JP2012143182A - 紙状バイオデバイス及びバイオリアクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙状基材11と、紙状基材11上に形成されたメソ多孔性シリカ層12と、メソ多孔性シリカ層12の細孔の内部に固定された酵素13と、により紙状バイオデバイス10を構成した。
【選択図】図1
Description
また、酵素を用いたバイオデバイスで除去する場合、酵素自体の経時変化により酵素活性が低下する等の影響で、寿命が短い、コストが高い等の問題があった。
紙状基材と、
前記紙状基材上に形成されたメソ多孔性シリカ層と、
前記メソ多孔性シリカ層の細孔の内部に固定された酵素と、
を備えることを特徴とする。
前記メソ多孔性シリカ層は、粉末状のメソ多孔性シリカとバインダーとを混合したものを前記紙状基材上に積層することによって形成されていることを特徴とする。
前記バインダーは酢酸セルロースであることを特徴とする。
前記紙状基材はセルロース紙であることを特徴とする。
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の紙状バイオデバイスと、
所定の流体が流れる流路と、を備え、
前記紙状バイオデバイスは、筒状に巻かれた状態で、前記流路中に配置されることを特徴とする。
当該バイオリアクタシステムは、前記流体から除去対象物質を除去するためのシステムであり、
前記酵素はラッカーゼであり、
前記除去対象物質はフェノール系物質であることを特徴とする。
さらに、紙状バイオデバイスは、酵素を用いたバイオデバイスであるので、高効率に汚染物質を除去することが可能である。
本実施形態に係る紙状バイオデバイス10は、汚水や汚染ガスなどの流体から環境ホルモン等の除去対象物質を除去するためのデバイスであり、例えば図1に示すように、紙状基材11と、紙状基材11上に形成されたメソ多孔性シリカ層12と、メソ多孔性シリカ層12の細孔の内部に固定された酵素13と、を備えて構成される。
紙状基材11は、メソ多孔性シリカ層12を保持するための支持体としての機能を有する。
なお、本実施形態では、紙状基材11として、セルロース紙、具体的には市販されている化学実験用のろ紙を用いているが、紙状基材11は、これに限定されるものではなく、メソ多孔性シリカ層12を保持できる紙状の支持体であれば、その他の紙等も適宜用いることが可能である。
メソ多孔性シリカ層12は、粉末状のメソ多孔性シリカとバインダーとを混合したものを紙状基材11に塗布することによって形成される。
なお、本実施形態では、バインダーとして、酢酸セルロースを用いているが、バインダーは、これに限定されるものではなく、メソ多孔性シリカと紙状基材11とを接合できる接合剤であれば、その他の高分子等も適宜用いることが可能である。
まず、バインダーである酢酸セルロースをアセトン等の有機溶媒に溶解させてバインダー溶液を作成する。
次いで、細孔の内部に酵素13が固定された粉末状のメソ多孔性シリカを用意し、その粉末状のメソ多孔性シリカをバインダー溶液中に分散させてメソ多孔性シリカ分散液を作成する。
そして、メソ多孔性シリカ分散液を紙状基材11の一方の面(或いは両面であってもよい。)に塗布して乾燥させると、細孔の内部に酵素13が固定されたメソ多孔性シリカ層12が紙状基材11上に形成される。
例えば、ケイ酸により構成されるメソ多孔性シリカの作製においては、例えば、カネマイトのような層状シリケート、アルコキシシラン、シリカゲル、水ガラス、ケイ酸ソーダ等を好ましく用いることができる。
具体的には、メソ多孔性シリカは、例えば、無機材料を界面活性剤と混合反応させて、界面活性剤のミセルの周りに無機の骨格が形成された界面活性剤/無機複合体を形成させた後、例えば、400℃〜600℃で焼成したり有機溶剤で抽出したりする等して界面活性剤を除去することにより作製される。これにより、メソ多孔性シリカは、無機骨格中に、界面活性剤のミセルと同じ形状のメソポア細孔を有するものとなる。
また、メソ多孔性シリカの作製において、水ガラス等のケイ素含有物質を出発材料とする場合には、例えば、ミセルの周囲にシリケート分子を集合させて重合させることによりシリカを形成し、その後、ミセルを除去することによって細孔を形成することができる。この場合、通常、ミセルの形状は柱状となり、その結果、メソ多孔性シリカに、柱状の細孔が形成されることになる。
メソ多孔性シリカは、作製段階で、界面活性剤のアルキル鎖の長さを変えてミセルの径を変化させることによって、細孔の内径を制御することができる。また、界面活性剤と併せて、トリメチルベンゼン、トリプロピルベンゼン等の比較的疎水性の分子を添加することによって、ミセルを膨潤させ、さらに大きな内径の細孔を形成することもできる。
メソ多孔性シリカの種類としては、細孔のサイズが均一であり、且つ、大きな空隙率を持つという特徴を有する、例えば、KSW、FSM、SBA、MCM、HOM等の公知の種類を採用することができる。
具体的には、メソ多孔性シリカ層12の細孔のサイズ(すなわち、メソ多孔性シリカ層12を形成する粉末状のメソ多孔性シリカの細孔のサイズ)は、酵素13(酵素分子又は活性部位を含む酵素の断片)のサイズの0.5〜2.0倍程度であることが好ましく、酵素13のサイズの0.7〜1.4倍程度であることがより好ましく、酵素13のサイズとほぼ同等であることが最も好ましい。すなわち、メソ多孔性シリカ層12の細孔の直径(中心細孔直径)は、酵素13の直径の0.5〜2.0倍程度であることが好ましく、酵素13の直径の0.7〜1.4倍程度であることがより好ましく、酵素13の直径とほぼ同等であることが最も好ましい。なお、具体的な中心細孔直径の値は、酵素13の直径との関係で決定されるので一律には規定できないが、例えば、1〜50nm程度とすることができる。
メソ多孔性シリカの細孔の深さは、2nm以上である。具体的には、好ましい深さの範囲は20〜1000nmであり、より好ましい深さの範囲は50〜500nmであり、最も好ましい深さの範囲は50〜150nmである。
メソ多孔性シリカの細孔のピッチは、細孔のピッチを細孔の中心間の距離と定義すると、好ましいピッチは2〜500nmであり、より好ましいピッチは2〜100nmであり、最も好ましいピッチは2〜50nmである。
酵素13は、紙状基材11上に形成されたメソ多孔性シリカ層12を形成する粉末状のメソ多孔性シリカの細孔の内部に固定されている。
酵素13をメソ多孔性シリカに固定する方法としては、例えば、メソ多孔性シリカに酵素13を含む溶液(酵素溶液)を滴下するディップ法や、酵素溶液にメソ多孔性シリカを浸漬する浸漬法、メソ多孔性シリカの表面に酵素13と反応性の高い官能基を導入して酵素13と共有結合等する方法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。これにより、高次構造と活性を保持したまま、酵素13をメソ多孔性シリカの細孔の内部に導入して固定することができる。
さらに、必要に応じて、公知の酵素固定化法(例えば、導電性高分子、グルタルアルデヒド、光架橋性樹脂等を用いる固定化法等)と併用することもできる。
具体的には、酵素13は、例えば、酸化還元酵素、加水分解酵素、転移酵素、異性化酵素等の酵素(酵素タンパク質)である。
また、酵素13は、例えば、生来の酵素分子であっても、活性部位を含む酵素の断片であってもよい。当該酵素分子又は当該活性部位を含む酵素の断片は、例えば、動植物や微生物から抽出したものであってもよいし、所望によりそれを切断したものであってもよいし、遺伝子工学的に又は化学的に合成したものであってもよい。
具体的には、メソ多孔性シリカ層12に固定する酵素13は、例えば、1種類の酵素であっても、分子量及び/又はサイズ(径)が略同一の2種類以上の酵素であっても、分子量及び/又はサイズが異なる2種類以上の酵素であってもよい。また、メソ多孔性シリカ層12に固定する酵素13が2種類以上である場合、酵素13は、例えば、同種の除去対象物質(基質)に作用する2種類以上の酵素であっても、異種の除去対象物質に作用する2種類以上の酵素であっても、同種及び/又は異種の除去対象物質に作用する2種類以上の酵素であってもよい。
さらに、メソ多孔性シリカ層12に固定する酵素13が2種類以上であり、その2種類以上の酵素の中にサイズが異なる酵素が含まれる場合、当該メソ多孔性シリカ層12を、各酵素のサイズに応じて異なる細孔径を有する同一或いは異種のメソ多孔性シリカにより形成してもよい。
ここで、特に、メソ多孔性シリカ層12に固定する酵素13が2種類以上であって、その2種類以上の酵素が異種の除去対象物質に作用する場合、紙状バイオデバイス10は、その異種の除去対象物質(2種類以上の除去対象物質)を同時に除去することができる。
電子伝達物質は、酵素13と除去対象物質との間の電子の受け渡しを促進するためのものであり、酵素13と流体中の除去対象物質との間の電子移動を媒介する媒介物質として機能する。
具体的には、電子伝達物質としては、例えば、フェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ベンゾキノン、キノン誘導体、オスミウム錯体、HBT、ABTS、ビオルリン酸(violuric acid、Vio)、NNS、3−ヒドロキシアントラニル酸(3−HAA)、4−アミノアンチピリン、HOBt等を用いることができる。
補酵素は、酵素13の活性の発現を触媒するためのものであり、酵素13と除去対象物質或いは電子伝達物質との間の電子移動を媒介する媒介物質として機能する。
また、補酵素は、例えば、補因子としての各種金属原子や金属イオン、金属錯体、各種色素など(例えば、Fe2+、Mn2+、Cu2+、Zn2+、Co3+等)とともに流体中に含有されていてもよい。
そこで、この場合、流体中に、補酵素を使用した際に生じる酵素13の活性の低下を抑制するための補酵素用活性低下抑制物質を添加するのが好ましい。
補酵素用活性低下抑制物質としては、例えば、生体高分子や、合成高分子、電解質などが挙げられる。
なお、補酵素用活性低下抑制物質は、流体中に含有されていれば任意であり、例えば、流入容器50内の処理前液(後述)等の流体に溶解した状態で流体に含有されていてもよいし、例えば、メソ多孔性シリカ層12やその他の担体に担持された状態で流体に含有されていてもよい。
また、流体に添加される分子量1000以上の生体高分子の種類は、1種類であっても複数種類であってもよい。流体に添加される分子量1000以上の合成高分子の種類は、1種類であっても複数種類であってもよい。流体に添加される電解質の種類は、1種類であっても複数種類であってもよい。
本実施形態に係るバイオリアクタシステム1は、汚水等から環境ホルモン等の除去対象物質を除去するためのシステムであり、紙状バイオデバイス10と、汚水等が流れる流路20と、を備えて構成される。
なお、本実施形態では、バイオリアクタシステム1を、汚水等の液体から除去対象物質を除去するシステムとして構成したが、これに限ることはなく、バイオリアクタシステム1は、流体から除去対象物質を除去するシステムであれば任意であり、例えば汚染ガス等の気体から除去対象物質を除去するシステムとして構成することも可能である。
具体的には、例えば、除去対象物質がフェノール系物質であり、酵素がフェノール系物質に選択的に作用するラッカーゼである場合、例えば図3(A)に示すように、まず、酸化型のラッカーゼ(Eox)は、選択的触媒作用により基質(すなわち、流体中のフェノール系物質(X))を酸化して、生成物(Y)を生成し、還元型のラッカーゼ(Ered)となる。そして、この還元型のラッカーゼ(Ered)は、流体中の酸素と反応して酸化型のラッカーゼ(Eox)に戻る。また、電子伝達物質を添加した場合、図3(B)に示すように、除去対象物質であるフェノール系物質(X)と酵素(E)との間の反応を電子伝達物質(M)が媒介し、より効率的な除去を行うことが可能となる。この場合、流体(本実施形態の場合、流路20内の液体)中に酸素が不足していると、還元型のラッカーゼは酸化型のラッカーゼに戻ることができず、酵素反応が進まない。このように、酵素反応に酸素等の所定のガスが必要な場合、バイオリアクタシステム1にガスポンプ51等を備えることが好ましい。
また、バイオリアクタシステム1において、紙状バイオデバイス10は、例えば図4(A)、図4(B)に示すように、酵素13が固定されたメソ多孔性シリカ層12を内側にして筒状に巻かれた状態で、本体部30a内に収納されている。そして、本体部30aは、例えば図4(C)に示すように、当該本体部30aの両端部が蓋部30b,30bで塞がれて、当該本体部30a内に収納されている筒状に巻かれた紙状バイオデバイス10の貫通方向が流路20に沿うように、当該流路20中に配設されている。すなわち、紙状バイオデバイス10は、筒状に巻かれた状態で、流路20中に配置されている。
また、本実施形態では、紙状バイオデバイス10を筒状に巻かれた状態で流路20中に配置するように構成したが、これに限ることはなく、例えば、紙状バイオデバイス10を筒状に巻かずにそのまま流路20に直交するように配置して、流路20を流れる流体が紙状バイオデバイス10を透過するように構成することも可能である。この場合も、流路20を流れる流体が紙状バイオデバイス10を透過するので、流体中の除去対象物質を効率よく酵素13に接触させることが可能となる。
そして、バイオリアクタシステム1は、この三方バルブ21,21によって、紙状バイオデバイス10から流出してきた液体を処理後液として流出容器80へと排出する経路(図2における「Path(1)」)と、紙状バイオデバイス10から流出してきた液体を再び紙状バイオデバイス10に供給する経路(図2における「Path(2)」)と、を切り替えることができるように構成されている。
本実施例では、除去対象物質としてフェノール系物質であるビスフェノールAを採用し、メソ多孔性シリカ層12の細孔の内部に固定する酵素13としてラッカーゼを採用する。また、メソ多孔性シリカ層12を形成するバインダーとして、酢酸セルロースを採用し、それをアセトンに溶解させて使用する。
まず、メソ多孔性シリカ層12を形成するメソ多孔性シリカのラッカーゼ吸着特性について評価した。
また、ラッカーゼ濃度が1〜15mg/mlの範囲で異なる複数種類のラッカーゼ溶液を準備した。
そして、粉末状のメソ多孔性シリカを100mgずつ各ラッカーゼ溶液に浸漬させて、当該メソ多孔性シリカへのラッカーゼの吸着量を測定した。
また、比較のために、細孔径(中心細孔直径)が1.5nmである粉末状のメソ多孔性シリカについても同様にして、当該メソ多孔性シリカへのラッカーゼの吸着量を測定した。
また、図5に示す結果から、実施例の場合、すなわちメソ多孔性シリカの細孔径が7.0nmの場合(□)は、ラッカーゼ濃度が約10mg/mlで吸着量が飽和に達することが分かった。
次に、メソ多孔性シリカ層12を形成するバインダー(酢酸セルロース)を溶解させるアセトン中における、メソ多孔性シリカに固定されたラッカーゼの活性特定について評価した。
そして、Lac−FSM7.0をアセトンに添加して、所定時間毎に当該Lac−FSM7.0中のラッカーゼの酵素活性を測定した。
次に、紙状バイオデバイス10を作成し、それを備えたバイオリアクタシステム1を構成して、当該紙状バイオデバイス10による除去効率の流速依存性について評価した。
次いで、バインダー溶液として、酢酸セルロースを10%含むアセトン溶液を準備し、そのバインダー溶液に100mgのLac−FSM7.0を分散させて、メソ多孔性シリカ分散液を作成した。
次いで、紙状基材11として、市販されている化学実験用のろ紙を5.0cm×20.0cmの矩形状に切断したものを準備し、その紙状基材11の一方の面にメソ多孔性シリカ分散液を塗布して、真空デシケータ中で12時間静置した。
次いで、紙状基材11に塗布されているメソ多孔性シリカ分散液を蒸留水でリンスしてポリマー化し、真空デシケータ中で24時間乾燥させて、紙状バイオデバイス10を作成した。
次いで、恒温水槽40の温度を30℃に設定し、三方バルブ21,21を調節して、紙状バイオデバイス10から流出してきた液体を処理後液として流出容器80へと排出する経路(図2における「Path(1)」)に切り替えた。
次いで、処理前液として、1.0mMのビスフェノールA溶液を準備し、流入容器50に入れた。
次いで、第一ポンプ60を調節して、紙状バイオデバイス10(具体的には、紙状バイオデバイス10が収納されたケース体30)に供給する液体の流速として2.0〜18.0ml/minの範囲で異なる複数種類の流速を設定し、第一ポンプ60を動作させた。
そして、各流速について流出容器80へと排出された処理後液中のビスフェノールA濃度を測定した。
次に、紙状バイオデバイス10による除去効率の循環回数依存性について評価した。
次いで、恒温水槽40の温度を30℃に設定し、三方バルブ21,21を調節して、紙状バイオデバイス10から流出してきた液体を処理後液として流出容器80へと排出する経路(図2における「Path(1)」)に切り替えた。
次いで、処理前液として、1.0mMのビスフェノールA溶液を準備して流入容器50に入れ、第一ポンプ60を調節して、紙状バイオデバイス10(具体的には、紙状バイオデバイス10が収納されたケース体30)に供給する液体の流速として2.0ml/minを設定し、第一ポンプ60を動作させた。
次いで、第二ポンプ70を調節して、紙状バイオデバイス10(具体的には、紙状バイオデバイス10が収納されたケース体30)に供給する液体の流速として2.0ml/minを設定し、第二ポンプ70を動作させて、流路20内の液体を紙状バイオデバイス10に循環させた。
次に、紙状バイオデバイス10の動作安定性(経時安定性)について評価した。
次いで、恒温水槽40の温度を30℃に設定し、三方バルブ21,21を調節して、紙状バイオデバイス10から流出してきた液体を処理後液として流出容器80へと排出する経路(図2における「Path(1)」)に切り替えた。
次いで、処理前液として、1.0mMのビスフェノールA溶液を準備して流入容器50に入れ、第一ポンプ60を調節して、紙状バイオデバイス10(具体的には、紙状バイオデバイス10が収納されたケース体30)に供給する液体の流速として2.0ml/minを設定し、第一ポンプ60を動作させた。
そして、所定時間毎に、流出容器80へと排出された処理後液中のビスフェノールA濃度を測定した。
すなわち、酵素13をメソ多孔性シリカ層12の細孔の内部に固定することにより、酵素13自体の経時変化を生じ難くして、酵素活性の低下を抑制しているとともに、メソ多孔性シリカ層12を紙状基材11上に形成しているので、低コスト化及び長寿命化が可能である。
さらに、紙状バイオデバイス10は、酵素13を用いたバイオデバイスであるので、高効率に汚染物質等の除去対象物質を除去することが可能である。
10 紙状バイオデバイス
11 紙状基材
12 メソ多孔性シリカ層
13 酵素
20 流路
Claims (6)
- 紙状基材と、
前記紙状基材上に形成されたメソ多孔性シリカ層と、
前記メソ多孔性シリカ層の細孔の内部に固定された酵素と、
を備えることを特徴とする紙状バイオデバイス。 - 請求項1に記載の紙状バイオデバイスにおいて、
前記メソ多孔性シリカ層は、粉末状のメソ多孔性シリカとバインダーとを混合したものを前記紙状基材上に積層することによって形成されていることを特徴とする紙状バイオデバイス。 - 請求項2に記載の紙状バイオデバイスにおいて、
前記バインダーは酢酸セルロースであることを特徴とする紙状バイオデバイス。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の紙状バイオデバイスにおいて、
前記紙状基材はセルロース紙であることを特徴とする紙状バイオデバイス。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の紙状バイオデバイスと、
所定の流体が流れる流路と、を備え、
前記紙状バイオデバイスは、筒状に巻かれた状態で、前記流路中に配置されることを特徴とするバイオリアクタシステム。 - 請求項5に記載のバイオリアクタシステムにおいて、
当該バイオリアクタシステムは、前記流体から除去対象物質を除去するためのシステムであり、
前記酵素はラッカーゼであり、
前記除去対象物質はフェノール系物質であることを特徴とするバイオリアクタシステム。
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