JP2012182534A - 信号受信装置および信号受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別すること。
【解決手段】信号受信装置は、受信手段と保持手段と決定手段と判別手段と識別手段とを具備する。受信手段は、信号を受信する。保持手段は、前記受信された信号の特性に関する情報を保持する。決定手段は、前記保持された情報を読み出し、当該読み出した情報に適応するパラメータ値を決定する。判別手段は、前記信号と前記決定されたパラメータ値とに基づいて、前記信号に含まれるノイズを判別する。識別手段は、前記判別された結果に基づいて、前記信号に含まれるノイズを識別する。
【選択図】 図4
【解決手段】信号受信装置は、受信手段と保持手段と決定手段と判別手段と識別手段とを具備する。受信手段は、信号を受信する。保持手段は、前記受信された信号の特性に関する情報を保持する。決定手段は、前記保持された情報を読み出し、当該読み出した情報に適応するパラメータ値を決定する。判別手段は、前記信号と前記決定されたパラメータ値とに基づいて、前記信号に含まれるノイズを判別する。識別手段は、前記判別された結果に基づいて、前記信号に含まれるノイズを識別する。
【選択図】 図4
Description
本発明の実施形態は、信号を受信する信号受信装置および信号受信方法に関する。
近年、様々な態様の有線または無線の伝送路により、情報が装置間で通信されている。伝送路の特性を評価するパラメータとして、伝送すべき信号(以下、正規信号とも称する)とノイズとの比率(S/N比)が用いられることがある。従来から、伝送路を通る信号に含まれる正規信号の振幅とノイズの振幅とにより、S/N比が算出されていた。また、算出されたS/N比に応じて、伝送路による通信の信頼性を向上することが行われていた。
ところが従来は、信号に含まれる正規信号の振幅およびノイズの振幅をそれぞれ個別に測定することが一般的であった。伝送路の長さや径路に応じて、正規信号の振幅減衰、正規信号の高速化に伴う共振特性の変化、または伝送路間のクロストークといった問題が発生することがある。このような問題の発生により、信号に含まれる正規信号の振幅およびノイズの振幅がそれぞれ個別に測定されないことがあった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別することができる信号受信装置および信号受信方法を提供することである。
実施形態の信号受信装置は、受信手段と保持手段と決定手段と判別手段と識別手段とを具備する。受信手段は、信号を受信する。保持手段は、前記受信された信号の特性に関する情報を保持する。決定手段は、前記保持された情報を読み出し、当該読み出した情報に適応するパラメータ値を決定する。判別手段は、前記信号と前記決定されたパラメータ値とに基づいて、前記信号に含まれるノイズを判別する。識別手段は、前記判別された結果に基づいて、前記信号に含まれるノイズを識別する。
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る信号受信装置としての磁気ディスク装置(以下、HDDとも称する)10を備える電子機器150の構成を示すブロック図である。電子機器150はホスト装置100を備えている。HDD10は、通信媒体(ホストI/F)120を介してホスト装置100と接続され、ホスト装置100の記憶モジュールとして機能する。ホストI/F120は、ホスト装置100とHDD10とを接続し、ホスト装置100とHDD10との間のデータ及びコマンドといった情報の送受に係る通信に利用される。例えば、電子機器150は、パーソナルコンピュータであり、ホスト装置100は、パーソナルコンピュータに備えられるチップセットICである。本実施形態に係る信号受信装置として、SSD(Solid State Drive)といった半導体メモリを記憶媒体として利用した半導体メモリ装置が適用されてもよい。
図1は、本実施形態に係る信号受信装置としての磁気ディスク装置(以下、HDDとも称する)10を備える電子機器150の構成を示すブロック図である。電子機器150はホスト装置100を備えている。HDD10は、通信媒体(ホストI/F)120を介してホスト装置100と接続され、ホスト装置100の記憶モジュールとして機能する。ホストI/F120は、ホスト装置100とHDD10とを接続し、ホスト装置100とHDD10との間のデータ及びコマンドといった情報の送受に係る通信に利用される。例えば、電子機器150は、パーソナルコンピュータであり、ホスト装置100は、パーソナルコンピュータに備えられるチップセットICである。本実施形態に係る信号受信装置として、SSD(Solid State Drive)といった半導体メモリを記憶媒体として利用した半導体メモリ装置が適用されてもよい。
本実施形態に係るHDD10は、磁気ディスク1、スライダ2、アーム3、VCM(ボイスコイルモータ)4、及びSPM(スピンドルモータ)5などの機構部を有する。またHDD10は、モータドライバ21、ヘッドIC22、NVRAM43、及びコントローラ60などの回路系ブロックを備える。コントローラ60は、リードライトチャネルIC(以下、RDCとも称する)31、CPU41、RAM42、及びHDC(Hard Disc Controller)50を含む。
本実施形態に係るHDD10では、ホスト装置100から送信される情報が電気信号として受信される。ホストI/F120は信号の伝送路として利用されるが、この伝送路で伝送される信号にノイズが混入することがある。本実施形態に係るHDD10は、受信した電気信号の特性に関する信号特性情報に基づいて、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する。すなわち、本実施形態に係るHDD10は、伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別することができる。
磁気ディスク1は、SPM5に固定され、SPM5が回転駆動することで回転する。磁気ディスク1の少なくとも一面は磁気的に情報が記録される記録面である。つまり、磁気ディスク1は磁気記録媒体である。記録面には例えば同心円の複数のトラックが定義され、各トラックはサーボ領域とデータ領域とを有する。サーボ領域には、磁気ディスク1の記録面上での物理的なアドレス情報が記録されている。また、HDD10に記録されるべき情報はデータ領域に記録される。
スライダ2は、磁気ディスク1の記録面に対応するようにアーム3の一端に備えられる。スライダ2は、リードヘッド(不図示)及びライトヘッド(不図示)を備えている。リードヘッド(不図示)は、磁気ディスク1の記録面に磁気記録された信号を読み取る。読み取られた信号は、アーム3上の導体パターンを介してヘッドIC22へ出力される。ライトヘッド(不図示)は、ヘッドIC22からアーム3上の導体パターンを介して入力されるライト信号(ライト電流)に応じて、磁気ディスク1の記録面に磁気記録する。
アーム3は、一端にスライダ2、他端に軸受部(不図示)を備えている。アーム3は、VCM4への駆動電流の供給に応じて、軸受部(不図示)を回転中心として回転し、磁気ディスク1の記録面上でスライダ2を半径方向に移動させる。
VCM4は、モータドライバ21から供給される駆動信号(電流)に応じて駆動し、アーム3を回転させる。
SPM5は、モータドライバ21から供給される駆動信号(電流)に応じて駆動し、磁気ディスク1を回転させる。
モータドライバ21は、コントローラ60(さらに具体的にはCPU41)からの制御信号に基づいて、VCM4を駆動するための駆動信号(電流)をVCM4へ、SPM5を駆動するための駆動信号(電流)をSPM5へ供給する。
SPM5は、モータドライバ21から供給される駆動信号(電流)に応じて駆動し、磁気ディスク1を回転させる。
モータドライバ21は、コントローラ60(さらに具体的にはCPU41)からの制御信号に基づいて、VCM4を駆動するための駆動信号(電流)をVCM4へ、SPM5を駆動するための駆動信号(電流)をSPM5へ供給する。
ヘッドIC22は、スライダ2に備えられたリードヘッド(不図示)からアーム3上の導体パターンを介して入力された信号を増幅し、増幅した信号をリード情報としてコントローラ60(さらに具体的にはRDC31)に出力する。またヘッドIC22は、コントローラ60(RDC31)から入力された記録情報に応じたライト信号(ライト電流)を、スライダ2に備えられたライトヘッド(不図示)へ、アーム3上の導体パターンを介して出力する。
コントローラ60は、RDC31、CPU41、RAM42、及びHDC50等を含むSoC(System On Chip)として構成される。コントローラ60がRAM42を含まず、コントローラ60の外部にRAM42が接続される構成であってもよい。
RDC31は、ヘッドIC22から入力されたリード情報に所定の処理を施して復号化し、復号化した情報をHDC50へ出力する。またRDC31は、HDC50から入力された記録対象の情報に所定の処理を施して符号化し、この符号化した情報を記録情報としてヘッドIC22へ出力する。RDC31は、リード情報からサーボ領域を示すサーボ信号を検出し、検出したサーボ信号から位置情報を抽出する。抽出された位置情報はCPU41へ出力される。RDC31は、これらの処理のためにRAM42をワークメモリとして利用する。
CPU41は、NVRAM43に記憶されたプログラムを実行することでHDD10に備えられた各ブロックを制御するプロセッサである。例えばCPU41は、VCM4及びSPM5の回転制御処理、及び磁気ディスク1に対する情報記録処理といった複数の処理を制御する。本実施形態ではCPU41は、HDC50で受信された電気信号の特性に関する信号特性情報を読み出す。またCPU41は、読み出した信号特性情報に適応するパラメータ値を決定し、決定したパラメータ値をHDC50に対して設定する処理を制御する。CPU41は、この処理が、HDD10とホスト装置100との通信における特定のタイミングで実行されるように制御する。CPU41は、このようなプログラムの実行においてRAM42をワークメモリとして利用する。
RAM42は、RDC31、CPU41及びHDC50のワークメモリである。RAM42には揮発性メモリであるDRAMが適用される。
NVRAM43は、CPU41が実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリである。NVRAM43に記憶されるプログラムは更新可能である。またNVRAM43は、CPU41で実行される処理で利用されるパラメータ値を記憶する。
NVRAM43は、CPU41が実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリである。NVRAM43に記憶されるプログラムは更新可能である。またNVRAM43は、CPU41で実行される処理で利用されるパラメータ値を記憶する。
HDC50は、ホスト装置100との間で情報を送信及び受信する通信処理を実行する。HDC50は、RDC31から入力された復号化された情報に所定の処理を施して符号化し、符号化した情報を送信情報としてホスト装置100へ送信する。またHDC50は、ホスト装置100から送信されて受信した受信情報に所定の処理を施して復号化し、復号化した情報を記録対象の情報としてRDC31へ出力する。本実施形態では、HDC50はホスト装置100との間で、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格またはSAS(Serial Attached SCSI)規格といった所定の規格に準拠した通信処理を実行する。
本実施形態では、HDC50は、ホスト装置100から送信された受信情報を電気信号として受信し、受信した電気信号の特性に関する信号特性情報をCPU41へ提供する。またHDC50は、CPU41から設定されるパラメータ値に基づいて、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理を実行する。
このような構成により、本実施形態に係るHDD10に備えられた複数のブロックによって、ホスト装置100との間で情報を送信及び受信する通信処理が実行される。HDD10とホスト装置100との通信に利用される伝送路で伝送される信号にノイズが混入することがある。このHDD10で受信された信号特性情報に基づいて、受信された電気信号に含まれるノイズが識別される。すなわち、本実施形態に係るHDD10は、伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別することができる。
次に、図2を用いて、図1で説明したHDC50に備えられ、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理を実行するモジュールを説明する。
図2は、HDC50に備えられ、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理を実行するモジュールからなるシステム構成図である。
HDC50は、差動アンプ201、振幅調整部202、S/N判別部203、信号処理部204、I/O部205を備える。HDC50は、ホスト装置100から送信される差動信号(例えばLVDS)を受信し、受信した差動信号を単一信号に変換する。変換された単一信号は、その信号の振幅が所定レベルとなるように調整され、調整後の信号に対して所定の信号処理が施される。所定の信号処理を施された後の信号は、RDC31へ出力される。また、差動信号から変換された単一信号に基づいて、伝送すべき信号(以下、正規信号とも称する)とノイズとが判別される。
図2は、HDC50に備えられ、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理を実行するモジュールからなるシステム構成図である。
HDC50は、差動アンプ201、振幅調整部202、S/N判別部203、信号処理部204、I/O部205を備える。HDC50は、ホスト装置100から送信される差動信号(例えばLVDS)を受信し、受信した差動信号を単一信号に変換する。変換された単一信号は、その信号の振幅が所定レベルとなるように調整され、調整後の信号に対して所定の信号処理が施される。所定の信号処理を施された後の信号は、RDC31へ出力される。また、差動信号から変換された単一信号に基づいて、伝送すべき信号(以下、正規信号とも称する)とノイズとが判別される。
差動アンプ201は、ホスト装置100から送信される差動信号を受信し、受信した差動信号を単一信号に変換する。差動アンプ201は、変換された単一信号を振幅調整部202およびS/N判別部203へ出力する。差動アンプ201は、所定のバイアス信号に対して、受信した差動信号の差分となる信号を所定倍に増幅した信号を重畳することで単一信号に変換する。
振幅調整部202は、差動アンプ201から出力された単一信号に対して、周波数特性を可変するイコライジング処理および所定倍に増幅または減衰するアンプ処理を施す。振幅調整部202は、これらの処理により、所定の周波数特性および所定レベルの振幅に調整された信号を信号処理部204へ出力する。また振幅調整部202は、これらの処理による周波数特性や振幅の調整結果を保持し、保持した調整結果を信号特性情報としてCPU41が読み出すことを許可する。本実施形態では、HDC50がSATAまたはSASの規格に準拠した通信処理を実行するので、振幅調整部202は、FFE(Feed Forward Equalization)やDFE(Decision Feedback Equalization)により構成される。振幅調整部202は、DFEを構成するTap係数を、信号特性情報としてCPU41に読み出される。
S/N判別部203は、差動アンプ201から出力された単一信号に基づいて、正規信号とノイズとを判別する。この判別は、単一信号を所定の閾値と比較することで行われる。例えば、S/N判別部203は、単一信号が所定の閾値よりも大きれければ正規信号、小さければノイズであると判別する。判別に利用される閾値は、CPU41によって設定される。CPU41は、この閾値を、振幅調整部202から読み出した信号特性情報に基づいて設定する。例えば、信号特性情報と閾値とが対応付けられたテーブル情報が予め格納される態様や、信号特性情報により閾値が算出される態様が適用される。本実施形態では、HDC50がSATAまたはSASの規格に準拠した通信処理を実行するので、S/N判別部203は、スケルチ回路により構成される。また、S/N判別部203は、正規信号とノイズとの判別結果を示すS/N情報を信号処理部204へ出力する。S/N情報は、2値化された情報として出力される。
信号処理部204は、S/N判別部203から出力されたS/N情報に基づいて、振幅調整部202から出力された所定の周波数特性および所定レベルの振幅に調整された信号から正規信号およびノイズを識別する。信号処理部204は、識別された正規信号に対して所定の処理を施して復号化し、復号化した情報を記録対象の情報としてRDC31へ出力する。
I/O部205は、CPU41と、振幅調整部202およびS/N判別部203との間の情報の送受信に関する処理を行う。この処理により、CPU41は、振幅調整部202から信号特性情報を読出し、S/N判別部203に対して閾値を設定する。
このようにして、主にHDC50およびCPU41によって、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理が行われる。従って、本実施形態に係るHDD10は、伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別することができる。
次に、図3を用いて、CPU41によってS/N判別部203に対して設定され、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理で利用される閾値の具体例を説明する。
図3は、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理で利用される閾値の具体例を示す図である。
図3(a)は、信号特性情報と閾値とが対応付けられたテーブル情報が予め格納される態様を示し、図3(b)は、信号特性情報により閾値が算出される態様を示している。
図3(a)は、信号特性情報と閾値とが対応付けられたテーブル情報が予め格納される態様を示し、図3(b)は、信号特性情報により閾値が算出される態様を示している。
図3(a)に示す態様では、差動アンプ201から出力された単一信号の振幅Vaの範囲毎に、閾値Vthが予め対応付けられている。換言すると、複数のパラメータ候補となる複数の閾値が予め記憶されている。具体的には、単一信号の振幅がVa1〜Va2の範囲には閾値Vth1、単一信号の振幅がVa2〜Va3の範囲には閾値Vth2、単一信号の振幅がVa3〜Va4の範囲には閾値Vth3、単一信号の振幅がVa4よりも大きい範囲には閾値Vth4が、それぞれ対応付けられている。この具体例では、単一信号の振幅Vaが4つの範囲に区分されているが、4つの範囲に限定されない。また各範囲に対応付けられる閾値は、この範囲のうちで最も小さい値に対して十分に小さい値に設定されている。例えば、単一信号の振幅がVa1〜Va2の範囲の場合、閾値Vth1はVa1の1/2よりも小さい値であることが好ましい。この具体例で示したテーブル情報は、不揮発性の記憶部(例えばNVRAM43)に記憶される。
図3(b)に示す態様では、差動アンプ201から出力された単一信号の振幅Vaの範囲毎に、閾値Vthが算出される。具体的には、単一信号の振幅がVa1〜Va2の範囲では閾値Vth1=K*Va1、単一信号の振幅がVa2〜Va3の範囲では閾値Vth2=K*Va2、単一信号の振幅がVa3〜Va4の範囲では閾値Vth3=K*Va3、単一信号の振幅がVa4よりも大きい範囲では閾値Vth4=K*Va4が、それぞれ算出される。Kは1よりも小さい値であり、各範囲に対する閾値は、各範囲のうちで最も小さい値に対して1よりも小さい値を乗じて算出される。つまり、各範囲に対応付けられる閾値は、この範囲のうちで最も小さい値に対して十分に小さい値となる。例えば、Kは1/2よりも小さい値であることが好ましい。この具体例では、単一信号の振幅Vaが4つの範囲に区分されているが、4つの範囲に限定されない。また、この具体例で示した定数Kは、不揮発性の記憶部(例えばNVRAM43)に記憶される。
伝送路で伝送される信号にノイズが混入する場合、正規信号のレベルには依存せずに所定レベルのノイズが混入することがある。この場合、正規信号の振幅に対するノイズレベルは一定でなくなる。図3を用いて説明したように、何れの具体例によっても、受信された信号の信号特性情報に基づいて、S/Nを判別するための閾値が設定される。従って、本実施形態に係るHDD10は、伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別することができる。
次に、図4を用いて、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理で利用される閾値を設定する動作を説明する。
図4は、本実施形態に係るHDD10で実行される、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理で利用される閾値を設定する動作を説明するためのフローチャートである。
図4は、本実施形態に係るHDD10で実行される、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理で利用される閾値を設定する動作を説明するためのフローチャートである。
前述したとおり、本実施形態では、HDC50がSATAまたはSASの規格に準拠した通信処理を実行する。SATAまたはSASの規格では、HDD10とホスト装置100との通信の初めに、OOB(Out Of Band)シーケンスと称される、一連のコマンド送受信手順が行われる。このOOBシーケンスでは、バーストパターンの相互出力によりマスタ/スレイブ、通信プロトコルなどが決定される。本実施形態では、このOOBシーケンスの動作において、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理で利用される閾値を設定する動作が行われる。
ホスト装置100からHDD10に備えられたHDC50に対して、OOBシーケンスに係る信号が送信されると、入力された単一信号の振幅Vaの測定が行われる(S401)。入力された単一信号の振幅Vaの範囲が、Va1〜Va2である場合(S402のYes)、閾値VthがVth1として設定される(S403)。一方、振幅Vaの範囲が、Va1〜Va2でない場合(S402のNo)であって、振幅Vaの範囲が、Va2〜Va3である場合(S404のYes)、閾値VthがVth2として設定される(S405)。一方、振幅Vaの範囲が、Va2〜Va3でない場合(S404のNo)であって、振幅Vaの範囲が、Va3〜Va4である場合(S406のYes)、閾値VthがVth3として設定される(S407)。一方、振幅Vaの範囲が、Va3〜Va4でない場合(S406のNo)、閾値VthがVth4として設定される(S408)。入力された単一信号の振幅Vaの測定結果が、何れの範囲であっても、閾値Vthが設定されると、OOBシーケンスの動作に引き続いて行われるネゴシエーション(通信速度に関するネゴシエーション)が開始される(S409)。
このようにして、HDC50において、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理で利用される閾値を設定する動作が実行される。この閾値は、CPU41で実行されるプログラムによって、CPU41からHDC50に対して設定される。従って、本実施形態に係るHDD10は、伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るHDD10によれば、このHDD10に備えられたHDC50およびCPU41によって、受信された信号の信号特性情報に基づいて、S/Nを判別するための閾値が設定される。そして、設定された閾値を利用して、受信した電気信号に含まれるノイズを識別する処理が行われる。従って、本実施形態に係るHDD10は、伝送路を通って受信された信号に含まれるノイズを好適に識別することができる。
なお、少なくとも一つの実施形態を説明したが、説明した実施形態は一例として提示したものであり、発明の範囲はこの実施形態に限定されない。また、説明した実施形態は、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。さらに、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、さらに、異なる実施形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良い。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれ、特許請求の範囲に記載された発明と、その均等の範囲に含まれるものである。
1…磁気ディスク、2…スライダ、3…アーム、4…VCM(ボイスコイルモータ)、5…SPM(スピンドルモータ)、10…磁気ディスク装置(HDD)、21…モータドライバ、22…ヘッドIC、31…リードライトチャネルIC(RDC)、41…CPU、42…RAM、43…NVRAM、50…HDC(Hard Disc Controller)、100…ホスト装置、120…通信媒体(ホストI/F)、150…電子機器、201…差動アンプ、202…振幅調整部、203…S/N判別部、204…信号処理部、205…I/O部。
Claims (6)
- 信号を受信する受信手段と、
前記受信された信号の特性に関する情報を保持する保持手段と、
前記保持された情報を読み出し、当該読み出した情報に適応するパラメータ値を決定する決定手段と、
前記信号と前記決定されたパラメータ値とに基づいて、前記信号に含まれるノイズを判別する判別手段と、
前記判別された結果に基づいて、前記信号に含まれるノイズを識別する識別手段と、
を具備する信号受信装置。 - 前記保持手段は、前記受信された信号の振幅に関する情報を保持し、
前記決定手段は、前記保持された信号の振幅に関する情報を読み出し、当該読み出した信号の振幅よりも小さい値となる閾値を前記パラメータ値として決定する請求項1に記載の信号受信装置。 - 前記決定手段は、前記信号の振幅の範囲ごとに、当該振幅に適合する閾値を決定する請求項2に記載の信号受信装置。
- 前記決定手段は、前記信号の振幅の範囲ごとに対応付けられ、予め記憶された複数の閾値の中から前記振幅に適合する閾値を決定する請求項3に記載の信号受信装置。
- 前記決定手段は、予め記憶された係数を用いて、前記信号の振幅の範囲ごとに算出される閾値を決定する請求項3に記載の信号受信装置。
- 信号を受信する信号受信装置による信号受信方法であって、
前記受信された信号の特性に関する情報を保持し、
前記保持された情報を読み出し、当該読み出した情報に適応するパラメータを決定し、
前記信号と前記決定されたパラメータとに基づいて、前記信号に含まれるノイズを判別し、
前記判別された結果に基づいて、前記信号に含まれるノイズを識別する信号受信方法。
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