JP2012196639A - 土砂の破砕混合装置及びそれを用いた方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃付与を利用した破砕処理、混合処理あるいは破砕混合同時処理を行う際、破砕効率や混合効率を向上させる。
【解決手段】本発明に係るに係る土砂の改質装置1は、処理容器2の内部空間に衝撃付与機構3を配置するとともに、該処理容器を構成する最下段の角筒体2aの側板のうち、土砂排出口12が形成された側板と直交する側板には空気流入口21を、最上段の角筒体2cの側板のうち、土砂投入口10が形成された側板と直交する側板には排気口24をそれぞれ形成し、空気流入口21を介した送気及び排気口24を介した排気によって、処理容器2内に上方への空気流を形成するようになっており、かかる空気流は、投入土砂の落下速度を低下させて衝撃付与機構3の土砂破砕作用を高める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、土木建築工事で用いる土に対し、破砕処理、混合処理又は破砕混合同時処理を行う場合に適用される土砂の破砕混合装置及びそれを用いた方法に関する。
土木建築工事で用いる土は、粒度調整などを目的として破砕処理を行なう場合があり、その方法として、チェーン状部材を旋回させながら、その旋回範囲に土砂を自然落下させることにより、土砂に衝撃力を与えて破砕する方法が知られている。
かかる方法においては、破砕が主体となる場合のほか、破砕時に飛散作用も発揮されることから、異なる種類の土同士や、固化材や添加剤あるいは活性炭が添加された土に対し、破砕処理と混合処理を同時に行うこともできる。
一方、破砕が十分に進行している土であって、上述したような固化材や添加剤あるいは活性炭が添加されている場合においては、衝撃力が付与されたときの飛散作用による混合処理が可能である。
このような衝撃付与を利用した破砕処理、混合処理あるいは破砕混合同時処理は、土砂を連続投入しながら処理を進めることができるため、パドルミキサー等のバッチ式処理装置に比べ、処理効率がはるかに高い。そのため、大規模現場では、その活用が大いに期待されている。
しかしながら、チェーン状部材の旋回による破砕作用あるいは飛散作用は、土砂の自然落下中に限られるため、土砂の破砕や飛散が十分ではなく、結果として所望の粒度が得られなかったり、十分な混合が行われなかったりするおそれがあり、これらを回避しようとすれば、旋回による破砕や飛散を繰り返し行う必要が生じ、破砕効率や混合効率の低下につながるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、衝撃付与を利用した破砕処理、混合処理あるいは破砕混合同時処理を行う際、破砕効率や混合効率を向上させることが可能な土砂の破砕混合装置及びそれを用いた方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る土砂の破砕混合装置は請求項1に記載したように、上方に土砂投入口が設けられ下方に土砂排出口が設けられた処理容器と、材軸がほぼ鉛直になるようにかつ該材軸廻りに回転自在となるように前記処理容器に保持されたシャフト及び該シャフトの周面に基端側が取り付けられた衝撃付与部材とからなり前記土砂投入口から投入された土砂が前記シャフトの回転に伴う前記衝撃付与部材の旋回範囲に自然落下するように構成された衝撃付与機構と、前記衝撃付与部材の下方位置に拡がる前記処理容器の内部空間に連通するように該処理容器に形成された空気流入口から流入した空気を前記衝撃付与部材の上方位置に拡がる前記処理容器の内部空間に連通するように該処理容器に形成された排気口を介して前記処理容器から排出する排気手段とを備えるとともに、前記排気手段を前記衝撃付与機構とともに同時作動させるように構成したものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合装置は、前記処理容器の内部空間に空気を供給する送気手段を前記空気流入口に接続したものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合装置は、前記排気手段及び前記送気手段を、排気流量が送気流量よりも大きくなるように構成したものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合装置は、前記排気口を、前記衝撃付与部材の上方位置で互いに対向するようにかつ前記土砂投入口に対して直角方向の角度位置となるように前記処理容器に形成された一対の排気口で構成するとともに、該一対の排気口に前記排気手段を構成する吸気ブロワをそれぞれ連通接続したものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合装置は、一対の仕切板を、それぞれが前記一対の排気口に対向するようにかつ互いに前記シャフトの反対側に位置するように前記衝撃付与部材の上方に配置したものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合装置は、前記衝撃付与部材の配置空間を通過した空気の流れが2方向に分岐しそれぞれが前記一対の排気口に向けて案内されるように前記衝撃付与部材の上方にガイド部材を配置したものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合方法は請求項7に記載したように、処理容器の上方に形成された土砂投入口から土砂を投入するとともに、前記処理容器内に配置された衝撃付与機構を作動させてそれを構成するシャフトをほぼ鉛直となる軸線廻りに回転させることにより、該シャフトの周面に基端側が取り付けられた衝撃付与部材を水平面内で旋回させ、前記土砂投入口を介して投入された土砂を前記衝撃付与部材の旋回範囲に自然落下させることにより、該土砂を破砕して前記処理容器の下方に形成された土砂排出口を介して搬出する土砂の破砕混合方法であって、
前記衝撃付与部材を旋回させながら、前記衝撃付与部材の上方位置に拡がる前記処理容器の内部空間からの空気排出を行うものである。
前記衝撃付与部材を旋回させながら、前記衝撃付与部材の上方位置に拡がる前記処理容器の内部空間からの空気排出を行うものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合方法は、前記衝撃付与部材の下方位置に拡がる前記処理容器の内部空間への空気供給を同時に行うものである。
また、本発明に係る土砂の破砕混合方法は、排気流量を送気流量よりも大きくするものである。
本発明に係る土砂の破砕混合装置を用いて土砂の破砕処理、混合処理又は破砕混合同時処理を行うには、シャフトを回転させることによって該シャフトの材軸廻りに衝撃付与部材を旋回させるとともに、土砂投入口を介して対象土砂を処理容器内に投入する一方、排気手段を作動させる。
このようにすると、土砂投入口から投入された土砂は、衝撃付与部材の旋回範囲に自然落下して該衝撃付与部材と接触し、そのときの衝撃による破砕作用や飛散作用で土砂の破砕や混合が行われ、あるいは破砕処理と混合処理が同時に行われるが、本発明においては、衝撃付与部材の下方位置に拡がる処理容器の内部空間に連通するように該処理容器に形成された空気流入口から流入した空気が、衝撃付与部材の上方位置に拡がる処理容器の内部空間に連通するように該処理容器に形成された排気口を介して処理容器から排出されるので、処理容器の内部空間においては、下方から上方へと向かう空気の流れが形成され、かかる空気の流れは、土砂や土塊が落下する際の抵抗となって、それらの落下速度を低下させる。
そのため、衝撃付与部材が土砂や土塊に衝突する回数が増加し、かくして、より均一で細かい破砕処理が可能になるとともに、均質性が向上した混合処理が可能になる。
本発明における破砕混合とは、典型的には、衝撃力で破砕されつつ破砕時の飛散作用が発揮されて混合が行われる破砕混合同時処理を意味するが、十分に破砕された土砂が処理対象である場合には、衝撃力が付与されたときの飛散作用による混合処理が主体となり、均質な土砂が処理対象である場合には、衝撃力による破砕処理が主体となる。そのため、本発明で破砕混合というときは、破砕混合同時処理のほか、破砕処理のみの場合と混合処理のみの場合を含むものとする。
また、本発明における土砂の混合とは、土砂同士の混合のみならず、固化材、添加剤、活性炭その他の土砂に添加される物質と土砂との混合も包摂される。
衝撃付与部材は、その基端側が取り付けられたシャフトを回転させることによって、該シャフトの回転軸線廻りに旋回し、該旋回動作によって処理容器内に投入された土砂に衝撃を付与し得るものであれば、その構造や形状は任意であって、例えば、全体を剛体又は可撓性材料で形成する構成や、複数の鋼製ピースを長さ方向に次々に連結することにより、全体としては可撓性材料として挙動するが、個々のピースについては剛体として挙動する構成が可能である。
さらに具体的に説明すると、全体を剛体で構成する例としては、衝撃付与部材を鋼製のロッド材とし、複数の鋼製ピースを鎖状に次々に連結する例としては、衝撃付与部材を鋼製のチェーンとする構成を挙げることが可能である。
ちなみに、全体を可撓性材料で構成する場合や、複数の鋼製ピースを長さ方向に次々に連結する場合、衝撃付与部材は、シャフト静止時には該シャフトから垂れ下がった状態であるが、シャフト回転時には該シャフトの材軸廻りに旋回し、その旋回力によって、土砂を破砕する。
衝撃付与部材は、旋回の際、所定角度ごとに放射方向に延びるよう、複数設置することができるとともに、自然落下する土砂が次々に衝撃力を受けることができるよう、鉛直方向に沿って複数段に配置することが可能である。
排気手段は、排気口を介して処理容器から空気を引き抜くことで、下方から上方へと向かう空気の流れを処理容器内に形成することができる限り、どのような構成とするかは任意であり、例えばブロワと該ブロワに一端が接続され他端が処理容器の排気口に接続されたダクトとで構成することが可能である。なお、処理容器内において下方から上方へと向かう空気の流れは、例えば1分間に数百回転する衝撃付与部材によって遮断されることがないよう、十分な流量を確保する。
ここで、排気手段によって処理容器内から空気を引き抜く際、空気流入口を介して処理容器内に空気が自然導入されるようにしてもかまわないが、処理容器内に空気を供給する送気手段を空気流入口に接続したならば、衝撃付与部材の下方位置に拡がる処理容器の内部空間に空気を強制的に送り込むことができるため、上述した空気流量を確保しやすくなり、空気流を確実に形成することが可能となる。
送気手段は排気手段と同様、例えばブロワと該ブロワに一端が接続され他端が処理容器の空気流入口に接続されたダクトとで構成することが可能である。
なお、処理容器の内部空間において、下方から上方へと向かう空気の流れをさらに確実に形成するためには、排気手段及び送気手段を、排気流量が送気流量よりも大きくなるように構成するのが望ましい。
排気口は、衝撃付与部材の上方に設ける必要があるため、土砂投入口と同程度の高さにならざるを得ないが、土砂投入口から投入された土砂が自然落下せずに排気口に直接吸引されると、対象となる土砂に対して破砕混合が行われないばかりか、土塊が排気口廻りに付着し、空気の流れを阻害する事態となることが懸念される。
特に、上方に向かう空気の流れを確実に形成すべく、排気側の流量を大きくする場合には、投入された土砂が自然落下せずに排気口に吸引される懸念が大きい。
かかる場合には、排気口を、衝撃付与部材の上方位置で互いに対向するようにかつ土砂投入口に対して直角方向の角度位置となるように処理容器に形成された一対の排気口で構成すればよい。
このようにすれば、排気口が複数であるため、十分な排気流量を確保することができるとともに、水平面で見た場合の土砂の投入方向と排気方向が直線上とはならず、直角に交差することとなるので、投入された土砂が排気口に直接吸引される懸念は格段に小さくなる。
ここで、一対の仕切板を、それぞれが一対の排気口に対向するようにかつ互いにシャフトの反対側に位置するように衝撃付与部材の上方に配置し、又は、衝撃付与部材の配置空間を通過した空気の流れが2方向に分岐しそれぞれが一対の排気口に向けて案内されるように衝撃付与部材の上方にガイド部材を配置したならば、排気口が対向配置されることによる吸引力の相殺を未然に防止することが可能となる。
以下、本発明に係る土砂の破砕混合装置及びそれを用いた方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る土砂の破砕混合装置を示した鉛直断面図、図2は、A−A線及びB−B線に沿う水平断面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1は、角筒体2a,円筒体2b及び角筒体2cをそれらの各内部空間が一体となるように下から順に積み重ねることで処理容器2として一つの筒体を構成してあるとともに、該処理容器の内部空間に衝撃付与機構3を配置してある。
図1は、第1実施形態に係る土砂の破砕混合装置を示した鉛直断面図、図2は、A−A線及びB−B線に沿う水平断面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1は、角筒体2a,円筒体2b及び角筒体2cをそれらの各内部空間が一体となるように下から順に積み重ねることで処理容器2として一つの筒体を構成してあるとともに、該処理容器の内部空間に衝撃付与機構3を配置してある。
衝撃付与機構3は、材軸がほぼ鉛直になるようにかつ該材軸廻りに回転自在となるように処理容器2内に保持されたシャフト4と、該シャフトの周面に基端側が取り付けられた衝撃付与部材としての鋼製のチェーン5とで構成してあり、シャフト4を回転させることによって、チェーン5を該シャフトの材軸回りに旋回させ、該旋回範囲に自由落下する土砂に衝撃を付与することができるようになっている。
ここで、シャフト4は、角筒体2cの天板に設けられた軸受6を貫通して外側に延びた上方端部を角筒体2cの外周面に取り付けられたモータ7の回転軸に回転駆動機構8を介して連結してあるとともに、円筒体2bの下縁近傍に水平に設置されたスポーク状の軸受9で下方端部を回転自在に支持してある。
チェーン5は、シャフト4の周面に90゜ごとに取り付けられた4本を一組とし、かかる組を鉛直方向に沿った異なる高さごとに4段に設けた構成、本数で言えば計16本で構成してあり、シャフト4の静止時には、該シャフトから垂れ下がった状態であるが、モータ7を駆動してシャフト4を回転させると、該シャフトの材軸廻りに放射方向に延びた状態で旋回するようになっている。
処理容器2のうち、最上段の角筒体2cの側板には土砂投入口10を形成してあり、該土砂投入口にベルトコンベヤ11の機首を挿入配置することにより、該ベルトコンベヤで搬送されてきた土砂を処理容器2内に投入できるようになっているとともに、最下段の角筒体2aの側板には土砂排出口12を形成してあり、該土砂排出口にベルトコンベヤ13の尾端を挿入配置することにより、処理が終わった土砂を処理容器2内から搬出できるようになっている。
ここで、最下段の角筒体2aの側板のうち、土砂排出口12が形成された側板と直交する側板には空気流入口21を形成してあるとともに、該空気流入口には、一端が送気ブロワ23に接続されたダクト22の他端を連通接続してあり、送気ブロワ23を作動させることで、送気ダクト22及び空気流入口21を介して角筒体2aの内部空間に空気を供給することができるようになっている。
すなわち、送気ブロワ23及びダクト22は、衝撃付与機構3の下方位置に拡がる処理容器2の内部空間に空気を供給する送気手段として機能する。
一方、最上段の角筒体2cの側板のうち、土砂投入口10が形成された側板と直交する側板には排気口24を形成してあるとともに、該排気口には、一端が吸気ブロワ26に接続されたダクト25の他端を連通接続してあり、吸気ブロワ26を作動させることで、排気口24及びダクト25を介して角筒体2cの内部空間から空気を吸引し、該内部空間から空気を排出することができるようになっている。
すなわち、吸気ブロワ26及びダクト25は、衝撃付与機構3の上方位置に拡がる処理容器2の内部空間から空気を排出する排気手段として機能する。
本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1を用いて土砂を破砕混合するには、モータ7でシャフト4を回転させることによりチェーン5を旋回させるとともに、かかる旋回動作中に土砂投入口10を介して処理容器2内に土砂を投入する。モータ7は、シャフト4の回転数が例えば500rpm程度となるように駆動すればよい。
ベルトコンベヤ11を介して投入される土砂としては、典型的には、破砕混合同時処理を目的とした、固化材や活性炭が添加された土砂が対象となるが、破砕が主たる目的の場合には、例えば粒度調整を目的とした土砂が対象となり、混合が主たる目的の場合には、例えば破砕の程度が十分に進行した土砂であって固化材や活性炭が添加されたものが対象となる。
このような土砂をチェーン5を旋回させながら土砂投入口10を介して処理容器2内に投入すると、土砂は、チェーン5の旋回範囲に自然落下して該チェーンと接触し、そのときの衝撃で土砂がより小さな土塊へと破砕され、場合によってはその破砕時の飛散作用で不均質であった土砂がより均質な状態へと混合され、あるいは衝撃による土砂の飛散によってより均質な状態へと混合される。
また、シャフト4の回転によるチェーン5の旋回動作に加えて、送気ブロワ23及び吸気ブロワ26を同時に作動させる。
このようにすると、衝撃付与機構3の下方位置には、ダクト22及び空気流入口21を介して空気が供給され、上方位置からは排気口24及びダクト25を介して空気が排出されるため、処理容器2の内部空間においては、下方から上方へと向かう空気の流れが形成される。
ここで、処理容器2下方のみからの送風では、チェーン5の旋回動作によって空気流が遮断される懸念があるが、上述した構成によれば、チェーン5の旋回範囲においても、下方から上方への空気流を確実に形成することができる。
図3は、かかる空気の流れを白の矢印で、投入された土砂の落下方向を黒の矢印でそれぞれ示したものであり、同図でわかるように、上方へと向かう空気の流れは、土砂や土塊が落下する際の抵抗となり、それらの落下速度を低下させる。そのため、自然落下する土砂や土塊は、チェーン5から受ける衝撃回数が増加して十分な程度に破砕あるいは飛散し、結果としてより細かな破砕処理やより均質な混合処理が可能になる。
チェーン5による衝撃付与及び空気流による衝突という2つの作用を受けた土砂あるいは土塊は、より細かく破砕されあるいはより均質に混合された状態でベルトコンベヤ13上に落下し、該ベルトコンベヤにより、土砂排出口12を介して処理容器2内から回収される。
回収された土については、必要に応じて上述のプロセスを繰り返し行うことで、破砕や混合の程度を高めた上、ダンプトラックに積載し、廃棄物処分場や再利用場所まで運搬する。
以上説明したように、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1によれば、シャフト4の回転によるチェーン5の旋回動作に加え、送気ブロワ23及び吸気ブロワ26によって処理容器2の内部空間に下方から上方へと向かう空気流を形成するようにしたので、投入された土砂や土塊の落下速度は上方への空気流による抵抗で低下する。
そのため、チェーン5から投入土砂に付与される衝撃の回数が増加することとなり、かくして投入土砂は、十分に破砕されてより細かな破砕処理が可能になり、あるいは十分に飛散することで、高い均質性をもった混合処理が可能になる。
また、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1によれば、送気手段であるダクト22及び送気ブロワ23を空気流入口21に接続することで、衝撃付与機構3の下方位置に拡がる処理容器2の内部空間に空気を供給するようにしたので、処理容器2内において下方から上方へと向かう空気流を確実に形成することが可能となる。
また、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1によれば、排気口24を土砂投入口10の正面ではなく、側面に形成したので、排気口24を介した吸引力が土砂投入口10に直接作用することがなくなり、投入土砂が排気口24に直接吸引されるおそれはない。
本実施形態では、チェーン5で衝撃付与部材を構成したが、チェーン5に代えて、例えばロッド材、鋼線、羽根材等でもかまわないし、自然落下する土砂に物理的な衝撃を加えることができるのであれば、衝撃付与部材の構成や形態は任意である。
また、本実施形態では、角筒体2a,円筒体2b及び角筒体2cで処理容器2を構成するようにしたが、このような別体組立に代えて、一体構成とすることはもちろん可能であるし、円筒や角筒といった断面形状は一例であって、任意の断面形状を採用できることは言うまでもない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4は、第2実施形態に係る土砂の破砕混合装置を示した鉛直断面図、図5は、D−D線に沿う水平断面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置41は、角筒体2a,円筒体2b及び角筒体2c′をそれらの各内部空間が一体となるように下から順に積み重ねることで処理容器2′として一つの筒体を構成してあるとともに、該処理容器の内部空間に衝撃付与機構3を配置してある。
処理容器2′のうち、最下段の角筒体2aの側板には第1実施形態と同様、土砂排出口12を形成してあり、該土砂排出口にベルトコンベヤ13の尾端を挿入配置することにより、処理が終わった土砂を処理容器2内から搬出できるようになっているとともに、土砂排出口12が形成された側板と直交する側板には空気流入口21を形成してある。
空気流入口21には第1実施形態と同様、ダクト22を介して送気ブロワ23を連通接続してあり(図2(a)参照)、該送気ブロワを作動させることによって角筒体2aの内部空間に空気を供給することができるようになっている。すなわち、送気ブロワ23及びダクト22は、衝撃付与機構3の下方位置に拡がる処理容器2′の内部空間に空気を供給する送気手段として機能する。
一方、処理容器2′のうち、最上段の角筒体2c′は図5に示したように、その側板に土砂投入口10を形成してあり、該土砂投入口にベルトコンベヤ11の機首を挿入配置することにより、該ベルトコンベヤで搬送されてきた土砂を処理容器2′内に投入できるようになっていることに加え、側板のうち、土砂投入口10が形成された側板と直交する対向側板には、排気口24,24をそれぞれ形成してあるとともに、該各排気口には、ダクト25を介して吸気ブロワ26をそれぞれ連通接続してあり、吸気ブロワ26,26を作動させることで、排気口24,24及びダクト25,25を介して角筒体2c′の内部空間から空気を吸引し、該内部空間から空気を排出することができるようになっているとともに、吸気ブロワ26,26の流量を送気ブロワ23の流量よりも大きく設定できるように構成してある。
すなわち、吸気ブロワ26,26及びダクト25,25は、衝撃付与機構3の上方位置に拡がる処理容器2′の内部空間から空気を排出する排気手段として機能するとともに、送気ブロワ23及びダクト22からなる送気手段と協働し、かつ該送気手段による送気流量よりも排気流量を大きくすることで、処理容器2′内において下方から上方へ向かう空気流をより確実に形成することを可能にする。
なお、衝撃付与機構3は第1実施形態と概ね同様であるが、第2実施形態においては、シャフト4の上方端部を、角筒体2c′の天板に設けられた軸受6に貫通させた上、角筒体2c′の外周面に取り付けられたモータ7の回転軸に回転駆動機構8を介して連結してある。
本実施形態に係る土砂の破砕混合装置41を用いて土砂を破砕混合するには第1実施形態と同様、モータ7でシャフト4を回転させることによりチェーン5を旋回させるとともに、かかる旋回動作中に土砂投入口10を介して処理容器2′内に土砂を投入することで、土砂をチェーン5の旋回範囲に自然落下させて該チェーンと接触させ、土砂の破砕混合を行う。
一方、このようなシャフト4の回転によるチェーン5の旋回動作に加えて、送気ブロワ23及び吸気ブロワ26,26を同時に作動させる。
このようにすると、衝撃付与機構3の下方位置には、ダクト22及び空気流入口21を介して空気が供給され、上方位置からは排気口24,24及びダクト25,25を介してかつ送気流量よりも大きな排気流量で空気が排出されるため、処理容器2′の内部空間、特にチェーン5の旋回範囲においては、チェーン5による旋回方向の空気流にかかわらず、下方から上方へと向かう空気の流れが確実に形成される。
図6は、上方へ向かう空気流を白の矢印で、投入された土砂の落下方向を黒の矢印でそれぞれ示したものであり、同図でわかるように、上方へと向かう空気の流れは、土砂や土塊が落下する際の抵抗となり、それらの落下速度を低下させる。そのため、自然落下する土砂や土塊は、チェーン5から受ける衝撃回数が増加して十分な程度に破砕あるいは飛散し、結果としてより細かな破砕処理やより均質な混合処理が可能になる。
チェーン5による衝撃付与及び空気流による衝突という2つの作用を受けた土砂あるいは土塊は、より細かく破砕されあるいはより均質に混合された状態でベルトコンベヤ13上に落下し、該ベルトコンベヤにより、土砂排出口12を介して処理容器2内から回収される。
回収された土については、必要に応じて上述のプロセスを繰り返し行うことで、破砕や混合の程度を高めた上、ダンプトラックに積載し、廃棄物処分場や再利用場所まで運搬する。
以上説明したように、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置41及びそれを用いた方法によれば、シャフト4の回転によるチェーン5の旋回動作に加え、送気ブロワ23及び吸気ブロワ26,26によって処理容器2の内部空間に下方から上方へと向かう空気流を形成するようにしたので、投入された土砂や土塊の落下速度は上方への空気流による抵抗で低下する。
そのため、チェーン5から投入土砂に付与される衝撃の回数が増加することとなり、かくして投入土砂は、十分に破砕されてより細かな破砕処理が可能になり、あるいは十分に飛散することで、高い均質性をもった混合処理が可能になる。
また、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1によれば、送気手段であるダクト22及び送気ブロワ23を空気流入口21に接続することで、衝撃付与機構3の下方位置に拡がる処理容器2の内部空間に空気を供給するようにしたので、処理容器2内において下方から上方へと向かう空気流を確実に形成することが可能となる。
また、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置1によれば、排気口24,24を土砂投入口10の正面ではなく、側面に形成したので、排気口24,24を介した吸引力が土砂投入口10に直接作用することがなくなり、投入土砂が排気口24,24に直接吸引されるおそれはない。
また、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置41によれば、吸気ブロワ26,26、ダクト25,25及び排気口24,24の二組構成で排気手段を構成するとともに、排気流量が送気流量よりも大きくなるように設定したので、処理容器2′内においては、下方から上方への空気流が確実に形成され、かくして上述した作用効果がより確実に発揮される。
また、本実施形態に係る土砂の破砕混合装置41によれば、排気流量が送気流量よりも大きくなるように設定したことによって処理容器2′内が負圧となり、該処理容器内で発生した粉塵が大気に放出されるのを未然に防止することが可能となる。
本実施形態では特に言及しなかったが、排気口24,24を対面配置したことにより、それらを介した吸気ブロワ26,26の吸引力が相殺し合う懸念がある場合には、図7に示すように、一対の仕切板71,71を、それぞれが排気口24,24に対向するようにかつ互いにシャフト4の反対側に位置するようにチェーン5の上方に配置すればよい。
かかる構成によれば、吸気ブロワ26,26の吸引力が相殺し合う懸念がなくなり、吸気ブロワ26,26、ダクト25,25及び排気口24,24の2組構成からなる排気手段の能力をいかんなく発揮させることが可能となる。
排気口24,24を対面配置したことによる吸気ブロワ26,26の吸引力低下を防止する別の構成として、図8に示すように、チェーン5の配置空間を通過した空気の流れが2方向に分岐しそれぞれが一対の排気口24,24に向けて案内されるように、チェーン5の上方に三角形断面をなすガイド部材81,81を配置するようにしてもよい。
ガイド部材81,81は、それらの材軸が水平になるように、かつ底面が横向きとなってシャフト4を向いた背中合わせとなるように配置してあり、上縁に向けて延びる斜面によって土砂投入口10から投入された土砂が滑落して堆積が防止されるとともに、下縁に向けて延びる斜面によってチェーン5の配置空間を通過した空気の流れが2方向に分岐するようになっている。
かかる構成によれば、吸気ブロワ26,26の吸引力が相殺し合う懸念がなくなり、吸気ブロワ26,26、ダクト25,25及び排気口24,24の2組構成からなる排気手段の能力をいかんなく発揮させることが可能となる。
1,41 土砂の破砕混合装置
2,2′ 処理容器
3 衝撃付与機構
4 シャフト
5 チェーン(衝撃付与部材)
10 土砂投入口
12 土砂排出口
21 空気流入口
24 排気口
71 仕切板
81 ガイド部材
2,2′ 処理容器
3 衝撃付与機構
4 シャフト
5 チェーン(衝撃付与部材)
10 土砂投入口
12 土砂排出口
21 空気流入口
24 排気口
71 仕切板
81 ガイド部材
Claims (9)
- 上方に土砂投入口が設けられ下方に土砂排出口が設けられた処理容器と、材軸がほぼ鉛直になるようにかつ該材軸廻りに回転自在となるように前記処理容器に保持されたシャフト及び該シャフトの周面に基端側が取り付けられた衝撃付与部材とからなり前記土砂投入口から投入された土砂が前記シャフトの回転に伴う前記衝撃付与部材の旋回範囲に自然落下するように構成された衝撃付与機構と、前記衝撃付与部材の下方位置に拡がる前記処理容器の内部空間に連通するように該処理容器に形成された空気流入口から流入した空気を前記衝撃付与部材の上方位置に拡がる前記処理容器の内部空間に連通するように該処理容器に形成された排気口を介して前記処理容器から排出する排気手段とを備えるとともに、前記排気手段を前記衝撃付与機構とともに同時作動させるように構成したことを特徴とする土砂の破砕混合装置。
- 前記処理容器の内部空間に空気を供給する送気手段を前記空気流入口に接続した請求項1記載の土砂の破砕混合装置。
- 前記排気手段及び前記送気手段を、排気流量が送気流量よりも大きくなるように構成した請求項2記載の土砂の破砕混合装置。
- 前記排気口を、前記衝撃付与部材の上方位置で互いに対向するようにかつ前記土砂投入口に対して直角方向の角度位置となるように前記処理容器に形成された一対の排気口で構成するとともに、該一対の排気口に前記排気手段を構成する吸気ブロワをそれぞれ連通接続した請求項1又は請求項2記載の土砂の破砕混合装置。
- 一対の仕切板を、それぞれが前記一対の排気口に対向するようにかつ互いに前記シャフトの反対側に位置するように前記衝撃付与部材の上方に配置した請求項4記載の土砂の破砕混合装置。
- 前記衝撃付与部材の配置空間を通過した空気の流れが2方向に分岐しそれぞれが前記一対の排気口に向けて案内されるように前記衝撃付与部材の上方にガイド部材を配置した請求項4記載の土砂の破砕混合装置。
- 処理容器の上方に形成された土砂投入口から土砂を投入するとともに、前記処理容器内に配置された衝撃付与機構を作動させてそれを構成するシャフトをほぼ鉛直となる軸線廻りに回転させることにより、該シャフトの周面に基端側が取り付けられた衝撃付与部材を水平面内で旋回させ、前記土砂投入口を介して投入された土砂を前記衝撃付与部材の旋回範囲に自然落下させることにより、該土砂を破砕して前記処理容器の下方に形成された土砂排出口を介して搬出する土砂の破砕混合方法であって、
前記衝撃付与部材を旋回させながら、前記衝撃付与部材の上方位置に拡がる前記処理容器の内部空間からの空気排出を行うことを特徴とする土砂の破砕混合方法。 - 前記衝撃付与部材の下方位置に拡がる前記処理容器の内部空間への空気供給を同時に行う請求項7記載の土砂の破砕混合方法。
- 排気流量を送気流量よりも大きくする請求項8記載の土砂の破砕混合方法。
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2011
- 2011-03-22 JP JP2011063370A patent/JP5692645B2/ja active Active
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