JP2012185737A - 火災感知器 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の種類の浮遊粒子が混在している場合でも各粒子ごとに濃度を推定することにより、煙濃度をより精度よく検出する。
【解決手段】音源10から送波された複数の周波数成分の超音波を、受波器20が受波して電気信号に変換する。減衰量検出部41は、音源10から送波され受波器20で受波された超音波の減衰量を複数の周波数成分についてそれぞれ求める。濃度推定部42は、減衰量検出部41で求めた周波数成分ごとの減衰量と浮遊粒子ごとの既知の減衰係数とを用いることにより音源10と受波器20との間の空間に存在する浮遊粒子の濃度を浮遊粒子の種類別に推定する。濃度推定部42により求めた浮遊粒子に煙粒子が含まれかつ求めた煙粒子の濃度が規定の判定範囲に含まれるときに出力部43が火災報を発報する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気媒質を伝播する音波の減衰量に基づいて煙の有無を検出する煙検知式の火災感知器に関するものである。
従来から、音波を用いて煙粒子を検出することにより、火災発生の有無を判断する火災感知器が提案されている。たとえば、特許文献1には、異なる複数の周波数の超音波を音源(音源部)から送波するともに、音源から送波された超音波を受波器(受波素子)で受波し、受波器の出力に基づいて火災の有無を判断する火災感知器が記載されている。特許文献1に記載の技術では、超音波の周波数と減衰量との関係に基づいて、浮遊粒子である黒煙と湯気との粒子の種別を推定し、浮遊粒子が黒煙である場合に煙濃度を推定して、火災の有無を判断している。
特開2007−328763号公報
ところで、特許文献1に記載された技術では、検出対象である浮遊粒子の種類が1種類であると仮定して浮遊粒子の種別を推定しているが、実際に火災が発生する際には、煙粒子と水粒子(水蒸気)とが混在していることも多い。したがって、複数種類の浮遊粒子が混在している環境であっても、各粒子別に濃度を検出する技術が必要である。
本発明は、超音波の送受波により浮遊粒子の種別を推定するにあたり、複数の種類の浮遊粒子が混在している場合でも各粒子ごとに濃度を推定することにより、煙濃度をより精度よく検出する火災感知器を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、複数の周波数成分の超音波を送波する音源と、前記音源から送波された超音波を受波して電気信号に変換する受波器と、音源から送波され受波器で受波された超音波の減衰量を複数の周波数成分についてそれぞれ求める減衰量検出部と、減衰量検出部で求めた周波数成分ごとの減衰量と浮遊粒子ごとの既知の減衰係数とを用いることにより音源と受波器との間の空間に存在する浮遊粒子の濃度を浮遊粒子の種類別に推定する濃度推定部と、濃度推定部により求めた浮遊粒子に煙粒子が含まれかつ求めた煙粒子の濃度が規定の判定範囲に含まれるときに火災報を発報する出力部とを備えることを特徴とする。
この火災感知器において、音源と受波器との間の空間に存在する空気媒質による超音波の周波数成分ごとの減衰量を推定する媒質減衰推定部を備え、濃度推定部は、減衰量検出部で求めた周波数成分ごとの超音波の減衰量から空気媒質による減衰量を除外して浮遊粒子の種類別の濃度を推定することが好ましい。
この場合、媒質減衰推定部は、音源と受波器との間の空間に存在する空気媒質の温度を計測する温度検出手段を備え、温度検出手段で計測した温度を用いて空気媒質による減衰量を推定することが好ましい。
また、この場合において、濃度推定部が濃度を推定する浮遊粒子は水粒子を含み、媒質減衰推定部は、空気媒質の温度と相対湿度とを空気媒質による減衰量に換算する換算手段を備えており、温度検出手段が検出した温度において相対湿度を変化させたときの空気媒質による減衰量の候補を換算手段で求める機能と、相対湿度を100%未満と仮定する第1仮定条件において水粒子が存在しないとみなして他の浮遊粒子のみの濃度を求める機能と、相対湿度を100%と仮定する第2仮定条件において水粒子と他の浮遊粒子との濃度を求める機能とを備え、濃度推定部は、第1仮定条件で求めた他の浮遊粒子の濃度と第2仮定条件で求めた水粒子および他の浮遊粒子の濃度との少なくとも一方と、媒質減衰推定部が求めた空気媒質による減衰量の候補とを用いることにより、媒質減衰推定部が求めた空気媒質による減衰量の候補から適正値を選択することが好ましい。
さらに、この場合において、音源と受波器との間を伝播される超音波の音速を計測する音速計測部をさらに備え、濃度推定部が濃度を推定する浮遊粒子の種類は煙粒子と水粒子とであって、媒質減衰推定部は、空気媒質の温度と相対湿度とを空気媒質による減衰量に換算する換算手段を備えており、温度検出手段が検出した温度において相対湿度を変化させたときの空気媒質による減衰量の候補を換算手段で求める機能と、相対湿度を100%未満と仮定する第1仮定条件において水粒子が存在しないとみなして煙粒子のみの濃度を求める機能と、相対湿度を100%と仮定する第2仮定条件において煙粒子と水粒子との濃度を求める機能とを備え、濃度推定部は、第1仮定条件で求めた煙粒子の濃度と第2仮定条件で求めた煙粒子および水粒子の濃度との少なくとも一方と、音速計測部で求めた音速とを用いることにより第1仮定条件における相対湿度を算出し、算出した相対湿度を用いることにより、媒質減衰推定部が求めた空気媒質による減衰量の候補から適正値を選択することが好ましい。
これらの火災感知器において、換算手段は、温度と相対湿度とを空気媒質による減衰量に対応付けた減衰量記憶部を備え、温度検出手段が検出した温度を減衰量記憶部に照合することにより、温度検出手段が検出した温度において相対湿度を変化させたときの空気媒質による減衰量の候補を求めることが好ましい。
この場合、複数の周波数成分ごとに減衰量記憶部が設けられ、換算手段は、第1仮定条件において空気媒質による減衰量の候補を求める際に、各周波数成分ごとに求められる煙濃度の平均値または重み付き平均値を煙濃度に用いることが好ましい。
また、この火災感知器において、音源は通電に伴って媒質に局所的な熱衝撃を与えて超音波を発生させる熱誘起型であり、受波器は音源とは規定の距離だけ離れた位置に配置され音源からの超音波を受波して電気信号に変換する機能を有し、音速計測部は、音源と、受波器と、単峰性のパルスにより音源を駆動する制御部と、制御部が音源を駆動してから受波器が超音波を受波するまでの超音波の伝播時間と距離とから超音波の伝播速度を求める処理部とを備えることが好ましい。
この場合、処理部は、音源に通電する前にコンデンサに規定量の電荷を充電し制御部が音源に通電した後にコンデンサの放電を開始する充放電部と、受波器が超音波を受波した時点におけるコンデンサの電荷量を音源と受波器との間での超音波の伝播時間に換算する換算部とを備えることが好ましい。
この場合、充放電部は、音源に通電した時点から規定の遅れ時間後にコンデンサの放電を開始し、遅れ時間は、媒質の温度および湿度の計測範囲に応じて上限値が設定されていることが好ましい。
また、この場合、充放電部は、音源に通電した時点から規定の遅れ時間後にコンデンサの放電を開始し、遅れ時間は、温度検出素子で検出された媒質の温度と湿度の計測範囲とに応じて設定されることが好ましい。
本発明の構成によれば、超音波の送受波により浮遊粒子の種別を推定するにあたり、複数の種類の浮遊粒子が混在している場合でも各粒子ごとに濃度を推定することにより、煙濃度をより精度よく検出することができるという効果が得られる。
実施形態を示すブロック図である。 同上に用いる音源の構成例を示す断面図である。 同上に用いる受波器の構成例を示し、(a)は一部破断した斜視図、(b)は断面図である。 同上の動作説明図である。 同上の要部回路図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。
本実施形態は、図1に示すように、超音波を送波する音源10と、音源10から送波された超音波を受波して電気信号に変換する受波器20とを備える。音源10と受波器20とは、適宜の基台に取り付けられ、対向させて既知距離だけ離間させて配置される。音源10の周囲には多重反射を抑制するために吸音部材を配置し、受波器20の周辺には音源10から以外の超音波の入射を抑制するために遮音部材を配置するのが好ましい。
煙検知式の火災感知器として動作させるために、音源10と受波器20との間の空間は煙を導入する空間として開放されている。ただし、必要に応じて防虫網などを設けることにより、当該空間に不要な異物が侵入しないようにするのが好ましい。
音源10は、たとえば、図2に示す構成を備える。図示する音源10は、単結晶半導体であってp形の導電形を付与したベース基板11を備え、ベース基板11の一表面(図2の上面)側に、多孔質半導体からなる熱絶縁層12を介して金属薄膜からなる発熱体層13を設けてある。さらに、音源10は、ベース基板11の前記一表面側に、発熱体層13とオーミックに接続された一対の電極パッド14を備える。ベース基板11は平面視(図2の上面視)において長方形状に形成され、ベース基板11の前記一表面のうち熱絶縁層12を形成していない部位には半導体酸化膜からなる絶縁膜(図示せず)が形成されている。
両電極パッド14の間には発熱体層13が設けられているから、両電極パッド14の間に通電すると発熱体層13が発熱する。ここで、発熱体層13に短時間だけ通電すると、発熱体層13の周囲の媒質が急激に加熱され媒質に局所的な熱衝撃が与えられ、発熱体層13の周囲の媒質が瞬間的に膨張と収縮とを行うことによって圧力波が発生する。この圧力波の振幅は、発熱体層13の温度の変化率に対応し、発熱体層13に通電される電流が一定になり発熱体層13の周囲の媒質の加熱量と放熱量とが均衡するようになると圧力波は停止する。この種の音源10を熱誘起型と称している。
熱絶縁層12は、熱伝導率および熱容量を小さくするために、多孔度を60〜70%程度に設定してある。この構成により、熱絶縁層12は、熱伝導率と熱容量との積がベース基板11よりも小さくなる。したがって、ベース基板11に発熱体層13を直接形成する場合に比べて、発熱体層13への通電時に媒質との熱交換の効率が著しく高められ、少ないエネルギーで振幅の大きい圧力波を発生させることができる。すなわち、エネルギーの利用効率が著しく高くなる。一方、熱絶縁層12により瞬時的に遮断されていた発熱体層13側の熱は、熱絶縁層12の下に設けられた熱を逃がしやすいベース基板11によって徐々にベース基板11側に放熱され、熱絶縁層12に熱が蓄積されないようにしてある。
ベース基板11および熱絶縁層12には、シリコンのほか、ゲルマニウム、炭化ケイ素、ガリウムヒ素などの半導体材料を用いてもよい。これらの半導体材料は、陽極酸化処理による多孔質化が可能である。
また、発熱体層13を形成する金属は、高融点の金属材料であるタングステン、モリブデン、タンタル、イリジウムなどから選択するのが好ましいが、アルミニウムなどを用いてもよい。この種の音源10の設計条件および製造方法は周知であるから詳述しない。なお、設計条件の一例を示すと、ベース基板11の厚み寸法を300〜700μm、熱絶縁層12の厚み寸法を1〜10μm、発熱体層13の厚み寸法を20〜100μm、電極パッド14の厚み寸法を0.5μmとすることができる。
上述した音源10は、強い共振を生じる実質的な共振点がなく、発熱体層13に通電した電流波形に応じた波形の圧力波が発生する。たとえば、電流波形をガウス波形とすればガウス波形の圧力波が発生し、電流波形が矩形波状であれば立ち上がりと立ち下がりとにおいて粗密を生じる圧力波が発生する。すなわち、多くの周波数成分を含んだ圧力波を発生させることができる。
たとえば、音源10を駆動する電流波形として、単発の矩形波あるいはガウス波形を採用することにより、超音波領域の多くの周波数成分を含む圧力波を発生させることができる。また、音源10を駆動する電流波形として、複数個のリンギング(波打ち)成分を含むバースト波、正弦波形が周期的に繰り返す連続波などを用いてもよい。あるいはまた、異なる周波数の超音波を異なる時刻に送波してもよい。
ただし、後述するように、圧力波は超音波領域の周波数成分を含むことが必要であり、さらに、音源10と受波器20との間の超音波の伝播時間を計測する場合がある。したがって、単峰性のパルスで音源10を間欠的に駆動するか、バースト波が送出されるように音源10を間欠的に駆動するのが望ましい。したがって、以下では、単発の矩形波あるいはバースト波を用いることを想定して説明する。
受波器20は、多くの周波数成分を含む圧力波を受波するために、共振点を持たない構成を採用することが望ましい。本実施形態では、この要求を満たすために、図3に示すような、静電容量型のマイクロホンを受波器20に用いている。この受波器20は、矩形状に開口する窓孔23が貫設されたフレーム21と、フレーム21の一表面側においてフレーム21の一辺に一端が片持ち支持された受圧板22とを備える。受圧板22の他端部はフレーム21の一表面に対向する。また、フレーム21と受圧板22には、互いに対向する部位に感知電極24,25が設けられる。
フレーム21と受圧板22との接合部には、感知電極24,25の間に間隙が生じるように受圧板22を支持するとともに受圧板22に復帰力を与えるために、弾性支持部26を設けてある。したがって、受圧板22に圧力が作用すると、圧力の大きさに応じて感知電極24,25の距離が変化し、感知電極24,25の間の静電容量が変化する。すなわち、感知電極24,25の静電容量の変化を検出することにより、受圧板22に作用する圧力の変化を検出することができる。
静電容量型のマイクロホンの構成は周知であって、上述のように、フレーム21と受圧板22とにそれぞれ感知電極24,25を設ける構成以外の構成を採用してもよい。たとえば、フレーム21に2個の感知電極を設け、感知電極間の静電容量が受圧板22との距離変化に応じて変化するのを利用する構成、この構成に加えて受圧板22にエレクトレットを設けた構成など種々構成を用いることができる。また、受波器20として、受圧板22に作用する圧力を感知電極24,25の間の静電容量に変えて検出する静電容量型のマイクロホンではなく、受圧板22の変形を歪みゲージによって検出するマイクロホンを採用してもよい。
音源10および受波器20の構成は一例であって、他の構成を採用することも可能である。たとえば、上述した構成では、音源10と受波器20とはともに利用する周波数範囲では共振点を有していないが、音源10と受波器20との一方において共振を利用する構成を採用してもよい。共振を利用する音源10や受波器20としては、ピエゾ素子を用いる圧電スピーカや圧電マイクロホンが知られている。音源10と受波器20との少なくとも一方において共振を利用する場合、複数の周波数成分を利用するために、音源10と受波器20との少なくとも一方を複数個設け、それぞれ共振周波数を異ならせておくことが望ましい。
図1に示すように、音源10は、制御部30から出力される駆動信号で駆動される。本実施形態で用いる駆動信号は、上述したように、電流波形が単発の矩形波もしくはバースト波となる信号であり、所定の時間間隔で発熱体層13に通電される。単発の矩形波を用いる場合、音源10からは矩形波の立ち上がりと立ち下がりとにおいて圧力に変化が生じる圧力波が発生する。また、バースト波を用いる場合、音源10からはバースト波に追従して圧力が変化する圧力波が発生する。
バースト波を用いる場合、音源10から複数の周波数成分の超音波を送波するために、制御部30から出力する駆動信号の周波数を時間経過に伴って変化させる構成を採用してもよい。たとえば、バースト波の周波数を掃引することにより、複数の周波数成分の超音波を時系列的に発生させる構成を採用してもよい。
さらに、音源10の駆動にあたっては、比較的短い時間間隔で複数個の圧力波をグループとして送出させ、グループを単位とする圧力波を比較的長い時間間隔で送出することが望ましい。この動作では、グループとなる複数個の圧力波から得た結果を統計的に処理(異常値を除去して平均値を求めるなど)することによって、1個の圧力波から得られる結果だけを用いる場合に比較して誤差の発生を抑制することができる。また、圧力波のグループを比較的長い時間間隔で送出することにより、短い時間間隔で圧力波を連続的に送出する場合よりも消費電力を低減することができる。すなわち、計測のために消費するエネルギーが低減される。
一方、受波器20が圧力波を受波すると、圧力波の波形と相似になる波形を有した電気信号が受波器20から出力される。受波器20から出力された電気信号は処理部40に入力され、処理部40では、以下に説明する動作によって、音源10と受波器20との間の空間に導入された浮遊粒子の濃度を、浮遊粒子の種類別に検出する。処理部40は、たとえばマイコン、DSP(Digital Signal Processor)のようにプログラムに従って動作するプロセッサを備える素子を主構成として構成される。また、処理部40はアナログ−デジタル変換器(以下、「A/D変換器」という)を備える(前記素子に内蔵していてもよい)。
処理部40は、受波器20の出力によって、浮遊粒子に煙粒子が含まれる場合に煙粒子の濃度を判断し、煙粒子の濃度が規定の判定範囲に含まれるときに火災報を発報する。この動作を行うために、処理部40は、音源10から送波され受波器20で受波された超音波の減衰量を複数の周波数成分についてそれぞれ求める減衰量検出部41を備える。
減衰量検出部41では受波器20の出力から所要の複数の周波数成分を抽出し、周波数成分ごとに減衰量を求める。周波数成分の抽出には、異なる通過周波数帯域に設定した複数個のバンドパスフィルタで構成されるフィルタバンク、高速フーリエ変換などの周知の技術を用いて受波器20の出力信号を周波数成分ごとに分離する。
本実施形態では、減衰量として、浮遊粒子の存否に伴う受波器20の受波音圧の減衰比を用いる。すなわち、浮遊粒子が存在しないときに受波器20が音源10から受波する超音波の音圧をIo、浮遊粒子が存在するときに受波器20が音源10から受波する超音波の音圧をIxとするとき、(Io−Ix)/Ioの値を減衰量に用いる。ここに、xは浮遊粒子の濃度を表し、濃度の単位には%毎メートルを用いる。
処理部40は、減衰量検出部41で求めた周波数成分ごとの減衰量を用いて音源10と受波器20との間の空間に存在する浮遊粒子の濃度を浮遊粒子の種類別に推定する濃度推定部42を備える。濃度推定部42では、周波数成分ごとの減衰量を数1に示す基本式にに当てはめることにより、浮遊粒子の種類別の濃度を推定する。
Figure 2012185737
ただし、数1において、添字iは周波数を表し、ARは減衰量、CVは空気媒質による減衰量、Aは浮遊粒子により決まる減衰係数、Cは浮遊粒子の濃度である。すなわち、数1のうち、減衰量検出部41で減衰量ARが求められ、Aは既知であるから、空気媒質による減衰量CVを求めることができれば、濃度Cを求めることができる。
空気媒質による減衰量CVは、適宜の一定値としても浮遊粒子の種類別の濃度の目安は得られる。したがって、減衰量CVを省略して求めた浮遊粒子の濃度の目安により浮遊粒子の多寡を判断してもよい。ただし、浮遊粒子の濃度をより正確に求めるには、空気媒質による減衰量CVを求めることが望ましい。
ところで、数1に示されているように、浮遊粒子による超音波の減衰量は、対象とする浮遊粒子による減衰量が比較的小さい場合には、浮遊粒子の種類に応じた比例係数(減衰係数)で濃度に応じてほぼ線形に変化する。
以下では、説明を簡単にするために浮遊粒子として煙粒子(以下、「煙」という)と水粒子(以下、「湯気」という)との2種類を想定する。したがって、数1において空気媒質による減衰量CVが求められると未知数は2個になり、2種類の周波数に対する減衰量を求めることによって、煙と湯気との濃度を個別に求めることができる。空気媒質による減衰量CVを求める技術は後述するが、上述したように減衰量CVを省略しても煙の濃度の多寡についての目安は得ることができる。なお、3種類以上の浮遊粒子について濃度を求める必要があれば、減衰量を求める周波数成分の数を増やせばよい。
処理部40は火災報を発報する出力部43も備える。出力部43は、濃度推定部42において求めた浮遊粒子に煙が含まれ(つまり、煙の濃度が規定値以上であり)、かつ求めた煙の濃度(以下、煙の濃度を「煙濃度」という)が規定の判定範囲に含まれるときに火災報を発報する。判定範囲は、通常は適宜に設定した閾値以上の範囲として設定すればよいが、上限と下限とを規定してもよい。また、出力部43から出力する火災報は、他装置に報知するための信号を用いるほか、聴覚刺激を与える音や視覚刺激を与える光による火災報であってもよい。
ところで、上述した動作では空気媒質による減衰量CVを省略しているが、数1に示しているように、超音波のエネルギーの減衰量ARには、実際には、浮遊粒子による減衰量だけではなく、空気媒質による減衰量CVも含まれている。したがって、音源10と受波器20との間の空間に存在する空気媒質による減衰量CVを求めると、濃度推定部42において減衰量CVを除外して湯気の濃度(以下、「湯気濃度」という)と煙濃度とを求めることができ、結果的に煙濃度の推定精度が高められる。以下では、空気媒質による減衰量CVを求める技術について説明する。
空気媒質による超音波の周波数成分ごとの減衰量CVは、処理部40に設けた媒質減衰推定部44により推定される。空気媒質による減衰量CVは、音速の変化に伴う指向性の変化の影響を受けることが知られている。また、音速は空気媒質の温度および湿度の影響を受ける。すなわち、空気媒質による減衰量CVは、空気媒質の温度と湿度とに依存する。したがって、空気媒質による減衰量CVを精度よく求めるには、空気媒質の温度と湿度とを精度よく求めればよいと言える。言い換えると、媒質減衰推定部44は、空気媒質の温度と湿度とをパラメータに用いて空気媒質による減衰量CVを推定する。
ところで、音源10と受波器20との間の環境は時々刻々と変化するため、温度および湿度は、応答性よく計測する必要がある。また、火災感知器に用いるから、温度および湿度を計測する構成が複雑になることは避けなければならない。
温度の計測には熱容量の小さい温度センサを用いることができる。すなわち、媒質減衰推定部44に、音源10と受波器20との間の空間に存在する空気媒質の温度を計測する温度検出手段441を設ける。温度検出手段441としては、サーミスタのような周知の温度センサを用いる。
一方、湿度を応答性よくかつ簡単な構成で計測するには、音速と温度と湿度との関係を用い、音速と温度とから湿度を求める技術を採用する。空気媒質を伝達される超音波の音速vは、空気媒質の温度がT[°K]、空気媒質の水蒸気圧がP[Pa]、大気圧がPA[Pa]であるときに、数2のように表される。
Figure 2012185737
ただし、数2において、Cは浮遊粒子の濃度である。また、Mは、減衰率が1mあたり1%である濃度の浮遊粒子を含む気体について、体積を22.4[L]としたときに含まれる浮遊粒子の質量を、標準空気の分子量である28.8で除した値に相当する。jは浮遊粒子の種別であり、nは浮遊粒子の種類の数である。本実施形態では、浮遊粒子が煙と湯気とであるから、n=2になる。また、k1、k2は音波が伝播する媒質により定まる定数であり、空気媒質ではたとえば、k1=20.067、k2=0.3192を採用することができる。ここで、温度T[°K]における飽和水蒸気圧をPs[Pa]とし、相対湿度をRH[%]とすると、数3の関係が得られる。
Figure 2012185737
数2において、浮遊粒子に関する項(総和で表した項)は浮遊粒子が存在しなければ0になる。すなわち、音源10と受波器20との間に空気媒質のみが存在する場合には、音速は、空気媒質の温度および湿度のみによって決まる。
しかしながら、火災感知器として用いる場合は、浮遊粒子の存在を考慮しなければ、空気媒質の湿度を精度よく求めることができない。すなわち、湿度を正確に求めようとすれば、浮遊粒子の存在による空気媒質の密度変化に伴う音速の変化を無視することができない。ただし、数2に示すように、浮遊粒子の存在を考慮して空気媒質の音速の変化を求める計算は計算量が多く媒質減衰推定部44の処理負荷が大きくなる。また、湿度センサを別に設けて湿度を計測することも考えられるが、コスト増になる上に大型化するという問題が生じる。
そのため、媒質減衰推定部44は、空気媒質による減衰量を計算で求めるのではなく、減衰量記憶部としての補正テーブル442を参照することにより空気媒質による減衰量の候補を求める構成を採用するのが望ましい。補正テーブル442では、温度と湿度との組み合わせに対して空気媒質による減衰量を対応付けてある。温度は、使用する温度範囲において、たとえば5℃刻みで設定され、湿度は、相対湿度であって、たとえば5%刻みで設定される。補正テーブル442は周波数成分ごとに設けられ、補正テーブル442には減衰量に対する周波数の影響も折り込まれる。
浮遊粒子を含まない空気媒質による減衰量は、上述した補正テーブル442を用いることにより、温度(摂氏)と湿度(相対湿度)との組み合わせから抽出される。すなわち、補正テーブル442は、温度と湿度とを空気媒質による減衰量に換算する換算手段として機能する。ここで、温度は温度検出手段441により検出されるが湿度は求められていないから、媒質減衰推定部44は、温度検出手段441で検出した温度のみを補正テーブル442に照合する。したがって、当該温度に対応したすべての湿度に対応する減衰量が抽出される。このようにして補正テーブル442から抽出される複数の値は、空気媒質による減衰量の候補になる。
いま、補正テーブル442を行と列とを有したマトリクス形式で表現し、各列をそれぞれ異なる温度に対応付け、各行をそれぞれ異なる湿度に対応付けているとする。この場合、上述のように温度検出手段441で検出した温度を補正テーブル442に照合することにより、温度で決まる1列における各湿度に対応した空気媒質による複数の減衰量が候補として抽出される。
ここに、温度検出手段441で検出される温度は、補正テーブル442における温度の刻み幅に照応するように区分される。たとえば、補正テーブル442の温度が、…、15℃、20℃、25℃、…のように5℃刻みで設定されている場合には、温度検出手段441で検出される温度の値を、補正テーブル442に設定された温度の値にまるめる。温度の値をまるめることは、整数値における四捨五入と同様の処理であり、この処理により、たとえば、17.5℃以上22.5℃未満の温度は、20℃にまるめられる。
補正テーブル442において、湿度の刻み幅が5%に設定されていると、0〜100%の範囲で湿度は21区分に分割される。つまり、空気媒質による減衰量の候補は、1種類の周波数成分について、温度検出手段441で検出した温度に対して21個抽出される。
上述のように、浮遊粒子は、煙と湯気との2種類のみを想定しているから、以下では、空気媒質の相対湿度が100%のときに湯気が存在し、空気媒質の相対湿度が100%未満のときには湯気が存在しないと判断する。すなわち、相対湿度が100%に達しなければ、浮遊粒子としての湯気は存在できないという制約条件を用いる。
媒質減衰推定部44では、空気媒質による減衰量CVの各候補と、減衰量検出部41で求めた減衰量ARとをそれぞれ数1に当てはめる。ここで、湯気が存在しないという第1仮定条件において、減衰量AR、CVを数1に当てはめると、周波数成分ごとに煙濃度を(AR−CV)として求めることができる。言い換えると、湯気に関する項を省略して煙に関する項のみに着目して演算を簡単に行うことができる。異なる周波数成分に対して、煙濃度、温度、相対湿度が同一であると仮定すると、煙濃度と相対湿度は組み合わせとして取り扱うことができ、温度を計測するだけで、煙濃度、相対湿度が求められる。
ただし、異なる周波数成分について求めた煙濃度の値に食い違いがある可能性があるから、各周波数成分について求めた煙濃度の平均値や、周波数成分ごとの重み係数を設定した重み付き平均値などを用いる。たとえば、相対湿度の刻み幅を5%とした場合、第1仮定条件に対応する相対湿度は0%、5%、10%、…、95%の20区分になるから、第1仮定条件に対して20個の煙濃度が得られる。このような場合は、データを複数回取得して平均化することにより、煙濃度、相対湿度として適正値を求めることができる。
一方、湯気が存在するという第2仮定条件において、減衰量AR、CVを数1に当てはめると、既知の値である減衰量AR、CVと、未知の値である水分子の濃度および煙濃度の関係式が周波数成分ごとに得られる。これらの関係式を連立方程式とみなせば、湯気濃度および煙濃度を求めることができる。第2仮定条件は、湯気が存在するという条件であるから、相対湿度は100%が適用される。
上述のようにして、第1仮定条件では、空気媒質の複数の相対湿度についてそれぞれ単純な四則演算のみで煙濃度が求められる。また、第2仮定条件では、空気媒質の相対湿度を100%として連立方程式を解くことにより煙濃度が求められる。これらの煙濃度は、空気媒質の温度が温度検出手段441で検出された温度である場合について相対湿度が異なると仮定して得られる値である。
なお、上述の例では相対湿度を5%刻みとしたが、刻み幅は、10%刻みや20%刻みのように適宜に設定することができる。刻み幅が大きくなると、相対湿度を決定する分解能は低下するが、相対湿度を決定する処理は短時間で迅速に行うことができる。ここで、第1仮定条件と第2仮定条件とで煙濃度を推定しているが、どちらの条件が正しい計測環境を示しているか検証する必要がある。
この検証のために、まず、超音波の音速の実測値と、湯気濃度と煙濃度との各組み合わせとを数2に代入することにより湿度を求める。
超音波の音速は、音源10と受波器20との間の空間における超音波の伝播時間を計測して求める。すなわち、処理部40は、制御部30が超音波を送波した時点と、受波器40が超音波を受波した時点との時間差を計測し、音源10と受波器20との間の既知の距離と時間差とから音速を求める音速計測部45を備える。
音速計測部45から得られる音速の実測値は、媒質減衰推定部44で求めた湯気濃度および煙濃度の各組み合わせとともに濃度推定部42に入力される。濃度推定部42は、音速と湯気濃度と煙濃度とをそれぞれ数2に代入して水蒸気圧を求める。数2を用いて求められるのは水蒸気圧だけであるから、数2から得られた水蒸気圧を数3に代入して相対湿度に換算することができる。
次に、第1仮定条件と第2仮定条件により湯気濃度と煙濃度との各組み合わせを求めたときの各湿度と、湯気濃度と煙濃度との組み合わせおよび音速の実測値を数2に適用して求めた湿度との差分をそれぞれ求める。このとき、湯気濃度と煙濃度との同じ組み合わせに対応する2種類の湿度の差分を求める。求めた差分が最小になったとき当該仮定条件が適正であるから、その湯気濃度および煙濃度を、音源10と受波器20との間の空間における湯気濃度および煙濃度と判断する。出力部43は、得られた煙濃度が所定の判定範囲であれば火災報を出力させる。湿度は相対湿度である。
すなわち、湯気濃度および煙濃度を求めるために、媒質減衰推定部44は、温度検出手段441で検出した温度を補正テーブル442に照合して空気媒質による減衰量の複数の候補を求めている。さらに、媒質減衰推定部44は、空気媒質による減衰量の複数の候補からそれぞれ求められる湯気濃度および煙濃度の複数の候補と音速の実測値とを用いて湿度に関する複数の候補を求めている。そして、補正テーブル442から求めた減衰量の複数の候補にそれぞれ対応する湿度の複数の候補と、音速の実測値を用いて求めた湿度の複数の候補との一致の程度が高い候補に対応した空気媒質による減衰量を採用していることになる。
上述の処理では湿度の差分を求めているが、湿度は空気媒質の減衰量に関する複数の候補の評価値として用いているだけである。すなわち、媒質減衰推定部44は、湿度を求めるのではなく、音速の情報を用いて空気媒質による減衰量の候補から適正値を選択する機能を有していると言える。この機能は、上述した補正テーブル442に代えて、温度と音速とを空気媒質による減衰量に対応付けたテーブルを用いることによっても実現可能である。
上述した処理部40の動作を図4にまとめて示す。減衰量検出部41は、受波器20の出力を取得し(S11)、受波器20が受波した超音波から複数の周波数成分を抽出するとともに、適宜の時間間隔で周波数成分ごとの減衰量を求める(S12)。また、媒質減衰推定部44は、減衰量検出部41が減衰量を求めたときの媒質の温度(摂氏)を温度検出手段441から取得し(S13)、取得した温度を補正テーブル442に照合し、この温度に対応する空気媒質による湿度ごとの減衰量を補正テーブル442から抽出する(S14)。次に、媒質減衰推定部44は、補正テーブル442から抽出した相対湿度が100%未満である場合と100%である場合とに区分する(S15)。つまり、相対湿度に応じて第1仮定条件と第2仮定条件とに区分する。
相対湿度が100%未満である場合、媒質減衰推定部44は、数1から湯気に関する項を省略し、各湿度について補正テーブル442から求めた空気媒質による減衰量を数1に適用して煙濃度を算出する(S16)。数1は複数の周波数成分ごとの関係を表しており、煙濃度は周波数成分ごとに算出されるから、媒質減衰推定部44では、複数の周波数成分の関係から求めた煙濃度の平均値、または特定の周波数成分の関係から求めた煙濃度を煙濃度として採用する。また、相対湿度が100%の場合、媒質減衰推定部44は、数1における複数の周波数成分の関係を連立方程式とし、連立方程式の解として湯気濃度および煙濃度を算出する(S17)。ステップS16で求めた煙濃度(このとき、湯気濃度は0とする)と、ステップS17で求めた湯気濃度および煙濃度は、濃度推定部42に入力される。
一方、音速計測手段45が超音波の音速を実測しているから、濃度推定部42は、音速の実測値と湯気濃度と煙濃度との組み合わせと音速の実測値とを数2に代入し、音速の実測値に対応する湿度を求める(S18)。さらに、濃度推定部42は、湯気濃度と煙濃度との組み合わせに対応する湿度と、音速の実測値を加味して求めた湿度との差分を求め、求めた差分が最小になるときの煙濃度を求める(S19)。濃度推定部42が求めた煙濃度が所定の判定範囲であれば出力部43から火災報を出力する(S20)。
上述した技術では、湿度を計測せず、温度検出手段441により計測した温度と、補正テーブル442にあらかじめ登録された温度と湿度と空気媒質による減衰量との関係と、音速の実測値とを用いることにより煙濃度を推定している。また、相対湿度に関して第1仮定条件と第2仮定条件とに区分し、第1仮定条件と第2仮定条件とで煙濃度を推定する計算を異ならせてある。
しかしながら、上述した技術では、第1仮定条件と第2仮定条件との両方について煙濃度を推定するから、計算量が多くなっている。とくに、第2仮定条件が成立しているときには湯気の計算が不要であるから計算量が少なくなるにもかかわらず、第1仮定条件に関しても煙濃度を推定することにより、多くの無駄な計算をしていることになる。そこで、計算量を軽減するために、第1仮定条件と第2仮定条件との一方のみの計算を行うことが考えられる。第1仮定条件と第2仮定条件とは、相対湿度が100%未満であるか、100%であるかの相違であるから、相対湿度について100%か否かの判定ができればよい。
すなわち、第1仮定条件と第2仮定条件とを区分する程度の湿度の計測であれば、湿度を精度よく計測しなくとも湿度の目安が得られるようにすればよい。本実施形態は、音源10と受波器20との間の空間における超音波の伝播時間を用いて湿度を推定する技術を用いる。超音波を伝播する媒質の湿度は、媒質中での超音波の伝播時間と媒質の温度とをパラメータとして求める。具体的には、音源と受波器との間で超音波が伝播される距離をL、伝播時間をt、媒質の温度をT[°K]、媒質の水蒸気圧をP[Pa]、大気圧をPA[Pa]としたときに、数4の関係が得られる。
Figure 2012185737
k1,k2は適宜に定められる係数であり、たとえば、媒質を空気とすると、k1=20.067、k2=0.3192を用いることができる。L/tは媒質中の超音波の伝播速度になるから、数4は数2において浮遊粒子に関する項(総和で表した項)を省略した関係になる。相対湿度は数3により求まる。したがって、数4は実際には浮遊粒子が存在しない空気媒質のみの場合において成立するが、媒質が空気媒質のみではなく浮遊粒子を含む場合であっても数4によって目安を得ることができる。すなわち、媒質を伝播する音速は、浮遊粒子の濃度の影響を受けるものの、空気媒質の温度と湿度との影響のほうが大きいから、数4は概算として用いることができる。
したがって、温度検出手段441で計測した温度と音速計測部45で求めた音速とを数4に適用することによって絶対湿度を求め、この絶対湿度を相対湿度に換算すると、相対湿度が100%か100%未満かを区分することができる。このように、超音波を伝播する空間における媒質の相対湿度を求める処理を、図4のステップS15に代えて行えば、第1仮定条件と第2仮定条件との区分別にそれぞれ数2を用いて湿度を求める演算が不要になる。すなわち、第1仮定条件と第2仮定条件との一方の区分についてのみ数2を用いて湿度を求める演算を行えばよく、とくに第2仮定条件が成立している場合は、湯気を考慮する必要がないことにより、計算量の大幅な削減が期待できる。
ところで、音速計測部45において、音源10が超音波を送出してから受波器20が超音波を受信するまでの時間を計測するには、処理部40を構成しているプロセッサの動作クロックを計数することが考えられる。
一方、本実施形態では、図5に示すように、コンデンサ451の充放電を利用して、超音波の伝播時間を計測している。音速計測部45は、音源10に通電する前にコンデンサ451に規定量の電荷を充電し音源10が超音波を送出した時点からコンデンサ451の放電を開始する充放電部452を備える。また、音速計測部45は、受波器20が超音波を受波した時点のコンデンサ451の電荷量を音源10と受波器20との間の超音波の伝播時間に換算する換算部453を備える。
充放電部452は、コンデンサ451に規定量の電荷を充電する充電部454と、コンデンサ451を定電流で放電させる放電部455とを備える。充電部454は、音源10から超音波を送出するために通電する前に、コンデンサ451に規定量の電荷を充電する。したがって、音源10から超音波を送出する直前におけるコンデンサ451の端子電圧は規定した電圧値になる。
充電部454と放電部455とは、充放電部452に設けた切替部456により選択される。実際には、制御部30から音源10に駆動信号を与えた時点で、切替部456は放電部455を選択し、コンデンサ451の放電を開始させる。したがって、コンデンサ451の端子電圧は、図6に示すように、音源10から超音波が送出された時点t1から時間経過に伴って低下する。
充放電部452は、受波器20から出力される電気信号を基準値と比較する比較部457を備えている。比較部457は、受波器20から出力される電気信号(電圧値)が基準値を超えると切替部456に指示し(時刻t2)、コンデンサ451の放電を停止させる。この時点では、コンデンサ451の充放電は停止する。したがって、コンデンサ451の端子電圧は、音源10から超音波が送出された後に、受波器20により超音波が受波されるまでの時間(t2−t1)に対応する。すなわち、コンデンサ451の端子電圧を用いて超音波の伝播時間(t2−t1)を計測することができる。
コンデンサ451の端子電圧は、温度検出手段441から出力される電気信号とともに、換算部453に入力され、必要に応じて増幅された後、アナログ−デジタル変換(以下、「A/D変換」という)が施される。換算部453では、コンデンサ451の端子電圧から求められる超音波の伝播時間と、温度検出手段441で計測された温度と、既知情報とを上式に当てはめることにより、媒質の湿度を算出する。
ここに、換算部453では、複数個の超音波から求められる伝播時間を統計的に処理することにより、伝播時間の算出精度を高める。すなわち、伝播時間の計測値における異常値や変動成分を除去することによって、伝播時間の計測誤差を抑制する。
なお、音源10と受波器20との間での超音波の伝播時間を計測するには、コンデンサ451の充放電を利用する技術のほか、他の周知の時間計測の技術を用いてもよい。たとえば、一定周期で発生するクロック信号をカウンタで計数する技術を用い、音源10に駆動信号を与えた時点から受波器20で超音波が受波されるまでの時間をクロック信号の計数値として計測してもよい。
ところで、換算部453では、コンデンサ451の端子電圧を増幅した後にA/D変換を施しているから、伝播時間の分解能は増幅後の電圧の変化幅とA/D変換の際の分解能とに依存する。すなわち、A/D変換器の入力電圧の範囲と出力ビット数とに依存して伝播時間の分解能が決まることになる。一方、コンデンサ451は音源10が超音波を送波した時点から受波器20が超音波を受波するまでの期間に放電されるから、コンデンサ451の端子電圧は伝播時間の計測範囲外の期間においても変化している。
たとえば、伝播時間の計測範囲が100〜500nsであるとすると、0〜100nsの期間は計測範囲外であるから、A/D変換器の入力電圧の範囲にこの期間の電圧を含むことは無駄である。図7(a)のように時刻t1において音源10から超音波を送出し、図7(b)のように時刻t2において受波器20において超音波が受波されるとすると、上述した構成では、超音波の伝播時間を時刻t1からの経過時間txとして計測していることになる。
しかしながら、音源10が超音波を送出してから受波器20が超音波を受波するまでの伝播時間が変化する範囲(計測範囲tv)は、計測しようとする媒質の温度および湿度に応じて決定され、変化する範囲の下限値より短い時間範囲では伝播時間は変化しない。つまり、伝播時間が変化しない範囲まで計測範囲tvに含めると、A/D変換器の限られたダイナミックレンジを有効に利用していないことになる。
ここでは、説明を簡単にするために、A/D変換器の入力電圧の範囲が0〜5Vであり、伝播時間の計測範囲が100〜500nsであって、A/D変換器の入力電圧と伝播時間とが線形関係である場合を想定する。つまり、入力電圧の5Vは伝播時間の0nsに対応し、入力電圧の0Vは伝播時間の500nsに対応する。
この場合、入力電圧の10mVの変化が伝播時間の1nsの変化に対応する。仮にA/D変換器の出力ビット数を8ビットとすれば、1ビット当たり5/255≒20mVになるから、伝播時間を約2nsの単位で検出することができる。ただし、伝播時間について0〜100nsは計測範囲外であるから、入力電圧について4〜5Vの範囲は利用されないことになる。
そこで、A/D変換器の入力電圧の範囲のうち伝播時間の計測に利用されていない範囲を伝播時間の計測に利用すれば、伝播時間についての分解能を高めることができると考えられる。本実施形態では、以下に説明する技術を採用することにより、A/D変換器の性能を変更することなく伝播時間についての分解能を向上させている。
ここでは、充放電部452において、音源10に通電した時点から規定の遅れ時間後にコンデンサ451の放電を開始する構成を採用している。超音波の伝播時間は媒質の温度および湿度に依存するから、遅れ時間は媒質の温度および湿度の計測範囲に応じて上限値を設定する。
すなわち、図8(a)のように時刻t1において音源10から超音波を送出し、図8(b)のように時刻t2において受波器20において超音波が受波される場合、超音波の伝播時間を時刻t1から遅れ時間tdが経過した後の経過時間tyとして計測するのである。言い換えると、実際の伝播時間は遅れ時間tdと経過時間tyとの和になる。この場合、伝播時間を実際に計測している期間は、時刻t1から遅れ時間tdが経過した後のみであり、遅れ時間tdは計測する必要がないから、経過時間tyを計測する期間と計測範囲tvとが重複する割合が多くなる。ここに、計測範囲tvは、計測の対象である媒質の温度および湿度の範囲により決まるから、計測範囲tvを開始する遅れ時間tdの上限値を、媒質の温度および湿度の範囲によって決めておく。
たとえば、上述した条件であれば、遅れ時間の上限値を100nsに設定する。いま、遅れ時間を100nsに設定するだけで他の条件を変更しなければ、伝播時間の100〜500nsに対応するA/D変換器の入力電圧は1〜5Vになる。A/D変換器の入力電圧の範囲は0〜5Vであるから、伝播時間の計測範囲をA/D変換器の入力電圧の範囲に対応付けるように条件を変更する。具体的には、コンデンサ451の放電に際しての時定数を変更するか(放電部455の放電電流を変更する)、コンデンサ451の端子電圧の増幅率を変更し、伝播時間の100〜500nsを入力電圧の0〜5Vに対応付ける。
この場合、入力電圧の10mVの変化は伝播時間の0.8nsの変化に対応することになる。すなわち、A/D変換器の出力ビット数が8ビットであるとすれば、伝播時間を約1.6nsの単位で検出することが可能になる。言い換えると、A/D変換器の入力電圧の範囲を伝播時間の計測に無駄なく利用して、伝播時間についての分解能を向上させることになる。
上述した動作では、遅れ時間を固定的に設定しており遅れ時間に設定可能な上限値を定めているが、温度検出手段441で検出した媒質の温度を用いて遅れ時間を調整する構成としてもよい。すなわち、温度が上昇すれば、音速が大きくなり伝播時間が短くなるから、温度検出手段441により検出した温度が高いほど遅れ時間を短くするように調整する構成を採用してもよい。
この構成を採用する場合でも、遅れ時間には上限値を定めておくのが望ましい。すなわち、遅れ時間が大きすぎると遅れ時間の経過後に設定されている計測期間において、超音波が検出されなくなる可能性があるから、遅れ時間には上限値を設定しておくのが望ましい。
10 音源
20 受波器
30 制御部
40 処理部
41 減衰量検出部
42 濃度推定部
43 出力部
44 媒質減衰推定部
441 温度検出手段
442 補正テーブル(減衰量記憶部、換算手段)
45 音速計測部
451 コンデンサ
452 充放電部
453 換算部

Claims (11)

  1. 複数の周波数成分の超音波を送波する音源と、前記音源から送波された超音波を受波して電気信号に変換する受波器と、前記音源から送波され前記受波器で受波された超音波の減衰量を複数の周波数成分についてそれぞれ求める減衰量検出部と、前記減衰量検出部で求めた周波数成分ごとの減衰量と浮遊粒子ごとの既知の減衰係数とを用いることにより前記音源と前記受波器との間の空間に存在する浮遊粒子の濃度を浮遊粒子の種類別に推定する濃度推定部と、前記濃度推定部により求めた浮遊粒子に煙粒子が含まれかつ求めた煙粒子の濃度が規定の判定範囲に含まれるときに火災報を発報する出力部とを備えることを特徴とする火災感知器。
  2. 前記音源と前記受波器との間の空間に存在する空気媒質による超音波の周波数成分ごとの減衰量を推定する媒質減衰推定部を備え、前記濃度推定部は、前記減衰量検出部で求めた周波数成分ごとの超音波の減衰量から空気媒質による減衰量を除外して浮遊粒子の種類別の濃度を推定することを特徴とする請求項1記載の火災感知器。
  3. 前記媒質減衰推定部は、前記音源と前記受波器との間の空間に存在する空気媒質の温度を計測する温度検出手段を備え、前記温度検出手段で計測した温度を用いて空気媒質による減衰量を推定することを特徴とする請求項2記載の火災感知器。
  4. 前記濃度推定部が濃度を推定する浮遊粒子は水粒子を含み、前記媒質減衰推定部は、空気媒質の温度と相対湿度とを空気媒質による減衰量に換算する換算手段を備えており、前記温度検出手段が検出した温度において相対湿度を変化させたときの空気媒質による減衰量の候補を前記換算手段で求める機能と、相対湿度を100%未満と仮定する第1仮定条件において水粒子が存在しないとみなして他の浮遊粒子のみの濃度を求める機能と、相対湿度を100%と仮定する第2仮定条件において水粒子と他の浮遊粒子との濃度を求める機能とを備え、前記濃度推定部は、第1仮定条件で求めた他の浮遊粒子の濃度と第2仮定条件で求めた水粒子および他の浮遊粒子の濃度との少なくとも一方と、前記媒質減衰推定部が求めた空気媒質による減衰量の候補とを用いることにより、前記媒質減衰推定部が求めた空気媒質による減衰量の候補から適正値を選択することを特徴とする請求項3記載の火災感知器。
  5. 前記音源と前記受波器との間を伝播される超音波の音速を計測する音速計測部をさらに備え、前記濃度推定部が濃度を推定する浮遊粒子の種類は煙粒子と水粒子とであって、前記媒質減衰推定部は、空気媒質の温度と相対湿度とを空気媒質による減衰量に換算する換算手段を備えており、前記温度検出手段が検出した温度において相対湿度を変化させたときの空気媒質による減衰量の候補を前記換算手段で求める機能と、相対湿度を100%未満と仮定する第1仮定条件において水粒子が存在しないとみなして煙粒子のみの濃度を求める機能と、相対湿度を100%と仮定する第2仮定条件において煙粒子と水粒子との濃度を求める機能とを備え、前記濃度推定部は、第1仮定条件で求めた煙粒子の濃度と第2仮定条件で求めた煙粒子および水粒子の濃度との少なくとも一方と、前記音速計測部で求めた音速とを用いることにより第1仮定条件における相対湿度を算出し、算出した相対湿度を用いることにより、前記媒質減衰推定部が求めた空気媒質による減衰量の候補から適正値を選択することを特徴とする請求項3記載の火災感知器。
  6. 前記換算手段は、温度と相対湿度とを空気媒質による減衰量に対応付けた減衰量記憶部を備え、前記温度検出手段が検出した温度を前記減衰量記憶部に照合することにより、前記温度検出手段が検出した温度において相対湿度を変化させたときの空気媒質による減衰量の候補を求めることを特徴とする請求項4又は5記載の火災感知器。
  7. 前記複数の周波数成分ごとに前記減衰量記憶部が設けられ、前記換算手段は、第1仮定条件において空気媒質による減衰量の候補を求める際に、各周波数成分ごとに求められる煙濃度の平均値または重み付き平均値を煙濃度に用いることを特徴とする請求項6記載の火災報知器。
  8. 前記音源は通電に伴って媒質に局所的な熱衝撃を与えて超音波を発生させる熱誘起型であり、前記受波器は前記音源とは規定の距離だけ離れた位置に配置され前記音源からの超音波を受波して電気信号に変換する機能を有し、前記音速計測部は、前記音源と、前記受波器と、単峰性のパルスにより前記音源を駆動する制御部と、前記制御部が前記音源を駆動してから前記受波器が超音波を受波するまでの超音波の伝播時間と前記距離とから超音波の伝播速度を求める処理部とを備えることを特徴とする請求項5記載の火災報知器。
  9. 前記処理部は、前記音源に通電する前にコンデンサに規定量の電荷を充電し前記制御部が前記音源に通電した後に前記コンデンサの放電を開始する充放電部と、前記受波器が超音波を受波した時点における前記コンデンサの電荷量を前記音源と前記受波器との間での超音波の伝播時間に換算する換算部とを備えることを特徴とする請求項8記載の火災報知器。
  10. 前記充放電部は、前記音源に通電した時点から規定の遅れ時間後に前記コンデンサの放電を開始し、遅れ時間は、媒質の温度および湿度の計測範囲に応じて上限値が設定されていることを特徴とする請求項9記載の火災報知器。
  11. 前記充放電部は、前記音源に通電した時点から規定の遅れ時間後に前記コンデンサの放電を開始し、遅れ時間は、前記温度検出素子で検出された媒質の温度と湿度の計測範囲とに応じて設定されることを特徴とする請求項9記載の火災報知器。
JP2011049445A 2011-03-07 2011-03-07 火災感知器 Withdrawn JP2012185737A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110230375A (zh) * 2019-05-13 2019-09-13 华中科技大学 一种自助防火灭火功能的节能建筑面板
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