JP2012173423A - 光デバイスおよび光デバイス出力光特性補償方法 - Google Patents
光デバイスおよび光デバイス出力光特性補償方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 優れたCMRR特性のデジタルコヒーレントレシーバを十分安定して構成することができる光デバイスおよび光デバイス出力光特性調整方法を提供する。
【解決手段】 第1及び第2の光入力ポート、並びに第1及び第2の光出力ポートを備えた光合分岐素子と、前記第1および第2の光出力ポートから出射される光をそれぞれ受光する、第1及び第2の受光素子と、を有し、前記第1及び第2の光入力ポートのいずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する前記第1及び第2の光出力ポートのうち、光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、前記第1及び第2の受光素子を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1及び第2の光入力ポート、並びに第1及び第2の光出力ポートを備えた光合分岐素子と、前記第1および第2の光出力ポートから出射される光をそれぞれ受光する、第1及び第2の受光素子と、を有し、前記第1及び第2の光入力ポートのいずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する前記第1及び第2の光出力ポートのうち、光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、前記第1及び第2の受光素子を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は光デバイスに関し、特に光合分岐素子の分岐出力光のばらつきを補償する光デバイスに関する。
近年、100Gbit/秒を超える超高速通信において、波長利用効率、受信特性、分散補償能力に優れる偏波直交多重多値デジタル信号変調方式(DP-QPSK: Dual Polarization Differential Quadrature Phase Shift Keying)による通信技術が注目されている。DP-QPSK方式における受信器(レシーバ)には、光信号をTE(Transverse Electric)光信号とTM(Transverse Magnetic)光信号とに偏波分離する機能と、これら偏波分離した光信号から位相情報を取り出すための90度光ハイブリッド機能が必要とされる。この位相情報は、互いにπの位相差を有するIpとIn、並びにIpとInに対してそれぞれπ/2の位相遅延を有するQpとQnとからなる、I−Q平面上の4値の位相情報である。
上述のDP-QPSK方式の受信器においては、90度光ハイブリッド機能を担う部分の光回路装置として、例えば特許文献1あるいは特許文献2に記載された、コヒーレントミキサーと呼ばれる90度光ハイブリッド干渉計を、2つ並べた構成のデジタルコヒーレントレシーバが用いられる。このデジタルコヒーレントレシーバでは、偏波分離された2つの信号光を、2つの光ハイブリッド干渉計がそれぞれ復調する。図8は特許文献1あるいは特許文献2に記載された、一般的な90度光ハイブリッド干渉計の構成概略を示す。この構造の90度光ハイブリッド干渉計は光導波路30、31、32、33、スプリッタ34、35、光カプラ36、37から構成することができる。また光導波路30と32との光路長差は、光導波路31と33との光路長差よりもλ/4(λは光波長)だけ大きいか、もしくは小さくなるように配置される。図8において90度光ハイブリッド干渉計には、偏波分離された一方の信号光と、位相情報を復調するために信号光と干渉させる局部発振光がそれぞれ入射される。そして信号光と局部発振光との干渉による出力光は、フォトダイオード38〜41で電流信号に変換され、さらに後段のTIA(Trans Impedance Amplifier)42、43によって電圧変換され信号が復元される。
部品実装の上で、フォトダイオード38、39、及びフォトダイオード40、41にはそれぞれ、2連フォトダイオードを用いると都合がよい。ただし標準品の2連フォトダイオードを用いる場合は、フォトダイオード間隔の規格が定まっているため、90度光ハイブリッド干渉計の導波路構造は、フォトダイオード間隔にあわせて設計する必要がある。一方、フォトダイオード38〜41をすべて単体のフォトダイオードで構成した場合は、個別に適切な受光位置に各フォトダイオードを設置することができる。例えば特許文献3には、入力光の位相に応じて集光位置が異なる、空間干渉型の干渉計において、それぞれの集光位置に応じて複数の受光素子を配置する構成が記載されている。
ところで、上記の90度光ハイブリッド干渉計を用いたDP-QPSKレシーバの性能を左右する重要な特性に、CMRR(Common-Mode Rejection Ratio:同相信号除去比)と呼ばれる特性がある。これは信号を電圧変換する際に使用する差動増幅回路などにおいて、2つの入力に共通する入力信号成分をどれだけ除去できるかの尺度である。CMRRが高い増幅器は、高い電圧オフセットを加えることができるため、ショット雑音の影響を大幅に軽減し、高い受信感度を実現することができる。受信機のCMRR性能に影響する特性の一つが、図8において、90度光ハイブリッド干渉計に配置される光カプラ36、37の分岐光強度比である。この光カプラの理想的な分岐特性は、分岐光の一方をP(Positive)、他方をN(Negative)と呼ぶとすると、分岐比がP側:N側=50:50となることである。そして光カプラの特性である、PN間インバランス(分岐比50%からの乖離量を示し、PN間インバランス=|10log(P側強度/N側強度)|[dB]で表される)が大きいほどレシーバのCMRRは悪化する。
図8に示す90度光ハイブリッド干渉計においては、入射した信号光は、スプリッタ34で二つに分岐され光カプラ36と光カプラ37にそれぞれ入力する。このときそれぞれの光カプラにおいて、PN間インバランスが信号光に対するCMRRにとって問題となる。同様に、入力した局部発振光についても、光カプラ36、37のPN間インバランスが、局部発振光に対するCMRRにとって問題となる。
なお光導波路で構成した光カプラは、方向性結合器やマッハツェンダ干渉計、あるいはマルチモード干渉計などを利用するのが一般的であり、これらの光カプラは入力するポートが入れ替わると出力光の分岐比が反転する性質を有している。すなわち図9(a)に示すように、まず、入力ポート1から光を入射した場合の出力光の強度が、出力ポート1:出力ポート2=60:40の比率であったとする。この光カプラに入力ポート2から光を入射した場合、図9(b)に示すように、2つの出力光の強度の比率は出力ポート1:出力ポート2=40:60となる。ここで入力ポートおよび出力ポートは、光が伝播するコアおよびコアを覆うクラッドからなる光導波路で構成されるが、図9(a)、(b)では、入力ポートおよび出力ポートを、光導波路コアの形状で示している。
デジタルコヒーレントレシーバの仕様は、高速データ通信を推進する業界団体であるOIF(Optical Internetworking Forum)で標準化の検討が進められており、レシーバの開発はこの仕様に則って行われている。現状、連続発振光におけるCMRR特性の仕様は、対信号光で-20dBe、対局部発振光で-12dBeまでとなっている。この値はPN間インバランスに換算すると、それぞれ0.87dB、2.23dBに相当する。
ここで、光導波路で構成される光カプラは、その製造ばらつきによってPN間インバランスを生じうるが、PN間インバランスの値として一般的に0.5dB程度までは製造上制御可能で、光カプラ自体は上述のCMRR特性の仕様に十分対応したものを製造することができる。
しかしながら、図8に示した90度光ハイブリッド干渉計には次のような問題があった。
すなわち、デジタルコヒーレントレシーバの仕様としてのCMRR特性は、上述したとおりPN間インバランスに換算して0.87dBをクリアする必要がある。しかしこの値はCMRR特性を単純にPN間インバランスに換算したものであり、光カプラのPN間インバランスが0.5dB以下であっても、実際にCMRR特性の仕様を満たせるとは限らない。なぜなら実際には光カプラ自体のPN間インバランスに加え、フォトダイオードへの結合損ばらつき、フォトダイオード量子効率ばらつきなどの要因により、フォトダイオード受光後のPN間インバランスが0.87dBを超えることもあるからである。
現状でこれら個々の要因をさらに改善することは難しいため、CMRR特性の仕様を満たしたデジタルコヒーレントレシーバを十分安定して製造することができず、製造歩留まりが低下し、コストが増加するという問題があった。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、優れたCMRR特性のデジタルコヒーレントレシーバを十分安定して構成することができる光デバイスおよび光デバイス出力光特性調整方法を提供することである。
本発明の光デバイスは、第1及び第2の光入力ポート、並びに第1及び第2の光出力ポートを備えた光合分岐素子と、前記第1および第2の光出力ポートから出射される光をそれぞれ受光する、第1及び第2の受光素子と、を有し、前記第1及び第2の光入力ポートのいずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する前記第1及び第2の光出力ポートのうち、光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、前記第1及び第2の受光素子が設けられていることを特徴とする。
また本発明の光デバイス出力光特性補償方法は、前記第1および第2の光入力ポートのいずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する前記第1および第2の光出力ポートのうち、光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、前記第1及び第2の受光素子を設けることを特徴とする。
本発明によれば、優れたCMRR特性のデジタルコヒーレントレシーバを十分安定して構成することができる光デバイスおよび光デバイス出力光特性調整方法を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の光デバイスの構成を示す模式図である。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の光デバイスの構成を示す模式図である。
この光デバイスは、光入力ポート1、2、並びに光出力ポート3、4を備えた光合分岐素子5と、光出力ポート3、4から出射される光をそれぞれ受光する、受光素子6、7と、を有している。
光入力ポートの1、2いずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する光出力ポート3、4のうち、光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、受光素子6、7が設けられている。
なおここで受光素子の受光領域内のある点を中心とした半径rの円に含まれる受光領域の面積S(r)を、rについて0からRmax(受光領域内の2点間の距離の最大値)まで積分した値が最大となる受光領域の点を、受光領域中心とする。
同様に、光導波路コア端面内のある点を中心とした半径lの円に含まれるコア端面の面積S(l)を、lについて0からLmax(コア端面内の2点間の距離の最大値)まで積分した値が最大となるコア端面の点を、光導波路コア端面の中心とする。
図1においては、光入力ポート1から入射した光について、光出力ポート4からの光出力の方が、光出力ポート3からの光出力より低い例を示している。この場合、例えば、受光素子7は受光領域中心と光出力ポート4からの光を出射する光導波路コア端面とが最短距離で対向する位置に設置する。一方、受光素子6は受光領域中心と光出力ポート3からの光を出射する光導波路コア端面とが最短距離で対向する位置より上側にずれた位置に設置する。このように受光素子6の位置を調整し、結合損により受光素子6の受光量を低下させることにより、光入力ポート1から入射した光について、光出力ポート3、4の光出力の不均衡を、受光素子6、7の受光量レベルで補償することが可能になる。
なお上記の例では、受光素子の位置は図1における上下方向に調整する場合を示したが、位置の調整は左右方向に行ってもよい。
図1に示した光デバイスを例えばコヒーレントミキサーとして用いた場合、波長多重された様々な波長が混在した光が信号光として例えば光入力ポート1から入力される。一方、局部発振光は一般的にチューナブルレーザからのコヒーレントな単色光が用いられ、光入力ポート2から入力される。この場合、信号選択は局部発振光の波長を復調したい信号光の波長に合わせることで行われるが、それ以外の波長の光は、そのチャンネルにとってはノイズとなる。つまり、局部発振光に対して信号光の方にはノイズが重畳されているということであり、光合分岐素子のPN間インバランスは、これらのノイズが差動増幅回路において十分に相殺できる程度に小さいことが要求される。従って、光入力ポート2(局部発振光ポート)から入射して得られるPN間インバランスよりも、光入力ポート1(信号光ポート)から入射して得られるPN間インバランスの方が要求されるレベルが厳しいという事情がある。したがって光合分岐素子5の分岐比が50%から乖離している場合、信号光成分に対する出力光についてPN間インバランスを受光量で補償するように受光素子6、7の位置関係を調整して実装すれば、実質的にレシーバのCMRR性能を効果的に向上できる。またこのとき局部発振光成分に対するPN間インバランスは多少犠牲になるものの、レシーバの特性に影響は与えない。
以上のようにこの実施の形態によれば、優れたCMRR特性のデジタルコヒーレントレシーバを十分安定して構成することができる光デバイスを提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、図1における受光素子6、7として、例えば共に受光領域の形状が正方形で一辺の長さが50μmの、フォトダイオード6a、7aを用いる。以降、受光素子6、7はそれぞれフォトダイオード6a、7aに置き換えて説明する。ここで、光入力ポート1から入力した光は、光合分岐素子5の特性により光出力ポート3、4からそれぞれ例えば52:48の割合で分岐されるとする。このとき、光出力ポート4からの光を出射する光導波路コア端面とフォトダイオード7aの受光領域中心とは最短距離で対向するよう配置する。一方、フォトダイオード6aは受光領域中心と光出力ポート3からの光を出射する光導波路コア端面とが最短距離で対向する位置より上側にずれた位置に配置し、結合損を生じさせることにより、受光光量を4%分低下させている。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、図1における受光素子6、7として、例えば共に受光領域の形状が正方形で一辺の長さが50μmの、フォトダイオード6a、7aを用いる。以降、受光素子6、7はそれぞれフォトダイオード6a、7aに置き換えて説明する。ここで、光入力ポート1から入力した光は、光合分岐素子5の特性により光出力ポート3、4からそれぞれ例えば52:48の割合で分岐されるとする。このとき、光出力ポート4からの光を出射する光導波路コア端面とフォトダイオード7aの受光領域中心とは最短距離で対向するよう配置する。一方、フォトダイオード6aは受光領域中心と光出力ポート3からの光を出射する光導波路コア端面とが最短距離で対向する位置より上側にずれた位置に配置し、結合損を生じさせることにより、受光光量を4%分低下させている。
図2は、図1においてフォトダイオード6a、7aの受光領域中心と光出力ポート3、4の光導波路コア端面中心とがそれぞれ最短処理で対向する位置を基準とし、フォトダイオード6a、7aの位置をそれぞれ上下に移動させたときの、フォトダイオード6a、7aの受光量の関係の例を示す。図2では、フォトダイオード7aを基準位置に設置した場合、フォトダイオード6aを基準位置から20μmずれた位置に設置すると、両フォトダイオードの受光量の差がなくなる。したがってこのとき、光入力ポート1から入力した光に対する、光合分岐素子5の出力光インバランスを補償することができる。なお図2から明らかなように、光出力ポート3、4からの光出力強度のバランスが50:50の比率から離れるほど、それを補償するためには光出力ポート3からの光を出射する光導波路コア端面とフォトダイオード6aの受光領域中心との距離を長くする必要がある。
以上のようにこの実施の形態では、フォトダイオードの位置と受光量との関係を基に、出力光インバランス補償のための調整を行っているため、光合分岐素子5の出力光インバランスの値に応じた調整が容易となる構成が可能になる。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
図3は本発明の第3の実施の形態の光デバイスの構成を示す模式図である。図3においては図1と同一の構成要素については同じ番号を付してある。第3の実施の形態では、光出力ポート3、4から出射される光をそれぞれ受光する受光素子として、標準的に使用される2連フォトダイオードを用いるものとする。この2連フォトダイオードはフォトダイオード6b、7bからなり、フォトダイオード6b、7bは例えば受光領域の形状が共に正方形で一辺の長さは50μm、受光領域中心同士の間隔は250μmとする。
光出力ポート3、4の光導波路コア端面中心同士の間隔Dは、フォトダイオード6b、7bのいずれか一方の受光領域中心から他方の受光領域の近接端までの間隔x乃至遠隔端までの間隔zの範囲内にある。そしてフォトダイオード6b、7bの受光領域中心同士の間隔yとは一致しない。なおここで光導波路コア端面中心同士の間隔Dは、双方の光導波路コアの端面における、基板に対して水平方向の最大幅の中心同士の距離とする。
また光出力ポート3、4から出射される光が、フォトダイオード6b、7bの受光領域内のいずれかの場所をそれぞれ照射する位置に、フォトダイオード6b、7bが設けられている。図3においては、y<D<zとした場合の例を示している。
ここで、光入力ポート1から入力した光は、光合分岐素子5の特性により光出力ポート3、4からそれぞれ例えば52:48の割合で分岐される。この場合、図3のように、光出力ポート4からの光を出射する光導波路コア端面とフォトダイオード7bの受光領域中心が最短距離で対向したときに、フォトダイオード6b側の受光光量が結合損により4%分低下するよう設計する。すなわち、予め光出力ポート3、4の端面部分の間隔Dをフォトダイオード6b、7bの受光中心の間隔yより広げて設計しておく。ここではDの値として例えば270μmと設定する。なお光入力ポート1から入力する光について、分岐光である光出力ポート3、4の光出力強度同士の差が大きいほど、Dと、yとの差は大きくなるように設定する。
図4は光出力ポート4からの光を出射する光導波路コア端面とフォトダイオード7bの受光領域中心が最短距離で対向する位置を基準とし、フォトダイオード6b、7bが固定された台座部材の位置を上下に移動させたときのフォトダイオード6b、7bの受光量の関係を示す。図4では、光出力ポート4からの光を出射する光導波路コア端面とフォトダイオード7bの受光領域中心が最短距離で対向する位置にあるとき、フォトダイオード6b、7bの受光量の差がなくなり、光入力ポート1から入力した光に対する、光合分岐素子5の出力光インバランスを補償することができる。
上述の第1、第2の実施の形態のように、単体のフォトダイオードチップを一つずつ実装した場合、フォトダイオードの単価は安くなるものの、実装数が多くなるため実装コストが増加する。また、製造における熱工程の都合から、複数のフォトダイオードを同じ台座部材上に実装することができず、結果的に部品点数も多くなる。一方、2連フォトダイオードの場合、受光素子の間隔が固定されているため、PN間インバランス特性の改善のために、第1、第2の実施の形態で述べた方法により片方のフォトダイオードだけを光軸に対して調整することができない。
しかしこの第3の実施の形態によれば、2連フォトダイオードのような、間隔が固定された受光素子を利用した場合でも、光合分岐素子の出力インバランスを補償する調整が可能な光デバイスを提供できる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。上述の第3の実施の形態は、光合分岐素子の分岐光量に4%程度の差があることを予測できていた場合には有効であるが、実際の値は製造時の外乱などによってばらつくことがある。このような場合、分岐比の分布から想定し得る調整量を決定しておき、2連フォトダイオードの実装時に調整を行うことができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。上述の第3の実施の形態は、光合分岐素子の分岐光量に4%程度の差があることを予測できていた場合には有効であるが、実際の値は製造時の外乱などによってばらつくことがある。このような場合、分岐比の分布から想定し得る調整量を決定しておき、2連フォトダイオードの実装時に調整を行うことができる。
例えば、図3において最大で6%の調整が想定される場合には、yに対するDの値を、上記第3の実施の形態の場合よりさらに広げた値で設計しておく。すなわち、光出力ポート4からの光を出射する光導波路コア端面とフォトダイオード7bの受光領域中心が最短距離で対向する位置(これを基準位置とする)にあるとき、フォトダイオード6b側の受光量が結合損により6%分低下する位置関係とする。
ここで光合分岐素子5の光分岐特性が、実際には52:48であった場合、基準位置では、フォトダイオード6b、7bの受光量は46%、48%となり、インバランスをゼロにまではすることができない。そこで、以下に説明するように2連フォトダイオードの実装位置を調整することで、PN間インバランスをなくすことが可能となる。
図5は、フォトダイオード7bが基準位置に対して上下に移動するように、2連フォトダイオードが固定された台座部材の位置を移動させたときの、フォトダイオード6b、7bの受光量の関係を示す。この場合、台座部材が基準位置から約5μm上側に移動したとき、フォトダイオード6b側で5%程度、フォトダイオード7b側で1%程度だけ受光光量が低下する。そしてこのとき、フォトダイオード6b、7bの受光量の差がなくなり、光入力ポート1から入力した光に対する、光合分岐素子5の出力光インバランスを補償することができる。図6は、台座部材8の実装位置を上記のように調整した場合の、光出力ポート3、4およびフォトダイオード6b、7bの位置関係を示す。
なお、実際のDとフォトダイオード6b、7bの受光光量の関係は、フォトダイオードの量子効率の個体差や、受光面の形状、出力光のスポットサイズなどによって多様であるが、これらは実験的に導出した値で設計すればよい。
以上のようにこの実施の形態では、光合分岐素子の分岐光量のインバランスの値が予め正確に予測できなくても、実質的にインバランスを補償することができる利点がある。
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態について説明する。上述の第1乃至第4の実施の形態で説明した光デバイスは、図7に示したようなコヒーレントミキサーに適用することができる。
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態について説明する。上述の第1乃至第4の実施の形態で説明した光デバイスは、図7に示したようなコヒーレントミキサーに適用することができる。
すなわち、図7に示したコヒーレントミキサーにおいて、例えばスプリッタ14、15としてY分岐型光分岐素子を用いる。そして光合分岐素子16、17の各光出力ポート24〜27、およびフォトダイオード18〜21を、上述の第1乃至第4の実施の形態で説明した位置関係で配置することにより、信号光成分に対する光合分岐素子16、17のインバランスを補償する構成とすることができる。
上述したように、一方の入力光に対する光合分岐素子16、17のインバランスを補償した場合、他方の入力光に対する光合分岐素子16、17のインバランスは悪化することになる。しかしながらコヒーレントミキサーにおける光合分岐素子は、信号光成分に対する分岐光量のインバランス許容レベルが非常に厳しいのに対して、局部発振光成分に対してはそれほど厳しくなく、通常そちらが問題になることはない。したがってこの実施の形態の光デバイスの適用は、コヒーレントミキサーの実質的なCMRR性能の向上にとって特にメリットを発揮できる。
なお上述したいずれの実施の形態においても、各光出力ポートから出射される光をそれぞれ受光する受光素子として、同一の基板上に2つ以上のフォトダイオードが備えられた多連フォトダイオードを用いることができる。この多連フォトダイオードは、個々のフォトダイオード同士の間隔が規格として定まっている標準品が、一般的に入手が容易である。このような標準品の多連フォトダイオードを用いる場合は、実装する時点でフォトダイオード同士の間隔が固定しているが、光デバイスの設計において、出力ポート同士の間隔を適切に設定すれば、光合分岐素子の出力インバランス補償の調整が可能となる。
1 光入力ポート
2 光入力ポート
3 光出力ポート
4 光出力ポート
5 光合分岐素子
6 受光素子
6a フォトダイオード
6b フォトダイオード
7 受光素子
7a フォトダイオード
7b フォトダイオード
8 台座部材
10 光導波路
11 光導波路
12 光導波路
13 光導波路
14 スプリッタ
15 スプリッタ
16 光カプラ
17 光カプラ
18 フォトダイオード
19 フォトダイオード
20 フォトダイオード
21 フォトダイオード
22 TIA
23 TIA
24 光出力ポート
25 光出力ポート
26 光出力ポート
27 光出力ポート
30 光導波路
31 光導波路
32 光導波路
33 光導波路
34 スプリッタ
35 スプリッタ
36 光カプラ
37 光カプラ
38 フォトダイオード
39 フォトダイオード
40 フォトダイオード
41 フォトダイオード
42 TIA
43 TIA
2 光入力ポート
3 光出力ポート
4 光出力ポート
5 光合分岐素子
6 受光素子
6a フォトダイオード
6b フォトダイオード
7 受光素子
7a フォトダイオード
7b フォトダイオード
8 台座部材
10 光導波路
11 光導波路
12 光導波路
13 光導波路
14 スプリッタ
15 スプリッタ
16 光カプラ
17 光カプラ
18 フォトダイオード
19 フォトダイオード
20 フォトダイオード
21 フォトダイオード
22 TIA
23 TIA
24 光出力ポート
25 光出力ポート
26 光出力ポート
27 光出力ポート
30 光導波路
31 光導波路
32 光導波路
33 光導波路
34 スプリッタ
35 スプリッタ
36 光カプラ
37 光カプラ
38 フォトダイオード
39 フォトダイオード
40 フォトダイオード
41 フォトダイオード
42 TIA
43 TIA
Claims (9)
- 第1及び第2の光入力ポート、並びに第1及び第2の光出力ポートを備えた光合分岐素子と、
前記第1及び第2の光出力ポートから出射される光をそれぞれ受光する、第1及び第2の受光素子と、
を有し、
前記第1及び第2の光入力ポートのいずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する前記第1及び第2の光出力ポートのうち、光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、前記第1及び第2の受光素子が設けられていることを特徴とする光デバイス。 - 前記第1の光入力ポートに波長分割多重信号光が入力され、
分岐された当該波長分割多重信号光が出射する前記第1及び第2の光出力ポートのうち、前記波長分割多重信号光成分の光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、前記波長分割多重信号光成分の光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、前記第1及び第2の受光素子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。 - 前記第1及び第2の光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心同士の間隔は、前記第1及び第2の受光素子のいずれか一方の受光領域中心から他方の受光領域の最近接端までの間隔乃至最遠隔端までの間隔の範囲内にあり、かつ前記第1及び第2の受光素子の受光領域中心同士の間隔とは一致せず、
前記第1及び第2の光出力ポートから出射される光が、前記第1及び第2の受光素子の受光領域内のいずれかの場所をそれぞれ照射する位置に、前記第1及び第2の受光素子が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の光デバイス。 - 前記第1および第2の受光素子として、多連フォトダイオードを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光デバイス。
- 前記光合分岐素子は、前記第1の光入力ポートから光入力する場合と、前記第2の光入力ポートとから光入力する場合とで、前記第1および第2の光出力ポートから出射される光強度の比が反転する特性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光デバイス。
- 前記第1及び第2の受光素子の出力電流を電圧変換し差動増幅する差動増幅器をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光デバイス。
- 第1の入力光を分岐して、第1及び第2の光導波路に出力する、第1の光分岐素子と、
第2の入力光を分岐して、第3及び第4の光導波路に出力する、第2の光分岐素子と、
請求項1乃至6のいずれかに記載された、第1および第2の光デバイスと、
を備え、
前記第1及び第3の光導波路は、前記第1の光デバイスの前記第1及び第2の光入力ポートにそれぞれ接続され、
前記第2及び第4の光導波路は、前記第2の光デバイスの前記第1及び第2の光入力ポートにそれぞれ接続されていることを特徴とする干渉計光デバイス。 - 請求項1または7に記載した光デバイスにおいて、前記第1および第2の光入力ポートのいずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する前記第1および第2の光出力ポートのうち、光出力が低い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心は、光出力が高い方の光出力ポートからの光を受光する受光素子の受光領域中心よりも、対応する光出力ポートからの光を出射する光導波路コア端面の中心との距離が長くなる位置関係で、前記第1及び第2の受光素子を設けることを特徴とする、光デバイス出力光特性補償方法。
- 前記第1及び第2の光入力ポートのいずれか一方から入力する光について、分岐された当該光が出射する前記第1及び第2の光出力ポートの光出力の差が大きいほど、前記第1及び第2の光出力ポートの光を出射する光導波路コア端面の中心同士の間隔と、前記第1及び第2の受光素子の受光領域中心同士の間隔との差が大きくなるように設定することを特徴とする、請求項8に記載の光デバイス出力光特性補償方法。
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JP2011033672A JP2012173423A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | 光デバイスおよび光デバイス出力光特性補償方法 |
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-
2011
- 2011-02-18 JP JP2011033672A patent/JP2012173423A/ja not_active Withdrawn
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WO2014118836A1 (ja) * | 2013-02-01 | 2014-08-07 | 日本電気株式会社 | 光機能集積ユニット及びその製造方法 |
JPWO2014118836A1 (ja) * | 2013-02-01 | 2017-01-26 | 日本電気株式会社 | 光機能集積ユニット及びその製造方法 |
US9577410B2 (en) | 2013-02-01 | 2017-02-21 | Nec Corporation | Optical functional integrated unit and method for manufacturing thereof |
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