JP2012170893A - 沈降型液液分離器 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置内における混合液体の流路の断面全体で液体分離効果を発揮させることができる沈降型液液分離器を提供する。
【解決手段】比重の異なる液体が界面を形成して混合した混合液体を各液体に分離する装置であって、内部に液体通路10hを有する中空な筒状の胴部11と、胴部11の液体通路10hに対し混合液体を供給する流入通路14と、分離された液体を胴部から排出する排出通路11a,11bと、を備えた本体部10と、混合液体における比重の大きい液体を沈降させる沈降部材23と、沈降部材23と流入通路との間に設けられた整流部材21,22とからなり、本体部10は、胴部11の液体通路10hの軸方向と交差する反射面を備えた反射部材が設けられており、流入通路14は、反射部材と整流部材21,22との間に配設されており、供給口14aが、反射部材に向けて混合液体を供給するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、沈降型液液分離器に関する。さらに詳しくは、油と水のように、比重の異なる液体が界面を形成して混合した混合液体を各液体に分離する沈降型液液分離器に関する。
従来から、水と油などのように比重の異なる液体が界面を形成して混合した混合液体を各液体に分離する装置として、比重差を利用した重力沈降操作を行う装置が開発されている(例えば、特許文献1)
特許文献1の技術は、中空な筒状の胴部を有する本体部を有し、この本体部内に整流部材と、この整流部材を通過した混合液体における比重の大きい沈降液体を沈降させる沈降部材とを設けた沈降型液液分離器が記載されている。
そして、特許文献1の沈降型液液分離器では、整流部材によって混合液体が層流状態に近づけられ、この層流状態に近づいた混合液体を沈降部材が設けられている領域に供給するようになっているので、沈降部材において混合液体の分離が促進される。しかも、沈降部材の沈降面は上流側から下流側に向かって非上傾になっているから、分離した沈降液体と比重の小さい主液体とが再混合することも防ぐことができる。
ところで、特許文献1の沈降型液液分離器では、胴部内の液体通路に対して管状の流入通路から混合液体が供給されるようになっており、管状の流入通路から流入した混合液体を整流部材に衝突させている。このため、流入した混合液体の流速を低下させるとともに、胴部内で混合液体を分散させることができると考える。
しかし、特許文献1の沈降型液液分離器では、流入通路から胴部内に混合液体が流入する方向と、胴部内の液体通路を混合液体が流れる方向とがほぼ一致している。このため、整流部材に衝突してから混合液体が整流部材を通過するまでの期間が短くなり、混合液体を胴部の断面内において十分に分散させることができない。すると、主液体に比べて比重の大きい沈降液体を胴部の上部に供給できない可能性があり、胴部の下部に過剰に沈降液体が供給される可能性がある。かかる状況では、沈降液体の割合の少ない混合液体が供給される部分では、液体分離機能が過剰になるし、沈降液体の割合の多い混合液体が供給される部分では、十分に液体分離を行うことができない可能性がある。すなわち、液体通路の同一断面内において分離操作が均一に行われず、結果として全体の分離効率を低下させる要因となり得る。
したがって、沈降型液液分離器において混合液体を分離する効果を高める上では、混合液体の状態を、胴部内の断面全体で液体分離効果を発揮できるような状態とすることができる構造の沈降型液液分離器が望まれる。
特開2009−178654号
本発明は上記事情に鑑み、装置内における混合液体の流路の断面全体で液体分離効果を発揮させることができる沈降型液液分離器を提供することを目的とする。
第1発明の沈降型液液分離器は、比重の異なる液体が界面を形成して混合した混合液体を各液体に分離する装置であって、内部に液体通路を有する中空な筒状の胴部と、該胴部の前端に設けられ該胴部の液体通路に対し混合液体を供給する流入通路と、前記胴部の後端に設けられ分離された液体を該胴部から排出する排出通路と、を備えた本体部と、該本体部内において、前記混合液体における比重の大きい液体を沈降させる沈降部材と、前記本体部内において、該沈降部材と前記流入通路との間に設けられた整流部材とからなり、前前記本体部は、前記沈降部材との間に前記整流部材を挟むように、前記胴部の液体通路の軸方向と交差する反射面を備えた反射部材が設けられており、前記流入通路は、前記反射部材と前記整流部材との間に配設されており、前記混合液体を前記胴部の液体通路内に供給する供給口が、前記反射部材に向けて前記混合液体を供給するように形成されていることを特徴とする。
第2発明の沈降型液液分離器は、第1発明において、前記反射部材は、前記胴部の軸方向の端部に設けられた鏡板であることを特徴とする。
第3発明の沈降型液液分離器は、第1または第2発明において、前記流入通路の供給口は、前記胴部の液体通路内において、該液体通路内に沈降している前記比重の大きい液体の自由表面が形成されている位置に配設されていることを特徴とする。
第1発明によれば、流入通路の供給口から反射部材に向けて混合液体を供給すれば、流入通路の供給口から供給された混合液体は、胴部の液体通路内において混合液体が流れる方向(以下、主方向という)と逆向きに流れて反射部材に衝突する。そして、流入通路の供給口から供給された混合液体は、反射部材の反射面に衝突したときに、一旦反射部材近傍で滞留しその流動方向が変わってから主方向に向かって流れるので、流入通路の供給口から供給された状態に比べて低速の流れとなって液体通路内を流れる。しかも、混合液体を反射部材の反射面に衝突させることによって、反射面に沿ったどの方向の流速もほぼ同じである略放射状の流れを形成させてから、混合液体を主方向に向かって流すことができる。このため、胴部の液体通路内には、混合液体によって、胴部の断面内においてほぼ均一な流速を有する低速の混合液体の流れを形成させることができ、しかも、混合液体をほぼ胴部の断面全体に供給することができる。すると、胴部の同一断面内では混合液体の状態をほぼ均一な状態とすることができるので、混合液体を各液体に分離する状況を胴部の同一断面内におけるどの部分でもほぼ同等な状態とすることができる。したがって、胴部の液体通路の断面全体を有効に液体の分離に活用することができるので、液体の分離効率を高くすることができる。
第2発明によれば、鏡板を反射部材とするので、胴部内に特別な反射部材を設ける必要がなく、胴部の構造を簡単な構造とすることができる。
第3発明によれば、流入通路の供給口から混合液体を供給したときに、混合液体の流れの影響で、胴部内において既に分離されている液体同士が再混合することを抑えることができる。すると、分離された液体同士が再混合したことに起因する、液体を分離する効率の低下を抑制することができる。
本実施形態の沈降型液液分離器の概略断面図である。 (A)は図1のA−A線断面矢視図であり、(B)は図1のB−B線断面矢視図であり、(C)は図1のC−C線断面矢視図である。 比較例の沈降型液液分離器の概略説明図であって、(A)は断面図であり、(B)は(A)のB−B線断面矢視図であり、(C)は(A)のC−C線断面矢視図である。 比較例の分離器内の状況の計算結果であり、(A)は流速分布、(B)は水体積率分布の計算結果である。 実施例の分離器内の状況の計算結果であり、(A)は流速分布、(B)は水体積率分布の計算結果である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本実施形態の沈降型液液分離器は、比重の異なる液体が界面を形成して混合した混合液体を各液体に分離する装置であって、化学プラントや処理装置等のように混合液体を連続処理する必要がある設備に適した装置である。
とくに、各液体の混合割合の差が比較的小さい混合液体の場合でも、効率よく各液体に分離することができるようにしたことに特徴を有している。
なお、比重の異なる液体が界面を形成して混合した混合液体とは、例えば、油と水または油とアルコールが混合した混合液体などである。具体的には、混合液体中の混合割合が多い液体中に、混合割合の少ない液体が液滴の状態で分散して存在している液体などである。そして、本実施形態の沈降型液液分離器によって各液体に分離される混合液体は比重の異なる液体が界面を形成して混合されたものであればよく、混合液体中に混合されている液体の種類はとくに限定されない。
以下では、混合液体において比重の小さい液体を低比重液体といい、低比重液体よりも比重の大きい液体を沈降液体という。
また、本実施形態の沈降型液液分離器によって分離される混合液体では、低比重液体と沈降液体との混合割合はとくに限定されないが、以下では、低比重液体に沈降液体が混合している場合を代表として説明する。つまり、低比重液体に沈降液体が液滴の状態で分散している混合液体を、低比重液体と沈降液体とに分離する場合を代表として説明する。
(本実施形態の沈降型液液分離器1の全体構造の説明)
図1において、符号10は本実施形態の沈降型液液分離器1(以下、単に分離器1という)の本体部を示している。この本体部10は中空な円筒状の胴部11と、この胴部11の軸方向の両端に設けられた、内面が略球面状に形成された鏡板12,13とを備えた中空な容器である。この本体部10は、例えば、本実施形態の分離器1が化学プラントにおいて使用される場合であれば、胴部11の内径が数m程度、軸方向の長さが胴部11の内径に対し数倍程度のものが使用されるが、本体部10は上記のごとき大きさに特に限定されず、処理する液体の量や物性等によって自由に決定できる。
前記胴部11の左端部(前端部)には、本体部10内に混合液体を供給する流入通路14が設けられている。この流入通路14は、胴部11の側面に配設された管状の部材である。この流入通路14は、その上端部が本体部10外に突出しており、その下端は本体部10内に配設されている。
なお、この流入通路14は、その下端が本体部10内の下部に溜まっている沈降液体と混合液体との界面(自由界面FS)の高さに位置するように配設されている。そして、混合液体を本体部10の胴部11内に供給する供給口14aは、流入通路14における前記前端鏡板12(前端鏡板12)側の側面に設けられているが、その理由は後述する。
図1に示すように、流入通路14に対して右端部側(後端部側)には、2枚の整流部材21,22と沈降部材23とが、この順で配設されている。2枚の整流部材21,22および沈降部材23は、混合液体を低比重液体と沈降液体とに分離するために設けられているが、これらの詳細は後述する。
本体部10の後端部近傍には、沈降部材23と鏡板13(後端鏡板12)との間に、本体部10の胴部11内を仕切る分離プレート10dが設けられている。具体的には、胴部11内を液体分離空間と低比重液体排出空間とに分離するように、分離プレート10dが設けられている。なお、液体分離空間は沈降部材23が収容されている空間である。
分離プレート10dは、その上端と胴部11の内面との間に、前記両空間を連通する連通通路10fが形成されるように設けられている。このため、連通通路10fを通して、液体分離空間の上部に位置する液体、つまり、低比重液体を低比重液体排出空間に流入させることができるようになっている。
そして、本体部10の後端部には、本体部10内から外部に液体を排出する排出通路11a,11bが設けられている。
胴部11の後端部において、分離プレート10d近傍における液体分離空間側の下部には、沈降液体排出通路11aが設けられている。この沈降液体排出通路11aは、低比重液体から分離された沈降液体を外部に排出する通路である。この沈降液体排出通路11aには、本体部10内部と外部との間を連通遮断し得る器具(例えば、バルブ等)が設けられており、所定の期間毎に沈降液体排出通路11aから沈降液体を排出するようになっている。具体的には、沈降液体は、胴部11の下部に溜まっている量が所定の量(つまり、所定の深さ)となるようにその排出量が調整されている。
一方、胴部11の後端部において、分離プレート10d近傍における低比重液体排出空間の下部には、低比重液体排出通路11bが設けられている。この低比重液体排出通路11bは、沈降液体が分離された後、連通通路10fから低比重液体排出空間内に流入した低比重液体を外部に排出する通路である。この低比重液体排出通路11bには、本体部10内部と外部との間を連通遮断し得る器具(例えば、バルブ等)が設けられており、低比重液体排出通路11bから排出される低比重液体の流量を調整している。具体的には、低比重液体の液面が一定の高さとなるように調整している。
以上のごとき構成であるから、本体部10の前端部に設けられている流入通路14から混合液体を供給すれば、本体部10の胴部11内に混合液体を供給することができる。
本体部10はその後端部に排出通路11a,11bを備えているので、混合液体は胴部11内を、流入通路14から排出通路11a,11bに向かって(つまり、本体部10の前端から後端に向かって)流れる。
すると、胴部11内において、流入通路14と排出通路11a,11bとの間には、2枚の整流部材21,22および沈降部材23が設けられているので、流入通路14から排出通路11a,11bまで流れる間に低比重液体から沈降液体が分離される。
そして、沈降液体は液体分離空間の下部に溜められるので、液体分離空間の上部に位置する低比重液体のみが連通通路10fから低比重液体排出空間内に流入する。このため、液体分離空間内において分離された各液体を、再混合させることなく、それぞれ排出通路11a,11bから排出することができる。
つまり、本実施形態の分離器1では、流入通路14から胴部11内に混合液体を供給すれば、混合液体を低比重液体と沈降液体とを分離することができ、分離された各液体をそれぞれ回収することができるのである。
なお、上述した低比重液体排出通路11bから排出される低比重液体は、沈降液体がほとんど含まれない状態のものだけを意味するのではなく、流入通路14から供給される混合液体に比べて沈降液体の割合が減少した状態のものを含んでいるのはいうまでもない。同様に、上述した沈降液体排出通路11aから排出される沈降液体は、低比重液体をほとんど含まないものだけを意味するのではなく、低比重液体を若干含有するものも含んでいるのはいうまでもない。
また、胴部11の前端部上方には、気体排出部11eが設けられている。この気体排出部11eには、本体部10内部と外部との間を連通遮断し得る器具(例えば、バルブ等)が設けられており、本体部10内に溜まった気体を適宜排出することができるように構成されている。
(各部の詳細説明)
つぎに、本実施形態の沈降型液液分離器1の各部について詳細に説明する。
(流入通路14の説明)
図1に示すように、流入通路14は、胴部11の側面に配設された管状の部材であり、前記胴部11の前端部において2枚の整流部材21,22よりも前端鏡板12側に配設されている。
この流入通路14の先端は閉じられており、その先端部側面に供給口14aが設けられている。つまり、流入通路14の基端から供給された混合液体は、先端部側面に設けられた供給口14aから胴部11内に供給されるようになっている。
しかも、供給口14aは、前端鏡板12側の側面に設けられており、供給口14aから液体通路10h内に供給される混合液体の流動方向が胴部11の軸方向と略平行となるように形成されている。
流入通路14が上記のごとき構造であるので、流入通路14の供給口14aから供給された混合液体は、胴部11内において混合液体が流れる方向(図1では左から右、以下、主方向という)と逆向きに流れて、前端鏡板12の内面に衝突する。すると、前端鏡板12の内面に衝突した混合液体は、一旦前端鏡板12の内面近傍で滞留した後、主方向に向かって流れるので、混合液体は、流入通路14の供給口14aから供給された状態に比べて低速の流れとなって胴部11内を整流部材21,22に向かって流れる。
しかも、混合液体を衝突させる前端鏡板12はその内面が略球面状になっているので、混合液体を前端鏡板12の内面に衝突させることによって、前端鏡板12の内面に沿った混合液体の流れが形成される。つまり、混合液体は、前端鏡板12の内面に沿った、位置による速度差の小さい略放射状の流れとなった後、主方向に向かって流れる。すると、混合液体の流れは、整流部材21,22に到達するまでに、胴部11の断面内において位置による流速の差が小さい流れとなる。
つまり、混合液体が整流部材21,22に到達するまでに、混合液体の流速を、胴部の断面内においてある程度位置による流速の差が小さい状態とすることができる。
なお、流入通路14の側面において、供給口14aを形成する位置はとくに限定されないが、供給口14aは、胴部11内に溜まっている沈降液体の自由表面FSの高さに形成されていることが好ましい。かかる位置に流入通路14の供給口14aが配置されていれば、流入通路14の供給口14aから胴部11内に混合液体を供給したときに、供給された混合液体による胴部11内に溜まっている沈降液体の攪拌が生じることを抑えることができる。すると、胴部11内に溜まっている沈降液体が再び液滴となって低比重液体に再混合(低比重液体に再分散)することを抑えることができるから、胴部11内に溜まっている沈降液体と低比重液体とが再混合した場合に生じる、装置による液体分離効率が低下することを抑制することができる。
なお、供給口14aを自由表面FSの高さに形成しても、供給口14aから胴部11に供給された混合液体の一部は、前端鏡板12の内面と衝突することにより胴部11内に溜まっている沈降液体に流入する現象は生じる。しかし、胴部11内に溜まっている沈降液体に流入する混合流体の量は少なく、その速度も小さいので、流入した混合液体によって沈降液体が撹拌される状況はほとんど生じない。
また、胴部11の底部には沈降液体が溜まっているので、混合液体は、ほとんどが沈降液体の自由界面FSよりも上方の空間内で流動する。したがって、以下では、「胴部11内において沈降液体の自由界面FSよりも上方の空間」を「液体通路10h」で示し、「胴部11内において沈降液体の自由界面FSよりも上方の空間の断面」を「液体通路10hの断面」示すこととする。
(2枚の整流部材21,22の説明)
本実施形態の分離器1では、分離効果を高めるために、本体部10の胴部11内に、2枚の整流部材21,22および沈降部材23を設けている。
図1に示すように、流入通路14と沈降部材23との間には、本体部10の胴部11内を仕切る2枚の整流部材21,22が設けられている。具体的には、胴部11の前端部を液体供給空間と前記液体分離空間とに分離するように、2枚の整流部材21,22が設けられている。なお、液体分離空間は前述したように沈降部材23が収容されている空間であり、液体供給空間は流入通路14が収容されている空間である。
2枚の整流部材21,22は、いずれも板状の部材であって、その表裏を貫通する複数の貫通穴が形成されている(図2(A)、(B))。
まず、2枚の整流部材21,22のうち、流入通路14側に位置する整流部材21(以下、上流側整流部材21という)は、複数の貫通孔が形成された板状の部材である。上流側整流部材21には、孔径の異なる複数の貫通孔21a,21bが形成されている。例えば、図2(A)に示すように、上流側整流部材21には、孔径の大きい貫通孔21aが形成された領域(上部領域21A)が上部に設けられており、孔径の小さい貫通孔21bが形成された領域(下部領域21B)が下部に設けられている。そして、上部領域21Aは、下部領域21Bに比べてその面積が小さくなるように設けられている。
また、整流部材22(以下、下流側整流部材22という)も、複数の貫通孔が形成された板状の部材である。この下流側整流部材22は、上流側整流部材21と異なり、全て同じ孔径の貫通孔22hが形成されている。この貫通孔22hの孔径はとくに限定されないが、整流効果を有効に発揮させる上では、上流側整流部材21の貫通孔21aと同程度であることが好ましい。
以上のごとき構造を有する2枚の整流部材21,22を設ければ、以下のごとき効果を得ることができる。
まず、上流側整流部材21に向かって流れる混合液体中では、沈降液体の比重が低比重液体の比重よりも大きいため、上流側整流部材21の下部に向う沈降液体の流れが発生する。このため、上流側整流部材21に向かう混合液体の流れでは、上部に比べて下部の流速が速くなりやすい。
一方、上流側整流部材21は、その下部領域21Bに形成されている貫通孔21bが上部領域21Aに形成されている貫通孔21aに比べて小さくなっているので、上流側整流部材21の下部(下部領域21Bの部分)は、上部(上部領域21Aの部分)に比べて、混合液体が通過しにくくなる。つまり、上流側整流部材21の下部では、上部に比べて、混合液体が通過する際の抵抗が大きくなる。
すると、上流側整流部材21を通過する際には、上部領域21Aを通過する混合液体の流れに比べて下部領域21Bを通過する混合液体の流れが抑えられるので、上流側整流部材21を通過した位置では、上部と下部との間における混合液体の流速の差を小さくできる。つまり、液体通路10hの断面内において位置による混合流体の流速の差を小さくでき、液体通路10hの断面内における混合液体の流速を均一な状態に近づけることができる。
そして、上流側整流部材21を通過した混合液体は、均一な貫通孔22hが形成された下流側整流部材22を通過するので、液体通路10hの断面内において、位置による混合液体の流速の差をさらに小さい状態に近づけることができる。
すると、下流側整流部材22を通過した位置で混合液体の流速差に起因する循環流が発生することを防ぐことができるから、循環流が発生した場合に生じる低比重液体と沈降液体とを分離するために必要な距離(沈降液体を沈降させるために必要な距離)に差ができることを防ぐことができる。
また、上流側整流部材21を通過する際に、上部領域21Aを通過する混合液体の流れに比べて下部領域21Bを通過する混合液体の流れが抑えられると、下部領域21Bに向かって流れていた沈降液体の一部を上部領域21Aに向かって流すことができる。つまり、上流側整流部材21に全て同じ孔径の貫通孔を形成した場合に比べて、上流側整流部材21の上部領域21Aに比較的多く沈降液体を通過させることができる。すると、上流側整流部材21と下流側整流部材22との間において、上部領域21Aを通過した沈降液体がある程度沈降することによって、両整流部材21,22間において混合液体中の低比重液体と沈降液体の混合が進み、液体通路10hの断面内において、混合液体における両液体の混合割合の差を小さくできる。
つまり、2枚の整流部材21,22を設けることによって、液体通路10hの断面内において、沈降部材23に供給される混合液体の状態(流速や混合割合など)の差を小さくできるのである。
(沈降液体>低比重液体の場合における2枚の整流部材21,22の説明)
なお、上記例では、混合液体中において、沈降液体に比べて低比重液体の量が多い場合を説明したが、上記例とは逆に、混合液体中において、低比重液体に比べて沈降液体の量が多い場合には、以下のような整流部材を使用する。
混合液体中において、低比重液体に比べて沈降液体の量が多い場合には、図2(A)に示す上流側整流部材21を180度回転させたものを上流側整流部材として使用する。つまり、上部に形成されている貫通孔に比べて下部に形成されている貫通孔の孔径が大きくなり、かつ、孔径が大きい貫通孔が形成された部分(下部領域)の面積が、孔径が小さい貫通孔が形成された部分(上部領域)の面積よりも狭くなったものを上流側整流部材として使用する。
すると、上部領域を通過する混合液体の流速を抑えることができるから、上流側整流部材を通過した位置では、液体通路10hの断面内における混合液体の流量(つまり、液体通路10hの断面内における混合液体の流速)の差を小さくすることができる。
しかも、上流側整流部材に全て同じ孔径の貫通孔を形成した場合に比べて、上流側整流部材の下部を通過する低比重液体の割合を多くできるから、上流側整流部材と下流側整流部材との間で低比重液体がある程度上昇することによって、両整流部材間において混合液体中の低比重液体と沈降液体の混合が進み、液体通路10hの断面内において、混合液体における両液体の混合割合の差を小さくできる。
したがって、低比重液体に比べて沈降液体の量が多い場合でも、液体通路10hの断面内において、下流側整流部材を通過した後の混合液体の状態(流速や混合割合など)の差を小さくすることができる。
(沈降部材23の説明)
また、図1に示すように、下流側整流部材22と分離プレート10dとの間には、沈降部材23が設けられている。この沈降部材23には、本体部10の胴部11の方向に沿って、複数の貫通孔23hが形成されている。この複数の貫通孔23hは、その中心軸が水平となるように配設されており、その中心軸が互い平行となるように形成されている。
また、複数の貫通孔23hは、略正方形の断面形状を有しており、ほぼ全ての貫通孔23hが同一形状同一断面積を有するように形成されている。なお、図2(C)に示すように、沈降部材23と胴部11の内面とが接触する位置に形成されている貫通孔23hは、胴部11の内面形状に合う形状に形成される。
沈降部材23が以上のごとき構成であるから、液体通路10hにおいて沈降部材23が設けられている領域では、混合液体を沈降部材23の複数の貫通孔23h内に流すことができる。
複数本の貫通孔23hに流入した混合液体は、貫通孔23h内を通過する際に、沈降液体と低比重液体とに分離される。具体的には、沈降部材23の貫通孔23h内で沈降液体が沈降して、沈降した沈降液体は、貫通孔23hの内面と接触し付着して混合液体(つまり、低比重液体)から分離される。このとき、貫通孔23hはその断面積が小さい(上下方向の長さが短い)ので、沈降液体が貫通孔23hの内面と接触するまでの沈降距離が短くなり、沈降液体が貫通孔23hの内面と接触するまでの時間も短くなる。
したがって、上記のごとき沈降部材23を設けていれば、沈降液体と低比重液体を、迅速にかつ効率よく分離させることができる。
そして、複数の貫通孔23hの内面に付着した沈降液体は、貫通孔23h内を流れる混合液体によって、沈降部材23の後端に向かって押し流され、沈降部材23の後端から排出される。すると、沈降部材23の貫通孔23h内で混合液体から分離された沈降液体を、沈降部材23の後端から排出して、液体通路10hの底部に沈降させることができる。
一方、沈降液体が分離した混合液体は、沈降液体とは逆に、複数の貫通孔23hから流出された後上方に向かって流れて、連通通路10fを通って低比重液体排出空間内に流入する。
したがって、沈降部材23の後端から排出された後、液体通路10hの底部に向かって沈降する沈降液体と低比重液体の割合が多い混合液体とが再び混合することを防ぐことができる。
また、複数の貫通孔23hは、その断面形状および断面積がほぼ同じになるように形成されているので、混合液体が流れる際における貫通孔23h間の流動抵抗の差を小さくすることができる。すると、沈降部材23の複数の貫通孔23h内にほぼ均一に混合液体を流すことができる。つまり、沈降部材23の各貫通孔23hを通過する混合液体の流量をほぼ均一にすることができるから、全ての貫通孔23hを有効に液体分離に活用することができ、装置としての液体分離効率を高めることができる。
とくに、上述したような2枚の整流部材21,22を設けることによって、沈降部材23に供給される混合液体の状態が液体通路10hの断面内においてほぼ均一になっていれば、各貫通孔23hにおける液体分離効率を、どの貫通孔23hでもほぼ均一な状態に近づけることができるので、装置としての液体分離効率をより一層高めることができる。
さらに、沈降部材23は複数の貫通孔23hの中心軸が水平となるように配設されているので、混合液体が貫通孔23h内の沈降液体を押し流す抵抗が小さくなる。したがって、複数の貫通孔23h内から沈降液体を効率よく排出することができるし、一度分離した両液体が再混合することも防ぐことができる。
なお、沈降部材23は複数の貫通孔23hの中心軸が水平でなくてもよく、低比重液体に沈降液体が混合している場合であれば、上流側から下流側に向かって非上傾であればよい。例えば、上流側から下流側に向かって下傾していた場合には、混合液体によって貫通孔の内面上にある沈降液体を押し流す抵抗をより小さくできるので、貫通孔23h内から沈降液体を効率よく排出することができる。すると、沈降部材23の貫通孔23h内における液体分離効率を高めることができ、一度分離した両液体が再混合することも防ぐことができる。
(沈降部材23の形成方法)
上述したような沈降部材23はどのような方法で形成してもよく、とくに限定されない。例えば、複数の管状部材を並べて形成すれば、沈降部材23を簡単に形成することができる。複数の管状部材を並べて形成した場合には、全て同じ径の管状部材を使用することによって、全ての貫通孔23hの断面形状および断面積が同じである沈降部材23を、簡単かつ確実に形成することができる。
(貫通孔の断面形状)
なお、沈降部材23に形成されている貫通孔23hの断面形状は、上述したような矩形に限られず、円形や三角形などでもよく、とくに限定されない。
例えば、油などの低比重液体に純度の高い水(沈降液体)が混合した混合液体の場合には、貫通孔23hの側面に水が接触しても水を混合液体から分離させることができる。このような混合液体を処理する場合には、貫通孔23hの断面を縦長な四角形にして側面積を大きくすれば、水を側面積に付着させて低比重液体から分離できるので、より効率よく水を低比重液体から分離することができる。
(分離器1による混合液体の分離処理)
つぎに、本実施形態の分離器1による混合液体の分離処理について説明する。
まず、処理される混合液体は、流入通路14から本体部10の胴部11内に供給される。すると、混合液体は、主方向と逆方向に向かって流れて前端鏡板12の内面に衝突し、前端鏡板12の内面に沿った略放射状の流れとなった後、主方向に向かって流れる。つまり、混合液体は、一端前端鏡板12に向かって流れ、その後反転して、前端鏡板12から整流部材21,22に向かって流れる。そして、前端鏡板12から上流側整流部材21まで流れる間に、混合液体は、液体通路10hの断面内においてほぼ均一な流速を有する流れとなる。
上流側整流部材21に到達すると、混合液体は、上流側整流部材21の貫通孔を通過する。混合液体は、低比重流体に沈降液体が分散しているので、上流側整流部材21の下部領域21Bを流れようとする混合液体の流速が速くなる。
一方、上部領域21Aに形成されている貫通孔21aが下部領域21Bに形成されている貫通孔21bに比べて大きくなっているので、上流側整流部材21の下部は上部に比べて混合液体が通過する際の抵抗が大きい。
したがって、下部領域21Bを通過する混合液体の流速を抑えることができるので、上流側整流部材21を通過後の混合流体は、液体通路10hの断面内における流速の差が小さくなる。
しかも、下部領域21Bを通過する混合液体の流速を抑えることによって、上流側整流部材21の下部領域21Bを通過しやすい沈降液体を比較的多く上部領域21Aに通過させることができる。すると、上流側整流部材21を通過した混合液体が下流側整流部材22まで流れる間に、上部領域21Aを通過した沈降液体がある程度沈降するので、上流側整流部材21と下流側整流部材22との間で、混合液体中の低比重液体と沈降液体の混合が進み、液体通路10hの断面内における混合液体の混合割合の差も小さくなる。
そして、上流側整流部材21を通過後の混合流体は、均一な貫通孔22hが形成された下流側整流部材22を通過することによって、液体通路10hの断面内における流速がさらに均一化される。
下流側整流部材22を通過した混合液体、つまり、液体通路10hの断面内における流速および混合割合の差が小さくなった混合流体は、沈降部材23が設けられている領域を通過する。このとき、沈降部材23の貫通孔23h内をその前端から後端に向かって流れる間に、混合液体中の沈降液体は沈降して、貫通孔23hの内底面に接触し付着するので、混合液体から分離される。つまり、貫通孔23hの内において、沈降液体と低比重液体とが分離される。
かかる沈降液体と低比重液体の分離は、混合液体が貫通孔23h内を通過している間に進行し、混合液体が貫通孔23hの後端に向かって流れていくにつれ、低比重液体に分散している沈降液体の割合が徐々に減少していく。すると、貫通孔23hの後端から排出されるときには、低比重液体に分散している沈降液体の割合が低い状態となり、混合液体は、低比重液体と沈降液体にほぼ完全に分離される。
そして、低比重液体が分離プレート10dに到達すると、低比重液体は連通通路10fを通って低比重液体排出空間内に流入し、低比重液体排出通路11bから排出される。
一方、沈降した沈降液体は、液体通路10hの底部に沈降して溜まり、沈降液体排出通路11aを通して外部に排出される。そして、溜まっている沈降液体を沈降液体排出通路11aから排出する際に、沈降液体が所定の量以上溜まっていれば、低比重液体が沈降液体と再混合したり、低比重液体が沈降液体とともに沈降液体排出通路11aから流出したりすることを防止することができる。
以上のごとく、本実施形態の分離器1によれば、混合液体中の低比重液体と沈降液体とを効果的に分離して、低比重液体および沈降液体を分離して回収することができる。
(整流部材の他の例)
なお、上記例では、2つの整流部材21,22を設けた場合を説明したが、上流側整流部材21だけでも沈降部材23における液体分離を十分に行うことができる程度に混合液体の流れを調整することができるのであれば、下流側整流部材22は必ずしも設けなくてもよい。
(沈降部材23の他の例)
なお、上記例では、沈降部材23が複数の貫通孔23hを有する場合を説明したが、沈降部材は、沈降部材の位置を通過する間に混合液体を低比重液体と沈降液体に分離できる構造を有していればよく、上記構造に限定されない。つまり、沈降部材の位置を通過するときに、混合液体の流速をある程度遅くすることができ、しかも、沈降液体の沈降距離を短くできる構造であればよい。
例えば、沈降部材として、複数の板状部材を間隔が開いた状態となるように上下方向に沿って並べて、沈降部材としてもよい。
つぎに、比重の異なる2種類の液体を混合した混合液体を沈降型液液分離器によって分離する場合における液体通路内の混合液体の流れおよび混合液体中の水体積率を数値シミュレーションした。
数値シミュレーションは、図1の構造を有する本発明の沈降型液液分離器(実施例)、図3の構造を有する沈降型液液分離器(比較例)について実施した。
計算は、ANSYS CFXにより行った。計算条件は以下のとおりである。
(1)混合液体
混合液体:油(密度900kg/m3、粘度1.5cP)と水(密度970kg/m3、粘度0.4cP)の混合液体
混合液体の流量:70m/h
流量比率: 水:油=1:2
水の粒子径:180μm
(2)本体部
胴部長さ(鏡板部分を含む):7600mm
前側鏡板内面から分離プレートまでの長さ:6300mm
内径:1800mm
分離プレートの高さ:1550mm
流入通路径:300mm
なお、側面開口(実施例のみ)は、流入通路の側面において、軸方向長さ200mm、半径方向(図1の左右方向)の長さ100mmの部分を除去して形成されている。
(3)整流部材
(i)実施例
上流側整流部材:上部領域の開口率30%、下部領域の開口率10%
上部領域と下部領域の面積比: 上部領域:下部領域=1:5
下流側整流部材:開口率30%
(ii)比較例
整流部材:開口率30%
なお、計算では、整流部材として、図2および図3に示すような多孔板を設置するのではなく、上記開口率に対応する圧力損失を有する物体を設置して計算した。
(4)沈降部材
(i)実施例
貫通孔断面形状:80mm×80mm
長さ:3000mm
(ii)比較例
長さ:3000mm
沈降部材間距離:400mm
図4および図5に数値シミュレーションの結果を示す。
なお、図4(B)および図5(B)では、色が濃い領域が水体積率の大きい領域を示している。
図4(A)に示すように、比較例では、整流部材121の貫通孔121hの大きさが全て同じであるので、整流部材121の下流側では、胴部111の内面近傍から胴部111の中央に向かう循環流が生じていることが確認できる。この循環流の影響により、胴部111の中心近傍に位置する部分と周辺部とでは、沈降部材123の間を流れる液体の流速に差が生じている。
一方、図5(A)に示すように、実施例では、下流側整流部材22の下流側に循環流は発生していない。また、水が下方に沈降しながら流れるため、下流側整流部材22の下流側では、下部の流速がその他の部分に比べて速くなっているものの、下部以外の部分では、流速がほぼ同じで非常に遅くなっている。そして、沈降部材23内を通過するときにも、貫通孔23h間で通過する混合流体の流速の差は小さくなっている。
以上のごとく、実施例の分離器では、沈降部材23内を流れる混合液体の流速を、断面内でほぼ均一にすることができていることが確認できる。
また、図4(B)に示すように、比較例の分離器では、整流部材121の下流側では、水体積率が0.25から0.05まで緩やかにしており、水体積率が胴部111の下部から上部にかけて徐々に変化していることが確認できる。つまり、整流部材121の下流側では、胴部111内における水体積率の位置による差が大きくなっている。
一方、図5(B)に示すように、実施例の分離器では、下流側整流部材22の下流側では、水体積率が0.25から0.05に狭い範囲で変化している。つまり、下流側整流部材22の下流側では、胴部11内における水体積率は、水が蓄積している部分の近傍を除けば、比較例の分離器に比べて、胴部11の断面内において位置による差が小さくなっていることが確認できる。
以上のごとく、実施例の分離器では、胴部11の断面内において、沈降部材23に供給される混合液体の混合割合の位置による差を小さくできていることが確認できる。
そして、実施例の分離器と比較例の分離器の水回収率を比較すると、比較例の分離器では約0.86であるのに対し、実施例の分離器では約0.96となっている。つまり、実施例の分離器を採用することによって、大幅に水回収率を改善できること、言い換えれば、油と水を効率よく分離できることが確認できた。
本発明の沈降型液液分離器は、化学プラントや処理装置等における混合液体の分離に適しており、とくに、連続して分離処理を行う設備における分離器として適している。
1 沈降型液液分離器
10 本体部
10h 液体通路
11 胴部
11a 低比重液体排出通路
11b 沈降液体排出通路
14 流入通路
21 上流側整流部材
22 下流側整流部材
23 沈降部材
23h 貫通孔
LF 衝突部

Claims (3)

  1. 比重の異なる液体が界面を形成して混合した混合液体を各液体に分離する装置であって、
    内部に液体通路を有する中空な筒状の胴部と、該胴部の前端に設けられ該胴部の液体通路に対し混合液体を供給する流入通路と、前記胴部の後端に設けられ分離された液体を該胴部から排出する排出通路と、を備えた本体部と、
    該本体部内において、前記混合液体における比重の大きい液体を沈降させる沈降部材と、
    前記本体部内において、該沈降部材と前記流入通路との間に設けられた整流部材とからなり、
    前記本体部は、
    前記沈降部材との間に前記整流部材を挟むように、前記胴部の液体通路の軸方向と交差する反射面を備えた反射部材が設けられており、
    前記流入通路は、
    前記反射部材と前記整流部材との間に配設されており、
    前記混合液体を前記胴部の液体通路内に供給する供給口が、前記反射部材に向けて前記混合液体を供給するように形成されている
    ことを特徴とする沈降型液液分離器。
  2. 前記反射部材は、
    前記胴部の軸方向の端部に設けられた鏡板である
    ことを特徴とする請求項1記載の沈降型液液分離器。
  3. 前記流入通路の供給口は、
    前記胴部の液体通路内において、該液体通路内に沈降している前記比重の大きい液体の自由表面が形成されている位置に配設されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の沈降型液液分離器。
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