JP2012160892A - アンテナ装置とこのアンテナ装置を備えた電子機器 - Google Patents

アンテナ装置とこのアンテナ装置を備えた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】コアシェル型磁性体を使用したヘリカルアンテナを構成する場合の最適な条件を設定し、これにより小型で低損失なアンテナ特性を実現可能とする。
【解決手段】実施形態のアンテナ装置は、基端部又はその近傍位置と先端部との間がヘリカル状に形成されたヘリカル部を有しこのヘリカル部の上記基端部が給電部に接続されると共に先端部が開放されたアンテナ素子と、筒状体を成す誘電体材料からなりアンテナ素子のヘリカル部の空洞内に配置されるアンテナ基材と、このアンテナ基材内に配置される磁性体とを具備する。そして、上記磁性体として、透磁率μの実部に対する虚部の割合を示す磁性正接μtanδが1%以下に設定された磁性材料を用いるようにしたものである。
【選択図】図3

Description

この発明の実施形態は、磁性体を備えたヘリカル型のアンテナ装置と、このアンテナ装置を備えた電子機器に関する。
近年、携帯電話機やスマートホン、PDA(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末等の携帯端末には、携帯電話網を使用して通信を行うためのアンテナに加え、GPS受信用のアンテナ、無線LAN(Local Area Network)用のアンテナ、地上波デジタル放送受信用のアンテナ等、種々のアンテナが設けられている。
これらのアンテナのうち、地上波デジタル放送受信用のアンテナを除く他のアンテナは、筐体の内部に完全に収納されるものが多い。しかしながら、地上波デジタル放送受信用のアンテナに関しては、その受信周波数帯域が他のアンテナの使用周波数帯域に比べると比較的低いため、携帯端末の筐体に収納すると所望の性能が得られにくい。例えば、クラムシェル型筐体(2つの筐体が中央のヒンジで開閉可能なタイプの筐体)では、アンテナをヒンジの近傍に配置することによって2つの筐体をアンテナの一部として機能させる効果が発生し、ある程度の性能を得ることができる。また2つの筐体が閉じている状態では放送波を受信する必要がほとんどない。しかしながら、クラムシェル型筐体以外の筐体、例えば、スライド型筐体(上筐体が下筐体に対してスライドして開くタイプの筐体)では、2つの筐体が閉じている状態でも視聴できることが要求され、筐体をアンテナの一部として機能させる効果は得られにくい。
このため、地上波デジタル放送を受信しようとする携帯端末の多くは、今日でも筐体の外部に延出するロッドアンテナを使用している。ロッドアンテナは、使用時にアンテナを伸ばす必要があるため、操作性が悪いだけでなく折れやすい。また、デザイン性の観点からも好ましいものではない。
そこで、地上波デジタル放送の周波数帯域でも筐体内部に完全に収容することができるアンテナの小型化技術の検討が従来から進められている。例えば、特許文献1は、アンテナ基材に線状導体を巻き付けたヘリカル型アンテナにおいて、アンテナ基材を磁性体ブロックと誘電体ブロックとに分けた構成とし、磁性体ブロックをヘリカル型アンテナの給電端側に配置し、誘電体ブロックを開放端側に配置することによって、アンテナサイズの小型化を図る技術を開示している。
上記磁性体ブロックに使用されるフェライトやアモルファス合金等の従来の磁性体は、一般に周波数が高くなるにつれて透磁率実部μ′が低くなる一方、透磁率虚部μ″が高くなるという性質をもつ。このため、これらの従来の磁性体を10MHz以上の周波数のアンテナの基材に使用すると、損失が大きくなるという課題があった。
他方、特許文献2は、10MHz以上の高周波帯(例えば、VHF帯、UHF帯、及びそれ以上の周波数帯)においても高い透磁率実部μ′と低い透磁率虚部μ″を維持することが可能なコアシェル型磁性粒子に関する技術を開示している。特許文献2が開示するコアシェル型磁性粒子は、例えば、1nm以上1000nm以下の平均粒径を有する磁性金属粒子(コア)を、0.1nm以上100nm以下の厚さの酸化物被膜層(シェル)で被覆したものである。このコアシェル型磁性粒子と樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂等)を適宜の溶剤で混合し、成形、乾燥することによって、所望の高周波帯で高い透磁率(高い透磁率実部μ′と低い透磁率虚部μ″)と絶縁性を有する磁性体(以下、コアシェル型磁性体と呼ぶ)を得ることができる。
特開2005−303988号公報 特開2008−258601号公報
地上波デジタル放送に割り当てられた周波数帯域(UHF帯)は、携帯電話機等の携帯端末で使用する周波数の中では低い方の周波数帯域に属するため、地上波デジタル放送受信用のアンテナをその性能を確保しつつ小型化する技術は、従来から重要な課題となっている。
前述したコアシェル型磁性体は、UHF帯においても高い透磁率(高い透磁率実部μ′と低い透磁率虚部μ″)を示すため、小型でかつ低損失な地上波デジタル放送受信用アンテナの基材として非常に有望である。しかしながら、このコアシェル型磁性体を使用してUHF帯用のヘリカルアンテナを構成しようとする場合、透磁率としてどのような値を用いればよいか等、実用化に必要な最適な条件が依然として知られていなかった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、磁性体を使用したヘリカルアンテナを構成する場合の最適な条件を設定し、これにより小型で低損失なアンテナ特性を実現可能とするアンテナ装置とこのアンテナ装置を備えた電子機器を提供することにある。
実施形態によれば、基端部又はその近傍位置と先端部との間がヘリカル状に形成されたヘリカル部を有しこのヘリカル部の上記基端部が給電部に接続されると共に先端部が開放されたアンテナ素子と、筒状体を成す誘電体材料からなりアンテナ素子のヘリカル部の空洞内に配置されるアンテナ基材と、このアンテナ基材内に配置される磁性体とを具備する。そして、上記磁性体として、透磁率μの実部に対する虚部の割合を示すμtanδ(以下、磁性正接μtanδと称す)が1%以下に設定された磁性材料を用いるようにしたものである。
第1の実施形態に係るアンテナ装置を備えた電子機器の要部構成を示す斜視図。 図1に示したアンテナ装置を拡大して示した図。 図2に示したアンテナ装置の縦断面図。 図2に示したアンテナ装置の横断面図。 図2に示したアンテナ装置の最大指向性利得の周波数特性を、磁性体にフェライトを用いた場合と対比して示す図。 ナノ磁性体とフェライトの誘電率εr 、誘電正接εr tanδ、透磁率μr 、磁性正接μr tanδを比較して示した図。 磁性正接μtanδをパラメータとしたときの最大指向性利得の周波数特性を示す図。 磁性正接μtanδと最大指向性利得との関係を示す図。 アンテナ基材の給電側に当該アンテナ基材より短いナノ磁性体を配置した場合の最大指向性利得の周波数特性を、アンテナ基材の全域に渡りナノ磁性体を配置した場合と対比して示す図。 磁性体の体積と共振周波数との関係を示す図。 第2の実施形態に係るアンテナ装置を拡大して示す斜視図。 図11に示したアンテナ装置の電流分布を示す図。 図2に示したアンテナ装置の電流分布を示す図。 図11に示したアンテナ装置の回路構成を示す図。 図11に示したアンテナ装置のヘリカル部の長さと最大指向性利得との関係を示す図。 図11に示したアンテナ装置による電流分布を示す図。 第3の実施形態に係るアンテナ装置による電流分布を示す図。
以下、図面を参照して幾つかの実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るアンテナ装置を備えた電子機器の要部構成を示す図である。この電子機器は、携帯電話機、スマートホン、PDA(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末、ノート型パーソナル・コンピュータ或いはカーナビゲーション端末等の携帯可能な端末からなり、図示しない筐体内には印刷配線基板1が収容される。
上記印刷配線基板1は、接地パターン部2と、接地パターンが形成されていない誘電体部3とを有し、この誘電体部3には携帯端末を構成するために必要な複数の回路モジュールが実装され、また導電パターンが形成される。回路モジュールの中には無線ユニットが含まれる。無線ユニットは、通信対象となる無線システムに割り当てられたチャネル周波数を用いて無線信号を送受信する機能を有する。また、上記誘電体部3には給電端子43及び接地端子44が設けられ、この給電端子43には図示しない給電パターンを介して上記無線ユニットが接続される。
また、上記印刷配線基板1の上記誘電体部3上の端部にはアンテナ装置4が配置される。このアンテナ装置4は次のように構成される。図2はこのアンテナ装置4とその周辺部を拡大して示した斜視図、図3及び図4はそれぞれ当該アンテナ装置4の縦断面図及び横断面図である。
すなわち、アンテナ装置4は、アンテナ基材41と、アンテナ素子42と、磁性体45とを備えている。
アンテナ基材41は、図3及び図4に示すように横断面形状が正方形をなす樹脂製の有底筒体からなる。アンテナ素子42は線状導体からなり、上記アンテナ基材41の外周面にその長さ方向の全域に渡ってヘリカル状に巻回される。アンテナ素子42の基端部は上記給電端子43に接続され、また先端部は開放端となる。
磁性体45は、絶縁マトリクス基材に磁性ナノ粒子を三次元状に分散して配置したナノグラニュラ(nanogranular)構造をなす磁性材料を用いたもので、図3及び図4に示すように断面形状が正方形をなす棒状に成型され、上記アンテナ基材41の筒体内に収容される。すなわち、アンテナ基材41の筒体はアンテナ素子42の給電端子43に近い側に形成されているため、上記磁性体45はヘリカル状に形成されたアンテナ素子42の給電端子43に近い側に配置される。
絶縁マトリクス基材としては、例えばゴムや絶縁性樹脂、絶縁性セラミックが使用される。磁性ナノ粒子としては強磁性を有する金属粒子が使用される。強磁性とは外部磁場が無くても磁気モーメントが規則的に配列して自発的に磁化を形成する性質のことであり、この性質を有する金属粒子には例えばCo、Fe、Niがある。このような構造を有する磁性部材は、透磁率μが高くかつ低損失でしかも厚膜化が容易であるという特徴を有している。
より具体的には、絶縁マトリクス基材はコアシェル型磁性粒子と酸化物粒子とを含む。このうちコアシェル型磁性粒子は、磁性金属粒子とこの磁性金属粒子の表面の少なくとも一部を被覆する酸化物被覆層を含む。磁性金属粒子は、Co、Fe、Niからなる群から選ばれる少なくとも一つの磁性金属と、Mg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、希土類元素、Ba及びSrから選ばれる少なくとも一つの非磁性金属と、炭素及び窒素から選ばれる少なくとも一つの元素を含む。また、酸化物被覆層は、上記磁性金属粒子の構成成分の1つである非磁性金属を少なくとも1つ含む酸化物からなる。
また上記酸化物粒子としては、上記磁性金属粒子間の少なくとも一部に存在し、Mg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、希土類元素、Ba及びSrから選ばれる少なくとも一つの非磁性金属を含み、粒子中の非磁性金属/磁性金属(原子比)が、上記酸化物被覆層中の非磁性金属/磁性金属(原子比)よりも大きいものが用いられる。
さらに上記磁性金属粒子としては1nm以上、1000nm以下の平均粒径を有するものが用いられ、上記酸化物被覆層は0.1nm以上、100nm以下の厚さとなるように設定される。また上記酸化物粒子としては、1nm以上、100nm以下の平均粒径を有するものが用いられる。
ところで、上記磁性体45に関する各種パラメータは次のように設定される。
(1)磁性材料の種類と損失
地上デジタル放送用のアンテナで使用する磁性材料としては、UHF帯でも高い透磁率(高い透磁率実部と低い透磁率虚部)を示す材料が求められる。この条件を満たす磁性材料としてはナノ磁性体が挙げられる。
例えば、図1に示すように印刷配線基板1のサイズを95×40mm、そのうち接地パターン部2の形成領域を80×40mm、誘電基板領域を15×40mmとする。また、アンテナ基材41の長さを40mm、このアンテナ基材41の筒内に収容される磁性体45の長さbを20mm、当該磁性体45の横断面の一辺の長さaを2mm、アンテナ基材41の壁の厚さcを0.4mmとする。そして、この構成の下で、400〜700MHzを測定対象帯域として本実施形態のアンテナ装置の最大指向性利得[dBd]を測定する。この結果、最大指向性利得の周波数特性は、磁性体45としてナノ磁性体を用いた場合には図5のAに示すようになり、これに対し磁性体45としてフェライトを用いた場合には図5のBに示すようになる。
この特性から明らかなように、測定対象帯域の全域においてナノ磁性体はフェライトに比べて最大指向性利得が1.4dB向上する。換言すると、ナノ磁性体はフェライトに比べて測定対象帯域の全域に渡り1.4dB低損失となる。なお、図6はナノ磁性体とフェライトの、誘電率εr 、誘電正接εr tanδ、透磁率μr 、磁性正接μr tanδの代表的な値を比較して示した図である。以上の測定結果から、UHF帯用アンテナの磁性体45として、ナノ磁性体が好適であることが改めて確認された。
次に、ナノ磁性体の磁性正接μr tanδの最適値について述べる。磁性正接μr tanδとは、透磁率μの実部に対する虚部の割合を示す値である。
例えば、磁性正接μr tanδが0.5%、1%、2%、3%、4%、5%にそれぞれ設定された複数のナノ磁性体を用意する。そして、これらのナノ磁性体について、520〜560MHzを測定対象帯域として本実施形態のアンテナ装置の最大指向性利得[dBd]を測定する。この測定の結果、最大指向性利得の周波数特性は、図7に示すように測定対象帯域の全域に渡り磁性正接μr tanδが小さいほど利得が大きくなる。ここで、UHF帯の代表的な周波数である540MHzにおいてアンテナに要求される指向性利得を−5.6dBd以上と仮定すると、上記測定結果から磁性正接μr tanδは1.0%以下となる。図8は、磁性正接μtanδと最大指向性利得との関係を示す図である。
以上の測定結果から、UHF帯用のアンテナに使用するナノ磁性体としては、磁性正接μtanδが1%以下となる磁性材料が最適であることが分かる。この磁性正接μtanδの値は、先に述べた絶縁マトリクス基材を構成するコアシェル型磁性粒子及び酸化物粒子の種類やサイズ、密度等を適宜選択することで実現可能である。
(2)磁性体のサイズ
480〜550MHzを測定対象帯域として、磁性体長bをb=20mmに設定した本実施形態のアンテナ装置と、磁性体長bをb=40mmに、つまりアンテナ基材41の長さと同一に設定した場合の最大指向性利得[dBd]をそれぞれ測定する。なお、本実施形態のアンテナ装置では、共振周波数を調整するためにアンテナ素子41に対し直列にインダクタ(Ls=44nH)を挿入してある。
この測定の結果、最大指向性利得の周波数特性は、図9に示すように測定対象帯域の全域に渡り磁性体長b=20mmのものの方がb=40mmのものより最大指向性利得が大きくなり、さらに広帯域となる。
また、アンテナ基材41を無くして磁性体45のみとし、磁性体45の外周面にアンテナ素子42を直接巻回するとアンテナ装置を小型化することができる。しかし、アンテナ素子42と磁性体45との間隔が小さくなるに従い、誘電率εの実部と誘電体損が大きくなり、最大指向性利得の帯域が狭くなる。また、誘電正接εtanδが大きくなると、利得が低下する。
したがって、磁性体45のサイズが大き過ぎると、かえってアンテナ装置の最大指向性利得の周波数特性は劣化する。このため、磁性体45には適切なサイズがあることが推測できる。適切なサイズの具体例については次に述べる。
(3)磁性体の体積とf(波長短縮率)との関係
地上波デジタル放送の周波数帯は470MHzから770MHzであり、最も低い周波数の470MHzの場合、半波長は32cmであり、1/4波長でも16cmである。これに対して、携帯電話機等の携帯端末50は、長手方向で10cm程度、短手方向で5cm程度といった寸法である。従って、地上波デジタル放送用のアンテナ装置を携帯端末に収納するためには、波長短縮率の大きなアンテナ装置が必要となる。ヘリカル型アンテナの場合、ヘリカルアンテナ素子と並行に透磁率の高い磁性体45を設けることにより大きな波長短縮率を得ることが可能であり、また磁性体45の体積と波長短縮率との間には相関がある。
例えば、磁性体45の横断面の面積a×a=1.5×1.5mm、2.0×2.0mm、2.5×2.5mmの3つの場合について、それぞれ磁性体45の長さbをb=10、20、25、30mmに変化させたときの、波長短縮率f/f0を測定する。そうすると、磁性体45の体積に対する波長短縮率f/f0 は図10に示すように変化する。この特性から、磁性体45の体積を増やしても、ある値以上になると波長短縮率f/f0 はそれ以上変化せずに一定になることが分かる。例えば、a×a=2.0×2.0mmの場合には、磁性体長bが25mm以上になると波長短縮率f/f0 は変化しなくなる。
以上のことから、磁性体45の長さbは、アンテナ素子41の全長(基端部から先端部までの長さ)の75%以下、或いはアンテナ基材42の全長の31〜58%となるように設定するとよい。また、磁性体45の体積はアンテナ基材41の体積の10〜22%に設定することが適当である。例えば、アンテナ基材41の体積を270〜460mm3とすると、磁性体45の体積は50〜100mm3に設定するとよい。特に、磁性体45の体積と波長短縮率との関係を調べてみると、磁性体45の体積が60mm3 の時に波長短縮率に特異点が見られ、80mm3以上では波長短縮率は逆に劣化する。したがって、磁性体45の体積は60mm3に設定するのが最適である。
また、磁性体45の横断面の一辺の長さaを大きくするに従い、アンテナ基材41の壁厚が薄くなって製作は難しくなる。反対に、aを小さくするに従い磁性体45は細くなって折れやすくなる。このため、磁性体45の横断面の一辺の長さaは、1.5≦a≦2となるように設定するとよい。
なお、アンテナ基材41に形成されている筒体内の内径寸法及び深さ寸法は、それぞれ上記磁性体45の横断面の一辺の長さa及び長手方向の長さbに対応して定められる。
以上詳述したように第1の実施形態によれば以下のような作用効果が奏せられる。
すなわち、コアシェル型磁性粒子を成形固化したナノ磁性体は、UHF帯、或はそれ以上の高い周波数帯においても高い透磁率(高い透磁率実部と低い透磁率虚部)を示すため、地上波デジタル放送受信用のヘリカルアンテナの基材41内にナノ磁性体45を配置すると、大きな波長短縮率が得られ、さらに誘電体損失の影響は見えにくくなり、携帯電話機等の小型の携帯端末に内蔵可能なアンテナ装置を実現することができる。
また、誘電体材料からなるアンテナ基材41の軸方向の領域を、給電端側の領域と開放端側の領域の2つの領域に分け、開放端側の領域には磁性体45を挿入せず、給電端側の領域にのみ磁性体45を挿入している。具体的には、アンテナ基材41の軸方向の領域を略2等分し、給電端側の領域にのみアンテナ基材41の中心に筒による空洞部を形成し、この空洞部内にその深さ寸法とほぼ同じ長さの柱状に形成された磁性体45を挿入している。
一般にヘリカル型アンテナでは、ヘリカルアンテナ素子42を流れる電流によって、ヘリカル型アンテナの中心軸に最も強い磁界が発生する。また、ヘリカルアンテナ素子42上の軸方向の電流分布は、給電端が最も大きく、開放端に向かって減少し、開放端ではほぼゼロになる。ヘリカルアンテナ素子42の中心軸方向の磁界分布も電流分布と相似となる。
磁界が発生する領域に磁性体45を配置すると、一般にアンテナの波長短縮率は大きくなるが、磁界の小さな領域に磁性体45を配置しても、波長短縮率の増大に寄与する効果は少ない。逆に、磁界の大きな領域に磁性体45を配置すると大きな波長短縮率が得られる。
他方、ナノ磁性体45の材料であるコアシェル型磁性粒子は、他の一般的な磁性体に比べると現時点では量産効果が得られていない等の理由から高コストである。そこで、本実施形態に係るアンテナ装置4では、磁性体45の長さをアンテナ装置4の全長の約半分程度とし、磁性体45を磁界の強い給電端側の領域に配置することにより、コストパーフォーマンスを高めている。
さらに、ヘリカルアンテナ素子42を磁性体45の表面に直接巻き付けるのではなく、磁性体30を筒内に収容した有底筒体からなる誘電体アンテナ基材41の外周面にヘリカルアンテナ素子42を巻き付けている。このため、誘電体アンテナ基材41が磁性体45とアンテナ素子42との間のスペーサ12として機能することになる。
前述したように、磁性体45の主成分はコアシェル型磁性粒子であり、コアシェル型磁性粒子は磁性金属粒子を誘電体(酸化物被膜層)で被覆した構造である。このため、磁性体45は、酸化物被覆層による誘電体損失をもつ。この誘電体損失は、磁性体45と線状導体からなるヘリカルアンテナ素子42との距離が大きいほど小さくなる。
本実施形態に係るアンテナ装置4では、ヘリカルアンテナ素子42と磁性体45との間にアンテナ基材41がスペーサとして介在する。このため、アンテナ素子42と磁性体45との間にアンテナ基材41の厚み分cによる距離を確保することができ、アンテナ素子42を磁性体45に直接巻き付ける形態のアンテナに比べて誘電体損失を低く抑えることができる。
また、コアシェル型磁性粒子を成形固化したナノ磁性体45は高い透磁率を示すものの、強度的には必ずしも強くない。本実施形態に係るアンテナ装置4は、磁性体45を外部に露出させるのでなく、磁性体45をアンテナ基材41の筒内に収容している。このため、アンテナ基材41により磁性体45の強度を補完して、アンテナ装置4の信頼性を高く保持することができる。
また、前述したように、ヘリカルアンテナ素子42によって発生する磁界はヘリカルアンテナ素子42の軸中心近傍が強く、素子近傍の磁界はむしろ小さい。従って、磁性体45の太さをヘリカルアンテナ素子42の径よりも細くしたとしても、磁性体45を軸中心に配置さえすれば波長短縮率に寄与する効果はそれ程劣化しない。逆に、磁性体45を細くすることによって使用するコアシェル型磁性粒子の量が減るため、コストパーフォーマンスをさらに高めることができる。
さらに第1の実施形態では、磁性体45の透磁率及びサイズについて最適値を提案している。すなわち、磁性体45として磁性正接μr tanδが1.0%以下のものを使用し、磁性体45としてその長さbをアンテナ素子41の全長(基端部から先端部までの長さ)の75%以下、アンテナ基材42の全長の31〜58%、或いは磁性体45の体積をアンテナ基材41の体積の10〜22%に設定するようにしている。
したがって、磁性体45の透磁率及びサイズを最適化することができ、これにより損失が少なくかつ小型で安価なUHF帯用の磁性体ヘリカルアンテナを提供することが可能となる。
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す斜視図である。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してある。
第2の実施形態に係るアンテナ装置5は、印刷配線基板1の誘電体基板領域3にその基板寸法のほぼ1/2の長さの樹脂製(誘電体)からなるアンテナ基材51を配置している。そして、アンテナ素子の給電端子54から上記アンテナ基材51までの区間を直線の導電パターン52として印刷配線基板1上に形成し、アンテナ素子の上記アンテナ基材51から開放端までの区間を上記アンテナ基材51の外周面に巻き付けることでヘリカル部53を形成している。なお、55は接地端子である。
また、上記アンテナ基材51は図3及び図4と同様に有底筒体により構成され、筒内柱状の磁性体56が収容される。この磁性体56は、第1の実施形態と同様に絶縁マトリクス基材に磁性ナノ粒子を三次元状に分散して配置したナノグラニュラ(nanogranular)構造をなす磁性材料を用いたナノ磁性体からなる。また、磁性体56の長さはアンテナ機材51長より短く設定され、アンテナ基材51の筒内において給電端子54に近い側に配置される。
このような構成であるから、アンテナ素子は給電端子54から中間部位までの区間が直線導電パターン52により構成され、中間部位から開放端までの区間がヘリカル部53により構成される。このため、給電端子54に近い区間が直線導電パターン52となることで放射抵抗が上がり、アンテナ素子上の電流分布は図12に示すように広い区間に渡って高い電流値を示すようになる。ちなみに、第1の実施形態で述べたアンテナ装置4による電流分布は、図13に示すように電流値の高い区間が狭くなる。
ヘリカル部53の長さを可変したときの最大指向性利得[dBd] の測定例を図15に示す。なお、測定にあたっては、所望の共振周波数を得るためにアンテナ素子には直列にインダクタLs が挿入され、またアンテナ素子と接地端との間にはインダクタLp が挿入される。図14は、この測定のためのアンテナ装置5の回路構成を等価的に示した図である。
図15に示す測定結果から明らかなように、ヘリカル部53の長さを20mmに短縮した場合でも、また10mmに短縮した場合でも、40mmの場合(第1の実施形態)に比べて、最大指向性利得[dBd] の低下は微小である。
なお、ヘリカル部53の長さを20mmに設定し、この状態でヘリカル部53におけるアンテナ素子の巻き数を15回から60回に増やすと、最大指向性利得は−20.4[dBd] から−18.3[dBd] へと、約2dB向上する。したがって、ヘリカル部53の長さを短縮した場合でも、当該ヘリカル部53におけるアンテナ素子の巻き数を増加させることにより、最大指向性利得[dBd] の低下を補って余りある効果を得ることが可能である。
また第2の実施形態によれば、ヘリカル部53においてはアンテナ基材51の筒内にナノ磁性体56が収容されている。このため、ヘリカル部53の電流分布を改善し、波長短縮率を高めることができる。しかも、磁性体56はアンテナ基材51の筒内の給電端子54に近い側にのみ配置されるので、高価なナノ磁性体をさらに小型化することができる。
[第3の実施形態]
第2の実施形態に述べたアンテナ装置5では、給電端子54とヘリカル部53との間に直線導体パターン52を設けたことにより、例えば図16に示すように直線導電パターン52の区間の電流分布が高くなる。一般に、アンテナ装置では電流分布の高い位置で給電することが好ましい。
第3の実施形態は、図17に示すように直線導体パターン52上の任意の位置で給電するものである。図11に示した構成を例にとると、直線導電パターン52の垂直パターン部から水平パターン部に曲がる位置、或いは直線導電パターン52の中間点とヘリカル部53との間の任意の位置に給電端子54を配置する。具体的には、直線導電パターン52の中間位置に直列に共振周波数調整用のインダクタLs が挿入されている場合には、このインダクタLs の両端のいずれかに給電する。
以上のように構成すると、アンテナ装置の放射抵抗をさらに増加させ、これにより帯域を拡大することが可能となる。
[その他の実施形態]
前記各実施形態では、磁性体として横断面形状が正方形からなる柱状体を用いる場合を例にとって説明したが、横断面形状が円形、楕円形、長方形をなす円柱体や板状体を用いてもよい。その他、ナノ磁性体の組成や各部の寸法、配置位置等についても適宜変形が可能である。
また前記各実施形態では、アンテナ装置を印刷配線基板に設置する場合を例にとって説明したが、電子機器の筐体裏面や表面に設置したり、折り畳み型の携帯端末のようにヒンジを備えている電子機器については、このヒンジ内にアンテナ装置を収容するようにしてもよい。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態はいずれも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…印刷配線基板、2…接地パターン部、3…誘電体部、4,5…磁性体ヘリカルアンテナ、41,51…アンテナ基材、42…アンテナ素子、43,54…給電端子、44,55…接地端子、45…磁性体、52…アンテナ素子の直線導電パターン、53…アンテナ素子のヘリカル部。

Claims (8)

  1. 基端部又はその近傍位置と先端部との間がヘリカル状に形成されたヘリカル部を有し、このヘリカル部の前記基端部が給電部に接続されると共に先端部が開放されたアンテナ素子と、
    筒状体を成す誘電体材料からなり、前記アンテナ素子のヘリカル部の空洞内に配置されるアンテナ基材と、
    透磁率の実部に対する虚部の割合を示す磁性正接μtanδが1%以下に設定された磁性材料からなり、前記アンテナ基材内に配置される磁性体と
    を具備するアンテナ装置。
  2. 前記磁性体は、その長さが前記アンテナ素子の長さの75%以下に設定されるものである請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記磁性体は、その長さが前記アンテナ基材の長さの31〜58%に設定されるものである請求項1記載のアンテナ装置。
  4. 前記磁性体は、その体積が前記アンテナ基材の体積の10〜22%に設定されるものである請求項1記載のアンテナ装置。
  5. 基端部と中間部との間が直線状に形成された直線部と、前記中間部と先端部との間がヘリカル状に形成されたヘリカル部とを有し、前記基端部が給電部に接続されると共に先端部が開放されたアンテナ素子と、
    筒状体を成す誘電体材料からなり、前記アンテナ素子のヘリカル部の空洞内に配置されるアンテナ基材と、
    透磁率の実部に対する虚部の割合を示す磁性正接μtanδが1%以下に設定された磁性材料からなり、前記アンテナ基材内に配置される磁性体と
    を具備するアンテナ装置。
  6. 前記磁性体は、絶縁マトリクス基材に磁性ナノ粒子を三次元状に分散して配置したナノグラニュラ(nanogranular)構造をなす磁性材料により構成されるものである請求項1乃至5のいずれかに記載のアンテナ装置。
  7. 無線信号を送受信する無線回路と、
    前記無線回路に接続されるアンテナ装置と
    を具備し、
    前記アンテナ装置は、
    基端部又はその近傍位置と先端部との間がヘリカル状に形成されたヘリカル部を有し、このヘリカル部の前記基端部が給電部に接続されると共に先端部が開放されたアンテナ素子と、
    筒状体を成す誘電体材料からなり、前記アンテナ素子のヘリカル部の空洞内に配置されるアンテナ基材と、
    透磁率の実部に対する虚部の割合を示す磁性正接μtanδが1%以下に設定された磁性材料からなり、前記アンテナ基材内に配置される磁性体と
    を備える電子機器。
  8. 無線信号を送受信する無線回路と、
    前記無線回路に接続されるアンテナ装置と
    を具備し、
    前記アンテナ装置は、
    基端部と中間部との間が直線状に形成された直線部と、前記中間部と先端部との間がヘリカル状に形成されたヘリカル部とを有し、前記基端部が給電部に接続されると共に先端部が開放されたアンテナ素子と、
    筒状体を成す誘電体材料からなり、前記アンテナ素子のヘリカル部の空洞内に配置されるアンテナ基材と、
    透磁率の実部に対する虚部の割合を示す磁性正接μtanδが1%以下に設定された磁性材料からなり、前記アンテナ基材内に配置される磁性体と
    を備える電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017193914A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 株式会社クボタケミックス 圃場用電動アクチュエータ

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