高周波振動を付与する離型方法である。
この場合にも、成形物30自体の弾性を利用して金型10に大きな慣性力を付与することができると推定されるので、離型を促進することができる。更に、離型後において成形物30が振動子40から落下しないので、成形物30が落下によって破損する可能性を低下させることができる。加えて、「吸着孔(第1吸着孔40c及び第2吸着孔41a)及びその開口」を用いて振動子40の端部の面(吸着用板体41の外表面41c)に「弾性を有さない部材及び成形物30」を吸着させている。
従って、図5の(B)の点Dの部分において成形物30の伸縮及び歪の程度が最大となると推定されるので、その部分を離型の開始箇所にすることができると推定される。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、成形物30はセラミックスラリーの乾燥体でなくてもよく、樹脂からなっていてもよい。更に、振動子40を上部と下部とに2分割し、上部と下部との間に弾性膜を介在させてもよい。この場合、上部を振動子とみなせるので、結果的に振動子と金型との間に「弾性を有する部材(弾性膜)」を介在させた状態にて振動子に金型を保持させた状態と同じことになる。加えて、吸着用板体41の外表面(露呈面)41cに凸部又は凹部を設けても良い。これにより、その凸部又は凹部を「振動子40の端部の面と直交する方向に延長した領域」であって、金型10と成形物30とが接触している部分を、離型の開始箇所(離型の契機となる箇所)とすることもできる。
10…金型、10a…背面、10b…開放面、11…基部、12…外枠部、13…内枠部、14…立設部、20…多孔質板、30…成形物、40…振動子、40c…第1吸着孔、41…吸着用板体、41a…第2吸着孔、41c…外表面、50…弾性体、55…弾性体。

Claims (5)

  1. 振動子に対して保持された金型に同振動子によって高周波振動を付与することにより同金型によって作成された同金型内の成形物を同金型の開放面側から取り出す離型方法において、
    前記振動子と前記金型との間に弾性を有する部材を介在させた状態にて前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与することを特徴とする離型方法。
  2. 請求項1に記載の離型方法において、
    前記振動子は、前記振動子の端部の面に一端が開口し且つ前記振動子を通過する吸着孔を備え、
    前記吸着孔及び前記開口を用いて前記振動子の端部の面に前記弾性を有する部材を吸着させることによって前記振動子と前記金型との間に前記弾性を有する部材を介在させる離型方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の離型方法において、
    前記金型の開放面と反対側の同金型の背面と前記振動子の端部の面とを対向させるとともに、前記金型の背面と前記振動子の端部の面との間に前記弾性を有する部材としての弾性体を介在させた状態にて前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与することを特徴とする離型方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の離型方法において、
    前記金型の開放面側に露呈した前記成形物の表面と前記振動子の端部の面とを対向させるとともに、前記成形物の表面と前記振動子の端部の面との間に前記弾性を有する部材としての弾性体を介在させた状態にて前記振動子に前記成形物を保持させることによって前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与することを特徴とする離型方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の離型方法において、
    前記金型によって作成された成形物は弾性を有し、
    前記金型の開放面側に露呈した前記成形物の表面と前記振動子の端部の面とを対向させ、それらの面を互いに密着させるか、又は、それらの面の間に弾性を有さない部材を介在させた状態にて、前記振動子に前記成形物を保持させることによって、前記成形物を前記弾性を有する部材として用いながら前記振動子に前記金型を保持させ、その状態にて前記振動子を振動させることによって前記金型に前記高周波振動を付与することを特徴とする離型方法。
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