以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
すなわち、本発明の一側面の遊技球検出スイッチ(例えば、図1の遊技球検出スイッチ1)は、貫通口の回りに巻回した第1のコイル(例えば、図1のコイルL12)と、前記第1のコイルを含み、前記貫通口内に遊技球が通過した場合、発振状態が変化する第1の発振回路(例えば、図1の発振回路111)と、低周波近傍電磁界の到来を、電圧の誘起により検出する第2のコイル(例えば、図1のコイルL11)と、前記第2のコイルを含み、前記電圧の誘起により発振状態が変化する第2の発振回路(例えば、図1の発振回路101)とを含む遊技球検出スイッチであって、前記第2のコイルは、前記第2のコイルの有する磁束発生方向と、前記第1のコイルの有する磁束発生方向が一致するよう配置される(例えば、図5で示されるようにコイルL11,L12が配置される)。
前記第1のコイルの外周部を包括、かつ貫通口内壁部を開放したシールド部材(例えば、図3のシールド部材1b,1d)をさらに含ませるようにすることができる。
前記第1の発振回路の発振状況変化に応じて、第1の状態信号を出力する第1の出力回路(例えば、図1の比較器COM2)と、前記第2の発振回路の発振状況変化に応じて、第2の状態信号を出力する第2の出力回路(例えば、図1の比較器COM1)とをさらに含ませるようにすることができ、前記第1の出力回路、および第2の出力回路には、前記第1の状態信号、および前記第2の状態信号、または、そのいずれかを直接制御装置に出力する、またはインターフェイス回路を介して前記制御装置に出力させるようにすることができる。
前記第1の出力回路、および、前記第2の出力回路の後段に、合成出力回路(例えば、図1のダイオードD1,D2、および抵抗R3)をさらに含ませるようにすることができ、前記合成出力回路には、前記第1の状態信号、および前記第2の状態信号の合成出力信号を、前記制御装置に出力させるようにする、または、前記インターフェイス回路を介して前記制御装置に出力させるようにすることができる。
前記第1の発振回路の発振状態を抑制、または停止する発振抑制回路(例えば、図1のダイオードD1)をさらに含ませるようにすることができ、前記第2の出力回路には、前記電磁界検出信号を出力する場合、前記発振抑制回路を作動させて、前記第1の発振回路の発振状態を抑制、または停止させるようにすることができる。
前記第1の出力回路は、直流2線式出力方式であり、かつ電流増加装置(例えば、図1の定電圧回路113、および抵抗R3)をさらに含ませるようにすることができ、前記第2の出力回路は、前記電磁界検出信号を出力する場合、前記電流増加装置を作動させて、前記遊技球検出スイッチが消費する電流を増加させるようにすることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(2線式出力方式の例)
2.第2の実施の形態(4線式出力方式の例)
<1.第1の実施の形態>
[本発明を適用した遊技球検出スイッチの構成例]
図1は、本発明を適用した低周波近傍電磁界センサからなる異常検出部を内蔵する、遊技球の通過を検出する直流2線式の遊技球検出スイッチの構成例を示している。すなわち、パチンコ遊技機(以下、単に遊技機と称する)においては、遊技球が発射されると、例えば、いわゆるチューリップと称されているチャッカなどに投入されたり、払い出されるなどすることにより、計数が必要とされる。
図1の遊技球検出スイッチ1は、例えば、図2乃至図5で示されるような構成のものであり、遊技球2と略同径の貫通口Hが設けられている。ここで、図2は、遊技球検出スイッチ1の斜視図であり、図3は、分解図であり、図4は、遊技球検出スイッチ1の基板1cに、シールド部材1b,1dが装着された状態であって、図2の状態における背面の構成を示している。図5は、シールド部材1b、コイルスプール1g、基板1c、シールド部材1dを組み合わせた場合の側面図である。尚、図2においては、遊技球検出スイッチ1のカバー1eのみが分解されている状態のものとして描かれている。
図3で示されるように、遊技球検出スイッチ1は、図中の下から、ケース1a、シールド部材1b、樹脂製のコイルスプール1gを圧入した基板1c、シールド部材1d、およびカバー1eより構成されている。コイルスプール1gの外周部には遊技球2の通過を検出するためのコイルL12が巻回されている。一方、低周波近傍電磁界を検出するためのコイルL11は、基板1c上に実装されている。図示の通り、磁性体の中心軸棒1xを軸として、コイル線材を巻回した構造を持つ。この場合、コイルL11では、磁束が中心軸棒1xに集中する性能を有し、図5で示されるように、基板1cの垂直方向に発生することになる。一方、コイルL12では、コイルスプール内周方向以外の略全部位がシールド部材1b,1dで覆われているため、貫通部Hの垂直方向に磁束が発生する。結果として、2つのコイルL11,L12は共に、図5の矢印で示されるように、同一方向に磁束が発生することになる。
このような構成により、遊技球検出スイッチ1は、遊技球2が、貫通口Hを通過すると、コイルL12により発生される磁束の変化により遊技球2の通過を検出する。また、遊技球検出スイッチ1は、低周波近傍電磁界が到来すると、コイルL11により発生される磁束の変化により、これを検出する。したがって、遊技球検出スイッチ1は、低周波近傍電磁界の到来が検出されない限り、遊技球の通過の有無を検出し、対応する検出信号をHiレベル、またはLowレベルの出力信号として出力すると共に、低周波誘導電磁界の到来がある場合、その中間電位を出力する。
ここで、図1の説明に戻り、遊技球検出スイッチの詳細な構成について説明する。
遊技球検出スイッチ1は、異常検出部11、および遊技球検出部12により構成される。異常検出部11は、コイルL11により発生される磁束の変化に基づいて、低周波近傍電磁界の到来を検出し、対応する信号を出力する。遊技球検出部12は、コイルL12により発生される磁束の変化に基づいて、遊技球2の通過の有無を検出する。遊技球検出スイッチ1は、異常検出部11、および遊技球検出部12の出力結果に基づいて、遊技球の通過の有無を示す信号、および低周波近傍電磁界の発生を示す信号を出力端子Voutより出力する。尚、図1において、抵抗R3は、異常検出部11に、ダイオードD1,D2は、遊技球検出部12にそれぞれ属するような構成として記載されている。しかしながら、これらについては、異常検出部11、および遊技球検出部12の出力信号を合成する合成回路を構成するものであり、いずれかに属するものではない。この点については、詳細を後述する。
異常検出部11は、アンテナとして機能するコイルL11、コンデンサC11、発振回路101、検波積分回路102、および出力回路である比較器COM1より構成されており、コイルL11の信号に基づいて、低周波近傍電磁界を検出し、検出結果を出力する。より詳細には、コンデンサC11は、その両端がコイルL11と並列接続され、共振回路41を構成している。さらに、コイルL11、およびコンデンサC11の上端部は、発振回路101に接続され、低周波近傍電磁界到来時には、LC共振波からなる出力信号V2を発生する。尚、下端部は接地されている。また、発振回路101は、定電圧回路113により電力供給を受けると共に接地されており、さらに、感度調整抵抗R1を介して接地されており、出力信号V4を検波積分回路102に出力する。検波積分回路102は、定電圧回路113より電力供給を受けると共に接地されており、発振回路101より供給される発振出力を積分して、出力回路である比較器COM1に出力信号V6を供給する。この際、検波積分回路102の出力電圧は、コンデンサC13により平滑化されて、比較器COM1に供給される。比較器COM1は、入力された検波積分回路102からの出力電圧と所定の閾値とを比較し、比較結果を、低周波近傍電磁界の検出結果である出力信号V8として出力する。
尚、発振回路101は、通常状態において発振停止状態に設定されており、低周波近傍電磁界にコイルL11が晒されたときにのみ発振状態に移行するように設定されている。より詳細には、コイルL11、およびコンデンサC11からなる共振回路41のコンダクタンスgL1と、発振回路101のコンダクタンスgi1とは、ナイキストの発振条件に基づいて、以下の式(1)の場合、発振回路101は発振停止状態となり、式(2)の場合、発振回路101は常時発振状態となる。
gL1>gi1
・・・(1)
gL1<gi1
・・・(2)
そこで、感度調整抵抗R1の抵抗値の調整により、発振回路101のコンダクタンスgi1が、共振回路41のコンダクタンスgL1よりも小さくなるように、すなわち、感度調整抵抗R1を大きめに設定すれば、発振回路101のコンダクタンスgi1は小さめの設定となる。この結果、上述した式(1)の関係が維持できるように構成されるので、低周波近傍電磁界にコイルL11が晒されていない状態においては、発振回路101が発振停止状態となり、その出力信号V4は、検波積分回路102に入力され積分容量C13により積分される。このとき、発振回路101は発振動作を行っていないため、検波積分回路102の出力信号V6は、0V(Lowレベル)となり、比較器COM1には、閾値Vth1よりも小さな値が供給されることになるので、比較器COM1の出力信号V8は、発振動作がなされていないことを示す信号としてHiレベル(定電圧回路113の出力電圧Vref)の信号を出力する。
一方、コイルL11は、低周波近傍電磁界に晒されることにより、正弦波電圧を誘起する。このとき、共振回路41の共振点近傍においては、コンダクタンスgL1が下降し、上述した式(1)の状態から式(2)の状態に移行するので、発振回路101は、定常発振を開始し、発振出力を検波積分回路102に出力する。このとき、発振回路101は発振動作を行っているため、検波積分回路102の出力信号V6は、定電圧回路113の出力電圧であるVref(Hiレベル)となり、比較器COM1には、閾値Vth1よりも大きな値が供給されることになるので、比較器COM1の出力信号V8は、発振動作がなされていることを示す信号としてLowレベルの信号を出力する。
また、遊技球検出部12は、異常検出部11と略同様に構成されており、コイルL12、コンデンサC12、発振回路111、検波積分回路112、および出力回路である比較器COM2、並びに、定電圧回路113、およびツェナーダイオードZDより構成されており、コイルL12の信号に基づいて、遊技球2の通過を検出し、検出結果を出力する。より詳細には、コンデンサC12は、その両端がコイルL12と並列接続され、共振回路42を構成する。さらに、コンデンサC12、およびコイルL12の上端部は、発振回路111に接続され、遊技球2が通過していない時には、LC共振波からなる出力信号V1を発生する。尚、下端部は接地されている。また、発振回路111は、定電圧回路113により電力供給を受けると共に接地されており、さらに、感度調整抵抗R2を介して接地されており、発振出力を出力信号V3として検波積分回路112に出力する。検波積分回路112は、定電圧回路113より電力供給を受けると共に接地されており、発振回路111より供給される発振出力を積分して出力回路である比較器COM2に出力信号V5として供給する。この際、検波積分回路112の出力信号V5は、コンデンサC14により平滑化されて、比較器COM2に供給される。比較器COM2は、入力された検波積分回路112からの出力電圧と所定の閾値Vth2とを比較し、比較結果に基づいて、遊技球2の通過を検出し、検出結果を出力信号V7として出力する。
尚、発振回路111は、遊技球2が通過状態において発振停止状態に設定されており、遊技球2が通過していないときにのみ発振状態に移行するように設定されている。より詳細には、コイルL12、およびコンデンサC12とからなる共振回路42のコンダクタンスgL2と、発振回路111のコンダクタンスgi2とは、ナイキストの発振条件に基づいて、以下の式(3)の場合、発振回路111は発振停止状態となり、式(4)の場合、発振回路111は常時発振状態となる。
gL2>gi2
・・・(3)
gL2<gi2
・・・(4)
そこで、感度調整抵抗R2の抵抗値の調整により、発振回路111のコンダクタンスgi2が、共振回路42のコンダクタンスgL2よりも小さくなるように、すなわち、感度調整抵抗R2を小さめに設定すれば、発振回路111のコンダクタンスgi2は大きめの設定となる。この結果、上述した式(4)の関係が維持できるように構成されるので、遊技球2が通過していない状態においては、発振回路111が常時発振状態となる。このとき、発振回路111は発振動作を行っているので、検波積分回路112の出力信号V5は、定電圧回路113の出力電圧Vref(Hiレベル)となり、比較器COM2には、閾値Vth2よりも大きな値が供給されることになり、比較器COM2の出力信号V7は、遊技球2が通過していないことを示す信号としてLow信号を出力する。
一方、コイルL12は、遊技球2が通過されることにより、コンダクタンスgL2が上昇し、上述した式(4)の状態から式(3)の状態に移行するので、発振回路111は、発振を停止し、発振出力を検波積分回路112に出力する。このとき、発振回路111は発振動作を行っていないため、検波積分回路112の出力信号V5は、0V(Lowレベル)となり、比較器COM2には、閾値Vth2よりも小さな値が供給されることになるので、比較器COM2の出力信号V7は、遊技球が通過していることを示す信号としてHiレベルの信号を出力する。
ツェナーダイオードZDは、比較器COM2の出力信号V7により開閉される。例えば、遊技球2の通過が検出されている場合、すなわち、比較器COM2の出力信号V7がHiレベルの信号である場合、ツェナーダイオードZDは、開放状態となり、定電圧回路113を介して最小電流が流入する漏れ電流モードとなる。一方、遊技球2の通過が検出されていない場合、すなわち、比較器COM2の出力信号V7がLowレベルの信号である場合、ツェナーダイオードZDは、閉塞状態となり、ツェナーダイオードZDの両端に発生する電圧による残電圧モードとなり、出力電圧VoutがツェナーダイオードZDの両端電位へと変化する。
ダイオードD1は、アノードが共振回路42の上端部に接続され、カソードが比較器COM1の出力端子に接続されている。また、ダイオードD2は、アノードが検波積分回路112の出力端子に接続され、カソードが比較器COM1の出力端子に接続されている。抵抗R3は、一方の端部が定電圧回路113に接続され、他方の端部が比較器COM1の出力端子に接続されている。ダイオードD1,D2、および抵抗R3は、異常検出部11、および遊技球検出部12の出力信号の信号合成回路として機能する。
すなわち、低周波近傍電磁界が到来していない場合、検波積分回路102の出力信号V6は、Lowレベルの信号となり、このため比較器COM1においては、閾値Vth1よりも小さな値となるため、比較器COM1の出力信号V8はHiレベル(Vref)となり、ダイオードD1,D2は、共に逆バイアス非導通となる。しかしながら、低周波近傍電磁界が到来することで、比較器COM1の出力信号V8が0Vとなることに伴い、共振回路42の発振振幅である出力信号V1、および検波積分回路112の出力信号V5が同時に強制シャントされ、かつ、抵抗R3の両端に定電圧出力Vrefが掛かり、漏れ電流値IL0に、この発生電流(Vref/R3)が加算される動作となる。
[図1の遊技球検出スイッチの動作説明]
次に、図6,図7のタイムチャートを参照して、図1の遊技球検出スイッチ1の動作について説明する。ここで、図6は、異常検出部11が存在せず、併せて、ダイオードD1,D2および抵抗R3が存在しない場合、すなわち、従来の、低周波近傍電磁界検出機能の存在しない、遊技球検出スイッチの各出力信号の波形を示している。すなわち、図6は、上から、波形AがコイルL12およびコンデンサC12からなる共振回路42の出力信号V1’を、波形Bが検波積分回路の出力信号V5’を、波形Cが比較器COM2の出力信号V7’を、波形Dが出力端子Voutの出力信号をそれぞれ示している。また、図7は、図1の遊技球検出スイッチ1の各出力信号の波形を示している。すなわち、図7は、上から波形Aが、共振回路42の出力信号V1を、波形Bが検波積分回路112の出力信号V5を、波形CがコイルL11、およびコンデンサC11からなる共振回路41の出力信号V2を、波形Dが比較器COM1の出力信号V8を、波形Eが出力端子Voutの出力信号をそれぞれ示している。
また、図6,図7においては、時刻t1乃至t2,t3乃至t4,t5乃至t6,t7乃至t8において、遊技球2が、貫通口Hを通過して、遊技球2が検出される状態の場合の波形を示しており、時刻t11乃至t12において、低周波近傍電磁界が到来し、誘導波が照射されている状態の場合の波形を示している。
すなわち、時刻t1乃至t2および時刻t7乃至t8は正常通過検知で、共振回路42の出力信号V1は時間軸を大きく取ったため、帯状に描かれているが、遊技球2の通過を検出したとき発振が停止しているので、出力信号V1は、0Vとなる。また、検波積分回路112は、共振回路42の出力信号V1に伴う発振回路111の出力信号V3を直流化して出力するため、出力信号V5は図6,図7の波形Bで示されるような波形となる。
異常検出部11が存在しない従来の遊技球検出スイッチの場合、図6で示されるように、時刻t0乃至t1において、遊技球2が通過せず、または、低周波近傍電磁界の到来もない場合、出力信号V1’,V5’,V7’は、それぞれHiレベル、Hiレベル、Lowレベルとなる。このため、ツェナーダイオードZDが閉塞されて、出力信号Vout’は、ツェナー電位Vzdとされる。
そして、時刻t1を越えて遊技球2が通過すると、共振回路42の出力信号V1’の振幅が低下し、この低下に伴って検波積分回路112の出力信号V5’が低下する。そして、時刻t21で示されるように、比較器COM2の閾値電位であるVth2を下回ると、比較器COM2の出力信号V7’は、Hiレベルに変化する。この結果、ツェナーダイオードZDが開放されて、最小の電流値である漏れ電流IL0が流れる漏れ電流モードとなる。このため、出力端子Voutの出力信号Vout’は、電源電圧Vccから漏れ電流による電圧降下分RL・IL0だけ降下した電圧(Vcc−RL・IL0)となる。尚、これは、時刻t3乃至t23,t7乃至25においても同様の動作となる。
さらに、時刻t2を越えて遊技球の通過が完了すると、共振回路42の出力信号V1’の振幅が上昇し、この上昇に伴って検波積分回路112の出力信号V5’が上昇する。そして、時刻t22で示されるように、比較器COM2の閾値電位であるVth2を上回ると、比較器COM2の出力信号V7’は、Lowレベルに変化する。この結果、ツェナーダイオードZDが閉塞されて、残電圧モードとなる。このため、出力端子Voutの出力信号Vout’は、(Vcc−RL・IL0)から、ツェナー電位VZDとなる。尚、これは、時刻t8乃至t26においても同様の動作となる。
さらに、時刻t23において、時刻t21における場合と同様に、遊技球2の通過が検出された後、時刻t11において、低周波近傍電磁界が到来すると、共振回路42により低周波近傍電磁界が検出されることにより、共振回路42の出力信号V1’の振幅が上昇し、この上昇に伴って検波積分回路112の出力信号V5’が上昇する。そして、時刻t24で示されるように、比較器COM2の閾値電位であるVth2を上回ると、比較器COM2の出力信号V7’は、Lowレベルに変化する。この結果、ツェナーダイオードZDが閉塞されて、残電圧モードとなる。このため、出力端子Voutの出力信号Vout’は、(Vcc−RL・IL0)から、ツェナー電位VZDとなる。この後、低周波近傍電磁界が時刻t12まで到来し続けることとなるが、この間に時刻t4において、遊技球2の通過が完了しても、共振回路42の出力信号V1’の振幅は、遊技球2が非検出である状態における振幅が重畳される状態となり、検波積分回路112の出力信号V5’は、上昇したままの状態となるため、比較器COM2の出力信号V7’もLowレベルのままとなり、出力端子Voutの出力信号Vout’は、ツェナー電位VZDのままとなる。また、時刻t5乃至t6に再び遊技球2が通過しても、時刻t11乃至t4における場合と同様であるので、出力端子Voutの出力信号Vout’は、ツェナー電位VZDのままとなる。
この結果、低周波近傍電磁界が到来している時刻t11乃至t12のうち、遊技球2が通過している時刻t11乃至t4(厳密には、時刻t24乃至t4)、および時刻t5乃至t6については、比較器COM2の出力信号V7’において検出もれが生じることになる。
これに対して、図1の遊技球検出スイッチ1においては、図7の波形C,Dで示されるように、時刻t11において低周波近傍電磁界が到来することにより、共振回路41の出力信号V2の振幅が上昇し、これに伴って比較器COM1の出力信号V8はLowレベルとなる。尚、低周波近傍電磁界が到来しない時刻t0乃至t11、および時刻t12以降においては、共振回路41の出力信号V2の振幅が0となり、これに伴って比較器COM1の出力信号V8はHiレベルとなる。
このため、図7の波形Eで示されるように、低周波近傍電磁界が到来している時刻t11乃至t12においては、出力信号V8がLowレベル、すなわち、0Vとなることにより、共振回路42の出力信号V1、および検波積分回路112の出力信号V5が、ダイオードD1,D2の順方向電圧0.6Vにクランプされ、閾値Vth2よりも低くなる。この結果、比較器COM2の出力信号V7は、Hiレベルの信号を出力することになる。
一方、検波積分回路112の出力信号V5が、ダイオードD1,D2の順方向電圧0.6Vにクランプされることにより、遊技球検出部12においては、漏れ電流モードが確定することとなるが、抵抗R3には、定電圧回路113により印加される定格電圧Vrefにより、漏れ電流IL0に加えて、電流Vref/R3が加算して流れることになる。このため、低周波近傍電磁界が到来している時刻t11乃至t12において、出力端子Voutの出力信号Voutは、電源電圧Vccから負荷抵抗RLによる降下電圧RL(IL0+Vref/R3)を減算したVcc−RL・(IL0+Vref/R3)となる。
この結果、遊技球検出スイッチ1は、低周波近傍電磁界が到来していない場合、遊技球2の通過を検出しているとき、出力信号Voutは、第1の出力電圧Vout_Hi(=Vcc−RL・IL0)となり、遊技球2の通過を検出していないとき、出力信号Voutは、第2の出力電圧Vout_Low(=Vzd)となり、低周波近傍電磁界が到来している場合、遊技球2の通過の有無に関わらず、出力信号Voutは、中間電位となる第3の出力電圧Vout_Md(=Vcc−RL・(IL0+Vref/R3))となる。
したがって、遊技球検出スイッチ1の後段に出力信号Voutに応じて、遊技機の制御装置(CPU)に適切な信号を出力するインターフェイス回路が設けられることにより、遊技球の通過の有無を適切に検出することが可能になると共に、低周波近傍電磁界の接近により生じる近接スイッチの誤動作を抑制することが可能となる。尚、以降においては、出力信号Vout_Hiを高位出力電位、出力信号Vout_Mdを中位出力電位、出力信号Vout_Lowを低位出力電位とも、それぞれ称するものとする。
[遊技球検出処理]
以上の処理をまとめると、図8のフローチャートで示されるような遊技球検出処理となる。尚、図8のフローチャートにおいては、図1の遊技球検出スイッチ1の各構成の動作状態を示すものであり、それぞれの構成が主体となる動作を示すものではない。
すなわち、ステップS1において、低周波近傍電磁界が到来しているか否かに基づいて、処理が切り替えられ、例えば、低周波近傍電磁界が到来している場合、処理は、ステップS2に進む。
ステップS2において、共振回路41により共振が発生するため、検波積分回路102の出力信号V6が閾値Vth1よりも高くなるため、比較器COM1の出力信号V8は、Lowレベルの信号(0V)となる。
ステップS3において、比較器COM1の出力信号V8が0Vとなることに伴って、ダイオードD1,D2が有効とされ、出力信号V1,V5が強制的にダイオードD1,D2の順方向電圧にクランプされる。
ステップS4において、検波積分回路112の出力信号V5が、比較器COM2の閾値Vth2より小さくなるので、ステップS5において、比較器COM2の出力信号V7は、Hiレベルの信号となり漏れ電流モードとなる。
ステップS6において、出力端子Voutの出力信号Voutは、負荷抵抗RLを流れる漏れ電流IL0により発生する降下電圧IL0・RLと、抵抗R3を流れる電流Vref/R3による降下電圧、RL・Vref/R3とを加算した電圧が電源電圧Vccから降下した中位出力信号Vout_Md(=Vcc−RL・(IL0+Vref/R3))となる。
一方、ステップS1において、低周波近傍電磁界が到来していない場合、処理は、ステップS7に進む。
ステップS7において、共振回路41により共振が発生しないため、検波積分回路102の出力信号V6が閾値Vth1よりも低くなるため、比較器COM1の出力信号V8は、Hiレベルの信号となる。
ステップS8において、比較器COM1の出力信号V8がHiレベルとなることに伴って、ダイオードD1,D2が非導通状態、すなわち、無効の状態となる。
ステップS9において、遊技球2の通過があるか否かに処理が切り替えられ、例えば、遊技球2の通過がある場合、処理は、ステップS10に進む。
ステップS10において、検波積分回路112の出力信号V5が、比較器COM2の閾値Vth2より小さくなるので、ステップS11において、比較器COM2の出力信号V7は、Hiレベルの信号となり漏れ電流モードとなる。
ステップS12において、出力端子Voutの出力信号Voutは、漏れ電流IL0により負荷抵抗RLで発生する降下電圧IL0・RLが電源電圧Vccから降下した高位出力信号Vout_Hi(=Vcc−RL・IL0)となる。
さらに、ステップS9において、遊技球2の通過がない場合、ステップS13において、検波積分回路112の出力信号V5が、比較器COM2の閾値Vth2より大きくなるので、ステップS14において、比較器COM2の出力信号V7は、Lowレベルの信号となり残電圧モードとなる。
ステップS15において、出力電圧Voutは、ツェナーダイオードZDの両端電位である低位出力信号Vout_Low(=VZD)となる。
以上の処理によれば、低周波近傍電磁界が到来すると、遊技球2の通過の有無に関わらず、中位出力信号Vout_Mdが出力され、低周波近傍電磁界が到来していない状態で、かつ、遊技球2が通過したとき、高位出力信号Vout_Hiが出力され、さらに、低周波近傍電磁界が到来していない状態で、かつ、遊技球2が通過していないとき、低位出力信号Vout_Lowが出力される。結果として、低周波近傍電磁界の到来と、遊技球の通過の有無とを同時に、そして、正確に監視することが可能となる。
[図1の遊技球検出スイッチを備えた遊技機の構成例]
次に、図9を参照して、上述した遊技球検出スイッチ1の後段に適切なインターフェイス回路を設けて、制御装置(CPU)に検出結果を出力するようにした遊技機の構成例のついて説明する。
遊技機200は、遊技球検出スイッチ1、インターフェイス回路201、電源部202、203、および遊技機200の全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)204より構成されている。遊技球検出スイッチ1は、遊技球2の通過の有無を検出すると共に、低周波近傍電磁界の到来を検出し、検出結果をインターフェイス回路201に供給する。インターフェイス回路201は、遊技球検出スイッチ1の検出結果に基づいて、遊技球2の通過についての検出結果に対応する信号を発生し、出力端子VendよりCPU204に供給する。CPU204は、インターフェイス回路201からの信号に基づいて、遊技球2の通過を認識し、各種の処理を実行する。
インターフェイス回路201は、比較器214、トライステートバッファ215、抵抗R24、分圧回路211、切替回路212、およびリミッタ回路213により構成されている。
電源部202は、遊技球検出スイッチ1と比較器214の他に、分圧回路211と切替回路212にも接続され、電圧Vccを供給する。
分圧回路211は、定電圧素子として機能するダイオードD11およびD12、ツェナーダイオードZD11、並びに、定電流源I11および抵抗R21により構成されている。また、切替回路212は、抵抗R22とPNP形のトランジスタTr1により構成されている。さらに、リミッタ回路213は、抵抗R23とツェナーダイオードZD21により構成されている。
分圧回路211の定電流源I11の一端は、電源部202と接続され、他の一端は、ダイオードD12のカソード、比較器214の閾値電圧VTを入力する入力部(以下、適宜、閾値電圧VT入力部という)、および抵抗R21の一端と接続されている。
直列に接続されたダイオードD11およびD12の、ダイオードD11のアノードは、切替回路212のトランジスタTr1のコレクタに接続され、ダイオードD12のカソードは、上述したように、定電流源I11の他の一端、抵抗R21、および比較器214の閾値電圧VT入力部に接続されている。
抵抗R21の他の一端は、ツェナーダイオードZD11のカソードと接続され、ツェナーダイオードZD11のアノードは、接地されている。
また、切替回路212のトランジスタTr1のエミッタは、電源部202に接続されている。
さらに、比較器214の出力部は、切替回路212の抵抗R22を介して、トランジスタTr1のベースと、リミッタ回路213の抵抗R23を介して、ツェナーダイオードZD21のカソードおよびトライステートバッファ215の入力部に接続されている。また、ツェナーダイオードZD21のアノードは、接地されている。
インターフェイス回路201の動作について説明する。
分圧回路211は、後述する切替回路212のトランジスタTr1がオンまたはオフすることにより、それぞれ、ダイオードD11およびD12を有効もしくは無効にする。
切替回路212は、比較器214から供給される比較出力信号のHiまたはLowレベルの信号によって、トランジスタTr1をオンまたはオフさせ、分圧回路211の第1または第2の状態を切り替える。なお、比較器214から供給される比較出力信号がLowレベルの信号である場合(遊技球の通過なしの場合)が、分圧回路211の第1の状態であり、比較器214から供給される比較出力信号がHiレベルの信号である場合(遊技球の通過ありの場合)が、分圧回路211の第2の状態である。
切替回路212のトランジスタTr1は、PNP形であるので、比較器214から供給される比較出力信号がLowレベルの信号である場合(パチンコ球なしの場合)に、トランジスタTr1はオンし、切替回路212は、分圧回路211を第1の状態にする。また、比較器214から供給される比較出力信号がHiレベルの信号である場合(パチンコ球ありの場合)に、トランジスタTr1はオフし、切替回路212は、分圧回路211を第2の状態にする。
分圧回路211の第1の状態では、ダイオードD11およびD12が有効となり、電源部202の電圧Vccから、ダイオードD11およびD12にかかる電圧を引いた残電圧値(=Vcc−2Vd)が、高位反転電圧V_INHiとなって、比較器214の閾値電圧VT入力部に供給される。
また、分圧回路211の第2の状態では、ダイオードD11およびD12が無効となり、ツェナーダイオードZD11の電圧と、定電流源I11の電流値により抵抗R21で発生する電圧を加算した電圧値(VZD11+I11・R21)が、低位反転電圧V_INLowとなって、比較器214の閾値電圧VT入力部に供給される。
リミッタ回路213は、ツェナーダイオードZD21のツェナー電位ZD21以上の過大な電圧が、トライステートバッファ215に入力されることを防止する。
すなわち、図9のインターフェイス回路201では、図10で示されるように、低位反転電圧V_INLowは、ツェナーダイオードZD11のツェナー電位に依存する特性を有している。即ち、電源部202の電圧Vccが、範囲VM内で高くなっても、低位反転電圧V_INLowは、ツェナーダイオードZD11のツェナー電位VZD11に、抵抗R21と、定電流源I11により生じる電圧が加算された電圧(=VZD11+R21・I11)となる。
遊技球検出スイッチ1の出力である低位出力電圧Vout_Lowは、図10で示されるように、電源部202の電圧Vccに依存しない一定の特性を有しており、図1におけるツェナーダイオードZDと、図9におけるツェナーダイオードZD11を同じ特性のツェナーダイオードを使用し、さらに、抵抗R21と定電流源I11とを適当に操作すれば、図10のような電位関係を範囲VM全域で維持することができる。
遊技球検出スイッチ1の出力である高位出力電圧Vout_Hi、および中位出力電圧Vout_Mdは、図10で示されるように、電源部202の電圧Vccに依存する特性を有している。そこで、電源部202の電圧Vccが、使用範囲VM内において、遊技球検出スイッチ1の負荷抵抗RL、および抵抗R3、並びに、インターフェイス回路201における抵抗R21の調整により、高位反転電圧V_INHiを、高位出力電位Vout_Hi(=Vcc−RL・IL0)よりも低く、中位反転電圧Vout_Md(=Vcc−RL・(IL0+Vref/R3))よりも高く設定し、低位反転電圧V_INLowを、低位出力電圧Vout_Low(=Vzd)よりも高く、中位反転電圧Vout_Md(=Vcc−RL・(IL0+Vref/R3))よりも低く設定することで、遊技球検出スイッチ1からの出力信号Voutにより、遊技球2の通過の有無と、低周波近傍電磁界の到来の有無とを適切に検出することが可能となる。
すなわち、図10の関係が満たされるときの遊技球検出スイッチ1の出力信号Vout、およびインターフェイス回路201の出力信号Vendのそれぞれの出力波形は、図11で示されるようなものとなる。
すなわち、図11の上段、および下段においては、図10で示されるように、高位反転電圧V_INHi、低位反転電圧V_INLow、高位出力電圧Vout_Hi、中位出力電圧Vout_Md、および低位出力電圧Vout_Lowが設定される場合の遊技球検出スイッチ1の出力信号Vout、およびインターフェイス回路201の出力信号Vendの出力波形がそれぞれ示されている。
図11の上段、および下段の波形は、時刻t101乃至t102,t103乃至t104、およびt105乃至106において遊技球2の通過があり、時刻t111乃至t112、およびt113乃至t114において低周波近傍電磁界の到来がある場合の波形である。
すなわち、時刻t0乃至t101においては、低周波近傍電磁界の到来がなく、遊技球2の通過がないので、図11の上段で示されるように、遊技球検出スイッチ1の出力信号Voutは、低位出力電圧Vout_Lowとなる。低位出力電圧Vout_Lowは低位反転電圧V_INLowよりも低いので、図11の下段で示されるように、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Lowレベルの信号となる。このとき、反転電位は、高位反転電位V_INHiとなるため、以降においては、出力信号Voutが、高位出力電位Vout_Hiとならない限り、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Lowレベルの信号が維持される。
時刻t101乃至t111においては、低周波近傍電磁界の到来がなく、遊技球2の通過があるので、図11の上段で示されるように、遊技球検出スイッチ1の出力信号Voutは、高位出力電圧Vout_Hiとなる。高位出力電圧Vout_Hiは高位反転電圧V_INHiよりも高いので、図11の下段で示されるように、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Hiレベル(電源部203の出力電圧値電圧VDD)の信号となる。このとき、反転電位は、低位反転電位V_INLowとなるため、以降においては、出力信号Voutが、低位出力電位Vout_Lowとならない限り、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Hiレベルの信号が維持される。
時刻t111乃至t112においては、低周波近傍電磁界の到来があり、時刻t111乃至t102、およびt103乃至t112においては、遊技球2の通過があるが、図11の上段で示されるように、遊技球検出スイッチ1の出力信号Voutは、遊技球2の通過とは無関係に中位出力電圧Vout_Mdとなる。中位出力電圧Vout_Mdは低位反転電圧V_INLowよりも高いので、図11の下段で示されるように、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Hiレベルの信号が維持される。すなわち、反転電位は、低位反転電位V_INLowのままであるため、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Hiレベルの信号が維持される。
時刻t112乃至t104においては、低周波近傍電磁界の到来がなく、遊技球2の通過があるので、図11の上段で示されるように、遊技球検出スイッチ1の出力信号Voutは、高位出力電圧Vout_Hiとなる。高位出力電圧Vout_Hiは高位反転電圧V_INHiよりも高いので、図11の下段で示されるように、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Hiレベルの信号となる。すなわち、反転電位は、低位反転電位V_INLowのままであるため、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Hiレベルの信号が維持される。
時刻t104乃至t113においては、低周波近傍電磁界の到来がなく、遊技球2の通過がないので、図11の上段で示されるように、遊技球検出スイッチ1の出力信号Voutは、低位出力電圧Vout_Lowとなる。低位出力電圧Vout_Lowは低位反転電圧V_INLowよりも低いので、図11の下段で示されるように、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Lowレベルの信号となる。このとき、反転電位は、高位反転電位V_INHiとなるため、以降においては、出力信号Voutが、高位出力電位Vout_Hiとならない限り、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Lowレベルの信号が維持される。結果として、図9の遊技機200においては、低周波近傍電磁界の検出直前の出力信号Vendの状態が保持されるホールド機能を設けるようにさせることが可能となる。
時刻t113乃至t114においては、低周波近傍電磁界の到来があり、時刻105乃至t106においては、遊技球2の通過があるが、図11の上段で示されるように、遊技球検出スイッチ1の出力信号Voutは、遊技球2の通過とは無関係に中位出力電圧Vout_Mdとなる。中位出力電圧Vout_Mdは高位反転電圧V_INHiよりも低いので、図11の下段で示されるように、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Lowレベルの信号が維持される。すなわち、反転電位は、低位反転電位V_INHiのままであるため、インターフェイス回路201からの出力信号Vendは、Lowレベルの信号が維持される。
このように、遊技球検出スイッチ1、およびインターフェイス回路201を組み合わせて、遊技機200の動作を制御するCPU204に遊技球2の通過と低周波近傍電磁界の到来とを出力信号Vendとして供給することにより、低周波近傍電磁界の到来がない限り遊技球2の通過があれば、Hiレベルの信号を出力し、通過がなければLowレベルの信号を出力するので、CPU204は、出力信号VendがHiレベルで維持される時間が所定の長さの範囲であれば、遊技球2が通過したことを適切に監視することが可能となる。また、低周波近傍電磁界が到来する場合、到来している期間は、直前に出力されていた出力信号Vendのレベルが維持されることになるため、CPU204は、出力信号VendがHiレベルの信号である場合、その期間が所定の長さの時間を越えれば、低周波近傍電磁界の到来を検出したものとみなすことができ、また、Lowレベルの場合、遊技球2の通過が検出されていないものとみなすことができる。
いずれにおいても、遊技球2の通過が誤検出されてしまうといった誤動作を抑制することが可能となる。
<2.第2の実施の形態>
[本発明を適用した他の遊技球検出スイッチの構成例]
以上においては、2線式出力方式の遊技球検出スイッチに、インターフェイス回路を設けて、遊技機のCPUに検出結果を出力する構成例について説明してきたが、4線式出力方式の遊技球検出スイッチを用い、インターフェイス回路を省略して、遊技機のCPUに直接検出結果を出力できる構成としてもよい。
図12は、4線式出力方式の遊技球検出スイッチを用い、インターフェイス回路を省略して、遊技機のCPUに直接検出結果を出力できる構成とした遊技機の構成例を示している。
図12の遊技機300の遊技球検出スイッチ301においては、基本的に、図1の遊技球検出スイッチ1における構成と同様の構成については、同一の名称、および同一の符号を付しており、その説明は、適宜省略するものとする。
すなわち、図12の遊技機300における遊技球検出スイッチ301において、図1の遊技球検出スイッチ1と異なる点は、ダイオードD1,D2、ツェナーダイオードZD、抵抗R3,RL、およびコンデンサC15に代えて、異常検出部11、および遊技球検出部12の出力端子Vout1、Vout2出力端子を設け、さらに、その前段にベース抵抗を含むトランジスタTr101,Tr102、および抵抗RL1,RL2をそれぞれ設けた点である。
すなわち、比較器COM1の出力端子V8には、ベース抵抗を介して、トランジスタTr101のベースが接続され、コレクタが出力端子Vout2に接続され、エミッタが接地されている。また、比較器COM2の出力端子には、ベース抵抗を介して、トランジスタTr101のベースが接続され、コレクタが出力端子Vout1に接続され、エミッタが接地されている。
すなわち、異常検出部11は、低周波近傍電磁界が到来しないとき出力信号V8がLowレベルとなり、低周波近傍電磁界が到来したとき、出力信号V8がHiレベルとなる。このため、低周波近傍電磁界の到来と共にトランジスタTr101がオンとなり、それ以外のときオフとされ、出力信号Vout2としてCPU302に供給される。
同様に、遊技球検出部12は、遊技球が通過すると出力信号V7がHiレベルとなり、遊技球が通過しないとき、出力信号V7がLowレベルとなる。このため、遊技球が通過するとトランジスタTr102がオンとなり、出力信号Vout1としてCPU302に供給され、それ以外のときオフとされる。
CPU302は、出力信号Vout1,Vout2に基づいて、遊技球2の通過の有無、および低周波近傍電磁界の到来の有無を検出する。尚、比較器COM1への検波積分回路102の出力信号V6と閾値Vthとの極性を入れ替えるようにしてもよい。このようにすることで、出力信号Vout2の極性が反転する。すなわち、低周波近傍電磁界が到来するとき、出力信号Vout2としてCPU302に供給される。すなわち、通常複数の遊技球検出スイッチ301が1台の遊技機300に搭載されるが、いずれかの遊技球検出スイッチ301により低周波近傍電磁界が検出された場合には、全ての遊技球検出スイッチ301での遊技球2の通過を誤検出させないようにする必要があると考えられる。そこで、このようにいわゆるノーマルオープンの構成とすることで、全ての遊技球検出スイッチ301の出力信号Vout2を1本に集約して、CPU302に供給させることで、いずれかから低周波近傍電磁界が検出された場合、全ての遊技球2の通過を検出しない構成とすることができ、製造コストを低減させることが可能となる。
[低周波近傍電磁界を検出するためのコイルのその他の構成例]
以上においては、図5で示されるように、低周波近傍電磁界を検出するためのコイルL11を、遊技球2の通過を検出するためのコイルL12とコネクタ1fとの間に設ける例について説明してきたが、別の位置に設けるようにしてもよい。すなわち、低周波近傍電磁界を検出するためのコイルL11は、例えば、図13で示されるように、遊技球2の通過を検出するコイルL12から見て、コネクタ1fとは反対側の位置に設けるようにしてもよい。
また、低周波近傍電磁界を検出するためのコイルL11は、例えば、図14で示されるように、遊技球2の通過を検出するコイルL12の外周側に設けるようにしてもよい。尚、図15においては、コイルL12の外周側に設けられるべきシールド部材が記述されていないが、コイルL11側に対して完全に遮蔽するようにシールド部材が設けられている。
以上、本発明によれば、遊技球検出スイッチにおいて、遊技球の検出するためのコイルの近傍に、遊技球の通過を誤検出させるような誤動作を誘発させる低周波近傍電磁界の到来を検出し、誤動作を抑制することが可能となる。