JP2012156409A - バックライト用発光装置 - Google Patents

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健 櫻井
Shinichi Funaki
真一 船木
Shunroku Sukumoda
俊緑 すくも田
Taku Omura
卓 大村
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Abstract

【課題】本発明により、放熱性が良好で長期使用時の耐久性に優れ、製造コストが安価であり、光の指向性に優れ、対象となる表示部(受光部)へ的確にLED光線を照射することが可能なバックライト用発光装置を提供する。
【解決手段】光沢度が80〜110%であるSnめっき、Niめっき、Agめっき、Ag−Sn合金めっきからなるグループから選択された一種のめっきが表面に施された熱伝導率が150〜400W/(m・K)である凸凹部を有する銅或いは銅合金異形断面板と、当該異形断面板の凹部の側面に形成されたカソードパターニング回路およびアノードパターニング回路と、前記凹部の底面に直接実装され前記カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路と配線により直列或いは並列に接続された複数個の発光素子と、当該複数個の発光素子を覆うように前記凹部内を封止する透明樹脂とから構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、バックライト用発光装置に関し、特に詳しくは、耐久性と放熱性に優れたCOB型のバックライト用発光装置に関する。
COB型のバックライト装置として、樹脂基板に複数のLED素子を直接的に搭載するものが知られている。この種のバックライト装置では、基板としてガラスエポキシ樹脂(熱伝導率:0.2〜0.3W/mK)を用い、基板に導電性金属からなる電極パターンを形成する。バックライト装置を利用する表示装置では、基板のLED素子の搭載面と対向して表示部を設けるため、LED素子から基板側へ入射した光を基板にて反射させる必要がある。そこで、基板表面を白色樹脂のソルダーレジスト層により被覆し、基板表面の反射率を高めたものが一般的である。しかしながら、樹脂基板を用いたCOB型のバックライト装置は、基板の熱伝導率が低く、LED素子にて生じた熱が装置内にこもり易く、これにより、長期の使用に際し、白色のソルダーレジスト層が黄変するおそれがあった。
また、透明なガラス基板上にITOからなる透明導電膜を形成したLED表示装置が
提案されており、このLED表示装置により、LEDチップ実装部と基板側のメタライズ部以外は透明に保つことができ、かつ表示品位を向上させることができるが、この様なLED表示装置は、基板が透明であるため、LED素子から発せられた光は基板を透過してしまい、基板の搭載面に対向する表示部へ的確に光を照射することができず、バックライト装置としての性能は低下する傾向がある。
これらの対策として、基板の熱伝導率を向上させ、長期の使用に際しての劣化を抑制することのできるバックライト装置及びこれを備えた表示装置として次の特許文献がある。
特許文献1では、各LED素子が搭載される基板をガラスとし、各LED素子にて生じた熱が基板から効率良く放散されるようにするとともに、ガラスに反射性を持たせることにより各LED素子から発せられた光が基板を透過しないようにし、基板のLED素子の搭載面と対向する表示部へ的確に光を照射するようにしたことを特徴とする基板の熱伝導率を向上させ、長期の使用に際しての劣化を抑制することのできるバックライト装置及びこれを備えた表示装置を開示する。
特許文献2では、側面と樹脂および/または導電性金属から形成された底面とを有する凹部に複数のLEDチップが搭載され、該凹部が透光性樹脂で封止されているLEDパッケージにおいて、該LEDチップ各々を隔てる障壁が該底面と同一の樹脂または同一の導電性金属で一体成型されていることを特徴とする3イン1パッケージやマルチチップパッケージにおける出力ロスを低減する低コストのLEDパッケージが開示されている。
特許文献3では、LEDチップ収納凹部の銀めっきの表面が酸化・硫化し難く、放熱性が良好なLED発光装置が開示されている。アルミ板にアルマイト処理した基台の上に、上面に所定の導電パターンを形成し、LEDチップをダイボンドする領域を有する開口部を備えたプリント基板を貼付し、プリント基板の開口部に位置する基台の上にLEDチップを透明ペーストでダイボンドし、LEDチップの上面電極とプリント基板上に形成した導電パターンとを金線でワイヤーボンディングし、プリント基板の外周上面に、LEDチップを覆うように外周部に封止樹脂注入孔を有するシリコーン樹脂よりなるレンズ付ケースを貼付し、レンズ付ケースに設けた封止樹脂注入孔よりゴム/ゲル系シリコーン樹脂よりなる封止樹脂を注入してLEDチップを封止することにより製造される。
特許文献4では、半導体のパッケージの放熱性および製造コストを改善する構造および製造方法として、金属基板の一部分に半導体がダイボンディングされ、他の部分に半導体の電極がボンディングされ、両部分は分割されているが封止樹脂により相互に連結された構造を有し、かつ金属基板の両部分は電極端子ともなっている構造が開示されている。集合金属基板上の所定位置に多数の半導体をダイボンディングし、半導体の各々の電極と金属板上の他の所定位置とをそれぞれワイヤーボンディングし、半導体を封止する樹脂を基板全面に充填しかつ硬化させた後、集合金属基板の各所定領域と各他の所定領域とを封止樹脂を残して分割する加工と集合金属基板および封止樹脂をデバイス毎に切断分離する加工を行い製造される。
特開2009−170847号公報 特開2008−41699号公報 特開2007−129053号公報 特開2000−77725号公報
上述の特許文献に開示されるバックライト装置は、放熱性及び耐久性が充分とは言えず、製造コストも安価ではなかった。
本発明では、放熱性が良好で長期使用時の耐久性に優れ、製造コストが安価であり、光の指向性に優れ、対象となる表示部(受光部)へ的確にLED光線を照射することが可能なバックライト用発光装置を提供する。
本発明者らは、下記に記載の放熱性が良好で長期使用時の耐久性に優れ、製造コストの安価な光の指向性に優れたバックライト用発光装置を既に見出している。
(1)光沢度が80〜110%であるSnめっき、Niめっき、Agめっき、Ag−Sn合金めっきからなるグループから選択された一種のめっきが表面に施された熱伝導率が150〜400W/(m・K)である凸凹部を有する銅或いは銅合金異形断面板と、当該異形断面板の凹部の底面に形成されたカソードパターニング回路およびアノードパターニング回路と、前記凹部の底面に直接実装され前記カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路の間に直列或いは並列に接続された複数個の発光素子と、当該複数個の発光素子を覆うように前記凹部内を封止する透明樹脂とから構成される。
(2)前記凹部の側面の少なくとも下部の断面形状が、両側面どうしの間隔を上方に向かうにしたがって漸次広げるように、円弧曲線或いは放物線からなる凹状曲線に形成される。
(3)前記めっきの表面の算術平均粗さRaが0.03〜0.09μmであり、最大高さRzが0.40〜0.85μmであり、二乗平均平方根粗さRqと最大高さRzの比率(Rq/Rz)が0.10〜0.25である。
これらの知見をもとに、バックライト用発光装置として、目的とする受光部に更に的確に強力なLED光線を照射するには、異形断面形状の凹部の底面の幅を製造上可能な限り狭め、凹部の開口部から照射される発光素子からの光線の指向性を高めることが必要であり、その為には、異形断面形状の凹部の底面に形成されていたカソードパターニング回路およびアノードパターニング回路を凹部の側面に形成して、凹部の発光素子が搭載される底面の幅を極力縮小し、更に、カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路が形成された凹部の側面の光の反射板としての機能の低下させない為に、カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路の表面の光沢度を凹部の側面に施されためっきの光沢度と同程度にする必要があることを見出した。
即ち、本発明のバックライト用発光装置は、光沢度が80〜110%であるSnめっき、Niめっき、Agめっき、Ag−Sn合金めっきからなるグループから選択された一種のめっきが表面に施された熱伝導率が150〜400W/(m・K)である凸凹部を有する銅或いは銅合金異形断面板と、当該異形断面板の凹部の側面に形成されたカソードパターニング回路およびアノードパターニング回路と、前記凹部の底面に直接実装され前記カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路と配線により直列或いは並列に接続された複数個の発光素子と、当該複数個の発光素子を覆うように前記凹部内を封止する透明樹脂とから構成されたことを特徴とする。
本発明において、銅或いは銅合金断面条材の表面に施されるめっきは、耐熱性、樹脂に対する耐硫化性の観点から、Snめっき、Niめっき、Agめっき、Ag−Sn合金めっきからなるグループから選択された一種のめっきであり、反射率の観点から、その光沢度は80〜110%である。光沢度が80%未満では反射効果が不足し、110%を超えると反射効果が飽和して無駄となる。めっきの厚みは0.2〜3.0μmが好ましく、0.2μm未満では耐熱性、耐硫化性が不足し、3.0μmを超えると効果が飽和し、高価なAgを使用する場合はコスト的にも無駄となる。
また、銅或いは銅合金断面条材の熱伝導率は、150W/(m・K)未満では、効果が充分ではなく、400W/(m・K)を超えると効果が飽和し、製造コストの観点から無駄であり、実用上は160〜370W/(m・K)とすることが好ましい。
更に、本発明のバックライト用発光装置は、前記めっきの表面の算術平均粗さRaが0.03〜0.09μmであり、最大高さRzが0.40〜0.85μmであり、二乗平均平方根粗さRqと最大高さRzの比率(Rq/Rz)が0.10〜0.25であることを特徴とする。
めっきの表面の算術平均粗さRa、最大高さRz、二乗平均平方根粗さRqと最大高さRzの比率(Rq/Rz)が、上記の範囲内であることにより、めっき表面部の鏡面反射率が高まり、反射光の直進性が増して、より効率良く対象となる表示部へ的確に光を照射することが可能となる。
本発明では、表面に施されるめっきの種類により鏡面反射率は異なるが、鏡面反射率は55〜85%であり、Raが0.03μm未満、或いは、Rzが0.40μm未満、或いは、Rq/Rzが0.10未満では、効果が飽和して製造コスト的に無駄であり、Raが0.09μm、或いは、Rzが0.85μm、或いはRq/Rzが0.25を超えると、鏡面反射率が低下して直進性が低下する。
本発明で意味する鏡面反射率とは、分光測色計を用いて、観察視野10°、波長範囲360〜740nmの可視光領域について、全反射率と乱反射率を測定し、全反射率から乱反射率を差し引いた数値を鏡面反射率とした。
更に、本発明のバックライト用発光装置は、前記カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路の表面の光沢度が80〜110%であることを特徴とする。
カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路の表面の光沢度は、異形断面形状の凹部の側面の光の反射板としての機能を低下させないように、凹部の側面に施されためっきの光沢度と同程度である必要がある。また、カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路の表面の鏡面反射率も、凹部の側面に施されためっき表面の鏡面反射率と同様であることが好ましく、乱反射の影響を最小限に抑えるためにも、カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路の形状は出来る限り小さくすることが好ましい。
更に、本発明の液晶を使用する電子或いは電気機器は、本発明のバックライト用発光装置が機器内のバックライト発光装置固定部に接着或いはビス止めにより直接固定されたことを特徴とする。
本発明のバックライト用発光装置は、銅或いは銅合金異形断面板の裏側が平板部であり、液晶を使用する電子或いは電気機器部内のバックライト装置固定部に、この平板部を直接的に接着或いはビス止めすることにより、複雑な取り付け機構なしに簡単に取り付けることが出来る。
本発明により、放熱性が良好で長期使用時の耐久性に優れ、製造コストが安価であり、光の指向性に優れ、対象となる表示部(受光部)へ的確にLED光線を照射することが可能なバックライト用発光装置を提供することができる。
本発明のバックライト用発光装置の斜視図である。
図1を参照に本発明の第1実施形態のバックライト用発光装置を説明する。
バックライト用発光装置1は、光沢度が80〜110%であるSnめっき、Niめっき、Agめっき、Ag−Sn合金めっきからなるグループから選択された一種のめっきが表面に施された熱伝導率が150〜400W/(m・K)である凸凹部を有する銅或いは銅合金異形断面板2と、銅或いは銅合金異形断面板2の凹部3の底面4に直接実装(COB)された複数個の発光素子5と、凹部3の側面6に形成されたカソードパターニング回路7bおよびアノードパターニング回路7aと、複数個の発光素子5をカソードパターニング回路7bおよびアノードパターニング回路7aに並列に接続する配線8と、複数個の発光素子5を覆うように凹部3内を封止する透明樹脂9とから構成される。カソードパターニング回路7bおよびアノードパターニング回路7aは、図示されていない電源と接続されている。
図1では、複数個の発光素子5がカソードパターニング回路7bおよびアノードパターニング回路7aと並列に接続されているが、使用状況に応じて直列に接続されていてもかまわない。
めっきが表面に施された銅或いは銅合金異形断面板2の素材となる銅或いは銅合金は、放熱性の観点から、熱伝導率が150〜400W/(m・K)であればかまわないが、耐熱性、耐久性、放熱性のバランスの観点より、特にFe;1.5〜2.6質量%、P;0.008〜0.15質量%及びZn;0.01〜0.5質量%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成を有していることが好ましく、また、強度を向上させるために、本組成に加えNi;0.003〜0.5質量%及び又はSn;0.003〜0.5質量%を含有しても良い。
熱伝導率が、150W/(m・K)未満では、効果が充分ではなく、400W/(m・K)を超えると効果が飽和し、製造コストの観点から無駄であり、実用上は160〜370W/(m・K)とすることが好ましい。
また、凹部3の側面6の少なくとも下部の断面形状10が、両側面どうしの間隔を上方に向かうにしたがって漸次広げるように、円弧曲線或いは放物線からなる凹状曲線により形成されていると、その凹状曲線によるパラボラ効果にて反射光の指向性が高まり、対象となる表示部へ的確に反射光を照射することが可能となる。
銅或いは銅合金異形断面板2の表面に施されているSnめっき、Niめっき、Agめっき、Ag−Sn合金めっきからなるグループから選択された一種のめっきは、耐熱性、樹脂に対する耐硫化性の観点から、厚みが0.2〜3.0μmあり、反射率の観点から、その光沢度は80〜110%である。光沢度が80%未満では反射効果が不足し、110%を超えると反射効果が飽和して無駄となる。めっきの厚みが0.2μm未満では耐熱性、耐硫化性が不足し、3.0μmを超えると効果が飽和しコスト的に無駄となる。
また、めっきは、反射率、耐熱性を重視すると、Ag−Sn合金めっきであることが特に好ましく、コスト、耐久性、耐熱性を考慮すると、下地層を有する2層或いは3層のめっきとすることが好ましい。
次に、下地層を有するAg−Sn合金めっきを使用したバックライト用発光装置1につき説明する。
銅或いは銅合金平板を圧延により厚肉部と薄肉部とが幅方向に並んだ異形断面板を作製して焼鈍し、仕上げ圧延して所定形状に成形した異形断面板の表面に、3層めっきの場合は、Niめっき、Cuめっき、Snめっきを順に施し、これらをリフロー処理した後に、電気化学還元法にて表面の酸化膜を除去し、その表面にシアン系化合物を使用したAgストライクめっき法にてAg−Sn合金めっきを施す。下地層を2層めっきとする場合は、Niめっきは不要である。
この場合、電気化学還元法にて弱アルカリ電解液中でSnめっき層の酸化膜を還元して完全に除去することにより、Snめっき層のSn金属面を露出させ、次のAgめっきを密着させることができる。また、Agめっきを施した後に合金化処理を施すことにより、AgとSnとの相互拡散を確実にすることができる。
Agストライクめっきの条件は、表1に示す通りである。
Figure 2012156409
ここで、シアン化銀カリウムの濃度は1g/L未満であると、Snめっき層に対して所望の面積被覆率が得られず、また8g/Lを超えると、Agめっき表面が粗くなるので、1〜8g/Lが好ましい。
Agストライクめっき後の合金化処理条件は、表2に示す通りである。
Figure 2012156409
この合金化処理により、表面のAgとその下のSnとが相互拡散して合金化し、表面にAgSn合金層が形成される。
また、封止に使用する樹脂の硫化に対する耐久性を増す為に、AgSn合金層の表面に5〜20nmの透明な酸化錫皮膜を形成することが好ましい。
このようなめっき方法により、Niめっき層とCu−Sn合金層とAg−Sn合金めっき層を有する銅或いは銅合金異形断面板2が完成され、最表面のAg−Sn合金めっき層は、表面の光沢度が80〜110%とされる。これにより銅或いは銅合金異形断面板2の凹部3の側面6は、耐久性及び耐熱性を有する良好な反射板として作用し、優れたバックライト装置を形成する。
また、銅或いは銅合金異形断面板2の裏面、外部側面、凸部上面には、この様なめっきが施されていなくても良い。
このAg−Sn合金めっきが表面に施された銅合金異形断面板2の凹部3の底面4には、複数個の発光素子5が直接実装される。この場合、発光素子5の凹部3の底面4と接する面にAu−Snはんだを蒸着し、押圧しながら240〜310℃の温度で加熱することにより、Ag−Sn合金めっき層との間で3元系のAu−Ag−Sn合金層が形成され、発光素子5が強固に実装される。
ボイド等の欠陥がなく高い接合強度となるAu−Ag−Sn合金層を得るために、240℃以上の加熱温度とするのが好ましい。加熱温度が310℃を超えても、接合強度のそれ以上の向上は期待できないとともに、熱応力が大きくなるので好ましくない。
Ag−Sn合金めっきが表面に施された凹部3の側面6には、アノードパターニング回路7a及びカソードパターニング回路7bが、絶縁性接着テープまたは接着樹脂にて接着される。カソードパターニング回路7bおよびアノードパターニング回路7aの表面の光沢度は、光の反射板としての機能を低下させないために、銅或いは銅合金異形断面板に施されためっきの光沢度と同程度にする必要があり、光沢度が80%以下であるとバックライト光の輝度が低下する。更に、耐久性、耐熱性の観点から、アノードパターニング回路7a及びカソードパターニング回路7bは、Ag或いはAg−Sn合金めっきが表面に施された銅ストリップ上に形成されることが好ましく、その形状は極力小さくすることが好ましい。
複数個の発光素子5はカソードパターニング回路7bおよびアノードパターニング回路7aに配線8(金ワイヤー)にて並列に接続される。パターニング回路7a、7bは、図示しない配線により電源に接続される。
更に、凹部3内は複数個の発光素子5を覆うように透明樹脂9で封止される。透明樹脂9の材質は特に限定されないが、透明性、耐久性、耐熱性などを考慮するとシリコーン樹脂であることが好ましい。
この様な本発明のバックライト用発光装置1は、裏面の平面部を電子機器部内のバックライト装置固定部(図示しない)に、接着剤により直接接合、或いは、両端に形成したビス止め穴11を介して直接接合して使用される。
三菱伸銅(株)の商品名、C151(Cu;99.82質量%以上、Zr0.05〜0.15質量%、残部が不可避不純物)、TAMAC194(Cu;97質量%以上、Fe;2.1〜2.6質量%、P;0.015〜0.15質量%、Zn;0.05〜0.20質量%、残部が不可避不純物)の2種類の銅合金平板を使用し、圧延により厚肉部と薄肉部とが幅方向に並んだ異形断面板を作製して焼鈍後、仕上げ圧延し、更に凹部内に曲面加工を施し、図1に示す諸寸法が、長さL;100mm、全体幅W;5mm、凹部底面の幅W1;1mm、全体高さH;2mm、凹部底面までの高さH1;1mm、凹部の底面と内部側面との角度θ;45°、凹状曲線が単一の曲率半径1mmである異形断面板を作製した。
次に、この異形断面板の表面を洗浄後、Cuめっき、Snめっきを順に施し、加熱してリフロー処理することにより、Cu−Sn合金層、その上層にSnめっき層が形成された2層めっき異形断面板を作製し、更に、そのSnめっき表面を、電気化学還元法にて、電解液中でSnめっき層の酸化膜を除去し、表1に示す条件にて、膜厚を変化させてAgストライクめっきを施し、表2に示す条件にて、ベンゾチアゾール化合物を含む水溶液中にて合金化及び変色防止処理を施し、表3及び表4に示す算術平均粗さRa、最大高さRz、二乗平均平方根粗さRqと最大高さRzの比率(Rq/Rz)、めっき厚、光沢度、鏡面反射率を有するAg−Sn合金層を表面に有する各異形断面板を作製した。
算術平均粗さRa、最大高さRz、二乗平均平方根粗さRqは、レーザー顕微鏡(オリンパス社製OLS3000)を用いて測定した。
光沢度は、堀場製作所(株)のハンディ光沢計:グロスチェッカIG302を使用して測定した。
鏡面反射率は、分光測色計(Minolta−CM−2500d)を用いて、観察視野10°、波長範囲360〜740nmの可視光領域について、全反射率と乱反射率を測定し、全反射率から乱反射率を差し引いた値を鏡面反射率とした。
次に、このAg−Sn合金めっきが施された異形断面板の凹部の平底面上に、CREE社製のLEDチップ(縦260μm×横480μm×高さ115μmで底面に接合の為のAu−Snはんだが蒸着されている)3個を6mm間隔で直列に配置し、押圧しながら240〜310℃の温度で加熱し、凹部の底面と直接接合した。
次に、Ag−Sn合金めっきが施された異形断面板の凹部の片方の側面にカソードパターニング回路(表面の光沢度が100%であるAg−Sn合金めっき処理された銅ストリップ)を、もう一方の側面にアノードパターニング回路(表面の光沢度が100%であるAg−Sn合金めっき処理された銅ストリップ)を絶縁性接着テープにて貼り付け、各LEDチップの電極とカソードおよびアノードパターニング回路を金ワイヤーにてボンディングし並列に接続した。
次に、このLEDチップが直接搭載された凹部内を完全に覆うように信越化学(株)社製のシリコーン樹脂にて封止して硬化させ、実施例1〜6、比較例1〜4、及び実施例11〜16、比較例11〜14に示すバックライト用発光装置を作製した。
この様に作製されたバックライト用発光装置のカソードパターニング回路およびアノードパターニング回路に通電し、放熱性及び耐久性を測定した。測定結果を表3、表4に示す。
放熱性は、発光装置をバックライトの筐体を模したアルミ板(縦200mm、横65mm、厚さ0.8mm)に接着樹脂にて貼り付け、素子1個当りに電圧3.3V、電流50mAを負荷し発光させ、1000時間通電した後、素子温度(ジャンクション温度Tj)を赤外線サーモグラフィ(NEC三栄社製TH9100)にて測定した。
耐久性は、加速試験を実施し、85℃/85%RHの雰囲気中で1000時間通電した後の輝度を測定し、初期輝度に対する輝度の低下率を算出した。輝度は輝度計(コニカミノルタセンシング社製CS−100A)にて測定した。
Figure 2012156409
Figure 2012156409
表3及び表4の結果より、本発明のバックライト用発光装置は、放熱性が良好で長期使用時の耐久性、特に、樹脂封止された反射層の耐久性に優れ、輝度が低下し難く、鏡面反射率が高いことがわかる。
参考例として、実施例と同様な三菱伸銅(株)の商品名、C151、TAMAC194の2種類の銅合金平板を使用し、圧延により厚肉部と薄肉部とが幅方向に並んだ異形断面板を作製して焼鈍後、仕上げ圧延し、更に凹部内に曲面加工を施し、図1に示す諸寸法が、長さL;100mm、全体幅W;6mm、凹部底面の幅W1;2mm、全体高さH;2mm、凹部底面までの高さH1;1mm、凹部の底面と内部側面との角度θ;45°、凹状曲線が単一の曲率半径1mmである異形断面板を作製し、実施例と同様な手法にて、表5に示す算術平均粗さRa、最大高さRz、二乗平均平方根粗さRqと最大高さRzの比率(Rq/Rz)、めっき厚、光沢度、鏡面反射率を有するAg−Sn合金層を表面に有する各異形断面板を作製した。
次に、実施例と同様な手法にて、このAg−Sn合金めっきが施された異形断面板の凹部の平底面上に、CREE社製のLEDチップ3個を6mm間隔で直列に配置し、押圧しながら240〜310℃の温度で加熱し、凹部の底面と直接接合した。
次に、Ag−Sn合金めっきが施された異形断面板の凹部の底面のLEDチップが接続されていない部位にカソード回路(表面の光沢度が100%であるAg−Sn合金めっき処理された銅ストリップ)とアノードパターニング回路(表面の光沢度が100%であるAg−Sn合金めっき処理された銅ストリップ)を絶縁性接着テープにて貼り付け、各LEDチップの電極とカソードおよびアノードパターニング回路を金ワイヤーにてボンディングし並列に接続し、このLEDチップが直接搭載された凹部内を完全に覆うように信越化学(株)社製のシリコーン樹脂にて封止して硬化させ、カソード回路とアノードパターニング回路が異形断面板の凹部の平底面に形成された参考例1〜6のバックライト用発光装置を作製した。
この様に作製されたバックライト用発光装置のカソードパターニング回路およびアノードパターニング回路に通電し、放熱性及び耐久性を測定した。測定結果を表5に示す。
放熱性、耐久性は、実施例と同様な手法にて測定した。
Figure 2012156409
実施例1〜6と参考例1〜6に示すバックライト用発光装置より目的とする表示部(バックライト用発光装置から500mm離れた液晶部)に光を照射したところ、実施例1〜6のバックライト用発光装置は、参考例1〜4のバックライト用発光装置に比べ、表示部に1.5〜2.0倍の輝度にて光を照射することができた。
また、本発明のバックライト装置は構造が簡略化されているので製造コストが安価であり、電子機器部内のバックライト装置固定部に直接接着或いはビス止めして簡単に使用することができる。
以上、本発明の実施形態の製造方法について説明したが、本発明はこの記載に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1 バックライト用発光装置
2 銅或いは銅合金異形断面板
3 銅或いは銅合金異形断面板の凹部
4 凹部の底面
5 発光素子
6 凹部の側面
7a アノードパターニング回路
7b カソードパターニング回路
8 配線(金ワイヤー)
9 透明樹脂
10 凹状曲線
11 ビス止め穴

Claims (4)

  1. 光沢度が80〜110%であるSnめっき、Niめっき、Agめっき、Ag−Sn合金めっきからなるグループから選択された一種のめっきが表面に施された熱伝導率が150〜400W/(m・K)である凸凹部を有する銅或いは銅合金異形断面板と、当該異形断面板の凹部の側面に形成されたカソードパターニング回路およびアノードパターニング回路と、前記凹部の底面に直接実装され前記カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路と配線により直列或いは並列に接続された複数個の発光素子と、当該複数個の発光素子を覆うように前記凹部内を封止する透明樹脂とから構成されたことを特徴とするバックライト用発光装置。
  2. 前記めっきの表面の算術平均粗さRaが0.03〜0.09μmであり、最大高さRzが0.40〜0.85μmであり、二乗平均平方根粗さRqと最大高さRzの比率(Rq/Rz)が0.10〜0.25であることを特徴とする請求項1に記載のバックライト用発光装置。
  3. 前記カソードパターニング回路およびアノードパターニング回路の表面の光沢度が800〜110%であることを特徴とする請求項2に記載のバックライト用発光装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のバックライト用発光装置が機器内のバックライト発光装置固定部に接着或いはビス止めにより直接固定されたことを特徴とする液晶を使用する電子或いは電気機器。
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