JP2012157926A - ギヤホーニング砥石の製作方法、および外歯歯車のギヤホーニング加工方法 - Google Patents

ギヤホーニング砥石の製作方法、および外歯歯車のギヤホーニング加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所要の形状精度を有するギヤホーニング砥石を低コストに製作する。また、上述のようにして製作したギヤホーニング砥石を用いて、高精度なギヤホーニング加工を低コストに実施する。
【解決手段】本発明に係る外歯歯車のギヤホーニング加工方法は、使用済みのシェービングカッタの外歯表面に砥粒を電着する(B)電着工程と、砥粒を電着したシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形する(C)内歯成形工程と、内歯を成形したギヤホーニング砥石をギヤホーニング加工装置に取り付け、取り付けた状態のギヤホーニング砥石に対してドレス加工を施す(D)ドレス加工工程と、ドレス加工を施したギヤホーニング砥石を用いて、外歯歯車にギヤホーニング加工を施す(E)ギヤホーニング加工工程とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ギヤホーニング砥石の製作方法、および外歯歯車のギヤホーニング加工方法に関する。
熱処理後の歯面仕上げ工法の一つであるギヤホーニング加工方法には、被削対象となる歯車素材の形態に応じて内歯もしくは外歯を有するギヤホーニング砥石が使用される。この種のホーニング砥石は、ホーニング盤と呼ばれる専用の加工装置に取り付けられた状態で、同じくホーニング盤に取り付けられたドレスギヤによるドレス加工を受けた後、歯車素材に対してギヤホーニング加工を施すようになっている。
また、内歯を有するギヤホーニング砥石の製作手段としては、所定の歯付け加工装置を用いて、この加工装置に設けた歯付け加工用ホイールで、無垢の(歯付け前の)輪状砥石の内周面に内歯を一歯ずつ成形する方法が一般的である(例えば、下記特許文献1を参照)。
しかしながら、上記のように内歯を一歯ずつ成形していく方法を採用する場合、歯のピッチ誤差が大きくなるため、成形後のギヤホーニング砥石をホーニング盤に取り付け、ドレス加工を行った場合の削り代(初期ドレス量)が非常に大きくなる、との問題が生じる。また、このように初期ドレス量が大きいと、その分上記ギヤホーニング砥石として使用できる領域が実質的に縮小するため、砥石の寿命が短くなり、結果的に加工コストの増加を招く。
ここで、例えば下記特許文献2には、砥石の製作コスト削減を目的として、WA砥粒等の比較的軟質な非金属材料からなる内歯砥石の内歯表面にCBN砥粒やダイヤモンド砥粒などの超砥粒を電着したものが記載されている。また、この砥石の製作方法として、Fe系材料で構成され、その表面に超砥粒を電着してなるドレス加工用のマスターギヤで非金属製砥石の内歯をドレス創成した後、この砥石の内歯の表面に導電性薄膜を形成し、然る後、超砥粒を電着する方法が記載されている。
特開2008−114305号公報 特開平7−237130号公報
上述のように、上記特許文献2に記載の方法は、ギヤホーニング砥石の母体を比較的軟らかい材料で形成することにより、砥石全体を超砥粒で形成する場合と比べて材料コストおよび加工コストの低減化を狙ったものである。しかしながら、本来目立て処理に使用するドレスギヤでもって無垢な状態の砥石に内歯を一から創成したのでは、加工に相当の時間を要する。また、砥石の母体を比較的軟らかい材料で形成したといっても、ダイヤモンド砥粒等に比べて軟らかい材料(WA砥粒など)で形成したということであり、砥石に要求される硬度を有する。そのため、上述のようにドレス加工で砥石の内歯を創成加工したのでは、ドレスギヤへの負担も目立て処理に比べて非常に大きくなり、その分交換頻度も高まる。ドレスギヤ自体は非常に高価であるため、上述のように頻繁に交換することで、加工コストの高騰を招く。以上の理由より、たとえ上記特許文献2に記載の方法でギヤホーニング砥石を製作したとしても、加工コストを抑えることは難しい。
以上の事情に鑑み、所要の形状精度を有するギヤホーニング砥石を低コストに製作することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
また、上述のようにして製作したギヤホーニング砥石を用いて、高精度なギヤホーニング加工を低コストに実施することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係るギヤホーニング砥石の製作方法により達成される。すなわち、この製作方法は、外歯歯車のギヤホーニング加工に用いられるギヤホーニング砥石の製作方法であって、使用済みのシェービングカッタの外歯表面に砥粒を電着する電着工程と、砥粒を電着したシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形する内歯成形工程とを具備する点をもって特徴付けられる。
本発明は、歯車の熱処理前仕上げ加工工程に使用されるシェービングカッタが所定回数の使用の後に廃却される点、および廃却時においても高い形状精度と切削能力を有する点に着目し、当該廃却される使用済みのシェービングカッタを、本来の用途とは異なる、ギヤホーニング砥石の内歯成形用途に再利用したことを特徴とする。従来、シェービングカッタは、継続使用により歯厚方向の寸法が小さくなり、所定の歯面精度が維持できなくなった時点で廃却されていたが、元々この種のカッタは、歯付け工程の後の仕上げ工程に用いられるものであるから、高い歯面精度を有し、また切削能力を高めるために歯面の高さ方向に伸びる複数のセレーションを有している。そのため、上述のように、継続使用により廃却相当な程度にまで磨り減った時点にあっても、歯車に対して仕上げ加工を施すギヤホーニング砥石の創成加工用のカッタとしてならば十分な歯面精度を有する。同様に、廃却相当時においても、セレーションは残存し、ギヤホーニング砥石の歯面創成用カッタとして十分な切削能力を発揮し得る。
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、使用済みのシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形するようにしたので、内歯の成形用にドレスギヤ等の専用品を用いる必要がない。また、廃却相当品を再利用しているため、内歯成形用工具の購入コストを実質的に零とすることができる。よって、ギヤホーニング砥石の成形加工に要するコストを大幅に低減することができる。また、使用済みのシェービングカッタであってもセレーションは残っており、かつ、歯面に砥粒を電着形成するようにしたので、ギヤホーニング砥石に対する高い切削能力を発揮することができる。よって、当該砥石の内歯を容易に成形することができ、この点においても加工コストを低減することができる。また、シェービングカッタであれば廃却相当時においても歯の諸元(歯のピッチ、歯面精度)につき高い精度を維持しているため、これを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形することで、従来のように一歯ずつ内歯を成形する場合と比べてピッチ誤差が小さく、形状精度にも優れたギヤホーニング砥石を成形することが可能となる。言い換えると、ドレスギヤ等の高価な専用加工歯を用いずとも、ドレスギヤを用いて内歯を創成加工する場合と同等の高い成形精度を得ることができる。さらには、廃却扱いとなったシェービングカッタであれば、使用開始時に比べて歯丈寸法も小さくなるので、その分歯の剛性も高まる。よって、砥石加工歯としての寿命も向上する。
また、本発明に係るギヤホーニング砥石の製作方法においては、使用済みのシェービングカッタの歯の先端に、歯幅方向に直交する向きのセレーションを形成するセレーション形成工程をさらに具備し、上記セレーションを形成したシェービングカッタを電着工程に供給するようにしてもよい。
使用済みのシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石を成形する際、砥石の歯底は、シェービングカッタの歯の先端をギヤホーニング砥石の歯幅方向に沿ってスライドさせることにより成形される。そのため、使用済みのシェービングカッタの歯の先端に、歯幅方向に直交する向きのセレーションを設けておくことで、歯底の切削能力を高めることができる。従って、元々歯面に形成されていたセレーションにより砥石の歯面を容易に成形できると共に、歯の先端に設けた歯幅方向に直交する向きのセレーションにより砥石の歯底についても容易に成形することが可能となる。
また、前記課題の解決は、本発明に係る外歯歯車のギヤホーニング加工方法によっても達成される。すなわち、このギヤホーニング加工方法は、ギヤホーニング砥石を取り付けたギヤホーニング加工装置を用いて外歯歯車にギヤホーニング加工を施す方法であって、使用済みのシェービングカッタの外歯表面に砥粒を電着する電着工程と、砥粒を電着したシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形する内歯成形工程と、内歯を成形したギヤホーニング砥石をギヤホーニング加工装置に取り付け、取り付けた状態のギヤホーニング砥石に対してドレス加工を施すドレス加工工程とを具備する点をもって特徴付けられる。
本発明においても、上述と同様、使用済みのシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形するようにしたので、内歯の成形用にドレスギヤ等の専用品を用いる必要がなく、また、廃却相当品を再利用しているため、内歯成形用工具の購入コストを実質的に零とすることができる。よって、ギヤホーニング砥石の成形加工に要するコストを大幅に低減することができる。また、使用済みのシェービングカッタの歯面はそれまでの使用により磨り減っているが、このカッタは熱処理前の仕上げ加工に使用されることから、使用済みの状態に至ってもなお当該歯面の形状精度は維持されている。そのため、このカッタを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形することで、ピッチ誤差が小さく、形状精度にも優れたギヤホーニング砥石を成形することが可能となる。一方で、ギヤホーニング砥石の加工工程と、歯車のギヤホーニング加工工程とは別工程で行われるため、一旦砥石をその加工装置から取り外して、ホーニング加工装置に取り付ける必要がある。そのため、内歯を成形したギヤホーニング砥石をギヤホーニング加工装置に取り付け、取り付けた状態のギヤホーニング砥石に対してドレス加工を施すことで、取り付け時の誤差を修正することができ、かつ、ギヤホーニング砥石の内歯歯面をより高精度に仕上げることが可能になる。また、この際、ギヤホーニング砥石は先のシェービングカッタによる歯付け加工(内歯成形加工)により、誤差の小さいピッチ出しがなされているため、ギヤホーニング加工前に上記ドレス加工を施したとしても、その削り代(初期ドレス量)は少なくて済む。従って、ドレス加工の量および回数を従来に比べて大幅に低減でき、これにより実質的な砥石寿命(使用可能時間)を向上させ、かつギヤホーニング加工に要するコストを低く抑えることが可能となる。
また、本発明に係る外歯歯車のギヤホーニング加工方法においては、内歯歯車のシェービング加工に使用したシェービングカッタを、使用済みのシェービングカッタとして電着工程に供給するようにしてもよい。
本発明は、歯車の熱処理前仕上げ加工に使用したシェービングカッタをギヤホーニング砥石の歯面成形加工に転用することを特徴とするものである。そのため、ピッチ等の所定の歯車諸元が一致するのであれば、仮に本発明に係るギヤホーニング加工を施す歯車素材とは別の種類の歯車に対する熱処理前仕上げ加工に使用したシェービングカッタであっても、本発明に係るギヤホーニング砥石の成形加工に使用することができる。ところで、従来、切削能力や寿命の向上を目的として、外歯歯車用のシェービングカッタには比較的大きなサイズが採用されていた。外歯同士の噛み合いだと特に寸法上の制限は受けないためである。これに対して、本発明に係るギヤホーニング砥石は内歯歯車形状をなすものであるから、従来の如き大きなサイズのシェービングカッタを利用しようとすると、噛み合い干渉が生じるおそれがある。一方で、最近では、遊星ギヤなど内歯歯車の内歯を仕上げるためのシェービングカッタが出現してきており、外歯歯車用のカッタに比べて非常に小径になっている。本発明では、この点に着目し、内歯歯車のシェービング加工に使用したシェービングカッタを、使用済みのシェービングカッタとして電着工程に供給するようにした。これにより、内歯歯車用のシェービングカッタをギヤホーニング砥石の成形加工に使用することができるので、砥石の内歯との干渉を確実に避けて、砥石の歯面成形を円滑に実施することが可能となる。
以上のように、本発明に係るギヤホーニング砥石の製作方法によれば、所要の形状精度を有するギヤホーニング砥石を低コストに製作することができる。また、本発明に係る歯車のギヤホーニング加工方法によれば、上述のようにして製作したギヤホーニング砥石を用いて、高精度なギヤホーニング加工を低コストに実施することができる。
本発明の一実施形態に係るギヤホーニング砥石の製作工程と、この砥石を用いたギヤホーニング加工工程とを含む外歯歯車の製造プロセスを示すフローチャートである。 ギヤホーニング砥石の内歯成形に用いるシェービングカッタの正面図である。 図2に示すシェービングカッタの一例を示す要部拡大斜視図である。 図2に示すシェービングカッタの他の例の示す要部拡大斜視図である。 シェービングカッタに設けた外歯表面付近の拡大断面図である。 シェービングカッタによるギヤホーニング砥石の内歯成形工程の一例を説明するための正面図である。
以下、本発明に係るギヤホーニング砥石の製作工程と、外歯歯車のギヤホーニング加工方法の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る外歯歯車のギヤホーニング加工方法の一例であって、その加工手順をフロー化して示したものである。この実施形態における外歯歯車のギヤホーニング加工方法は、図1中右列のフローで示すように、使用済みのシェービングカッタの歯の先端に、歯幅方向に直交する向きのセレーションを形成する(A)セレーション形成工程と、セレーションを形成したシェービングカッタの外歯表面に砥粒を電着する(B)電着工程と、砥粒を電着したシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形する(C)内歯成形工程と、内歯を成形したギヤホーニング砥石をギヤホーニング加工装置に取り付け、取り付けた状態のギヤホーニング砥石に対してドレス加工を施す(D)ドレス加工工程と、ドレス加工を施したギヤホーニング砥石を用いて、外歯歯車にギヤホーニング加工を施す(E)ギヤホーニング加工工程(図1中、左列フローの最終工程)とを具備する。このうち、(A)セレーション形成工程と(B)電着工程は、ギヤホーニング砥石成形用のシェービングカッタを製作する工程に含まれ、(C)内歯成形工程は、上記(A)および(B)の工程で得たシェービングカッタを用いてギヤホーニング砥石を製作する工程に含まれる。また、(D)ドレス加工工程は、(E)ギヤホーニング加工工程の一部でもあり、ギヤホーニング砥石の製作工程の一部と見ることもできる。
また、この実施形態では、図1中左列のフローに示すように、ギヤホーニング加工を施す外歯歯車は、(E)ギヤホーニング加工工程の前に、歯面を除いた部分を所定の形状に成形してブランク材(歯車素材)を得る(a)ブランク加工工程と、ブランク加工を施した歯車素材にホブ加工等の歯切り加工を施し、歯面を粗成形する(b)歯切り加工工程と、歯切り加工を施した歯車素材に熱処理前仕上げ加工を施して歯面を仕上げる(c)熱処理前仕上げ加工工程と、熱処理前仕上げ加工を施した歯車素材に浸炭焼入れ等の熱処理を施す(d)熱処理工程とを具備する。そして、これら一連の加工工程(a)〜(d)および(E)を経ることで、歯車素材に対する加工が完了し、必要に応じて洗浄、検査を行うことで外歯歯車が完成するようになっている。以下では、(E)ギヤホーニング加工工程に至る外歯歯車の加工工程(a)〜(d)を先に説明し、然る後、(E)ギヤホーニング加工工程およびこの工程に関連する工程(A)〜(D)を詳細に説明する。
(a)ブランク加工工程
まず、素材となる鋼材を旋盤等で旋削して、歯車の歯面を除いた部分を所定の形状に成形し、ブランク材を得る(ブランク加工)。なお、ブランク加工には、旋削以外の加工手段(例えば鍛造)を採用することも可能である。
(b)歯切り加工工程
次いで、旋削加工を施したブランク材(歯車素材)に対して、例えばホブカッタを取り付けたホブ加工装置を用いてホブ加工を行い、歯車素材の外周に完成品に準じた形状の歯面、例えばインボリュート歯面を粗成形する(歯切り加工)。なお、歯切り加工には、上述したホブ加工に限らず、ギヤシェーパ加工等の創成歯切り加工を採用してもよく、あるいは、フライス加工やディスク状砥石を用いた研削成形加工等の成形歯切り加工を採用してもよい。
(c)熱処理前仕上げ加工工程
上述のように歯切り加工を施した歯車素材に対して熱処理前仕上げ加工、ここではシェービング加工を施し、歯切り加工で歯車素材の各外歯の歯面に生成された切削目(ツールマークともいう。)を除去すると共に、この歯面に仕上げ加工を施す。このようにして、シェービングカッタで歯車素材の歯面を削り取ることで、歯面が滑らかに仕上げられる。また、歯切り加工時の形状や寸法のばらつきをシェービング加工である程度抑えることができ、これにより歯面の形状精度を向上させることができる。
(d)熱処理工程
このようにしてシェービング加工を施した後、浸炭焼入れ等の熱処理を施すことで、外歯歯車の高硬度化を図る(熱処理)。具体的には、シェービング加工を終えた歯車素材を焼き入れ炉、次いで冷却炉に投入し、所定の熱履歴を付与することで、歯車素材の硬度向上および剛性向上が図られる。
以下、(E)ギヤホーニング加工工程に用いるギヤホーニング砥石の製作工程、およびこの砥石を用いたギヤホーニング加工を説明する。
(A)セレーション形成工程
この工程では、シェービング加工工程(例えば、上記(c)の工程)で所定回数使用された後、廃却扱いとなった使用済みのシェービングカッタに、歯幅方向に直交する向きのセレーションを設ける。すなわち、本発明では、図2に示すように、外歯11の表面に砥粒16を電着した使用済みのシェービングカッタ10をギヤホーニング砥石の内歯成形に用いるようにしており、このシェービングカッタ10は、図3に示すように、各外歯11の歯面12に、歯面高さ方向に伸びる複数のセレーション(第1のセレーション)13を有している。このセレーション13は、シェービング加工に所定回数使用し、廃却扱いとなる時点においても、後述するギヤホーニング砥石20(図6を参照)の内歯を成形可能な程度の十分な溝深さを有している。そのため、使用済みのシェービングカッタをそのまま(B)電着工程に供給しても構わないが、ギヤホーニング砥石20の歯面に加えて歯底22(図6を参照)の切削能力を確保することを考えた場合、図4に示すように、外歯11の先端面14に、歯幅方向に直交する向きのセレーション15(第2のセレーション)を形成しておくことも有効となる。
なお、この場合、図4に示すように、既に双方の歯面12に形成してある第1のセレーション13と連続するように第2のセレーション15を形成してもよく、図示は省略するが、これら第1のセレーション13と歯幅方向位置をずらして第2のセレーション15を設けてもよい。また、第1のセレーション13と第2のセレーション15とで歯幅方向寸法や溝深さが等しくてもよく、一方又は双方の寸法が相違してもよい。
(B)電着工程
電着加工は、例えば電着対象となる砥粒16をNi等の電解液中に混合し、メッキ加工に準じた通電加工を行うことにより、電解液中の砥粒16を金属製のシェービングカッタ10の本体表面に電着させる。これにより、図5に示すように、ギヤホーニング砥石20の切削面となる歯面12や先端面14に砥粒16が電着すると共に、各セレーション13,15の溝表面や、歯面12や先端面14と各セレーション13,15との間の角部に砥粒16が電着する。これにより、ギヤホーニング砥石20の歯面創成能力が高められる。
なお、この工程でシェービングカッタ10の本体表面に電着させる砥粒16には、特段の制限無く任意の種類の砥粒が使用可能であり、一例として特に高い硬度を有し、切削能力に優れたダイヤモンド砥粒を挙げることができる。
(C)内歯成形工程
上記(A)および(B)の工程を経ることにより、図2に示す形態のシェービングカッタ10を製作した後、このシェービングカッタ10を用いて、ギヤホーニング砥石20の内歯21を成形する。この場合、まず所定の砥粒を焼結してなる環状のギヤホーニング砥石素材を用意する。使用する砥粒は、ギヤホーニング砥石に用いられる一般的な種類の砥粒であり、A、WA、PA、HA、AE、AZなどのアルミナ系、もしくはC、GCなどの炭化ケイ素系の砥粒が使用可能である。そして、上記環状をなす無垢状態(歯付け前の状態)のギヤホーニング砥石を例えばシェービング加工装置(図示は省略する)に回転支持可能に取り付けると共に、上記(A)および(B)の工程を経て製作したシェービングカッタ10を同一のシェービング加工装置に取り付け、図6に示すように、無垢状態のギヤホーニング砥石20の内周に配置する。然る後、例えば図示しない駆動部によりシェービングカッタ10を回転駆動させると共に、シェービングカッタ10をギヤホーニング砥石20の内周面に押し付けることで、ギヤホーニング砥石20への内歯21の成形を開始する。このようにして内歯21が歯先側から成形され始めると、シェービングカッタ10の外歯11と、ギヤホーニング砥石20の内歯21とが噛み合いを生じるので、このシェービングカッタ10と噛み合い状態にあるギヤホーニング砥石20が同期回転し、かつ、この際、シェービングカッタ10の回転軸とギヤホーニング砥石20の回転軸とが所定の交差角を有することにより、外歯11の歯面12と内歯21の歯面との間に相対滑りが生じる。そのため、この相対滑りによりシェービングカッタ10の歯面12に設けた複数のセレーション(第1のセレーション13)が、ギヤホーニング砥石20の内歯21の歯面に対する高い切削能力を発揮し、より容易に内歯21を成形することができる。
また、この実施形態のように、外歯11の先端面14に、歯幅方向に直交する向きのセレーション(第2のセレーション15)を複数本形成している場合、このシェービングカッタ10をギヤホーニング砥石20に対して歯幅方向にスライドさせることで、先端面14に設けた第2のセレーション15が高い切削能力を発揮し、これによりギヤホーニング砥石20の歯底22を容易かつ高精度に成形することができる。また、この際、シェービングカッタ10をギヤホーニング砥石20に押し付けてシェービング加工を施すことで、ギヤホーニング砥石20の内歯21のピッチ間誤差を非常に小さくすることができる。
(D)ドレス加工
このように(A)〜(C)の工程を経ることにより、ギヤホーニング砥石20が製作されるので、(E)ギヤホーニング加工工程でこのギヤホーニング砥石20を用いて外歯歯車にギヤホーニング加工を施す。この実施形態では、その前に、まず内歯21を成形したギヤホーニング砥石20(図6)を図示しないギヤホーニング加工装置に取り付け、取り付けた状態のギヤホーニング砥石20に対してドレス加工を施す。具体的には、ギヤホーニング砥石20をギヤホーニング加工装置に回転可能に取り付けると共に、ドレスギヤ(図示は省略)を回転駆動部に取り付ける。そして、ドレスギヤの外歯をギヤホーニング砥石20の内歯21に噛み合わせた状態でドレスギヤを回転駆動させることで、ギヤホーニング砥石20を連れ回りさせる。ギヤホーニング砥石20を噛み合いを維持した状態で、ドレスギヤと同期して回転駆動させるようにしてもよい。これにより、ギヤホーニング砥石20のギヤホーニング加工装置への取り付け時に生じた位置ずれ(取り付け誤差)をドレス加工で取り除いて、当該ずれ(誤差)を解消することができる。また、これと同時に、高い形状精度を有するドレスギヤで内歯21を切削(研削)することにより、内歯21の形状精度を一層高めることができる。
(E)ギヤホーニング加工
以上のようにしてギヤホーニング砥石20に対して所定の加工を施した後、ドレスギヤをホーニング加工対象となる外歯歯車素材に付け替えて、ギヤホーニング砥石20による外歯歯車のギヤホーニング加工を行う。これにより歯車素材に対する加工が完了し、必要に応じて洗浄、検査を行うことで完成品としての外歯歯車が製造される。
このように、本発明では、使用済みのシェービングカッタ10を用いてギヤホーニング砥石20の内歯21を成形するようにしたので、内歯21の成形用にドレスギヤ等の専用品を用いずに済む。むしろ、廃却相当品を再利用しているため、内歯21成形用工具の購入に要するコストを実質的に零とすることができる。従って、ギヤホーニング砥石20の成形加工に要するコストを大幅に低減することができる。また、使用済みのシェービングカッタであってもセレーションは残っており、かつ、歯面に砥粒を電着形成するようにしたので、ギヤホーニング砥石に対する高い切削能力を発揮することができる。よって、当該砥石の内歯を容易に成形することができ、この点においても加工コストを低減することができる。また、シェービングカッタであれば廃却相当時においても歯の諸元(歯のピッチ、歯面精度)につき高い精度を維持しているため、これを用いてギヤホーニング砥石の内歯を成形することで、従来のように一歯ずつ内歯を成形する場合と比べてピッチ誤差が小さく、形状精度にも優れたギヤホーニング砥石を成形することが可能となる。さらには、廃却扱いとなったシェービングカッタであれば、使用開始時に比べて歯丈寸法も小さくなるので、その分歯の剛性も高まる。よって、砥石加工歯としての寿命も向上する。
また、この実施形態では、使用済みのシェービングカッタ10に設けた外歯11の先端面14に、歯幅方向に直交する向きのセレーション(第2のセレーション15)を形成するようにし、このセレーション15を形成したシェービングカッタ10を用いてギヤホーニング砥石20の歯底22対応部分を切削(研削)するようにしたので、当該歯底22対応部分に対応する切削能力を高めて、歯底22を含む内歯21の形状精度をより高めることができる。
また、この実施形態では、内歯21を成形したギヤホーニング砥石20をギヤホーニング加工装置に取り付け、取り付けた状態のギヤホーニング砥石20に対してドレス加工を施すようにしたので、ギヤホーニング砥石20をギヤホーニング加工装置に取り付けた際に生じる誤差(取り付け誤差)を修正することができ、かつ、ギヤホーニング砥石20の内歯21歯面をより高精度に仕上げることが可能になる。また、この際、ギヤホーニング砥石20は先のシェービングカッタ10による歯付け加工(内歯成形加工)により、誤差の小さいピッチ出しがなされているため、ギヤホーニング加工前に上記ドレス加工を施したとしても、その削り代(初期ドレス量)は少なくて済む。従って、ドレス加工の量および回数を従来に比べて大幅に低減でき、これにより実質的な砥石寿命(使用可能時間)を向上させ、かつギヤホーニング加工に要するコストを低く抑えることが可能となる。
なお、本発明においてギヤホーニング砥石20の内歯成形に用いる使用済みのシェービングカッタ10としては、内歯成形時の噛み合い干渉等の不具合を考慮して、ギヤホーニング砥石20との径差がなるべく大きいものを使用するのがよい。例えば図示は省略するが、内歯歯車のシェービング加工に使用したシェービングカッタを、使用済みのシェービングカッタ10として(A)電着工程に供給するようにしてもよい。内歯歯車のシェービング加工に使用したシェービングカッタであれば、これをギヤホーニング砥石20の内歯成形に使用したとしても、上記の如き干渉の問題は生じないためである。一例として、外径がφ300〜350mm程度のギヤホーニング砥石20に内歯21を成形する場合、使用済みのシェービングカッタ10の外径はφ60〜φ280mmが好適である。ギヤホーニング砥石20との径差の比率でいえば、おおよそ3分の1以下がより好適である。
また、本発明に係るギヤホーニング砥石20の製作方法および外歯歯車のギヤホーニング加工方法は、上記例示の形態に限定されることはない。ギヤホーニング砥石20の製作方法であれば、使用済みのシェービングカッタ10の外歯11表面に砥粒16を電着する電着工程と、砥粒16を電着したシェービングカッタ10を用いてギヤホーニング砥石20の内歯21を成形する内歯成形工程とを具備する限りにおいて、任意の形態を採ることが可能である。同様に、外歯歯車のギヤホーニング加工方法であれば、使用済みのシェービングカッタ10の外歯11表面に砥粒16を電着する電着工程と、砥粒16を電着したシェービングカッタ10を用いてギヤホーニング砥石20の内歯21を成形する内歯成形工程と、内歯21を成形したギヤホーニング砥石20をギヤホーニング加工装置に取り付け、取り付けた状態のギヤホーニング砥石20に対してドレス加工を施すドレス加工工程とを具備する限りにおいて、任意の形態を採ることが可能である。
また、上記実施形態では、外歯歯車のギヤホーニング加工工程に至るまでの加工プロセスとして、(a)ブランク加工工程、(b)歯切り加工工程、(c)熱処理前仕上げ加工工程、および(d)熱処理工程を例示したが、もちろんこのプロセスに限定されることはない。例えば、ギヤホーニング加工対象となる外歯歯車とは異なる種類ないしサイズの外歯歯車に対してシェービング加工を施す場合、当該加工に使用したシェービングカッタを本発明に係るギヤホーニング砥石20の内歯成形に用いることができるが、この場合、ギヤホーニング加工の対象となる外歯歯車に対して、(c)熱処理前仕上げ加工として、シェービング加工以外の加工手段(例えばブローチ加工や転造加工)を採用してもよいことはもちろんである。
10 シェービングカッタ
11 外歯
12 歯面
13 セレーション(第1のセレーション)
14 先端面
15 セレーション(第2のセレーション)
16 砥粒
20 ギヤホーニング砥石
21 内歯
22 歯底

Claims (4)

  1. 外歯歯車のギヤホーニング加工に用いられるギヤホーニング砥石の製作方法であって、
    使用済みのシェービングカッタの外歯表面に砥粒を電着する電着工程と、
    前記砥粒を電着したシェービングカッタを用いて前記ギヤホーニング砥石の内歯を成形する内歯成形工程とを具備する点を特徴とするギヤホーニング砥石の製作方法。
  2. 前記使用済みのシェービングカッタの歯の先端に、歯幅方向に直交する向きのセレーションを形成するセレーション形成工程をさらに具備し、前記セレーションを形成したシェービングカッタを前記電着工程に供給する請求項1に記載のギヤホーニング砥石の製作方法。
  3. ギヤホーニング砥石を取り付けたギヤホーニング加工装置を用いて外歯歯車にギヤホーニング加工を施す外歯歯車のギヤホーニング加工方法であって、
    使用済みのシェービングカッタの外歯表面に砥粒を電着する電着工程と、
    前記砥粒を電着したシェービングカッタを用いて前記ギヤホーニング砥石の内歯を成形する内歯成形工程と、
    前記内歯を成形したギヤホーニング砥石を前記ギヤホーニング加工装置に取り付け、該取り付けた状態のギヤホーニング砥石に対してドレス加工を施すドレス加工工程とを具備することを特徴とする外歯歯車のギヤホーニング加工方法。
  4. 内歯歯車のシェービング加工に使用したシェービングカッタを、前記使用済みのシェービングカッタとして前記電着工程に供給する請求項3に記載の外歯歯車のギヤホーニング加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107186287A (zh) * 2017-07-20 2017-09-22 合肥工业大学 一种降低内齿强力珩齿珩削径向力大小的方法

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