JP2012158744A - オレフィン重合用固体触媒成分 - Google Patents

オレフィン重合用固体触媒成分 Download PDF

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Abstract

【課題】重合活性が高く、低分子量成分や無定形成分の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分およびその製造方法、オレフィン重合用固体触媒の製造方法、ならびにオレフィン重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および式(I)で表される内部電子供与体を含有するオレフィン重合用固体触媒成分。
Figure 2012158744

式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり、2つのRは同一または異なり、2つのRは互いに結合して環を形成していてもよい;Xは酸素原子または硫黄原子であり、複数のXは同一または異なり;Zは炭素原子数1〜20のハイドロカルビレン基であり;nは1〜100の整数である。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン重合用固体触媒成分およびその製造方法、オレフィン重合用固体触媒の製造方法、ならびにオレフィン重合体の製造方法に関する。
オレフィン重合用触媒として、特開昭64−81803号明細書には、カーボナート基とエーテル基とを併せ持つ複雑な構造のオリゴマーを内部電子供与体として用いて得られるオレフィン重合用触媒が開示されている。特開平6−100639号明細書には、ジエチルカーボナートを内部電子供与体として用いて得られるオレフィン重合用触媒が開示されている。特開平6−9722号明細書には、ジメチルカーボナート及びやジエチルカーボナートのような鎖状カーボナートや、プロピレンカーボナートのような環状カーボナートを内部電子供与体として用いて得られるオレフィン重合用触媒が開示されている。
特開昭64−81803号明細書 特開平6−100639号明細書 特開平6−9722号明細書
しかしながら、上記のオレフィン重合用触媒を用いて得られるオレフィン重合体は、低分子量成分や無定形成分を多く含有するため、満足できるものではない。本発明の課題は、重合活性が高く、低分子量成分や無定形成分の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分およびその製造方法、オレフィン重合用固体触媒の製造方法、ならびにオレフィン重合体の製造方法を提供することである。
本発明は、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および式(I)で表される内部電子供与体を含有するオレフィン重合用固体触媒成分である。
Figure 2012158744
式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり、2つのRは同一または異なり、2つのRは互いに結合して環を形成していてもよい;Xは酸素原子または硫黄原子であり、複数のXは同一または異なり;Zは炭素原子数1〜20のハイドロカルビレン基であり;nは1〜100の整数である。
本発明また、チタン化合物、マグネシウム化合物および上式(I)で表される内部電子供与体を接触させる工程からなる、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および上式(I)で表される内部電子供与体を含有するオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法である。
本発明はさらに、固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる工程からなるオレフィン重合用固体触媒の製造方法である。
本発明によれば、重合活性が高く、低分子量成分や無定形成分の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分を提供することができる。
本発明はさらにまた、上記固体触媒の製造方法によって製造される固体触媒の存在下にオレフィンを重合させる工程からなるオレフィン重合体の製造方法である。
上記の「オレフィン重合用固体触媒成分」および「オレフィン重合用固体触媒」を以下、それぞれ「固体触媒成分」および「固体触媒」と言う。
式(I)におけるXは、好ましくは酸素原子である。
式(I)におけるnは1〜100の整数、好ましくは1〜10の整数、より好ましくは1〜3の整数、更に好ましくは1である。
式(I)におけるRは、好ましくは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり、より好ましくは炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基である。
式(I)におけるRのハイドロカルビル基として、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基を例示することができる。中でも、炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましい。これらの基は、ハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
上記のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状アルキル基であり、より好ましくは直鎖状もしくは分岐状で炭素原子数1〜10のアルキル基である。
上記のアラルキル基として、ベンジル基およびフェネチル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数7〜10のアラルキル基である。
上記のアリール基として、フェニル基、トリル基、およびキシリル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数6〜10のアリール基である。
上記のアルケニル基として、ビニル基、アリル基、3−ブテニル、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;ならびに2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数2〜10のアルケニル基である。
式(I)における二つのRは互いに結合して環を形成していてもよい。
式(I)における二つのRが互いに結合して環を形成している場合、Rのハイドロカルビレン基は、好ましくは炭素原子数1〜20のハイドロカルビレン基であり、より好ましくは炭素原子数1〜10のハイドロカルビレン基である。
式(I)における二つのRが互いに結合して環を形成している場合、Rのハイドロカルビレン基として、アルキレン基、アリーレン基を例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
上記アルキレン基として、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、およびn−ヘキシレン基のような直鎖状アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、およびイソペンチレン基のような分岐状アルキレン基;ならびにシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、およびシクロオクチレン基のような環状アルキレン基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基であり、更に好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキレン基である。
上記のアリーレン基として、フェニレン基、トリレン基およびキシリレン基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数6〜10のアリーレン基である。
上記のアリール基として、フェニル基、トリル基、およびキシリル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数6〜10のアリール基である。
式(I)におけるZのハイドロカルビレン基として、アルキレン基、アリーレン基を例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
上記アルキレン基として、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、およびn−ヘキシレン基のような直鎖状アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、およびイソペンチレン基のような分岐状アルキレン基;ならびにシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、およびシクロオクチレン基のような環状アルキレン基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基であり、更に好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキレン基である。
上記のアリーレン基として、フェニレン基、トリレン基およびキシリレン基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数6〜10のアリーレン基である。
式(I)で表される化合物は、好ましくは下式(I)−1で表される化合物である。

Figure 2012158744
(I)−1
式中、Yは炭素原子数1〜20のハイドロカルビレン基であり;Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり、2つのRは同一または異なり、2つのRは互いに結合して環を形成していてもよい。
式(I)−1におけるYの炭素原子数1〜20のハイドロカルビレン基として、アルキレン基、アリーレン基を例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
上記アルキレン基として、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、およびn−ヘキシレン基のような直鎖状アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、およびイソペンチレン基のような分岐状アルキレン基;ならびにシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、およびシクロオクチレン基のような環状アルキレン基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状アルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜6の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基であり、更に好ましくは炭素原子数2〜6の直鎖状アルキレン基である。
上記のアリーレン基として、フェニレン基、トリレン基およびキシリレン基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数6〜10のアリーレン基である。
上式(I)−1におけるRは、式(I)におけるRと同様である。
式(I)で表される化合物は公知の化合物であってもよい。該化合物として、下記の構造式を例示することができる。

Figure 2012158744

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本発明の固体触媒成分の製造方法は特に限定されない。該製造方法として、チタン化合物、マグネシウム化合物および式(I)で表される内部電子供与体を接触させる工程からなる製造方法を例示することができる。この製造方法を「触媒成分製造方法−1」と言う。該工程は、先ず、チタン化合物とマグネシウム化合物とを接触させて、チタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分を生成させる工程(1)と、次いで、該固体成分と式(I)で表される内部電子供与体とを接触させる工程(2)とからなる工程であってもよい。工程(1)及び(2)からなる製造方法を「触媒成分製造方法−2」と言う。
上記チタン化合物は、チタン原子を含有した化合物であれば特に制限されない。チタン化合物として、四塩化チタン、四臭化チタン、および四ヨウ化チタンのようなテトラハロゲン化チタン;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、およびテトラシクロヘキシロキシチタンのようなテトラアルコキシチタン;テトラフェノキシチタンのようなテトラアリーロキシチタン;メトキシチタントリクロリド、エトキシチタントリクロリド、n−プロポキシチタントリクロリド、およびn−ブトキシチタントリクロリドのようなアルコキシチタントリクロリド;ジメトキシチタンジクロリド、ジエトキシチタンジクロリド、ジイソプロポキシチタンジクロリド、およびジ−n−プロポキシチタンジクロリドのようなジクロロ化ジアルコキシチタン;トリメトキシチタンクロリド、トリエトキシチタンクロリド、トリイソプロポキシチタンクロリド、トリ−n−プロポキシチタンクロリド、およびトリ−n−ブトキシチタンクロリドのようなモノクロロ化トリアルコキシチタン;ならびにそれらの2つ以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくはテトラハロゲン化チタンまたはアルコキシチタントリハライドであり、より好ましくはテトラハロゲン化チタンであり、更に好ましくは四塩化チタンである。
上記マグネシウム化合物は、マグネシウム原子を含有する化合物であれば特に制限されない。マグネシウム化合物として、下式(i)または(ii)で表される化合物を例示することが出来る:
MgR 2−a (i)
Mg(OR 2−a (ii)
式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を示し、複数のRは同一または異なり;Xはハロゲン原子を示し、複数のXは同一または異なり、aは0≦a≦2を満足する整数である。
上記Rとして、アルキル基、アラルキル基、アリール基およびアルケニル基を例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
上記アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基である。
上記アラルキル基として、ベンジル基およびフェネチル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
上記アリール基として、フェニル基、ナフチル基およびトリル基を例示することがでる。中でも、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。
上記アルケニル基として、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基および4−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;ならびに2−シクロヘキセニル基および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数2〜20の直鎖状および分岐状アルケニル基である。
上記Xのハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびフッ素原子を例示することができる。中でも、好ましくは塩素原子である。
上式(i)または(ii)のマグネシウム化合物として、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジ−n−オクチルマグネシウム、エチル−n−ブチルマグネシウム、およびn−ブチル−n−オクチルマグネシウムのようなジアルキルマグネシウム化合物;ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジ−n−プロピロポキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジ−n−ブトキシマグネシウム、ジイソブトキシマグネシウム、ジ−tert−ブトキシマグネシウム、ジ−n−ヘキシルオキシマグネシウム、ジ−n−オクチルオキシマグネシウム、エトキシ−n−ブトキシマグネシウム、およびn−ブトキシ−n−オクチルオキシマグネシウムのようなジアルコキシマグネシウム化合物;メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、n−プロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、イソブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、n−ブチルマグネシウムブロミド、イソブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムイオダイド、エチルマグネシウムイオダイド、n−プロピルマグネシウムイオダイド、イソプロピルマグネシウムイオダイド、n−ブチルマグネシウムイオダイド、イソブチルマグネシウムイオダイド、およびtert−ブチルマグネシウムイオダイドのようなアルキルマグネシウムハライド化合物;ベンジルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムブロミド、およびベンジルマグネシウムイオダイドのようなアラルキルマグネシウムハライド化合物;メトキシマグネシウムクロリド、エトキシマグネシウムクロリド、イソプロポキシマグネシウムクロリド、ブトキシマグネシウムクロリド、ヘキシルオキシマグネシウムクロリド、メトキシマグネシウムブロミド、エトキシマグネシウムブロミド、イソプロポキシマグネシウムブロミド、ブトキシマグネシウムブロミド、ヘキシルオキシマグネシウムブロミド、メトキシマグネシウムイオダイド、エトキシマグネシウムイオダイド、イソプロポキシマグネシウムイオダイド、ブトキシマグネシウムイオダイド、およびヘキシルオキシマグネシウムイオダイドのようなアルコキシマグネシウムハライド化合物;ならびにフッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、およびヨウ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム化合物を例示することができる。中でも、好ましくはジアルコキシマグネシウム化合物、アルコキシマグネシウムハライド化合物またはハロゲン化マグネシウム化合物である。
上記例示したジアルコキシマグネシウム化合物は、好ましくは炭素原子数1〜20のジアルコキシマグネシウム化合物であり、更に好ましくは炭素原子数1〜10のジアルコキシマグネシウム化合物であり、特に好ましくはジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジ−n−プロポキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジ−n−ブトキシマグネシウム、ジイソブトキシマグネシウム、またはジ−tert−ブトキシマグネシウムである。ジアルコキシマグネシウム化合物の製造方法として、金属マグネシウムと、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびオクタノールのようなアルコールとを、触媒の存在下で接触させる方法を例示することができる。触媒として、ヨウ素、塩素および臭素のようなハロゲン;ならびにヨウ化マグネシウムおよび塩化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウムを例示することができ、好ましくはヨウ素である。
上記例示したアルコキシマグネシウムハライド化合物は、好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシマグネシウムクロライド化合物であり、更に好ましくは炭素原子数1〜10のアルコキシマグネシウムクロライド化合物であり、特に好ましくはメトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、n−プロポキシマグネシウムクロライド、イソプロポキシマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムクロリド、イソブチルマグネシウムクロリド、またはtert−ブチルマグネシウムクロリドである。
上記例示したハロゲン化マグネシウム化合物は、好ましくは塩化マグネシウムである。塩化マグネシウムは固体状のまま、またはメタノール、エタノールおよび2−エチルヘキシルアルコールのようなアルコール、またはトルエンおよびヘキサンのような炭化水素溶媒に溶解した溶液状で用いられ、アルコール、エーテルまたはエステルなどの付加物であってもよい。
マグネシウム化合物は、担体に担持されていもよい。担体は特に制限されず、SiO、Al、MgO、TiO、およびZrOのような多孔質無機酸化物;ならびにポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、およびポリプロピレンのような有機多孔質ポリマーを例示することができる。中でも、好ましくは多孔質無機酸化物であり、特に好ましくは、SiOである。
担体は、マグネシウム化合物を有効に固定化する観点から、細孔半径20〜200nmの範囲における細孔容量が、好ましくは0.3cm/g以上、より好ましくは0.4cm/g以上であり、かつ該範囲における細孔容量は、細孔半径3.5〜7500nmの範囲における細孔容量に対して好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である多孔質の担体である。
触媒成分製造方法−1において、チタン化合物の使用量は、使用されるマグネシウム化合物中の総マグネシウム原子1モルあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。チタン化合物は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
触媒成分製造方法−1において、式(I)で表される内部電子供与体の使用量は、使用されるマグネシウム化合物中の総マグネシウム原子1モルあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。該内部電子供与体は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
触媒成分製造方法−1における接触の方法は特に限定されない。該方法として、スラリー法や機械的粉砕法(例えばボールミルによる方法)のような公知の方法を例示することができる。
上記スラリー法におけるスラリー濃度は、通常0.05〜0.7g固体/ml溶媒、特に好ましくは0.1〜0.5g固体/ml溶媒である。接触の温度は、通常30〜150℃、好ましくは45〜135℃、特に好ましくは60〜120℃である。接触の時間は特に制限されず、通常30分から6時間程度が好適である。本発明における「接触時間」とは、チタン化合物とマグネシウム化合物と式(I)で表される内部電子供与体とを同時に接触させる場合は、該同時接触させている時間を意味し、これらの3化合物を逐次的に接触させる場合は、各段階において接触している時間の総和を意味する。
上記の機械的粉砕法は、得られる固体触媒成分の微粉含有量やその粒度分布の広がりを抑制するために、好ましくは液状物質の存在下で行われる。液状物質として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタンのような脂肪族ハイドロカルビル;ベンゼン、トルエン、およびキシレンのような芳香族ハイドロカルビル;シクロヘキサン、およびシクロペンタンのような脂環式ハイドロカルビル;ならびに1,2−ジクロルエタン、およびモノクロルベンゼンのようなハロゲン化ハイドロカルビルを例示することができる。中でも、芳香族ハイドロカルビルまたはハロゲン化ハイドロカルビルが特に好ましい。
触媒成分製造方法−1において、下式(iii)で表される化合物をも任意に接触させてもよい:
m−c (iii)
式中、Mは第13族または第14族の原子を表し;Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基またはハイドロカルビルオキシ基を表し;Xはハロゲン原子を表し;mはMの原子価を表し、cは0<c≦mを満足する整数を表す。
の第13族元素として、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムを例示することができる。中でも、好ましくはホウ素またはアルミニウムであり、より好ましくはアルミニウムである。
の第14族元素として、ケイ素、ゲルマニウム、錫、および鉛を例示することができる。中でも、好ましくはケイ素、ゲルマニウムまたは錫であり、より好ましくはケイ素である。
のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、およびn−ドデシル基のような直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘキシル基、およびシクロペンチル基のような環状アルキル基;ならびに、フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基を例示することができる。
のハイドロカルビルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチロキシ基、イソアミロキシ基、n−ヘキシロキシ基、n−ヘプチロキシ基、n−オクチロキシ基、n−デシロキシ基、およびドデシロキシ基のような直鎖状または分岐状のアルコキシ基;シクロヘキシロキシ基、およびシクロペンチロキシ基のような環状アルコキシ基;ならびにフェノキシ基、キシロキシ基、およびナフトキシ基のようなアリーロキシ基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基;または炭素原子数6〜18のアリール基もしくはアリーロキシ基である。
として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。中でも、好ましくは塩素原子または臭素原子である。
の原子価であるmは、Mが第13族元素のときは3であり、第14族元素のときは4である。
上式(iii)で表される化合物として、クロロ化アルミニウム化合物およびクロロ化ケイ素化合物を例示することができる。中でも、好ましくは、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、トリクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、またはパラトリルトリクロロシランであり、より好ましくは第14族元素のクロロ化化合物であり、特に好ましくはテトラクロロシランおよびフェニルトリクロロシランである。
触媒成分製造方法−1における、上式(iii)で表される化合物の使用量は、使用されるマグネシウム化合物中の総マグネシウム原子1モルあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。上式(iii)で表される化合物は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
触媒成分製造方法−2における、チタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分は、チタン原子とマグネシウム原子を含む固体成分であれば特に制限されない。
固体成分として、チタン酸マグネシウム、WO2004/039747号公報に記載のチタン酸アルミニウムマグネシウム、および3価のチタン原子とマグネシウム原子とハイドロカルビルオキシ基とを含有する固体触媒成分前駆体を例示することができる。固体成分として、好ましくは、3価のチタン原子とマグネシウム原子とハイドロカルビルオキシ基とを含有する固体触媒成分前駆体(以下、「前駆体」と言う)である。
前駆体のハイドロカルビルオキシ基として、炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基を例示することができる。中でも、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、シクロペントキシ基、またはシクロヘキソキシ基である。
前駆体の製造方法は特に限定されない。該製造方法として、Si−O結合を有するケイ素化合物の存在下に、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元する方法を例示することができる。還元反応は、好ましくはケイ素化合物、チタン化合物および溶媒を含有する溶液に、有機マグネシウム化合物を加えることによって行われる。
該ケイ素化合物として、下式(iv)から(vi)で表わされる化合物を例示することができる:
Si(OR (4−t) (iv)
(R SiO)SiR (v)
(R SiO) (vi)
式中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または水素原子であり;tは1〜4の整数であり;uは1〜1000の整数であり;vは2〜1000の整数である。
、R、R、R、RおよびRのハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、およびn−ドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基、およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基;アリル基のようなアルケニル基;ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。中でも、は好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
式(iv)から(vi)で示すSi−O結合を有するケイ素化合物として、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシ−ジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、およびフェニルハイドロポリシロキサンを例示することができる。なかでも、好ましくは式(iv)におけるtが4であるテトラアルコキシシランであり、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
前駆体を製造するためのチタン化合物として、下式(vii)で表される化合物を例示することができる:
Figure 2012158744
式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し;Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基を表し、複数のXは同一または異なり;mは1〜20の整数を表す。
として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、およびn−ドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基、およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基;アリル基のようなアルケニル基;ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。中でも、Rは好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
のハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。中でも、特に好ましくは塩素原子である。
のハイドロカルビルオキシ基は、好ましくは、炭素原子数2〜18のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素原子数2〜10のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルコキシ基である。
上式(vii)で表されるチタン化合物として、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、n−ブトキシチタントリクロリド、ジ−n−ブトキシチタンジクロリド、トリ−n−ブトキシチタンクロリド、ジ−n−テトライソプロピルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ブチルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ヘキシルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−オクチルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、およびテトラアルコキシチタンに少量の水を反応して得られるテトラアルコキシチタンの縮合物、ならびにこれらの2以上の組合せを例示することができる。
上式(vii)で表されるチタン化合物は好ましくは、mが1、2または4であるチタン化合物であり、より好ましくは、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブチルチタニウムダイマーまたはテトラ−n−ブチルチタニウムテトラマーである。
前駆体を製造するための有機マグネシウム化合物は、マグネシウム原子−炭素原子の結合を有する任意の化合物である。有機マグネシウム化合物として、下式(viii)または(ix)で表わされる化合物を例示することができる。中でも、良好な形態の前駆体を得る観点から、式(viii)で表されるグリニャール化合物が好ましく、グリニャール化合物のエーテル溶液が特に好ましい:
10MgX (viii)
1112Mg (ix)
式中、R10、R11およびR12は、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し;Xはハロゲン原子を表わす。
10、R11およびR12のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基、およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基;アリル基のようなアルケニル基;ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。中でも、は好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
として、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。中でも、特に好ましくは塩素原子である。
上記グリニャール化合物として、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、n−プロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、イソブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、n−ペンチルマグネシウムクロリド、イソペンチルマグネシウムクロリド、シクロペンチルマグネシウムクロリド、n−ヘキシルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムクロリド、n−オクチルマグネシウムクロリド、2−エチルヘキシルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、およびベンジルマグネシウムクロリドを例示することができる。中でも、エチルマグネシウムクロリド、n−プロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、またはイソブチルマグネシウムクロリドが好ましく、n−ブチルマグネシウムクロリドが特に好ましい。
これらのグリニャール化合物は、好ましくは、それらのエーテル溶液として用いられる。エーテルとして、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エチルn−ブチルエーテル、およびジイソペンチルエーテルのようなジアルキルエーテル、ならびにテトラヒドロフランのような環状エーテルを例示することができる。中でも、ジアルキルエーテルが好ましく、ジ−n−ブチルエーテルまたはジイソブチルエーテルが特に好ましい。
前駆体を製造するための還元反応は、任意のエステル基含有化合物の共存下に行われてもよい。エステル基含有化合物は特に限定されない。該化合物として、モノまたは多価のカルボン酸エステルを例示することができる。より具体的には飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、および芳香族カルボン酸エステルを例示することができる。更に具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、およびフタル酸ジフェニルを例示することができる。中でも、好ましくはフタル酸エステルのような芳香族ジカルボン酸ジエステルである。
還元反応における溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカンのような脂肪族炭化水素化合物;トルエンおよびキシレンのような芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカリンのような脂環式炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エチル−n−ブチルエーテル、およびジイソペンチルエーテルなどのジアルキルエーテル;テトラヒドロフランなどの環状エーテル;クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族化合物;ならびに、これらの2種以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくは脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、または、脂環式炭化水素化合物であり、より好ましくは脂肪族炭化水素化合物、または、脂環式炭化水素化合物であり、さらに好ましくは脂肪族炭化水素化合物であり、特に好ましくはヘキサン、または、ヘプタンである。
還元反応におけるケイ素化合物の使用量は、使用されるチタン化合物中の総チタン原子1モルあたり、ケイ素原子が通常1〜500モル、好ましくは1〜300モル、特に好ましくは3〜100モルとなる量である。
還元反応における有機マグネシウム化合物の使用量は、使用されるチタン化合物中の総チタン原子と、使用されるケイ素化合物中の総ケイ素原子との合計原子1モルあたり、マグネシウム原子が通常0.1〜10モル、好ましくは0.2〜5.0モル、特に好ましくは0.5〜2.0モルとなる量である。
還元反応におけるチタン化合物、ケイ素化合物および有機マグネシウム化合物の各使用量は、得られる前駆体中のマグネシウム原子の量が該前駆体中のチタン原子1モルあたり、1〜51モル、好ましくは2〜31モル、特に好ましくは4〜26モルとなるように決定してもよい。
還元反応におけるエステル基含有化合物の使用量は、使用されるチタン化合物中の総チタン原子1モルあたり、通常0.05〜100モル、好ましくは0.1〜60モル、特に好ましくは0.2〜30モルである。
ケイ素化合物、チタン化合物および溶媒を含有する溶液中に有機マグネシウム化合物を加えるときの温度は、通常−50〜100℃であり、好ましくは−30〜70℃であり、特に好ましくは−25〜50℃の範囲である。有機マグネシウム化合物を加えるときの時間は特に限定されず、通常30分〜6時間程度である。良好な形態の前駆体を得る観点から、有機マグネシウム化合物は連続的に加えられるのが好ましい。該反応をさらに進めるために、有機マグネシウム化合物の連続的な投入後に反応混合物を5〜120℃で加熱処理してもよい。
還元反応を担体の存在下に行い、生成する前駆体を担体に担持してもよい。担体は特に制限されない。担体として、SiO、Al、MgO、TiO、およびZrOのような多孔質無機酸化物;ならびに、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、およびポリプロピレンのような有機多孔質ポリマーを例示することができる。中でも、好ましくは有機多孔質ポリマーであり、特に好ましくはスチレン−ジビニルベンゼン共重合体である。
担体は、前駆体を有効に固定化する観点から、細孔半径20〜200nmの範囲における細孔容量が、好ましくは0.3cm/g以上、より好ましくは0.4cm/g以上であり、かつ該範囲の細孔容量は、細孔半径3.5〜7500nmの範囲における細孔容量に対して好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である多孔質の担体である。
還元反応において、式(vii)で表されるチタン化合物のチタン原子は4価から3価に還元される。本発明においては、実質上全ての4価のチタン原子が3価のチタン原子に還元されるのが好ましい。得られた前駆体は、3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性または極めて弱い結晶性を有し、好ましくは非晶性を有する。
得られる前駆体は溶媒で洗浄してもよい。該溶媒として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、およびデカンのような脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、およびキシレンのような芳香族炭化水素;シクロヘキサン、およびシクロペンタンのような脂環式炭化水素;ならびに1,2−ジクロロエタン、およびモノクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素を例示することができる。これらの中で、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が好ましく、芳香族炭化水素がより好ましく、トルエンまたはキシレンが特に好ましい。
触媒成分製造方法−2において、式(I)で表される内部電子供与体の使用量は、固体成分1gあたり、通常0.1〜1000モル、好ましくは0.3〜500モル、特に好ましくは0.5〜300モルである。式(I)で表される内部電子供与体は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
触媒成分製造方法−2において、接触温度は特に限定されず、通常−50〜200℃であり、好ましくは0〜170℃であり、より好ましくは50〜150℃の範囲であり、特に好ましくは50〜120℃の範囲である。
触媒成分製造方法−2において、接触時間は特に限定されず、通常10分〜12時間であり、好ましくは30〜10時間であり、特に好ましくは1時間〜8時間の範囲である。
触媒成分製造方法−2の工程(2)において、下式(x)で表されるハロゲン化金属化合物をも任意に接触させてもよい:
13 m−c (x)
式中、Mは第4族、第13族または第14族原子を表し;R13は炭素原子数が1〜20のハイドロカルビル基またはハイドロカルビルオキシ基を表し;Xはハロゲン原子を表し;mはMの原子価を表し;cは0<c≦mを満足する数を表す。
の第4族元素として、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムを例示することができる。中でも、好ましくはチタンである。Mの第13族元素として、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムを例示することができる。中でも、好ましくはホウ素またはアルミニウムであり、より好ましくはアルミニウムである。Mの第14族元素として、ケイ素、ゲルマニウム、錫、および鉛を例示することができる。中でも、好ましくはケイ素、ゲルマニウムまたは錫であり、より好ましくはケイ素である。
13のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、およびn−ドデシル基のような直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘキシル基、およびシクロペンチル基のような環状アルキル基;ならびに、フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基を例示することができる。
13のハイドロカルビルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、アミロキシ基、イソアミロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基、デシロキシ基、およびドデシロキシ基のような直鎖状または分岐状のアルコキシ基;シクロヘキシロキシ基、およびシクロペンチロキシ基のような環状アルコキシ基;ならびにフェノキシ基、キシロキシ基、およびナフトキシ基のようなアリーロキシ基を例示することができる。
中でも、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基;または炭素原子数6〜18のアリール基もしくはアリーロキシ基である。
上記のXとして、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を例示することができ、好ましくは塩素原子または臭素原子である。
上記のmはMが第4族元素のとき4であり、第13族元素のとき3であり、第14族元素のとき4である。
上記のcは、Mが第4族元素および第14族元素のとき0<c≦4を満足する整数を表し、第13族元素のとき0<c≦3を満足する整数を表す。Mが第4族元素または第14族元素の場合の好ましいcは3または4であり、より好ましくは4である。Mが第13族元素の場合の好ましいcは3である。
上式(x)で表されるハロゲン化金属化合物として、米国特許6,187,883に記載のチタン化合物、および米国特許6,903,041に記載の第13族元素のクロロ化化合物(他の化合物をクロロ化する能力を有する化合物)や第14族元素のクロロ化化合物を例示することができる。
上式(x)で表されるハロゲン化金属化合物のハロゲン化チタン化合物は、好ましくは四塩化チタン、四臭化チタンおよび四沃化チタンのようなテトラハロゲン化チタン化合物;またはメトキシチタントリクロリド、エトキシチタントリクロリド、ブトキシチタントリクロリド、フェノキシチタントリクロリド、およびエトキシチタントリブロマイドのようなトリハロゲン化アルコキシチタン化合物であり、より好ましくはテトラハロゲン化チタン化合物であり、特に好ましくは四塩化チタンである。
上式(x)で表されるハロゲン化金属化合物の第13族元素のクロロ化化合物または第14族元素のクロロ化化合物は、好ましくはエチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、トリクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、またはパラトリルトリクロロシランであり、より好ましくは第14族元素のクロロ化化合物であり、特に好ましくはテトラクロロシランおよびフェニルトリクロロシランである。
上式(x)で表されるハロゲン化金属化合物の使用量は、前駆体1gあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。ハロゲン化金属化合物は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
触媒製造方法―2における接触方法は特に限定されない。該方法として、スラリー法や機械的粉砕法(例えばボールミルによる方法)のような公知の方法を例示することができる。機械的粉砕法は、得られる固体触媒成分の微粉含有量やその粒度分布の広がりを抑制するために、好ましくは上述の希釈剤の存在下で行われる。
上記のスラリー法におけるスラリー濃度は、通常0.05〜0.7g固体/ml溶媒、特に好ましくは0.1〜0.5g固体/ml溶媒である。接触温度は特に限定されず、通常−50〜200℃であり、好ましくは0〜170℃であり、より好ましくは50〜150℃の範囲であり、特に好ましくは50〜120℃の範囲である。接触時間は特に限定されず、通常10分〜12時間であり、好ましくは30〜10時間であり、特に好ましくは1時間〜8時間の範囲である。
本発明の固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを、公知方法によって反応させることにより、固体触媒を形成することができる。
該有機アルミニウム化合物として、上記米国特許6,903,041に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくはトリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、またはアルキルアルモキサンであり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドとの混合物またはテトラエチルジアルモキサンである。
上記の外部電子供与体として、上記米国特許6,903,041に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくは酸素含有化合物または窒素含有化合物である。酸素含有化合物として、アルコキシケイ素、エーテル、エステル、およびケトンを例示することができる。中でも、好ましくはアルコキシケイ素またはエーテルである。外部電子供与体は、それぞれ単独で又は二種類以上を組み合わせて用いられる。
外部電子供与体は、好ましくは環状エーテル化合物である。中でも、好ましくは環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−結合を有する環状エーテル化合物であり、より好ましくは環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−O−C−結合を有する環状エーテル化合物である。
環状エーテル化合物として、1,3−ジオキソランおよび1,3−ジオキサンを例示することができる。
固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる方法は、固体触媒が生成される限り、特に限定されない。接触は溶媒の存在下または不在下で行われる。これらの接触混合物を重合槽に供給してもよいし、これらを別々に重合槽に供給して重合槽中で接触させてもよいし、任意の二成分の接触混合物と残りの成分とを別々に重合槽に供給してもよい
本発明のオレフィン重合体の製造方法で用いられるオレフィンとして、エチレンおよび炭素原子数3以上のα−オレフィンを例示することができる。α−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、および1−デセンのような直鎖状モノオレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンのような分岐鎖状モノオレフィン;ビニルシクロヘキサンのような環状モノオレフィン;ならびに、これらの2種以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくはエチレンもしくはプロピレンの単独重合、またはエチレンもしくはプロピレンを主成分とする複数種のオレフィンの組合せの共重合であり、より好ましくはエチレンの重合単位の含有量が50重量パーセント以上である共重合である(共重合体の全量を100重量パーセントとする)。上記の複数種のオレフィンの組合せは、プロピレン以外の2種類以上ののα−オレフィンを含んでいてもよく、共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和結合を有する化合物を含んでいてもよい。
本発明のオレフィン重合体の製造方法で製造されるオレフィン重合体は、好ましくはエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、1−ペンテン単独重合体、1−ヘキセン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、または、オレフィンを単独重合させた後、生成したオレフィン単独重合体の存在下に複数種のオレフィンを共重合させて得られる、当業者によって「オレフィンブロック共重合体」と呼ばれている重合体である。
本発明に係る固体触媒は、場合により好ましくは、以下の工程からなる製造方法で製造される固体触媒である:
(1)上記の固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と任意に外部電子供与体との存在下、少量のオレフィンを重合させ、予備重合触媒成分を製造する工程;および
(2)予備重合触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させて、固体触媒を製造する工程;
ここで、上記の予備重合触媒成分は、工程(1)で生成するオレフィン重合体で表面が覆われた固体触媒成分であり;予備重合触媒成分に係る「予備重合」という用語は、本発明のオレフィン重合体の製造方法における重合を意味する「本重合」という用語に対する用語であり;予備重合工程(1)のオレフィンは本重合で用いられるオレフィンと同一または異なり;予備重合は、オレフィン重合体の分子量を調節するために水素のような連鎖移動剤を用いてもよいし、外部電子供与体を用いてもよい。予備重合については、特開平11−322833号公報に開示されている。
上記に基づくと、本発明の固体触媒の製造方法として、「上記の固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる工程からなる製造方法」の他に、「上記の予備重合触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる工程からなる製造方法」も可能であるから、本発明の固体触媒の製造方法は、後者の製造方法も意味する。したがって、本発明のオレフィン重合体の製造方法は、「後者の製造方法によって製造される固体触媒の存在下にオレフィンを重合させる工程からなる製造方法」も意味する。なお、本発明のオレフィン重合体の製造方法で用いられる固体触媒は、前者の製造方法によって製造される固体触媒と、後者の製造方法によって製造される固体触媒との組合せであってもよい。
予備重合は好ましくは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン及びトルエンのような不活性炭化水素を溶媒とするスラリー重合である。固体触媒成分のスラリー濃度は、好ましくは1〜500g−固体触媒成分/リットル−溶媒、特に好ましくは3〜300g−固体触媒成分/リットル−溶媒である。
予備重合工程における有機アルミニウム化合物の使用量は、該工程で用いられる固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、通常0.5〜700モル、好ましくは0.8〜500モル、特に好ましくは1〜200モルである。
予備重合工程で重合されるオレフィンの量は、該工程で用いられる固体触媒成分1g当たり通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
予備重合の重合温度は、好ましくは−20〜100℃、特に好ましくは0〜80℃である。
予備重合における気相部のオレフィンの分圧は、好ましくは0.01〜2MPa、特に好ましくは0.1〜1MPaであるが、予備重合の圧力や温度において液状であるオレフィンについては、この限りではない。予備重合の時間は特に制限されず、好ましくは2分間から15時間である
予備重合における固体触媒成分、有機アルミニウム化合物およびオレフィンを重合槽へ供給する方法として、以下の方法(1)および(2)を例示することができる:
(1)固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを供給した後、オレフィンを供給する方法;および
(2)固体触媒成分とオレフィンとを供給した後、有機アルミニウム化合物を供給する方法。
予備重合におけるオレフィンを重合槽へ供給する方法として、以下の方法(1)および(2)を例示することができる:
(1)重合槽内の圧力を所定の圧力に維持するようにオレフィンを順次供給する方法;および
(2)オレフィンの所定量の全量を一括して供給する方法。
上記工程(2)における外部電子供与体の使用量は、予備重合触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対して、通常0.01〜400モル、好ましくは0.02〜200モル、特に好ましくは、0.03〜100モルであり、有機アルミニウム化合物1モルに対して、通常0.003〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜2モルである。
上記工程(2)における外部電子供与体を重合槽へ供給する方法として、以下の方法(1)および(2)を例示することができる:
(1)外部電子供与体を単独で供給する方法;および
(2)外部電子供与体と有機アルミニウム化合物との接触物を供給する方法。
本発明の固体触媒の製造方法における有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モルあたり、通常1〜1000モル、特に好ましくは5〜600モルである。
本発明の固体触媒の製造方法における外部電子供与体の使用量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルあたり、通常0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、特に好ましくは0.5〜800モルであり、有機アルミニウム化合物1モルあたり、通常0.001〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜1モルである。
本発明のオレフィン重合体の製造方法における重合温度は、通常−30〜300℃、好ましくは20〜180℃である。重合圧力は特に制限されず、工業的かつ経済的であるという点で、一般に常圧〜10MPa、好ましくは200kPa〜5MPa程度である。重合はバッチ式または連続式であり、重合方法としてプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンのような不活性炭化水素を溶媒とするスラリー重合法または溶液重合法や、重合温度において液状であるオレフィンを媒体とするバルク重合法や、気相重合法を例示することができる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法で得られるオレフィン重合体の分子量を調節するために、連鎖移動剤(例えば、水素や、ジメチル亜鉛およびジエチル亜鉛のようなアルキル亜鉛)を用いてもよい。
本発明によれば、重合活性が高く、低温の有機溶媒に溶出する成分含量の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分およびその製造方法、オレフィン重合用固体触媒の製造方法、ならびにオレフィン重合体の製造方法を得ることが出来る。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって特に限定をうけない。
[実施例1]
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機付反応器に、ヘキサン270ml、テトラエトキシシラン79.9mlおよびテトラブトキシチタン8.1mlを投入し、撹拌した。攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1mol/l)182mlを、反応器の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で1時間撹拌した後に濾過し固体を得た。該固体をトルエン各280mlで3回洗浄し、固体触媒成分前駆体を得た。前駆体にトルエン136mlを加えて、前駆体のトルエンスラリーを得た。
(2)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロートおよび温度計を備えた100mlフラスコを窒素で置換した。フラスコに、前駆体7gを含む量に相当する上記トルエンスラリーを投入した。フラスコにトルエンを追加して加えてスラリーの全体積を40.6mlとした。これに2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル2.0mlおよびフェニルトリクロロシラン5.4mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体にトルエン20mlを加え、70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて6回洗浄した。洗浄された固体をヘキサン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体を乾燥して固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には1.82重量%のチタン原子と9.4重量%の2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを含んでいた。
(3)エチレンと1−ブテンの共重合
内容積3Lの撹拌機付オートクレーブを十分乾燥した後これを真空にし、0.087MPaの水素を添加した後、ブタン640gおよび1−ブテン110gを仕込み、70℃に昇温した。次に、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム5.7ミリモルおよび上記固体触媒成分2.88mgをアルゴンによって圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で120分重合した。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、パウダー性状の良好なエチレンと1−ブテンとの共重合体35gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機に、重合体はほとんど付着していなかった。
重合活性は12,200g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体の短鎖分岐数(SCB)は12.9であり、20℃キシレンに溶出する成分含量(CXS)は3.7重量%であった。結果を表1に示した。
上記のSCBは、共重合体の炭素原子1000個当たりのメチル基の数を意味し、赤外線分光光度計(日本分光社製FT/IR−470PLUS)を用い、エチレンおよび1−ブテンの特性吸収から作成した検量線に基づいて求めた。
上記のCXSは以下のように測定した。1gの重合体を200mlの沸騰したキシレンに溶解させたのち、50℃まで除冷し、次いで氷水に浸し攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃で3時間放置したのち、析出した重合体を濾別した。濾液中に残存した重合体の重量百分率をCXS(単位=重量%)とした。CXS値が低いほど、重合体中に含まれる低分子量成分や無定形成分の含量が少ないことを表す。
[比較例1]
(1)固体触媒成分の合成
2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル2.0mlをエチレンカルボナート3.0mlに変更したこと以外は実施例1(2)と同様に行い固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には2.12重量%のチタン原子と17.0重量%のエチレンカルボナートを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分6.91mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体4gを得た。
重合活性は600g共重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体の量が少なかったため、諸物性を測定できなかった。
[比較例2]
(1)固体触媒成分の合成
2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル2.0mをプロピレンカルボナート1.0mlに変更したこと以外は実施例1(2)と同様に行い固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には3.33重量%のチタン原子と6.8重量%のプロピレンカルボナートを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分4.10mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体9gを得た。
重合活性は2,200g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは12.4であり、CXSは5.3重量%であった。結果を表1に示した。
[比較例3]
(1)固体触媒成分の合成
2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル2.0mlをブチレンカルボナート1.0mlに変更したこと以外は実施例1(2)と同様に行い固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には2.52重量%のチタン原子と12.7重量%のブチレンカルボナートを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分3.60mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体21gを得た。
重合活性は5,800g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは16.2であり、CXSは7.3重量%であった。結果を表1に示した。
[実施例2]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロートおよび温度計を備えた100mlフラスコを窒素で置換した。フラスコに、前駆体7gを含む量に相当する上記トルエンスラリーを投入した。スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。これに2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル1.1mlおよびフェニルトリクロロシラン3.5mlを投入し、100℃で3時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体にトルエン30mlを加え、70℃に昇温後、四塩化チタン2.5mlを投入し、100℃で1時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて6回洗浄した。洗浄された固体をヘキサン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体を乾燥して固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には2.84重量%のチタン原子と4.2重量%の2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分7.68mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体100gを得た。
重合活性は13,000g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは13.8であり、CXSは3.2重量%であった。結果を表1に示した。
[実施例3]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロートおよび温度計を備えた100mlフラスコを窒素で置換した。フラスコに、前駆体7gを含む量に相当する上記トルエンスラリーを投入した。スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。これに2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル1.4mlおよびフェニルトリクロロシラン3.5mlを投入し、100℃で2時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体にトルエン30mlを加え、70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、110℃で3時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて6回洗浄した。洗浄された固体をヘキサン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体を乾燥して固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には2.01重量%のチタン原子と4.9重量%の2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分10.87mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体136gを得た。
重合活性は12,500g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは14.2であり、CXSは4.8重量%であった。結果を表1に示した。
[実施例4]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロートおよび温度計を備えた100mlフラスコを窒素で置換した。フラスコに、前駆体7gを含む量に相当する上記トルエンスラリーを投入した。スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。これに2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル1.7mlおよびフェニルトリクロロシラン5.3mlを投入し、110℃で2時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体にトルエン30mlを加え、70℃に昇温後、四塩化チタン2.5mlを投入し、110℃で1時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて6回洗浄した。洗浄された固体をヘキサン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体を乾燥して固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には1.99重量%のチタン原子と8.5重量%の2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分8.90mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体36gを得た。
重合活性は4,000g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは13.3であり、CXSは3.6重量%であった。結果を表1に示した。
[実施例5]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロートおよび温度計を備えた100mlフラスコを窒素で置換した。フラスコに、前駆体7gを含む量に相当する上記トルエンスラリーを投入した。スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。これに2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル1.7mlおよびフェニルトリクロロシラン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体にトルエン30mlを加え、70℃に昇温後、四塩化チタン4.5mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。得られた混合物を固液分離し、固体を105℃でトルエン各30mlにて6回洗浄した。洗浄された固体をヘキサン各30mlにて3回洗浄した。洗浄された固体を乾燥して固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には2.35重量%のチタン原子と5.1重量%の2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分8.53mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体87gを得た。
重合活性は10,200g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは13.6であり、CXSは4.2重量%であった。結果を表1に示した。
[実施例6]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、ジエトキシマグネシウム5.0g、トルエン35mlを投入した。70℃に昇温後、フェニルトリクロロシラン5.4ml、2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル2.8mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン7.0mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には3.15重量%のチタン原子と1.6重量%の2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分16.50mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体61gを得た。
重合活性は3,700g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは16.1であり、CXSは7.7重量%であった。結果を表1に示した。
[実施例7]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、塩化マグネシウム5.1g、デカン23.0ml、2−エチルヘキサノール25.6mlを投入し、120℃で2時間加熱攪拌した。60℃に冷却後、2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチル1.28ml投入し、120℃で2時間加熱攪拌した。このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、この均一溶液を−20℃に保持した四塩化チタン127.8ml中に攪拌下で全量滴下投入した。投入終了後、この混合液の温度を5時間かけて110℃に昇温し、110℃になったところで混合液中に2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを0.8ml追添した。追添後、110℃で2時間反応させ、析出した固体部と液体部を分離した。この固体部を178.9mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、105℃のデカン30mlで洗浄を10回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られたオレフィン重合用固体触媒成分には1.96重量%のチタン原子と0.9重量%の2,5-ジオキサヘキサン二酸ジエチルを含んでいた。
(2)エチレンと1−ブテンの共重合
固体触媒成分2.88mgを上記(1)で得た固体触媒成分11.10mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体202gを得た。
重合活性は18,200g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは16.7であり、CXSは9.7重量%であった。結果を表1に示した。
[比較例4]
(1)エチレンと1−ブテンの共重合
比較例3(1)で得られた固体触媒成分19.90mg、ブタン660gおよび1−ブテン90gに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体106gを得た。
重合活性は5,300g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは14.5であり、CXSは6.7重量%であった。結果を表1に示した。
[比較例5]
(1)エチレンと1−ブテンの共重合
比較例3(1)で得られた固体触媒成分18.70mg、ブタン670gおよび1−ブテン80gに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレンと1−ブテンとの共重合体75gを得た。
重合活性は4,000g共重合体/g固体触媒成分であった。共重合体のSCBは12.4であり、CXSは5.1重量%であった。結果を表1に示した。



























Figure 2012158744

Claims (12)

  1. チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および式(I)で表される内部電子供与体を含有するオレフィン重合用固体触媒成分。
    Figure 2012158744
    式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり、2つのRは同一または異なり、2つのRは互いに結合して環を形成していてもよい;Xは酸素原子または硫黄原子であり、複数のXは同一または異なり;Zは炭素原子数1〜20のハイドロカルビレン基であり;nは1〜100の整数である。
  2. 式(I)のXが酸素原子である請求項1記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  3. 式(I)のnが1〜10である請求項1または2記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
  4. チタン化合物、マグネシウム化合物および式(I)で表される内部電子供与体を接触させる工程からなる、請求項1に記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
    Figure 2012158744
    式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり、2つのRは同一または異なり、2つのRは互いに結合して環を形成していてもよい;Xは酸素原子または硫黄原子であり、複数のXは同一または異なり;Zは炭素原子数1〜20のハイドロカルビレン基であり;nは1〜100の整数である。
  5. マグネシウム化合物がハロゲン化マグネシウムである請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
  6. マグネシウム化合物がジアルコキシマグネシウムである請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
  7. 該工程が、チタン化合物とマグネシウム化合物とを接触させて、チタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分を生成させる工程(1)、および該固体成分と式(I)で表される内部電子供与体とを接触させる工程(2)からなる請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
  8. 固体成分が3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有するオレフィン重合用固体触媒成分前駆体である請求項7記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
  9. オレフィン重合用固体触媒成分前駆体は、Si−O結合を有するケイ素化合物の存在下、下式(vii)で表されるチタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる請求項8記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
    Figure 2012158744
    式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し;Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基を表し、複数のXは同一または異なり;mは1〜20の整数を表す。
  10. 請求項1〜3のいずれかに記載の固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる工程からなるオレフィン重合用固体触媒の製造方法。
  11. 請求項10記載の製造方法によって製造される固体触媒の存在下にオレフィンを重合させる工程からなるオレフィン重合体の製造方法。
  12. オレフィンがエチレンとα―オレフィンとを含む組合せである請求項11記載の製造方法。
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