JP2012188304A - アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル、その製造方法及びアミノアルキルチオ硫酸塩の吸湿抑制方法 - Google Patents

アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル、その製造方法及びアミノアルキルチオ硫酸塩の吸湿抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アミノアルキルチオ硫酸塩は、通常、吸湿性を有しており、さらに吸湿により潮解することがあるため、これを用いてゴム組成物を製造する際の作業性の改善が求められていた。
【解決手段】式(1)
Figure 2012188304

(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩が中性又は塩基性のシリカゲルに吸着されているアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル。
【選択図】なし

Description

本発明は、アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル、その製造方法及びアミノアルキルチオ硫酸塩の吸湿抑制方法に関する。
特許文献1には、アミノアルキルチオ硫酸塩とシリカとを含むゴム組成物が記載されている。かかるゴム組成物の製造において、アミノアルキルチオ硫酸塩とシリカゲルとは別々にゴムに配合されていた。
国際公開第2010/140704号
しかしながら、アミノアルキルチオ硫酸塩は、通常、吸湿性を有しており、さらに吸湿により潮解することがあるため、これを用いてゴム組成物を製造する際の作業性の改善が求められていた。
かかる課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の〔1〕〜〔19〕記載の発明に至った。
〔1〕式(1)
Figure 2012188304
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩が中性又は塩基性のシリカゲルに吸着されているアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル。
〔2〕中性又は塩基性のシリカゲルのpHが、8〜12である上記〔1〕記載のアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲル。
〔3〕式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩の吸着量が、中性又は塩基性のシリカゲル1質量部に対して0.1〜1質量部である上記〔1〕又は〔2〕記載のアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル。
〔4〕溶媒存在下、式(1)
Figure 2012188304
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩を中性又は塩基性のシリカゲルに吸着させて、アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルと溶媒とを含む混合物を得る第1工程、及び、該混合物から溶媒を除去する第2工程を含むアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルの製造方法。
〔5〕第1工程が、水又は炭素数1〜3のアルコールと式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物との混合物と、中性又は塩基性のシリカゲルとを混合する工程を含む上記〔4〕記載の製造方法。
〔6〕式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物の使用量が、中性又は塩基性のシリカゲル1質量部に対して0.1〜1質量部である上記〔4〕又は〔5〕記載の製造方法。
〔7〕溶媒が、水又は炭素数1〜3のアルコールである上記〔4〕〜〔6〕のいずれか一項記載の製造方法。
〔8〕中性又は塩基性のシリカゲルのpHが、8〜12である上記〔4〕〜〔7〕のいずれか一項記載の製造方法。
〔9〕中性又は塩基性のシリカゲルのBET比表面積が、50〜250m/gである上記〔4〕〜〔8〕のいずれか一項記載の製造方法。
〔10〕中性又は塩基性のシリカゲルの平均細孔径が、200〜2000Åである上記〔4〕〜〔9〕のいずれか一項記載の製造方法。
〔11〕中性又は塩基性のシリカゲルの細孔容積が、1.0〜4.0cc/gである上記〔4〕〜〔10〕のいずれか一項記載の製造方法。
〔12〕上記〔4〕〜〔11〕のいずれか一項記載の製造方法により得られるアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル。
〔13〕式(1)
Figure 2012188304
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩を中性又は塩基性のシリカゲルに吸着させる工程を含むアミノアルキルチオ硫酸塩の吸湿抑制方法。
〔14〕中性又は塩基性のシリカゲルのpHが、8〜12である上記〔13〕記載の方法。
〔15〕式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩の吸着量が、中性又は塩基性のシリカゲル1質量部に対して0.1〜1質量部である上記〔13〕又は〔14〕記載の方法。
〔16〕中性又は塩基性のシリカゲルのBET比表面積が、50〜250m/gである上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一項記載の方法。
〔17〕中性又は塩基性のシリカゲルの平均細孔径が、200〜2000Åである上記〔13〕〜〔16〕のいずれか一項記載の方法。
〔18〕中性又は塩基性のシリカゲルの細孔容積が、1.0〜4.0cc/gである上記〔13〕〜〔17〕のいずれか一項記載の方法。
〔19〕上記〔1〕〔2〕〔3〕又は〔12〕記載のアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルとゴム成分と充填剤と硫黄成分とを含むゴム組成物。
〔20〕上記〔19〕記載のゴム組成物を熱処理して得られる加硫ゴム。
本発明によれば、アミノアルキルチオ硫酸塩を用いてゴム組成物を製造する際の作業性が改善される。
本発明において「作業性が改善される」とは、用いるアミノアルキルチオ硫酸塩が吸湿することに起因する作業性の悪化(例えば、アミノアルキルチオ硫酸塩の潮解による質量変動、アミノアルキルチオ硫酸塩の分解、製造機器へのアミノアルキルチオ硫酸塩の付着等)が抑制されることが挙げられる。
図1は、シリカゲル1質量部に対し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩が、それぞれ(1)1.0質量部、(2)0.25質量部、(3)0.11質量部の割合で吸着されているS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲルの吸湿性試験の結果を示すグラフである。 図2は、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩の吸湿性試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルは、式(1)
Figure 2012188304
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩(以下、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)と記載することがある。)が中性又は塩基性のシリカゲルに吸着されている。
上記式(1)において、R及びRで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
とRは、ともに水素原子であることが好ましい。
Mで表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、ナトリウムが好ましい。
アミノアルキルチオ硫酸塩(1)としては、例えばS−アミノメチルチオ硫酸のアルカリ金属塩、S−(2−アミノエチル)チオ硫酸のアルカリ金属塩、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のアルカリ金属塩、S−(4−アミノブチル)チオ硫酸のアルカリ金属塩、S−(5−アミノペンチル)チオ硫酸のアルカリ金属塩、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。好ましくは、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のアルカリ金属塩であり、より好ましくはS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウムである。
アミノアルキルチオ硫酸塩(1)は、任意の公知の方法に準じて製造することができる。例えば、以下の反応式で表される方法が挙げられる。
Figure 2012188304
(式中、R、R、n及びMは、それぞれ上記と同じ意味を表し、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
シリカゲルとは、組成式SiO・nHO、CAS登録番号7631−86−9である含水二酸化ケイ素である。本発明には、通常、中性又は塩基性のシリカゲルを用いる。以下、中性又は塩基性のシリカゲルを単に「シリカゲル」と記載することもある。かかるシリカゲルとしては、例えば、東ソー・シリカ(株)社製「AQ」、「AQ−N」、「ER」、「ER−R」、「NA」、デグッサ社製「ウルトラジル(登録商標)VN3」、「ウルトラジル(登録商標)VN2」、「ウルトラジル(登録商標)VN 2 GR」、「ウルトラジル(登録商標)360」、「ウルトラジル(登録商標)7000」、「ウルトラジル(登録商標)800」、「ウルトラジル(登録商標)AS7」ローディア社製「ゼオシル(登録商標)115GR」、「ゼオシル(登録商標)1115MP」、「ゼオシル(登録商標)1205MP」、「ゼオシル(登録商標)Z85MP」、「ゼオシル(登録商標)1165MP」、「ゼオシル(登録商標)165GR」、「ゼオシル(登録商標)175GR」「ZHRS(登録商標)1200 MP」、日本シリカ社製「ニップシール(登録商標)AQ」等の市販品が挙げられる。
シリカゲルのpHは8〜12の範囲が好ましく、8〜9の範囲がより好ましい。pHが上記の範囲であれば、シリカゲルに含有されたアミノアルキルチオ硫酸塩の分解を抑制できる傾向にある。
シリカゲルのBET比表面積は、50〜250m/gの範囲が好ましく、100〜200m/gの範囲がより好ましい。
シリカゲルの平均細孔半径は、200〜2000Åの範囲が好ましく、500〜1500Åの範囲がより好ましい。
シリカゲルの細孔容積は、1.0〜5.0cc/gの範囲が好ましく、2.0〜4.0cc/gの範囲がより好ましい。
アミノアルキルチオ硫酸塩(1)の使用量は、上記のBET比表面積、平均細孔径、細孔容積等のシリカゲルの性質にも依存するが、シリカゲル1質量部に対して0.1〜1質量部の範囲が好ましく、0.1〜0.5質量部の範囲がより好ましく、0.1〜0.3質量部の範囲がさらに好ましい。
アミノアルキルチオ硫酸塩(1)の中性又は塩基性のシリカゲルへの吸着は、例えば、液体吸着法、溶融吸着法、スプレードライ法により行うことができる。
液体吸着法とは、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)を溶媒に溶解させ、得られた溶液とシリカゲルとを混合し、得られた混合物を均一化した後、溶媒を留去することによって、シリカゲルにアミノアルキルチオ硫酸塩(1)を吸着させる方法である。ここで、均一化とは、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)を含む溶液中にシリカゲルを均一に分散させる操作をいい、例えば、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)を含む溶液とシリカゲルとを混合し、得られた混合物を攪拌する工程をいう。攪拌時間としては0.5〜5時間が好ましく、0.5〜2時間がより好ましい。かかる方法に用いられる溶媒は、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)を溶解し、シリカゲルを溶解しないものであれば特に問わないが、水又は炭素数1〜3のアルコール溶媒が好ましい。
溶融吸着法とは、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)とシリカゲルとの混合物を、加熱し、熔融し、均一化することによって、シリカゲルにアミノアルキルチオ硫酸塩(1)を吸着させる方法である。この方法は、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)の融点以上の温度で行うことにより、溶媒を用いることなく、シリカゲルにアミノアルキルチオ硫酸塩(1)を吸着させる方法である。溶融とは、加熱することによりアミノアルキルチオ硫酸塩(1)を液状にする工程をいう。
スプレードライ法とは、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)を溶媒に溶解させ、得られた溶液とシリカゲルとを混合し、得られた混合物をスプレードライヤーで乾燥させることにより、シリカゲルにアミノアルキルチオ硫酸塩(1)を吸着させる方法である。詳しくは、上記混合物と高温の気体(一般的には50〜200℃の空気又は窒素)を、スプレードライヤーのノズルから噴霧することにより、又は、アトマイザー方式により、用いた溶媒を蒸発させつつ、本発明のアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルを得る方法である。かかる方法に用いられる溶媒は、液体吸着法に用いる溶媒と同様である。
以上のような液体吸着法、溶融吸着法及びスプレードライ法のいずれか、又は、これらを組み合わせることにより、本発明のアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルは得られる。なお、該アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルの製造において、用いたアミノアルキルチオ硫酸塩(1)は、その全てがシリカゲルに吸着されていることを必要とせず、少なくともその一部がシリカゲルに吸着されていればよい。また、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)がシリカゲルに吸着されている形態は、該シリカゲルの表面に吸着されていても、シリカゲル表面にある細孔内に吸着されていてもよい。また、該アミノアルキルチオ硫酸塩(1)が吸着するに当たり、該アミノアルキルチオ硫酸塩のアミノ基又はチオ硫酸基がイオン化し、静電的にシリカゲルに吸着されていてもよい。
これらの方法のうち、液体吸着法又はスプレードライ法が好ましい。液体吸着法については、本発明の製造方法の一例として、さらに詳述する。
本発明のアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルの製造方法は、溶媒存在下、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)を中性又は塩基性のシリカゲルに吸着させて、アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルと溶媒とを含む混合物を得る第1工程、及び、該混合物から溶媒を除去する第2工程を含む。
まず、上記第1工程について説明する。アミノアルキルチオ硫酸塩(1)及びシリカゲルは、上述のとおりである。
溶媒は、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)を溶解し、シリカゲルを溶解しないものであれば特に問わないが、水又は炭素数1〜3のアルコール溶媒が好ましい。炭素数1〜3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられる。水又は炭素数1〜3のアルコールは、それらの混合物として用いてもよい。また、本発明の目的を達成しうる範囲で、水又は炭素数1〜3のアルコール以外の溶媒を含んでいてもよい。
溶媒の使用量は、用いるアミノアルキルチオ硫酸塩(1)を溶解する量であれば特に問わないが、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)1質量部に対し、溶媒0.1〜50質量部の範囲が好ましく、0.1〜15質量部の範囲がより好ましい。
第1工程は、溶媒と式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物との混合物と、シリカゲルとを混合する工程を含むことが好ましい。即ち、溶媒とアミノアルキルチオ硫酸塩(1)とを含む溶液と、シリカゲルとを混合し、得られた混合物を攪拌することにより、第1工程における吸着が行われることが好ましい。攪拌時間は、0.1〜5時間が好ましく、0.5〜2時間がより好ましい。攪拌温度は、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)が析出しない温度範囲であれば問わないが、10〜60℃の範囲が好ましく、20〜50℃の範囲がより好ましい。
次に、該混合物から溶媒を除去する上記第2工程について説明する。
溶媒の除去は、第1工程においてアミノアルキルチオ硫酸塩(1)がシリカゲルに全て吸着した場合等には濾過やデカンテーション等で溶媒を除去してもよいが、蒸留又はスプレードライヤーにより溶媒を留去することが好ましい。
溶媒を蒸留により留去する際の温度や圧力は、溶媒の沸点や蒸気圧により適宜選択できるが、温度は10〜60℃の範囲が好ましく、20〜50℃の範囲がより好ましい。
第2工程により、アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルを取り出すことができるが、本発明の製造方法は、さらに、添加剤をシリカゲルに吸着させる工程や、アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルを洗浄する工程等を含んでいてもよい。
次に、本発明のアミノアルキルチオ硫酸塩の吸湿抑制方法について説明する。かかる方法は、アミノアルキルチオ硫酸塩(1)をシリカゲルに吸着させる工程を含む。アミノアルキルチオ硫酸塩(1)及びシリカゲルは、上述のとおりである。
アミノアルキルチオ硫酸塩(1)をシリカゲルに吸着させる工程としては、上記アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルの製造方法の第1工程が挙げられる。本発明のアミノアルキルチオ硫酸塩の吸湿抑制方法は、さらに、上記アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルの製造方法の第2工程や、添加剤をシリカゲルに吸着させる工程や、アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルを洗浄する工程等を含んでいてもよい。
このようにして得られるアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルに吸着されているアミノアルキルチオ硫酸塩(1)は、シリカゲルに吸着されていないアミノアルキルチオ硫酸塩(1)よりも吸湿し難い。
次に、本発明のアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルとゴム成分と充填剤と硫黄成分とを含むゴム組成物について説明する。
ゴム成分としては、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴムおよびその他の変性天然ゴムのほか、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、イソプレン・イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン・プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ハロゲン化ブチルゴム(HR)等の各種の合成ゴムが例示されるが、天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム等の高不飽和性ゴムが好ましく用いられる。特に好ましくは天然ゴムである。また、天然ゴムとスチレン・ブタジエン共重合ゴムの併用、天然ゴムとポリブタジエンゴムの併用等、数種のゴム成分を組み合わせることも有効である。
天然ゴムの例としては、RSS#1、RSS#3、TSR20、SIR20等のグレードの天然ゴムを挙げることができる。エポキシ化天然ゴムとしては、エポキシ化度10〜60モル%のものが好ましく、例えばクンプーラン ガスリー社製ENR25やENR50が例示できる。脱蛋白天然ゴムとしては、総窒素含有率が0.3質量%以下である脱蛋白天然ゴムが好ましい。変性天然ゴムとしては天然ゴムにあらかじめ4−ビニルピリジン、N,N−ジアルキルアミノエチルアクリレート(例えばN,N−ジエチルアミノエチルアクリレート)、2−ヒドロキシアクリレート等を反応させた極性基を含有する変性天然ゴムが好ましく用いられる。
SBRの例としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の210〜211頁に記載されている乳化重合SBRおよび溶液重合SBRを挙げることができる。とりわけトレッド用ゴム組成物としては溶液重合SBRが好ましく用いられ、更には日本ゼオン社製「ニッポール(登録商標)NS116」等の4,4’−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンを用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、JSR社製「SL574」等のハロゲン化スズ化合物を用いて分子末端を変性した溶液重合SBR、旭化成社製「E10」、「E15」等シラン変性溶液重合SBRの市販品や、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、前記記載の異なった複数の化合物を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合SBRが、特に好ましく用いられる。また、乳化重合SBRおよび溶液重合SBRに重合後、プロセスオイルやアロマオイル等のオイルを添加した油展SBRは、トレッド用ゴム組成物等として好ましく用いることができる。
BRの例としては、シス1,4結合が90%以上の高シスBRやシス結合が35%前後の低シスBR等の溶液重合BRが例示され、高ビニル含量の低シスBRは好ましく用いられる。更には日本ゼオン製「Nipol(登録商標)BR 1250H」等スズ変性BRや、4,4‘−ビス−(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、ハロゲン化スズ化合物、ラクタム化合物、アミド化合物、尿素系化合物、N,N−ジアルキルアクリルアミド化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、アルコキシ基を有するシラン化合物(トリアルコキシシラン化合物等)、アミノシラン化合物のいずれかを単独で用いて、または、スズ化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物や、アルキルアクリルアミド化合物とアルコキシ基を有するシラン化合物等、前記記載の異なった複数の化合物を2種以上用いて、それぞれ分子末端を変性して得られる分子末端に窒素、スズ、ケイ素のいずれか、またはそれら複数の元素を有する溶液重合BRが、特に好ましく用いられる。これらBRは、トレッド用ゴム組成物やサイドウォール用ゴム組成物として好ましく用いることができ、通常はSBRおよび/または天然ゴムとのブレンドで使用される。ブレンド比率は、トレッド用ゴム組成物においては、総ゴム質量に対して、SBRおよび/または天然ゴムが60〜100質量%、BRは0〜40質量%が好ましく、サイドウォール用ゴム組成物においては、総ゴム質量に対して、SBRおよび/または天然ゴムが10〜70質量%、BRは90〜30質量%が好ましく、更には総ゴム質量に対し、天然ゴム40〜60質量%、BR60〜40質量%のブレンドが特に好ましい。この場合、変性SBRと非変性SBRとのブレンドや、変性BRと非変性BRとのブレンドも好ましい。
充填剤としては、ゴム分野で通常使用されているカーボンブラック、タルク、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示されるが、カーボンブラックが好ましく用いられる。カーボンブラックとしては、例えば、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の494頁に記載されるものが挙げられ、HAF(High Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、FEF(Fast Extrusion Furnace)、MAF、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi-Reinforcing Furnace)等のカーボンブラックが好ましい。タイヤトレッド用ゴム組成物にはCTAB(Cetyl Tri-methyl Ammonium Bromide)表面積40〜250m2/g、窒素吸着比表面積20〜200m2/g、粒子径10〜50nmのカーボンブラックが好ましく用いられ、CTAB表面積70〜180m2/gであるカーボンブラックが更に好ましく、その例としてはASTMの規格において、N110、N220、N234、N299、N326、N330、N330T、N339、N343、N351等である。カーカス、サイドウォール用ゴム組成物においてはCTAB表面積20〜60m2/g、粒子径40〜100nmのカーボンブラックが好ましく用いられ、その例としてはASTMの規格において、N330、N339、N343、N351,N550、N568、N582、N630、N642、N660、N662、N754、N762等である。かかる充填剤の使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100質量部あたり5〜100質量部の範囲が好ましい。
また、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、オクタンチオ酸S−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エステル(ジェネラルエレクトロニックシリコンズ社製「NXTシラン」)、オクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)エトキシシリル}プロピル]エステル及びオクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)メチルシリル}プロピル]エステルフェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシランおよび3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される1種以上のシランカップリング剤等、シリカと結合可能なケイ素等の元素またはアルコシキシラン等の官能基を有する化合物を添加することが好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(ジェネラルエレクトロニックシリコンズ社製「NXTシラン」)が特に好ましい。これらの化合物の添加時期は特に限定されないが、本発明のアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルと同時期にゴムに配合することが好ましく、配合量はアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルに対して、好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは7〜9質量%である。配合する場合の配合温度は80〜200℃が好ましく、更に好ましくは110〜180℃の範囲である。更には、シリカと結合可能なケイ素等の元素またはアルコシキシラン等の官能基を有する化合物に加えて、エタノール、ブタノール、オクタノール等の1価アルコールやエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ポリエーテルポリオール等の2価以上のアルコール、N−アルキルアミン、アミノ酸、分子末端がカルボキシル変性またはアミン変性された液状ポリブタジエン、等を配合することも好ましい。
水酸化アルミニウムとしては、窒素吸着比表面積5〜250m2/gの水酸化アルミニウムや、DOP給油量50〜100ml/100gの水酸化アルミニウムが例示される。
硫黄成分としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、及び高分散性硫黄等が挙げられる。通常は粉末硫黄が好ましく、ベルト用部材等の硫黄量が多いタイヤ部材に用いる場合には不溶性硫黄が好ましい。なお、上記硫黄成分にはアミノアルキルチオ硫酸化合物(1)及び加硫促進剤は含まれないものとする。硫黄成分の使用量は、ゴム成分100質量部あたり0.3〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.5〜3質量部の範囲内であることがより好ましい。
また、上記のアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルとゴム成分と充填剤と硫黄成分以外に、酸化亜鉛や加硫促進剤を配合し、混練することが好ましい。酸化亜鉛の使用量は、ゴム成分100質量部あたり1〜15質量部の範囲内であることが好ましく、3〜8質量部の範囲内であることがより好ましい。
加硫促進剤の例としては、ゴム工業便覧<第四版>(平成6年1月20日社団法人 日本ゴム協会発行)の412〜413ページに記載されているチアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が挙げられる。
具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)が挙げられる。また、公知の加硫剤であるモルフォリンジスルフィドを用いることもできる。充填剤としてカーボンブラックを用いる場合には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)のいずれかとジフェニルグアニジン(DPG)とを併用することが好ましく、充填剤としてシリカとカーボンブラックとを併用する場合には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)のいずれかとジフェニルグアニジン(DPG)とを併用することが好ましい。なお、加硫促進剤にはS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸およびその金属塩は含まれないものとする。
硫黄と加硫促進剤との比率は特に制限されないが、質量比で硫黄/加硫促進剤=2/1〜1/2の範囲が好ましい。また天然ゴムを主とするゴム部材において耐熱性を向上させる方法である硫黄/加硫促進剤の比を1以下にするEV加硫は、耐熱性向上が特に必要な用途においては、本発明でも好ましく用いられる。
各成分を混練する手順としては、ゴム成分と充填剤とを混練し(以下、「手順1」と記載することもある。)、次いで、手順1で得られた組成物と硫黄成分とを混練する(以下、「手順2」と記載することもある。)という手順が挙げられる。
アミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルは、手順2で配合し、混練してもよいが、手順1で配合し、混練することが好ましい。アミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルの使用量は、ゴム成分100質量部あたりアミノアルキルチオ硫酸化合物(1)が0.1〜10質量部となる範囲が好ましい。より好ましくは0.3〜3質量部の範囲である。手順1で配合する場合の配合温度は80〜200℃が好ましく、更に好ましくは110〜180℃の範囲である。手順2で配合する場合の配合温度は50〜100℃が好ましい。
従来よりゴム分野で用いられている粘弾性特性を改善させる剤を配合し混錬することも可能である。かかる剤としては、例えば、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、特開昭63−23942号公報記載のジチオウラシル化合物、特開昭60−82406号公報記載の5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)等のニトロソキノリン化合物、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」、ペンウォールト社製「バルタック2、3、4、5、7、710」等の特開2009−138148号公報記載のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、およびビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、オクタンチオ酸S−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エステル、オクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)エトキシシリル}プロピル]エステル及びオクタンチオ酸S−[3−{(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシ)メチルシリル}プロピル]エステルフェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、1,6−ヘキサメチレンジチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、1−ベンゾイル−2−フェニルヒドラジド、1−又は3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、特開2004−91505号公報記載の1−又は3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエン酸ヒドラジド、1−又は3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド及び1−又は3−ヒドロキシ−N’−(2−フリルメチレン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジド誘導体、特開2000−190704号公報記載の3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド及び3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、特開2006−328310号公報記載のビスメルカプトオキサジアゾール化合物、特開2009−40898号公報記載のピリチオン塩化合物、特開2006−249361号公報記載の水酸化コバルト化合物が挙げられる。
中でも、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製「Si−69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグッサ社製「Si−75」)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物が好ましい。これら粘弾性特性を改善させる剤の使用量は、ゴム成分100質量部あたり0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。
酸化亜鉛を配合するときは手順1で配合することが、加硫促進剤を配合するときは手順2で配合することが、それぞれ好ましい。
従来よりゴム分野で用いられている各種の配合剤を配合し、混練することも可能である。かかる配合剤としては、例えば、老化防止剤;オイル;ステアリン酸等の脂肪酸類;日鉄化学(株)のクマロン樹脂NG4(軟化点81〜100℃)、神戸油化学工業(株)のプロセスレジンAC5(軟化点75℃)等のクマロン・インデン樹脂;テルペン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;三菱瓦斯化学(株)「ニカノール(登録商標)A70」(軟化点70〜90℃)等のロジン誘導体;水素添加ロジン誘導体;ノボラック型アルキルフェノール系樹脂;レゾール型アルキルフェノール系樹脂;C5系石油樹脂;液状ポリブタジエン;が挙げられる。これら配合剤は、手順1及び2のいずれでも配合し得る。
上記のオイルとしては、プロセスオイル、植物油脂等が挙げられる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。
上記の老化防止剤としては、例えば日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の436〜443頁に記載されるものが挙げられる。中でもN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、アニリンとアセトンの反応生成物(TMDQ)、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−)ジヒドロキノリン)(松原産業社製「アンチオキシダントFR」)、合成ワックス(パラフィンワックス等)、植物性ワックスが好ましく用いられる。
従来よりゴム分野で用いられているモルフォリンジスルフィド等の加硫剤を配合し、混練することも可能である。これらは手順2で配合することが好ましい。
また、しゃく解剤やリターダーを配合し、混練してもよく、さらには、一般の各種ゴム薬品や軟化剤等を必要に応じて配合し、混練してもよい。
リターダーとしては、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)、スルホンアミド誘導体、ジフェニルウレア、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が例示され、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)が好ましく用いられる。
リターダーは、手順1で配合し、混錬してもよいが、手順2で配合し、混錬することが好ましい。
かかるリターダーの使用量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100質量部あたり0.01〜1質量部の範囲が好ましい。特に好ましくは0.05〜0.5質量部である。
手順1における温度条件は200℃以下が好ましい。より好ましくは120〜180℃である。手順2における温度条件は60〜120℃が好ましい。
最後に、上記で得られるゴム組成物を熱処理して得られる加硫ゴムについて説明する。
通常、上記で得られるゴム組成物を熱処理に供する前に、該混練物を特定の状態に加工する。本発明の加硫ゴムは、かかる特定の状態に加工された該混練物を熱処理して得られる加硫ゴムを含む。
熱処理における温度条件は120〜180℃が好ましい。熱処理は、通常、常圧又は加圧下で行われる。
ここで、ゴム組成物を「特定の状態に加工」とは、例えばタイヤの分野においては、ゴム組成物を「スチールコードに被覆」「カーカス繊維コードに被覆」「トレッド用部材の形状に加工」等が挙げられる。また、これらの加工によりそれぞれ得られるベルト、カーカス、インナーライナー、サイドウォール、トレッド(キャップトレッド又はアンダートレッド)等の各部材は、通常、その他の部材とともに、タイヤの分野で通常行われる方法により、さらにタイヤの形状に成型され、すなわちゴム組成物をタイヤに組み込んで、ゴム組成物を含む生タイヤの状態で熱処理される。かかる熱処理は、通常、加圧下で行われる。本発明の加硫ゴムは、かくして得られるタイヤの上記各部材を構成する加硫ゴムを含む。
トラックやバス、ライトトラック、建設用車両等の大型タイヤに適したトレッド部材に好適なゴム配合におけるゴム成分としては、天然ゴム単独または天然ゴムを主成分とするSBRおよび/またはBRと天然ゴムとのブレンドが好ましい。また、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
乗用車用タイヤに適したトレッド部材に好適なゴム配合におけるゴム成分としては、ケイ素化合物で分子末端を変性した溶液重合SBR単独または前記末端変性の溶液重合SBRを主成分とする、非変性の溶液重合SBR、乳化重合SBR、天然ゴムおよびBRからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムと前記末端変性の溶液重合SBRとのブレンドが好ましい。また、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
サイドウォール部材に好適なゴム配合におけるゴム成分としては、BRを主成分とする、非変性の溶液重合SBR、乳化重合SBRおよび天然ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムとBRとのブレンドが好ましい。また、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
カーカス、ベルト部材に好適なゴム配合におけるゴム成分としては、天然ゴム単独または天然ゴムを主成分とするBRと天然ゴムとのブレンドが好ましい。また、N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキサンジアミン(住友化学社製「スミファイン(登録商標)1162」)、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン(NQ−58)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si−69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Si−75)、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン(バイエル社製「KA9188」)、ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物、1,3−ビスシトラコンイミドメチルベンゼン(フレキシス社製「パーカリンク900」)、田岡化学製「タッキロール(登録商標)AP、V−200」等のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、等の粘弾性改良剤を併用することが好ましい。
かくして、本発明の加硫ゴムが得られる。該加硫ゴムは、上述したタイヤ用途のみならず、エンジンマウント、ストラットマウント、ブッシュ、エグゾーストハンガー等の自動車用防振ゴムとしても使用できる。かかる自動車用防振ゴムは、通常、上記ゴム組成物を前記各自動車用防振ゴムの形状に加工した後に熱処理することにより得られる。
以下、実施例、試験例、比較例、及び参考例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:中性シリカゲルにS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩が吸着されているS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル(0.25質量部)
反応容器を窒素置換し、そこに、中性シリカゲル[東ソー・シリカ(株)社製「ER−R」(pH7.5〜9.0)]80g、及びメタノール285gを仕込み、得られた混合物を25℃でスターラーにて攪拌した。そこに、3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩20g(103.5mmol)とメタノール135gとの混合溶液を滴下し、滴下後25℃で1時間攪拌した。溶媒を減圧下でロータリーエバポレーター(EYELA製、N−1000)にて留去した後、質量変化がなくなるまで真空乾燥することにより、3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩含有シリカゲル(94.6g)を得た。
実施例2:中性シリカゲルにS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩が吸着されているS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル(1質量部)
実施例1において、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩の使用量を50g、中性シリカゲルの使用量を50gとする以外は、実施例1と同様にしてS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル(1質量部)を99.0g得た。
実施例3:中性シリカゲルにS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩が吸着されているS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル(0.11質量部)
実施例1において、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩の使用量を10g、中性シリカゲルの使用量を90gとする以外は、実施例1と同様にしてS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル(0.11質量部)98.2gを得た。
試験例1:S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲルの吸湿性試験
実施例1、実施例2及び実施例3でそれぞれ得られた3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩含有シリカゲルを、窒素置換したグローブボックス内にて1g程度ずつ秤量し、スクリュー管に外気が入らないように封入し、封入後スクリュー管を含めた吸湿前の質量を測定した。該3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩含有シリカゲルの入ったスクリュー管を予め温度25℃、相対湿度80%に設定した恒温恒湿槽に、蓋を外して、蓋ごと入れ、吸湿性試験を開始した。試験開始後、1日後、2日後、6日後、7日後、14日後にスクリュー管及び蓋を含めた各種3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩含有シリカゲルの質量を測定し、質量増加を確認した。一方、スクリュー管及び蓋自体の吸湿も確認するため、空のスクリュー管及び蓋もブランクとして恒温恒湿槽内に入れ、同時に吸湿性試験を実施し、試験後、スクリュー管及び蓋の質量変化を測定し、上記のスクリュー管及び蓋を含めた各種3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩含有シリカゲルの質量増加と相殺し、正味の質量増加分を求めた。
結果を図1に示す。図1において「質量増加率」とは、上記正味の質量増加分を3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩の質量で除して求めた割合である。中性シリカゲルへの3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩の担持割合を減らすほど質量増加率が低下し、吸湿性抑制効果が向上することが確認された。
実施例4:塩基性シリカゲルにS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩が吸着されているS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル(0.25質量部)
反応容器を窒素置換し、そこに、塩基性シリカゲル[東ソー・シリカ(株)社製「NA」(pH10.0〜11.0)]80g、及びメタノール370gを仕込み、得られた混合物を25℃でスターラーにて攪拌した。そこに、3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩20g(103.5mmol)とメタノール200gとの混合溶液を滴下し、滴下後25℃で1時間攪拌した。溶媒を減圧下でロータリーエバポレーター(EYELA製、N−1000)にて留去した後、質量変化がなくなるまで真空乾燥することにより、3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩含有シリカゲル(98.4g)を得た。
参考例1:シリカゲルにS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩が吸着されているS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル [S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩がシリカゲル1質量部に対して0.25質量部含まれる。以下S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩の質量部のみ記載する。]
反応容器を窒素置換し、そこに、シリカゲル[一般的な酸性シリカゲルとしては、東ソー・シリカ(株)社製「AQ」(pH5.5〜6.5)が例示できる]80g、及びメタノール250gを仕込み、得られた混合物を25℃でスターラーにて攪拌した。そこに、3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩20g(103.5mmol)とメタノール100gとの混合溶液を滴下し、滴下後25℃で1時間攪拌した。溶媒を減圧下でロータリーエバポレーター(EYELA製、N−1000)にて留去した後、質量変化がなくなるまで真空乾燥することにより、3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩含有シリカゲル(99.4g)を得た。
試験例2:S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲルの安定性試験
実施例1で得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲルを数週間保管した後に0.5g秤量し、メタノール20mLを加え、10分間スターラーにて攪拌後、シリカゲルを濾別し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩のメタノール溶液を回収した。同抽出操作を3回繰り返し、回収した抽出溶液を合一して濃縮した。
実施例4及び参考例1でそれぞれ得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲルについてもそれぞれ同様に抽出し、抽出溶液を濃縮した。
下記条件により液体クロマトグラフィーにて濃縮液中のS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩の定量分析を行った。結果を表1に示す。なお、表1において、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩を化合物(1−1)と記載する。
[LC条件]
装置:島津LC−10A型
カラム:SUMIPAX ODS Z-CLUE(4.6mmΦ×250mm,3μm)
+COSMOSIL HILIC(4.6mmΦ×250mm,5μm)二連結
カラム温度:40℃
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸含有 水/アセトニトリル=95/5
溶出条件:一定組成
移動相流量:0.5mL/分
検出器:UV(205nm)及びRI検出器
試料注入量:1μL
Figure 2012188304
表1中、化合物(1−1)の回収率は、抽出された化合物(1−1)とその分解物との合計量(抽出分合計)のうちの化合物(1−1)の割合を示す。この結果から、酸性シリカゲルに吸着されたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩よりも、中性又は塩基性のシリカゲルに吸着されたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩の方が分解され難いことが分かった。
実施例5:S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲルを含むゴム組成物
(手順1)
バンバリーミキサー(東洋精機製600mlラボプラストミル)を用いて、天然ゴム(RSS#1)100質量部、HAFブラック45質量部、ステアリン酸3質量部、酸化亜鉛5質量部、老化防止剤(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン:商品名「アンチゲン(登録商標)6C」住友化学株式会社製)1質量部および実施例1にて得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲル2質量部を混練配合し、ゴム組成物を得た。当該工程は、各種薬品及び充填剤投入後3分間、30rpmのミキサーの回転数で混練することにより実施し、その時のゴム温度は160〜175℃であった。
(手順2)
オープンロール機で60〜80℃の温度にて、手順1により得られたゴム組成物と、加硫促進剤(N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド:商品名「ソクシノール(登録商標)CZ」住友化学株式会社製)1質量部、硫黄2質量部とを混練配合し、ゴム組成物を得た。
実施例6
実施例5で得たゴム組成物を145℃で熱処理することにより加硫ゴムを得た。
参考例2
実施例5において、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩含有シリカゲルを用いない以外は、実施例5と同様にしてゴム組成物を得、次いで実施例6と同様にして加硫ゴムを得た。
試験例3
以下のとおり、引張特性および粘弾性特性を測定した。
(1)引張特性
JIS−K6251に準拠し、測定を行った。
レジリエンスは、リュプケタイプの試験機を用いて測定した。
(2)粘弾性特性
株式会社上島製作所製の粘弾性アナライザを用いて測定した。
条件:温度−5℃〜80℃(昇温速度:2℃/分)
初期歪10%、動的歪2.5%、周波数10Hz
参考例2で得た加硫ゴムを対照とした場合、実施例6で得た加硫ゴムのレジリエンスにおいて3%向上し、粘弾性特性(tanδ)が7%低下し、いずれの試験においても、各種物性の改善が確認された。
比較例1:S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム塩の吸湿性試験
窒素置換したグローブボックス内にて、3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩1g程度を正確に秤量し、スクリュー管に外気が入らないように封入し、封入後スクリュー管を含めた吸湿前の質量を測定した。該3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩の入ったスクリュー管を温度25℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽に蓋を外して、蓋ごと入れ、吸湿性試験を開始した。試験開始後、15分、30分、60分、2時間、4時間、10時間、1日後にスクリュー管及び蓋を含めた各種3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩の質量を測定し、質量変化を確認した。試験開始後、30分後には潮解が始まり、4時間後には糊のような状態で質量増加を続け、固体としての秤量は困難である。一方、スクリュー管及び蓋自体の吸湿も確認するため、空のスクリュー管及び蓋もブランクとして恒温恒湿槽内に入れ、同時に吸湿性試験を実施し、試験後、スクリュー管及び蓋の質量変化を測定し、上記のスクリュー管及び蓋を含めた各種3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩の質量増加と相殺し、正味の質量増加分を求めた。
結果を図2に示す。図2において「質量増加率」とは、上記正味の質量増加分を3−アミノプロピルチオスルファートナトリウム塩の質量で除して求めた割合である。
本発明によれば、アミノアルキルチオ硫酸塩を用いてゴム組成物を製造する際の作業性が改善される。

Claims (20)

  1. 式(1)
    Figure 2012188304
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
    で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩が中性又は塩基性のシリカゲルに吸着されているアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル。
  2. 中性又は塩基性のシリカゲルのpHが、8〜12である請求項1記載のアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲル。
  3. 式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩の吸着量が、中性又は塩基性のシリカゲル1質量部に対して0.1〜1質量部である請求項1又は2記載のアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル。
  4. 溶媒存在下、式(1)
    Figure 2012188304
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
    で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩を中性又は塩基性のシリカゲルに吸着させて、アミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルと溶媒とを含む混合物を得る第1工程、及び、該混合物から溶媒を除去する第2工程を含むアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲルの製造方法。
  5. 第1工程が、水又は炭素数1〜3のアルコールと式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物との混合物と、中性又は塩基性のシリカゲルとを混合する工程を含む請求項4記載の製造方法。
  6. 式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸化合物の使用量が、中性又は塩基性のシリカゲル1質量部に対して0.1〜1質量部である請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 溶媒が、水又は炭素数1〜3のアルコールである請求項4〜6のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 中性又は塩基性のシリカゲルのpHが、8〜12である請求項4〜7のいずれか一項記載の製造方法。
  9. 中性又は塩基性のシリカゲルのBET比表面積が、50〜250m/gである請求項4〜8のいずれか一項記載の製造方法。
  10. 中性又は塩基性のシリカゲルの平均細孔径が、200〜2000Åである請求項4〜9のいずれか一項記載の製造方法。
  11. 中性又は塩基性のシリカゲルの細孔容積が、1.0〜4.0cc/gである請求項4〜10のいずれか一項記載の製造方法。
  12. 請求項4〜11のいずれか一項記載の製造方法により得られるアミノアルキルチオ硫酸塩含有シリカゲル。
  13. 式(1)
    Figure 2012188304
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜9の整数を表す。Mはアルカリ金属を表す。)
    で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩を中性又は塩基性のシリカゲルに吸着させる工程を含むアミノアルキルチオ硫酸塩の潮解抑制方法。
  14. 中性又は塩基性のシリカゲルのpHが、8〜12である請求項13記載の方法。
  15. 式(1)で示されるアミノアルキルチオ硫酸塩の吸着量が、中性又は塩基性のシリカゲル1質量部に対して0.1〜1質量部である請求項13又は14記載の方法。
  16. 中性又は塩基性のシリカゲルのBET比表面積が、50〜250m/gである請求項13〜15のいずれか一項記載の方法。
  17. 中性又は塩基性のシリカゲルの平均細孔径が、200〜2000Åである請求項13〜16のいずれか一項記載の方法。
  18. 中性又は塩基性のシリカゲルの細孔容積が、1.0〜4.0cc/gである請求項13〜17のいずれか一項記載の方法。
  19. 請求項1、2、3又は12記載のアミノアルキルチオ硫酸化合物含有シリカゲルとゴム成分と充填剤と硫黄成分とを含むゴム組成物。
  20. 請求項19記載のゴム組成物を熱処理して得られる加硫ゴム。
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