以下、本発明による空中写真表示装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による空中写真表示装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による空中写真表示装置は、部分空中写真を基礎空中写真の対応する位置に表示すると共に、現在時期からある範囲内の撮影時期の部分空中写真を、そうでない部分空中写真と区別可能に表示するものである。
図1は、本実施の形態による空中写真表示装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による空中写真表示装置1は、基礎空中写真記憶部11と、部分空中写真記憶部12と、位置特定部13と、現在時期取得部14と、判断部15と、受付部16と、表示部17とを備える。
基礎空中写真記憶部11では、空中写真である基礎空中写真が記憶される。ここで、空中写真とは、例えば、航空写真であってもよく、あるいは、衛星写真であってもよい。この空中写真は、撮影された地図であると考えることもできる。空中写真は、オルソ画像であってもよい。基礎空中写真は、部分空中写真と比較して広域の空中写真である。また、基礎空中写真は、2次元(平面)または3次元の座標情報を有していてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。2次元の座標情報は、例えば、緯度、経度であってもよく、あるいは、ある位置を基点とした座標値であってもよい。3次元の座標情報は、例えば、その2次元の座標情報と、高さ方向の座標値とを含むものである。高さ方向の座標値は、例えば、標高である。その標高は、通常、海水面の高さを基準にしたものであるが、他の高さを基準にしたものであってもよい。また、地図情報が3次元の座標情報を有する方法は問わない。例えば、等間隔格子点ごとに高さ方向の座標値を有する数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)や、数値地形モデル(DTM:Digital Terrain Model)のデータであってもよく、あるいは、標高のサンプリング点を地形の特徴をよく反映するように選定したTIN(Triangulated Irregular Network)データであってもよい。いずれの場合であっても、サンプル点以外の点の標高値は、サンプル点を補間することによって算出される。また、このような空中写真は、オンライン地図や電子地図等として公知であり、その詳細な説明を省略する。
部分空中写真記憶部12では、空中写真である部分空中写真と、部分空中写真の撮影時期とが記憶される。部分空中写真は、基礎空中写真の少なくとも一部に対応する空中写真である。したがって、部分空中写真を対応する位置に表示した場合には、基礎空中写真上に部分空中写真が表示されることになる。また、部分空中写真は、通常、基礎空中写真よりも狭域の空中写真である。撮影時期は、撮影した時期を示す情報であり、例えば、撮影した年であってもよく、撮影した年月であってもよく、撮影した年月日であってもよく、あるいは、それらに撮影した時刻をも含む情報であってもよい。また、撮影時期に、季節を示す情報、例えば、撮影月である1月、2月等や、撮影した季節そのものである春、夏、秋、冬等が含まれていてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。本実施の形態では、撮影時期が撮影した年月である場合について説明する。その撮影月が、季節を示す情報となる。また、部分空中写真記憶部12では、1個の部分空中写真が記憶されていてもよく、あるいは、2個以上の部分空中写真が記憶されていてもよい。2個以上の部分空中写真が記憶されている場合には、部分空中写真と、その部分空中写真に対応する撮影時期との対応が分かるようになっていることが好適である。
なお、基礎空中写真や、部分空中写真のデータ形式は問わない。また、基礎空中写真や、部分空中写真は、矩形の空中写真であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。また、基礎空中写真記憶部11や部分空中写真記憶部12に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が基礎空中写真記憶部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が基礎空中写真記憶部11等で記憶されるようになってもよい。
また、基礎空中写真記憶部11や部分空中写真記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。基礎空中写真記憶部11や部分空中写真記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
位置特定部13は、基礎空中写真と部分空中写真との類似関係を用いて、基礎空中写真における部分空中写真に対応する位置を特定する。位置特定部13は、基礎空中写真において部分空中写真と類似度の高い位置(領域)を、基礎空中写真における部分空中写真に対応する位置として特定する。位置の特定は、例えば、その位置を示す情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、基礎空中写真における位置にフラグ等を設定することであってもよい。また、特定される位置は、例えば、部分空中写真の輪郭の全体の位置であってもよく、部分空中写真の輪郭の一部の位置であってもよく、部分空中写真の特定の部分(例えば、中心部分等)に対応する位置であってもよい。部分空中写真の輪郭の一部は、例えば、部分空中写真の頂点であってもよい。その頂点は、例えば、2個であってもよく、それ以上の個数であってもよく、あるいは、1個であってもよい。位置特定部13が、基礎空中写真における部分空中写真に対応する位置を特定する方法について簡単に説明する。なお、基礎空中写真には、平面のxy座標系(クライアント座標系)が設定されているものとする。位置特定部13は、例えば、ある部分空中写真を基礎空中写真に対してあらかじめ決められた最小単位(例えば、1画素であってもよい)ずつ、基礎空中写真のx軸方向、及びy軸方向にずらしながら、部分空中写真と、その部分空中写真に対応する基礎空中写真の領域との類似度を算出する。また、位置特定部13は、その部分空中写真を種々の角度に回転させたものを用いて、同様の処理を行う。さらに、位置特定部13は、その部分空中写真を種々の大きさに拡大したり縮小したりしたものも用いて、同様の処理を行う。その後、位置特定部13は、最も類似度の高い部分空中写真の位置を、基礎空中写真における部分空中写真に対応する位置として特定してもよい。なお、最も高い類似度が、あらかじめ決められたしきい値を超えていない場合には、位置特定部13は、その部分空中写真に対応する基礎空中写真における位置が存在しないと判断し、位置の特定を行わなくてもよい。また、基礎空中写真と、部分空中写真との方位があらかじめ設定されている場合(例えば、両者共に上が北である場合等)には、その方位を用いて両空中写真の方向を合わせた上で、上記のように位置の特定を行ってもよい。この場合には、部分空中写真を種々の角度に回転させなくてもよい。また、基礎空中写真と、部分空中写真との縮尺があらかじめ設定されている場合には、その縮尺を用いて両空中写真の大きさ(縮尺)を合わせた上で、上記のように位置の特定を行ってもよい。この場合には、部分空中写真を種々の大きさに拡大・縮小させなくてもよい。また、類似度を算出する際には、例えば、写真の輝度値を用いて類似度を算出してもよく、その輝度値を用いて特定された特徴点や特徴量を用いて類似度を算出してもよい。なお、ある写真において、他の写真と類似する領域を特定する種々の方法が知られており、その種々の方法を用いてもよいことは言うまでもない。
現在時期取得部14は、現在時期を取得する。現在時期は、例えば、現在の年であってもよく、現在の年月であってもよく、現在の年月日であってもよく、あるいは、それらに現在の時刻をも含む情報であってもよい。なお、現在とは、現在時期取得部14が現在時期を取得する時点のことであってもよい。現在時期取得部14は、例えば、図示しないカレンダー部や時計部等から、現在時期を取得してもよい。
判断部15は、現在時期取得部14が取得した現在時期と撮影時期とがあらかじめ決められた範囲内であるかどうか判断する。判断部15は、例えば、現在時期と、その現在時期からあらかじめ決められた範囲だけ以前の時期との間に、撮影時期が含まれている場合に、現在時期と撮影時期とがあらかじめ決められた範囲内であると判断してもよい。また、判断部15は、例えば、現在時期と撮影時期との間の期間を算出し、その期間があらかじめ決められた範囲よりも短い場合に、現在時期と撮影時期とがあらかじめ決められた範囲内であると判断してもよい。なお、現在時期と撮影時期とがちょうどあらかじめ決められた範囲と同じ場合には、現在時期と撮影時期とがあらかじめ決められた範囲内であると判断してもよく、あるいは、そうでないと判断してもよい。この判断部15によって現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断された撮影時期の部分空中写真は、最近撮影された部分空中写真であることになるため、その点を考慮して、あらかじめ決められた範囲が設定されることが好適である。例えば、空中写真によって田や畑等の地目を確認する場合には、あらかじめ決められた範囲は、例えば、1年や2年程度であることが好適である。あらかじめ決められた範囲を示す情報は、図示しない記録媒体において記憶されており、判断部15は、それを読み出して判断に用いてもよい。また、このあらかじめ決められた範囲は、ユーザが自由に設定できるようになっていてもよい。本実施の形態による空中写真表示装置1の使用目的に応じて、その範囲が異なることもあるからである。なお、複数の部分空中写真が存在する場合には、判断部15は、各部分空中写真について判断を行うものとする。また、判断部15による判断で用いられる最小の時間の長さ(例えば、年や月、日等)の範囲においては、判断部15による判断結果が変化しないため、判断部15は、その時間の長さごと(例えば、年ごと、月ごと、日ごと等)に新しい判断を行い、それまでは過去の判断結果を用いてもよい。過去の判断結果を用いる場合には、例えば、部分空中写真に対応付けられて,その判断結果が図示しない記録媒体で記憶されていてもよい。
受付部16は、表示中の部分空中写真の選択を受け付ける。部分空中写真の選択とは、例えば、ポインティングデバイスで部分空中写真をクリックすることであってもよく、ポインティングデバイスでポインタを部分空中写真の上に移動させることであってもよく、部分空中写真に対応する数字や記号等をキーボード等の入力デバイスを介して入力することであってもよい。ポインティングデバイスは、例えば、マウスやタブレット、ジョイスティック、タッチパネル、タッチパッド、トラックボール等である。また、受付部16は、何らかの指示等のその他の入力を受け付けてもよい。
受付部16は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよい。なお、受付部16は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部16は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
表示部17は、基礎空中写真記憶部11で記憶されている基礎空中写真を読み出して表示する。また、表示部17は、部分空中写真記憶部12から部分空中写真を読み出し、表示されている基礎空中写真の対応する位置に、その部分空中写真を表示する。なお、表示部17は、位置特定部13が特定した位置に部分空中写真を表示する。すなわち、位置特定部13が特定した基礎空中写真の位置に、部分空中写真が表示されることになる。また、表示部17は、判断部15によって、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断された撮影時期の部分空中写真を、現在時期からあらかじめ決められた範囲内でないと判断された撮影時期の部分空中写真と区別可能に表示する。区別可能に表示するとは、表示上の何らかの差があるように、表示することである。例えば、表示部17は、判断部15によって、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断された撮影時期の部分空中写真をカラーで表示し、現在時期からあらかじめ決められた範囲内でないと判断された撮影時期の部分空中写真をモノクロで表示してもよい。本実施の形態では、主にこの場合について説明する。この場合には、部分空中写真記憶部12で記憶されている部分空中写真はカラーの空中写真であるものとする。モノクロの部分空中写真は、例えば、多値の階調を有する単色の画像であってもよく、2値の単色の画像であってもよい。単色の画像は、白黒の画像であってもよく、その他の色、例えば、青や赤、緑等の単色の画像であってもよい。また、例えば、表示部17は、判断部15によって、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断された撮影時期の部分空中写真をそのまま表示し、現在時期からあらかじめ決められた範囲内でないと判断された撮影時期の部分空中写真をモザイク画像で表示してもよい。モザイク画像とは、モザイク処理のなされた画像である。また、例えば、表示部17は、判断部15によって、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断された撮影時期の部分空中写真をそのまま表示し、現在時期からあらかじめ決められた範囲内でないと判断された撮影時期の部分空中写真を輝度の低い画像で表示してもよい。なお、表示部17が、その他の区別可能に表示する方法を採用してもよいことは言うまでもない。区別可能に表示する方法は、例えば、枠を区別可能にする、区別可能な図形を重ねて表示するなどの方法であってもよい。なお、区別可能に表示する場合に、判断部15によって、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断された撮影時期の部分空中写真のほうが、現在時期からあらかじめ決められた範囲内でないと判断された撮影時期の部分空中写真よりも明りょうに見やすくなるように区別可能に表示することが好適である。そのようにすることで、見やすい部分空中写真のほうが最近に撮影された部分空中写真であることになり、最近に撮影された部分空中写真を直感的に特定することができるようになりうるからである。このように、表示部17が、撮影時期が最近である部分空中写真を、そうでない部分空中写真と区別可能に表示する場合に、撮影時期が最近である部分空中写真がどちらであるのかが分かるようになっていることが好適である。なお、部分空中写真をモノクロやモザイク画像、輝度の低い画像で表示する場合に、そのモノクロの画像等は、例えば、表示部17が、加工の行われていない部分空中写真(例えば、カラーの部分空中写真等)から生成してもよく、あるいは、あらかじめ部分空中写真記憶部12で記憶されていてもよい。本実施の形態では、前者の場合について主に説明する。
また、表示部17は、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断部15によって判断された撮影時期の部分空中写真を、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示してもよい。季節は、春夏秋冬の4つであってもよく、初春、仲春、晩春、初夏、仲夏、晩夏等や、1月、2月、3月等のようにさらに細かい季節であってもよい。また、季節は、田植え時期、植え付け時期、稲刈り時期、収穫時期のように、農作業に応じた季節であってもよい。この場合には、部分空中写真記憶部12で記憶されている撮影時期に、その季節を示す情報が含まれていることが好適である。その季節を示す情報は、例えば、季節そのもの(例えば、「春」「夏」「秋」「冬」等)であってもよく、あるいは、季節に変換することができる情報(例えば、「1月」「2月」等)であってもよい。また、表示部17は、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断部15によって判断された撮影時期の部分空中写真を、例えば、撮影時期の示す季節に応じた枠で表示してもよく、撮影時期の示す季節に応じた図形と一緒に表示してもよく、撮影時期の示す季節に応じたその他の方法で表示してもよい。季節に応じた枠とは、例えば、季節に応じた種類(パターン)の枠であってもよく、季節に応じた色の枠であってもよく、季節に応じた太さの枠であってもよく、その他の季節に応じた枠であってもよい。季節に応じた図形は、その季節を代表するような図形であることが好適である。例えば、夏に対応する図形は、スイカやひまわり、朝顔、ビーチパラソル、麦わら帽子、花火等の図形であってもよく、稲刈り時期に対応する図形は、実った稲穂等の図形であってもよい。また、季節に応じた図形は、季節を示す文字列の図形(例えば、「夏」の図形や、「サマー」の図形、「田植え」の図形等)であってもよい。表示部17は、撮影時期を用いて、その季節に応じた枠や、季節に応じた画像を取得できるものとする。例えば、表示部17は、撮影時期に含まれる撮影月や、撮影季節と、枠のパターン等や季節画像とを対応付ける情報を用いて、季節に応じた枠等を取得してもよい。撮影月と、枠のパターン等とが対応付けられている場合に、両者は、直接対応付けられていてもよく、あるいは、季節を介して対応付けられていてもよい。後者の場合には、撮影月と季節とを対応付ける情報と、季節と枠のパターン等とを対応付ける情報とが存在してもよい。その場合でも、表示部17は、撮影月に対応する枠のパターン等を特定することができる。なお、このように、表示部17が、撮影時期が最近である部分空中写真を、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示する場合に、その部分空中写真の季節が分かるようになっていることが好適であるが、そうでなくてもよい。また、表示部17が、撮影時期が最近である部分空中写真についてのみ、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示する場合には、撮影時期が最近である部分空中写真についてのみ、季節に応じた表示が行われることになる。したがって、この表示が、撮影時期が最近である部分空中写真を、そうでない部分空中写真と区別可能にする表示であると考えてもよい。また、表示部17が、撮影時期が最近である部分空中写真を、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示するとは、撮影時期が最近である部分空中写真については少なくとも、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示することであると考えてもよい。その場合には、表示部17は、撮影時期が最近でない部分空中写真についても、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示してもよい。
また、表示部17は、受付部16が選択を受け付けた場合に、選択された部分空中写真に応じた撮影時期を部分空中写真に対応付けて表示する。例えば、ある部分空中写真のクリックを受付部16が受け付けた場合に、表示部17は、そのクリックで選択された部分空中写真に対応する撮影時期を部分空中写真記憶部12から読み出し、その撮影時期を、選択された部分空中写真に対応付けて表示する。部分空中写真に対応付けて表示するとは、例えば、選択された部分空中写真の上や、選択された部分空中写真の近傍、あるいは、選択された部分空中写真から延びる引き出し線の端に表示することであってもよい。なお、表示部17によって部分空中写真が表示されているため、部分空中写真と、スクリーン座標系でのその部分空中写真の領域との対応を知ることができる。したがって、受付部16が選択を受け付けた場合に、その部分空中写真と、スクリーン座標系でのその部分空中写真の領域との対応を用いることによって、どの部分空中写真の選択が受け付けられたのかを特定することができることになる。この特定の処理は、表示部17が行ってもよく、あるいは、受付部16が行ってもよい。本実施の形態では、受付部16がその特定の処理を行う場合について主に説明する。
また、表示部17は、拡大や縮小、移動の指示に応じて、基礎空中写真や部分空中写真を拡大したり、縮小したり、移動したりしてもよい。その指示は、例えば、受付部16が受け付けたものであってもよい。
なお、表示部17は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示対象の表示は、別の装置においてなされてもよい。その場合には、表示部17は、装置の外部に対して表示対象の情報を送信するものであってもよい。また、表示部17は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
なお、基礎空中写真記憶部11と、部分空中写真記憶部12とは、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、基礎空中写真を記憶している領域が基礎空中写真記憶部11となり、部分空中写真等を記憶している領域が部分空中写真記憶部12となる。
次に、空中写真表示装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートでは、撮影時期が現在時期からあらかじめ決められた範囲内でない部分空中写真をモノクロに変換して表示する場合について説明する。
(ステップS101)表示部17は、空中写真を表示するかどうか判断する。そして、空中写真を表示する場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、空中写真を表示するまで、ステップS101の処理を繰り返す。表示部17は、例えば、受付部16が空中写真の表示の指示を受け付けた場合に、空中写真を表示すると判断してもよく、あるいは、その他のタイミングで空中写真を表示すると判断してもよい。
(ステップS102)現在時期取得部14は、現在時期を取得する。取得された現在時期は、図示しない記録媒体で一時的に記憶されてもよい。
(ステップS103)表示部17は、カウンタiを1に設定する。
(ステップS104)位置特定部13は、部分空中写真記憶部12で記憶されているi番目の部分空中写真の基礎空中写真における対応する位置を特定する。その位置の特定ができた場合には、その位置を示す情報が図示しない記録媒体で記憶されてもよい。
(ステップS105)表示部17は、i番目の部分空中写真の位置を特定できたかどうか判断する。そして、位置を特定できた場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS109に進む。
(ステップS106)判断部15は、i番目の部分空中写真に対応する撮影時期を部分空中写真記憶部12から読み出し、その撮影時期が、ステップS102で取得された現在時期からあらかじめ決められた範囲内であるかどうか判断する。そして、あらかじめ決められた範囲内である場合には、ステップS107に進み、そうでない場合には、ステップS108に進む。
(ステップS107)表示部17は、i番目の部分空中写真に対応する撮影時期の示す季節に応じて、i番目の部分空中写真を変換する。この変換は、例えば、季節に応じた枠を付けることや、季節に応じた図形を付加すること等である。変換後のi番目の部分空中写真は、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。
(ステップS108)表示部17は、i番目の部分空中写真をモノクロに変換する。変換後のi番目の部分空中写真は、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。
(ステップS109)表示部17は、カウンタiを1だけインクリメントする。
(ステップS110)表示部17は、i番目の部分空中写真が部分空中写真記憶部12で記憶されているかどうか判断する。そして、i番目の部分空中写真が記憶されている場合には、ステップS104に戻り、そうでない場合には、ステップS111に進む。
(ステッS111)表示部17は、基礎空中写真と、位置の特定された部分空中写真とを表示する。位置の特定された部分空中写真は、その特定された基礎空中写真の位置に表示されるものとする。また、2個以上の部分空中写真の少なくとも一部が重なる場合には、撮影時期に応じて、撮影時期が最近のものほど手前(前面側)になるように表示されてもよい。また、基礎空中写真記憶部11において、基礎空中写真に応じた撮影時期も記憶されている場合には、その基礎空中写真の撮影時期よりも以前の撮影時期である部分空中写真は、表示しないようにしてもよい。また、表示部17は、ステップS107、S108での変換後の部分空中写真を表示するものとする。
(ステップS112)受付部16は、表示されている部分空中写真の選択を受け付けたかどうか判断する。そして、部分空中写真の選択を受け付けた場合には、ステップS113に進み、そうでない場合には、ステップS114に進む。
(ステップS113)表示部17は、選択の受け付けられた部分空中写真に対応する撮影時期を、その部分空中写真に対応付けて表示する。そして、ステップS112に戻る。なお、撮影時期は、例えば、決められた期間(例えば、10秒、20秒など)だけ表示されてもよく、あるいは、選択後は常に表示されてもよい。
(ステップS114)受付部16は、表示を終了する指示を受け付けたかどうか判断する。そして、表示を終了する指示を受け付けた場合には、ステップS115に進み、そうでない場合には、ステップS112に戻る。
(ステップS115)表示部17は、基礎空中写真と、部分空中写真との表示を終了し、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、本実施の形態による空中写真表示装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、空中写真表示装置1が、中山間地域等直接支払制度と、農業者戸別所得補償制度との相互チェックや申請の支援に用いられる場合について説明する。相互チェックとは、中山間地域等直接支払制度のために入力された情報を用いて農業者戸別所得補償制度に関するチェックを行ったり、農業者戸別所得補償制度のために入力された情報を用いて中山間地域等直接支払制度に関するチェックを行ったりすることである。特に、農業者戸別所得補償制度では、現地確認が必要であるが、その現地確認を行うための事前確認、あるいは、現地確認に代わる確認として、空中写真を用いる場合について説明する。なお、基礎空中写真は、中山間地域等直接支払制度の申請書類の作成支援のために、あらかじめ基礎空中写真記憶部11で記憶されているものとする。中山間地域等直接支払制度では、傾斜角等を算出する必要もあるため、基礎空中写真は、TINデータを有するもの、すなわち、3次元の座標情報を有するものとなる。また、現地確認の用途や、あるいは、その他の用途のため、基礎空中写真とは別途、購入した狭域の空中写真である部分空中写真が、部分空中写真記憶部12で記憶されているものとする。
また、この具体例では、基礎空中写真記憶部11において、図3で示される基礎空中写真B001が記憶されているものとする。また、この具体例では、部分空中写真記憶部12において、図4で示されるように、部分空中写真と撮影時期とが対応付けられて記憶されているものとする。図4において、例えば、部分空中写真P001に対応付けられている撮影時期の撮影年は2007年であり、撮影月は3月であるため、部分空中写真P001は2007年3月に撮影されたことが分かる。他の部分空中写真P002,P003についても同様である。また、この具体例では、図5で示されるように、撮影月と、枠の種類とを対応付ける情報が図示しない記録媒体で記憶されており、表示部17は、その図5の情報にアクセス可能であるとする。
まず、ユーザがマウスやキーボード等を操作することによって、空中写真表示装置1に対して、空中写真を表示する旨の指示を入力したとする。すると、その指示は受付部16を介して表示部17に渡される。そして、表示部17は、空中写真を表示すると判断し(ステップS101)、現在時期を取得する旨の指示を、図示しない経路を介して現在時期取得部14に渡す。現在時期取得部14は、その指示に応じて図示しないカレンダー部から現在時期「2010年6月」を取得し、判断部15に渡す(ステップS102)。判断部15は、図示しない記録媒体で、受け取った現在時期「2010年6月」を記憶する。
次に、表示部17は、1番目の部分空中写真について、位置を特定する処理を行うように位置特定部13に指示を出す。すると、位置特定部13は、部分空中写真記憶部12から1番目の部分空中写真P001を読み出し、図3で示される基礎空中写真B001における対応する位置を特定する(ステップS103,S104)。この場合には、その位置の特定が行われたものとする(ステップS105)。すると、表示部17は、部分空中写真P001について、撮影時期に関する判断を行う旨の指示を判断部15に渡す。判断部15は、その指示に応じて、部分空中写真P001に対応する撮影時期「2007年3月」を読み出し、それが現在時期「2010年6月」からあらかじめ決められた範囲である2年以内であるかどうか判断する。この場合には、2年以内でないため、判断部15は、部分空中写真P001の撮影時期は、現在時期から2年以内でない旨を表示部17に渡す(ステップS106)。すると、表示部17は、部分空中写真記憶部12から部分空中写真P001を読み出し、それをモノクロに変換して図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS108)。
次に、2番目の部分空中写真P002についても、同様の処理が行われる(ステップS109,S110,S104〜S106)。なお、部分空中写真P002の場合には、撮影時期「2009年10月」が現在時期「2010年6月」から2年以内であるため、表示部17は、部分空中写真P002に、その部分空中写真P002に対応する撮影月「10」に対応する枠(二重線)を図5で示される情報を用いて特定し、部分空中写真P002にその枠を付加する(ステップS107)。さらに、3番目の部分空中写真P003についても、同様の処理が行われ、5月に対応した枠が付加される(ステップS109,S110,S104〜S107)。
その後、表示部17は、基礎空中写真B001と、部分空中写真P001〜P003とを表示する(ステップS111)。前述のように、部分空中写真P001〜P003は、それぞれ位置特定部13によって特定された基礎空中写真B001上の位置に表示されることになる。図6は、表示された基礎空中写真B001と、部分空中写真P001〜P003とを示す図である。なお、図6では判別できないが、部分空中写真P001は、モノクロである。また、部分空中写真P002、P003には、撮影月に対応した枠が設定されている。図6において、図5で示される各枠線と、その枠線に対応する季節とを対応付ける凡例画像も表示されている。このように、表示部17は、図示しない記録媒体で記憶されている凡例画像を読み出して表示してもよい。また、図6において、ユーザが「拡大」ボタンや、「縮小」ボタンをマウスでクリックすると、それに応じて左側で表示されている空中写真が拡大、または縮小されるものとする。また、図6において、ユーザが上下左右の方向ボタンをマウスでクリックすると、それに応じて左側で表示されている空中写真が上下左右(それぞれ北南西東に対応するものとする)に移動するものとする。
図6の表示において、部分空中写真P002、P003はカラーであるが、部分空中写真P001はモノクロであることによって、ユーザは、部分空中写真P002、P003が最近の写真である旨を知ることができる。また、カラーの部分空中写真P002、P003の枠の種類と、凡例画像とを見ることによって、各部分空中写真P002、P003の撮影月を知ることができるようになる。例えば、春には通常、菜の花が生えることが多いため、春に撮影された部分空中写真については、耕作放棄地であるかどうかなどの地目を判断することが困難であるが、そのような判断材料として枠の種類に応じた季節を用いることができる。このように、中山間地域等直接支払制度における申請書類の作成支援のための用いられる基礎空中写真と、部分的な空中写真である部分空中写真とを用いて、農業者戸別所得補償制度における現地確認前の地目確認、あるいは、現地確認に代わる地目確認を行うことができる。
ユーザが、部分空中写真P002の撮影時期を知りたい場合には、図6の表示において、部分空中写真P002をマウスでクリックする。すると、受付部16は、その選択を受け付け(ステップS112)、表示部17に部分空中写真P002が選択された旨を渡す。それに応じて、表示部17は、選択された部分空中写真P002に対応する撮影時期「2009年10月」を読み出し、図示しない記録媒体であらかじめ記憶されている枠を読み出し、その読み出した撮影時期を読み出した枠内に配置した図形を作成し、その図形を部分空中写真P002の上に表示する(ステップS113)。その結果、空中写真の表示が図7で示されるようになる。したがって、ユーザは、マウスでクリックした部分空中写真P002の撮影時期「2009年10月」を知ることができる。
その後、ユーザが図7において、「終了」ボタンをクリックすると、表示を終了する指示が受付部16で受け付けられ(ステップS114)、表示部17に渡される。そして、表示部17は、その終了の指示を受け取ると、空中写真の表示を終了する(ステップS115)。
なお、この具体例では、部分空中写真の季節に応じた枠を表示する場合について説明したが、そうでなくてもよい。表示部17は、部分空中写真の季節に応じた季節画像を部分空中写真に対応付けて表示してもよい。例えば、図8で示される撮影月と、季節画像とを対応付けて有する情報が、表示部17がアクセス可能な図示しない記録媒体で記憶されているものとする。そして、表示部17は、撮影時期が現在時期から2年以内である部分空中写真について、その撮影時期の示す撮影月に対応した季節画像を図8の情報から読み出し、その季節画像を含む部分空中写真を表示するようにしてもよい。その場合には、例えば、図9で示されるように、季節画像を含む部分空中写真が表示されることになる。季節画像の場合には、季節を直感的に把握することができるため、凡例画像がなくてもよい。
また、この具体例では、空中写真表示装置1が、中山間地域等直接支払制度と、農業者戸別所得補償制度との相互チェックや申請の支援に用いられる場合について説明したが、そうでなくてもよい。その他の目的のために、空中写真表示装置1が用いられてもよいことは言うまでもない。例えば、品目横断的経営安定対策事業等において、地目等の確認のために空中写真表示装置1が用いられてもよい。
また、この具体例では、図6で示される表示がなされる場合について説明したが、図6よりも広範囲の基礎空中写真(図6よりも縮尺の小さい基礎空中写真)がまず表示され、その広範囲の基礎空中写真において選択した地域の基礎空中写真が、図6で示されるように表示されてもよい。なお、その広範囲の基礎空中写真では、部分空中写真を表示してもよく、あるいは、表示しなくてもよい。その広範囲の基礎空中写真において部分空中写真を表示しない場合であっても、例えば、部分空中写真の存在する位置に、部分空中写真の存在することを示すマーク(例えば、丸の図形や四角の図形等)を表示してもよく、あるいは、表示しなくてもよい。
以上のように、本実施の形態による空中写真表示装置1によれば、広域の空中写真である基礎空中写真の対応する位置に、狭域の空中写真である部分空中写真が表示されるため、部分空中写真がどの領域に対応するものであるのかを直感的に容易に把握することができるようになる。また、その部分空中写真の撮影時期が、現在時期からあらかじめ決められた範囲内かどうかによって部分空中写真の表示を切り替えることによって、部分空中写真が最近のものであるかどうかを容易に把握することができるようになる。また、最近の部分空中写真については、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示することによって、部分空中写真の撮影時期の示す季節を知ることができるようになる。そのため、その季節を用いて、部分空中写真の領域の地目を適切に判断できるかどうかを知ることもできうる。また、選択した部分空中写真に対応する撮影時期が表示されることによって、所望の部分空中写真に対応する撮影時期を容易に知ることもできるようになる。
なお、本実施の形態では、表示部17が選択された部分空中写真に応じた撮影時期を表示する場合について説明したが、そうでなくてもよい。その撮影時期の表示を行わない場合には、空中写真表示装置1は、受付部16を備えていなくてもよい。
また、本実施の形態では、表示部17が、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断部15によって判断された撮影時期の部分空中写真を、撮影時期の示す季節ごとに区別可能に表示する場合について説明したが、そうでなくてもよい。表示部17は、そのような表示を行わなくてもよい。
また、本実施の形態では、基礎空中写真における部分空中写真の位置を位置特定部13が特定する場合について説明したが、そうでなくてもよい。位置特定部13による部分空中写真の位置の特定を行わなくてもよい。その場合には、例えば、部分空中写真記憶部12において、図10で示されるように、部分空中写真に対応する座標情報が記憶されており、表示部17は、その座標情報を用いて部分空中写真を基礎空中写真の対応する位置に配置してもよい。その座標情報は、例えば、緯度、経度であってもよく、ある位置を基点とした座標値であってもよく、あるいは、基礎空中写真における座標値であってもよい。座標情報が緯度、経度等である場合には、その緯度、経度等を基礎空中写真における座標値に変換することによって、基礎空中写真における部分空中写真の位置を特定することができる。その場合には、基礎空中写真は、少なくとも緯度、経度等の2次元の座標情報を有するものであることが好適である。緯度、経度等と、基礎空中写真における座標値との対応を知ることができるようになっていることが必要だからである。また、図10で示される座標情報は、例えば、部分空中写真の左上と右下の2個の頂点の座標を示すものであってもよく、あるいは、他の2個の頂点の座標を示すものであってもよい。なお、図10で示される座標情報は、部分空中写真の属性として、あらかじめ部分空中写真に紐付けられていたものであってもよく、あるいは、人手によって設定されたものであってもよい。図10で示される座標情報が人手によって設定される場合には、例えば、次のようにして設定されてもよい。ある作業者が、基礎空中写真と部分空中写真とが並べて表示されている画面において、形状の変わらない固定された公共物(例えば、橋、道路、海岸の構造物、鉄塔等)の対応する位置を両空中写真において指定する。そして、この位置の指定を異なる2箇所において行う。具体的には、部分空中写真における十字路の位置と、基礎空中写真における、対応する十字路の位置とをそれぞれマウスでクリックし、部分空中写真における鉄塔の位置と、基礎空中写真における、対応する鉄塔の位置とをそれぞれマウスでクリックしてもよい。すると、対応付けられた異なる2点を用いて、部分空中写真の基礎空中写真における位置を特定することができ、その部分空中写真に対応する座標情報を取得することができる。そのようにして取得された座標情報が、前述のように、図10で示される座標情報であってもよい。この座標情報を取得する処理は、空中写真表示装置1によって行われてもよく、あるいは、他の装置等において行われてもよい。
また、上記実施の形態では、空中写真表示装置1がスタンドアロンである場合について説明したが、空中写真表示装置1は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、表示部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、情報を表示したりしてもよい。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、空中写真表示装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における空中写真表示装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、空中写真である基礎空中写真が記憶される基礎空中写真記憶部と、基礎空中写真の少なくとも一部に対応する空中写真である部分空中写真と、部分空中写真の撮影時期とが記憶される部分空中写真記憶部とにアクセス可能なコンピュータを、現在時期を取得する現在時期取得部、現在時期取得部が取得した現在時期と撮影時期とがあらかじめ決められた範囲内であるかどうか判断する判断部、基礎空中写真を表示し、基礎空中写真の対応する位置に部分空中写真を表示する表示部として機能させ、表示部は、判断部によって、現在時期からあらかじめ決められた範囲内であると判断された撮影時期の部分空中写真を、現在時期からあらかじめ決められた範囲内でないと判断された撮影時期の部分空中写真と区別可能に表示する、プログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を表示する表示部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図11は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による空中写真表示装置1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図11において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図12は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図12において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による空中写真表示装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による空中写真表示装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。