JP2012187325A - 医療用具 - Google Patents

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【課題】可撓性のデリバリーワイヤと、このデリバリーワイヤの先端に接続された、切り離し可能な生体内留置部材からなる医療用具において、放射線不透過性材料からなる生体内留置部材とデリバリーワイヤに配置された放射線不透過性コイルを取り違えることを防止する。
【解決手段】可撓性のデリバリーワイヤ2と、該デリバリーワイヤの先端に接続された切り離し可能な生体内留置部材を有して構成される医療用具であって、可撓性のデリバリーワイヤが可撓性の主線材と、少なくとも1つ以上の放射線不透過コイル3bを有し、該放射線不透過コイルの先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、生体内留置部材を生体内の所定の場所に留置するための医療用具に関するものである。
現在、動脈瘤などに対する侵襲性の少ない治療法として、白金等の生体に悪影響を及ぼさない金属からなる生体内留置部材を血管内に留置する塞栓術が行われている。この方法では、デリバリーワイヤに接続された生体内留置部材は、カテーテルに通され、放射線造影装置による透視下で生体内の所望の位置に誘導した後、離脱され、留置される。
生体内留置部材を離脱する方法には機械式、電気式、水圧式などの各種方法が存在するが、例えば特許文献1に示されるような電気式では外部からデリバリーワイヤと生体に接続する対極との間に電流を供給し、接続部材を分解・溶断することで生体内留置部材が離脱される。機械式、電気式、水圧式いずれの方法においても、生体内留置部材を送達中に動脈瘤などの血管壁を損傷しない事が重要である。
このような生体内留置部材は、通常デリバリーワイヤと生体内留置部材との接続部がカテーテル先端よりわずかに出た状態で離脱することを想定しており、一般的には、生体内留置部材の離脱は放射線造影装置による透視下で、カテーテル先端と生体内留置部材との位置関係を確認しながら行われる。但し、カテーテル先端の位置が透視下にて確認しづらいこともあるため、最近ではカテーテルの先端部分に造影性の高い放射線不透過性の材料からなるマーカーが1つ以上設けられており、そのマーカーにデリバリーワイヤに設けられた放射線不透過部分を合わせることで、カテーテルとの位置関係を精度良く把握することが行われている。
上記デリバリーワイヤは、一般的にステンレスなどからなる可撓性の主線材に、線材を巻回して成型したコイルを取り付けた構造である。
しかしながら、生体内留置部材が白金等の放射線不透過性材料からなる場合には、上記生体内留置部材と上記デリバリーワイヤに配置された放射線不透過性コイルとが同様の造影性であるため、両者を見間違うことがあった。特に、複数の生体内留置部材を目的部に留置する際には、生体内留置部材のデリバリー中に、術者の放射線造影装置の撮像操作が遅れると、目的部位に到達した撮影像が留置しようとする生体内留置部材の像なのか、デリバリーワイヤに配置された放射線不透過性コイルの像なのか区別がつきづらく、誤作動させてしまう可能性があった。
特開平7−265431号公報
本発明は、従来の技術が有する上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、安全性に優れた生体内留置部材送達のための医療用具を提供することにある。
上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、本発明者は、
可撓性のデリバリーワイヤと、該デリバリーワイヤの先端に接続された切り離し可能な生体内留置部材を有して構成される医療用具であって、
該可撓性のデリバリーワイヤが可撓性の主線材と、少なくとも1つ以上の放射線不透過コイルを有し、
該放射線不透過コイルの先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密であることを特徴とする医療用具を提供した。
また、前記可撓性の主線材の先端部から手元側にかけての1領域が、前記放射線不透過コイルに挿通されていることを特徴とする前記医療用具を提供した。
また、前記放射線不透過コイルが、金、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、タングステン、それらの合金および混合物からなる群から選択される放射線不透過性材料からなる、前記医療用具を提供した。
また、前記可撓性の主線材が、ニッケル、チタン、クロム、コバルト、マンガン、鉄、銅、それらの合金および混合物からなる群から選択される金属を含む、前記医療用具を提供した。
また、前記可撓性のデリバリーワイヤが、可撓性の主線材と、放射線不透過コイルと、放射線透過コイルを有して構成されている前記医療用具を提供した。
また、医療用具とカテーテルを有して構成される生体内留置システムであって、
該カテーテルが放射線不透過マーカーを有し、
該医療用具が、可撓性のデリバリーワイヤと、該デリバリーワイヤの先端に接続部を介して接続された切り離し可能な生体内留置部材を有して構成され、
該可撓性のデリバリーワイヤが可撓性の主線材と、少なくとも1つ以上の放射線不透過コイルを有し、
該放射線不透過コイルの先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密であって、
更に医療用具をカテーテルに挿通し、その接続部がカテーテルの先端に達した際に、医療用具の放射線不透過コイルとカテーテルの放射線不透過マーカーが、軸方向の位置が重なる様にそれぞれ配置されていることを特徴とする生体内留置システムを提供した。
本発明の医療用具によれば、例えば留置しようとしている生体内留置部材とデリバリーワイヤに配置された放射線不透過性コイルを取り違えて、誤った位置までデリバリーワイヤを押し込んだり、誤った位置で生体内留置部材を切断することがより確実に防止できることとなる。
カテーテル先端を示す図である。 本発明の医療用具の構成を示す図である。 本発明の実施例における、ワイヤ先端部詳細図である。 本発明の比較例における、ワイヤ先端部詳細図である。 放射線透視装置による撮影写真である。
本発明は、可撓性のデリバリーワイヤと、該デリバリーワイヤの先端に接続された切り離し可能な生体内留置部材を有して構成される医療用具であって、該可撓性のデリバリーワイヤが可撓性の主線材と、少なくとも1つ以上の放射線不透過コイルを有し、該放射線不透過コイルの先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密であることを特徴とする医療用具に関するものである。これによれば、例えば留置しようとしている生体内留置部材とデリバリーワイヤに配置された放射線不透過性コイルを取り違えて、誤った位置までデリバリーワイヤを押し込んだり、誤った位置で生体内留置部材を切断することが防止できる。
前述したように、生体内留置部材の留置は、一般に放射線造影装置による透視下で、カテーテル先端と生体内留置部材との位置関係を確認しながら行われる。特にカテーテル先端の位置が透視下にて、確認しづらいこともあるため、最近では図1に示したように、カテーテル7の先端部分に造影性の高い放射線不透過性の材料からなるマーカーが2つ設けられており、そのセカンドマーカー8bにデリバリーワイヤに設けられた放射線不透過コイル4の先端を合わせることで、カテーテルとの位置関係を精度良く把握することが行われている。
本発明に係る医療用具は、図2に示すように、生体に悪影響を与えない金属からなる生体内留置部材1と、該生体内留置部材を目的の部位にまで送達する為のデリバリーワイヤ2とを有して構成され、特に該生体内留置部材を該導電性ワイヤに対して切り離し可能に接続する為に、これらが接続部材3を介して接続されていることが好ましい。
本発明の医療用具を構成する生体内留置部材1の形状としては、螺旋状、S字状、半径が変化する螺旋状、さらに一次形状と二次形状が付与された形状等、各種形状が可能であるが、特に一次形状が円形の螺旋状で、更に円形の二次螺旋形状が付与された二次コイル形状が好ましい。
生体内留置部材1を形成する線材の材質としては、金、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、タングステン、それらから任意に選択された合金および混合物からなる群から選択されるものが使用可能であるが、特に、白金合金、さらには、プラチナとタングステンからなる合金が好ましい。
また、生体内留置部材1を構成する線材の断面形状は、円形に限定されるものではなく、楕円形や四角形、三角形などの様々な形状も適用できる。また、一次コイルはさらに二次コイル形状や三次元的な形状を持ち、先端側は、生体を傷つけないように丸く加工してあることが好適である。
本発明の医療用具を構成するデリバリーワイヤ2(可撓性を有していることが好ましい)は、可撓性の主線材と、少なくとも1つ以上の放射線不透過コイルを有して構成されている。特に、より小径に構成するために、可撓性の主線材の先端部から手元側にかけての1領域が、前記放射線不透過コイルに挿通されていることが好ましい(更に放射線不透過コイル以外のコイル、例えば放射線透過コイル等を有する場合は、これらも挿通していることが好ましい。)。また、安全性の点から、放射線不透過コイルは、主線材に対して接合されていることが好ましい。即ち、主線材は、その先端部が放射線不透過コイル4、および、有している場合は放射線透過コイル5等の他のコイルの内孔に挿通されると共に、これらに対して固定されていることが好ましい。
尚、主線材の形状として各種形状のものを使用することができるが、特に脳動脈瘤等の治療の際に必要となる小径の血管へのアクセスを可能とする点から、先端に向けて小径化するテーパー状であることが好ましい。
また、主線材を構成する材質としては、ステンレス、超弾性合金からなる群から選択される金属を含んで構成されることが好ましい。或いは、ニッケル、チタン、クロム、コバルト、マンガン、鉄、銅、それらの合金および混合物からなる群から選択される金属を含んで構成されることが好ましい(特に、ステンレス合金、NiTiなどの超弾性合金製が好ましい。)。
また、本発明の医療用具のデリバリーワイヤを構成する1つ以上の放射線不透過コイルは、その先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密であることから、留置しようとしている生体内留置部材とデリバリーワイヤに配置された放射線不透過性コイルを取り違えることがなく、誤った位置までデリバリーワイヤを押し込んだり、誤った位置で生体内留置部材を切断することを防止することができる。尚、先端側のピッチを手元端側のピッチよりも密にする方法として、先端側から手元端側に向けて徐々にピッチを変更しても良いし、段階的に変更しても良いし、或いは途中で一旦ピッチを密にしてその後に疎にするなど、各種構造を採ることが可能である。
また、生体内留置部材がコイル状の場合、このピッチはデリバリーワイヤを構成する放射線不透過コイルの手元端側のピッチよりも密としておくことが好ましい(生体内留置部材は動脈瘤内の血流を遮断し、血栓化を促進させる目的で使用されるものであるので、コイルピッチが密である必要がある。)。
また、先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密である放射線不透過コイルは、特に複数の生体内留置部材を目的部に留置する際でもその位置を確認しやすい様に、デリバリーワイヤの先端から30mm以上離して近位側に配置しておくことが、好ましい(これは当該医療用具を目的部位にデリバリーする際に使用するマイクロカテーテルの多くは、放射線不透過マーカーを有しており、該マーカーはマイクロカテーテル先端から30mmの距離に配置されているためである。該マーカーに放射線不透過コイルを到達させることで、正しい位置を確認しやすく、より安全性を高めることが可能である)。
また、放射線不透過コイルを構成する放射線不透過性の線材としては、金、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、タングステンおよびそれらから任意に選択された合金を用いることが可能であるが、特に、白金合金、さらには、プラチナとタングステンからなる合金が好ましい。
また、図1、2で例示した様に、可撓性のデリバリーワイヤを放射線不透過コイルと放射線透過コイルを有して構成することも可能である。この場合、放射線造影装置による透視下での放射線不透過コイルと放射線透過コイルのコントラストの違いから正しい位置を確認しやすく、より安全性を高めることが可能である。この場合、特に生体内留置部材とデリバリーワイヤに配置された放射線不透過性コイルを取り違えることを防止する点から、放射線透過コイルを放射線不透過性コイルの遠位側に配置することが好ましい。
この場合、放射線透過コイルを構成する放射線透過性の線材としては、ニッケル、チタン、クロム、コバルト、マンガン、鉄、銅、それらの合金および混合物を用いることが可能である。 さらに、前記接続部材3は、その基端側を、デリバリーワイヤ2の先端部に配置されたコイル(例えば、図1や図2の例においては放射線透過コイル5)の内孔に挿入して固定することができる。また、前記接続部材3の先端側は、前記生体内留置部材1の内孔部に挿入して固定することができる。
また図2中に示した様に、デリバリーワイヤ2に絶縁性の表面を形成するために、コーティング6、たとえばフッ素樹脂のコーティングを設けることが好ましい(特に、生体内留置部材の離脱を電気式で行う際は望ましい。)。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
図3に示した構造(放射線不透過コイル3bの先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密)を有するデリバリーワイヤを作成した。図3は図2で示したデリバリーワイヤの先端部Aの詳細な構造を示した図である。放射線不透過性の線材で成型された放射線不透過コイル3bおよび、放射線透過性の線材で成型された放射線透過コイル3aの内孔に、可撓性の主線材が挿通された状態で固定されたものである。放射線不透過コイル3bおよび放射線透過コイル3aはそれぞれ、プラチナ合金、ステンレス合金製であり、可撓性の主線材はステンレス合金製である。
放射線不透過コイル3bは先端側から手元側に向かって、徐々にピッチが拡がっており、両端がデリバリーワイヤ2に固定されている。放射線不透過コイル3bのコイルピッチは密着を100%とすると、100%から300%まで徐々に拡がる構造である。
(比較例1)
図4に示した構造(放射線不透過コイル4bのピッチは一定)を有するデリバリーワイヤを作成した。図4は図2で示したデリバリーワイヤ先端の構造において、放射線不透過性の線材で成型された放射線不透過コイル4bおよび、放射線透過性の線材で成型された放射線透過コイル4aのコイルピッチが密着状態にある構造である。
図5は本発明の効果を確認するため、上記実施例と比較例のデリバリーワイヤを放射線透視装置によって撮影した写真である。写真の右側が実施例、左側が比較例のデリバリーワイヤであるが、写真のように比較例のデリバリーワイヤでは撮像部の濃淡は一定であるが、実施例のデリバリーワイヤでは先端側から手元側にかけて徐々に濃度が薄くなる様子がわかる。
したがって本発明のような構成によれば、放射線透視画像上において前記放射線不透過コイル部分の撮像コントラストが、先端から手元端に向かって徐々に薄くなり、これによって生体内留置部材と見間違えるリスクが低減できるため安全な治療が行える。
1.生体内留置部材
2.デリバリーワイヤ
3.接続部材
4.放射線不透過コイル
5.放射線透過コイル
6.コーティング
7.カテーテル
3a.放射線透過コイル
3b.放射線不透過コイル
4a.放射線透過コイル
4b.放射線不透過コイル
8a.ファーストマーカー
8b. セカンドマーカー

Claims (9)

  1. 可撓性のデリバリーワイヤと、該デリバリーワイヤの先端に接続された切り離し可能な生体内留置部材を有して構成される医療用具であって、
    該可撓性のデリバリーワイヤが可撓性の主線材と、少なくとも1つ以上の放射線不透過コイルを有し、
    該放射線不透過コイルの先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密であることを特徴とする医療用具。
  2. 前記可撓性の主線材の先端部から手元側にかけての1領域が、前記放射線不透過コイルに挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用具。
  3. 前記放射線不透過コイルが前記主線材に対して接合されている請求項1又は2の何れか1項に記載の医療用具。
  4. 前記放射線不透過コイルが、金、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、タングステン、それらの合金および混合物からなる群から選択される放射線不透過性材料からなる、請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用具。
  5. 前記可撓性の主線材が、ステンレス、超弾性合金からなる群から選択される金属を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の医療用具。
  6. 前記可撓性の主線材が、ニッケル、チタン、クロム、コバルト、マンガン、鉄、銅、それらの合金および混合物からなる群から選択される金属を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の医療用具。
  7. 前記切り離し可能な生体内留置部材が、金、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、タングステン、それらの合金および混合物からなる群から選択される放射線不透過性材料からなる、請求項1〜6の何れか1項に記載の医療用具。
  8. 前記可撓性のデリバリーワイヤが、可撓性の主線材と、放射線不透過コイルと、放射線透過コイルを有して構成されている請求項1〜7の何れか1項に記載の医療用具。
  9. 医療用具とカテーテルを有して構成される生体内留置システムであって、
    該カテーテルが放射線不透過マーカーを有し、
    該医療用具が、可撓性のデリバリーワイヤと、該デリバリーワイヤの先端に接続部材を介して接続された切り離し可能な生体内留置部材を有して構成され、
    該可撓性のデリバリーワイヤが可撓性の主線材と、少なくとも1つ以上の放射線不透過コイルを有し、
    該放射線不透過コイルの先端側のピッチが手元端側のピッチよりも密であって、
    更に医療用具をカテーテルに挿通し、その接続部がカテーテルの先端に達した際に、医療用具の放射線不透過コイルとカテーテルの放射線不透過マーカーが、軸方向の位置が重なる様にそれぞれ配置されていることを特徴とする生体内留置システム。
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