JP2012183152A - 光干渉測定方法および光干渉測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 周波数に依存する情報をフーリエ解析して被検体の距離あるいは断層情報を取得する光干渉技術において、干渉光学系の構成には関係なく横方向の測定精度と深さ方向の測定範囲を広く確保するとともに異なる測定精度が要求される複数の長さ情報を同時に取得可能な光干渉測定方法あるいは装置を提供する。
【解決手段】 連続するスペクトルを有する光束を照射し、照射した前記光束を測定光と参照光に分離し、前記測定光が測定対象により反射した反射光と前記参照光を合波し、合波した前記反射光と前記参照光の干渉光を周波数領域の干渉信号として検出し、検出した前記干渉信号をフーリエ解析することにより前記測定対象の深さ方向の距離あるいは断層情報を取得する光干渉測定方法において、前記フーリエ解析の前に検出した前記干渉信号にゼロパディング処理を行なうことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 連続するスペクトルを有する光束を照射し、照射した前記光束を測定光と参照光に分離し、前記測定光が測定対象により反射した反射光と前記参照光を合波し、合波した前記反射光と前記参照光の干渉光を周波数領域の干渉信号として検出し、検出した前記干渉信号をフーリエ解析することにより前記測定対象の深さ方向の距離あるいは断層情報を取得する光干渉測定方法において、前記フーリエ解析の前に検出した前記干渉信号にゼロパディング処理を行なうことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、被検体において反射された光の干渉により被検体に関わる長さ情報を取得する装置に関し、詳しくはオプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー(OCT)に関わる技術を応用して被検体の長さを測定する装置に関する。
医療分野において、光の干渉を利用して被検者に非接触な状態で被検体内部の情報を取得するOCTが広く利用されている。OCTは、被検体の屈折率分布・分光情報・偏光情報(複屈折率分布)等が測定可能であり、長さ情報もその1つである。
OCT測定には、TD(Time Domain)−OCT測定とFD(Fourier Domain)−OCT測定の2種類が存在する。FD−OCT測定は、高速な測定が可能となる手法として、近年注目されている。FD−OCT測定を行う光断層画像化装置で代表的なものとしては、SD(Spectral Domain)−OCT装置とSS(Swept Source)−OCT装置の2種類が挙げられる。
SD−OCT装置は、広帯域の低コヒーレント光を用い、干渉光を分光手段により各光周波数成分に分解し、アレイ型光検出器等にて各周波数成分に対応した干渉光強度を測定し、この干渉強度信号を計算機でフーリエ変換解析することにより、深さ方向における反射率、すなわち断層情報を取得するものである。
SS−OCT装置は、光源に周波数を時間的に掃引させるレーザ等を用い、干渉光の周波数の時間的変化に対応した干渉光強度の時間波形を測定し、この干渉強度信号を計算機でフーリエ変換することにより、深さ方向における反射率、すなわち断層情報を取得するものである。
前述したSD−OCTあるいはSS−OCTにおいては、取得される情報は深さ方向の情報が周波数ごとに分離されている信号が複合されているため、TD−OCTのように参照面の移動は不要である。従って、断層情報の取得に要する時間を短縮可能なため、近年多くの装置において採用されるようになっている。しかしながら、取得される情報の分解能は波長帯域幅に反比例しており、光学的分解能を向上させるために波長帯域幅を広くすることが求められている。
OCTが最も普及している眼科分野においては、眼球に関する様々な距離を短時間に精度良く測定することが望まれている。例えば、特許文献1では眼軸長をはじめ、前房深度、角膜曲率を1台で複数の測定機能を持つ装置が提案されている。しかし、この眼軸長測定はTD−OCT方式であるため、測定時間が長く被検眼の固視微動などの影響を受けやすいという問題がある。また、眼軸長・前房深度・角膜曲率のそれぞれが異なった手法で測定されるため、装置が大掛かりになる問題もある。
近年、コヒーレンス長の長い波長走査光源が開発され、測定時間の短いSS−OCT方式での眼軸長測定が可能になった(非特許文献1)。しかし、この光源では波長帯域幅が狭く、角膜厚や角膜曲率測定には分解能が足りないため、眼軸長測定と同じシステムで測定では求められる測定精度を満足することはできない。
この問題を解決するために、特許文献2では測定の対象や目的に応じて光源の波長走査速度やサンプリング周波数を調整することで波長分解能を制御し、測定可能範囲(測定深度)や分解能を変更する方法が提案されている。
しかし、一般に波長走査光源の波長変動幅とコヒーレンス長はトレードオフの関係にあり、眼軸長測定と角膜厚・角膜曲率測定に必要な測定可能範囲や分解能を両立できるような光源は技術的に困難であるため、この方法では問題を解決することはできない。仮にそのような光源があったとしても、角膜厚測定時に波長分解能を落として波長変動幅を広くすると、コヒーレンスが長いために眼底からの反射光がエイリアシングノイズとなり誤った測定をしてしまうおそれがある。
また、SD−OCTやSS−OCT方式では、光周波数に対して完全に線形にサンプリングすることは困難であり、線形に較正する方法は特許文献3〜6において開示されている。しかしながら、前述の特許文献に開示された技術では、波長走査速度やサンプリング周波数の変更に伴って適切な較正値も変化することから複数の較正値を保持する構成が必要となり装置の演算処理回路が複雑になってしまう問題がある。
Changho Chong et al., "Large coherence length swept source for axial length measurement ofthe eye" APPLIED OPTICS/Vol.48, No.10/1, April 2009,PP.D144-150
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、周波数に依存する情報をフーリエ解析して被検体の距離あるいは断層情報を取得する光干渉技術において、干渉光学系の構成には関係なく横方向の測定精度と深さ方向の測定範囲を広く確保するとともに異なる測定精度が要求される複数の長さ情報を同時に取得可能な光干渉測定方法あるいは装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備えることを特徴とする。
(1) 連続するスペクトルを有する光束を照射し、照射した前記光束を測定光と参照光に分離し、前記測定光が測定対象により反射した反射光と前記参照光を合波し、合波した前記反射光と前記参照光の干渉光を周波数領域の干渉信号として検出し、検出した前記干渉信号をフーリエ解析することにより前記測定対象の深さ方向の距離あるいは断層情報を取得する光干渉測定方法において、前記フーリエ解析の前に検出した前記干渉信号にゼロパディング処理を行なうことを特徴とする。
(2) (1)の光干渉測定方法において、測定対象を設定することにより前記ゼロパディング処理において付加されるゼロの数が自動的に決定されることを特徴とする。
(3) (1)〜(2)の光干渉測定方法において、前記ゼロパディング処理は前記干渉信号の少なくとも最初のデータの前あるいは最後のデータの後に行なわれることを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかの光干渉測定方法において、前記ゼロパディング処理の前に前記干渉信号に対してローパスフィルタ処理を施すことを特徴とする。
(5) 連続するスペクトルを有する光束を照射する光束照射手段と、照射した前記光束を測定光と参照光に分離する光束分離手段と、前記測定光が測定対象により反射した反射光と前記参照光を合波する光束合波手段と、合波した前記反射光と前記参照光の干渉光を周波数領域の干渉信号として検出する干渉信号検出手段と、検出した前記干渉信号をフーリエ解析する解析手段とを有する光干渉測定装置において、前記解析手段による解析の前に前記干渉信号にゼロパディング処理を行なう干渉信号処理手段を設けたことを特徴とする。
(6) (5)の光干渉測定装置において、測定対象を設定する測定対象設定手段を有し、該測定対象設定手段により設定された測定対象に基づいて前記ゼロパディング処理において付加されるゼロの数が自動的に決定されることを特徴とする。
(7) (5)〜(6)の光干渉測定装置において、前記ゼロパディング処理は前記干渉信号の少なくとも最初のデータの前あるいは最後のデータの後に行なわれることを特徴とする。
(8) (5)〜(7)の光干渉測定装置において、前記干渉信号に対して前記ゼロパディング処理の前にローパスフィルタ処理を施すフィルタ手段を有することを特徴とする。
(2) (1)の光干渉測定方法において、測定対象を設定することにより前記ゼロパディング処理において付加されるゼロの数が自動的に決定されることを特徴とする。
(3) (1)〜(2)の光干渉測定方法において、前記ゼロパディング処理は前記干渉信号の少なくとも最初のデータの前あるいは最後のデータの後に行なわれることを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかの光干渉測定方法において、前記ゼロパディング処理の前に前記干渉信号に対してローパスフィルタ処理を施すことを特徴とする。
(5) 連続するスペクトルを有する光束を照射する光束照射手段と、照射した前記光束を測定光と参照光に分離する光束分離手段と、前記測定光が測定対象により反射した反射光と前記参照光を合波する光束合波手段と、合波した前記反射光と前記参照光の干渉光を周波数領域の干渉信号として検出する干渉信号検出手段と、検出した前記干渉信号をフーリエ解析する解析手段とを有する光干渉測定装置において、前記解析手段による解析の前に前記干渉信号にゼロパディング処理を行なう干渉信号処理手段を設けたことを特徴とする。
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(7) (5)〜(6)の光干渉測定装置において、前記ゼロパディング処理は前記干渉信号の少なくとも最初のデータの前あるいは最後のデータの後に行なわれることを特徴とする。
(8) (5)〜(7)の光干渉測定装置において、前記干渉信号に対して前記ゼロパディング処理の前にローパスフィルタ処理を施すフィルタ手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、周波数に依存する情報を取得する干渉信号を取得する光干渉測定方法において、取得された測定データから距離情報を算出するデータ変換の処理内容が、算出する距離情報に要求される測定精度に基づいて変更可能な構成とされているため、要求される測定精度が確保された距離情報を算出可能となる。
また、本発明によれば、距離情報に要求される測定精度は取得された測定データを距離情報に変換するデータ変換の処理過程において確保する構成とされているため、要求される測定精度が異なる複数の距離情報を算出する場合においても同一の測定データを使用できるため、複数回の測定が不要となり測定時間を短縮可能となる。
さらに、本発明によれば、測定によって取得するデータが周波数に依存する情報であれば要求される測定精度を確保可能であるため、光学系を構成する光源あるいは分光器に特別な仕様のものを採用することは不要であり、価格が上昇することを抑えることも可能となる。
以下、図面に基づいて説明を行なう。
図1は、本発明の一実施形態である波長走査型光源を利用した光干渉距離測定装置の構成を示している。また、図2は、本実施例の光干渉距離測定装置の電気的構成を概略的に示している。
ここで、図示はしないが、光干渉断層撮影装置の装置本体は、保持台に対して、X方向(左右方向)及びY方向(上下方向)並びにZ方向(前後方向)に移動可能に支持されている。装置本体の前面側(被検者側)には、顎受け部及び額当て部が、前記保持台に対して固定的に設けられている。被検者が、前記顎受け部に顎を載せると共に額当て部に額を当てることにより、被検者の眼(被検眼E)が、装置本体の前面に設けられた撮影用の(光の出入りが行われる)検査窓の正面に配置されるようになっている。
このとき、図2にのみ示すように、この光干渉断層撮影装置1には、前記装置本体を前記保持台に対して、X方向、Y方向、Z方向に夫々自在に移動させるための本体駆動部2が設けられている。詳しい説明は省略するが、この本体駆動部2は、X方向移動モータ、Y方向移動モータ、Z方向移動モータなどを備えた周知構成を備えており、制御装置3により制御されるようになっている。後述するように、この本体駆動部2及び制御装置3は、アライメント光学系4等と共にアライメント手段及びオートアイトラッキング手段を構成するようになっている。
前記装置本体には、図2に示すように、CPU,メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成され全体の制御を行う制御装置3、前眼部Ecの断層画像を取得する断層画像取得手段としてのOCTシステム5、被検眼Eの正面画像を撮影する撮像手段を構成する前眼部撮像系6、アライメント光学系4が設けられている。このアライメント光学系4は、上記のようにアライメント手段及びオートアイトラッキング手段を構成すると共に、角膜頂点位置検出手段を構成する。これらOCTシステム5、前眼部撮像系6、アライメント光学系4の詳細については後述する。
さらに、装置本体には、後面(検者)側に位置して、被検眼正面画像等を表示する表示装置としてのモニタ7や、検者(オペレータ)が各種操作を行うためのキー操作部8が設けられている。図示はしないが、前記キー操作部8には、測定開始スイッチ、測定領域指定スイッチ等が含まれている。また本実施例では、前記モニタ7の画面上には、指定手段として機能するタッチパネル9が設けられている。尚、前記制御装置3には、撮影した三次元画像の画像データ等を記憶する記憶部10が接続されている。
図1は、上記した光学系、即ち、OCTシステム5、前眼部撮像系6、アライメント光学系4の構成を示している。以下、これらについて順に述べる。前記OCTシステム5は、光干渉断層法により前眼部Ecの断層画像を得るものである。本実施例では時間的に波長を変化させて走査する波長走査光源11を用いたフーリエドメイン(光周波数掃引)方式が採用されている。
即ち、波長走査光源11から出力された光は、光ファイバ12aを通して第1のファイバーカプラ13に入力され、この第1のファイバーカプラ13において、例えば1:99の比率で、参照光と測定光とに分波されて出力される。そのうち参照光は、光ファイバ12bを通って第1のサーキュレータ14の入力部に入力され、更にこの第1のサーキュレータ14の入出力部から光ファイバ12cを通ってその端部から出力され、複数個のコリメータレンズ15を通って参照ミラー16に入射される。
そして、参照ミラー16にて反射された参照光が、再び、複数個のコリメータレンズ15を通って光ファイバ12cの端部から入力され、光ファイバ12cを通って第1のサーキュレータ14の入出力部から入力される。そして、第1のサーキュレータ14の出力部から出力された参照光は、光ファイバ12dを通って第2のファイバーカプラ17の第1の入力部に入力される。
一方、前記第1のファイバーカプラ13から出力された測定光は、光ファイバ12eを通って第2のサーキュレータ18の入力部に入力され、さらにこの第2のサーキュレータ18の入出力部から光ファイバ12fを通ってその端部から出力される。光ファイバ12fの端部から出力された測定光は、コリメータレンズ19を通ってガルバノスキャナ20に入力される。ガルバノスキャナ20は、測定光を走査させるためのもので、ガルバノドライバ21により駆動されるようになっている。
この第2のファイバーカプラ17において、前眼部Ecからの反射光と、前記光ファイバ12dを通って入力された参照光とが、例えば50:50の比率で合波され、その信号が光ファイバ12h、12iを介して検出器24に入力される。検出器24においては、波長毎の干渉が測定され、測定された干渉信号が、前記制御装置3に設けられたADボード25に入力される。さらに、制御装置3に設けられた演算部26において、干渉信号に対するフーリエ変換などの処理が行われ、もって走査線に沿う前眼部Ecの断層画像が取得されるのである。
このとき、詳しくは後述するように、前記ガルバノスキャナ20による測定光のスキャンパターン言い換えると走査線(B−スキャン)の方向は、制御装置3において設定されるようになっている。そして、制御装置3(演算部26)からの指令信号に基づいてガルバノドライバ21がガルバノスキャナ20を制御するようになっている。尚、得られた前眼部Ecの断層画像のデータは、必要な屈折補正が行われた後、前記記憶部10に記憶される。また、図1に模式的に示しているように、その断層画像Tを前記モニタ7に表示させることができる。
次に、前記前眼部撮像系6は、照明光源27,27、前記対物レンズ23、前記ホットミラー22、コールドミラー28、結像レンズ29、CCDカメラ30、光学制御部31を備えて構成される。照明光源27,27は、被検眼Eの正面に可視光領域の照明光を照射するようになっており、被検眼Eからの反射光が、前記検査窓から前記対物レンズ23、ホットミラー22、コールドミラー28、結像レンズ29を通って、CCDカメラ30に入力される。これにて、被検眼Eの正面画像Fが撮影され、撮影された画像データは、光学制御部31によって画像処理が行われて、前記モニタ7に表示されるようになる。
そして、前記アライメント光学系4は、より詳細には、被検者が固視灯を見つめることにより眼球(被検眼E)を極力動かさないようにさせるための固視灯光学系、被検眼E(角膜頂点)のXY方向の位置(本体に対する上下左右の位置ずれ)を検出するためのXY方向位置検出系、被検眼E(角膜頂点)の前後方向(Z方向)の位置を検出するためのZ方向位置検出系を含んで構成されている。
そのうち固視灯光学系は、固視灯32、コールドミラー33、リレーレンズ34、ハーフミラー35、前記コールドミラー28、前記ホットミラー22、前記対物レンズ23などから構成されている。これにて、固視灯32から出力された光(例えば緑色の光)は、コールドミラー33、リレーレンズ34、ハーフミラー35、コールドミラー28、ホットミラー22、レンズ23を順に介して、検査窓から被検眼Eに向けて出力されるようになっている。
前記XY方向位置検出系は、XY位置検出光源36、前記コールドミラー33、前記リレーレンズ34、前記ハーフミラー35、前記コールドミラー28、前記ホットミラー22、前記対物レンズ23、結像レンズ37、位置センサ38などを備えて構成されている。前記XY位置検出光源36からは、位置検出用のアライメント光が出力され、コールドミラー33、リレーレンズ34、ハーフミラー35、コールドミラー28、ホットミラー22、対物レンズ23を介して、検査窓から被検眼Eの前眼部Ec(角膜)に向けて出射される。
このとき、被検眼Eの角膜表面が球面状をなすことにより、アライメント光は、被検眼Eの角膜頂点の内側で輝点像を形成するようにして角膜表面で反射され、その反射光が、検査窓から入射されるようになっている。角膜頂点からの反射光(輝点)は、対物レンズ23、ホットミラー22、コールドミラー28、ハーフミラー35、結像レンズ37を介して位置センサ38に入力される。位置センサ38によってその輝点の位置が検出されることにより、角膜頂点の位置(X方向及びY方向の位置)が検出されるようになっている。尚、前記輝点は、CCDカメラ30の撮影画像(モニタ7の表示画像)にも写り込むものとなる。
前記位置センサ38の検出信号は、前記光学制御部31ひいては制御装置3に入力される。この場合、位置センサ38と前記前眼部撮像系6(CCDカメラ30やモニタ7)との間でのアライメントが取られていると共に、角膜頂点の所定(正規)の画像取得位置(断層画像取得時に追従させるべき位置)が設定されている。角膜頂点の正規の画像取得位置としては、例えば、CCDカメラ30の撮影画像の中心位置(前記モニタ7の画面中心位置)と一致する点とされている。前記制御装置3は、位置センサ38の検出に基づいて、正規の位置に対する、検出された角膜頂点(輝点)のX方向及びY方向の位置ずれ量(この場合モニタ7の画面中心からの位置ずれ量)を求めるようになっている。
前記Z方向位置検出系は、Z方向位置検出光源39、結像レンズ40、ラインセンサ41を備えて構成されている。Z方向位置検出光源39は、被検眼Eに対して斜め方向から検出用の光(スリット光又はスポット光)を照射し、角膜からの斜め方向の反射光が、結像レンズ40を介してラインセンサ41に入射されるようになっている。このとき、装置本体に対する被検眼Eの前後方向(Z方向)の位置によって、ラインセンサ41に入射される反射光の入射位置が異なるようになるので、被検眼Eの装置本体に対するZ方向の位置(距離)が検出されるのである。
ラインセンサ41の検出信号は、前記制御装置3に入力されるようになっている。このとき、制御装置3には、被検眼E(角膜)の装置本体に対する適切なZ方向位置(距離)が予め設定されており、ラインセンサ41の検出に基づいて、被検眼Eの適切な位置に対するZ方向のずれ量を求めることができるのである。
そして、制御装置3は、前記XY方向位置検出系により検出された角膜頂点(輝点)のX方向及びY方向の位置ずれ量、並びに、前記Z方向位置検出系により検出された被検眼EのZ方向の位置ずれ量に基づいて、それらの位置ずれ量を全て0にするように、本体駆動部2を制御し、装置本体を保持台に対して移動させる。このとき、制御装置3は、距離情報測定を開始するにあたって、角膜頂点の位置を所定の測定位置に一致させるように前記装置本体を前記保持台に対して移動させるようになっていると共に、距離情報の取得処理中にも、角膜頂点と装置本体との位置関係を一定に保つように、該装置本体を追従移動させるようになっている。これにより、アライメント手段及びオートアイトラッキング手段が構成されているのである。
さて、前記制御装置3は、そのソフトウェア的構成(距離測定プログラムの実行)により、OCTシステム5、前眼部撮像系6、アライメント光学系4、本体駆動部2などを制御し、眼球Eに関わる距離を測定する処理を実行するもので、図3はその基本的な処理内容をフローに示したものである。
まず、ステップ10(S10)において、検者は測定する距離を設定(指定)する。ここで、測定する距離は1つではなく複数設定することも可能である。測定する距離を設定することにより、当該距離の測定に要求される検出範囲と測定精度が明確になる。
従って、ステップ20(S20)において、検出範囲を確保するために必要な波長変動幅および波長分解能(波長変動幅/サンプリングデータ数)が導き出される。
例えば、眼軸長測定においては、測定範囲40mm以上、測定精度0.04mm程度の結果が要求され、中心波長1.06μmの場合は波長変動幅13nm以上、波長分解能13nm/2000点を満足しなければならない。
一方、角膜厚測定においては、測定範囲としておよそ5mm、測定精度は0.01mmの結果が要求され、波長変動幅50nm、波長分解能50nm/1000点が必要となる。
例えば、眼軸長測定においては、測定範囲40mm以上、測定精度0.04mm程度の結果が要求され、中心波長1.06μmの場合は波長変動幅13nm以上、波長分解能13nm/2000点を満足しなければならない。
一方、角膜厚測定においては、測定範囲としておよそ5mm、測定精度は0.01mmの結果が要求され、波長変動幅50nm、波長分解能50nm/1000点が必要となる。
その後、ステップ30(S30)においてスペクトル信号が取得され、ステップ40(S40)において解析が行われる。ここで、図4はステップ40のスペクトル解析の内容を示しており、特にステップ42(S42)に示されているゼロパディング処理により、フーリエ解析において測定精度を向上させるためのデータが補間される。
ここで、本発明の特徴とする前述の信号処理について以下に説明する。図5は従来の信号処理を示したものである。図5(a)はSD-OCTの場合は分光器、SS−OCTの場合は波長走査により取得された一組のスペクトル成分を含むデータベクトル:χ={χ0,χ1,……,χN-1}を検出した様子を示している。
しかしながら、このデータベクトルは光周波数に従って線形分布していないため、線形分布するようにデータを再構築(以後リスケーリングと表す)する必要がある。リスケーリング手段には、一般に離散フーリエゼロパディング補完、直線線形補完などがある。図5(b)に示されるようにデータベクトル:χをリスケーリングし、さらに窓関数を掛けたデータベクトル:χ’={χ0’,χ1’,……,χN-1’}を、数1によりフーリエ変換したデータべクトル:X={X0,X1,……,XN-1}が距離を反映した情報として取得される。
なお、図5(c)に示される信号は、横方向に関してN個のデータの中央に該当する(N/2−1)番目のデータを境界として右側は共役信号波形が形成されるため、距離情報取得において有効なデータ数は元の半分であるN/2個となる。
ところで、図5(b)に示されるデータベクトル:χ’にフーリエ変換を施す場合、χ0’の前あるいはχN-1’の後に0(ゼロ)を付加しても、元のデータベクトル:χに関する距離情報の範囲は変化しないという特徴がある。この特徴を利用すると、付加する0(ゼロ)の数を増加させるほど距離に関わる画素分解能を向上させることができる。
図6は、図5(b)に示される信号χ’の後ろにM個の0(ゼロ)を付加した後にフーリエ変換を施した例を示したものである。図6(a)に示されるデータベクトル:χ”={χ0”,χ1”,……,χN+M-1”}は、数2のように表される。
このデータベクトル:χ”をフーリエ変換して取得される信号X’={X0,X1,……,XN+M-1}は、数3により表すことができる。
図6(b)はデータベクトル:X’を図5(c)と同様に表したものである。ここで、図5(c)および図6(b)の横軸方向に反映される距離は同じであり、従来の信号処理におけるデータ数がN個であるのに対して本発明に関わる信号処理ではデータ数が(M+N)個であるため、画素分解能がN/(M+N)となり波形情報を正確に把握することが可能となる。
図7はN個のデータを取得してゼロパディング処理を行なわずフーリエ変換を行なう従来の信号処理における検出精度(解像度)について説明するもので、図7(a)にDとして示した領域における信号を図7(b)として示している。図7(a)に示したN個のデータに反映される測定対象の長さがLである場合、検出精度(解像度)はL/Nとなる。ここで、図7(b)には領域Dの信号が3個のデータD1〜3によって構成されている例を示しており、検出精度(解像度)に直結するそれぞれのデータ間の距離はデータの数Nに支配される。
図8は図7に示した信号にゼロパディング処理によりM個のデータを付加した後にフーリエ変換を行なった例を示したものである。M個の0(ゼロ)の付加による測定範囲の変化はないため、図7と同様に測定範囲の長さをLとすると検出精度(解像度)はL/(M+N)となる。従って、ゼロパディング処理を行なわない場合と比較すると検出精度は(M+N)/N倍となる。図8(a)にD’として示した領域における信号を図8(b)として示している。ここで、図8(b)は図7(b)に相当する領域が設定され、かつM=3Nの関係が成立している例でD1’〜9’の9個のデータによって構成される。
図7(b)ならびに図8(b)を比較すると、本発明に関わるゼロパディング処理を行なっていない図7(b)では3個のデータD1〜3を結ぶ線分により波形が表されるため実際の波形(元波形)より粗くなっている。しかしながら、本発明に基づいて0(ゼロ)のデータを付加することにより図8(b)に示すようにD1’〜D9’間を結ぶ線分は実際の波形(元波形)とほとんど一致するようになる。
なお、全データ数(M+N)が2のべき乗になるように0(ゼロ)を付加した場合には、高速フーリエ変換が適用できるため処理時間をさらに短縮可能となる。本実施例では、サンプリングのデータ数N=2048,M=6144とするのが最適な条件となる。
ここで、角膜厚の測定においては40mm以上の測定範囲は不要であるため、本来8192点でフーリエ変換する必要はなく1024点で十分である。しかし、波長走査光源は眼軸長測定に有利なようにコヒーレンス長が長く設計されているため、サンプリング速度を下げることやデータを直接間引くことを行なうと、図5(c)では横軸方向において中央を境界として右側に位置していた共役信号の一部が中央の左に位置するようになり、この結果図9(a)に示されるように角膜後面信号Cp近傍に角膜眼底による共役信号のエイリアシングノイズR’等が位置する可能性が生じる。従って、エイリアシングノイズR’を角膜後面信号Cpと誤認してしまう危険があり問題となってくる。
そこで、データベクトル:XあるいはX’に対して、図4のフローにおいてステップ43(S43)とされているフーリエ変換の前にローパスフィルタ処理を行なうことにより図9(b)に示すように角膜厚の測定においては不要な角膜眼底信号RならびにそのエイリアシングノイズR’が除去され、その後にサンプリングのデータを間引く処理(ダウンサンプリング)を行うことで不要にデータ数を増やすことなく、フーリエ変換などの演算による負荷を軽くすることができるとともに、測定精度が低下することも防ぐことも可能となる。
図10は図4のフローにおいてステップ41(S41)とされたリスケーリングの処理に際して、前述のエイリアシングノイズを除去するためのステップが設けられたフローを示している。
本実施形態では、まずステップ411(S411)として設けられたローパスフィルタにより、眼底信号を含む高周波成分を除去する。ここで処理されるデータは、例えば、波長変動幅13μmで走査されて生じた信号を2048点でサンプリングする。
続いて、ステップ412(S412)においてリスケーリングが行われた後、ステップ413(S413)においてサンプリングデータが間引きされる。例えば、2048点のデータを256点まで間引く。
以上の手順を経た後、図4のステップ42(S42)においてゼロパディング処理を行なう。ここで、前述の256点に間引かれたデータを1024点にすることにより、ステップ43(S43)のフーリエ変換処理に要する時間等の削減を図ることが可能である。
また、本実施形態においてはリスケーリング後にゼロパディング処理を行なっているが、スペクトル信号取得直後にゼロを挿入しても同様の効果を得られる。さらに、ローパスフィルタ処理についてもリスケーリング後に行なっても同様の効果を得られる。なお、ローパスフィルタには、電気回路でのアナログで処理する方法とサンプリングデータ取得後にデジタルで処理する方法がある。アナログ処理では高速で処理できるため、信号処理に加わる負荷は少ない。デジタル処理では、信号処理に加わる負荷は大きいが、リスケーリング手段の一つである離散フーリエ変換ゼロパディング補完の離散フーリエ変換後に眼底信号を含む高周波成分をカットするとリスケーリング処理とローパスフィルタ処理を同時に行うことができ効率がよい。
以上に説明したとおり、本発明によれば周波数に依存する情報を取得する干渉信号を取得する光干渉測定方法あるいはその方法を実施可能な構成を有する装置が提供され、取得された測定データから距離情報を算出するデータ変換の処理内容が、算出する距離情報に要求される測定精度に基づいて変更可能な構成とされているため、要求される測定精度が確保された距離情報を算出可能となる。
なお、上述した実施形態は眼軸長測定と角膜厚測定の複合機能に関するものであるが、これに限るものではなく同一の測定対象における通常解像度画像モードと高解像度画像モードの切替え等、本発明は何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更・修正・改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り何れも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
また、本実施形態においてはリスケーリング後にゼロパディング処理を行なっているが、スペクトル信号取得直後にゼロを挿入しても同様の効果を得られる。さらに、ローパスフィルタ処理についてもリスケーリング後に行なっても同様の効果を得られる。
1 光干渉断層撮影装置
2 本体駆動部(アライメント手段,オートアイトラッキング手段)
3 制御装置(走査線設定手段)
4 アライメント光学系(角膜頂点位置検出手段,アライメント手段,オートアイトラッキング手段)
5 OCTシステム(断層画像取得手段)
6 前眼部撮像系(撮像手段)
7 モニタ(表示装置)
9 タッチパネル(指定手段)
E 被検眼
Ec 前眼部
2 本体駆動部(アライメント手段,オートアイトラッキング手段)
3 制御装置(走査線設定手段)
4 アライメント光学系(角膜頂点位置検出手段,アライメント手段,オートアイトラッキング手段)
5 OCTシステム(断層画像取得手段)
6 前眼部撮像系(撮像手段)
7 モニタ(表示装置)
9 タッチパネル(指定手段)
E 被検眼
Ec 前眼部
Claims (8)
- 連続するスペクトルを有する光束を照射し、
照射した前記光束を測定光と参照光に分離し、
前記測定光が測定対象により反射した反射光と前記参照光を合波し、
合波した前記反射光と前記参照光の干渉光を周波数領域の干渉信号として検出し、
検出した前記干渉信号をフーリエ解析することにより測定対象の深さ方向の距離あるいは断層情報を取得する光干渉測定方法において、
前記フーリエ解析の前に検出した前記干渉信号にゼロパディング処理を行なうことを特徴とする光干渉測定方法。 - 測定対象を設定することにより前記ゼロパディング処理において付加されるゼロの数が自動的に決定されることを特徴とする請求項1に記載の光干渉測定方法。
- 前記ゼロパディング処理は前記干渉信号の少なくとも最初のデータの前あるいは最後のデータの後に行なわれることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の光干渉測定方法。
- 前記ゼロパディング処理の前に前記干渉信号に対してローパスフィルタ処理を施すことを特徴とする請求項1乃至3に記載の光干渉測定方法。
- 連続するスペクトルを有する光束を照射する光束照射手段と、
照射した前記光束を測定光と参照光に分離する光束分離手段と、
前記測定光が測定対象により反射した反射光と前記参照光を合波する光束合波手段と、
合波した前記反射光と前記参照光の干渉光を周波数領域の干渉信号として検出する干渉信号検出手段と、
検出した前記干渉信号をフーリエ解析する解析手段とを有する光干渉測定装置において、
前記解析手段による解析の前に前記干渉信号にゼロパディング処理を行なう干渉信号処理手段を設けたことを特徴とする光干渉測定装置。 - 測定対象を設定する測定対象設定手段を有し、該測定対象設定手段により設定された測定対象に基づいて前記ゼロパディング処理において付加されるゼロの数が自動的に決定されることを特徴とする請求項5に記載の光干渉測定装置。
- 前記ゼロパディング処理は前記干渉信号の少なくとも最初のデータの前あるいは最後のデータの後に行なわれることを特徴とする請求項5あるいは6に記載の光干渉測定装置。
- 前記干渉信号に対して前記ゼロパディング処理の前にローパスフィルタ処理を施すフィルタ手段を有することを特徴とする請求項5乃至7に記載の光干渉測定装置。
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|---|---|---|---|
| JP2011047361A JP2012183152A (ja) | 2011-03-04 | 2011-03-04 | 光干渉測定方法および光干渉測定装置 |
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| JP2011047361A Pending JP2012183152A (ja) | 2011-03-04 | 2011-03-04 | 光干渉測定方法および光干渉測定装置 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017176341A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | キヤノン株式会社 | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び該制御方法の実行プログラム |
| WO2024219440A1 (ja) * | 2023-04-21 | 2024-10-24 | 株式会社トーメーコーポレーション | 光断層画像撮影装置 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007510143A (ja) * | 2003-10-27 | 2007-04-19 | ザ・ジェネラル・ホスピタル・コーポレイション | 周波数ドメイン干渉測定を利用して光学撮像を実行する方法および装置 |
| JP2009536740A (ja) * | 2006-05-10 | 2009-10-15 | ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション | サンプルの周波数領域画像形成を提供するためのプロセス、構成およびシステム |
| JP2010032426A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Canon Inc | 光干渉断層撮像方法および光干渉断層撮像装置 |
-
2011
- 2011-03-04 JP JP2011047361A patent/JP2012183152A/ja active Pending
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