JP2012182028A - 店舗用自動照明システム - Google Patents

Abstract

【課題】店舗にて販売される商品の色や残量が変化しても、変化後の商品が最も映える照明に自動追従し手間をかけず、安価に販売効率を向上する。
【解決手段】発光量の調整、発光源の選択が可能な照明器具1と、1を任意の位置へ可動させる仕組み4と、商品２からの反射光を検出するRGBセンサ３と、1,4を制御する装置5によって、商品の色の変化を検出し、自動的に予め5に記憶した発光量、発光源、照明器具の位置に切り替え、加えて、商品の残量の変化に合わせ微調整を行う照明装置を実現する。
【選択図】図１

Description

本発明は、服飾販売用フィッティングスペースや陳列販売用ショーケースに用いられる、店舗用照明装置に関するものである。

服飾販売用フィッティングスペースに用いられる照明装置においては、衣服が自然な色合いに見えるという、基本的な機能はもとより、様々な照明環境下で試着できる機能等、付加価値を求められ、陳列販売用ショーケースに用いられる照明装置においては、例えば野菜や果物の色が自然に見える事はもとより、照明による効果で、より新鮮でみずみずしい印象を購買者に与える等、個々の商品について、消費者の購買意欲を向上させる為の更なる付加価値が求められている。

対象が衣服の場合、特許文献１には、試着室を太陽光に近い光にする装置が開示されている。特許文献１の装置によって、太陽光に近い色で素材の色を確認することを可能とする。また、特許文献2には、色及び明るさを変更可能とする照明負荷と、照明負荷の配光特性を変更可能とする器具駆動部と、照明負荷の照明状態を操作するための携帯可能な多機能ユニットとを備え、空間の照明雰囲気を任意に変更可能とする照明装置が開示されている。

対象がショーケース内の商品の場合、特許文献3には、ショーケース内に陳列される商品を照明手段で照明する際、照明手段をＬＥＤ照明器具とし、商品の特性に応じて各商品ごとの色温度と照度の最適値を設定する一方、ケース内の商品の近傍に配置したカラーセンサーによって照明光と周囲の環境から発せられる環境光の総和からなる総合光の色温度と照度を測定し、この測定値を最適値に近づけるようＲＧＢ制御部にて制御可能する照明装置が開示されている。

特許文献１、２，３は何れも、対象商品に最適な照明環境を実現する事を目的とするが、特許文献１に関しては、どのような色合いや生地の衣服に対しても、屋外、昼間の太陽光という、一定の近似自然光を照射する照明装置であり、特許文献２に関しては、人が衣服やシチュエーションに合わせ照明環境を任意に調整可能にする照明装置であり、特許文献３に関しては、人が商品に合わせ照明環境を任意に調整可能にする事に加え、自らが発光する照明光と周囲の環境から発せられる環境光との総和の照明環境を検出し、予め任意に設定した最適値に近づける機能を有した照明装置として開示されている。

ところが、特許文献１では、如何なる色合い、生地の衣服の場合も、固定された照明環境以外での試着をすることはできない。

また、特許文献２においては、衣服や希望のシチュエーションに合わせ照明環境を調整をする事が可能であるが、販売現場において、販売員、或いは購買者が試着毎に異なる衣服の色や生地にあわせ、照明を最適化する事は困難で実用性に乏しい。

また、特許文献３においては、人がショーケースの商品に合わせ照明環境を任意に調整可能にする事に加え、自らが発光する照明と周囲の環境から発せられる環境光との総和から、予め任意に設定した最適値に近づける事が可能ではあるが、例えば果物販売現場で、商品が赤いりんごから黄色のバナナへと入れ替えを実施した際に、都度販売員が照明の最適化を実施する事は現実的には困難であり実用性に乏しい。

実用新案登録第３０３９２７３号公報（段落０００５及び第１，２図） 特開平６−３１０２８４号公報（段落００１５〜００７１及び第１図） 特開２０１０−２００９８５号公報（要約）

店舗で販売される商品は見栄えを良好にし購買意欲を高める為、例えば、洋服には太陽光ランプ、野菜には色温度が高い照明など洋服、野菜・果物など大きな括りで其々に適した固定照明光源、或いは、手動で色の調整が可能な照明装置が実現されているが、同じ、洋服、野菜・果物の中にも様々な色相いがあり、例えば同じ果物でも、りんごとバナナでは色が全く異なるが、其々が最も映える照明を都度実現するような照明装置は実現されていない。本特許は照明システムが自らが照射した光により、商品の個々の色や残量を検出し、何れの販売現場でも起こりうる商品の入れ替えや残量変化に自動的に追従し、設定変更などの手間をかけずに、個別に購買意欲を高める照明状態を提供し販売促進を実現するシステムを安価に提供する発明である。

上記目的を達成する為、本発明は自ら発する光と、被照明物である商品から反射しセンサに入光した光について、其々独立して、光源や色、波長別に数値化して記憶・演算・比較・呼び出す仕組みを持つ。例として発光：R(赤、以下同様）＝256、G（緑、以下同様）＝0、Ｂ（青、以下同様）＝１２８ 受光：R=128、G=0、B＝64の様になる。（数値は発光量相対値）このように、ある商品についての発光・受光の各数値の組み合わせを複数記憶・演算・比較・呼び出す事ができる。

次に、商品の入れ替え時に本照明装置が商品の変化を認識する為に、予め商品を初期登録する機能を有する。具体的には、登録したい商品を定位置にセットし、登録操作を実行すると、本特許照明装置は、予め記憶された、例えば（Ｒ=256、Ｇ=256、B＝256）、（R=256、G=256、B=0）・・などの複数の組み合わせの光を自動的に商品に照射し、そのおのおのの組み合わせについてのセンサ入光値を記憶する。これらの数値の組み合わせ情報から、本照明装置は、外部操作や、センサ入光数値が大きく変化した際や、定期的に、上記商品判別動作を実行し、商品を認識する。認識する際には各数値の一致度が最も近似である事を基準に判断をする。

本照明装置が商品の種別を判断し、最適な照明環境に設定・追従する為、予め、商品毎に任意の最適な照明設定を手動入力し登録できる機能を有する。

一方、最適な照明環境が、光源の選択や、発光量の調整で最適化できない場合、本照明装置は照明部分をX,Y,Z或いは回転方向に可動できる機構を有し、照明から商品までの距離、角度、などを変更できる。上記照明の位置情報に付いては、前項までで述べた照明光の調整と同様に数値で管理され、商品毎に記憶できる。勿論、商品判別動作や、初期設定時にも上記照明の位置情報を加え操作が可能な機能を有する。

本発明の最大の特徴は、店舗用照明の被照射物である商品自体からの反射光を検出し、その情報により自動的に照明環境を最適に設定し直す点にある。従来、照明自らの照射光や、外部環境光を検出し、照明を調整する装置は実現されていた。また、手動で調整可能な照明装置は多数存在するが、実際の販売現場で商品の変化にあわせ販売員が照明を最適化する事は現実的ではなく、本発明により、初期設定をすれば、本発明が商品変化に追従し自動調整し、購買者が購買意欲の高まる照明環境を維持できる。結果として手間をかけずに販売促進が可能となる。

本発明の基本構成要素としては、ＲＧＢセンサを使用し商品の判別を色で行う為、初期設定を行っていない商品が対象となった場合は、近似色の商品の設定が呼び出される為、初期に基本色を登録する事により、商品毎の都度設定を省略する事も可能となる。

安価なＲＧＢセンサを使用する事から、照明装置自体が安く導入負担が少ない。

同一商品で、販売により残数が減少した場合、照明光量を上げるのではなく、可動機構により照明部分を商品に近づけ、商品に照射する光量を維持するなど、省エネルギーや、光源の寿命の観点や照明位置の物理的な制約などから優先順位を判断し有効な動作条件を選択する事が可能となる。

本発明の基本構成図 本発明をショーケースに適用した場合の構成図 本発明をフィッティングスペースに適用した場合の構成図

本発明の実施形態について図面に基づき説明する。
図2は請求項2記載の店頭販売用ショーケースに本特許を適用した場合の説明図である。
それぞれ複数の光源を有し、手前・奥行き方向に回転可能な左右2系統の照明器具1と、左右それぞれ異なる商品２からの反射光を検出する２つのＲＧＢセンサ３とそれらを制御/操作するコントローラ５と、初期設定などを補助するＰＣソフト６と場合により、設定を商品２貼付のバーコードから手動で読み込ませる際に使用するバーコードリーダ７から構成される。

使用者は、商品を最も多く陳列した状態で、記憶操作を実施し、その後手動で当該商品が最も見映えのする照明状態に設定する。上記初期設定を、例えばりんご、バナナ、みかんなど商品毎に実施する。

例えば、みかんが満載状態から減少してくると、本発明は、照明のバランスを保ったまま発光量を増加させ、みかん満載時と同様の反射光が得られる様に照明側で補正する。

また、商品が、みかんからりんごに入れ替えられた場合は、ＲＧＢセンサからの数値情報の大きな変化を検出し、みかんの最適設定から予め設定した、りんごの最適設定に自動的に変更する。

PCソフト６は、照明光源の発光量の上下限設定や、照明回転角度の制限、商品判断時の発光パターン設定、数値一致度の幅、商品毎の初期設定と管理が、汎用的な表計算ソフト上で実施できる。

全てにバーコードの貼付された商品を販売する店舗の場合は、バーコードリーダ７で、記憶、設定などの初期設定と商品入れ替え時の照明装置設定変更が手動で可能になる。

図３は請求項３記載の服飾品を店頭で試着する際に使用されるフィッティングスペース用の照明装置に本発明を適用した場合の説明図である。赤、緑、青、白、赤外の複数光源を有した照明器具1と、フィッティングスペースの高さ方向、幅方向に照明を移動できる可動軸４と、それらを制御、設定するコントローラ５と、試着した服２からの反射光を２の位置が変化しても２つのセンサで受光し平均化するRGBセンサ３と、主に初期設定を行なうPCソフト６と、試着者が操作できる補助コントローラ７と、場合により商品貼付のバーコードで設定、変更を行なう場合使用するバーコードリーダ８で構成される。

服飾販売担当者は、商品毎或いは、商品の代表的な色見本等で、前項までで説明した、商品判別と、各商品が最も見映えのする照明設定を初期設定する。

試着者がフィッティングスペースで試着、鏡の前の試着位置に立つと、予め記憶した、照明設定が呼び出され再現される。

服飾試着の場合、本発明の照明設定が数値で管理されている事と照明を可動できるメリットを活かし、予め設定した、複数の照明環境、例えば、昼モード、夜モード、パーティーモード、オフィスモード、などを試着者が７により選択し、再現できる。これにより、従来にない試着の楽しみを提供する。

ショーケースでの陳列販売に本発明を適用した場合に多種多彩な食品やアクセサリー、ステーショナリーなどを販売し且つ商品回転の早い大型店でのメリットが見込まれる。本発明は、既存の照明装置と比較し大きさは殆ど変わらず、小型センサ部と可動部が増加する程度である為、小改造で増設可能。コスト的にも安価であることから普及を阻害する要件が非常に少ない。

試着販売用フィッティングスペースに本発明を適用した場合、他の商品よりも、微妙な色合いの印象や試着時の雰囲気が購買意欲を左右する服飾販売現場で、販売促進の効果は高いと考える。また、試着を楽しむという新たな付加価値を、簡単な設定で再現できる事から、販売者のセンスが、具現化でき、他店との差別化の武器になることから、高級品販売店から普及すると考える。

図1
1：照明（赤、緑、青、白、赤外などの複数光源）
2：被照明物（商品）
3：ＲＧＢ／ＣＭＯＳセンサ
4：照明可動装置（Ｘ、Ｙ、Ｚ、回転方向など）
5：照明電源兼コントローラ
6：設定用専用ＰＣソフトウエア
7：設定補助用操作箱
8：設定補助用バーコードリーダ

図２
1：商品ケース用照明（複数発光源）
2：商品
3:ＲＧＢセンサ
4：照明角度調整用モータ
5:電源／コントローラユニット／操作スイッチ
6：設定用ＰＣソフト
７：操作補助用バーコードリーダ

図３
1：Ｘ方向可動照明（赤、緑、青、白）
2：Ｚ方向可動照明（赤、緑、青、白）
3：.本体／操作パネル
4：RGBセンサ
5：照明位置可動軸
6：設定用PCソフトウエア
7：操作パネル2
8：操作補助用バーコードリーダ

Claims (4)

1. 図1において、単一或いは・異種、複数の発光源を備えた照明部分1と、商品2からの反射光を検出するＲＧＢセンサ3と、場合により、その照明部分をX、Y、Z、回転方向の何れかの組み合わせで可動できる装置4と、1の発光量、及び2を制御するコントローラ5から構成される店舗用照明装置であって、1から照射する光によって2から反射される光を3で検出し2の種別と位置変化を判断し、その結果を用いて、予め5に記憶した2の種別に適した各照明環境に自動変更設定する手段を備える事を特徴とした店舗用照明装置。
2. 請求項1記載の照明装置であり、商品を陳列し販売する際に使用されるショーケースの照明装置であって、ショーケース内の商品の入れ替えや商品数の変化を検出し自動的に各々適した
   照明環境に設定する機能を特徴としたショーケース用照明装置。
3. 請求項1記載の照明装置であり、服飾品を店頭で試着する際に使用されるフィッティング
   スペース用の照明装置であって、試着する各服飾品の変化を検出し自動的に各々適した
   照明環境に設定する機能を特徴としたフィッティングスペース用照明装置。
4. 請求項1記載の照明装置であり、ＲＧＢセンサ3に替え、商品タグに印刷されたバーコードを読み取るリーダ８からの入力で、商品判別を可能にした店舗用照明装置。