JP2012197249A - 農園芸用高温ストレス耐性付与剤およびそれを用いた高温ストレス耐性付与法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植物のアミノ酸代謝を変化させる活性を有するバリン、ロイシン、α−ケトイソ吉草酸をはじめとする分岐鎖アミノ酸、並びに、それらの生合成経路および消費経路における中間体や、チフェンスルフロンメチル、イマザピル、ビスピリバックナトリウム塩をはじめとする分岐鎖アミノ酸合成酵素阻害物質、またはグリホサートをはじめとする芳香族アミノ酸合成酵素阻害物質を植物に施用することにより、高温ストレス耐性を付与する。
【選択図】図9
Description
[1]
植物のアミノ酸代謝を変化させる性質を有する化合物を含有する、植物高温ストレス耐性付与剤。
[2]
前記性質が、植物のアミノ酸の生合成を阻害する性質である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[3]
前記化合物が、分岐鎖アミノ酸、並びに、それらの生合成経路および消費経路における中間体からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[4]
前記化合物が、分岐鎖アミノ酸合成酵素阻害活性または芳香族アミノ酸合成酵素阻害活性を有する除草剤成分からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[5]
前記化合物が、バリン、ロイシン、およびα−ケトイソ吉草酸から選択される1またはそれ以上の化合物である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[6]
前記化合物が、チフェンスルフロンメチル、イマザピル、ビスピリバックナトリウム塩、およびグリホサートから選択される1またはそれ以上の化合物である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[7]
前記アミノ酸がL-体である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[8]
前記アミノ酸がD-体である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[9]
付与される耐性の性質が、基礎型である、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[10]
植物が正常に生育できない高温条件において、正常な生育を促す効果を有する、前記植物高温ストレス耐性付与剤。
[11]
葉面散布または根圏施用により植物に施用される、前記植物高温ストレス耐性付与剤。[12]
前記植物高温ストレス耐性付与剤を植物に施用することを特徴とする、植物に高温耐性を付与する方法。
[13]
前記植物高温ストレス耐性付与剤を、分岐鎖アミノ酸、並びに、それらの生合成経路および消費経路における中間体からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物の濃度として、0.2〜200mMの施用濃度で施用する、前記方法。
[14]
前記植物高温ストレス耐性付与剤を、分岐鎖アミノ酸合成酵素阻害活性または芳香族アミノ酸合成酵素阻害活性を有する除草剤成分からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物の濃度として、20ng/mL〜200ng/mLまたは0.01mM〜1mMの施用濃度で施用する、前記方法。
本発明の高温ストレス耐性付与剤は、植物のアミノ酸代謝を変化させる性質を有する化合物を含有する。本発明においては、本発明の高温ストレス耐性付与剤に含有される植物のアミノ酸代謝を変化させる性質を有する化合物を、単に「有効成分」という場合がある。また、本発明においては、植物のアミノ酸代謝を変化させる性質を有する化合物のことを「アミノ酸代謝変動を誘発する化合物」ともいう場合がある。有効成分としては、植物のアミノ酸代謝を変化させる性質を有する限り特に制限されないが、例えば、アミノ酸、アミノ酸の生合成経路および消費経路における中間体、アミノ酸の誘導体、アミノ酸のアナログ、および除草剤成分等が挙げられる。
植物のアミノ酸代謝を変化させる性質を有する化合物としては、分岐鎖アミノ酸、並びに、それらの生合成経路および消費経路における中間体(以下、これらを総称して物質Aとも言う)が挙げられる。
分岐鎖アミノ酸の生合成を阻害する性質を有する化合物としては、分岐鎖アミノ酸合成酵素であるアセト乳酸合成酵素(Acetolactate synthase;ALS)の阻害活性を有する物質(以下、物質Bとも言う)が挙げられる。
芳香族アミノ酸の生合成を阻害する性質を有する化合物としては、芳香族アミノ酸合成酵素である5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(5-enolpyruvylshikimate-3-phosphate synthase;EPSPS)の阻害活性を有する物質(以下、物質Cとも言う)が挙げられる。
本発明の高温ストレス耐性付与剤を植物に施用することにより、植物に高温ストレス耐性を付与することができる。すなわち、本発明は、本発明の植物高温ストレス耐性付与剤を植物に施用することを特徴とする、植物に高温耐性を付与する方法(本発明の高温ストレス耐性付与方法)を提供する。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptimized(Opt)MS無機塩類(下記)に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には12日間無菌栽培した植物を用いた。
<OptMS無機塩類の組成>
2.5mM NH4NO3
2.5mM KH2PO4/K2HPO4 (pH5.7)
2mM KCl
2mM KNO3
3mM Ca(NO3)2
2mM MgSO4
0.1mM Fe(III)-EDTA
0.1mM MnCl2
0.1mM H3BO3
30μM ZnSO4
0.5μM CuSO4
1μM NaMoO4
0.1μM CoCl2
10μM NaCl
アミノ酸エナンチオマーの表記として、以降L-またはD-の表記のない場合は、全てL-アミノ酸を指す。アミノ酸散布は、各アミノ酸(Nacalai tesque)の50mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株)、「アプローチBI」は同社の登録商標である。)を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理することで行った。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布した。その後23℃で24時間栽培した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にアミノ酸散布したシャーレを90分間静置することで高温処理とした。その後再び23℃で栽培した。また、別途、上記の噴霧処理を施さずに高温処理を行った植物体、および噴霧処理も高温処理も行っていない植物体を準備した。
クロロフィル定量はPorra, R., et al., Biochimica et Biophysica Acta, 1989, 975:384-394に記載されている方法により行った。高温処理2日後、シロイヌナズナの第5、6葉を1サンプルあたり5個体分回収してサンプリングチューブへ入れた後、直ちに液体窒素を用いて凍結させ-80℃で保存した。凍結状態のまま植物破砕機MM300 MIXER MILL GRINDER (Retsch)により破砕し、50μLの水に懸濁した。これに200μLのアセトンを加えて攪拌し、10,000rpm 5分間の遠心分離後の上清を、水で5倍に希釈した。希釈液200μLを96ウェルプレートに入れ、プレートリーダーSpectraMax M2 (Molecular Devices)を用いて647nm(クロロフィルaの吸収波長)および664nm(クロロフィルbの吸収波長)の吸光度を測定し、クロロフィル含量を算出した。
噴霧処理を施さずに高温処理を行った植物体(+heat)、および噴霧処理も高温処理も行っていない植物体(-heat)について、クロロフィル含量を定量した結果を図1に示す。図1には、それぞれ3サンプルの実験の平均値と標準偏差(SD)を示した。本高温処理により、シロイヌナズナ第5、6葉のクロロフィル含量が著しく低下(分解)していることが明らかとなった。これは明確な高温障害であり、クロロフィル含量を指標として高温障害の程度を定量化できる。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptMS無機塩類に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には12日間無菌栽培した植物を用いた。
バリン散布は、バリン(Nacalai tesque)の25mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理した。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布することで行った。その後23℃で24時間栽培した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にバリン散布したシャーレを80分間静置することで高温処理とした。その後再び23℃で栽培した。
高温処理して2日後、シロイヌナズナ個体を24ウェルプレートに置き、トリパンブルー染色液(10 w/v %フェノール、10 v/v %グリセロール、10 v/v %乳酸、30 v/v %エタノール、0.07 w/v %トリパンブルー)を添加して植物体の死細胞を染色した。染色15分後に染色液を廃棄し、抱水クロラール透明化液(2.5g/mL抱水クロラール;和光純薬株式会社)に置換して、一晩静置することにより植物組織を透明化した。この過程でトリパンブルー染色は残存する。透明化した植物体をスライドグラスに載せ、抱水クロラール透明化液を一滴垂らしてカバーガラスで封入したのち、実体顕微鏡(SZX7;オリンパス株式会社)で観察し、デジタルカメラ(Digital Sight DS-2Mv;ニコン株式会社)で撮影した。
バリンまたは水を散布しそれぞれ高温処理した後、トリパンブルー染色した植物体写真を図3に示す。各処理区それぞれ6個体を観察し、図3にはそれらのうち典型的なサンプル像を示す。図3下段の写真は上段の写真の一部を拡大したものである。バリン散布区ではトリパンブルー染色が対照区に比べて弱く、死細胞数の減少が確認された。従って、バリン処理により、高温誘導性の細胞死を抑制できることが示された。このような高温誘導性細胞死抑制剤はこれまでに知られていない。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptMS無機塩類に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には12日間無菌栽培した植物を用いた。
バリン散布は、バリンの25mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理することで行った。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布した。その後23°Cで24時間栽培した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にバリン散布したシャーレを30分間または40分間静置することで高温処理とした。その後23℃で6時間栽培した。
光合成活性測定には、光合成活性測定装置LI-COR LI-6400(Leica)を用いた。高温処理後のシャーレを、CO2循環中のチャンバー内へ設置し、光合成を促進するため上部から照明を点灯した。一定時間後の循環CO2減少量を植物体によるCO2固定量とみなして測定し、30分間高温処理した対照区におけるCO2固定量を1として相対的な光合成活性を測定した。
バリンまたは水を散布しそれぞれ高温処理した後、相対的光合成活性を測定した結果を図4に示す。図4には、それぞれ3サンプルの実験の平均値とSDを示した。N.D.は測定値が検出限界以下であったことを示す。高温処理30分間では、対照区およびバリン処理区ともに一定の光合成活性が認められた。高温処理40分間では、対照区では光合成活性が顕著に低下して検出限界を下回ったのに対し、バリン処理区では光合成活性が維持されていた。
このことから、バリン処理により、高温ストレスによる光合成活性低下を抑制できることが示された。このような高温誘導性の光合成活性低下抑制剤はこれまでに知られていない。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptMS無機塩類に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には12日間無菌栽培した植物を用いた。
バリン散布は、バリンの25mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理することで行った。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布した。その後23℃で24時間栽培した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にバリン処理したシャーレを90分間静置することで高温処理とした。その後再び23℃で栽培した。
熱ショック応答遺伝子の転写量を定量するため、高温処理後に23℃で1時間栽培したシロイヌナズナの地上部を回収後、直ちに液体窒素で凍結し、-80℃で保存した。凍結状態のまま植物破砕機MM300 MIXER MILL GRINDER(Retsch)により破砕した。EZ1 RNA Tissue
Mini Kit(QIAGEN)および自動抽出装置Magtration System 12GC(QIAGEN)を用いてRNA抽出を行った後、リアルタイムPCR装置(7500 Real Time PCR System;Applied Biosystems)を用い、定量的RT-PCRによりHSP100遺伝子(At2g25140)およびHSFA2遺伝子(At2g26150)の発現量の比較を行った。両遺伝子は共に植物の高温耐性に寄与することが既に報告されている(Kotak, S. et al., Curr. Opin. Plant Biol., 2007, 10:310-316)。両遺伝子の発現量は、内部標準として用いたハウスキーピング遺伝子ACTIN2(At3g18780)の発現量に対する相対値として算出した。各遺伝子の増幅に用いたプライマー配列は、表2に示すとおりである。これらの塩基配列を配列番号1〜6に示す。
バリンまたは水を散布しそれぞれ高温処理した後の植物体から抽出したRNAを用いて熱ショック応答遺伝子の発現量を定量した結果を図5に示す。図5には、それぞれ3サンプルの実験の平均値とSDを示した。バリン処理区において、高温処理後のHsp100およびHsfA2遺伝子発現が、対照区に比べ顕著に増加していた。さらにHsp100については、バリン処理24時間後、すなわち高温処理直前の時点でも、対照区に比べ発現量が増加していた。これらのことから、バリンは高温誘導性の熱ショック応答遺伝子の発現量を上昇させる効果があることが示された。本高温耐性付与効果の仕組みの一部は、これらの遺伝子発現促進によるものと考えられる。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptMS無機塩類に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には12日間無菌栽培した植物を用いた。
バリンの施用方法として、植物体地上部へのバリン散布と、バリンの根圏施用を検討した。バリン散布は、バリンの0mM〜50mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理することで行った。その後23℃で24時間栽培した。バリンの根圏施用は、バリンを0mM〜50mM、OptMS無機塩類、1% sucrose、0.5% ゲランガムを加えて固めたバリン含有ゲランガム培地に、植物体を移植することにより行った。植物体は、地上部が培地に触れないように地下部をゲランガム培地内に埋め込んで移植した。その後23℃で24時間栽培した。バリン散布およびバリン根圏施用のそれぞれについて、バリン濃度0mMの場合を対照区とした。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にバリン処理したシャーレを90分間静置することで高温処理とした。その後再び23℃で栽培した。
クロロフィル定量はPorra, R., et al., Biochimica et Biophysica Acta, 1989, 975:384-394に記載されている方法により行った。高温処理2日後、シロイヌナズナの第5、6葉を1サンプルあたり5個体分回収してサンプリングチューブへ入れた後、直ちに液体窒素を用いて凍結させ-80℃で保存した。凍結状態のまま植物破砕機MM300 MIXER MILL GRINDER (Retsch)により破砕し、50μLの水に懸濁した。これに200μLのアセトンを加えて攪拌し、10,000rpm 5分間の遠心分離後の上清を、水で5倍に希釈した。希釈液200μLを96ウェルプレートに入れ、プレートリーダーSpectraMax M2 (Molecular Devices)を用いて647nm(クロロフィルaの吸収波長)および664nm(クロロフィルbの吸収波長)の吸光度を測定し、クロロフィル含量を算出した。
各濃度のバリンを散布してそれぞれ高温処理し、クロロフィル含量を定量した結果を図6に示す。図6には、それぞれ3サンプルの実験の平均値とSDを示した。5mM〜50mMバリン散布により顕著なクロロフィル分解抑制効果が認められ、濃度依存的に、高温処理によるクロロフィル分解、すなわち高温障害を抑制できることが示された。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptMS無機塩類に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には11日間無菌栽培した植物を用いた。
バリン散布は、バリンの25mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理することで行った。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布した。その後23°Cで24、48、72時間栽培し、それぞれ高温処理に供した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にバリン散布したシャーレを90分間静置することで高温処理とした。その後再び23℃で栽培した。
クロロフィル定量はPorra, R., et al., Biochimica et Biophysica Acta, 1989, 975:384-394に記載されている方法により行った。高温処理2日後、シロイヌナズナの第5、6葉を1サンプルあたり5個体分回収してサンプリングチューブへ入れた後、直ちに液体窒素を用いて凍結させ-80℃で保存した。凍結状態のまま植物破砕機MM300 MIXER MILL GRINDER (Retsch)により破砕し、50μLの水に懸濁した。これに200μLのアセトンを加えて攪拌し、10,000rpm 5分間の遠心分離後の上清を、水で5倍に希釈した。希釈液200μLを96ウェルプレートに入れ、プレートリーダーSpectraMax M2 (Molecular Devices)を用いて647nm(クロロフィルaの吸収波長)および664nm(クロロフィルbの吸収波長)の吸光度を測定し、クロロフィル含量を算出した。
バリンを散布して所定の時間栽培して高温処理した上で、クロロフィル含量を定量した結果を図8に示す。図8には、それぞれ3サンプルの実験の平均値とSDを示した。高温処理の24、48、72時間前のいずれの時期にバリンを施用した場合にも顕著なクロロフィル分解抑制効果が認められた。すなわち、バリン散布は、高温処理の72時間前に行っても効果が持続し、高温耐性付与効果が認められた。一方、高温処理24時間前に行っても効果が早期に表れ、高温耐性付与効果が認められた。このことから、バリンによる高温耐性付与効果は、迅速かつ持続的であることが示された。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてハクサイ(品種「黄味小町」)、カブ(品種「CRもちばな」)、ベンサミアナタバコ(Nicotiana Benthamiana)、イネ(品種「日本晴」)を園芸用培養土(パワーソイル; 呉羽化学工業株式会社)に播種後2週間栽培した植物を用いた。ハクサイ、カブ、ベンサミアナタバコは、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。イネは、日周は16時間明期で光強度は約130μmol m-2 s-1、28℃で栽培した。
バリンの施用は、ハクサイ、カブ、ベンサミアナタバコには植物体地上部へのバリン散布により、イネにはバリンの根圏施用により行った。ハクサイ、カブ、ベンサミアナタバコに対するバリン散布は、バリンの25mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理することで行った。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布した。イネに対するバリン根圏施用は、25mMに調製したバリン水溶液にイネ栽培ポットを浸漬し、ポット底面からバリン水溶液を吸収させることで、根圏施用とした。その後各通常栽培温度で48時間栽培し、続いてそれぞれ高温処理に供した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、高温条件設定した器内にバリン処理した植物体を静置することで高温処理とした。作物によって高温に対する感受性が異なるため、ハクサイ、カブに対しては45℃ 80分間、ベンサミアナタバコに対しては45℃ 4時間、イネに対しては47℃ 4時間の処理を行い、高温処理とした。その後再び各通常栽培温度で栽培した。
各作物におけるバリン施用の効果は、高温処理後の作物を2日間栽培し、地上部新鮮重量を測定して、対照区とバリン処理区との重量比を、対照区の重量平均値を100%として算出し比較を行うことで評価した。
各作物にバリンを施用して高温処理した上で、新鮮重量を相対的に算出した結果を表2に示す。表2には、それぞれ最低4個体の重量平均値とSDを示した。表3に示すとおり、どの作物種においてもバリン処理区での地上部新鮮重量比が100%以上となり、対照区に比べて高温障害による重量低下の抑制が認められた。このことより、バリンによる高温耐性付与効果が、植物種を問わず普遍的な現象であることが明らかとなった。
(1)植物体の栽培方法
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptMS無機塩類に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には11日間無菌栽培した植物を用いた。
バリン構造類縁化合物としては、L-バリンのエナンチオマーであるD-バリン(Nacalai tesque)、バリンと同じく分岐鎖アミノ酸であるロイシン(Nacalai tesque)、およびバリン生合成の前駆体であるα−ケトイソ吉草酸(α-KIV;SIGMA)を用いた。各化合物の25mMまたは50mM水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理した。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布した。その後23℃で24時間栽培し、それぞれ高温処理に供した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にバリン散布したシャーレを90分間静置することで高温処理とした。その後再び23℃で栽培した。
クロロフィル定量はPorra, R., et al., Biochimica et Biophysica Acta, 1989, 975:384-394に記載されている方法により行った。高温処理2日後、シロイヌナズナの第5、6葉を1サンプルあたり5個体分回収してサンプリングチューブへ入れた後、直ちに液体窒素を用いて凍結させ-80℃で保存した。凍結状態のまま植物破砕機MM300 MIXER MILL GRINDER (Retsch)により破砕し、50μLの水に懸濁した。これに200μLのアセトンを加えて攪拌し、10,000rpm 5分間の遠心分離後の上清を、水で5倍に希釈した。希釈液200μLを96ウェルプレートに入れ、プレートリーダーSpectraMax M2 (Molecular Devices)を用いて647nm(クロロフィルaの吸収波長)および664nm(クロロフィルbの吸収波長)の吸光度を測定し、クロロフィル含量を算出した。
各バリン構造類縁化合物を散布して高温処理した上で、クロロフィル含量を定量した結果を図9に示す。図9には、それぞれ3サンプルの実験の平均値とSDを示した。D-バリンおよびロイシンは、L-バリンに及ばないが中程度のクロロフィル分解抑制効果を示し、α-KIVはL-バリンと同等のクロロフィル分解抑制効果を示した。このようにバリンの構造類似化合物やバリンの生合成経路における中間体は、L-バリンと同様に高温耐性付与効果を有することが明らかとなった。
バリンは生物のアミノ酸代謝を変動させる性質を有していることから、本実施例では、種々のアミノ酸代謝変動誘発物質について高温耐性付与効果の評価を行った。
植物材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の野生型株Columbia(Col-0)を用いた。栽培には、Murashige and Skoog(MS)培地組成を元にシロイヌナズナ栽培に適した組成に改良したOptMS無機塩類に、1% sucrose、0.8% agarを加えて固めた無菌寒天培地を用いた。10cm径の深底シャーレ(サンセイ医療器材株式会社)を用い、日周は16時間明期で光強度は約100μmol m-2 s-1、23℃で栽培した。実験には11日間無菌栽培した植物を用いた。
アミノ酸代謝変動誘発物質としては、除草剤成分として知られるチフェンスルフロンメチル(TSM)、イマザピル(IMZ;和光純薬株式会社)、ビスピリバックナトリウム塩(BisP;和光純薬株式会社)、およびグリホサートを用いた。本実施例では、チフェンスルフロンメチルとしては、チフェンスルフロンメチルを有効成分として含有するハーモニー水和剤(丸和バイオケミカル株式会社)を用いた。また、グリホサートとしては、グリホサートイソプロピルアミン塩を有効成分として含有するラウンドアップ(日産化学工業株式会社;「ラウンドアップ」は同社の登録商標である。)を用いた。散布は、化合物のそれぞれ50ng/mL(TSM)、100ng/mL(IMZ)、100ng/mL(BisP)、10μM(グリホサート)の水溶液を調製し、展着剤としてアプローチBI(花王(株))を1/1000濃度で添加し、分注ビン(サンプラテック)を用いて寒天上の植物体地上部へ溶液を約1mL/100cm2で噴霧処理することで行った。上記濃度は、一般的に農業における除草目的で使用される濃度よりも相当低濃度である。対照区には水にアプローチBIを添加したものを散布した。その後23℃で24時間栽培し、それぞれ高温処理に供した。高温処理には、インキュベーターBR-43FL(株式会社タイテック)を用い、45℃に設定した器内にバリン散布したシャーレを90分間静置することで高温処理とした。その後再び23℃で栽培した。
クロロフィル定量はPorra, R., et al., Biochimica et Biophysica Acta, 1989, 975:384-394に記載されている方法により行った。高温処理2日後、シロイヌナズナの第5、6葉を1サンプルあたり5個体分回収してサンプリングチューブへ入れた後、直ちに液体窒素を用いて凍結させ-80℃で保存した。凍結状態のまま植物破砕機MM300 MIXER MILL GRINDER (Retsch)により破砕し、50μLの水に懸濁した。これに200μLのアセトンを加えて攪拌し、10,000rpm 5分間の遠心分離後の上清を、水で5倍に希釈した。希釈液200μLを96ウェルプレートに入れ、プレートリーダーSpectraMax M2 (Molecular Devices)を用いて647nm(クロロフィルaの吸収波長)および664nm(クロロフィルbの吸収波長)の吸光度を測定し、クロロフィル含量を算出した。
各アミノ酸代謝変動誘発物質(除草剤成分)を散布してそれぞれ高温処理し、クロロフィル含量を定量した結果を図10に示す。図10には、それぞれ3サンプルの実験の平均値とSDを示した。いずれの化合物も、バリンと同等のクロロフィル分解抑制効果を示した。このように除草剤成分に代表される、植物のアミノ酸代謝変動誘発物質は、バリンと同様の高温耐性付与効果を有することが明らかとなった。
Claims (14)
- 植物のアミノ酸代謝を変化させる性質を有する化合物を含有する、植物高温ストレス耐性付与剤。
- 前記性質が、植物のアミノ酸の生合成を阻害する性質である、請求項1に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 前記化合物が、分岐鎖アミノ酸、並びに、それらの生合成経路および消費経路における中間体からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物である、請求項1または2に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 前記化合物が、分岐鎖アミノ酸合成酵素阻害活性または芳香族アミノ酸合成酵素阻害活性を有する除草剤成分からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物である、請求項1または2に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 前記化合物が、バリン、ロイシン、およびα−ケトイソ吉草酸から選択される1またはそれ以上の化合物である、請求項3に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 前記化合物が、チフェンスルフロンメチル、イマザピル、ビスピリバックナトリウム塩、およびグリホサートから選択される1またはそれ以上の化合物である、請求項4に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 前記アミノ酸がL-体である、請求項3または5に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 前記アミノ酸がD-体である、請求項3または5に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 付与される耐性の性質が、基礎型である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 植物が正常に生育できない高温条件において、正常な生育を促す効果を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 葉面散布または根圏施用により植物に施用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の植物高温ストレス耐性付与剤。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の植物高温ストレス耐性付与剤を植物に施用することを特徴とする、植物に高温耐性を付与する方法。
- 前記植物高温ストレス耐性付与剤を、分岐鎖アミノ酸、並びに、それらの生合成経路および消費経路における中間体からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物の濃度として、0.2〜200mMの施用濃度で施用する、請求項12に記載の方法。
- 前記植物高温ストレス耐性付与剤を、分岐鎖アミノ酸合成酵素阻害活性または芳香族アミノ酸合成酵素阻害活性を有する除草剤成分からなる群より選択される1またはそれ以上の化合物の濃度として、20ng/mL〜200ng/mLまたは0.01mM〜1mMの施用濃度で施用する、請求項12に記載の方法。
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