JP2012152868A - 切削インサートおよび刃先交換式切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】1種類の切削インサートによって軽、中切削のような異なる切削形態や不等リードエンドミルの切削インサートとしての使用が可能な切削インサートを提供する。
【解決手段】刃先交換式切削工具の切刃4を構成する切削インサートであって、インサート本体1のすくい面2と逃げ面3との交差稜線部に複数の切刃4が形成され、逃げ面3には、インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、すくい面2に交差する方向に延びるインサート中心線Cに関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面Pに沿うように形成される一方、すくい面2は、複数の切刃4のうち少なくとも1つの切刃4Aに沿った部分と他の切刃4Bに沿った部分との間で、これらの切刃4A、4Bのインサート中心線Cに関する回転対称位置においてインサート中心線Cに垂直な平面に対してなす角度が異なる角度とされている。
【選択図】図7
【解決手段】刃先交換式切削工具の切刃4を構成する切削インサートであって、インサート本体1のすくい面2と逃げ面3との交差稜線部に複数の切刃4が形成され、逃げ面3には、インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、すくい面2に交差する方向に延びるインサート中心線Cに関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面Pに沿うように形成される一方、すくい面2は、複数の切刃4のうち少なくとも1つの切刃4Aに沿った部分と他の切刃4Bに沿った部分との間で、これらの切刃4A、4Bのインサート中心線Cに関する回転対称位置においてインサート中心線Cに垂直な平面に対してなす角度が異なる角度とされている。
【選択図】図7
Description
本発明は、刃先交換式のエンドミルのような刃先交換式切削工具の切刃を構成する切削インサート、および該切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具に関するものである。
エンドミルに限らず、このような刃先交換式切削工具に取付けられる切削インサートとしては、超硬合金等の硬質材料により平板状に形成されたインサート本体を有するものが一般的に知られており、例えば特許文献1などには、このインサート本体の厚さ方向を向く平板面をすくい面とするとともに、このすくい面の周囲に配置される側面を逃げ面として、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に、すくい面の周回り方向に回転対称となるように複数の切刃が形成されたものが開示されている。
また、刃先交換式の切削工具ではないが、例えば特許文献2〜4には、複数条の外周刃のうち少なくとも1条の外周刃の捩れ角を他の外周刃と異なる捩れ角とする一方で、外周刃の先端や基端、あるいは中央部側で、これら外周刃の周方向の間隔が等しくされた等間隔位置を設けてビビリ振動の抑制を図るようにした、いわゆる不等リードエンドミルが提案されている。
ところで、特許文献1に記載されたような一般的な切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具によって、被削材の軽切削と中切削など切削形態の異なる切削を行おうとしても、インサート本体に形成された切刃のすくい角は1種類であるため、いずれかの条件に合わせた切削形態を採らざるを得ない。すなわち、軽切削用の切れ味の鋭いすくい角が大きな切刃によって中切削を行おうとすると、切刃の強度が確保し難いためにチッピングや欠損、摩耗等が生じ易く、逆に中切削用の比較的強度の高いすくい角が小さな切刃によって軽切削を行うと、切れ味が鈍いために仕上げ面精度の低下や切削抵抗の増大を招くことになる。
このため、軽切削と中切削に合わせたすくい角を有する2種類の切削インサートを用意しておいて、切削形態に合わせて切削インサートを刃先交換式切削工具の工具本体に取り付け直したり、あるいはこれら2種類の切削インサートが各々工具本体に取り付けられた2種類の刃先交換式切削工具を用意したりしなければならない。従って、これらの切削インサートを上述の超硬合金のような焼結合金により形成する場合には、焼結前の圧粉体をプレス成形する金型も2つ必要となってコスト高を招くとともに、切削インサートの管理も煩雑になる結果となる。
また、特許文献2〜4に記載された不等リードエンドミルの複数の外周刃を、工具本体に着脱可能に取付けられる切削インサートにそれぞれ形成するようにして、刃先交換式の不等リードエンドミルを構成しようとした場合、少なくとも1条の外周刃の捩れ角すなわち軸方向すくい角は他の外周刃と異なっているため、これら軸方向すくい角の異なる外周刃が形成された複数種の切削インサートを用意しなければならない。従って、このような場合にも切削インサートの管理が煩雑となるとともに、使用される切削インサートの数が増えて非経済的である。
本発明は、このような背景の下になされたもので、1種類の切削インサートによって、軽切削と中切削のような異なる切削形態の加工に対応可能であったり、あるいは刃先交換式の不等リードエンドミルの切削インサートとして使用が可能であったりする切削インサート、および該切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、刃先交換式切削工具の工具本体に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられて該刃先交換式切削工具の切刃を構成する切削インサートであって、インサート本体のすくい面と逃げ面との交差稜線部に複数の上記切刃が形成されており、上記逃げ面には、上記インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、上記すくい面に交差する方向に延びるインサート中心線に関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面に沿うように形成されている一方、上記すくい面は、複数の上記切刃のうち少なくとも1つの切刃に沿った部分と他の切刃に沿った部分との間で、これらの切刃の上記インサート中心線に関する回転対称位置において上記インサート中心線に垂直な平面に対してなす角度が異なる角度とされていることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式切削工具は、軸線回りに回転される上記工具本体に複数の上記インサート取付座が形成され、これらのインサート取付座は、上記軸線回りの回転軌跡において、上記取付座壁面の位置が互いに一致させられており、これらのインサート取付座に、それぞれ同形同大の上記構成の切削インサートが、上記インサート輪郭面に形成された上記当接部を上記取付座壁面に当接させて着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
すなわち、上記構成の切削インサートでは、インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、上記インサート中心線に関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面に沿って上記逃げ面に形成されているので、1つのインサート取付座においてインサート本体を、その取付座壁面に当接する当接部が沿ったインサート輪郭面が変わるようにインサート中心線回りに回転させて取り付け直すことができ、これに伴い切削に使用される切刃も複数の切刃の間で交代させることができる。
その一方で、これら複数の切刃は、上記少なくとも1つの切刃と他の切刃とで、これらの切刃のインサート中心線に関する回転対称位置において各切刃に沿った部分のすくい面が上記インサート中心線に垂直な平面に対してなす角度が異なる角度とされており、すなわち上述のようにしてインサート本体を取り付け直したときに、これらの切刃が切削に使用される場合のすくい角も異なるものになる。
従って、同形同大の1種類のこのような切削インサートを刃先交換式切削工具のインサート取付座の数だけ複数用意しておけば、これらの切削インサートすべてを、上記少なくとも1の切刃が切削に使用されるように取り付けた場合と、上記他の切刃が切削に使用されるように取り付けた場合とで、全切刃のすくい角が異なるものとなるので、切削形態に合わせてすくい角の大小を選択することが可能となる。
また、これら複数の上記インサート取付座のうち少なくとも1つのインサート取付座には、上記少なくとも1つの切刃が切削に使用されるように上記切削インサートを取り付ける一方、他のインサート取付座には、上記他の切刃が切削に使用されるように上記切削インサートを取り付けた場合には、これらのインサート取付座に取り付けられた切削インサート間で切刃のすくい角が異なるものになる。
従って、工具本体に取り付けたときの上記1の切刃と他の切刃との軸方向のすくい角が異なるようにすくい面の角度を設定しておけば、1種類の切削インサートで刃先交換式の不等リードエンドミルを構成することが可能となる。勿論、切刃の径方向すくい角が上記1の切刃と他の切刃で異なるようにしてもよく、これら軸方向すくい角と径方向すくい角の双方が1の切刃と他の切刃で異なるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、1種類の切削インサートにより、軽切削と中切削のような異なる切削形態の加工を行うことや、刃先交換式の不等リードエンドミルなどの切刃のすくい角が異なる切削工具を構成することができ、切削インサートが超硬合金等の焼結材料により形成されたものでも、焼結前の圧粉体をプレス成形する金型は1種類として低コスト化を図ることができるとともに、切削インサートの管理も容易とすることができる。
図1ないし図9は、本発明の切削インサートの一実施形態を示すものであり、図10ないし図12は、この実施形態の切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態であるラジアスエンドミルを示すものである。本実施形態の切削インサートは、超硬合金等の硬質材料により形成された縦長平板状のインサート本体1を備え、このインサート本体1の厚さ方向(図3ないし図6における上下方向)を向く一方の平板面がすくい面2とされるとともに、このすくい面2の周りに配置される側面が逃げ面3とされ、これらすくい面2と逃げ面3との交差稜線部に切刃4が形成されている。
この切刃4は、上述のように刃先交換式のラジアスエンドミルの切刃とされるため、その形状は、すくい面2に対向する方向から見て図2に示すように略1/4円弧状をなすコーナ刃4aと、このコーナ刃4aの一端に接するようにしてインサート本体1の長手方向(図2における上下方向)に直線状に延びる外周刃4bとから構成される。このような切刃4の形状をすくい面2との交差稜線に形成する逃げ面3に沿った面をインサート輪郭面Pとして、本実施形態では一対のインサート輪郭面Pが、すくい面2の中央に位置して上記厚さ方向に延びるインサート中心線Cに関して180°回転対称に設けられており、従って切刃4もインサート輪郭面Pと同数の一対形成される。
なお、インサート本体1には、当該インサート本体1を上記厚さ方向に貫通して、上記すくい面2とこれとは反対側の着座面5に開口する貫通孔6が形成されている。ここで、本実施形態では、図2に示すように同形同大の一対の貫通孔6がすくい面2に対向する方向から見てインサート中心線Cを間にして上記長手方向に並ぶように形成されており、これらの貫通孔6も、インサート輪郭面Pと同様に、インサート本体1を複数の該インサート輪郭面Pが一致するように回転対称となる角度だけインサート中心線C回りに回転させたときに一致するようにされて、インサート中心線Cに関して回転対称となるようにされている。
また、本実施形態の切削インサートは、上記逃げ面3がすくい面2から着座面6側に向かうに従い漸次後退するように傾斜して、切刃4に予め逃げ角が付されたポジティブインサートとされ、従って上記インサート輪郭面Pも傾斜することになる。さらに、切刃4は、一対の切刃4ともに側面視においては図3ないし図6に示すように、上記コーナ刃4aの部分で上記厚さ方向に最も突出し、コーナ刃4aの他端側と該コーナ刃4aの上記一端から外周刃4b側に向けては上記厚さ方向に凸曲しつつ該厚さ方向に漸次後退する凸曲線状に形成されている。なお、切刃4自体が描く稜線は、本実施形態ではやはり上記インサート中心線Cに関して回転対称とされている。
さらにまた、切刃4のコーナ刃4aの上記他端とこれに隣接する反対側の切刃4の外周刃4bとの間の部分は、上記厚さ方向にはコーナ刃4aの他端から上記外周刃4bに向けて漸次後退し、またすくい面2に対向する方向から見たときにはこれらのコーナ刃4aと外周刃4bとに鈍角に交差するように面取りされている。さらに、着座面5は全体が上記厚さ方向に垂直な平面とされているのに対し、すくい面2は、切刃4に沿った周縁部に、内周側に向かうに従い上記厚さ方向に漸次後退するように傾斜するポジ面2aが形成されており、上記貫通孔6はこのポジ面2aよりも内周側のすくい面2上に開口させられている。
そして、本実施形態では、図7ないし図9に示すように、インサート中心線Cに垂直な平面Qに対してこのポジ面2aがなす角度が、上記一対の切刃4におけるインサート中心線Cに関して互いに回転対称な位置において異なるようにされている。すなわち、図7に示す断面は、一対の切刃4のコーナ刃4aにそれぞれ交差する位置における上記インサート中心線Cを含んだ平面による断面であって、これらの位置はインサート中心線Cに関して回転対称位置となるが、このような回転対称位置において、すくい面2の切刃4に沿う上記ポジ面2aが上述のようにすくい面2の内周側に向けて上記厚さ方向に後退傾斜するときの上記平面Qに対する傾斜角が、一対の切刃4のうち一方の切刃(図2において左側の切刃)4Aに沿うポジ面2aの傾斜角αの方が、他方の切刃(図2において右側の切刃)4Bに沿うポジすくい面2aの傾斜角βよりも大きくされて、異なる角度とされている。
このような切削インサートが取り付けられる本実施形態の刃先交換式切削工具であるラジアスエンドミルは、図10ないし図12に示すようにその工具本体11が軸線Oを中心とした概略円筒状をなしており、この工具本体11の後端部(図10および図10において上側部分)が工作機械の主軸に取り付けられることにより、軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ、該軸線Oに交差する方向に送り出されて、被削材に切削加工を施してゆく。
工具本体11の先端部外周には、周方向に等間隔に複数(本実施形態では偶数の4つ)のチップポケット12が形成されており、これらのチップポケット12の工具回転方向Tを向く壁面12aに、上記実施形態の切削インサートが取り付けられるインサート取付座13が、やはり周方向に等間隔にそれぞれ形成されている。これらのインサート取付座13は、上記壁面12aから工具回転方向Tの後方側に一段凹むようにして工具本体11の先端外周部に開口するものであり、工具回転方向Tを向く取付座底面13aと、この取付座底面13aからチップポケット12の上記壁面12aに向けて延びる取付座壁面13bとにより形成されている。
本実施形態では、上記取付座底面13aは軸線Oに平行な平面状とされ、該取付座底面13aにはクランプネジ孔13cが一対、インサート本体1の上記一対の貫通孔7の中心線間の間隔と等しい中心線間の間隔で軸線O方向に並ぶように形成されている。また、取付座壁面13bは、工具本体11の先端から後端側に向けては、該工具本体11の外周側を向いて軸線Oに平行に延びた後に、1/4凹円弧を描くように湾曲して外周側に切れ上がって工具本体11の外周面に達するように形成されている。
また、この取付座壁面13bは、取付座底面13a側から上記壁面12a側に向けては、インサート本体1の着座面6に対する逃げ面3の傾斜に合わせて漸次後退するように取付座底面13aに対して傾斜して形成されており、取付座底面13aに上記着座面6を密着させてインサート本体1を着座させたときに、一対のインサート輪郭面Pのうち一方のインサート輪郭面Pに沿った逃げ面3の一部が当接部として当接可能とされる。
このように形成された複数のインサート取付座13には、同形同大の、すなわち1種類の上記実施形態の切削インサートがそれぞれ着座させられて、上記貫通孔6に挿通されてクランプネジ孔13cにねじ込まれるクランプネジ14により取り付けられる。こうしてインサート取付座13に取り付けられた切削インサートは、一対のインサート輪郭面Pのうち上記取付座壁面13bに当接させられた側とは反対のインサート輪郭面Pに沿った逃げ面3の切刃4が切削に使用され、この切刃4のコーナ刃4aが、工具本体11の先端外周部に位置して内周側から後端外周側に延び、かつこのコーナ刃4aに連なる外周刃4bが工具回転方向T側から見て軸線Oに平行に延びるように位置決めされる。
ここで、これら複数のインサート取付座13のすべての取付座底面13aと取付座壁面13bとは、工具本体11を軸線O回りに回転させたときにそれぞれ回転軌跡が一致して回転対称となるように形成されており、すなわち4つのインサート取付座13が周方向に等間隔に形成された本実施形態の刃先交換式切削工具では、工具本体11を軸線O回りに90°ずつ回転させたときに、回転前の位置にあったインサート取付座13と回転後のインサート取付座13とで、取付座底面13a同士と取付座壁面13b同士、およびクランプネジ孔13c同士も、それぞれ重なるようにされている。
従って、これらのインサート取付座13に取り付けられた複数の切削インサート同士でも、取付座壁面13bに当接させられたインサート輪郭面Pは同様にすべて工具本体11の軸線Oに関して回転軌跡が一致して回転対称に配置されることになる。また、これとは反対の切削に使用される切刃4が延びるインサート輪郭面Pもすべて軸線Oに関して回転対称に配置され、従ってこれら切削に使用される切刃4も軸線O回りの回転軌跡が一致し、さらにインサート中心線C同士もすべてが回転対称に配置されることになる。
ところが、本実施形態の刃先交換式切削工具では、これら切削に使用される切刃4が、上記複数の切削インサートのうち少なくとも1つで他の切削インサートと異なるものとされている。具体的に、本実施形態の刃先交換式切削工具では、4つのインサート取付座13に取り付けられた切削インサートのうち周方向に1つおきの2つの切削インサートで、切削に使用される切刃4がインサート本体1の一対の切刃4のうち該切刃4に沿うポジ面2aが上記平面Qに対して大きな傾斜角αとされた切刃4Aとされ、残りの2つの切削インサートでは切削に使用される切刃4が、該切刃4に沿うポジ面2aが上記平面Qに対して小さな傾斜角βとされた切刃4Bとされている。
従って、このように構成された刃先交換式切削工具では、これら切削に使用される切刃4A、4Bが被削材に食い付いて切り込まれる際の切れ味や抵抗が異なるものとなって、これらの切刃4A、4Bの食い付きや切込みにより生じる振動が互いに打ち消し合うことになるため、上述した不等リードエンドミルと同様に、同じ傾斜角で切れ味や抵抗も等しい切刃が食い付く場合のように周期的な振動が生じることによってビビリ振動が励起されるようなことがない。
そして、上記構成の切削インサートでは、これら傾斜角α、βの異なる切刃4A、4Bが1つのインサート本体1に形成されており、その一方でインサート取付座13の取付座壁面13bに当接させられる上記当接部が形成されるインサート輪郭面Pは、上記インサート中心線Cに関して回転対称とされていて、一対のインサート輪郭面Pのいずれの当接部が取付座壁面13bに当接させられても、反対のインサート輪郭面P側の切刃4は工具本体11の軸線O回りの回転軌跡が一致するように配設することができるので、上述のような刃先交換式の切削工具を構成するのに同形同大の1種類の切削インサートだけを用意すればよい。
このため、本実施形態のようにインサート本体1が超硬合金等の硬質の焼結合金により形成されている場合でも、このインサート本体1に焼結される圧粉体をプレス成形するためのプレス成形金型は1種類でよく、切削インサートの製造に要するコストが増大するのを避けることができる。また、使用される切削インサートが1種類でよいので、例えば一対の切刃に沿ったポジ面の双方に1種類の傾斜角が付された切削インサートを、異なる傾斜角のもので2種類用意したりするのに比べて、切削インサートの管理に要する労力等を半減することができる。
なお、本実施形態では、上記一対の切刃4A、4B間で、該切刃4A、4Bに沿ったすくい面2の内周側に向けて後退傾斜するポジ面2aについて、インサート中心線Cに関して互いに回転対称となる位置での該インサート中心線Cを含む断面でのインサート中心線Cに垂直な平面Qに対する傾斜角α、βを互いに異なる角度としているが、例えばコーナ刃4aから外周刃4bにかけての切刃4の上記平面Qに対する傾斜角が互いに異なるように、該切刃4に沿ったすくい面2の角度を一対の切刃4同士で異なるようにすれば、上述の不等リードエンドミルの捩れ角を異なるようにした場合と同様に切刃4の軸方向すくい角が異なるようにされた構成とすることができる。
また、インサート本体1を工具本体11に取り付けた状態で、工具本体11の軸線Oに直交する断面においてポジ面2aの上記平面Qに対する角度が異なるようにされていてもよく、すなわち切刃4の径方向すくい角が異なるようにされていてもよい。勿論、これら径方向すくい角と上記軸方向すくい角とがともに異なるようにされていてもよく、さらには切刃4に直交する断面におけるすくい角がインサート中心線Cに関して互いに回転対称となる位置で異なるようにされていてもよい。
ところで、上記実施形態では、複数の同形同大の1種類の切削インサートを、上記傾斜角α、βが異なる切刃4A、4Bが切削に使用されるようにインサート取付座13に取り付けているが、例えば上記刃先交換式切削工具によって比較的切削時の負荷の低い軽切削を行うような場合には、すべての切削インサートにおいてポジ面2aが上記平面Qに対して大きな傾斜角αとされて工具本体11に取り付けたときのすくい角が大きくなる切刃4Aを切削に使用するようにしてもよい。この場合には、切削に使用される切刃4Aの切れ味が鋭くて切削抵抗も低減されるため、仕上げ面精度の向上を図ることができる。
一方、逆に、例えば上記刃先交換式切削工具によって軽切削よりも切削時の負荷の高い中切削を行うような場合には、すべての切削インサートにおいてポジ面2aが上記平面Qに対して大きな傾斜角βとされて工具本体11に取り付けたときのすくい角が小さくなる切刃4Bを切削に使用するようにしてもよい。この場合には、切削に使用される切刃4Bの強度が高いため、切削時の負荷に対しても切刃4Bのチッピングや欠損を防止することができるとともに、摩耗の抑制を図ることができる。そして、上記構成の切削インサートでは、このような軽切削と中切削に応じた切刃4A、4Bが1つのインサート本体1に形成されているので、軽切削用と中切削用の2種類の切削インサートを用意する必要がなく、やはり低コスト化およびインサート管理の簡略化を促すことができる。
また、上記実施形態では、本発明の刃先交換式切削工具を、上述のようなラジアスエンドミルに適用した場合について説明したが、ラジアスエンドミル以外の複数の切削インサートが取り付けられる転削工具に適用することも勿論可能である。また、上記実施形態では、一対すなわち2つの切刃4A、4Bをインサート本体1のインサート中心線Cに関して回転対称に形成してその上記傾斜角α、βを異なるものとしているが、3つ以上の切刃4を回転対称に形成して、そのうち少なくとも1つの切刃4に沿ったすくい面2のインサート中心線Cに垂直な平面Qに対する傾斜角が他の切刃4と異なる角度とされていてもよい。
1 インサート本体
2 すくい面
3 逃げ面(当接部)
4、4A、4B 切刃
4a コーナ刃
4b 外周刃
5 着座面
6 貫通孔
11 工具本体
12 チップポケット
13 インサート取付座
13a 取付座底面
13b 取付座壁面
13c クランプネジ孔
14 クランプネジ
C インサート中心線
P インサート輪郭面
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向
2 すくい面
3 逃げ面(当接部)
4、4A、4B 切刃
4a コーナ刃
4b 外周刃
5 着座面
6 貫通孔
11 工具本体
12 チップポケット
13 インサート取付座
13a 取付座底面
13b 取付座壁面
13c クランプネジ孔
14 クランプネジ
C インサート中心線
P インサート輪郭面
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向
Claims (3)
- 刃先交換式切削工具の工具本体に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられて該刃先交換式切削工具の切刃を構成する切削インサートであって、インサート本体のすくい面と逃げ面との交差稜線部に複数の上記切刃が形成されており、上記逃げ面には、上記インサート取付座の取付座壁面に当接させられる当接部が、上記すくい面に交差する方向に延びるインサート中心線に関して回転対称とされた複数のインサート輪郭面に沿うように形成されている一方、上記すくい面は、複数の上記切刃のうち少なくとも1つの切刃に沿った部分と他の切刃に沿った部分との間で、これらの切刃の上記インサート中心線に関する回転対称位置において上記インサート中心線に垂直な平面に対してなす角度が異なる角度とされていることを特徴とする切削インサート。
- 軸線回りに回転される上記工具本体に複数の上記インサート取付座が形成され、これらのインサート取付座は、上記軸線回りの回転軌跡において、上記取付座壁面の位置が互いに一致させられており、これらのインサート取付座に、それぞれ同形同大の請求項1に記載の切削インサートが、上記インサート輪郭面に形成された上記当接部を上記取付座壁面に当接させて着脱可能に取り付けられていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
- 複数の上記インサート取付座のうち少なくとも1つのインサート取付座には、上記少なくとも1つの切刃が切削に使用されるように上記切削インサートが取り付けられる一方、上記他のインサート取付座には、上記他の切刃が切削に使用されるように上記切削インサートが取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の刃先交換式切削工具。
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WO2010016052A1 (en) * | 2008-08-06 | 2010-02-11 | Iscar Ltd. | Milling cutter and cutting insert therefor |
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2011
- 2011-01-27 JP JP2011015082A patent/JP2012152868A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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WO2010016052A1 (en) * | 2008-08-06 | 2010-02-11 | Iscar Ltd. | Milling cutter and cutting insert therefor |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130927 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140618 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140624 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141021 |