JP2012198936A - 光学式情報読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 照合機能をバーコードリーダ単体で実施でき、さらにこれらの機能に有益な機能を簡単に呼び出せる手段を設ける。
【解決手段】バーコードに光を照射する照射部を前面に備えるヘッド部と、該ヘッド部から下方に延長された把手部とからなり、ヘッド部が把手部から光の照射方向前方に突出したガンタイプ形状を有する光学式情報読取装置において、把手部のヘッド部との境界付近前面に設けられ、照射部に照射指示を行うためのトリガスイッチと、ヘッド部の把手部が設けられた下方とは反対側の上面に設けられ、予め設定された所定の機能を実行するためのファンクションスイッチと、トリガスイッチの操作を受け付けて照射部に光を照射させ、ファンクションスイッチの操作を受け付けて予め設定された機能を実行する制御手段と、ファンクションスイッチとトリガスイッチの動作状態を表示するLED表示部を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、バーコードを読み取ってデータの登録、照合が可能な定置型の光学式情報読取装置に関する。
今日、商品コードの識別などの用途にバーコードが用いられている。バーコードは、種々の幅の線条を隣接して並べてバー部分と空白部分によって英数字を表現することができ、例えばユニバーサルプロダクトコードを表現する。
バーコードは一般に黒など反射率の低いバーと、白など印字のない空白部分で反射率の高い部分を交互に配置して、英数字などからなる所望の情報を記録している。バーコードをシールなどに印刷しバーコードラベルとして対象物に張り付ける形態や、対象物に直接印刷した形態で利用される。バーコードに対しレーザ光などの光線を走査し、反射光を受光部の受光素子で検出することによりバーコードのバーおよびスペースの幅を測定する。得られたアナログ信号をデコードすることで、バーコードにエンコードされた情報を読み取る。
光学パターンであるコードには、一次元バーコードや二次元コード(データシンボル)がある。一次元バーコードには、通常、商品等に付けられているJAN(EAN)コードを始めとして、CODE39、ITF、インダストリアル2of5、NW−7、CODE128などの種類があり、アメリカ合衆国を中心に使用されているUPC−A、UPC−Eもある。
一方、二次元コードは、大別するとスタック式、マトリックス式がある。スタック式は、一次元バーコードを積み重ねたような形であり、通常、垂直方向には情報を有しない。マトリックス式は、多角形(一般に正方形)であり、情報を白黒の枡目で縦横方向のモザイク状の構成となっており、水平方向と垂直方向とに情報を有する。スタック式としては、PDF417、CODE49などがあり、マトリックス式としては、QRコード、データコード、ベリコード、CPコードなどがある。
このような光学パターンを読み取るために、光学式の情報読取装置が使用される。例えばバーコードをスキャンするバーコード走査装置は、一般にバーコードリーダやバーコードスキャナなどと呼ばれる。
バーコード走査装置は、一般に図1に示すような構成を備える。この図に示すバーコード走査装置は、バーコード読取部1と信号処理回路2を備えており、バーコードの印刷されたバーコードラベル3をバーコード読取部1で走査し、反射光を検出して信号処理回路2でバーコードの有する情報を読み出す。
図1においてレーザ投光回路4はレーザ光などの光をガルバノミラー5に照射し、その反射光をバーコード上に走査される。バーコードを構成するバー部分と空白部分では黒白により反射率が異なり、空白部分は反射光量が強く、逆にバー部分は反射光量が弱い。これらの反射光量をガルバノミラー5を介して集光ミラー6で集光し、バンドパスフィルタ7と受光素子8であるフォトダイオードにより時系列のアナログ信号として取り出す。受光されたアナログ信号は信号処理回路2に送られる。
信号処理回路2は、バーコード読取部1からの信号を受け取る受光回路9、受光回路の出力の交流成分を通過するACカップリング回路14、ACカップリング回路14で得られた交流成分の出力信号を増幅する増幅回路10、この増幅信号をフィルタするフィルタ回路11、さらに二値化する二値化回路12、およびバーコードに記録された情報を解読する復号回路13を有する。復号回路13は一般にCPUなどで構成され、二値化回路12で二値化されたデジタル信号としてCPUに送られ、CPUがアルゴリズムにしたがってプログラムでデコード処理を行う。
またバーコードリーダは、システム上一般に固定型、手持型、定置型に分類される。
[固定式バーコードリーダ]工場の生産ラインや機械中への組み込みなどに利用されるタイプである。生産ライン上の搬送物に貼付されたバーコードに対して、バーコードリーダの読取領域が指向するように、コンベアの側面や壁面などに配設されて使用される。このタイプのバーコードリーダ部分は、バーコードの情報をデコードしてホストコンピュータに送信する機能を有している。言い換えると、デコードされたデータに対する処理は一般にホストコンピュータ側で行われ、バーコードリーダ部分ではそのような機能を有しない。
[手持型(ハンディターミナルタイプ)バーコードリーダ]倉庫における商品管理や検品などに用いられるタイプである。このタイプは、ユーザが携行して現場で使用することを想定しているため、携行に便利なようにハンディ型としており、さらに使用目的に応じた商品管理プログラムなどの処理機能を端末自体に備えていることを特長とする。すなわち、上記固定式バーコードリーダと異なり、手持型バーコードリーダのみで操作が完結する。
[定置型(テーブルトップ型)バーコードリーダ]コンビニエンスストアのレジでのPOS管理などで使用されるタイプであり、卓上型とも呼ばれる。このタイプのバーコードリーダはホストコンピュータに対してデータを送信する。形状が銃のような形であることから、「ガンタイプ」バーコードリーダと呼ばれることもある。以下、本明細書においても主にガンタイプの称呼を使用する。このタイプも上記手持型バーコードリーダと同様に、ユーザが扱いやすいコンパクトな形状であるが、相違点としては手持型バーコードリーダがそれ自体で操作が完結しているのに対し、定置型バーコードリーダはホストと協同して操作が成立している点が異なる。また、定置型バーコードリーダの読取部分は、バーコードをデコードする機能のみを有しているものが一般的であり、いうなれば固定式バーコードリーダの読取部分を手持ち型にしたものと捉えることもできる。
以上のように、ガンタイプのバーコードリーダは従来、バーコードを読み取って出力する機能のみを有しており、読み取ったデータを所定のデータと比較、照合することはバーコードリーダ単体ではできなかった。このため、照合作業を実施するためには、バーコードリーダと接続された他の機器を利用する必要があった。
また、ガンタイプ・バーコードリーダには通常、トリガスイッチのみが設けられており、これ以外に操作を行うためのスイッチ類は設けられていなかった。このため、仮にバーコードリーダ自体が読み込んだデータの登録機能といった有用な機能を有していたとしても、従来のバーコードリーダの形態ではこれを必要時に呼び出すことができなかった。必要な機能をユーザの操作によって簡単に読み出すことのできる手段がなくては、有用な機能を有していたとしてもこれを十分に活用することはできない。
本発明は、このような問題点を解決してガンタイプのバーコードリーダの利便性を改善するために開発されたものである。本発明の主な目的は、ガンタイプの光学式情報読取装置で完結できる照合機能を設けて外部機器を不要にするとともに、有用な機能を簡単に呼び出すことのできる手段を設けて使い勝手を改善したガンタイプの光学式情報読取装置を提供することにある。
上記目的を解決するために、本発明に記載される光学式情報読取装置は、バーコードに光を照射する照射部を前面に備えるヘッド部と、該ヘッド部から下方に延長された把手部とからなり、ヘッド部が把手部から光の照射方向前方に突出したガンタイプ形状を有する光学式情報読取装置において、把手部のヘッド部との境界付近前面に設けられ、照射部に照射指示を行うためのトリガスイッチと、ヘッド部の把手部が設けられた下方とは反対側の上面において、照射部が設けられた前面に対向する背面に近接する位置に設けられ、光学式情報読取装置に接続したホストとのデータ通信により予め割り当てられた所定の機能を実行するためのファンクションスイッチと、トリガスイッチの操作を受け付けて照射部に光を照射させて読み取ったバーコードのデータと予め記憶された登録データとを比較照合してその照合結果を出力すると共に、ファンクションスイッチの操作を受け付けて予め設定された所定の機能を実行する制御手段と、ヘッド部の上面において、ファンクションスイッチよりも照射部に近い前方側に設けられたLED表示部とを備え、LED表示部は、トリガスイッチが操作された際に読み取ったバーコードのデータと登録データとの照合結果、及びファンクションスイッチが操作された際に当該ファンクションスイッチに割り当てられた機能が正しく実行されたか否かを表示することを特徴とする。
また本発明の好ましい実施の形態において、ファンクションスイッチに割り当てる設定を変更するための設定モード時に専用の設定用のバーコードを読み取らせることにより、ファンクションスイッチに所望の機能の設定を可能とするようにしてもよい。
更にまた本発明の好ましい実施の形態において、表示部は、通常のスキャンモードから前記設定モードに切り替わったことを表示するようにしてもよい。
更にまた本発明の好ましい実施の形態において、設定用のバーコードを読み取ることにより、前記通常のスキャンモードから前記設定モードに自動的に切り替わるようにしてもよい。
本発明の光学式情報読取装置は、定置型の光学式情報読取装置本体で照合モードを実行可能とすることにより、外部にホストなどの機器を接続することなくこの機能を単独で実施できる。これによって、簡易的な照合作業ならば光学式情報読取装置のみで実施できるというメリットを有する。加えて、照合時に必要な機能を呼び出し可能なスイッチを設けることによって、これらの機能を有効に活用できる。特に本発明は1:N照合、1:1照合いずれの状態にあるときでも割り込み処理にて登録モードに移行することができ、あるいはインターロック動作時にはこれらを解除できるため、読取エラーの確認やデータの再スキャンを容易にして使い勝手の良い操作環境を提供できる。
バーコード走査装置の構成を示すブロック図 1:N照合モードと1:1照合モードの動作を示すブロック図 ガンタイプの定置型バーコードリーダの外観を示す概略図 バーコードリーダが読み込んだデータの流れを示すブロック図 バーコードリーダの状態に応じた遷移過程を示すブロック図 インターロック機能を実行した1:N照合モードと1:1照合モードの動作を示すブロック図
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための光学式情報読取装置を例示するものであって、本発明は光学式情報読取装置を以下のものに特定しない。また、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。また各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
バーコードは一般に黒など反射率の低いバーと、白など印字のない空白部分で反射率の高い部分を交互に配置して、英数字などからなる所望の情報を記録している。バーコードをシールなどに印刷しバーコードラベル3として対象物に張り付ける形態や、対象物に直接印刷した形態で利用される。バーコードに対しレーザ光などの光線を走査し、反射光を受光部の受光素子で検出することによりバーコードのバーおよびスペースの幅を測定する。得られたアナログ信号をデコードすることで、バーコードにエンコードされた情報を読み取る。
以下の実施例では、本発明の光学式情報読取装置を具現化した一例として、バーコード走査装置に応用した例を説明する。ただ、本発明は実施例をバーコード走査装置のみに限定しない。例えば二次元コードや文字認識を行うOCRなどにも利用できる。本明細書においてバーコードとは、一次元バーコードや二次元コード(データシンボル)を含む意味で使用する。
バーコードリーダの動作は、データの登録と照合という2つの状態を有している。登録状態とは、照合元データである登録データを登録するための動作である。一方、照合状態とは、登録状態により登録された登録データを基準として、他の読み込まれたデータを比較し、照合を行う動作である。
これら2つの登録、照合状態を切り替える使用形態として、1:N照合モードと1:1照合モードの2つの動作モードが利用できる。バーコードリーダは、切替制御手段としてCPUなどで構成される制御回路が、ユーザの指定に応じて上記の動作モードを所定の順序で切り替えて所望の動作を行う。以下、制御回路によって実行される手順を図2に基づいて説明する。
[1:N照合モード]1:N照合モードは、図2(a)に示すように、1つの登録データに対して複数個の照合データを比較照合するモードである。はじめに登録データを登録した後は、原則として照合状態に移行し照合作業のみを繰り返し行う。まず登録動作を行って、照合元のバーコードラベル3のデータを読み取り、このデータを登録データとして記憶する。以降のスキャンでは、各々読み取ったデータが登録データと同一か否かを照合する。種類が少なく同一種類の品目が多数扱われるような状況に適しているといえる。
[1:1照合モード]1:1照合モードは、図2(b)に示すように、照合動作と登録動作を交互に切り替えるモードである。上記1:N照合モードと同様の登録動作、照合動作を行った後は、照合状態に留まらず、登録データを更新するために登録動作に戻る。つまり、照合動作が行われる度に、照合元の登録データが更新されることになる。他種類の品目を少量ずつ扱うような状況に適した動作モードといえる。この1:1照合モードでは、奇数回目のスキャンが登録動作、偶数回目が照合動作というように、相互の動作が交互に繰り返されている。
本発明は、1:N照合または1:1照合モードのいずれにある場合でも、割り込み処理を行うことで、直ちに登録モードに移行することができる。割り込みを行うためには、割込手段であるファンクションスイッチ17を押下する。
[ファンクションスイッチ]図3は、バーコード走査装置として、ガンタイプの定置型バーコードリーダの本体の外観を示している。図3(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は背面図を示す。図に示すバーコードリーダは、ヘッド部21とその下方に延長された把手22からなる。ヘッド部21には、照射部23が前方に設けられている。把手22は、ユーザが片手で握りやすいように全面に凹凸が設けられ、後方には滑り止めのグリップ部28が配される。グリップ部28は滑り止め効果を得るために、好ましくはゴム製とし、表面に複数の突起を設ける。
把手22とヘッド部21との境界付近には、トリガスイッチ17を備える。トリガスイッチ17は、ユーザが把手22を手で握って操作する際、人差し指もしくは中指で操作できる位置に設けられる。トリガスイッチ17は引き金状に手前に引くことによってトリガ手段がONされ、照射手段に対しトリガの命令が発せられる。
ヘッド部21の上面には、LED表示部24とファンクションスイッチ25が設けられる。ファンクションスイッチ25は、ユーザが把手22を握ったとき親指で操作できる位置に設けられる。ファンクションスイッチ25は押しボタンであり、上方から親指で押下することによりONすることができる。ファンクションスイッチ25が押下されると、予め設定された所定の機能を果たすための動作が実行される。ファンクションスイッチは、バーコードリーダを制御するCPUのポートに接続されており、チェックが必要なタイミングで該当するCPUポートを確認して、ファンクションスイッチが押下されているか否かを判定する。判定の結果と、後述する設定内容の組み合わせによって、照合時の動作が決定する。
ファンクションスイッチ25には、ボタンを連続して押すことでトグル状にON/OFFあるいはキャンセル可能なボタンを使用しても良い。LED表示部24は、バーコードの動作状態をユーザが確認するためのものであり、所定の色、点滅などにより動作状態を表現する。例えば、ファンクションスイッチ25を押下して所定の動作が正しく実行されたときに、その旨を確認するために発光色を変化させる。さらに、効果音や音声案内などを付加して視覚効果を高めても良い。
本発明は、バーコードリーダにトリガスイッチ17以外のファンクションスイッチ25を設けることが特長であるから、バーコードリーダの形状は以上の実施例に特定されない。必要に応じて、従来利用されている形態や将来開発される形態のものを適宜利用することができる。
またこの実施例では、図3に示すようにファンクションスイッチ25を一のみ設けた例を説明しているが、本発明はこの例に限られないことは言うまでもない。例えばファンクションスイッチを2または3あるいはそれ以上設けても良いし、配置場所も本実施例に特定されず、バーコードリーダの背面でユーザが親指で操作する位置に並列して設ける他、ヘッド部側面に設けたり、トリガスイッチの下方あるいは上方に並列して複数の引き金状スイッチが併設される形態とするなど、種々の形態が考えられる。
ファンクションスイッチ25にユーザが所望の機能を割り当てるには、設定用のバーコードを読み取らせる。各機能ごとに専用のバーコードラベルを用意しておき、ユーザが所望の機能に該当する設定用バーコードリーダを選択して、これをバーコードリーダに読み取らせることにより、自動的に設定が変更される。設定変更が正しく行われると、LED表示部24は青色で点滅するなどしてユーザに設定変更がなされた旨を通知する。この方法はきわめて簡単に設定を変更できるというメリットがある。
あるいは、バーコードリーダをコンピュータとRS−232Cなどのインターフェースを介して接続し、データ通信可能な状態としてコンピュータ上からソフトウェアで設定することもできる。この場合は、コンピュータに予めバーコードリーダ設定用のソフトウェアを組み込んでおく必要がある。
[ファンクションスイッチに割り当てられる機能]本実施例では、ファンクションスイッチを押下すると実行させる機能として、登録モードへの移行とインターロック解除機能がある。以下、それぞれについて説明する。
[登録モードへの移行(登録/照合切替)]図1は、バーコード読取装置としてガンタイプのバーコードスキャナの構成を示す。この図に示すバーコードリーダは、バーコード読取部1とデジタル処理部とを有する。このバーコードリーダがバーコードラベル3をスキャンしたとき、データの処理は図4に従って行われる。データの処理経路は、バーコードリーダのスキャン動作の状態によって異なる。読取手段を構成するバーコード読取部1で読み込まれたバーコードのデータは二値化され、デコードされたバーコードデータが状態依存弁別器に送出される。状態依存弁別器はバーコードリーダに装備された比較器であり、バーコードリーダの動作状態が登録モードか照合モードかを検出し、これに応じてデータの送出先を決定する。バーコードリーダが登録状態であるときは、登録データメモリにバーコードデータが入力される。登録データメモリは記憶手段として働くものであり、バーコードリーダに備えられたRAMなどで構成される。バーコードデータは登録データとして登録データメモリに記憶され、比較照合時の照合元に利用される。
一方、バーコードリーダが照合状態にあるときは、バーコードデータは状態依存弁別器から照合器に送出される。バーコードリーダに備えられる照合器は照合手段を構成し、読み取られたバーコードデータと、照合元の登録データを比較する。照合の結果、照合されたデータが登録データと同一であると判定された場合は照合OKを出力する。また、true/falseといった照合の判定結果のみを出力する他、使用形態によって登録データ、照合データ、照合結果データの3つを同時に出力することもできる。
また一方、照合の結果、照合データが登録データと一致しない場合は、NGと判定され照合NGが出力される。これらの出力データは、外部機器に送出されて後の処理に利用される。また、照合結果をLED表示部やディスプレイなどに外部表示させることもできる。
登録と照合の状態遷移は、1:N照合と1:1照合の場合に応じて遷移過程が異なる。以下、図5に基づいてこれらの遷移過程を説明する。図5(a)に示すように、1:N照合の場合は、登録バーコードを走査しデータをスキャンする登録状態から、照合状態に移行し、照合バーコードを走査してデータの照合を行う。そして照合結果を出力した後、照合状態に戻って照合バーコードの走査、照合を繰り返す。このように、一旦登録状態から照合状態に移行した後は、照合状態に留まってこれを繰り返す。
これに対し1:1照合の場合は、図5(b)に示すように登録状態と照合状態を繰り返す。すなわち、上記と同様に登録バーコードをスキャンする登録状態から、照合バーコードをスキャンして照合を行い、照合結果を出力した後は、登録状態に戻る。その後は登録状態と照合状態を繰り返す。このように、1:N照合と1:1照合とでは、照合状態からの移行先が異なる。
本実施例において、ファンクションスイッチに登録状態への移行機能を割り当てた場合、いずれの動作においても登録状態に戻る。1:N照合においては、通常の動作では登録状態の終了後は照合状態を繰り返すが、ファンクションスイッチを操作することによって登録状態に移行することができる。このため、登録データを更新したい場合にファンクションスイッチを押下すると、登録状態へ移行して登録データを変更することが可能となる。
また1:1照合においては、通常動作においても登録と照合動作を繰り返しているが、登録後に照合動作に移行することなく、再度登録を行いたい場合にファンクションスイッチを走査して登録状態に留まることができる。例えば、スキャンすべきデータを取り違えた場合など登録データを誤って登録したときに、照合状態に移行することなく再度登録を行って、前回の登録を破棄することができる。この機能を利用して登録元データを登録し直すことから、登録/照合動作一時キャンセル機能とも呼べるものである。上記の1:N照合モード時の登録/照合切替機能とは、照合動作の後、どの動作に復帰するかが異なる。このように、登録状態への移行機能は、1:N、1:1照合いずれの場合においても基本的に同じ動作を実行する。
[インターロック解除機能]さらに、ファンクションスイッチはインターロック解除手段としても利用される。以下、インターロック機能とその解除方法について、図6に基づいて説明する。通常、読み取られたデータはどのようなものであっても自動的に送信され、次段の読取や送信などの動作が中断されることはない。これに対しインターロック動作とは、読取エラーなどの異常が生じたときに動作をロックし、それ以降はロックが解除されるまで読取などの動作ができないようにするものである。
インターロックをしていない場合は、読取にエラーや不具合が生じてもバーコードリーダの動作自体には支障が生じず、通常の動作が継続される。このため、エラーが生じてもユーザは気付かなかったり見過ごし易くなる。これに対しインターロックがかけられている場合、異常が発生するとその時点からトリガがかからなくなるため、ユーザに必ず確認を喚起できるという利点がある。一方、インターロック動作時には、動作を再開するためにインターロック状態を解除する必要がある。本機能は解除キーの役割を果たすものであり、この機能に割り当てられたファンクションスイッチ25を押下するとインターロックが解除される。このように、インターロック解除機能を割り当てた場合も、1:N、1:1照合いずれの場合においても基本的に同じ動作が実行される。
図6(a)は、1:N照合モードにおいてインターロック機能を実行した状態を示している。インターロックがかかっていない状態は、図5(a)と同様の動作となり、設定に応じてファンクションスイッチを押下すると登録状態に移行して登録データの更新を行うことができる。照合の結果、NGとなった場合はインターロック状態に移行し、トリガスイッチを操作してもこの状態から抜け出すことができなくなる。この場合にファンクションスイッチを押下すると、インターロック状態が解除されて照合状態に戻る。
これに対し、図6(b)は、1:1照合モードにおいてインターロック機能を実行した状態を示している。インターロックがかかっていない状態は、図5(b)と同様の動作となり、設定に応じてファンクションスイッチを押下すると登録状態に移行して登録やり直しを実行させることができる。照合の結果、NGとなった場合はインターロック状態に移行し、トリガスイッチを操作してもこの状態から抜け出すことができなくなる。この場合にファンクションスイッチを押下すると、インターロック状態が解除されて、登録状態に戻る。このように、一のファンクションスイッチによって、登録モードへの移行機能とインターロック解除機能を実行できる本実施例は、ユーザが同一のスイッチを操作することによって状況に応じて二つの機能を使い分けることができるので、極めて便利に使用できる。
なお、インターロック解除手段として、ファンクションスイッチにこの動作を割り当てる以外に、別途インターロック解除スイッチを設けても良い。この場合は、ファンクションスイッチにはさらに別の機能を割り当てることができる。
以上のように、本実施例では、登録モードへの移行機能、または、あるいはこれに加えてインターロック機能をユーザが指定し、ファンクションスイッチに割り当てるよう設定する。ユーザはバーコードリーダの使用状況に応じて所望の機能を予め選択し、設定しておき、必要時にファンクションスイッチによって呼び出すことができる。もちろん、これらの機能をファンクションスイッチに割り当てないことも可能である。作業条件によっては、登録機能やインターロック機能を使用しない方が望ましいと考えられることもあるので、ユーザの希望に応じて機能の有無や一時的な停止、取り消しを設定し、これにより不用意に機能を動作させるという誤動作を防止できる。
これらの機能をファンクションスイッチに割り当てる設定を変更するには、専用の設定用バーコードをスキャンする。設定用バーコードにより設定された内容は、バーコードリーダ本体内部のメモリに保存され、必要な場合に適宜読み出されてバーコードリーダ本体の動作を変更する。設定用バーコードを読み取ると自動的に設定モードに切り替えるように設定している場合、設定用バーコードのコード種を特定したり、桁数を指定するなどして、一般のバーコードと設定用バーコードとを区別する。さらに、例えばLED表示や音声案内、効果音などでユーザーに通常スキャンモードから設定用バーコードスキャンモードに切り替わったことを知らせる。この方法では、専用の設定用バーコードをスキャンするだけで所望の設定に変更できるため、簡単かつ便利に利用できる。
ただ、バーコードリーダをRS−232Cなどのインターフェースを介してホスト側のコンピュータと接続し、データ通信を行ってファンクションスイッチの割り当てなどの設定を変更する方法も可能である。この場合、所定の通信コマンドをホスト側から入力して設定される。コンピュータからデータ通信で設定の変更を行う方法は、設定項目を直接指定して変更できるため、設定用バーコードをスキャンする方法よりも迅速に設定変更が行える。また、ホスト側にコンピュータなどの外部機器を接続している場合、データ通信によって各種の命令をやりとりすることも可能である。例えば、インターロックがかかっている場合に、ホスト側からバーコードリーダに対してインターロック解除命令を送信することもできる。あるいは、登録データを変更したい場合に、ホスト側からバーコードリーダへ指示を送り登録データの変更モードに移行することも可能である。
本実施例のバーコードリーダを利用すれば、ガンタイプのバーコードリーダのみによって照合が可能となる。すなわち、照合機能を備える外部機器を接続する必要がないというメリットがある。もちろん、ホスト側に接続した外部機器に照合機能が存在しても、本発明のメリットが損なわれるものでない。
また、照合作業を行う際に便利な機能として、登録/照合を切り替える登録モードへの移行機能を備えている。さらに、このような機能を簡単な操作で呼び出すためのスイッチを設けている。これによって、1:N照合動作時には照合先の登録データを簡単に更新することができ、また1:1照合動作時においては、登録を誤った場合や不要なデータをスキャンしてしまった場合、あるいは次のデータでは登録または照合をスキップさせたいときなどに、前回の登録をキャンセルして再度所望のデータを登録し、不要データを上書更新することが可能となる。
さらにインターロック機能によって照合にNGが生じたときの見落としを防止することが可能となる。ただ、インターロック機能を使用すると、インターロック解除機能が必要となる。このため、本実施例ではファンクションスイッチをインターロック解除手段として利用できる。
1…バーコード読取部
2…信号処理回路
3…バーコードラベル
4…レーザ投光回路
5…ガルバノミラー
6…集光ミラー
7…バンドパスフィルタ
8…受光素子
9…受光回路
10…増幅回路
11…フィルタ回路
12…二値化回路
13…復号回路
14…ACカップリング回路
17…トリガスイッチ
21…ヘッド部
22…把手
23…照射部
24…LED表示部
25…ファンクションスイッチ
28…グリップ部

Claims (4)

  1. バーコードに光を照射する照射部を前面に備えるヘッド部と、該ヘッド部から下方に延長された把手部とからなり、前記ヘッド部が前記把手部から光の照射方向前方に突出したガンタイプ形状を有する光学式情報読取装置において、
    前記把手部の前記ヘッド部との境界付近前面に設けられ、前記照射部に照射指示を行うためのトリガスイッチと、
    前記ヘッド部の前記把手部が設けられた下方とは反対側の上面において、前記照射部が設けられた前面に対向する背面に近接する位置に設けられ、前記光学式情報読取装置に接続したホストとのデータ通信により予め割り当てられた所定の機能を実行するためのファンクションスイッチと、
    前記トリガスイッチの操作を受け付けて前記照射部に光を照射させて読み取ったバーコードのデータと予め記憶された登録データとを比較照合してその照合結果を出力すると共に、前記ファンクションスイッチの操作を受け付けて前記予め設定された所定の機能を実行する制御手段と、
    前記ヘッド部の上面において、前記ファンクションスイッチよりも前記照射部に近い前方側に設けられたLED表示部とを備え、
    前記LED表示部は、前記トリガスイッチが操作された際に読み取ったバーコードのデータと前記登録データとの照合結果、及び前記ファンクションスイッチが操作された際に当該ファンクションスイッチに割り当てられた機能が正しく実行されたか否かを表示することを特徴とする光学式情報読取装置。
  2. 前記ファンクションスイッチに割り当てる設定を変更するための設定モード時に専用の設定用のバーコードを読み取らせることにより、前記ファンクションスイッチに所望の機能の設定が可能であることを特徴とする請求項1に記載の光学式情報読取装置。
  3. 前記LED表示部は、通常のスキャンモードから前記設定モードに切り替わったことを表示することを特徴とする請求項2に記載の光学式情報読取装置。
  4. 前記設定用のバーコードを読み取ることにより、前記通常のスキャンモードから前記設定モードに自動的に切り替わることを特徴とする請求項3に記載の光学式情報読取装置。
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