JP2012147777A - 寒地型芝生への水分供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来にない作用効果を発揮する画期的な寒地型芝生への水分供給方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ベントグラスやブルーグラスなどの寒地型芝生1へ水分を供給する方法であって、前記寒地型芝生1が設けられる被水分噴霧領域Aに平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧する寒地型芝生への水分供給方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、寒地型芝生への水分供給方法に関するものである。
夏場の猛暑日が続くことで起きるウェットウィルトによる芝生の枯れが問題となっている。
具体的には、このウェットウィルトは、地上での高温状態と地中での過湿状態とが重なると根が機能しなくなり、水が吸えなくなる現象である。例えば多くのゴルフ場で使用されるベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類などの寒地型芝生は、生育適温が15〜20℃であり、30度以上の気温が一定期間続くとウェットウィルトが起きる可能性が高いとされている。
これに対し、各ゴルフ場では、スプリンクラーで散水する他、手撒き散水やファン(ブロワー)を用いた散水などで対応しているが、前述したウェットウィルトを良好に防止するまでには至っていない。なぜなら、これら従来の水分の供給方法は、平均的な水分の供給が難しく、特に水分過多となる部位で枯れが起きてしまったりするからである。
本発明者は、前述した芝生のウェットウィルトに着目して種々の実験研究を繰り返し行い、その結果、従来にない作用効果を発揮する画期的な寒地型芝生への水分供給方法を開発した。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
ベントグラスやブルーグラスなどの寒地型芝生1へ水分を供給する方法であって、前記寒地型芝生1が設けられる被水分噴霧領域Aに平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧することを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法に係るものである。
また、請求項1記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記水分2の噴霧は、前記被水分噴霧領域Aに対して移動可能な水分供給装置Kにより行うことを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法に係るものである。
また、請求項2記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記水分供給装置Kには0.25〜0.3Mpaの水圧で水分2を供給する水分供給部20が接続され、この水分供給部20の水圧で平均粒子径70〜120μmの水分2が噴霧されるように構成されていることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法に係るものである。
また、請求項2,3いずれか1項に記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記水分供給装置Kは、前記被水分噴霧領域Aに刺入して立設する立設体3の上部にノズル部4を設けたものであることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法に係るものである。
また、請求項4記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記立設体3は、内部に通水孔部5を有する管体で構成され、この通水孔部5には水を導入する水導入部6が設けられ、この水導入部6は前記水供給部20と連設せしめられていることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法に係るものである。
また、請求項4,5いずれか1項に記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記ノズル部4は前記立設体3の上端部に角度可変部8を介して設けられていることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法に係るものである。
本発明は上述のようにしたから、簡易且つ確実に寒地型芝生にウェットウィルトが起きることが防止され、また、寒地型芝生に起きたウェットウィルトを解消することができるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な寒地型芝生への水分供給方法となる。
本実施例に係る寒地型芝生への水分供給方法の説明図である。 本実施例に係る水分供給装置Kを説明する斜視図である。 本実施例に係る要部を説明する断面図である。 本実施例に係る要部を説明する断面図である。 本実施例に係る要部を示す分解斜視図である。 本実施例に係る角度可変部8の別例を示す部分拡大正面図である。 本実施例に係るノズル部材4Bの性能試験の説明図である。 本実施例に係るノズル部材4Bの性能試験結果を示す表である。 試験1の条件を示す表である。 試験1の結果を示す表である。 試験1の結果を示す表である。 試験2の条件を示す表である。 試験2の結果を示す表である。 試験2の結果を示す表である。 試験2の結果を示す表である。 試験2の結果を示す表である。 試験2の結果を示す表である。 試験2の結果を示す表である。 試験2の結果を示す表である。 試験3の条件を示す表である。 試験3の条件を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。 試験3の結果を示す表である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
例えば寒地型芝生1にウェットウィルトが起きると思われる条件の被水分噴霧領域Aに平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧する。
実際に本発明者が試したところ、この平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧することで、従来であればウェットウィルトが起きていたような猛暑日が続く環境下であっても寒地型芝生1にはウェットウィルトが起きず、枯れることがなかった。
また、ウェットウィルトが起きた寒地型芝生1のある被水分噴霧領域Aに対しても平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧したところ、ウェットウィルトが解消され、枯れ始めていた寒地型芝生1が回復した。
これは、この平均粒子径70〜120μmの水分2は、必要以上に飛散し過ぎず且つ地面に付着し過ぎず、被水分噴霧領域Aの上方で停滞し、この被水分噴霧領域Aの表面(寒地型芝生1の葉)は気化熱により適度な冷却効果が得られるとともに、適度な水分供給が行われるからと推測される。実際に種々試した結果、水分2の平均粒子径が70μmよりも小さい場合には、飛散し過ぎたり気化して水分が足りず脱水状態となってしまい生育に不良を起こし、反対に、水分2の平均粒子径が120μmよりも大きい場合には、良好に飛散せず加湿状態となってしまい生育に不良を起こすことを確認している。
従って、本発明によれば、前述したように水分2は、必要以上に飛散し過ぎず且つ地面に付着し過ぎず、被水分噴霧領域Aの上方で停滞し、この被水分噴霧領域Aの表面(寒地型芝生1の葉)は気化熱により適度な冷却効果が得られるとともに、適度な水分供給が行われるから、従来、夕方から早朝の間に行われていた水分の供給が炎天下の日中でも可能となり、よって、寒地型芝生1の管理が極めて簡易且つ良好に行えることになる。
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、ベントグラスやブルーグラスなどの寒地型芝生1へ水分2を供給する方法であって、寒地型芝生1が設けられる被水分噴霧領域Aに対して移動可能な水分供給装置Kから、平均粒子径70〜120μmの水分2(霧状水分)を噴霧する寒地型芝生1への水分供給方法(ウェットウィルトの防止方法及び解消方法)である。尚、本願発明で言う寒地型芝生1が設けられる被水分噴霧領域Aとしてゴルフ場(グリーンやフェアウェイ)を採用しているがこれに限らず、例えば、寒地型芝生1を設ける場所としてサッカー場や野球場や屋上の緑化部でも良く、また、水分2とは後述の通り水であるが、例えば水に薬剤を混ぜたものでも良い。また、寒地型芝生1は、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類があり、生育適温が高い温暖地型芝生(ノシバ、コウライシバ)と対置される。
水分供給装置Kは、図1に図示したように被水分噴霧領域Aに刺入して立設する立設体3の上部にノズル部4を設けたものである。
具体的には、立設体3は、図2,3に図示したように内部に通水孔部5を有する適宜な金属製の管状体で構成されている。尚、本実施例の立設体3の長さは約95cmであり、後述するノズル部4を含めた全体長は約105cmである。
通水孔部5は、図3に図示したように後述する水導入部6が設けられる位置から上端位置にかけて設けられており、更に、立設体3の上端部には通水孔部5を開閉する弁体9が設けられている。
従って、この弁体9の開閉操作によりノズル部4への水分2の供給と供給停止が行われる。
水導入部6は、図3に図示したように水分供給部20に設けられた接続部材20b(被水分噴霧領域Aに配備される水道管に接続されたホース20aの先端部に設けられたカプラー20b)が着脱自在に接続し得るように構成されている。
従って、本実施例は水分供給部20が存在する場所であればどこでも使用することができる。
また、立設体3の上部にはノズル部4が設けられている。
このノズル部4は、図2,4,5に図示したように管体4Aと、この管体4Aの正面にして等間隔の位置に設けられる複数のノズル部材4Bと構成されている。
管体4Aは、適宜な金属製の部材を正面視環形状に形成したものであり、この管体4Aの下部には後述する角度可変部8に係る球状体8aに螺着する管状の螺子部4aが設けられている。
ノズル部材4Bは、適宜な金属製の部材で形成したものであり、噴霧孔4bは水分供給部20の水道圧(約0.25〜0.3Mpa)で平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧するように設定されている。
本発明者は、後述する寒地型芝生1への水分供給方法で使用するノズル部材4Bの性能を確認すべく、使用した3つのノズル部材4Bから噴霧される水分2の平均粒径を調べた。
測定方法としては、3つのノズル部材4Bを下方に向けて30cmの高さから下方へ向け、0.3Mpa,0.4Mpa及び0.5Mpaの各水圧で噴霧させた(図7参照)。
各ノズル部材4Bは、液体が環状に噴霧される構造(ホロコーンスプレーノズル)であり、各水圧で吹き付けた際に被吹き付け部位に形成される環状体15の内径中心位置(図7中A部)での平均粒径と、環状体15の巾方向中央位置(図7中B部)での平均粒径を調べた。
図8の表に示す通り、いずれのノズル部材4Bも水圧に応じてA部及びB部における平均粒径が異なり、水分供給部20の水圧(0.3Mpa)で、噴射角約46度、流量約260mL・min、A部での平均粒径は約70μmであり、B部での平均粒径は約120μmのノズル部材4Bである。
このノズル部材4Bにより、所定範囲に平均粒子径70〜120μmの水分2が噴霧される。従って、水分供給装置Kを適宜移動させ、被水分噴霧領域Aの上方位置に平均粒子径70〜120μmの水分2が対流するようにすると、ウェットウィルトが解消され、枯れ始めていた寒地型芝生1が回復する。
また、ノズル部4は、立設体3の上端部に角度可変部8を介して設けられている。
この角度可変部8は、図4,5に図示したようにノズル部4の下部に連結される球状体8aと、この球状体8aに被嵌され立設体3の上端部に設けられる螺子部3aに螺着する被嵌部材8bとで構成されている。
従って、角度可変部8は、被嵌部材8bを緩め回動させて球状体8aに対する締め付けを解除した際、球状体8aが回動可能状態となってノズル部4の角度を可変することができ、また、このノズル部4を任意の角度にセットし、この状態で被嵌部材8bを締め付け回動させて球状体8aを回動不能状態とすることで、ノズル部4を上下方向,左右方向及び斜め方向の任意の角度で固定することができる。
尚、角度可変部8は前述した構造に限らずノズル部4の角度を可変し得る構造、例えば図6に図示したような蛇腹構造などのフレキシブル構造であれば良い。
また、立設体3の下端部には先細形状の刺入部7が設けられている。
従って、立設体3は、被水分噴霧領域Aの任意の場所に移動自在であり、刺入部7を刺入して立設することができる。
また、本実施例では、立設体3の下部に補助脚部10が設けられている。
この補助脚部10は、立設体3の下部周面に放射状に突設され下端に先細り部10a’を有する複数(3本)の脚部材10aで構成されており、この各脚部材10aは立設体3に回動自在にして着脱自在に被嵌連結する筒状の連結部材10bに設けられている。
従って、立設体3は、被水分噴霧領域Aに刺入部7を刺入するとともに、補助脚部10の各脚部材10aを刺入することで安定的に立設することができる。
また、補助脚部10には立設体3に固定する固定部12が設けられている。
この固定部12は、図3に図示したように連結部材10bに螺子孔10b’を貫通状態に設け、この螺子孔10b’に螺子部材12aを螺着して構成されており、この螺子部材12aを締付動することで補助脚部10は立設体3に対して回動不能状態にして上下方向への移動不能状態となる。
本実施例では、水分供給部20としてはゴルフ場のグリーン脇やティグランドやフェアウェイなどに設置される散水栓(40ミリ口径)を採用しており、この散水栓の水圧を約0.25〜0.3Mpaまで減圧するとともに、散水栓にカプラを接続して口径を水道水蛇口の16ミリ口径に落として水道ホース20aを接続している。
以上の構成から成る本実施例に係る水分供給装置Kを利用した寒地型芝生1への水分供給方法について説明する。
まず、寒地型芝生1のウェットウィルが起きると思われる条件の被水分噴霧領域Aに水分供給装置Kを配する。
具体的には、補助脚部10を被水分噴霧領域Aに刺入した後、補助脚部10に対して立設体3を回動させてノズル部4の方向を決め、刺入部7を被水分噴霧領域Aに刺入して立設し、この状態で固定部12で補助脚部10に対して立設体3を固定する。
続いて、水導入部6に水分供給部20を接続する。尚、予め水導入部6に水分供給部20を接続した状態で被水分噴霧領域Aに立設体3を立設するようにしても良い。
続いて、弁体9を開放してノズル部4から平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧する。この水分2の噴霧状況を見て、必要に応じて角度可変部8を可動させてノズル部4の噴霧角度を調整する。また、被水分噴霧領域Aの面積にも応じて水分供給装置Kの位置を変えて水分2を噴霧し、被水分噴霧領域Aの上方が平均粒子径70〜120μmの水分2で覆われた状態となるようにする。
このノズル部4から噴霧された平均粒子径70〜120μmの水分2は被水分噴霧領域Aの上方で停滞し、この被水分噴霧領域Aの表面(寒地型芝生1の葉)は気化熱により適度な冷却効果が得られるとともに、適度な水分供給が行われ、寒地型芝生1にウェットウィルが起きることが防止される。この被水分噴霧領域Aの上方で停滞する平均粒子径70〜120μmの水分2により、被水分噴霧領域Aの表面近くで温度が低下することで気圧の変化により風が起き、その結果、水分2は広範囲に飛散して適度な水分2が供給される。
本実施例は上述のように構成したから、簡易且つ確実に寒地型芝生1にウェットウィルトが起きることを防止し、また、寒地型芝生1に起きたウェットウィルトを解消することができ、しかも、炎天下となる日中(酷暑雰囲気中)での水分2の供給が可能となり、よって、寒地型芝生1の管理が極めて簡易且つ良好に行えることになる。
また、本実施例は、水分供給装置Kとして、被水分噴霧領域Aに刺入して立設する立設体3の上部にノズル部4を設けた水分供給装置Kを採用したから、被水分噴霧領域Aへの水分供給装置Kの堅固な配置及び撤去が簡易且つ確実に行えることになる。
また、本実施例は、ノズル部4は立設体3の上端部に角度可変部8を介して設けられているから、水分2を適切な状態に噴霧させることができることになる。
また、本実施例は、水分供給装置Kには水分供給部20が接続され、この水分供給部20の水圧で平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧するように構成されているから、水分供給部20が存在する箇所であれば、何処でも本実施例による水分供給方法が確実に行えることになる。
また、本実施例は、微細な平均粒子径70〜120μmの水分2を噴霧させる構成であるから、散水量が抑制されることになる為、少量散水によりウェットウィルトの防止及び解消が確実に達成されることになり、コスト面において極めて秀れたものとなる。
本発明者は、本実施例の有効性を確認すべく以下の試験1〜3を行った。
<試験1>
試験1は次の条件で行った。
・試験場所:理研グリーン研究所内東側ベントグリーン
・試験規模:1区4平方メートル 反復無し
・試験方法:上記試験場所に試験区を設け、本実施例に係る水分供給装置Kにより水分供給を行う処理区(本実施例処理区)と、水分供給を行わない無処理区とを設け、各処理区における土壌撥水性と土壌水分含有量について調査を行う。
・試験期間:2011年5月16日〜5月26日
図9は、本実施例処理区に対して処理を行った日付と散水時間を示す表である。
図10は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の土壌を採取し、この各処理区について土壌撥水性を測定した結果を示す表である。尚、数値(MED値)が低いほど土壌撥水性が低いことになる。この土壌撥水性が低いと土壌への水分の浸透性が高いことを意味し、土壌に水分が良好に浸透することでドライスポットの原因となる土壌の乾燥が防止される。
図11は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の土壌を採取し、この各処理区について土壌水分含有量を測定した結果を示す表である。
前述した試験1から、本実施例処理区の方が無処理区に比べて土壌撥水性の低下が認められ、且つ、本実施例処理区の方が無処理区に比べて土壌水分含有量の上昇が認められ、よって、土壌撥水性及び土壌水分含有量に関して本実施例の有効性が確認された。
以上の結果から、本実施例により乾燥防止と水分補給が図られ、ベントグラス地上部の生育は良好に維持された(ドライスポットの発生を抑制し、且つ、ドライスポット発生部における改善が確認された。)。
<試験2>
試験2は次の条件で行った。
・試験場所:理研グリーン研究所内東側ベントグリーン
・試験規模:1区9平方メートル 反復無し
・試験方法:上記試験場所に試験区を設け、本実施例に係る水分供給装置Kにより水分供給を行う処理区(本実施例処理区)と、水分供給を行わない無処理区とを設け、各処理区における地上部生育(達観調査),土壌水分含有量,土壌撥水性,ターフ表面温度,地中温度,刈粕重量,葉身中のフルクタン含有量及び葉身中のタンパク質含有量について調査を行う。
・試験期間:2011年7月21日〜8月18日
図12は、本実施例処理区に対して処理を行った日付の気象条件(降水量,気温及び日照時間)と散水時間を示す表である。
図13は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の土壌を採取し、この各処理区について土壌水分含有量を測定した結果を示す表である。
図14は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の土壌を採取し、この各処理区について土壌撥水性を測定した結果を示す表である。
図15は、上記試験期間の中から選択された日における本実施例処理区及び無処理区についてターフ表面温度を測定した結果を示す表である。
図16は、上記試験期間の中から選択された日における本実施例処理区及び無処理区について地中温度を測定した結果を示す表である。
図17は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その重量を測定した結果を示す表である。
図18は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中のフラクタン含有量を測定した結果を示す表である。
図19は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中のタンパク質含有量を測定した結果を示す表である。
前述した試験2から、まず、達観調査の結果、無処理区では8月に入り気温の上昇とともに乾燥害が多く発生したが、本実施例処理区では乾燥害はほとんど認められず、葉色は濃緑を維持した。
また、土壌水分含有量については、本実施例処理区の方が無処理区に比べて土壌水分含有量の上昇が認められた。
また、土壌撥水性については、八月に入ると無処理区において土壌撥水性の数値が高くなるにもかかわらず、本実施例処理区においては土壌撥水性の数値を低い値で維持できることが認められた。
また、ターフ表面温度については、本実施例処理区の方が無処理区に比べてターフ表面温度の低下が認められた。
また、地中温度については、本実施例処理区及び無処理区の双方に変化は大きく認められなかった。
また、刈粕重量については、本実施例処理区及び無処理区の双方ともに夏の暑さによって重量が減少し、本実施例処理区がやや刈粕重量が多い傾向であるが、試験開始時からの減少割合に大きな差は認められなかった。
葉身中のフルクタン含有量については、試験期間を通じて、無処理区においてフルクタン含有量の値が低くなるにもかかわらず、本実施例処理区においてはフルクタン含有量の値を高い値で維持できることが認められた。
葉身中のタンパク質含有量については、本実施例処理区及び無処理区の双方とも試験期間を通じてほぼ横ばいであり、差は認められなかった。
以上の結果から、本実施例により葉色向上、良好な水分補給、土壌撥水性の低下、ターフ表面温度の低下が認められ、ベントグラスの夏越しに一定の効果があることが確認できた。
<試験3>
試験3は次の条件で行った。
・試験場所:滋賀県ベアズパウジャパンカントリークラブ内ベントグリーンナセリー
・試験規模:1区1,000平方メートル 2反復
・試験方法:上記試験場所に試験区を設け、本実施例に係る水分供給装置Kにより水分供給を行う処理区(本実施例処理区)と、水分供給を行わない無処理区とを設け、各処理区における芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量(N「窒素」、P「リン」、K「カリウム」、S「硫黄」、Ca「カルシウム」、Mg「マグネシウム」、Fe「鉄」、フルクタン)について分析を行う。尚、フルクタンは葉身中に貯蔵する炭水化物である。
・試験期間:2011年6月20日〜9月27日
図20及び図21は、本実施例処理区に対して処理を行った日付の気象条件(最高気温,最低気温,最大湿度,積算日射量,降雨量及び最大風速)を示す表である。
図22は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
試験前のため本実施例処理区及び無処理区の双方では同等の数値である。
図23は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
梅雨明けが早く、急激な温度の上昇と乾燥のため、本実施例の効果が顕著にフルクタンの値として現れた。
図24は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
7月に入り、約4日周期でまとまった雨が続き、本実施例処理区と無処理区との差が見られない。
図25は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
7月上旬から8月の降雨量が216ミリを記録し、本実施例の処理を続けた影響で本実施例処理区と無処理区のフルクタン値が逆転することもあった。
図26は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
8月は降雨が少なく、本実施例の効果が顕著にフルクタンの値として現れた。
図27は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
サンプリング2日前に降雨があり、気温低下の中で本実施例処理区と無処理区のフルクタン値が双方とも上昇した。
図28は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
この時期気温が高くて降雨が少なく、本実施例の効果が顕著にフルクタンの値として現れた。
図29は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
この時期気温が高くて降雨が少なく、本実施例の効果が顕著にフルクタンの値として現れた。
図30は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
この時期気温が高くて降雨が少なく、本実施例の効果が顕著にフルクタンの値として現れた。
図31は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
9月の降雨量391ミリ、定期的な雨と記録的な豪雨で、本実施例処理区と無処理区との差が見られない。
図32は、上記試験期間の中からランダムに選択された日における本実施例処理区及び無処理区の芝を刈り、その葉身中の栄養素含有量を分析した結果を示す表である。
気温の低下と降雨で、フルクタンの値が徐々に回復した。
前述した試験3から、2011年6月は例年になく梅雨明けが早く、急激な気温上昇となったが、その時期である6月20日の試験開始から7月4日の葉身中の分析により、本実施例の効果が顕著にフルクタンの値として現れた。その後、7月〜8月の気温が安定しており、ベントグラスの生育に大きな差は認められなかった。
以上の結果から、本実施例の使用が寒地型芝生におけるフルクタンの消費と回復に大きく関わり、本実施例の有効性が確認できた。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
A 被水分噴霧領域
K 水分供給装置
1 寒地型芝生
2 水分
3 立設体
4 ノズル部
5 通水孔部
6 水導入部
8 角度可変部
20 水分供給部

Claims (6)

  1. ベントグラスやブルーグラスなどの寒地型芝生へ水分を供給する方法であって、前記寒地型芝生が設けられる被水分噴霧領域に平均粒子径70〜120μmの水分を噴霧することを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法。
  2. 請求項1記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記水分の噴霧は、前記被水分噴霧領域に対して移動可能な水分供給装置により行うことを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法。
  3. 請求項2記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記水分供給装置には0.25〜0.3Mpaの水圧で水分を供給する水分供給部が接続され、この水分供給部の水圧で平均粒子径70〜120μmの水分が噴霧されるように構成されていることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法。
  4. 請求項2,3いずれか1項に記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記水分供給装置は、前記被水分噴霧領域に刺入して立設する立設体の上部にノズル部を設けたものであることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法。
  5. 請求項4記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記立設体は、内部に通水孔部を有する管体で構成され、この通水孔部には水を導入する水導入部が設けられ、この水導入部は前記水供給部と連設せしめられていることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法。
  6. 請求項4,5いずれか1項に記載の寒地型芝生への水分供給方法において、前記ノズル部は前記立設体の上端部に角度可変部を介して設けられていることを特徴とする寒地型芝生への水分供給方法。
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