JP2012188039A - 脱線防止装置 - Google Patents

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勝 岩松
Eiichi Maehashi
栄一 前橋
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泰明 坂本
Rijin Kuzuta
理仁 葛田
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Abstract

【課題】緊急時に車両が脱線することをより確実に防止する。
【解決手段】車軸11の両端に一対の車輪13が設けられた輪軸15を複数備え、軌道に敷設された一対の走行レールR1,R2上で一対の車輪13,13を転動させて走行する車両1の脱線防止装置22であって、車両1の下部に設けられ、磁界を形成して一対の走行レールR1,R2に沿って設けられた制動レールR3,R4に対して吸引力を生じさせる電機子33,34と、外部から緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記電機子に吸引力を生じさせる制御部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、脱線防止装置に関するものである。
従来、車軸の両端に一対の車輪が設けられた輪軸を複数備え、軌道に敷設された一対の走行レール上で一対の車輪を転動させて走行する車両の脱線逸脱防止技術としては、下記特許文献1のものがある。
下記特許文献1の脱線防止装置は、レールの近傍に所定間隔をおいて車輪の脱線防止ガードレールを敷設するとともに、車輪の脱線防止ガードレールに対向する渦電流ブレーキ装置を車両側に設置し、車輪の脱線防止ガードレールを渦電流ブレーキの2次導体として用いている。
特開2007−186027号公報
しかしながら、従来の技術においては、どのようなタイミングで渦電流ブレーキを作用させるのかが明示されておらず、地震や突風等の外力を車体が受けた場合には適切に脱線を防止することができないという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、緊急時に車両が脱線することをより確実に防止することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る脱線防止装置は、車軸の両端に一対の車輪が設けられた輪軸を複数備え、軌道に敷設された一対の走行レール上で前記一対の車輪を転動させて走行する車両の脱線防止装置であって、前記車両の下部に設けられ、磁界を形成して前記一対の走行レールに沿って設けられた制動レールに対して吸引力を生じさせる電機子と、外部から緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記電機子に吸引力を生じさせる制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、制御部が、外部から緊急停止情報が入力されたことを条件として、電機子の制動レールに対する吸引力を生じさせるので、緊急時に走行レールに対して車輪が押し付けられる。これにより、見掛け軸重が増加して、脱線係数が低下する。よって、緊急時の車両の脱線をより確実に防止することができる。
また、前記制動レールは、前記軌道の曲線区間において前記走行レールに沿って一対設けられ、前記制御部は、前記緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記一対の電機子のうち前記軌道の径方向内側の電機子の吸引力を、径方向外側の電機子の吸引力より強くすることが望ましい。
この構成によれば、緊急停止情報が入力されたことを条件として、一対の電機子のうち内側の吸引力を外側の吸引力より大きくするので、車両に対して軌道の曲線方向に向かう旋回力が作用する。これにより、軌道の曲線区間を走行する車両の車輪のうち外側の車輪の、走行レールに対する横圧を低下させる。従って、脱線係数を大きく低下させることができ、緊急時に車両が脱線することをより確実に防止することができる。
また、前記制動レールは、前記軌道の曲線区間において前記走行レールに沿って設けられ、前記車両は、前記車両の下部において前記電機子を車両幅方向に変位可能に支持する支持機構を備え、前記制御部は、前記緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記支持機構により、前記電機子を前記走行レールの径方向外方側へ変位させることが望ましい。
この構成によれば、緊急停止情報が入力されたことを条件として、支持機構により、電機子を走行レールの径方向外方側へ変位させるので、走行レールの径方向外方側へ変位した電機子と走行レールとの間で径方向内方側に向けて吸引力が作用する。これにより、軌道の曲線区間において、車両に作用する遠心力を相殺することができる。これにより、軌道の曲線区間を走行する車両の車輪のうち外側の車輪の、走行レールに対する横圧を低下させる。従って、脱線係数を低下させることができ、緊急時に車両が脱線することをより確実に防止することができる。
また、前記制動レールは、前記軌道の本軌道から分岐軌道が分岐する分岐区間において、前記本軌道の走行レールと前記分岐軌道の走行レールとのうち少なくとも一方に沿って設けられ、前記制御部は、前記緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記車両が進行する軌道に前記制動レールが設けられている場合に、該制動レールに対して前記電機子の吸引力を生じさせることが望ましい。
この構成によれば、緊急停止情報が入力されたことを条件として、車両が進行する軌道に制動レールが設けられている場合に、その制動レールに対して電機子の吸引力を生じさせるので、車両が進行する軌道に、車両を誘導することができる。これにより、緊急時に車両が脱線することをより確実に防止することができる。
また、前記制動レールは、それぞれ前記一対の走行レールに沿って設けられた一対の逸脱防止レールであることが望ましい。
この構成によれば、制動レールが一対の逸脱防止レールであるので逸脱防止レールが敷設された既存の軌道に、本発明を容易に適用することができる。
本発明に係る脱線防止装置によれば、緊急時に車両が脱線することをより確実に防止することができる。
本発明の第一実施形態に係る車両1の要部斜視図である 本発明の第一実施形態において、図1のI−I線断面図である。 本発明の第一実施形態に係る車両1の平面図であって、軌道Tの曲線区間cにおける車両1を示している。 本発明の第一実施形態に係る車両1の制御部41の処理を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態に係る車両2の要部断面図である。 本発明の第二実施形態に係る車両2の要部断面図であって、軌道Tの曲線区間cにおける車両2を示している。 本発明の第二実施形態に係る車両2の制御部42の処理を示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態に係る車両3の平面図であって、軌道Tの分岐区間yにおける車両3の進行方向が本線y1である場合を示している。 本発明の第三実施形態に係る車両3の平面図であって、軌道Tの分岐区間yにおける車両3の進行方向が分岐線y2である場合を示している。 本発明の第三実施形態に係る車両3の制御部43の処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
「第一実施形態」
図1は本発明の第一実施形態に係る車両1の要部斜視図であり、図2は図1におけるI−I線断面図であり、図3は軌道Tの曲線区間cにおける車両1の平面図である。
この車両1は、走行レールR1,R2が敷設された軌道Tを走行するものである。図3に示すように、軌道Tは曲線区間cにおいて一対の走行レールのR1,R2の内方側に、これら一対の走行レールR1,R2に沿って一対の逸脱防止レールR3,R4が敷設されている。
この車両1は、図2に示すように、車体10と、車両2の下部に配設されたボギー台車14と、ボギー台車14に固定された車両制動装置20と、車両制動装置20を制御する制御部41と、車両制動装置20に電力を供給する駆動電力供給部40と、記憶部50とを備えている。
ボギー台車14は、図1に示すように、空気バネや複数の輪軸15等を備えており、走行レールR1,R2上において車両2を支持している。複数の輪軸15は、それぞれ、車軸11の両端に一対の車輪13が設けられ、ボギー台車14に回転可能に支持されている。
車両制動装置20は、第一電磁変換部21と第二電磁変換部22とを備えている。
第一電磁変換部21は、図2に示すように、一対の走行レールR1,R2のうち一方の走行レールR1の上方位置にて該走行レールR1の頭部に間隔を空けて対向配置された電機子31と、他方の走行レールR2の上方位置にて該走行レールR2の頭部に間隔を空けて対向配置された電機子32とを備えている。
第二電磁変換部22は、図2に示すように、軌道Tの曲線区間c(図3参照)において、逸脱防止レールR3,R4のうち一方の逸脱防止レールR3の上方位置にて該逸脱防止レールR3の頭部に間隔を空けて対向配置された電機子33と、他方の逸脱防止レールR4の上方位置にて該逸脱防止レールR4の頭部に間隔を空けて対向配置された電機子34とを備えている。
電機子31,32,33,34(以下、「電機子31〜34」と表記する。)は、図1に示すように、それぞれ長尺状に形成されており、走行レールR1,R2の長手方向に沿って直列配置され、車輪13を回転可能に支持するボギー台車14の台枠(バネ間)に固定されている。図2に示すように、これら電機子31〜34は、それぞれ一対の走行レールR1,R2及び逸脱防止レールR3,R4に対応するように、電機子31,32の間に電機子33,34が配置されている。
電機子31,32は、走行レールR1,R2に対向する面において走行レールR1,R2の長手方向と直交する方向にS極・N極の磁界を発生させる。そして、これら電機子31,32では、巻線に対して供給する直流電流の方向を適宜切り替えることにより、走行レールR1,R2の長手方向、及び走行レールR1,R2と直交する方向に沿う磁界が変更され、これにより、走行レールR1,R2に対して吸引力が発生し、走行レールR1,R2に対して車輪13を押し付けることで制動力を得る。
電機子33,34は、逸脱防止レールR3,R4に対向する面において逸脱防止レールR3,R4の長手方向と直交する方向にS極・N極の磁界を発生させる。そして、これら電機子33,34では、巻線に対して供給する直流電流の方向を適宜切り替えることにより、逸脱防止レールR3,R4の長手方向、及び逸脱防止レールR3,R4と直交する方向に沿う磁界が変更され、これにより、逸脱防止レールR3,R4に対して吸引力が発生し、走行レールR1,R2に対して車輪3を押し付けることで制動力を得る。
制御部41は、図2に示すように、駆動電力供給部40が各電機子31〜34に供給する電流の大きさを制御する。
この制御部41は、外部から緊急停止情報Uが入力された場合において、車両1が軌道Tの曲線区間cにあるとき、電機子33,34のそれぞれに流れる電流の大きさを制御することにより、ボギー台車14に旋回モーメントMを作用させる。
緊急停止情報Uとしては、本実施形態においては、不図示のセンサにより検知される地震波の縦波(P波)を用いている。なお、地震を検知した外部のセンサやコンピュータの出力、又は、管制室からの指令を緊急停止情報Uとしてもよく、鉄道通信設備からの無線信号等で緊急停止情報Uが入力される構成としてもよい。
また、制御部41は、車両1が軌道Tの曲線区間cであるか否かを曲線情報から判断している。本実施形態においては、この曲線情報として、ボギー角度(車体10とボギー台車14間の相対角度)の検出値を用いている。なお、車体傾斜センサの検出値、車体傾斜地点情報、列車位置情報、軌道Tの曲線区間cに設けた無線発信機等の無線信号等を曲線情報として用いてもよい。
記憶部50は、ボギー角度の大きさと、電機子33,34にそれぞれ流す電流値の組み合わせとが対応付けられたテーブルを記憶している。このテーブルにおいては、電機子33,34のうち径方向外側に位置する一方の電流値に比べて、径方向内側に位置する他方の電流値が高くなっている。なお、この電流値は、予めボギー角度の大きさと電機子33,34の電流値との関数を求め、入力されたボギー角度の検出値と、関数とから電機子33,34の電流値を求めてもよい。
続いて上記構成からなる車両制動装置20について、主に、図4の制御部41の処理を示すフローチャートを用いて説明する。
図4に示すように、まず制御部41は、緊急停止情報Uが入力されたか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、地震波の縦波(P波)を検知したか否かを判定する。ステップS11の判定が「No」である場合には、制御部41はステップS11に戻って同じ判定を繰り返す。
ステップS11の判定が「Yes」である場合には、制御部41は、車両1が軌道Tの曲線区間cにいるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、車両1のボギー角度の検出値に基づいて、車両1が軌道Tの曲線区間cにいるか否かを判定する。
ステップS12の判定が「No」の場合には、制御部41は、駆動電力供給部40により第二電磁変換部22に同じ大きさの電流を流す(ステップS13)。さらに、例えば、第一電磁変換部21の電機子31,32に電流を流したり、他の制動装置(不図示)を動作させたりして車両1を停止させる。
この際、電機子33,34の逸脱防止レールR3,R4に対する吸引力を生じさせるので、走行レールR1,R2に対して車輪13が押し付けられて制動力を得る。
そして、制御部41は全ての判断を終了する。
一方、ステップS12の判定が「Yes」である場合には、制御部41は、記憶部(不図示)を参照して、第二電磁変換部22の電機子33,34に流す電流値を判定する(ステップS14)。具体的には、ボギー角度の大きさに対応付けられた、電機子33,34の各電流値の組み合わせを判定する。
この電流値の組み合わせにおいては、電機子33,34のうち、径方向外方側の一方の電流値に対して、径方向内方側の他方の電流値が大きくなる。
次に、制御部41は、ステップS14で判定した大きさの電流が電機子33,34を流すように駆動電力供給部40に命令する(ステップS15)。
この際、例えば、電機子33,34のうち、径方向外方側に位置する電機子34に供給される電流に対して、径方向内方側に位置する電機子33に供給される電流が大きくなる。そうすると、径方向外方側に位置する電機子34の励磁力に対して、径方向内方側に位置する電機子33の励磁力が強くなることから、径方向外方側の制動力Boutよりも径方向内方側の制動力Binが大きくなる。
すなわち、第一の作用として、上述したように、電機子33,34の逸脱防止レールR3,R4に対する吸引力を生じさせるので、地震発生時に走行レールR1,R2に対して車輪13が押し付けられることにより、見かけ軸重(P)が増加する。
また、第二の作用として、図4に示すように、車両1の前進慣性力はボギー台車14の重心に作用することとなるが、径方向内方側の制動力Binが径方向外方側の制動力Boutよりも大きくなることから、この差分だけ外方側から内方側に向かうようにボギー台車14に旋回モーメントMが作用する。
この旋回モーメントMは、台車旋回力となって軌道Tの曲線方向にボギー台車14を操舵することと等しくなり、ボギー台車14の外側の車輪13(13A)の横圧(Q)を軽減する。また、車輪13Aは、電機子34と逸脱防止レールR4との磁力吸引による見かけ軸重(P)が増加することから、車輪13Aの脱線係数(Q/P)が大きく低下する。
そして、制御部41は全ての判断を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部41が、地震波の縦波(P波)を検知したことを条件として、電機子33,34の逸脱防止レールR3,R4に対する吸引力を生じさせるので、地震発生時に走行レールR1,R2に対して車輪13が押し付けられる。これにより、見掛け軸重(P)が増加して、脱線係数(Q/P)が低下する。よって、緊急時の車両の脱線をより確実に防止することができる。
また、地震波の縦波(P波)が入力されたことを条件として、電機子33,34のうち内側の吸引力を外側の吸引力より大きくするので、車両1に対して軌道Tの曲線方向に向かう旋回力が作用する。これにより、軌道Tの曲線区間cを走行する車両1の車輪13のうち外側の車輪13Aの走行レールR2に対する横圧を低下させる。従って、脱線係数(Q/P)を大きく低下させることができ、緊急時に車両が脱線することをより確実に防止することができる。
「第二実施形態」
次いで、本発明の第二実施形態について説明する。なお、以下の説明及び説明に用いる図面においては、上述した第一実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の第二実施形態に係る車両2の要部断面図である。
図5に示すように、車両2は第二電磁変換部22を車両2の幅方向(以下「車両幅方向」という。)に変位可能な変位支持ユニット60を備えている。
この変位支持ユニット60は、電機子33,34のそれぞれに配設された、支持機構60A,60Bを備えている。支持機構60A,60Bは、ほぼ同様の構成であるので、以下においては支持機構60Aについて説明する。
支持機構60Aは、複数のレールスライダ61と、エアシリンダ62とからなっている。
複数のレールスライダ61は、ボギー台車14の台枠(バネ間)の下部に、それぞれ電機子33に直交するように(車両幅方向に延在するように)固定された複数のレール部材と、上部が各レール部材に摺動自在に嵌合すると共に下部が電機子33に固定されたスライダとを備えている。
図5に示すように、エアシリンダ62は、シリンダ部とロッド部とを備えており、シリンダ部がボギー台車14の台枠の下部において、レール部材よりも車体幅方向の内方側に固定されていると共に、ロッド部が電機子33の内側面に固定されている。
このような構成により、支持機構60Aは、エアシリンダ62のシリンダ部にエアが供給されてロッドが伸長することで、電機子33を車体幅方向に変位させると共に、レールスライダ61で支持するようになっている。なお、エアシリンダ62には不図示のエア供給源が接続されており、制御部41によってエア供給量が制御されるようになっている。
支持機構60Bは、車体幅方向の中央線を基準にして、支持機構60Aと線対称に配設されており、電機子34を車体幅方向に変位可能に支持している。
記憶部50は、ボギー角度の大きさと、エアシリンダ62に対するエア供給量(電機子33,34の変位量)とが対応付けられたテーブルを記憶している。このテーブルにおいては、ボギー角度の大きさが大きくなるに従って、電機子33,34の変位量が大きくなっている。なお、この際のエア供給量は、予めボギー角度の大きさとエアシリンダ62へのエア供給量との関数を求め、地震P波が検出された際のボギー角度の検出値と関数とからエアシリンダ62へのエア供給量を求めてもよい。
続いて上記構成からなる車両2について、主に、図6の軌道Tの曲線区間cにおける車両2の要部断面図と、図7の制御部42の処理を示すフローチャートを用いて説明する。
なお、ステップS21,S22は、第一実施形態のステップS11,S12と同一であるので、その説明を省略する。
ステップS22の判定が「No」の場合には、制御部41は、電機子33,34を変位させない(ステップS23)。この場合には、例えば、第一電磁変換部21の電機子33,34に同じ大きさの電流を流したり、他の制動装置(不図示)を動作させたりして車両2を停止させる。
そして、制御部43は全ての判断を終了する。
ステップS22の判定が「Yes」である場合には、制御部42は、電機子33,34のそれぞれの変位量を判断する(ステップS24)。具体的には、記憶部(不図示)を参照して、電機子33,34に接続されたエアシリンダ62のエア供給量を判断する。
次に、制御部42は、第二電磁変換部22の電機子33,34を変位させる(ステップS25)。具体的には、ステップS24で判断したエア供給量をエアシリンダ62に供給する。
そして、制御部42は、駆動電力供給部40により第二電磁変換部22に同じ大きさの電流を流す(ステップS26)。
そうすると、第一の作用として、図6に示すように、径方向外方側に変位した電機子33と逸脱防止レールR3、電機子34と逸脱防止レールR4とのそれぞれの間において、径方向内側に向かう吸引力Fが生じる。この吸引力Fは、下向きの鉛直成分Fと径方向内側向きの水平成分Fとを有している。このため、吸引力Fの鉛直成分Fにより、走行レールR1,R2に対して車輪13が押し付けられる。これにより、見掛け軸重(P)が増加する。
また、第二の作用として、図6に示すように、吸引力Fの水平成分Fにより、車両2に径方向内方側に向かう横力が作用する。この横力は、車両2に作用する遠心力Nを相殺して、外側の車輪13(13A)の横圧Qを軽減する。
そして、制御部42は全ての判断を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、走行レールR1,R2の径方向外方側へ変位した電機子33,34と走行レールR1,R2との間で、径方向内方側に向けて吸引力Fが作用する。これにより、軌道Tの曲線区間cにおいて、車両2に作用する遠心力Nを相殺することができる。これにより、軌道Tの曲線区間cを走行する車両2の車輪13のうち外側の車輪13Aの、走行レールR1,R2に対する横圧(Q)を低下させる。従って、脱線係数(Q/P)を低下させることができ、緊急時に車両2が脱線することをより確実に防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、記憶部50を参照することによりボギー角度の大きさに応じて電機子33,34に供給する電流値の大きさを変更する構成としたが、記憶部50を参照することなく常に一定の電流値を供給する構成にしてもよい。
また、支持機構60A,60Bを設けて電機子33,34を変位させる構成としたが、リンク機構や油圧シリンダ機構を用いて支持機構を構成してもよい。
「第三実施形態」
次いで、本発明の第三実施形態について説明する。なお、以下の説明及び説明に用いる図面においては、上述した第一実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8及び図9は本発明の第三実施形態に係る車両3の平面図であって、図8は車両3の進行方向が本線y1である場合、図9は車両3の進行方向が分岐線y2である場合を示している。
図8及び図9に示すように、この分岐区間yにおいては、本線y1側の走行レールR1に沿って設けられた制動レールR7と、分岐線y2側の走行レールR2に沿って設けられた制動レールR8とを備えている。
制動レールR7は、図8に示すように、走行レールR1とノーズレールR5との間に設けられており、ノーズレールR5の可動と干渉しないように配設されている。この制動レールR7は、ノーズレールR5が定位である場合(車両3の進行方向が本線y1である場合)に、ノーズレールR5に沿うようになっており、車両3が本線y1に直進した場合に電機子33が上方を通過する位置に設けられている。
制動レールR8は、図9に示すように、走行レールR2とノーズレールR6との間に設けられており、ノーズレールR6の可動と干渉しないように配設されている。この制動レールR8は、ノーズレールR6が反位の位置である場合(車両3の進行方向が分岐線y2である場合)に、このノーズレールR6に沿うようになっている。この制動レールR8は、車両3が分岐線y2に進行した場合に、電機子34が上方を通過する位置に設けられている。
車両3は、上述した第一実施形態の車両1と同様の構成であるが、車両1の制御部41が曲線情報に基づいて、電機子33,34への各供給電力の大きさを制御したのに対して、本実施形態の制御部43が入力された分岐情報に基づいて、電機子33,34のいずれか一方に電気を供給する点で異なる。
車両3が軌道Tの分岐区間yにあるか否かを判断する分岐情報としては、本実施形態においては、軌道Tの分岐区間yに設けた無線発信機等の無線信号を分岐情報として用いている。なお、列車位置情報を分岐情報として用いてもよい。
続いて上記構成からなる車両3について、主に、図8及び図9と、図10に示す車両3の制御部43の処理を示すフローチャートとを用いて説明する。
図10に示すように、まず制御部43は、緊急停止情報Uが入力されたか否かを判定する(ステップS31)。具体的には、地震波の縦波(P波)を検知したか否かを判定する。ステップS31の判定が「No」である場合には、制御部43はステップS11に戻って同じ判定を繰り返す。
ステップS31の判定が「Yes」である場合には、制御部43は、車両3が軌道Tの分岐区間yにいるか否かを判定する(ステップS32)。例えば、制御部43は、無線発信機の情報に基づいて、車両3が分岐区間yにいるか否かを判断する。
ステップS32の判定が「No」の場合には、制御部43は、電機子33,34に電流を流さない(ステップS33)。
そして、制御部43は全ての判断を終了する。
一方、ステップS32の判定が「Yes」である場合には、制御部43は入力された分岐情報に基づいて、車両3が本線y1に進行するかを判断する(ステップS34)。
ステップS31の判定が「Yes」である場合(車両3が本線y1に進行する場合)には、制御部43は電機子33にのみ電流を流す(ステップS35)。そうすると、制動レールR7と電機子33とに吸引力が生じて、車両3が本線y1に誘導される。
そして、制御部43は全ての判断を終了する。
ステップS31の判定が「No」である場合(車両3が分岐線y2に進行する場合)には、制御部43は電機子34にのみ電流を流す(ステップS36)。そうすると、制動レールR8と電機子34とに吸引力が生じて、車両3が分岐線y2に誘導される。
そして、制御部43は全ての判断を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部43が、地震波の縦波(P波)を検知したことを条件として、車両3が進行する本線y1,分岐線y2に対応して設けられた電機子33,34の吸引力を選択的に生じさせるので、車両3が進行する軌道に、車両3を誘導することができる。これにより、緊急時に車両3が脱線することをより確実に防止することができる。
特に、地震が発生した場合において、車両3が高速走行をしているときには、分岐区間yを本線y1側に向けて直進する場合であっても脱線が生じる可能性が高くなる。しかしながら、本実施形態においては、見かけ上の軸重(P)が増加すると共に、電機子33,34に選択的に電流を供給して車両3を本線(直進方向)に誘導することができるので、脱線の可能性を大幅に低減することができる。
また、通常、分岐線y2に進行する場合においては、比較的に低速で進行することになり脱線の可能性は比較的に低くなるが、本実施形態によれば地震時における脱線を万全に防止することができる。
なお、上述した構成においては、本線y1の走行レールR1に沿って制動レールR7を、分岐線y2に沿って制動レールR8を設けたが、いずれか一方を省略してもよい。この場合には、車両3の進行方向に、制動レールR7又は制動レールR8が設けられている場合に、対応する電機子に電流を流すように制御すれば、本線y1と分岐線y2とのうちいずれか一方の誘導効果を得ることができる。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した第一、第二実施形態では、制動用のレール(制動レール)として、既存の逸脱防止レールR3,R4を用いる構成としたが、これに限られず、例えば、走行レールR1,R2の間に新たに単数又は複数の制動レールを敷設してもよい。
また、上述した各第二電磁変換部22として対となった電機子33,34を用いる構成としたが、これに限られず、例えば、制動レールの数に対応して適宜変更してもよいし、車両2の前後方向に複数に分割させてもよい。
1〜3…車両
10…車体
11…車軸
13,13A…車輪
14…ボギー台車
15…輪軸
20…車両制動装置
22…第二電磁変換部(脱線防止装置)
31,32,33,34…電機子
40…駆動電力供給部
41,42,43…制御部
60A,60B…支持機構
R1,R2…走行レール
R3,R4…逸脱防止レール(制動レール)
R7,R8…制動レール
F…吸引力
M…旋回モーメント
P…緊急停止情報
T…軌道
c…曲線区間
y…分岐区間

Claims (5)

  1. 車軸の両端に一対の車輪が設けられた輪軸を複数備え、軌道に敷設された一対の走行レール上で前記一対の車輪を転動させて走行する車両の脱線防止装置であって、
    前記車両の下部に設けられ、磁界を形成して前記一対の走行レールに沿って設けられた制動レールに対して吸引力を生じさせる電機子と、
    外部から緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記電機子に吸引力を生じさせる制御部と、を備えることを特徴とする脱線防止装置。
  2. 前記制動レールは、前記軌道の曲線区間において前記走行レールに沿って一対設けられ、
    前記制御部は、前記緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記一対の電機子のうち前記軌道の径方向内側の電機子の吸引力を、径方向外側の電機子の吸引力より強くすることを特徴とする請求項1に記載の脱線防止装置。
  3. 前記制動レールは、前記軌道の曲線区間において前記走行レールに沿って設けられ、
    前記車両は、前記車両の下部において前記電機子を車両幅方向に変位可能に支持する支持機構を備え、
    前記制御部は、前記緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記支持機構により、前記電機子を前記走行レールの径方向外方側へ変位させることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱線防止装置。
  4. 前記制動レールは、前記軌道の本軌道から分岐軌道が分岐する分岐区間において、前記本軌道の走行レールと前記分岐軌道の走行レールとのうち少なくとも一方に沿って設けられ、
    前記制御部は、前記緊急停止情報が入力されたことを条件として、前記車両が進行する軌道に前記制動レールが設けられている場合に、該制動レールに対して前記電機子の吸引力を生じさせることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の脱線防止装置。
  5. 前記制動レールは、それぞれ前記一対の走行レールに沿って設けられた一対の逸脱防止レールであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の脱線防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101593980B1 (ko) * 2014-10-30 2016-02-17 한국철도기술연구원 철도차량의 이탈방지 장치 및 그 제어방법
KR101608861B1 (ko) 2014-10-30 2016-04-05 한국철도기술연구원 철도차량의 이탈방지 장치 및 그 제어방법

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