JP2012160972A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 撮像画像内において変化を検知する検知領域と、マスク領域とが重複する場合、意図した変化を検知できない恐れがあった。
【解決手段】 変化検知部135は、画像内において変化を検知する検知領域の指定情報と、画像内のマスク領域の指定情報とを取得し(S402)、変化検知部135は、検知領域とマスク領域が重複する場合、検知領域とマスク領域が重複しない場合よりも、検知領域内において検知された変化領域が小さくても変化発生イベントが出力されるように変化発生イベントの出力条件を決定する(S406、407)。
【選択図】 図1
【解決手段】 変化検知部135は、画像内において変化を検知する検知領域の指定情報と、画像内のマスク領域の指定情報とを取得し(S402)、変化検知部135は、検知領域とマスク領域が重複する場合、検知領域とマスク領域が重複しない場合よりも、検知領域内において検知された変化領域が小さくても変化発生イベントが出力されるように変化発生イベントの出力条件を決定する(S406、407)。
【選択図】 図1
Description
本発明は、画像内の変化の発生を検知する画像処理装置に関する。
街頭に設置されたカメラ映像をインターネット上で公開する場合、プライバシー保護を目的として、視野範囲の一部を非公開にしたいという要望がある。このような要望に対して、特許文献1には、非公開にしたい領域をマスク領域として塗り潰すマスク処理について記載されている。
また、特許文献2には、所定の輝度値以上の画素数が所定数以上、検知されると、視野妨害行為が発生したと判定することが記載されている。
しかしながら、マスク処理された画像を用いると、変化発生イベントを検知できなくなる恐れがあった。
例えば、時間的に隣接する2つの画像フレームにおける検知領域の30%以上の画素値が異なる場合に、変化が発生したと判定される設定において、検知領域の80%がマスク領域として塗りつぶされていると、変化が発生したと判定されないことになってしまう。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、マスク処理された画像を用いた場合における変化発生イベントの検知処理の精度を向上させることである。
上記の問題点を解決するために、本発明の画像処理装置は、例えば以下の構成を有する。すなわち、画像内において変化を検知する検知領域の指定情報と、前記画像内のマスク領域の指定情報とを取得する取得手段と、前記検知領域と前記マスク領域が重複する場合、前記検知領域と前記マスク領域が重複しない場合よりも、前記検知領域内において検知された変化領域が小さくても変化発生イベントが出力されるように当該変化発生イベントの出力条件を決定する決定手段とを有する。
本発明によれば、マスク処理された画像を用いた場合における変化発生イベントの検知処理の精度を向上できる。
<第1の実施形態>
本実施形態では、画像内において変化を検知する検知領域が、マスク領域と重複した場合と、重複していない場合とで、変化発生イベントの出力条件が異なるようにすることについて説明する。
本実施形態では、画像内において変化を検知する検知領域が、マスク領域と重複した場合と、重複していない場合とで、変化発生イベントの出力条件が異なるようにすることについて説明する。
図1は、本実施形態のシステム構成を示す図である。システムはネットワークカメラ100(以下カメラ100)、表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400がネットワーク経由で接続されている。カメラ100により、画像101が表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400に配信される。カメラ100はプライバシーマスク機能と、画像処理による変化発生の検知機能を持つ。各クライアントへ配信される画像101は、一部にマスク処理が施されている。
次にネットワークカメラ100(カメラ100)の構成を、図2を用いて説明する。カメラ100は、撮像系110、画像取得部131、マスク処理部132、符号化部133、画像配信部134、変化検知部135、イベント出力部136、撮像系制御部137、雲台制御部138、雲台駆動系120、設定制御部139、通信部140を有する。
画像取得部131は、撮像系110を制御して画像を取得する。
マスク処理部132は、画像取得部131により取得された画像に対してマスク処理を行う。本形態では、マスク領域を黒塗りするマスク処理を中心に説明するが、例えば、マスク領域に対してぼかし、モザイクなどをしても良い。また、マスク処理部132は、マスク処理した画像を符号化部133と変化検知部135へそれぞれ出力する。
マスク処理部132は、画像取得部131により取得された画像に対してマスク処理を行う。本形態では、マスク領域を黒塗りするマスク処理を中心に説明するが、例えば、マスク領域に対してぼかし、モザイクなどをしても良い。また、マスク処理部132は、マスク処理した画像を符号化部133と変化検知部135へそれぞれ出力する。
符号化部133は、マスク処理部132によってマスク処理された画像を符号化する。符号化方式には、例えば、モーションJPEG、MPEG−4、H.264などの方式がある。
画像配信部134は、符号化部133により符号化された画像を通信部140を介してネットワークへ配信する。配信された画像は表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400により受信される。
変化検知部135は、マスク処理部132によってマスク処理された画像から変化の発生を検知するための検知処理を行う。本形態の変化検知部135は、時間的に隣接するフレームの比較に基づいて、変化の発生を検知する。変化の発生の検知方法の詳細は、図3を用いて後述する。変化検知部135は、変化の発生を検知すると、変化発生イベントをイベント出力部136へ通知する。
イベント出力部136は、変化検知部135からの通知に応じて、変化発生イベントを、通信部140を介してクライアント(表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400)へ通知する。
通信部140は、画像配信部134からのマスク処理済みの画像、及び、イベント出力部136からの変化発生イベントを、ネットワークを介してクライアント(表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400)へ送信する。また、通信部140は、クライアントから、カメラ制御情報やマスク設定情報を受信する。カメラ制御情報は、例えば、カメラの撮像方向やズーム倍率、フォーカスや絞り等を変更するための情報である。また、マスク設定情報は、マスク領域の追加、削除、又は、既存のマスク領域の位置やサイズの変更のための情報である。
設定制御部139は、通信部140から受信したカメラ制御情報を、その種類に応じて、撮像系制御部137、又は、雲台制御部138へ通知する。これにより、カメラのパン角やチルト角、カメラのズーム倍率や絞り、フォーカス等が変更される。
また、設定制御部139は、通信部140から受信したマスク設定情報を、変化検知部135とマスク処理部132へ通知する。これにより、マスク処理部132でマスク処理されるマスク領域の追加、削除、又は既存のマスク領域の位置やサイズの変更が行われる。また、変化検知部135における変化発生イベントの出力条件が決定される。
次に、本実施形態における変化発生イベントの出力条件の決定方法について、図3を用いて説明する。図3に示すように、カメラ100により撮像された画像210内に、マスク領域211、検知領域212が存在する。なお、マスク領域211と検知領域212は、重複領域213において重複している。
まず、マスク領域211が無い場合における変化発生の検知方法について説明する。本形態の変化検知部135は、時間的に隣接するフレームの検知領域212の画素値を比較し、その違いが所定値以上の画素値を、変化画素として特定する。そして、変化検知部135は、検知領域212の面積に対する、検知領域212内における変化画素数(変化領域215の面積)の割合が所定の割合以上である場合に、変化が発生したと判定する。すなわち、検知領域212の面積をSd、変化領域215(検知領域212内における変化画素の領域)の面積をSmとすると、Sm/Sd(=変化量Rs)が所定値以上である場合に、変化が発生したと判定される。つまり、Rsが所定の下限値Tmin以上の場合に、変化が発生したと判定される。なお、変化量Rsの値に上限値を設けることも可能である。この場合、変化量RsがTmin以上Tmax未満の場合に、変化が発生したと判定される。なおTminとTmaxが取りうる値の範囲は、いずれも0から1までの実数であるが、クライアントの表示画面上では、例えば百分率(0%から100%)で表示させる。
すなわち、
If(Tmin≦Rs AND Rs≦Tmax)Then変化あり; (式1)
Rs=Sm/Sd (式2)
Sm: 変化領域215の面積
Sd: 検知領域212の面積
Tmin:下限しきい値、Tmax:上限しきい値
なお、通常はTmin≦Tmaxである。また、Tminのデフォルト値は例えば0.5、Tmaxのデフォルト値は例えば1にすることができる。この場合において、例えば、検知領域212の面積(画素数)が、1000画素で、変化領域215の面積(検知領域212内の変化画素の画素数)が、600画素の場合、変化が発生したと判定される。一方、変化領域215の面積が400画素の場合、変化が発生していないと判定される。また、例えば、Tminを0に設定すれば、検知領域212内における変化画素数が1画素であっても、変化が発生したと判定される。
すなわち、
If(Tmin≦Rs AND Rs≦Tmax)Then変化あり; (式1)
Rs=Sm/Sd (式2)
Sm: 変化領域215の面積
Sd: 検知領域212の面積
Tmin:下限しきい値、Tmax:上限しきい値
なお、通常はTmin≦Tmaxである。また、Tminのデフォルト値は例えば0.5、Tmaxのデフォルト値は例えば1にすることができる。この場合において、例えば、検知領域212の面積(画素数)が、1000画素で、変化領域215の面積(検知領域212内の変化画素の画素数)が、600画素の場合、変化が発生したと判定される。一方、変化領域215の面積が400画素の場合、変化が発生していないと判定される。また、例えば、Tminを0に設定すれば、検知領域212内における変化画素数が1画素であっても、変化が発生したと判定される。
ただし変化の発生の検知方法は、上記の方法に限らない。ほかの方法として、例えば、検知領域212の面積に関わらず、検知領域212内における変化画素の画素数が、所定の画素数以上の場合に、変化が発生したと判定するようにしても良い。また、隣接フレーム間の差分による方法のほかに、事前に取得した基準画像と、撮像画像との比較に基づいて特定した変化画素に基づいて変化の発生を検知することも可能である。この場合に用いる基準画像は、画像内に動きがないときに自動的に更新することも可能である。
また、輝度値の比較により変化画素を特定しても良い。また、画素ごとではなく、ブロックごとに変化画素を特定しても良い。また、エッジ成分などの特徴量用いて特定された変化画素に基づいて変化の発生を検知することも可能である。変化検知部135による変化検知のための方法やパラメータは、クライアント(表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400)を用いて設定及び変更できる。
次に、検知領域212とマスク領域211とが重複する場合における変化発生の検知処理について説明する。本形態の変化検知部135は、検知領域212とマスク領域211とが重複する場合は、重複していない場合よりも、TminとTmaxの値を小さくする。TminとTmaxを小さくするということは、変化発生イベントが出力される変化領域215の面積の下限値と上限値が小さくなることを意味する。ただし、上限値と下限値のどちらか一方(例えばTmin)のみを小さくしてもよい。
すなわち、変化検知部135は、検知領域212とマスク領域211とが重複する場合、重複しない場合よりも、変化領域215が小さくても変化発生イベントが出力されるように、変化発生イベントの出力条件を決定する。なお、変化領域215は、検知領域212内において特定された変化画素の画素数に対応する。
また、本形態の変化検知部135は、検知領域212とマスク領域211との重複領域213の面積が大きいほど、TminとTmaxの値を小さくする。すなわち、変化検知部135は、検知領域212とマスク領域211との重複面積Svが、第1の重複面積の場合、第1の重複面積よりも小さい第2の重複面積の場合よりも、変化発生イベントが出力される変化領域215の面積の上限値と下限値を小さくする。なお、変化検知部135は、上限値と下限値のうちどちらか一方を小さくすることも可能である。このようにして変化検知部135は、検知領域212とマスク領域211の重複面積の大きさに応じて、変化発生イベントの出力条件を決定する。
より具体的には、変化検知部135は、検知領域212とマスク領域211とが重複した場合、重複する前におけるTminとTmaxを、以下のように変更する。
Tmin=Tmin *(Sd−Sv)/Sd; (式3)
Tmax=Tmax *(Sd−Sv)/Sd; (式4)
Tmin=Tmin *(Sd−Sv)/Sd; (式3)
Tmax=Tmax *(Sd−Sv)/Sd; (式4)
次に図4を用いて、ネットワークカメラ100(カメラ100)による変化発生の検知処理の流れについて説明する。本形態のカメラ100は、図4の処理を、撮像開始の指示を受けたときに開始する。また、カメラ100は、図4にかかる処理を実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体から当該プログラムをCPUで読み出して実行することにより、図4の処理を実現する。ただし、図4の処理に少なくとも一部を専用のハードウェアによって行うようにすることも可能である。
カメラ100の変化検知部135は、連続合致回数Cを初期化する(S401)。連続合致回数Cは、変化量Rsが、連続してTmin以上Tmax未満になった回数を示している。本形態の変化検知部135は、連続合致回数Cが閾値を超えると、変化が発生したと判定し、変化発生イベントを出力する。このようにすることで、瞬間的な雑音により変化が誤検知されることを防止できる。ただし、連続合致回数Cを1に設定することも可能である。
画像取得部131は、撮像系110から画像を取得する(S402)。また、S402(取得手順)において、変化検知部135は、検知領域212の指定情報と、マスク領域211の指定情報を取得する。ここで、検知領域212の指定情報は、S402で取得された画像内の検知領域212を特定するための情報である。また、マスク領域211は、S402で取得された画像内においてマスク処理する領域(マスク領域)を特定するための情報である。なお、検知領域212、マスク領域211の指定情報は、S402で定期的に取得するようにしても、変化したときのみ取得するようにしても良い。
また、例えば、カメラ100の撮像画像を表示している表示端末200のユーザにより、マスク領域が座標情報で指定された場合、変化検知部135は、当該指定に応じた情報を、マスク領域の指定情報として取得する。また、例えば、ある特定の文字やナンバーが映っている領域をマスク処理することが指定された場合、変化検知部135は、当該指定に応じた情報と、S402において画像取得部131が取得した画像との比較結果に基づいて、マスク領域の指定情報を取得する。
マスク処理部132は、S402で取得された画像に対して、マスク領域の指定情報を用いてマスク処理を行う(S403)。さらに、変化検知部135は、S403でマスク処理された画像であって、時間的に隣接するフレームの検知領域212を比較して、変化領域215の面積(検知領域212内における変化画素の画素数)を取得する。変化検知部135は、取得された変化領域215の面積と、検知領域212の面積との割合(変化量Rs)を取得する。
そして、変化検知部135は、変化量Rsが、Tmin以上Tmax未満であるか判定する(S406、S407)。なお、変化検知部135は、S406、S407(決定手順)において、変化発生イベントの出力条件(TminとTmax)を、検知領域212とマスク領域211の重複状態に基づいて決定する。すなわち、変化検知部135は、検知領域212とマスク領域211が重複する場合、重複しない場合よりも、検知領域212内の変化領域215が小さくても変化発生イベントが出力されるように変化発生イベントの出力条件を決定する。
なお、変化発生イベントの出力条件(TminとTmax)は、S406とS407のたびに決定することも可能であるが、1度決定した後は、検知領域212とマスク領域211のいずれかが変化したときのみ、再度計算して決定するようにしてもよい。
変化検知部135は、変化量Rsが、Tmin以上Tmax未満であると判定した場合、連続合致回数Cに1を加える。一方、変化量Rsが、Tmin以上Tmax未満でないと判定された場合、連続合致回数Cを0にリセットする(S409)。
そして、変化検知部135は、現在の連続合致回数が閾値Tc以上であるか否かを判定する(S410)。連続合致回数が閾値Tc以上であると判定されると、変化検知部135は、イベント出力部136へ変化発生イベントを通知する(S411)。すなわち、変化検知部135は、S406、S407で決定された変化発生イベントの出力条件(Tmax,Tmin)に応じて、変化発生イベントを出力する。
変化検知部135から変化発生イベントが通知されたイベント出力部136は、変化発生イベントをネットワークを介してクライアント(表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400)へ出力する。変化発生イベントは、各クライアントにより受信され、変化の発生時刻が記録される。また、例えば、変化発生イベントに応じて、クライアントでアラームを鳴らしたり警告メッセージを表示したりしても良い。
一方、S410において、連続合致回数が閾値Tc未満であると判定されると、S402に戻る。変化検知部135は、S411でイベント出力部136に対して変化発生イベントを通知すると、その後、図4の処理を終了するか否かを判定し(S412)、終了しないと判定された場合は、S401に戻る。一方、S412で処理を終了すると判定された場合は、図4の処理を終了する。
次に、図5を用いて、各装置の処理シーケンスについて説明する。なお、上記の説明では、カメラ100において、変化発生イベントの出力条件を決定する例について説明した。しかし、例えば、検知領域212とマスク領域211の重複状態に基づいて、クライアント(表示端末200、解析サーバ300、録画サーバ400)で変化発生イベントの出力条件を決定するようにしても良い。以下では、図5を用いて、表示端末200が変化発生イベントの出力条件を決定する場合の処理シーケンスについて説明する。
表示端末200は、ユーザによる入力に基づいて、マスク領域211の設定(ステップ531)、検知領域212の設定(ステップ532)、変化検知パラメータの設定(ステップ533)を行う。変化検知パラメータとは、例えば、検知領域212とマスク領域211が重複していないときの変化発生イベントの出力条件(Rsの下限値と上限値)である。これらの設定に基づいて、変化発生イベントの出力条件(Tmin,Tmax)が決定される(ステップ534)。なお、これらの設定のうち、ユーザが入力しない設定については、デフォルト値が用いられる。そして、表示端末200は、マスク領域211の設定に基づいてマスク領域211の指定情報を生成するとともに(ステップ541)、検知領域212の設定に基づいて検知領域212の指定情報を生成する(ステップ542)。そして、表示端末200は、生成されたマスク領域211の指定情報、検知領域212の指定情報、及び、変化発生イベントの出力条件をカメラ100へ送信する(ステップ535)。
例えば、表示端末200のユーザが、面積が1000画素のマスク領域211と、2000画素の検知領域212とを指定し、変化検知パラメータとして、Rsの下限値を0.2、上限値を0.8に設定したとする。この場合において、検知領域212とマスク領域211が500画素だけ重複していた場合、表示端末200は、変化発生イベントの出力条件として、Tminを0.15、Tmaxを0.6に決定する。そして、表示端末200は、決定されたTmin(=0.15)、Tmax(0.6)を、マスク領域211の指定情報、検知領域212の指定情報と共に、カメラ100へ送信する(ステップ535)。
一方、カメラ100は、ステップ511で取得した画像に対して、ステップ513で表示端末200から受信したマスク領域211の指定情報に基づいてマスク処理を行う(ステップ512)。また、カメラ100は、表示端末200から受信した変化発生イベントの出力条件と、変化領域215の面積に基づいて変化の発生を検知し、変化発生イベントを各クライアントへ出力する(ステップ514)。
なお、本形態では、変化の発生の検知処理をカメラ100が行う例について説明したが、各クライアントにおいて変化の発生を検知するようにしても良い。すなわち、あるクライアント(例えば表示端末200)のユーザにより指定されたマスク領域の指定情報や、検知領域の指定情報や、変化検知パラメータに基づいて、他のクライアント(例えば解析サーバ300)で変化発生イベントの検知処理を行うこともできる。この場合、カメラ100は、表示端末200からの指定に応じた検知領域の特定情報と、変化発生イベントの出力条件を解析サーバ300へ送信する。このようにすることで、解析サーバ300が、表示端末200と同じ条件で、変化の発生を検知できる。
すなわち、解析サーバ300は、カメラ100からマスク処理済みの画像を取得すると共に、検知領域212の指定情報と、マスク領域211の指定情報とを取得する。そして、解析サーバ300は、カメラ100からのマスク処理済みの画像内の検知領域212における変化画素を検知する。そして、解析サーバ300は、変化が検知された変化領域(変化画素の集まり)の面積と変化発生イベントの出力条件に応じて、変化発生イベントをカメラ100及び他のクライアントへ出力する。上記のような解析サーバ300の処理は、表示端末200や録画サーバ400で行うことも可能である。
<第2の実施形態>
次に第2の実施形態について、実施形態1との差異を中心に説明する。本実施形態では、マスク領域211と検知領域212の重複状態に基づいて、変化発生イベントの出力条件(Tmax,Tmin)の取りうる範囲を決定する例について説明する。本形態のユーザは、決定された範囲内で、変化発生イベントの出力条件を設定することができる。
次に第2の実施形態について、実施形態1との差異を中心に説明する。本実施形態では、マスク領域211と検知領域212の重複状態に基づいて、変化発生イベントの出力条件(Tmax,Tmin)の取りうる範囲を決定する例について説明する。本形態のユーザは、決定された範囲内で、変化発生イベントの出力条件を設定することができる。
本形態における表示端末200の処理について、図6を用いて説明する。なお、本形態では、変化発生イベントの出力条件の取りうる範囲を表示端末200が決定する例を中心に説明するが、例えば、カメラ100やほかのクライアントにおいて決定するようにしてもよい。
図6に示すように、画像210内には、マスク領域211、検知領域212が存在する。また、図6は、つまみ231及び234に対するユーザ操作に応じて、変化発生イベントの出力条件を指定できることを示している。例えば、表示端末200のユーザが、つまみ231を左方向に移動させるとTminが小さくなり、つまみ234を右方向に移動させるとTmaxが大きくなる。本形態では、目盛り232及び235の左端は0(0%)、右端は1(100%)に対応している。また、目盛り232には、グレー表示された範囲233が存在し、目盛り235には、グレー表示された範囲236が存在する。グレー表示された範囲233は、指定できないTminの値の範囲を示しており、同様に、グレー表示された範囲236は、指定できないTmaxの値の範囲を示している。
例えば、マスク領域211と検知領域212の重複領域213の面積が、検知領域212の面積の30%に相当する場合において、Tminが、検知領域212の面積の80%に設定されてしまうと、変化の発生を検知できない。このように、マスク領域211と検知領域212の重複状態によっては、ユーザが指定したTmaxとTmin(変化発生イベントの出力条件)による変化発生の検知が不可能になる場合がある。したがって、本形態の表示端末200は、マスク領域211と検知領域212の重複状態に応じて、TmaxやTminの指定すべきでない範囲をグレー表示する。上記の例では、TminとTmaxが70%を超えないように、70%を超える範囲をグレー表示する。ただし、どちらか一方(例えばTmin)に関する目盛りのみで、グレー表示にすることも可能である。
また、本形態の表示端末200は、例えば、Tminの上限値を超える値がユーザにより指定された場合、Tminを上限値に設定する。また、表示端末200は、例えば、Tmaxの上限値を超える値がユーザにより指定された場合、Tmaxを上限値に設定する。すなわち、本形態の表示端末200は、ユーザにより指定されたTminやTmaxを、以下の(式5)、(式6)に従って変更する。
If(Tmin≧1−Sv/Sd)Then Tmin=1−Sv/Sd; (式5)
If(Tmax≧1−Sv/Sd)Then Tmax=1−Sv/Sd; (式6)
すなわち、(式5)によれば、重複領域213の面積Svと、検知領域212の面積Sdとの比率Sv/Sdが、例えば、0.7のときに、つまみ231の操作によりTminとして0.4が指定されると、Tminが0.3に変更される。一方、Tminとして0.2が指定されると、そのまま0.2となる。また、例えば、Sv/Sdが0.4のときに、つまみ231の操作によりTminとして0.7が指定されるとTminが0.6に変更される。一方、Tminとして0.5が指定されると、そのまま0.5となる。
If(Tmin≧1−Sv/Sd)Then Tmin=1−Sv/Sd; (式5)
If(Tmax≧1−Sv/Sd)Then Tmax=1−Sv/Sd; (式6)
すなわち、(式5)によれば、重複領域213の面積Svと、検知領域212の面積Sdとの比率Sv/Sdが、例えば、0.7のときに、つまみ231の操作によりTminとして0.4が指定されると、Tminが0.3に変更される。一方、Tminとして0.2が指定されると、そのまま0.2となる。また、例えば、Sv/Sdが0.4のときに、つまみ231の操作によりTminとして0.7が指定されるとTminが0.6に変更される。一方、Tminとして0.5が指定されると、そのまま0.5となる。
また、(式6)によれば、Sv/Sdが、例えば、0.7のときに、つまみ234の操作によりTmaxとして0.4が指定されると、Tmaxが0.3に変更される。一方、Tmaxとして0.2が指定されると、そのまま0.2となる。また、例えば、Sv/Sdが0.4のときに、つまみ234の操作によりTmaxとして0.7が指定されるとTmaxが0.6に変更される。一方、Tmaxとして0.5が指定されると、そのまま0.5となる。
つまり、本形態の表示端末200は、変化発生イベントが出力される変化領域215の面積(変化画素の画素数)の上限値を、検知領域212の面積Sdと、重複領域213の面積Svとの比率に基づいて決定する。
このように、本形態の表示端末200は、ユーザにより指定されたTmaxとTminの値を、マスク領域211と検知領域212の重複状態に応じて変更する。ただし、値を変更する形態に限らず、例えば、Tminの上限値を超える値がユーザにより指定された場合、その指定操作を無効にするようにしてもよい。また、Tminの上限値を超える位置につまみ231を動かせないようにすることも可能である。また、TmaxとTminが同じ値になることもありうるが、その場合は、表示端末200の表示画面上に警告メッセージを表示するようにしても良い。
なお、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (9)
- 画像内において変化を検知する検知領域の指定情報と、前記画像内のマスク領域の指定情報とを取得する取得手段と、
前記検知領域と前記マスク領域が重複する場合、前記検知領域と前記マスク領域が重複しない場合よりも、前記検知領域内において検知された変化領域が小さくても変化発生イベントが出力されるように当該変化発生イベントの出力条件を決定する決定手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記検知領域と前記マスク領域が重複する場合、前記検知領域と前記マスク領域が重複しない場合よりも、前記変化発生イベントが出力される変化領域の面積の上限値、及び、下限値が小さくなるように前記変化発生イベントの出力条件を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記検知領域と前記マスク領域との重複面積が第1の重複面積の場合、前記第1の重複面積よりも小さい第2の重複面積の場合よりも、前記検知領域内において検知された変化領域が小さくても前記変化発生イベントが出力されるように前記変化発生イベントの出力条件を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記検知領域と前記マスク領域との重複面積が第1の重複面積の場合、前記第1の重複面積よりも小さい第2の重複面積の場合よりも、前記変化発生イベントが出力される変化領域の面積の上限値、及び、下限値が小さくなるように前記変化発生イベントの出力条件を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 撮像手段と、前記撮像手段の撮像により得られた画像内の検知領域における前記変化を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記変化が検知された変化領域の面積と前記決定手段により決定された変化発生イベントの出力条件に応じて、前記変化発生イベントを出力する出力手段とを有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記取得手段は、撮像手段を有する撮像装置から前記マスク領域のマスク処理済みの画像を取得すると共に、前記検知領域の指定情報と、前記マスク領域の指定情報とを取得し、前記撮像装置からのマスク処理済みの画像内の検知領域における前記変化を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記変化が検知された変化領域の面積と前記決定手段により決定された変化発生イベントの出力条件に応じて、前記変化発生イベントを出力する出力手段とを有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記変化発生イベントが出力される変化領域の面積の上限値を、前記検知領域の面積と、前記検知領域とマスク領域の重複領域の面積との比率に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 画像処理装置が行う画像処理方法であって、
画像内において変化を検知する検知領域の指定情報と、前記画像内のマスク領域の指定情報とを取得する取得工程と、
前記検知領域と前記マスク領域が重複する場合、前記検知領域と前記マスク領域が重複しない場合よりも、前記検知領域内において検知された変化領域が小さくても変化発生イベントが出力されるように当該変化発生イベントの出力条件を決定する決定工程とを有することを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータに、
画像内において変化を検知する検知領域の指定情報と、前記画像内のマスク領域の指定情報とを取得する取得手順と、
前記検知領域と前記マスク領域が重複する場合、前記検知領域と前記マスク領域が重複しない場合よりも、前記検知領域内において検知された変化領域が小さくても変化発生イベントが出力されるように、当該変化発生イベントの出力条件を決定する決定手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
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