JP2012158856A - ネクタイ用ディンプル形成具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネクタイを結ぶ際に特別な道具を用いることなく綺麗な形状のディンプルを簡単に形成しながらネクタイを結ぶことができる小型軽量のネクタイ用ディンプル形成具を提供する。
【解決手段】ネクタイ用ディンプル形成具100は、ネクタイ90のディンプル形成領域91に形成した折畳部93を挟むディンプル形成本体101と、このディンプル形成本体101を支持する本体スタンド110とで構成されている。ディンプル形成本体101は、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとがネクタイ90に形成した折畳部93の厚さより狭い幅となる間隔を介して対向配置された状態で互いの下端部同士が狭力付与部106によって繋がって正面視略U字状に形成されている。第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bは、外側に向って張り出す曲面部103と内側に向って張り出す曲面部104とが上下方向に連続的に繋がってそれぞれ構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】ネクタイ用ディンプル形成具100は、ネクタイ90のディンプル形成領域91に形成した折畳部93を挟むディンプル形成本体101と、このディンプル形成本体101を支持する本体スタンド110とで構成されている。ディンプル形成本体101は、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとがネクタイ90に形成した折畳部93の厚さより狭い幅となる間隔を介して対向配置された状態で互いの下端部同士が狭力付与部106によって繋がって正面視略U字状に形成されている。第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bは、外側に向って張り出す曲面部103と内側に向って張り出す曲面部104とが上下方向に連続的に繋がってそれぞれ構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ネクタイの結び目に凹状に窪んだディンプルを形成するためのネクタイ用ディンプル形成具に関する。
従来から、ネクタイを結ぶ際にネクタイの結び目の直下(大剣部上部)部分に凹状の窪んだ所謂ディンプルを形成することにより、ネクタイの結び目の意匠に特徴を持たせることが行なわれている。一般に、このようなディンプルは、ネクタイを結ぶ際にネクタイの結び目の形成と同時に手作業で行われている。具体的には、ネクタイの使用者は、ネクタイの大剣部の上部の中央部分を指で凹ませることにより、ディンプルの形状、形成位置および形成長さをそれぞれ調整しながら行う。
しかし、このディンプルの形成は、ネクタイの結び目の形状や大きさの調整とともに行われるため、ネクタイを結ぶ作業が極めて煩雑かつ時間が掛かる作業であった。そこで、例えば、下記特許文献1には、ネクタイの大剣部の上部中央部をM字状に挟み込みながらネクタイを結ぶことによりディンプルを形成する結び目補助具が提案されている。
しかしながら、このような結び目補助具を用いたネクタイの結び作業は、ネクタイと結び目補助具とを共に把持しながら結び目補助具のずれおよび落下を防止しながら行なわれるため、依然として煩雑で困難な作業であるという問題がある。また、上記結び目補助具は、ネクタイを挟むことができるとともにこの挟んだ状態で良好に操作することができる大きさに形成されているため、携帯性に乏しく外出先などでの使用が実質的に困難であるという問題もあった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、ネクタイを結ぶ際に特別な道具を用いることなく綺麗な形状のディンプルを簡単に形成しながらネクタイを結ぶことができる小型軽量のネクタイ用ディンプル形成具を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明の特徴は、ネクタイ用ディンプル形成具が、ネクタイの結び目の直下部分に凹状に窪んだディンプルを形成するためのネクタイ用ディンプル形成具であって、ネクタイにおけるディンプルの形成位置となる部分の幅方向中央部をネクタイの長手方向に沿って凹状に折り畳んだ折畳部を両側から挟むための第1の挟み体および第2の挟み体からなる挟み部と、第1の挟み体および第2の挟み体のうちの少なくとも一方に、他方に向かう力を生じさせる狭力付与部とからなるディンプル形成本体を備えることにある。
このように構成した請求項1に係る本発明の特徴によれば、ネクタイ用ディンプル形成具は、ネクタイにディンプルを形成するためのディンプル形成本体がネクタイにおけるディンプルの形成位置となる部分を凹状に折り畳んだ折畳部を両側から挟む第1の挟み体および第2の挟み体からなる挟み部と、第1の挟み体および第2の挟み体に折畳部を挟むための力を付与する狭力付与部とで構成されている。したがって、ネクタイにディンプルを形成するネクタイの使用者は、ネクタイを結ぶ前に、ネクタイにおけるディンプルの形成位置を凹状に折り畳んだ折畳部をディンプル形成本体の挟み部内に挿し込んでおくことにより、同ディンプルの形成位置に予め凹形状の折り癖を付けておくことができる。これにより、使用者は、ネクタイを結ぶに際しては、ネクタイからディンプル形成本体を取り外すことによりディンプルの形状に対応する凹形状の折り癖が形成されたネクタイによって、特別な道具を用いることなく綺麗な形状のディンプルを簡単に形成しながらネクタイを結ぶことができる。また、このネクタイ用ディンプル形成具は、ネクタイにおけるディンプルの形成位置となる部分を癖付けるためのものであり、従来の結び目補助具に比べて小型軽量であるため、外出先への携帯性も優れており外出先でのディンプルの形成も容易に行なうことができる。
また、請求項2に係る本発明の他の特徴は、前記ネクタイ用ディンプル形成具において、挟み部は、第1の挟み体と第2の挟み体とが折畳部の厚さ以下の間隔を介して対向配置されており、狭力付与部は、第1の挟み体および第2の挟み体における互いに対向する端部同士を連結しており、ディンプル形成本体は、挟み部および狭力付与部が互いに同一素材で一体的に形成されていることにある。
このように構成した請求項2に係る本発明の他の特徴によれば、ネクタイ用ディンプル形成具におけるディンプル形成本体は、第1の挟み体と第2の挟み体とが折畳部の厚さ以下の間隔を介して対向配置されて狭力付与部によって連結されるとともにこれらが同一素材で一体的に成形されている。この場合、挟み部および狭力付与部は、樹脂材、ゴム材または鋼板材などで構成することができる。これによれば、ディンプル形成本体を簡単かつ小型軽量に構成することができる。
また、請求項3に係る本発明の他の特徴は、前記ネクタイ用ディンプル形成具において、さらに、挟み部は、第1の挟み体および第2の挟み体における狭力付与部によって連結された端部とは反対側の各端部側が開放したネクタイ挿入口が形成されており、ディンプル形成本体における狭力付与部側を支持する本体スタンドを備えることにある。
このように構成した請求項3に係る本発明の他の特徴によれば、ネクタイ用ディンプル形成具は、ディンプル形成本体における狭力付与部の反対側にネクタイ挿入口を備えるとともに、同ディンプル形成本体における狭力付与部側を支持する本体部スタンドを備えている。したがって、作業者は、ディンプル形成本体を本体部スタンドに支持させることによりディンプル形成本体を安定させることができ、ディンプル形成本体における挟み部にネクタイの折畳部を挿し込み易くなる。これにより、ネクタイ用ディンプル形成具の操作性が向上する。なお、この場合、本体部スタンドは、ディンプル形成本体に対して分離不能に一体的に構成されていても良いし、互いに着脱可能に構成されていても良い。
また、請求項4に係る本発明の他の特徴は、前記ネクタイ用ディンプル形成具において、挟み部は、第1の挟み体および第2の挟み体における狭力付与部によって連結された端部とは反対側の各端部側が互いに遠ざかる方向に延びて形成されていることにある。
このように構成した請求項4に係る本発明の他の特徴によれば、ネクタイ用ディンプル形成具は、第1の挟み体および第2の挟み体における狭力付与部とは反対側の各端部側が互いに遠ざかる方向に延びて開いた形状に形成されている。これにより、ネクタイ用ディンプル形成具は、挟み部内へのネクタイの折畳部の挿し込みが行い易くなるため、操作性が向上する。
また、請求項5に係る本発明の他の特徴は、前記ネクタイ用ディンプル形成具において、挟み部は、第1の挟み体および第2の挟み体のうちの少なくとも一方に、他方に向かって曲面が凸状に張り出す曲面部が形成されていることにある。
このように構成した請求項5に係る本発明の他の特徴によれば、ネクタイ用ディンプル形成具は、挟み部における第1の挟み体および第2の挟み体のうちの少なくとも一方に、他方に向かって曲面が凸状に張り出す曲面部が形成されている。これにより、ネクタイ用ディンプル形成具は、第1の挟み体および第2の挟み体のうちの少なくとも一方に形成された曲面部によりネクタイの折畳部を押圧するため、単位面積当たりの押圧力が向上してより精度良くネクタイに折り癖を形成することができる。
以下、本発明に係るネクタイ用ディンプル形成具の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1(A),(B)は、本発明に係るネクタイ用ディンプル形成具100を構成するディンプル形成本体101の外観構成を概略的に示しており、(A)はディンプル形成本体101の正面図であり、(B)は(A)に示すディンプル形成本体101を図示右側から見た側面図である。また、図2は、ディンプル形成本体101をネクタイ90に装着した状態におけるネクタイ90の表側から見た平面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。
このネクタイ用ディンプル形成具100は、ネクタイ90におけるディンプル(図示せず)の形成位置となる部分を含むディンプル形成領域91にディンプルの形成を容易にするための折り癖92を付けるためのものである。この場合、ディンプルとは、ネクタイ90を結ぶ際にネクタイ90の結び目(図示せず)の直下(大剣部上部)部分に凹状に窪んだ形状を形成することによりネクタイ90の結び目周辺の意匠性を向上させるための装飾である。したがって、ディンプル形成領域91は、ネクタイ90における大剣部と中継ぎ部との境界およびその周辺部分となる。
(ネクタイ用ディンプル形成具100の構成)
ネクタイ用ディンプル形成具100は、ディンプル形成本体101を備えている。ディンプル形成本体101は、ネクタイ90におけるディンプル形成領域91を挟むための樹脂製の部品であり、主として、挟み部102と狭力付与部106とによって正面視略U字状に形成されている。挟み部102は、ネクタイ90の大剣部の上部におけるディンプル形成領域91をネクタイ90の両側から挟んで押えるため部分であり、板状体の第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとによって構成されている。
ネクタイ用ディンプル形成具100は、ディンプル形成本体101を備えている。ディンプル形成本体101は、ネクタイ90におけるディンプル形成領域91を挟むための樹脂製の部品であり、主として、挟み部102と狭力付与部106とによって正面視略U字状に形成されている。挟み部102は、ネクタイ90の大剣部の上部におけるディンプル形成領域91をネクタイ90の両側から挟んで押えるため部分であり、板状体の第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとによって構成されている。
第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bは、互いに反対方向に凸状に張り出す2つの曲面部103,104が図示上下方向に連続的に繋がってそれぞれ構成されている。これらの2つの曲面部103,104のうち、曲面部103は、第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bにおける図示下側部分を構成しており、互いに外側に向かって凸状に張り出す曲面で構成されている。また、曲面部104は、第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bにおける図示上側部分を構成しており、互いに内側に向かって凸状に張り出す曲面で構成されるとともに、各曲面部104の各先端部がそれぞれ外側に向って開いた形状に形成されてネクタイ挿入口105を構成している。
そして、これらの曲面部103,104で構成された第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとは、図3に示すように、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとの間の最も狭い部分(括れ部108)で、ネクタイ90に形成した折畳部93の厚さより狭い幅となる間隔を介して対向配置された状態で互いの図示下端部同士が狭力付与部106によって繋がっている。ここで、ネクタイ90に形成した折畳部93は、ネクタイ90のディンプル形成領域91を長手方向に沿った3つのラインで折り畳むことにより断面形状を略W字状に形成した部分である。したがって、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとの間隔は、最も狭い部分でネクタイ90に形成した折畳部93の厚さより狭い幅が好適であるが、折畳部93には広がろうとする力も考慮すれば折畳部93の厚さより若干広い幅に設定することもできる。
狭力付与部106は、ディンプル形成本体101における第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bに対して互いに向い合う方向(近接する方向)に力を生じさせるための部分であり、第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bの各下端部間において略U字状に屈曲して形成されている。この狭力付与部106は、弾性変形することにより、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとに対して互いに向い合う方向(近接する方向)の力をそれぞれ生じさせる。すなわち、本実施形態において狭力付与部106は、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとを互いに対向した姿勢で連結するとともに、弾性変形することによって第1の挟み体102aの上端部側と第2の挟み体102bの上端部側とが互いに離隔する開いた状態において第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとに互いに向い合う方向(近接する方向)の力をそれぞれ生じさせる。
これにより、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとの間には、互いに対向する2つの曲面部103によって互いに外側に向って膨らんだネクタイ収容部107が形成されるとともに、同ネクタイ収容部107の図示上側に互いに対向する2つの曲面部104によって括れた括れ部108が形成されて全体として正面視において袋状に形成される。そして、この場合、ネクタイ収容部107は、ネクタイ収容部107内にディンプル形成領域91を収容した状態においてネクタイ90の中央部を2つ折りにした部分(図において破線円で示す)が括れ部108によって挟まれる深さに形成されている。
すなわち、ディンプル形成本体101は、互いに対向配置された第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとが狭力付与部106を介して一体的に繋がって構成されている。本実施形態においては、ディンプル形成本体101は、単一の樹脂素材(本実施形態においては、ポリプロピレン樹脂)を射出成形により第1の挟み体102a、第2の挟み体102bおよび狭力付与部106が一体的に成形されている。すなわち、ディンプル形成本体101は、第1の挟み体102a、第2の挟み体102bおよび狭力付与部106が同一の樹脂素材によって構成されている。
なお、本実施形態においては、ディンプル形成本体101における各部の寸法は、高さが約30mm、外幅が約12mm、長さが約40mm、ネクタイ収容部107の最大内幅が約7mm、括れ部108の最小幅が約3mm、ネクタイ収容部107の底部から括れ部108までの深さが約22mmにそれぞれ成形されている。但し、これらのディンプル形成本体101における構成素材および各部の寸法は、本実施形態に限定されるものでなくネクタイ90との関係において適宜設定されるものである。この場合、ネクタイ収容部107の最大内幅は、本実施形態においては折畳部93の厚さ以下に設定されているが、同最大内幅は折畳部93の厚さより広い幅で形成することもできる。また、本実施形態においては、ディンプル形成本体101は、ネクタイ90の引っ掛かりによる損傷を防止するために各角部が丸く形成されている。
また、このネクタイ用ディンプル形成具100は、本体スタンド110を備えている。本体スタンド110は、図4(A),(B)に示すように、ディンプル形成本体101を水平な台上で支持するための樹脂製の受け台であり、水平方向に延びる棒状に形成されている。この本体スタンド110は、断面形状が台形状に形成されてディンプル形成本体101の長手方向の長さに対応する長さの台部111の上面に凹状に切り欠かれた支持部112が形成されて構成されている。支持部112は、ディンプル形成本体101における曲面部104および狭力付与部106によって構成された部分(換言すればネクタイ収容部107)を収容する部分であり、台部111の上面中央部に同台部111の長手方向に沿って溝状に形成されている。この支持部112は、ディンプル形成本体101の外幅よりも若干広い溝幅で形成されているとともに、ディンプル形成本体101の挟み部102の図示下側半分を収容可能な深さで形成されている。また、支持部112の底部は、ディンプル形成本体101の底部、換言すれば、狭力付与部106の外側底部の形状に沿った形状に形成されている。なお、図4(A),(B)においては、ディンプル形成本体101を二点鎖線で示している。
(ネクタイ用ディンプル形成具100の作動)
次に、このように構成されたネクタイ用ディンプル形成具100の作動について説明する。まず、ネクタイ用ディンプル形成具100の使用者は、ディンプル形成本体101および本体スタンド110からなるネクタイ用ディンプル形成具100およびディンプルの形成対象となるネクタイ90をそれぞれ用意する。なお、この場合、ネクタイ90は、一般的に市販されている通常の紳士用ネクタイである。
次に、このように構成されたネクタイ用ディンプル形成具100の作動について説明する。まず、ネクタイ用ディンプル形成具100の使用者は、ディンプル形成本体101および本体スタンド110からなるネクタイ用ディンプル形成具100およびディンプルの形成対象となるネクタイ90をそれぞれ用意する。なお、この場合、ネクタイ90は、一般的に市販されている通常の紳士用ネクタイである。
次に、使用者は、ディンプル形成本体101を本体スタンド110上にセットする。具体的には、使用者は、本体スタンド110を水平な台上に支持部112が上方に向かって開口する向きで載置するとともに、同載置した本体スタンド110の支持部112内にディンプル形成本体101における狭力付与部106側を挿入する。これにより、本体スタンド110は、支持部112がディンプル形成本体101におけるネクタイ収容部107の外側を支持することによりディンプル形成本体101をネクタイ挿入口105が上方に開口する姿勢で支持する(図4参照)。
次に、使用者は、ネクタイ90におけるディンプルを形成する位置を含むディンプル形成領域91に折畳部93を形成する。具体的には、使用者は、ネクタイ90の表面に対して同ネクタイ90におけるディンプル形成領域91の中央部を長手方向沿って2つ折り(谷折り)にするとともに同谷折り部の両側部分を更に2つ折りで折り返すことによって断面形状が略W字状の折畳部93を形成する(図3参照)。
次に、使用者は、ネクタイ90のディンプル形成領域91に形成した折畳部93にディンプル形成本体101を取り付ける。具体的には、使用者は、図5に示すように、ネクタイ90のディンプル形成領域91に形成した折畳部93の両側を把持した状態で、同折畳部93を本体スタンド110に支持されたディンプル形成本体101のネクタイ挿入口105および括れ部108を介してネクタイ収容部107内に挿入する。この場合、使用者は、ネクタイ90の表面側をディンプル形成本体101におけるネクタイ収容部107に向けて挿入する。
この折畳部93の挿入作業においては、使用者は、挟み部102におけるネクタイ挿入口105が外側に広がって形成されているため、ネクタイ90の折畳部93を容易に挿入することができる。また、使用者は、ディンプル形成本体101が本体スタンド110によって安定的に支持されているため、ネクタイ90の折畳部93を安定した状態でネクタイ収容部107内に挿入することができる。
そして、使用者は、ディンプル形成本体101の挟み部102内に挿入した折畳部93の先端部がネクタイ収容部107の底部(狭力付与部106)付近に達するまで折畳部93を押し込む。これにより、ネクタイ収容部107内に折畳部93の殆どの部分が収容されるとともにネクタイ90の中央部を2つ折りにした部分(図において破線円で示す)が括れ部108によって挟まれた状態となる(図3参照)。これにより、ネクタイ90における折畳部93にディンプル形成本体101が取り付けられた状態となる。
このネクタイ90における折畳部93にディンプル形成本体101が取り付けられた状態においては、ディンプル形成本体101における狭力付与部106は、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとが開く方向に弾性変形する。これにより、ネクタイ90における折畳部93は、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとによって挟まれて圧迫された状態となる。この場合、ネクタイ90の中央部を2つ折りにした部分(図において破線円で示す)は、括れ部108によって挟まれるため折畳部93のその他の部分よりも強力に圧迫されるため、折り癖92が効果的に形成される。
次に、使用者は、ネクタイ90をネクタイとして使用するまでの間、ネクタイ90をディンプル形成本体101が取り付けられた状態で保管する。具体的には、使用者は、ネクタイ90に取り付けられたディンプル形成本体101を本体スタンド110から抜き取るとともに、この抜き取られたディンプル形成本体101が取り付けられた状態のネクタイ90(図2参照)を図示しないネクタイハンガーなどに掛けて保管する。すなわち、使用者は、ディンプル形成本体101が取り付けられたネクタイ90を一般的な保管方法によって保管する。このネクタイ90を保管する間においては、ディンプル形成本体101は、狭力付与部106による弾性力によって第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとがネクタイ90の折畳部93を挟むため、ネクタイ90からずれ落ちることはない。
そして、使用者がネクタイ90をネクタイとして使用するに際しては、ネクタイ90における折畳部93からディンプル形成本体101を抜き取るとともに、折畳部93を拡げて折畳み状態を解消する。これにより、ネクタイ90におけるディンプル形成領域91には、図6に示すように、ネクタイ90の表側中央部にネクタイ90の長手方向に沿って谷折り状に形成された谷折り癖92aと、この谷折り癖92aの両側に山折り状に形成された山折り癖92bとからなる折り癖92が形成される。
次に、使用者は、ディンプル形成本体101を外したネクタイ90を通常のネクタイと同様の手順で締める。この場合、使用者は、ネクタイの結び目の形成とともにディンプルを形成するが、ネクタイ90におけるディンプル形成領域91には予め折り癖92が形成されているため、容易にディンプルを形成することができる。
一方、ネクタイ90を使用した後、使用したネクタイ90を保管する場合においては、前記と同様の手順にてディンプル形成本体101をネクタイ90のディンプル形成領域91に形成した折畳部93に取り付けておく。これにより、ネクタイ90の次回の使用時においても容易にディンプルを形成しながら結び目を形成することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、ネクタイ用ディンプル形成具100は、ネクタイ90にディンプルを形成するためのディンプル形成本体101がネクタイ90におけるディンプルの形成位置となる部分を凹状に折り畳んだ折畳部93を両側から挟む第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bからなる挟み部102と、第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bに折畳部93を挟むための力を付与する狭力付与部106とで構成されている。したがって、ネクタイ90にディンプルを形成するネクタイ90の使用者は、ネクタイ90を結ぶ前に、ネクタイ90におけるディンプルの形成位置を凹状に折り畳んだ折畳部93をディンプル形成本体101の挟み部102内に挿し込んでおくことにより、同ディンプルの形成位置に予め凹形状の折り癖92を形成しておくことができる。これにより、使用者は、ネクタイ90を結ぶに際しては、ネクタイ90からディンプル形成本体101を取り外すことによりディンプルの形状に対応する凹形状の折り癖92が形成されたネクタイ90によって、特別な道具を用いることなく綺麗な形状のディンプルを簡単に形成しながらネクタイ90を結ぶことができる。また、このネクタイ用ディンプル形成具100は、ネクタイ90におけるディンプルの形成位置となる部分を癖付けるためのものであり、従来の結び目補助具に比べて小型軽量であるため、外出先への携帯性も優れており外出先でのディンプルの形成も容易に行なうことができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記変形例を示す図8(A),(B)においては、上記実施形態におけるネクタイ用ディンプル形成具100と同様の構成部分に同じ符号を付して、これらの説明は適宜省略する。
例えば、上記実施形態においては、ネクタイ90のディンプル形成領域91の中央部を長手方向に沿って2つ折り(谷折り)にするとともに同谷折り部の両側部分を更に2つ折りで折り返すことによって断面形状が略W字状の折畳部93を形成した。しかし、折畳部93は、ネクタイ90におけるディンプル形成領域91における少なくとも中央部に谷折り癖92aが形成されればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。例えば、折畳部93は、ネクタイ90のディンプル形成領域91の中央部を凹状に2つ折りして谷折り癖92aのみ形成するように構成することもできる。なお、この場合、ディンプル形成本体101は、前記2つ折りによって構成される折畳部93の形状および大きさに対応した形状および大きさに形成されることは当然である。
また、上記実施形態においては、本体スタンド110をディンプル形成本体101に対して分離可能に構成した。しかし、本体スタンド110は、ディンプル形成本体101をネクタイ90にセットし易くするものであり、必ずしも必要なものではない。例えば、ネクタイ90とディンプル形成本体101とを共に把持しながらディンプル形成本体101をネクタイ90にセットする場合には、本体スタンド110は不要である。また、本体スタンド110を用いる場合においても、本体スタンド110は、ディンプル形成本体101と一体的に形成することもできる。例えば、ディンプル形成本体101における曲面部103の外側面に本体スタンド110の台部111に相当する部分を一体的に形成することができる。
また、上記実施形態においては、ディンプル形成本体101における第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bを曲面部103,104によって湾曲した形状に構成した。しかし、ディンプル形成本体101における第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bは、折畳部93を挟むことができる形状であれば、曲面以外の形状、例えば、平板状の板状体で構成することもできる。すなわち、この場合、括れ部108を省略して構成することができる。これによれば、挟み部102内に挿入された折畳部93を均等な圧力で押圧して挟むことができる。また、第1の挟み体102aおよび第2の挟み体102bは、ネクタイ90の長手方向に沿って延びる帯状、または棒状で構成することもできるし、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとの各両端部を繋げて挟み部102をリング形状に構成することもできる。
また、上記実施形態においては、ディンプル形成本体101の挟み部102におけるネクタイ挿入口105を外側に広がった形状に形成した。しかし、ディンプル形成本体101の挟み部102におけるネクタイ挿入口105は、必ずしも広がった形状に形成する必要はなく、例えば、互いに直線状に平行に延びる形状であってもよいし、互いに内側に狭まった形状に形成することもできる。これらによれば、ネクタイ90における折畳部93をより強固に挟み部102によって挟むことができ、折畳部93のずれ落ちを防止することができる。また、ネクタイ収容部107を構成する第1の挟み部102aおよび第2の挟み部102bの内周面にエンボス(凸凹)加工や摩擦材を貼り付けることによっても折畳部93のずれ落ちを防止することができる。
また、上記実施形態においては、ディンプル形成本体101は、挟み部102と狭力付与部106とを同一素材により一体的に成形して構成した。しかし、ディンプル形成本体101における挟み部102および狭力付与部106は、必ずしも同一素材により一体的に成形する必要はない。例えば、図7に示すように、ディンプル形成本体201は、樹脂製の第1の挟み体202aと第2の挟み体202bとを支持ピン203を介して回動自在に連結するとともに、これらの第1の挟み体202aと第2の挟み体202bとの間に鋼製のコイルスプリングからなる狭力付与部204を配置して所謂目玉クリップ状に構成することもできる。
このように構成されたディンプル形成本体201からなるネクタイ様ディンプル形成具200によれば、使用者は、第1の挟み体202aおよび第2の挟み体202bにおける目玉状の各把持部205を強く握って第1の挟み体202aおよび第2の挟み体202bにおける各先端部206を開くことにより、同先端部206間にネクタイ90の折畳部93を配置して挟むことができる。すなわち、本発明に係る狭力付与部は、折畳部93を挟んだとき、第1の挟み体および第2の挟み体のうちの少なくとも一方に対して他方に向う力を付与することができる構成であれば、本変形例のように常に力を付与する構成であっても、上記実施形態のように弾性変形時にのみ力を付与する構成であってもよい。また、この変形例に係るネクタイ様ディンプル形成具200においては、本体スタンド110は不要である。
また、上記実施形態においては、ディンプル形成本体101におけるネクタイ収容部107は、ネクタイ90に形成した折畳部93におけるネクタイ90の中央部を2つ折りにした部分(図において破線円で示す)を括れ部108によって挟むことができる深さに形成した。しかし、ディンプル形成本体101におけるネクタイ収容部107の深さは、ディンプル形成領域91に折り癖92を形成できる深さであれば、必ずしも、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図8(A),(B)に示すように、ネクタイ収納部107は、折畳部93を完全に収納可能な深さに形成されていてもよいし、折畳部93の上端部が括れ部108の上方にはみ出す深さに形成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、ネクタイ用ディンプル形成具100は、樹脂材で構成されている。しかし、ネクタイ用ディンプル形成具100は、ディンプル形成本体101および狭力付与部106をそれぞれ樹脂材以外の材料、例えば、木材、ゴム材または鋼板材などで構成することができる。この場合、ネクタイ用ディンプル形成具100は、ディンプル形成本体101と狭力付与部106とが同一材料で構成されていても良いし(一体成形に限らない)、互いに異なる材料で構成されていても良い。また、第1の挟み体102aと第2の挟み体102bとが、互いに異なる材料で構成されていても良い。
90…ネクタイ、91…ディンプル形成領域、92…折り癖、93…折畳部
100…ネクタイ用ディンプル形成具、101…ディンプル形成本体、102…挟み部、102a…第1の挟み体、102b…第2の挟み体、103,104…曲面部、105…ネクタイ挿入口、106…狭力付与部、107…ネクタイ収容部、108…括れ部、
110…本体スタンド、111…台部、112…支持部、
200…ネクタイ用ディンプル形成具、201…ディンプル形成本体、202a…第1の挟み体、202b…第2の挟み体、203…支持ピン、204…コイルスプリング、205…把持部、206…先端部。
100…ネクタイ用ディンプル形成具、101…ディンプル形成本体、102…挟み部、102a…第1の挟み体、102b…第2の挟み体、103,104…曲面部、105…ネクタイ挿入口、106…狭力付与部、107…ネクタイ収容部、108…括れ部、
110…本体スタンド、111…台部、112…支持部、
200…ネクタイ用ディンプル形成具、201…ディンプル形成本体、202a…第1の挟み体、202b…第2の挟み体、203…支持ピン、204…コイルスプリング、205…把持部、206…先端部。
Claims (5)
- ネクタイの結び目の直下部分に凹状に窪んだディンプルを形成するためのネクタイ用ディンプル形成具であって、
前記ネクタイにおける前記ディンプルの形成位置となる部分の幅方向中央部をネクタイの長手方向に沿って凹状に折り畳んだ折畳部を両側から挟むための第1の挟み体および第2の挟み体からなる挟み部と、
前記第1の挟み体および前記第2の挟み体のうちの少なくとも一方に、他方に向かう力を生じさせる狭力付与部とからなるディンプル形成本体を備えることを特徴とするネクタイ用ディンプル形成具。 - 請求項1に記載したネクタイ用ディンプル形成具において、
前記挟み部は、前記第1の挟み体と前記第2の挟み体とが前記折畳部の厚さ以下の間隔を介して対向配置されており、
前記狭力付与部は、前記第1の挟み体および前記第2の挟み体における互いに対向する端部同士を連結しており、
前記ディンプル形成本体は、前記挟み部および前記狭力付与部が互いに同一素材で一体的に成形されていることを特徴とするネクタイ用ディンプル形成具。 - 請求項2に記載したネクタイ用ディンプル形成具において、さらに、
前記挟み部は、前記第1の挟み体および前記第2の挟み体における前記狭力付与部によって連結された端部とは反対側の各端部側が開放したネクタイ挿入口が形成されており、
前記ディンプル形成本体における前記狭力付与部側を支持する本体スタンドを備えることを特徴とするネクタイ用ディンプル形成具。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載したネクタイ用ディンプル形成具において、
前記挟み部は、前記第1の挟み体および前記第2の挟み体における前記狭力付与部によって連結された端部とは反対側の各端部側が互いに遠ざかる方向に延びて形成されていることを特徴とするネクタイ用ディンプル形成具。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載したネクタイ用ディンプル形成具において、
前記挟み部は、前記第1の挟み体および前記第2の挟み体のうちの少なくとも一方に、他方に向かって曲面が凸状に張り出す曲面部が形成されていることを特徴とするネクタイ用ディンプル形成具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011021262A JP2012158856A (ja) | 2011-02-03 | 2011-02-03 | ネクタイ用ディンプル形成具 |
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JP2012158856A true JP2012158856A (ja) | 2012-08-23 |
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ID=46839618
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014101710A (ja) * | 2012-11-21 | 2014-06-05 | Kajima Corp | 連壁構築方法 |
-
2011
- 2011-02-03 JP JP2011021262A patent/JP2012158856A/ja not_active Withdrawn
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