JP2012187813A - 埋設金具および軽量気泡コンクリートパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の埋設金具10は、ALCパネル1に埋設される金具10であってスチレン−アクリル系樹脂からなる防錆皮膜が表面に形成されている。本発明のALCの製造方法は、埋設金具10の表面に、スチレン−アクリル系樹脂からなる防錆皮膜を形成する第1防錆処理工程と、第1防錆処理工程を経た埋設金具10を補強鉄筋2に固定する固定工程と、固定工程を経た補強鉄筋2の表面ならびに埋設金具10の表面にスチレン−アクリル系樹脂を含む第2樹脂防錆層ならびにセメント系防錆層を形成する第2防錆処理工程と、第2防錆処理工程を経た補強鉄筋を配設した型枠内に原料スラリーを打設して半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、オートクレーブ養生工程と、を経ることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明を具体化した実施形態1の埋設金具10について図1ないし図5を参照しながら、説明する。本実施形態では、図1〜図3および図5に示すような側面視略コ字状の埋設金具10を例示して説明するが、本発明の埋設金具10の形状はこれに限定されない。以下の説明において、図2における上側を上方向とする。
上記単量体のうち、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレートおよびアクリル酸から選ばれる単量体およびスチレンを用いるのが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
1.実施例1の埋設金具、比較例1〜2の埋設金具をそれぞれ埋設したALCの作製
(1)第1防錆処理工程
図2に示す形態の埋設金具の表面に、スチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンを塗布することにより、30μmの防錆皮膜を表面に形成して実施例1の埋設金具を得た。スチレン−アクリル系樹脂中のスチレン量は樹脂の質量に対して30質量%である。
実施例1の埋設金具を、図1に示すように、格子状をなす補強鉄筋2の所定箇所に固定した。具体的には、埋設金具10の取付片11を、当該取付片11と埋設金具10の上面10Aとの間に補強鉄筋2の所定箇所を挟持するように取り付けて、溶接を行うことにより、埋設金具10を補強鉄筋2に固定した。
(i)第2樹脂層の形成
スチレン−アクリル系樹脂を含む樹脂混合物を調製した。
樹脂混合物中の各成分の割合は、樹脂中のスチレン量が50質量%のスチレン−アクリル系樹脂が15質量%、石英粉が25質量%、消石灰が15質量%、炭酸カルシウムが10質量%、水35質量%である。
調製した樹脂混合物を、固定工程を経た埋設金具の表面と補強鉄筋の表面とにそれぞれ塗布して第2樹脂層を形成した。
樹脂中のスチレン量が43質量%のスチレン−アクリル系樹脂を7質量%、セメント(普通ポルトランドセメント)を70質量%、および水を23質量%混合してセメント系防錆剤を調製した。
セメント防錆剤を第2樹脂層を形成した埋設金具と補強鉄筋の表面に塗布して、セメント防錆層を形成した。
珪石粉末65質量部、早強セメント20質量部、生石灰粉末11質量部、石膏4質量部、これらの固形成分100質量部に対して70質量部の水、アルミニウム粉末0.06質量部、および減水剤0.1質量部を混合して原料スラリーを作製し、埋設金具付きの補強鉄筋を配設した型枠内に注入し、発泡・硬化させた。3時間経過後の半硬化体を脱型して、0.9mmのピアノ線でパネル形状に切断し、型枠周辺の非製品部分ならびに端部の凸凹部分などを取り除きパネル状の半硬化体を作製した。
(3)で得られた半硬化体を、180℃、10時間オートクレーブで養生することにより実施例1の埋設金具が埋設されたALCパネルを作製した。
第1防錆処理工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の埋設金具が埋設されたALCパネルを作製した。
第1防錆処理工程において、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョンに代えてエポキシ樹脂をカチオン電着塗装したこと以外は実施例1と同様にして比較例2の埋設金具が埋設されたALCパネルを作製した。
詳しくは、比較例2においては、固形分質量に対し、変形エポキシ樹脂を55質量%、硬化樹脂を25質量%、カーボンブラックを3質量%、体質顔料を7質量%、防錆顔料5質量%、硬化触媒を3質量%、添加材を2質量%含む電着塗料を使用し、170℃で30分間加熱して硬化させることで防錆皮膜を形成した。
(1)防錆性能
(試験法)
実施例1の埋設金具が埋設されたALCパネル2枚と、比較例1の埋設金具が埋設されたALCパネル2枚、および比較例2の埋設金具が埋設されたALCパネル2枚について、それぞれ、JIS A 5416の「ALCパネルの9.4防せい剤の防せい性能試験」(JIS法)を行い、防せい試験後のALCパネルを用いて各パネルに埋設された埋設金具の防錆性能試験を行った。
JIS法による防せい試験を経た実施例1の埋設金具および比較例2の埋設金具においては、ともに発錆率が1.0%以下であった。
比較例1の埋設金具においては、補強鉄筋への溶接を行う前にすでに錆が発生しており、JIS法による防せい試験を経た後においては、発錆率が20%以上であった。
(試験法)
JIS A 5416(ALCパネルの9.6埋設部品の引き抜き強さ試験)に準拠し、以下の手順により試験を行った(図5を参照)。
試験体となる各ALCパネル1を、アンカー引き抜き試験用の反力架台(図示せず)に、埋設金具10が埋設されている端部を支持部Sから300mm持ち出し、片持ち状態で設置した。その後、アンカーに油圧ジャッキJを用いてALCパネル1のアンカー部3が破壊するまで荷重を載荷した。載荷速度は毎秒100N〜200Nとし、最大荷重を測定した。試験体となるALCパネルの大きさは、100mm×600mm×1800mm(厚さ、幅、長さ)であり、補強鉄筋の直径は5mmである。なお、本試験法に供するALCパネルとしては防錆性能試験に用いたALCパネルとは別のものを用いた。
また各実施例及び比較例につき、それぞれ2枚のALCパネルについて本試験を行った。表1には各ALCパネル(パネル1、パネル2と記載)における最大荷重(N)と、ALCの表面から厚み方向において何mmのところにナットの上面が存在するか(かぶり厚)、最大荷重の平均値を併せて示した。さらに、表1には、1枚のALCパネルにつき2か所の、最大荷重およびかぶり厚を、aおよびbとしてそれぞれ記載した。
実施例1の埋設金具が埋設されたALCパネルでは、最大荷重の平均値が15783Nであり比較例2と比べても、優れた引き抜き強度を有するということがわかった。
さらに、比較例1の埋設金具が埋設されたALCパネルでは、最大荷重の平均値が15074Nであるが、(1)で述べたように防錆性能が不十分である。
比較例2の埋設金具が埋設されたALCパネルでは最大荷重の平均値が12095Nであり、実施例1および比較例1と比較すると、引き抜き強度が顕著に低かった。
スチレン−アクリル系樹脂からなる防錆皮膜が形成された実施例1の埋設金具は十分な防錆性能を有し、当該埋設金具が埋設されたALCパネルは、アンカーの防錆剤及び設備に要するコストを低減可能でありながらも、優れた引っ張り強度を有することがわかった。
防錆皮膜が形成されていない比較例1の埋設金具が埋設されたALCパネルでは、優れた引き抜き強度を有してはいるが防錆性能が不十分である。
また、エポキシ樹脂をカチオン電着塗装した防錆皮膜が形成された比較例2の埋設金具は防錆性能は十分であるものの、引っ張り強度は不十分であるということがわかった。
2…補強鉄筋
2A…長手方向に沿って配される補強鉄筋
2B…短辺方向に沿って配される補強鉄筋
3…アンカー部
10…埋設金具
10A…(埋設金具の)上面
10B…(埋設金具の)側面
11…取付片
12…筒状体
12A…下端部(ナット部)
B…反力板
D…加力鋼棒
J…油圧ジャッキ
K…荷重
R…荷重計
S…支持部
Claims (3)
- 軽量気泡コンクリートパネルに埋設される埋設金具であって、
スチレン−アクリル系樹脂からなる防錆皮膜が、表面に形成されている埋設金具。 - 前記防錆皮膜の厚みが20μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の埋設金具。
- 軽量気泡コンクリートパネルに埋設される埋設金具の表面に、スチレン−アクリル系樹脂からなる防錆皮膜を形成する第1防錆処理工程と、
前記第1防錆処理工程を経た埋設金具を補強鉄筋に固定する固定工程と、
前記固定工程を経た補強鉄筋の表面ならびに前記埋設金具の表面に、スチレン−アクリル系樹脂を含む第2樹脂防錆層、ならびに、セメントを含むセメント系防錆層を形成する第2防錆処理工程と、
前記第2防錆処理工程を経た補強鉄筋を配設した型枠内に原料スラリーを打設して半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、
前記半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体をオートクレーブ養生するオートクレーブ養生工程と、を経ることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
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