JP2012168986A - 選択されたコンテンツアイテムをユーザーに提供する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】選択されたコンテンツアイテムをユーザーに提供する方法を開示する。
【解決手段】コンテンツアイテムの選択は、コンテンツアイテムに予め割り当てられたメタデータ(一般には作成されたコンテンツメタデータ)、及び後で生成され関連付けられたメタデータ(導出されたコンテンツメタデータという)に基づいて行われる。加えて、コンテンツアイテムの選択は、コンテキストメタデータ、特に導出されたコンテキストメタデータに基づいて行なうこともできる。導出されたメタデータは、例えばコンテンツアイテム、作成されたコンテンツメタデータ及びコンテキストメタデータの内容に適用されるアルゴリズムに対応した導出規則に基づいて自動的に生成される。選択の質を改善するためにユーザープロフィールを使用できる。よって、機械学習技術に基づいてユーザープロフィールを構築し維持する方法も開示する。
【選択図】図1

Description

本発明は選択されたコンテンツアイテムをユーザーに提供する方法に関する。本発明は、データ網(例えばインターネット)又は電話網(例えばUMTSネットワーク)などの電気通信手段を介して提供される最新のコンテンツ・ベースのサービスに対して使用される。
本発明は、コンテンツのフィルタリング、情報検索、サービスのパーソナル化及びユーザープロファイリングの分野に関係する。
本発明は、豊富なマルチメディアコンテンツアイテム、すなわち様々なメデイアコンテンツ構成要素(テキスト,画像,音声,映像,・・・)を含んだコンテンツアイテムに適用されるとき特に有効である。
毎日、世界中で多くの情報が発せられ、様々な情報メデイア、例えば新聞、テレビ、インターネットを通じて人々に知らされる。その情報の量は急激に増大している。
残念ながら、現在利用できる情報源から供給される多量の情報は、しばしば個人には圧倒的に多すぎる場合もあり、その人の興味を引くアイテムについて情報を調べることができなくなるか、又は興味を失ってしまうかもしれない。したがって、必要なのは、ユーザーが興味を引くであろう情報のみをユーザーに提供するサービス又は能力である。
長い間、「キーワード」に基づいてコンテンツアイテムをフィルタリングするのが一般的であった。キーワードはユーザーがソフトウエアアプリケーションに与える。ソフトウエアアプリケーションは、ユーザーのコンピュータに対しローカルであってもよいし、例えばインターネットを介してユーザーのコンピュータに接続されたリモートのコンピュータ上で実行してもよい。ソフトウエアアプリケーションは、ユーザーが指定したキーワードに関連した利用可能なすべてのコンテンツアイテムをユーザーに戻す。
キーワードは極めて一般的な種類のメタデータである。従来、「メタデータ」は「情報についての情報」として定義されていた。例として、「記事」の「タイトル」及び「摘要」は、情報自体である記事の内容についての情報を提供するので、メタデータである。
コンテンツ情報をフィルタリングするために更に洗練された方法が開発されてきた。これらの方法は、種々のコンテンツアイテムをインデックス化するためのメタデータ、特に「作成されたメタデータ(authored metadata)」(すなわちコンテンツアイテムの作者又は別の人によってコンテンツアイテムに関連付けられたメタデータ)を使用することに基づいている。
コンテンツアイテムを効果的にフィルタリングするためには、ユーザーについての知識、例えばユーザーの習慣及び/又はユーザーの好みについての知識がしばしば必要とされる。
メタデータ及びユーザープロフィールを用いて文書をフィルタリングすることについて興味ある概観が、Erika Saviaらによる論文,「Metadata Based Matching of Documents and User Profiles」,Proc.8th Finnish Artificial Intelligence Conference,Human and Artificial Information Processing,ページ61−69,1998に見いだせる。
国際特許出願WO02/41579から、マルチメディアデータを分類して送信する方法が知られている。マルチメディアデータがそれらの内容に関して分析され、対応するメタデータがメタデータ抽出モジュールによって抽出され、ユーザープロフィールが作成される。中央装置からマルチメディアデータを受信する前に、ユーザーはユーザープロフィールのユーザーデータの少なくとも一部を通信装置により設定し、且つ/又は修正する。マルチメディアデータはユーザープロフィールに基づきメタデータによって選択され、この選択されたマルチメディアデータから、ユーザー向けに最適化されたコンテンツ指向のマルチメディアデータが、リパッケージング・モジュールによって生成される。ユーザー向けに最適化された前記コンテンツ指向のマルチメディアデータが、中央装置のコンテンツモジュールのデータベースに記憶され、ユーザーに提供される。
この国際特許出願(第8頁第6〜14行)によると、コンテンツ・ベースのインデックス化技術(例えば米国特許第5,210,868号及び第5,414,644号に記載されたもの)に基づいてメタデータが検索される。
国際特許出願WO02/41579 米国特許第5,210,868号 米国特許第5,414,644号 Erika Saviaらによる論文,「Metadata Based Matching of Documents and User Profiles」,Proc.8th Finnish Artificial Intelligence Conference,Human and Artificial Information Processing,ページ61−69,1998
本発明はコンテンツアイテムをユーザーに提供する方法に関するものであり、特にユーザーの好みを考慮することにより選択されたコンテンツアイテムを提供することに関する。
本発明の背後にある基本的なアイデアは、自動的にメタデータを生成し、生成したこれらのメタデータを、提供すべきコンテンツアイテムを選択するために使用することにある。
出願人は、メタデータ、すなわち一般には作成されたメタデータ(以下単に「作成メタデータ」ともいう)の手動による生成は、非常に時間がかかる作業であり(ますます量が増大している公開情報に追いつくことはできなくなる)、また間違いやすく、一般にサービス指向ではないことに気付いた。したがって、膨大な量の公開情報をフィルタリングできるだけの正確さのレベルに達するのは実際上非常に難しい。
出願人は、正確なユーザープロフィールを有し、それらを構築でき、それらを自動的に更新し続けることが重要であると気付いた。
加えて、出願人は、コンテンツを提供するときの相互作用コンテキストが、ユーザープロフィールを構築又は更新するために有利に使用できることが分かった。
本発明の方法は、パーソナル化されたコンテンツをユーザーに配信するサービスを提供するサービスプロバイダーによって提供できる。上記の考察は、コンテンツアイテムがPULLモード及びPUSHモードの両方にて提供される場合にも当てはまる。
本発明によると、コンテンツ及び好ましくはコンテキストメタデータとが自動的に生成される。導出されたメタデータ(以下単に「導出メタデータ」ともいう)は、例えばコンテンツアイテム、作成されたコンテンツメタデータ及び生のコンテキストメタデータの内容に適用されるアルゴリズムに対応した導出規則に基づいて自動的に生成される。
上記の特徴は本発明の選択方法に柔軟性とパワーを与える。
明示的及び/又は暗示的なユーザーフィードバックに加えて、導出メタデータはユーザープロフィールを構築し維持するためにも有利に使用できる。このように、ユーザープロフィールは正確に構築され、長い間正確に維持し得る。好ましくは、ユーザープロフィールの構築及び維持(すなわち、更新)は機械学習技術を用いて実行される。
本発明はコンテンツアイテムを処理することに関係する第1の面を含む。コンテンツ処理は基本的にコンテンツアイテムの適切な選択に対応する。好ましい態様では、本発明はまたユーザープロフィールの処理に関係する第2の面にも係るものであり、このユーザープロフィールの処理は基本的にユーザープロフィールの適切な構築及び維持に対応する。
正確なコンテンツ選択はユーザープロフィールのマッチングに基づいて実行でき、すなわち、コンテンツアイテムがユーザープロフィールに対してマッチングされるので、上記2つの面は互いに関連している。ユーザープロフィールを構築し維持するために、選択されたコンテンツについてのユーザーのフィードバック(明示的及び/又は暗示的)が有利に使用される。
本発明の第1の面によると、コンテンツのリクエストをユーザーから受信すると、以下の段階が実行される。
− 上記リクエストから開始してクエリーを生成する段階;
− このクエリーに基づいて第1のセットのコンテンツアイテムを識別する段階;
− この第1のセットの各コンテンツアイテムに関連付け得る予め割り当てられたコンテンツメタデータ(一般には作成メタデータ)を識別する段階;
− 好ましくは、上記リクエストに関連付けられたコンテキスト情報を表す生のコンテキストメタデータを識別する段階、及び
− コンテンツアイテムに適用されかつ好ましくは前記コンテンツアイテムに関連付けられ予め割り当てられたコンテンツメタデータ(もしあれば)にも適用されるアルゴリズムに対応する導出規則に基づいて、各コンテンツアイテムについて導出メタデータを自動的に生成する段階。より好ましくは、アルゴリズムが生のコンテキストメタデータにも適用される。
好ましくは、導出メタデータの生成後、第1のセットのコンテンツアイテムをコンテンツアイテム貯蔵所に記憶する。より好ましくは、ユーザーのリクエスト後に生成され且つコンテンツアイテムに関連付けられた導出メタデータもまた、メタデータの導出プロセスを繰り返すことを避けるため、将来の使用のためにコンテンツアイテム貯蔵所に記憶する。
前記第1のセットの各コンテンツアイテムに関連付けられた導出メタデータが生成されたなら、第2のセットの選択されたコンテンツアイテムがユーザーに提供される。前記第2のセットは第1のセットのコンテンツアイテム中に含まれる。本発明の好ましい態様によると、第2のセットのコンテンツアイテムは以下の段階を実行することにより提供される。
− コンテンツメタデータ(導出されたもの及び予め割り当てられたもの)を各コンテンツアイテムについて識別する段階;
− 好ましくは、コンテキストメタデータ(導出されたもの及び生のもの)を各コンテンツアイテムについて識別する段階;
− リクエストを生成したユーザーのユーザープロフィールを識別する段階、
− 導出メタデータのうち少なくともいくつかのものに基づいて、ユーザープロフィールに対して前記第1のセットのコンテンツアイテムをマッチングさせ、このセットのコンテンツアイテムについてランキングを作成する段階;
− 前記ランキングに基づいて、第2のセットのコンテンツアイテムをユーザーに提供する段階、ただし、この第2のセットは前記ランキングに基づいて順序付けられた第1のセットに対応するか、又は(好ましくは)最高にランク付けされたコンテンツアイテムを含んだコンテンツアイテムのサブセットに対応する、
− 好ましくは、提供されたコンテンツアイテムについてのユーザーフィードバック(明示的及び/又は暗示的)を収集する段階。
ユーザーフィードバックが関連付けられた前記第2のセットに属する各コンテンツアイテムは、相互作用イベントに対応し、この相互作用イベントは好ましくは相互作用履歴貯蔵所にレコードとして記憶される。よって、本発明の好ましい態様によると、ユーザーのプロフィールを更新するために以下の段階が実行される。
− リクエストを生成しているユーザーに関して複数の相互作用履歴レコードを検索する段階。ここで、各レコードはコンテンツアイテムと、前記コンテンツアイテムに関連し一般にユーザー投票によって示される少なくともユーザーフィードバック(明示的及び/又は暗示的)とを含む。好ましくは、レコードはまた、ユーザーリクエスト、生のコンテキストメタデータ、及びコンテンツアイテムに関連したコンテンツメタデータ(導出されたもの及び予め割り当てられたもの)をも含む;
− このユーザーの予測モデルを構築するために機械学習アルゴリズムを選択する段階;
− 各レコード(すなわち、記憶された各相互作用イベント)を特徴ベクトルとしてコード化する段階。この特徴ベクトルは、選択された機械学習アルゴリズムと共に使用するのに適合した形式的表現である。前記特徴ベクトルは、特定のコンテンツアイテムに関連して導出されたメタデータ及び(場合によっては)予め割り当てられたメタデータに対応した複数の要素を含み、またユーザーフィードバックを含む。導出メタデータがレコード中に存在しない場合、第1のセットのコンテンツアイテムの全てと、一般にクエリーの後に選択されたコンテンツアイテムとを記憶しているコンテンツアイテム貯蔵所から、導出メタデータを検索できる;
− 選択された機械学習アルゴリズムを前記特徴ベクトルに適用することで(各ベクトルは相互作用イベントに対応している)、予測モデル(ユーザーモデル)を構築する段階;
− (さらに好ましくは)構築された予測モデルを確認する段階;及び
− 古い予測モデルを新しい予測モデルに代えることによって上記ユーザーのプロフィールを更新する段階。
したがって、本発明の好ましい面によると、第1のセットのコンテンツアイテム内でランキングを定めるためにユーザーフィードバックを考慮することによって、導出メタデータと好ましくは予め割り当てられたメタデータとに機械学習方法を適用して第2のセットのコンテンツアイテムが提供される。さらに好ましくは、コンテキストメタデータ(生のもの及び導出されたもの)は、機械学習方法が適用される特徴ベクトルにおいて独立した特徴として考えられる。導出コンテキストメタデータが相互作用履歴貯蔵所のレコード中に存在しない場合、生のコンテキストメタデータからのメタデータ導出は一般には計算上重くはないので、導出コンテキストメタデータを生のコンテキストメタデータから迅速に導出し得る。
添付図面と共に以下の説明を読めば本発明がより明らかになるであろう。
本発明の方法の一態様を実行するシステムのブロック図である 本発明によりコンテンツアイテムを処理する際の主な段階のフローチャートである。 本発明によりユーザープロフィールを処理する際の主な段階のフローチャートである。 コンテンツアイテムと関連のメタデータとを記憶するよう適合し、本発明に使用できるデータ構造を概略的に示す。
発明の詳細な説明
本発明の詳細な説明に入る前に、いくつかの用語の定義と説明を以下で行なう。
コンテンツ・ベースのサービス
本明細書において、コンテンツベースのサービスは、既存のコンテンツアイテムのセットを利用してサービスの加入者にとって価値のある情報コンテンツを構築するソフトウエアアプリケーションである。選択されたコンテンツを集めてユーザーに与える方法は、サービスアプリケーション論理部により定められる。
ユーザーはサービス・フロントエンドを介して2つのモード(PULL又はPUSH)にてコンテンツ・ベースのサービスと相互作用できる。コンテンツ・ベースのサービスは一方又は両方のモードを提供してもよい。PULLモードでは、ユーザーは、サービス・フロントエンドに直接アクセスし、場合によっては特定の入力を行うことによって相互作用を開始し、すぐに所望のコンテンツを得る。PUSHモードでは、ユーザーがコンテンツ・ベースのサービスに加入したとき(場合によってはその後)、ユーザーは、後でサービスコンテンツを生成し得る入力を行なうことができる。これらの入力に基づいて、このコンテンツが生成されると、サービス・フロントエンドにアクセスしてコンテンツを得るようユーザーに通知される。
コンテンツアイテム
この技術分野において、コンテンツアイテムはコンテンツ・ベースのサービスに対するユーザーコンテンツ相互作用の基本的な単位である。一般にコンテンツ・ベースのサービスは、サービス加入者、すなわちユーザーのリクエストに対する応答としてコンテンツアイテムを提供する。コンテンツアイテムは、サービスにより配信される1つの実体としてユーザーが認識するものである。しかしながら、コンテンツアイテムは1個以上のコンテンツ構成要素を含むこともできる。例えば、コンテンツアイテムがサッカーの試合の映像である場合、コンテンツアイテムはコンテンツ構成要素として試合の前後半(2つのコンテンツ構成要素)を含むことができる。
コンテンツアイテムの例は以下の通りである。
− 例えばオンデマンド式のメデイア配信環境からの映画又はTV番組;
− 例えばオンライン・ニュースリーダーからのニュース記事;
− 例えばウェブ検索エンジンからの1つのウェブURL結果;
− 例えばコンテンツ共有ネットワーク環境からの歌;
− 例えばオンライン・メデイア・カタログからの写真;
− 例えばインターネットナビゲーションからのウェブページ;
− 例えば電子商取引カタログからの製品ページ。
一般に、コンテンツアイテムは、1個以上のコンテンツ構成要素を含んだ構造化されたオブジェクトである。
各コンテンツ構成要素はマルチメディア要素であり、例えばテキスト、画像、音声、映像、3次元モデル、ベクトル・グラフィックス、グラフィカル・レイアウトとし得る。
テキスト構成要素の例としては、オンライン新聞記事のテキスト、ニュース記事のテキスト部分、ウェブページに含まれるテキスト、電子商取引カタログ中の製品についてのテキスト説明が挙げられる。画像構成要素の例としては、ウェブページ中に含まれる写真や図、ニュースページ中に含まれる写真、オンライン・メデイア・カタログ中に含まれる写真が挙げられる。音声構成要素の例としては、オンデマンド式メデイア配信環境下で歌を含んだ音声ファイル、コンテンツ共有環境下で歌を含んだ音声ファイル、映画の中の音声トラック、ニュース記事の音声トラックが挙げられる。映像構成要素の例としては、オンデマンド式メデイア配信環境下で映画又はTV番組を含んだファイル、コンテンツ共有環境下で映像を含んだファイル、ニュースページの映像部分が挙げられる。3次元モデル構成要素の例としては、オンライン電子商取引カタログ上に1個の家具を表す3Dモデルが挙げられる。ベクトル・グラフィックス構成要素の例としては、ウェブページ中のフラッシュ・アニメーション、SVG[スケーラブル・ベクトル・グラフィックス]文書が挙げられる。グラフィカル・レイアウトの例としては、ウェブページのグラフィカル・レイアウトが挙げられる。
マルチ構成要素のコンテンツアイテムの例としては、例えば1つのニュース記事に関してテキスト構成要素(すなわちニュース記事を説明する簡単なテキスト)、音声映像構成要素(すなわちニュース記事を説明し見せる音声映像系列)、及び音声構成要素(すなわちニュース記事を説明する音声系列)から成るニュースアイテムが挙げられる。
コンテンツメタデータ
従来、「メタデータ」は単に「情報についての情報」として定義されていた。
具体的には(W3[“www”]コンソーシアムによると)、一般にコンテンツメタデータは、所与のコンテンツアイテムを記述し且つ機械(例えばコンピュータ)により自動的に処理し得るデータ構造から成る。
コンテンツメタデータは、コンテンツアイテムに属する各コンテンツ構成要素、又はコンテンツアイテム全体を記述できる。
コンテンツプロバイダーにより利用可能にされたコンテンツアイテムは、しばしば、識別インデックス(例えば、主題,分野,・・・)などのメタデータを備える。コンテンツアイテムがコンテンツ・ベースのサービスに利用可能なときコンテンツアイテムに関連付けられたメタデータを、予め割り当てられたメタデータと称する。予め割り当てられたメタデータは、一般に「作成されたメタデータ(authored metadata)」(単に作成メタデータともいう)であり、これは、一般にコンテンツプロバイダー組織内でコンテンツアイテムの作者又は別の人によりコンテンツアイテムに関連付けられたコンテンツメタデータの一種である。一般に、作成メタデータは、注釈付けプロセスによって各コンテンツアイテムに手動で割り当てられる。
テキストメタデータ、キーワードメタデータ、カテゴリーメタデータ(限定された値のセットのうちの一つの値を有するカテゴリーラベル)、数値メタデータなど様々な種類のメタデータがある。メタデータは、例えば前の種類の構成から導出された更に複雑な構造を有することができ(構造化されたメタデータ)、又は例えばRDF[資源記述フレームワーク]に従って意味ネットワーク(意味ネットワークメタデータ)に対応する更に複雑な構造を有することができる。
テキストメタデータの例としては、ウェブページ中のピクチャーに関連したテキスト記述(複数の作成メタデータがページの各写真の内容に関して提供され得る)、ウェブページの内容のテキスト要約(作成メタデータが全体としてウェブページに関係する)、歌アイテムに関連した歌の歌詞が挙げられる。キーワードメタデータの例としては、ニュースアイテムによりカバーされたトピックスを記述するキーワードのリスト、映画アイテムの特徴に関連したキーワードのリスト(MDB[インターネット映画データベース]と同様)、写真アイテム中に描かれた場面及び対象の主な特徴を記述するキーワードのリストが挙げられる。カテゴリーメタデータの例としては、ニュースアイテムのニュースカテゴリーを示す「カテゴリー」ラベル(予め定められたニュースカテゴリーのセット内で)、歌アイテムの歌の音楽ジャンルを示す「ジャンル」ラベル(予め定められた音楽ジャンルのセット内で)、映画アイテムが「白黒」か「カラー」かを示す「色」ラベルが挙げられる。数値メタデータの例としては、映画アイテムの製作年に対応した整数、映画アイテムの所要時間(例えば分で)に対応した整数、電子商取引カタログ中の製品アイテムの購入価格に対応した通貨数が挙げられる。
構造化されたメタデータを例えば映画アイテムに適用することもできる。実際、映画は、年齢、映画中での役、性別などを含んだ俳優名のリストとして表し得るキャストを有する。構造化されたメタデータ表現の代表例が、MPEG−7記述標準により与えられている。
コンテキストメタデータ
相互作用コンテキスト(簡単に「コンテキスト」という)は、コンテンツ・ベースのサービスではユーザーコンテンツ相互作用の重要な要素である。実際、あらゆるユーザーコンテンツ相互作用はコンテキスト内で行われ、コンテキストはしばしばユーザーの好みに影響を与えて、所与のコンテキストにおいてはアイテムを興味深いものにしたり、別のコンテキストにおいては興味の無いものにする。
相互作用コンテキスト情報もまた、1個以上のメタデータ(コンテキストメタデータという)に関連付けることができる。
相互作用コンテキストは様々な面から形成される。一般に、最も重要な面は、「日時」(相互作用が行われた時)、「ユーザー位置」(相互作用が行われた場所)、「相互作用装置」(相互作用のためにユーザーにより使用されたもの)、「コンテンツチャンネル」(これを介して相互作用が行われる)、「環境状態」(相互作用中での)、「物理的世界の状態」(相互作用中での)、「ユーザー状態」(相互作用中での)である。
「ユーザー位置」はいくつかの方法にていくつかの形式(例えばGPSシステム又は携帯電話網から得られる空間的座標、例えば短距離無線ビーコン・システムにより与えられる論理的座標)で提供することができ、ユーザーが位置している場所のメタデータ記述を送信できる。
「相互作用装置」の特徴としては、例えばその移動性(すなわち移動可能な装置か又は固定装置)、グラフィック能力(例えばサイズ、解像度、表示器の色の数)、サウンド能力(例えば音声チャンネルの数)、そのブランド及び型が挙げられる。
オンデマンド式メデイア配信環境のような特定の環境においては、各相互作用は、TVチャンネル又は映画プロバイダーなどの「コンテンツチャンネル」を選択することを伴う。
「環境状態」は、例えば相互作用装置における環境オプションの設定から導出することもできる。例えば、携帯電話機を「会議」、「仕事」又は「ホーム」モードに設定するか、又はその動作を「呼出し音」又は「サイレント」モードに設定することができる。
「物理的世界の状態」に関する情報は、例えば温度、照明状態、湿度、圧力、風速を検出するセンサーによって提供できる。
「ユーザー状態」に関する情報は、例えばユーザーの体の加速度を検出するか(ユーザーが立ったままであるか、歩いているか、走っているか、手を動かしているかを判断するために)、又は心拍数、血圧、皮膚の導電率などのユーザーの生理学的パラメータのいくつかを検出する(ユーザーのストレス/リラックス状態を判断するために)センサーによって提供できる。
1個以上の物理的装置から直接導出されたコンテキストメタデータを、以下では「生のコンテキストメタデータ」という。物理的装置は例えばタイマー、センサー、スイッチ(ハードウェア又はソフトウエア)とし得る。しばしば、これらの装置はユーザーインタフェースを含めて端末装置(例えば携帯電話、パーソナルコンピュータなど)中に統合される。
メタデータ表現
すべての種類のメタデータに簡単にアクセスして取り扱うために、同じ形式でかつ容易に拡張可能なフォーマットを使用するのが有利である。
MPEG−7記述標準が本発明に特に適することが分かった。本明細書において後に説明する態様では、この標準が、すべてのメタデータ(作成されたものと導出されたものの両方)に対してフォーマットとして使用された。特に、コンテンツアイテムのメタデータは0個以上の「関連資料」ブロックのリストとして編成される(図4参照)。各関連資料は、同種の情報ブロックを記述し、この情報ブロックは実際のコンテンツ要素を参照できるか、又はメタデータを表すXML[拡張マークアップ言語]ブロックを参照できる。常に関連添付ブロックが参照され、この関連添付ブロックが、実際のコンテンツ(又はメタデータ)を保持するか、又はコンテンツ(又はメタデータ)を見いだし得るURL[ユニフォーム・リソース・ロケーター]を提供する。この構成は、コンテンツ構成要素とメタデータとの両方に対する集中アクセスポイントを提供しつつ、異なる記憶戦略に対応できる。各関連資料に含まれる情報に加えて、コンテンツメタデータはまた、公開されたあらゆるコンテンツが所有する一般的な情報群(作成日など)、又はサービスアプリケーション論理部が必要とする他の情報(コンテンツが利用できると考えられるか否かを示す存続ステータスフラグなど)を保持することもできる。
次に示すのものは、MPEG−7標準によりコード化された「関連資料」であり、構成要素のいくつかの共通の特徴を示している。
Figure 2012168986
上記の「関連資料」は、実際のメデイアの生データ、具体的には画像についてMPEG−7標準によりコード化された下記の「関連添付」を参照する。
Figure 2012168986
同じアプローチが導出メタデータを導入するために使用できる。すなわち、新しい「関連資料」がリストに加えられ、必要なら、新しい「関連添付」を参照してこの「関連添付」スキーマに適合していないメタデータXMLブロックに対応できる。
ここに記載したメタデータ表現は好ましくはあるが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。
導出メタデータ
予め割り当てられたメタデータ及び生のコンテキストメタデータ以外のメタデータが本発明により提供され、「導出メタデータ」と称される。というのは、このメタデータは相互作用イベントにおいて又は相互作用イベントの結果としてコンテンツ情報及び/又はコンテキスト情報(すなわち、生のコンテキストメタデータ)から導出したものだからである。
特に、導出コンテンツメタデータは、コンテンツアイテムから直接的に(すなわちコンテンツアイテムの内容から)導出するか、又はコンテンツアイテムから間接的に(例えばコンテンツアイテムに関連付けられ作成されたコンテンツメタデータから)導出し得る。コンテンツアイテムが公開され、ソフトウエアプログラムによって後に生成される場合には、導出コンテンツメタデータは直接的に利用できない。
同様に、導出コンテキストメタデータは、コンテキストアイテムから直接的に(すなわち相互作用イベントのコンテキストから)導出するか、又はコンテキストアイテムから間接的に(すなわちコンテキストアイテムに関連付けられた生のコンテキストメタデータから)導出し得る。相互作用イベントのコンテキストが検出され、ソフトウエアプログラムによって後に生成される場合には、導出コンテキストメタデータは直接的に利用できない。
導出メタデータは、コンテンツ及びコンテキストについて更に完全で有効な情報を提供できる。
導出メタデータは、ソフトウエアプログラムによって自動的に処理されるのに特に適する。
以下では、メタデータ導出の幾つかの例について述べる。
テキストアイテムのコンテンツ(すなわちテキスト自体)から導出されるメタデータの例としては、各単語の出現回数と共にテキスト中に現れる単語のリスト(テキストの「バッグ・オブ・ワーズ(bag-of-words)」表現という)が挙げられる。このメタデータは、テキストの全体の語彙構成についての情報を与える。
テキストアイテムのコンテンツ(すなわちテキスト自体)から導出されるメタデータの他の例としては、テキスト・メトリクス、すなわちテキストについて計算した数値パラメータ、例えば、テキストの全体の長さ、テキストに属する文章又は段落の平均長さ、構文構造の平均ネスティング深さ、ガニングのフォッグ・インデックス(Gunning's Fog index)(例えば英語のテキストの場合)、及びガルピーズ・インデックス(Gulpease index)(例えばイタリア語のテキストの場合)などが挙げられる。
画像アイテムのコンテンツ(すなわち画像自体)から導出されるメタデータとしては、例えば以下のものが挙げられる。
− 輝度ヒストグラム。これは、デジタル画像のピクセル全体に対する光度の分布であり、画像の明るさ及びコントラストについての情報を与える。
− 色ヒストグラム。これは、デジタル画像のピクセル全体に対する原色成分(赤、緑、青)の分布であり、画像の色構成についての情報を与える。
− 画像の空間周波数成分。これは例えば二次元フーリエ変換により計算され、画像中のパターン及びテクスチャーの存在についての情報を与える。
− 幾何学的カテゴリーメタデータ。これは例えば幾何学的ハッシュ技術により生成され、画像中における直線、円弧、楕円、多角形などの形状の存在についての情報を与える。
− パターンカテゴリーメタデータ。これは例えばパターン認識アルゴリズムにより生成され、画像中における人の顔、動物、植物、風景、建物、旗、技術的な図面、絵、マンガなどのような固有の特徴の存在についての情報を与える。
− テキストメタデータ。これは例えば光学式文字認識技術により生成され、画像中に現れる文字、数及び単語についての情報を与える。
サウンドアイテムのコンテンツから(すなわちサウンド自体から)導出されるメタデータとしては、例えば以下のものが挙げられる。
− 音声周波数スペクトル成分。これは例えば高速フーリエ変換により計算され、サウンドの性質及び構成についての情報を与える。
− 音声波形。これはサウンド動力学についての情報を与える。
− パターンカテゴリーメタデータ。これは例えばパターン認識アルゴリズムにより生成され、音声トラック中における特定の特徴(例えば音楽、スピーチ、拍手、爆発の特定部分)の存在についての情報をあたえる。
− テキストメタデータ。これは例えば音声認識技術により生成され、発せられた単語又は文章を音声トラックから抽出する。
メタデータは、特定の分析及びアルゴリズムを用いることにより映像アイテムのコンテンツから(すなわち映像自体から)導出することができる。
場面分割分析技術により映像の時間構造についての情報を得ることができる。例えば、この種の分析により、映画が所定の数の場面から構成され、その比率は激しい動きの挙動により特徴付けられ、別の比率は音の大きな音楽の存在により特徴付けられることが分かる。
移動物体認識アルゴリズムが、映像中における特定の動きに特徴のある特定の物体(歩いている人、話している又は歌っている人、走っている車、落下している物体、開いているドアなど)の存在についての情報を与えることができる。
映像が一連の静止画像として分解されるならば、一連の画像について得られたメタデータを平均化する方法が存在する場合には、静止画像に用いられるメタデータ抽出技術のいくつかが映像に対しても適用できる。
3Dモデルから導出されるメタデータとしては、例えば以下のものが挙げられる。
− 総面積、全容積、凸性、フラクタル次元;
− パターンカテゴリーメタデータ。これは例えばパターン認識アルゴリズムにより生成され、特定の3D形状(箱形状、管形状、車輪形状、ワイヤ形状、人型形状、物体形状など)の存在についての情報を与える。
上述したように、一般に、他の任意のメタデータからメタデータを導出することができる。
例えば、数値メタデータから開始して、数値を分類できる打切り技術によって記号範囲を生成でき、これは更にコンパクトで意味論的な数値表現を与える方法である。
存在論を用いてメタデータを導出することもできる。存在論は機械読取り可能な表現を用いた概念化の形式化である。分類学とメタデータ間の関係とを組み合わせるのに存在論を用いることができる。このことにより、より高次の意味論的なカテゴリー及び概念の上にユーザー好みモデルを構築できる。
存在論についての情報は、例えばW3コンソーシアムのウェブサイト(現在のアドレスは「http://www.w3.org」)及び著書「WordNet:An Electronic Lexical Database」,Christiane Fellbaum編,MIT Press,1998年5月に見いだすことができる。
存在論により導出されるメタデータに関する2つの例を以下に示す。
時間についての単純な存在論は、時間値を「昼間」と「夜間」に分類することである。日付についての単純な存在論は、日付値を「勤務日」と「週末」に分類することである。時間値メタデータと日付値メタデータはユーザー好みモデルの構築に際して重要ではない。「昼間/夜間」及び「勤務日/週末」メタデータは更に十分効果的にし得る。例えば、ユーザー好みモデルが、ユーザーは特定のカテゴリーに関連したコンテンツアイテムとの相互作用を週末の夜間に楽しみ、勤務日には昼間でも夜間でもそれを好まないことを示し得る。
存在論はカテゴリーメタデータを生成するのに特に適する。例えば、各々がニュース記事を含んだ3つのテキストアイテムA、B及びCを考える。記事Aは人の肺のコンピュータモデルについて述べてあり、(とりわけ)メタデータ単語「コンピュータ」及び「喘息」を含む。記事Bはロボット支援手術について述べてあり、メタデータ単語「ソフトウエア」及び「外科医」を含む。記事Cはインターネットについて述べてあり、メタデータ単語「ウェブサイト」を含む。メタデータ単語を語彙存在論と組み合わせると、例えば、両方の記事のメタデータに追加し得る摘要カテゴリー「医学」によって記事A及びBを増強させることができる。同様に、摘要カテゴリー「コンピュータ科学」及び「技術」によって3つすべての記事A、B及びCのメタデータを増強させることができる。したがって、これらの記事についてのユーザーの興味は、単一の単語よりもむしろ摘要カテゴリーに関連付けることができる。
メタデータの導出
本発明の重要な面はメタデータの生成(すなわち導出)である。これは導出規則に基づいて行われる。
導出規則はコンテンツアイテム及び/又はコンテキスト情報及び/又はメタデータに適用されるアルゴリズムに対応し、導出規則が適用されるデータは一般にソースと称される。
導出規則は、適用されるアルゴリズムを実行するプラグイン・モジュール及び処理されるソースを参照することによって当該アルゴリズムを規定する。
特に、以下の種類のソースを提供できる。
・コンテンツ構成要素;
・作成されたコンテンツメタデータ;
・生のコンテキストメタデータ;
・導出メタデータ(すなわち他の導出規則から得られたもの);
・拡張された分析。
導出規則は、例えば上記要素(すなわち、必要とされるパラメータ及び使用される入力ソースのみならず、使用されるアルゴリズムを実行するモジュール)を特定するXML[拡張マークアップ言語]文書によって記述し得る。
導出規則の例をいくつか以下に示す。
第1のセットの例は、ニュース・ブラウザ・アプリケーションに関係する。このアプリケーションでは、コンテンツアイテムはニュース記事である。各コンテンツアイテムは2つのコンテンツ構成要素(すなわち、ニュース記事のタイトルと本文(両方ともテキスト形式))を含む。各コンテンツアイテムの内容は、作成されたメタデータとしての記事の日付、カテゴリー、ソース及び著者名に関連付けられ、具体的にはこのメタデータはコンテンツアイテム中に含まれる。
第1のメタデータ導出規則は次のように定義される。
Figure 2012168986
この規則は、「BagOfWords」と名付けられたプラグインモジュールにより与えられるアルゴリズムを実行することにより、ニュース記事の本文を構成するテキストのデータを入力(Source)として取得し、その「バッグ・オブ・ワーズ」表現(すなわち各単語の出現回数と共に本文中に現れる単語のリスト)を出力(Destination)として生成することを指示する。
第2のメタデータ導出規則は次のように定義される。
Figure 2012168986
この規則は、「WordOntoogy」と名付けられたプラグインモジュールにより与えられるアルゴリズムを実行することにより、ニュース記事の本文を構成するテキストのデータを入力として取得し、コンセプト単語の関連セットを出力として生成することを指示する。
この規則は以下の段階を実行する。
・「バッグ・オブ・ワーズ」をソーステキストから生成する段階
・得られた「バッグ・オブ・ワーズ」の各単語を「LexicalOntology1」語彙存在論に対してマッチングを行なう段階。各マッチング単語について、以下のものを抽出する。
− 当該単語に関連しレベルが2つ上の上位語(hypernyms=2)。LexicalOntology1のような語彙存在論はツリーとして編成される。ツリーのリーフからルートに向かって移動することは、特定の意味の単語からより抽象的な概念を表す単語に向かって移動することを意味する。所与の単語について、ツリーにおいてその単語より上に位置する単語を「上位語」と称する(例えば「医者」−「人」−「生物」;「医者」−「専門家」−「労働者」)。実際には、存在論において単なるツリー以上のものが存在し得る。
− 当該単語に関連付けられた最高位の意味論的なカテゴリー(topsemanticlevel=“true”)(例えば単語「医者」は最高位の意味論的なカテゴリー「医学」に属する)。
・抽出されたコンセプト(上位語及び最高位の意味論的なカテゴリー)の出現を計数し、3回以上出現したコンセプトのみを保持する段階(minoccur=3)。この段階は、得られたコンセプトの数を制限して、最も関連したものだけを保持するために行われる。
全体の結果は、ニュース記事のテキスト本文の意味論的な表現であり、語彙存在論からのコンセプト単語のセットの形式をとり、各々はその出現回数を有する。
次の第3及び第4の導出規則はそれぞれ上記の第1及び第2の導出規則に類似しているが、それらのソースは本文の代わりにニュースアイテムのタイトルである。しかしながら、「宛先タグ」において宣言されるように、タイトルから生成されるメタデータは本文から生成されるメタデータとは異なるメタデータのセットを形成することに留意されたい。
Figure 2012168986
次の規則は、プラグインモジュール「TextMetrics」により提供されるアルゴリズムを実行することにより、ニュースの本文の長さに対応する数値メタデータ(本文中の単語の総数として表される)を生成する。
Figure 2012168986
次の規則はニュース記事の本文中の平均文長に対応する数値メタデータを生成する。
Figure 2012168986
次の規則はニュース記事の本文について推定される読み易さを表す数値メタデータを生成する。
Figure 2012168986
次の3つの規則はニュース本文テキスト中における日付、数字(数、パーセント、価格)及び人名の出現回数に対応する3つの数値メタデータを生成する。
Figure 2012168986
例の第2のセットは音楽カタログのブラウザ・アプリケーションに関係する。このアプリケーションでは、アイテムは音楽作品である。各アイテムは1つのコンテンツ構成要素、すなわち(例えばmp3フォーマットで)音楽作品をコード化する音声ファイルを含む。各アイテムはまた、タイトル、日付、ジャンル、演奏者の名前及び音楽の作者の名前を作成メタデータとして含む。
第2のセットの4つのメタデータ導出規則が次のように定義される。
Figure 2012168986
上記の規則は4つの数値メタデータを生成し、それぞれが「ビート速度」(すなわち音楽作品のリズムの特徴についての定量的な尺度)、「ボーカル・インパクト」(すなわち音楽作品における楽器成分に対する人の声成分の重み)、「サウンド明るさ」(すなわちサウンドの明るさについての定量的な尺度)及び「音量ダイナミックス」(すなわちサウンドの音量の時間変化についての定量的な尺度)を表す。これは、音声ファイルにコード化された音声信号に適用されるスペクトル分析技術に基づき、「AdvancedSpectralAnalysis」と名付けられたプラグインモジュールにより提供されるアルゴリズムを実行することにより実行できる。
次の規則は、作品の年度から開始して音楽作品の十年間を表すテキストラベルメタデータを生成する。これは、「NumericalDiscretizer」と名付けられたプラグインモジュールにより提供される打切り技術(すなわち数値メタデータ(この場合はその年)の範囲を合成記述(十年間)に分解すること)により実行される。
Figure 2012168986
次の規則は、音楽の中心的な演奏者の人気の大まかな推定を表す数値メタデータを生成する。これは、中心的な演奏者の名前を「SearchEngineQuery」と名付けられたプラグインモジュールにより提供されるウェブ検索エンジンに掛け、その結果としてヒット(その名前を含んだウェブページ)の概数を取得することにより得られる。
Figure 2012168986
拡張された分析ソースを用いる導出規則
拡張された分析が、導出規則により利用できる特別な種類のソースを提供する。ドメインの構造を全体的に分析するために、この特別な種類のソースは、貯蔵所に含まれるアイテムのサブセット全体(すべてのアイテムであっても)についての分析手順の適用を指定する。別言すれば、拡張された分析を用いる導出規則は、1つのアイテム中に含まれる情報のみを用いてメタデータを抽出することに限定されず、アイテム自体のドメインの全体構造を考慮に入れた新しいメタデータを各アイテムについて生成できる。ドメインは、導出技術の適用のフィールド、すなわち、パーソナル化され選択されたコンテンツをユーザーに提供するフィールドである。
拡張された分析により特定される分析を実際に実行するアルゴリズムは、専用のソフトウエアモジュール又は汎用メタデータ生成モジュールにより実行できる。専用のモジュールが与えられる場合には、必要なときに汎用メタデータ生成モジュールにより呼び出される「プラグイン」モジュールとし得る。
次に示すものは、拡張された分析に基づいた導出規則であり、上述した音楽カタログアプリケーションに作用する。
Figure 2012168986
上記の導出規則において拡張された分析として指定された分析では、前の例で設定された導出規則の適用により得られた4つの導出数値メタデータを入力として取り込む。これら4つの数値は各音楽作品の4つの関連音声特徴を表す。
拡張された分析は、コンテンツ貯蔵所に含まれるすべてのアイテム(すなわち音楽作品)に対して「クラスター分析」を実行することを指示する。クラスター分析は、グループがアイテムのドメイン中の興味ある規則性を表す場合に同様の値により特徴付けられたアイテムのグループ(すなわちクラスター)を識別するのに用いられる公知の統計技術である。この音楽ドメインの場合、結果として得られるクラスターが、類似の音声態様、例えば同じ音楽ジャンルへの近さを有する音楽作品を分類し得る。
実際に分析を実行するアルゴリズムは、「NumericalClusterAnalysis」と名付けられたプラグインモジュールにより提供される。
特に、この例における拡張された分析が、適用されるクラスター分析方法(Wardの方法)、分析を適用すべきアイテムの範囲(貯蔵所中のすべてのアイテム)、及び抽出するクラスターの最大数(10個のクラスター)を指定する。
この分析は、導出規則が所与のアイテム(音楽作品)について、どのクラスターが当該アイテムに最も近いのかを示すメタデータを生成することを可能にする。この新しいメタデータが、クラスターにより表される「音楽ランドスケープ」中の音楽作品の位置を識別する。
機械学習方法
機械学習方法により、コンピュータシステムが特定のアプリケーションフィールド(すなわちドメイン)に属する1セットの事実のデータからの自動的な(すなわちソフトウエアプログラムによる)学習を実行できる。このようなデータセットが与えられると、機械学習方法がデータ自体からパターン及び関係を抽出できる。
学習されたパターン及び関係は機械学習方法によって形式的で定量的なモデルにコード化される。このモデルは、用いられる機械学習技術に依存して様々な形式をとり得る。モデルの形式の例としては、論理的な規則、数学的な式、及び数学的なグラフが挙げられる。
機械学習方法の目的は、データの表現としてモデルを得るためにデータ内のパターン及びデータ間の関係についてより良く理解し定量化することである。
たいていの機械学習方法は特徴ベクトル表現を用いる。提供されるコンテンツに関係したユーザー好みの予測モデルを構築するためにこれらの方法が適用される場合、各特徴ベクトルがコンテンツアイテムに関連付けられ、以下のものを含む。
− 独立特徴。各特徴が、当該コンテンツアイテムに関連付けられた導出又は予め割り当てられたメタデータに対応し、好ましくは生の又は導出されたコンテキストメタデータにも対応する。
− ターゲット特徴(1又は複数)。これは、提供されるコンテンツに関するフィードバック(明示的又は暗示的)としてユーザーにより与えられる点数により表される。例えば、フィードバックは1〜10の数値で表され、この場合、大きな値が肯定的なフィードバックに対応する。
次に、データセットの各インスタンスが特徴のベクトルとして表される。1つのターゲット特徴の場合、インスタンスを表すベクトルは「n+1」次元であり、次の形式をとる。
<特徴1,特徴2,・・・・,特徴n,ターゲット特徴>
特徴ベクトルモデルはドメインデータの形式的表現であり、たいていの機械学習方法に適する。
機械学習方法とその適用については多くの論考がTom Mitchell,「Machine Learning」,McGraw−Hill,1997に記載されている。
好ましくは、データセット(ユーザープロフィールの予測モデルを構築するために機械学習方法により処理される)は、コンテンツメタデータ(作成されたもの及び導出されたもの)と、好ましくはコンテキストメタデータ(生のもの及び導出されたもの)とを独立特徴として含む。ユーザーフィードバックはターゲット特徴である。機械学習方法の目的は、ユーザー好みを予測するモデル(ユーザーモデル又は予測モデルという)、すなわちメタデータとユーザーフィードバックとの間の関係を表す機械学習モデルを見つけることである。そして、このように得られた予測モデルは、新しいコンテンツアイテムが利用可能になったとき該新しいコンテンツアイテムに対するユーザーの評価を推定する(新しいメタデータを提供する)ために使用できる。
特徴ベクトルにより表されるデータセットのインスタンスは、ユーザーがコンテンツアイテムに対する好みを示す1つの相互作用イベントに対応し、次の形式をとる。
<コンテンツメタデータ1,・・・,コンテンツメタデータm,コンテキストメタデータ1,・・・,コンテキストメタデータp,ユーザー投票>
ここで、m+p=nである。
ユーザーが複数のコンテンツアイテムに対する好みを示すならば、複数の特徴ベクトルが生成され、これはマトリックス(n+1)×qにより形式的に表される(ここで、qは相互作用イベントの数である)。例えば、ユーザーが10個のコンテンツアイテムに対して好みを示したならば、マトリックス(n+1)×10が生成される。次に、選択された機械学習アルゴリズムがマトリックスに適用される。
ユーザー好みモデルを構築するために特別に設計された方法だけでなく、決定樹、関連付け規則、ニューラルネットワーク及びベイズ法を含めて、いくつかの周知の機械学習方法がこの目的に有効である。
ユーザープロフィールを構築する際の機械学習方法の使用例を、上述した音楽カタログアプリケーションに関して以下に説明する。
この単純な例では、コンテンツアイテム(音楽作品)が次の2つのメタデータにより表される。
− MusicGenre:音楽のジャンル(作成されたメタデータとして与えられる)、
− MusicBeatSpeed:音楽作品の1分当たりのビート(「MusicBeatSpeed」導出規則の適用により導出メタデータとして与えられる)。
相互作用コンテキストは次の(導出)コンテキストメタデータにより表される。
− 「Time」:2つの値「昼間」及び「夜間」のどちらかを有することができ、コンテンツアイテムに対するユーザーの相互作用が昼間に行われたのか夜間に行われたのかを示す(単純な一時的な存在論に基づいた導出規則の適用により導出メタデータとして与えられる)。
ユーザー好みは次の特徴により与えられる。
− 「UserVote」:2つの値「好き」及び「嫌い」のどちらかを有することができ、ユーザーが音楽作品に対して肯定的な点数を与えたのか否定的な点数を与えたのかを示す。
よって、上記ドメインの通常の機械学習表現に関し、音楽作品についての好みを示すユーザーの単一イベントは次のベクトル形式をとる。
<MusicGenre,MusicBeatSpeed,Time,UserVote>
例として、ユーザー/アイテムの相互作用のデータセットが次の通り与えられる。
Figure 2012168986
上記データセットに対して決定樹機械学習方法を適用すると、次の規則からなるユーザー好みモデルが生成される。
Time=「昼間」かつ」MusicBeatSpeed>=125ならば、UserVote=「好き」
Time=「夜間」かつ」MusicBeatSpeed<=75ならば、UserVote=「好き」
予測点数を生成するのに用いられる上記ユーザー好み規則は、導出メタデータを生成するのに用いられる導出規則ではないことに留意されたい。
ユーザー好み規則により表される上記の単純な予測モデルは、この特定のユーザーが昼間は非常に速い音楽(MusicBeatSpeed>=125)を好み、夜間はより静かな音楽(MusicBeatSpeed<=75)を好むことを示している。
このモデルは上記データセットの場合の大部分(13のうち12)に対して有効であるが、全部に対して有効ではないことに留意されたい。
実施態様の詳細な説明
以下、図1のブロック図(サービスアプリケーション)を特に参照して本発明の好ましい態様について詳細に説明する。図1では、2種類の記号が用いられており、四角形はソフトウエアモジュールを表し、円柱形状は貯蔵所を表す。
この実施態様は、コンテンツ・ベースのサービスをユーザーに提供するサービスプロバイダーを示す。このサービスはPULL型又はPUSH型又はその両方とし得る。
コンテンツ・ベースのサービスでは、選択されたコンテンツアイテムをユーザーに提供する。例えばコンテンツアイテムが位置しているか又はコンテンツアイテムにアクセスし得るアドレス(例えばインターネットアドレス)を提供することにより、コンテンツアイテムをサービスプロバイダーによってユーザーに直接的又は間接的に配信できる。一般にコンテンツアイテムは、パケットデータ網(例えば、インターネット)や携帯電話網(例えばUMTSネットワーク)などの通信網を介してコンテンツプロバイダーにより直接的に提供される。
コンテンツ・ベースのサービスでは、コンテンツアイテムのより良い選択を提供するためにユーザープロフィールが構築され維持される。
当該コンテンツ・ベースのサービスは次の2つの作業に分割できる。
− コンテンツアイテムの処理、
− ユーザープロフィールの処理。
コンテンツアイテムの処理
コンテンツアイテムを処理する作業は、次の操作からなる。
− ユーザーからリクエストを受信し、
− ユーザーのリクエストに基づいてコンテンツアイテムを選択し、
− 好ましくは、ユーザーのプレゼンテーション・プロフィールに基づいて、選択されたコンテンツアイテムをフォーマットしてユーザーに提示し(すなわち、サービスアプリケーション論理に基づいたコンテンツのプレゼンテーションのパーソナル化)、
− 選択されたコンテンツアイテムをユーザーに提供する。
PULLモードでは、ユーザーによるリクエストが受信されるやいなや、サービスプロバイダーがこのリクエストに基づいてコンテンツアイテムのセットを識別した後、コンテンツアイテムのこのセットに対して上記の段階を実行する。このことは、通常は特定の選択されたコンテンツアイテムが、ユーザーからのリクエストのすぐ後にユーザーへの応答として提供されることを意味する。
PUSHモードでは、サービスプロバイダーがユーザーからリクエストを受信し、即時応答なしでかつ一般には即時処理なしで該リクエストを記憶し、その後には2つの可能性が存在する。第1の可能性によると、周期的にサービスプロバイダーが新たに公表されたすべてのコンテンツアイテムを識別した後、新たに公表されたすべてのコンテンツアイテムに対して上記の段階を実行する。第2の可能性によると、1つのコンテンツアイテムが公表されるやいなや、サービスプロバイダーがそのコンテンツアイテムを識別し、それから新たに公表されたコンテンツアイテムに対して上記の段階を実行する。PUSHモードでは、コンテンツアイテムの提供は次の2つの段階で実行できる。すなわち、まず、サービスプロバイダーが、ユーザーが興味を持っている特定のコンテンツアイテムが利用可能なことをユーザーに単に通知し、次にユーザーがそれらのコンテンツアイテムを受信したい旨を示すやいなや、サービスプロバイダーがこれらのコンテンツアイテムを(直接的又は間接的に)送る。ただし、ユーザーはこれらのコンテンツアイテムの一部のみを受信したい旨を示すこともできる。
ユーザーによるあらゆる入力はサービス・フロントエンド・モジュール(SFEM)、例えばPC又は携帯端末により受信され、処理される。ユーザーによるリクエストは、提供されるコンテンツ・ベースのサービスに固有の論理を組み込んだサービス・アプリケーション・ロジック・モジュール(SALM)に送られる。加えて、モジュールSFEMはユーザーリクエストに関連付けられた生のコンテキストメタデータ(例えば日時、ユーザー位置など)をモジュールSALMに送る。
モジュールSALMはユーザーリクエストをモジュールSFEMから受信すると、対応するコンテンツクエリーを生成する(図2の段階201)。このコンテンツクエリー(ユーザーリクエストから導出)とそのサービス論理に基づいて、モジュールSALMはコンテンツアイテム貯蔵所CIR中の第1のセットのコンテンツアイテムを識別する(図2の段階202)。例えば、コンテンツクエリーに続いて、サービス・アプリケーション・ロジック部が、映画及びTVの連続番組に関係した第1のセットのコンテンツアイテムを貯蔵所CIR内で識別する。
貯蔵所CIRは、記憶されたコンテンツアイテムに予め割り当てられたコンテンツメタデータ(一般に作成メタデータ)のみならずコンテンツアイテムも記憶する。後に詳細に説明するように、貯蔵所CIRはまた、コンテンツアイテムに関連付けられた導出コンテンツメタデータ(例えば前のコンテンツクエリーにより引き起こされた前のメタデータの生成から得られる)も記憶できる。
前記第1のセットのコンテンツアイテムに適用されるユーザーフィードバックがあるとしても、例えば明示的な好み(「私は好む」又は「私は好まない」)などのようにサービスアプリケーションがユーザーに要求し得る入力の量は一般に制限されているので、有用性の心配が生じ得る。また、多くの場合、このような入力の正確な形式化は実行できない。
下手なフィルタリングを避けると共にユーザーに対する正確な内容を維持する最終目標のために、モジュールSALMは、ユーザープロフィールに基づいて前記第1のセットのコンテンツアイテムのランキングを作ることをマッチ・メーカー・モジュール(MMM)に要求する(図2の段階203)。モジュールSALMがモジュールMMMから受信したランキングは、モジュールSALMが低い点数のコンテンツアイテムを除いて最高点のコンテンツアイテムを選ぶと共に維持されたコンテンツアイテムを並べ換えるのに使用できる。これは公知の方法により行なうことができる。
したがって、モジュールSALMは、マッチ・メーカー・モジュールMMMの支援によりこの第1のセットのコンテンツアイテムをフィルタリングすることによって(図2の段階204)、識別された第1のセットのコンテンツアイテム内で第2のセットのコンテンツアイテムを選択する。後に説明するように、モジュールMMMはフィルタリング操作の重要な要素であり、ユーザーのプロフィール(すなわちユーザープロフィール)を考慮することを担当する。MMMによるフィルタリング操作により得られる第2のセットのコンテンツアイテムは第1のセットのコンテンツアイテムのサブセットであるのが好ましいが、第2のセットのコンテンツアイテムが第1のセットのコンテンツアイテムをすべて含むことは排除されない。ただし、コンテンツアイテムに関連付けられたランクに基づいてユーザーがアイテムを眺めることができるようにランキング好みに基づいて順序付けられる。
モジュールSALMは、サブセットのコンテンツアイテムをユーザーに提示するために該コンテンツアイテムは集め、変形し、フォーマットする(図2の段階205)。選択されたコンテンツアイテムを提示する代わりに、単にそれらをユーザーに通知することもできる。プレゼンテーション及び/又は通知はモジュールSFEMにより実行される。
本発明の好ましい態様によると、図1のアーキテクチャは次のものを含む。
− ユーザープロフィール貯蔵所(UPR)、
− メタデータ生成モジュール(MGM)。
モジュールMGMは導出メタデータ(コンテンツ及び/又はコンテキスト)を生成するために1セットの導出規則を提供する。導出規則は導出アルゴリズムに基づいている。図1の実施態様では、これらのアルゴリズムは、モジュールMGMの外部にあり、「プラグイン」技術により実現される導出アルゴリズムモジュール(DAM)によって提供される。このことにより、モジュールMGMによりコールされる又は呼び出されるアルゴリズムをリモートのみならずローカルでも記憶できる。
モジュールMMMは次のものを検索する。
− 現在のユーザーのユーザープロフィールを貯蔵所UPRから検索し;また
− 前記第1のセットのコンテンツアイテムにおける各コンテンツアイテムについて、それに関連付けられたコンテンツメタデータであって、予め割り当てられた(一般に作成された)もの及び場合によっては(前の相互作用イベントの結果として)導出されたものを貯蔵所CIRから検索する。
加えて、モジュールMMMは現在のコンテキストに関連付けられたコンテキストメタデータを他のモジュールから受信する。具体的には、生のコンテキストメタデータはモジュールSFEMからモジュールSALMを介して受信され、導出コンテキストメタデータはモジュールMGMから受信される。
モジュールMMMは生のコンテキストメタデータをモジュールMGMに送り、(少なくとも生のコンテキストメタデータから開始して)導出メタデータを生成するよう要求し、生成された導出コンテキストメタデータを受信する。このように、少なくともいくつかのコンテキストメタデータは大急ぎで、すなわちユーザーとの相互作用中に導出させ得る。
次に、モジュールMMMが、識別された第1のセットのコンテンツアイテム内の各コンテンツアイテムに関連付けられたコンテンツメタデータ(予め割り当てられたもの及び導出されたもの)にユーザープロフィールを適用し、好ましくは現在のコンテキストに関連付けられたコンテキストメタデータ(生のもの及び導出されたもの)にもユーザープロフィールを適用する。このように、モジュールMMMは第1のセットのコンテンツアイテムをユーザープロフィールに対してマッチングさせる。当該実施態様では、ユーザープロフィールは少なくとも予測モデル(好ましくは機械学習方法により生成されたもの)を含む。予測モデルは前記第1のセットの各コンテンツアイテムに適用され、各コンテンツアイテムについて予測された投票を生成する。第1のセットのコンテンツアイテムに関連付けられた予測された投票のセットは、第1のセットのコンテンツアイテムのランキングを作るためにモジュールMMMにより使用される。前記ランキングはモジュールSALMに与えられ、モジュールSALMが、コンテンツアイテムのランク付けされたセットにより形成された第2のセットのコンテンツアイテム、又は前記ランキングの結果として選択された第1のセットのコンテンツアイテムのサブセットにより形成された第2のセットのコンテンツアイテムを定める(例えば、第1のセットのうち最高にランク付けされたコンテンツアイテムのみを含む)。
好ましくは、この実施態様では、
− ユーザー相互作用記録モジュールDRM、及び
− 相互作用履歴貯蔵所IHR、
を更に備える。
相互作用履歴は一連のレコードの形式をとることができ、各レコードは例えばユーザーリクエスト(又は対応するクエリー)、システム応答、コンテキスト、メタデータ、ユーザーフィードバックに関するいくつかの情報を含む。好ましくは、合成フォーマットが用いられる(例えば物理的なアイテムの代わりにリンクやインデックス)。一般に、相互作用履歴の各レコードは異なる相互作用イベントに対応する。
モジュールIRMは相互作用の履歴を更新するタスクを有する(図2の段階206)。これに関し、モジュールIRMはユーザーリクエスト(モジュールSFEMから受信した)を貯蔵所IHRに直接記録する。加えて、モジュールSALMは、モジュールIRMによって(コンテンツアイテムに関する)ユーザーリクエストに対するその応答を貯蔵所IHRに記録する。モジュールSALMはまた、予測される投票及び/又はユーザーに応答するために用いられる(コンテンツ及び/又はコンテキスト)メタデータのすべて若しくは一部をモジュールIRMによって貯蔵所IHRに記録できる。
有利には、貯蔵所IHR中の記憶空間を節約するために、1種類のメタデータのみ、すなわち生のコンテキストメタデータが貯蔵所IHRに記憶される(他のメタデータはいつでも貯蔵所CIRから検索できるか又はモジュールMGMにより生成できるので)。このことは、このメタデータをモジュールSFEMから直接受信するモジュールIRMによって実行し得る。
サービスアプリケーションは、ユーザーのリクエストに応じて提供されるコンテンツアイテムに関してユーザーのフィードバックを提供することをユーザーに求めてもよい。モジュールSALMはこの目的のためにもモジュールSFEMを使用できる。ユーザーからの代表的なフィードバックは投票(予測される投票と直接比較し得る)により表される。この場合、モジュールSALMはモジュールIRMによってこの明示的フィードバックを貯蔵所IHRに記憶できる。有利には、サービス・アプリケーション・ロジック部は、明示的なフィードバックを提供するか否かの自由をユーザーに残すように設計される。
別法として、サービス・アプリケーション・ロジック部がユーザーからの明示的フィードバックを与えない場合、暗示的フィードバックを得るためにユーザーの行動をモニターし得る(これは例えばモジュールSFEMにより実行できる)。例えば、ニュースサービスにより提供されるニュースアイテムを読むのにユーザーが費やした時間に投票を関連付けてもよい。この場合、モジュールIRMがこの暗示的フィードバックをは貯蔵所IHRに記録できる。
明示的及び/又は暗示的なユーザーのフィードバックの処理及び記録(図2の段階207)は、各応答の後、又はサービス相互作用セッションの終わりに実行してもよい。
コンテンツアイテムが複数のコンテンツ構成要素を含む場合には、フィードバックがコンテンツアイテムの全体に関係し得ること、有利には、その代わりに又はそれに加えて、フィードバックがコンテンツアイテムの各構成要素に関係し得ることに留意されたい。例えば、ユーザーは映画の全体について投票を表すこともできるし、その映像要素及びその音声要素に対して別々の投票を表すこともできる。この場合、例えば別々の投票が相互作用履歴として記録される。
ユーザープロフィールの処理
ユーザープロフィールを処理する作業は、ユーザープロフィールを作成(構築)し、維持(例えば更新)することからなる。図1のアーキテクチャでは、ユーザープロフィールが貯蔵所UPRに記憶され、ユーザープロフィール構築モジュールPBMがユーザープロフィールを処理する作業を実行する。
この作業は例えばユーザー相互作用の回数が十分に少ない夜間に「オフライン」で有利に実行し得る。
この実施態様によると、モジュールPBMは次の段階を実行する。
− ユーザーの相互作用履歴(完全な相互作用履歴、又はユーザープロフィールの最後の更新時から現在の時間までの時間フレームに対応する部分的な相互作用履歴)を貯蔵所IHRから検索する段階(図3の段階301)。相互作用履歴は少なくとも1つのイベント、一般には1セットのイベントを含む。一般にイベントは、コンテンツクエリー(ユーザーリクエストに対応する)と、生のコンテキストメタデータと、クエリー及び好ましくはユーザーフィードバックを受けて提供される選択されたコンテンツアイテムのセットとを含む。
− 相互作用履歴に含まれる情報に基づいてユーザー好みの予測モデルを構築するのに適合した適当な機械学習アルゴリズムを選択する段階(図3の段階302)。
− 相互作用履歴中の各相互作用イベントEについて、PBMモジュールが「n+1」次元の特徴ベクトル、一般に1つのベクトルVを生成する段階、(図3の段階303、段階304及び段階305)。ここで、nはコンテンツメタデータ(予め割り当てられたもの及び導出されたもの)に関係した特徴の数と、コンテキストメタデータ(生のもの及び導出されたもの)に関係した特徴の数との総和である。
− ユーザープロフィールに組み込まれるべき新たな予測モデルを構築するために、選択された機械学習アルゴリズムを、前の段階で生成された特徴ベクトル(イベントE,E,E・・・に関連付けられたV,V,V・・・)に適用する段階(段階306)。機械学習アルゴリズムは一度に1つだけの特徴ベクトルを処理できるか、又は一度に1セットの特徴ベクトルをどうにか処理できる(13個の相互作用イベントに対応する13個のベクトルを処理することによりモデルが生成される上記の例のように)。
− (好ましくは)ユーザープロフィールの更新条件として所定の合格基準(一般に、「ベター・ザン・ビフォア(better than before)」型基準)に対して、新たに構築された予測モデルの性能を検証する段階(段階307)。例えば、公知の効果的な検証技術は「10倍相互検証」であり、これはイベントを10個の異なる分割部分に分割することに基づいている(例えばイベントの90%はモデルの構築用であり、イベントの10%はモデルの検証用である)。特定のインプリメンテーションに依存して、検証を機械学習方法に統合できる。
− 貯蔵所UPRにおいて前のモデルを新しいモデルと置き換えることによってユーザープロフィールを更新する段階(段階308)。
相互作用イベントEに関係した特徴ベクトルVの生成は次の段階に従って実行し得る。
− 生のコンテンツメタデータを検索する段階;
− 生のコンテキストメタデータ(相互作用履歴中に記録された)をモジュールMGMに送り、生のコンテキストメタデータから導出コンテキストメタデータを生成するよう要求し;生のコンテキストメタデータと導出コンテキストメタデータ(モジュールMGMから得られた)とをコード化して次元pのコンテキスト特徴ベクトルVixを作る段階(上記2つの段階は図3のフローチャートでは1つの段階303として示されている);
− コンテンツメタデータ(作成されたもの及び導出されたもの)を貯蔵所CIRから検索する段階;
− コンテンツメタデータをコード化して次元mのコンテンツ特徴ベクトルVicを作る段階(ここで、m+p=n)、(上記2つの段階は図3では1つの段階304として示されている);
− コンテンツ特徴ベクトルVicを前の段階で生成されたコンテキスト特徴ベクトルVixと一緒にし、ユーザー投票をターゲット特徴tとして加えて、n+1次元の1つの特徴ベクトルV=<Vix,Vic,t>を作る段階(図3の段階305);
− 機械学習方法のアルゴリズムを識別する段階、及び
− ユーザー好みの予測モデルを得るために、前記機械学習方法のアルゴリズムを前記特徴ベクトルVに適用する段階。
上記リストアップした段階は、前に存在した予測モデルがない場合でさえ使用できること、すなわちユーザープロフィールを更新するためだけでなく、新しいユーザープロフィールを構築するためにも使用できることに留意されたい。その場合、例えば任意のコンテンツに対して肯定的なフィードバックが仮定されるという架空のユーザーモデルが用いられる。
ユーザーがマルチ構成要素型のコンテンツアイテムにおける各構成要素についてフィードバックを示しているならば、モジュールPBMはこのより詳細なフィードバックを考慮すべきである。
上記の説明では、ユーザーがただ1つのユーザープロフィールを有することが仮定されている。しかし、ユーザーが1より多くのユーザープロフィールを有し、それらを切り換えることができる場合にも本発明を拡張できる。このことは、例えば相互作用コンテキストを正確に記述するにはコンテキストメタデータが不十分な場合に有利である。例えば、ユーザーが家にいるか会社にいるかを自動的に判断するのは端末(すなわち相互作用装置)には難しい(ユーザーが相互作用装置において環境のオプションを設定しない場合)。
ユーザープロフィールの選択は相互作用セッションの開始時に行なうことができ、通常は複数のリクエストと、対応する応答及び暗示的又は明示的なフィードバックとを含む。
別法として、ユーザープロフィールの選択をフィードバック操作の瞬間に大急ぎで行なうこともできる。
例えば、ユーザーが映画ブラウジング・アプリケーションにおいてユーザーが好きなホラー映画を見つけたと仮定する。ユーザーは評価の高い第1の投票をそのアイテムに与え、第1の投票が「パーソナル」プロフィールで参照されることを指定する。ホラー映画はユーザーの子供には良くないので、ユーザーはまた評価の非常に低い第2の投票を同じ映画に与え、この時には第2の投票が「ファミリー」プロフィールで参照されることを指定する。別法として、ユーザーはそのプロフィールの一つを現在のプロフィールとして設定でき、ユーザーにより与えられる投票は、設定されたプロフィールで参照される。ユーザーが映画についてのランキング又は推薦を求める場合、ユーザーは推薦が与えられる基となるプロフィールを指定する必要がある。
複数のユーザープロフィールが与えられる実施態様では、図1のモジュールはこの多重性を考慮する必要がある。モジュールIRMはユーザープロフィールについての情報を貯蔵所IHRに記録する必要がある。モジュールPBMは更新すべき正しいユーザープロフィールを選ぶ必要がある。モジュールMMMはコンテンツアイテムのランキングを作成するために正しいユーザープロフィールを選択し使用する必要がある。

Claims (22)

  1. A)第1のコンテンツメタデータが予め割り当てられている第1のセットのコンテンツアイテムをユーザーによるリクエストに基づいて識別する段階、
    B)少なくとも前記第1のセットのコンテンツアイテムに適用されるアルゴリズムに対応した少なくとも第1の導出規則に基づいて、前記第1のセットのコンテンツアイテムについて第2のコンテンツメタデータを自動的に生成する段階、
    C)前記第2のコンテンツメタデータを前記第1のセットのコンテンツアイテムに関連付ける段階、及び
    D)前記第1のコンテンツメタデータと前記第2のコンテンツメタデータとに基づいて前記第1のセットから第2のセットの選択されたコンテンツアイテムを提供する段階、
    を含む選択されたコンテンツアイテムをユーザーに提供する方法。
  2. 前記アルゴリズムは前記第1のコンテンツメタデータの少なくともいくつかに対しても適用される請求項1に記載の方法。
  3. 第2のコンテキストメタデータを自動的に生成するために、段階B)を前記選択されたコンテンツアイテムの相互作用コンテキストに関する第1のコンテキストメタデータにも基づいて実行する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2のコンテンツメタデータを複数のコンテンツアイテムに適用されるアルゴリズムから導出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 段階D)を前記ユーザーのユーザープロフィールにも基づいて実行する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ユーザープロフィールが予測モデルを含む請求項5に記載の方法。
  7. 段階D)において、前記第1のセットの各コンテンツアイテムについてのランキングに基づいて前記第2のセットのコンテンツアイテムを定めるために、前記第2のコンテンツメタデータと前記予測モデルとに基づいて前記ランキングを提供する請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記第2のコンテンツメタデータと前記第2のコンテキストメタデータと前記ユーザープロフィールとに基づいて前記第1のセットの各コンテンツアイテムについての前記ランキングが与えられ、前記ランキングに基づいて前記第2のセットのコンテンツアイテムを選択する請求項7に記載の方法。
  9. 前記第2のセットのコンテンツアイテムを、前記ユーザーによる対応するリクエストに対する応答として提供する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ユーザーからのフィードバックを前記第2のセットの少なくとも1つのコンテンツアイテムに関連付ける段階を更に含む請求項6に記載の方法。
  11. 前記第2のセットの少なくともコンテンツアイテムと、記録された前記少なくとも1つのコンテンツアイテムに関係している前記ユーザーからのフィードバックとを記録する段階を更に含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記少なくともコンテンツアイテムを選択するために用いられる前記第2のメタデータの少なくとも一部を記録する段階を含む請求項11に記載の方法。
  13. 前記ユーザーリクエストを記録する段階を含む請求項11又は12に記載の方法。
  14. 少なくとも前記記録されたコンテンツアイテム及びユーザーフィードバックに基づいて前記ユーザーの予測モデルを構築又は更新する段階を含む請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第2のメタデータの少なくとも一部を記録する段階と、少なくとも記録された第2のメタデータに基づいて前記ユーザーの予測モデルを構築又は更新する段階とを含む請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも前記第2のコンテンツメタデータに適用される少なくとも1つの機械学習アルゴリズムによって前記予測モデルを構築又は更新する請求項15に記載の方法。
  17. 前記機械学習アルゴリズムを少なくともいくつかのコンテキストメタデータにも適用する請求項16に記載の方法。
  18. ユーザープロフィールが少なくとも2つの予測モデルを含む請求項6に記載の方法。
  19. 前記第2のセットのコンテンツアイテムをサービスプロバイダーにより供給する請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記選択されたコンテンツアイテムを電気通信網を介して提供する請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 少なくとも1つのコンピュータのメモリにロードできると共に、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法を実行するためのソフトウェアコード部分を含んだコンピュータプログラム製品。
  22. ユーザーからコンテンツリクエストを収集する段階と、選択されたコンテンツアイテムをユーザーに提供する段階とを含んだ、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法によるコンテンツベースのサービス。
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