JP2012143051A - 超電導モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導モータにおいて、ステータの周方向複数個所に配置した複数の超電導コイルを、互いの温度差を小さくするか、またはなくしつつ所望の極低温に効率よく冷却することである。
【解決手段】超電導モータ10は、回転可能に配置されたロータ20と、ロータ20の径方向外側に対向するステータ22とを含み、ステータ22の径方向一端部である内周端部に複数の超電導コイルであるコイル36を巻装する。超電導モータ10は、内側に低温の冷媒を流す複数の細管66を有する冷凍機14を含み、複数の細管66の少なくとも一部をステータコア34内に設ける。複数の細管66の両端側の冷媒給排用接続部である接続部75,77は、互いにステータ22の軸方向両側で、かつ、ロータ20の回転中心軸に対して直径方向反対側に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導モータに関し、特に、内側に低温の冷媒を流す少なくとも1の細管を有する冷凍機を備える超電導モータに関する。
従来から、冷凍機を備える超電導モータが考えられている。例えば、特開2010−178517号公報(特許文献1)には、超電導モータと、極低温発生部と、容器とを備える超電導モータ装置が記載されている。超電導モータは、回転可能な回転軸と、回転軸の外周部に配置された複数の永久磁石とを有する回転子と、固定子とを含む。固定子は、固定子鉄心のティース部に巻回された3相の超電導コイルを有する。極低温発生部は、極低温をコールドヘッドにおいて発生させる冷凍機を有する。このコールドヘッドと超電導モータの固定子の固定子鉄心とを伝熱可能につなぐ高い伝熱性を有する熱伝導部が設けられている。熱伝導部の冷却筒部は、極低温状態に冷却され、固定子鉄心の外周部と熱的に接触して、固定子鉄心を冷却する。容器は、超電導コイルを断熱させる真空断熱室を形成する。このため、超電導コイル側に熱侵入が発生したとしても、あるいは冷凍機の冷凍出力が追いつかないときでも、固定子鉄心が超電導コイルを低温状態に維持させるとされている。また、特許文献1の図3には、固定子鉄心のティース部と超電導コイルとの間に高い熱伝導率を有する熱伝導材を設けることが記載され、同じく図4には、固定子鉄心の外周部を包囲する熱伝導部に連接部を介して熱伝導材を連設することが記載されている。この構成により、極低温発生部によって冷却されたティース部を介して超電導コイルを冷却できる可能性はある。
また、国際公開第03/001127A1号パンフレット(特許文献2)には、圧縮機、高圧切換弁及び低圧切換弁を有する圧力制御手段と、室温端部と低温端部とを有する膨張圧縮部と、室温端部と低温端部とを有する蓄冷部とを備えて、被冷却対象に熱伝達する蓄冷型冷凍機が記載されている。蓄冷型冷凍機は、膨張圧縮部の低温端部と蓄冷部の低温端部とを連結し、被冷却対象まで延長した作動ガスの流路を設けている。また、パルス管冷凍機は、センサ類や半導体装置用の冷却手段として重要な役割を果たすとされている。
特開2010−178517号公報 国際公開第03/001127A1号パンフレット
上記の特許文献1に記載された超電導モータのように、従来は、超電導コイルを冷却する場合に、種々の方法で寒冷の伝達を行っているが、固体の熱伝導材を使用して超電導コイルを冷却する場合、熱伝導材の熱伝導率は有限であり、有限の長さを持つ熱伝導材に熱量を流した場合、流す熱量に比例した温度差が生じるため、冷却効率を向上させるのが難しい。このため、超電導コイルの冷却効率を向上させ、早期冷却を図り、安定した超電導状態を早期に発生させる面から改良の余地がある。
また、一般的に超電導コイルに利用される超電導線材は、通常の常温で使用する電動モータのコイルを構成する銅線に比べて極端に熱伝導性が悪いため、冷凍機から超電導コイルへの熱伝達効率が悪く、複数の超電導コイルの温度が不均一になりやすい。すなわち、複数の超電導コイルを均一に冷却することが難しい。これに対して、複数の超電導コイルのうち、1の超電導コイルでも超電導状態にできない場合、超電導コイルに急激な発熱が生じる可能性がある。このため、超電導コイルの発熱による焼損を有効に防止する面から改良の余地がある。例えば、すべての超電導コイルの超電導状態の破綻を避けるために、複数の超電導コイルを例えば77K等、通常の超電導状態を実現するための温度よりもさらに温度低下させる過冷却の手段を採用することも考えられる。ただし、この場合には、その分、冷凍機の消費電力が過大になる。このため、複数の超電導コイルを均一に冷却する等、複数の超電導コイルを、温度差を小さくしつつ冷却することが望まれている。
特許文献2には、単に蓄冷型冷凍機が記載されているだけであり、冷凍機を超電導モータの超電導コイルの冷却に使用することは開示されていない。
本発明の目的は、超電導モータにおいて、ステータの周方向複数個所に配置した複数の超電導コイルを、互いの温度差を小さくするか、またはなくしつつ所望の極低温に効率よく冷却することにある。
本発明に係る超電導モータは、回転可能に配置されたロータと、ロータの径方向に対向配置されたステータとを備え、ステータは、ステータコアと、ステータコアの径方向一端部の周方向複数個所に巻装され、超電導線材により構成される複数の超電導コイルとを含む超電導モータであって、内側に低温の冷媒を流す複数の細管を有する冷凍機をさらに備え、複数の細管の少なくとも一部は、前記ステータコア内に設けられており、複数の細管の両端側の冷媒給排用接続部である片側接続部及び他側接続部は、互いにステータの軸方向両側で、かつ、ロータの回転中心軸に対して直径方向反対側に設けられていることを特徴とする超電導モータである。なお、本明細書全体及び特許請求の範囲で「ステータコア内」とは、ステータコアの中実部の内部だけでなく、ステータコアに設けられたスロットの内側部分も含む。
また、本発明に係る超電導モータにおいて、好ましくは、ステータコアは、環状のバックヨークと、バックヨークの径方向一端部に径方向に突出する複数のティースと、周方向に隣り合うティース間に設けられたスロットとを有し、複数の超電導コイルは、複数のティースに巻装されており、複数の細管は、それぞれ複数のスロット内に配置されるスロット内配置部を有する。
また、本発明に係る超電導モータにおいて、好ましくは、複数のスロット内配置部は、対応するスロット内において、1または2の超電導コイルのみに接触している。
また、本発明に係る超電導モータにおいて、好ましくは、複数のスロット内配置部は、対応するスロット内において、ステータコアのみに接触している。
また、本発明に係る超電導モータにおいて、好ましくは、複数のスロット内配置部は、対応するスロット内において、ステータコアと、1または2の超電導コイルとの双方に接触している。
また、本発明に係る超電導モータにおいて、好ましくは、複数の細管は、それぞれステータコアの周方向に離れた位置で軸方向に貫通するように設けられたコア貫通部を有する。
本発明に係る超電導モータによれば、冷凍機に設けられ、内側に低温の冷媒を流す複数の細管の少なくとも一部がステータコア内に設けられているので、複数の超電導コイルを所望の極低温に効率よく冷却することができる。また、複数の細管の両端側の冷媒給排用接続部である片側接続部及び他側接続部は、互いにステータの軸方向両側で、かつ、ロータの回転中心軸に対して直径方向反対側に設けられているので、複数の細管でほぼ均一の長さ等、長さの差を小さくするか、またはなくすことができる。このため、複数の細管からほぼ同じ冷却能力でステータの周方向複数個所を冷却することができる。この結果、ステータの周方向複数個所に配置した超電導コイルを、互いの温度差を小さくするか、またはなくしつつ所望の極低温に効率よく冷却することができる。
本発明の第1の実施の形態の超電導モータを示す、軸方向に沿った断面図である。 図1のA−A断面の拡大図である。 第1の実施の形態で使用する冷凍機の基本構成を、細管をすべて直線状にした状態で示す図である。 図3のB−B断面図である。 本発明から外れた比較例の超電導モータを示す、軸方向に沿った断面図である。 図5のC−C断面図である。 本発明の第2の実施の形態の超電導モータを示す、図2のD部を拡大したものに対応する図である。 図7のE−E断面図である。 本発明の第3の実施の形態の超電導モータを示す、軸方向に沿った断面図である。 図9のF−F断面の周方向一部を拡大したものに対応する図である。
[第1の実施の形態]
以下に、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1から図4は、本発明の第1の実施形態の超電導モータを示している。図1、図2に示すように、超電導モータ10は、モータ本体12と、モータ本体12を冷却するための冷凍機14とを備える。モータ本体12は、モータケース16と、モータケース16に回転可能に支持された回転軸18と、モータケース16の内側で回転軸18の外側に固定されることにより、回転可能に配置されたロータ20とを含む。また、モータ本体12は、モータケース16の内周面に固定されることにより、ロータ20の径方向外側に対向配置された略円筒状のステータ22とを含む。また、冷凍機14は、モータケース16に固定されている。なお、以下の説明では、特に断らない限り、回転軸18の中心軸Xに関し、これに沿う方向を軸方向といい、回転中心軸Xに対し直交する放射方向を径方向といい、回転中心軸Xを中心として描かれる円形に沿う方向を周方向という。
ロータ20は、例えば電磁鋼板を積層してカシメや溶接等により一体に構成される円筒状のロータコア24と、ロータコア24の外周面の等間隔複数個所に設けられた永久磁石26とを含む。すなわち、ロータコア24の外周面には、複数(図2に示す例では6個)の永久磁石26が露出した状態で周方向の等間隔に固定されている。永久磁石26は、径方向に着磁されており、その着磁方向を周方向に交互に異ならせている。このため、ロータ20の外周面には、N極とS極とが交互に配置されている。ただし、ロータ20に設けられる永久磁石26は、外周面に露出していなくてもよく、外周面近傍の内部に埋設されてもよい。このようなロータ20は、丸棒鋼材等からなる回転軸18の外周面に固定されている。
回転軸18は、その両端部において、モータケース16の両端部を構成する円盤状のエンドプレート28,30に固定された軸受32により回転可能に支持されている。これにより、ステータ22の内部に回転磁界が生成されると、その影響を受けてロータ20が回転する。
ステータ22は、略円筒状をなす固定子鉄心であるステータコア34と、超電導コイルであるコイル36とを含む。すなわち、ステータコア34は、環状のバックヨーク38と、バックヨーク38の径方向一端部である、内周端部の周方向等間隔複数個所(図2に示す例では9個所)に径方向に突出するように設けられたティース40とを有する。また、ステータコア34は、バックヨーク38の内周部の周方向に隣り合うティース40間に設けられた、周方向複数個所(図示の例では9個所)等間隔位置のスロット42を有する。ステータコア34は、例えば複数の略円環状の電磁鋼板を軸方向に積層してカシメ、接着、溶接等によって一体に組み付けて構成できる。ただし、ステータコアは、それぞれ1つのティースを有する複数の分割コアを円環状に連ねて配置してその外側から筒状の締結部材により締め付けることによって造られてもよい。上記の分割コアは、圧粉磁心により造られてもよい。
ステータコア34の複数のティース40には、超電導線材により構成される複数のコイル36が集中巻きで巻装されている。なお、複数のコイル36は、ティース40に分布巻きで巻装されることもできる。また、超電導線材は、断面形状が円形状でもよいし、あるいは、矩形状であってもよい。例えば、コイル36は、断面矩形状の平角線である超電導線材を、フラットワイズ状に巻くことで構成することもできる。例えば、コイル36は、ティース40に超電導線材をソレノイド巻きまたはパンケーキ巻きに巻くことにより構成することもできる。また、超電導線材には、例えば、イットリウム系超電導材料やビスマス系超電導材料を好適に使用できる。ただし、超電導線材を構成する超電導材料は、これらに限定されるものではなく、他の公知の超電導材料、あるいは、将来開発される、より高温で超電導特性を発現する超電導材料であってもよい。
コイル36を構成する超電導線材は、絶縁被覆されていてもよい。これにより、コイル36として密着して巻回されたときに各ターン間での電気絶縁が確保される。ただし、超電導線材が絶縁被覆されていない場合、コイル36を形成するときに絶縁紙や絶縁フィルム等を挟みながらコイル状に巻くことで各ターン間の電気絶縁が確保されてもよい。
コイル36は、ステータコアの複数個所に設けられるスロット42内に位置するスロット配置部44と、ステータコア34の軸方向両端面から軸方向外側へそれぞれ突出する両側のコイルエンド部46とを含む。各コイル36は、2つ置きごとのコイル36と直列接続されてU,V,Wの各相コイルを構成する。各相コイルの一端は、図示しない中性点において互いに接続され、各相コイルの他端は図示しない各相電流導入端子にそれぞれ接続されている。
また、モータケース16は、ロータ20及びステータ22を収容するもので、円筒状の外周筒部48と、外周筒部48の軸方向両端部にその外周縁部が気密に結合された一対のエンドプレート28,30とを含む。外周筒部48及び各エンドプレート28,30は、例えばステンレス等の非磁性材料から構成される。なお、外周筒部48を片側のエンドプレート28(または30)と一体の部材により造ることもできる。
外周筒部48内には、それぞれ円筒状をなす内筒部材50及び中間筒部材52がロータ20と同心に設けられている。内筒部材50及び中間筒部材52の軸方向両端部は、エンドプレート28,30の内面に気密状態を保持可能に連結されている。内筒部材50は、磁界の通過を妨げず且つ非導電性である非金属材料(例えばFRP等)により造られるのが好ましい。より好ましくは、内筒部材50は、低熱伝導率材料により造る。なお、内筒部材50は、基本的機能として、磁束を通す機能と、内筒部材50を含む空間密封部分での真空を保持できる機能とを有するものであればよく、非導電性材料を使用するものに限定されない。例えば、内筒部材50を構成する材料として、非磁性の低電気伝導率を有する材料(例えばステンレス)等も使用可能である。一方、中間筒部材52は、低熱伝導率材料(例えばFRP等)で造られるのが好ましく、低熱伝導率の非磁性材料で造られるのがより好ましい。
内筒部材50は、ロータ20の最外接円の直径よりも若干大きい内径を有し、ロータ20の外周面との間に隙間が形成されている。また、内筒部材50と中間筒部材52との間には、筒状空間である第1真空室54が設けられている。第1真空室54内には、コイル36を含むステータ22が収容されている。ステータ22を構成するステータコア34の外周面は、中間筒部材52の内周面に固定されている。
第1真空室54は、後で詳しく説明する冷凍機14を含めて超電導モータ10が組み立てられた後に、エンドプレート28,30もしくは外周筒部48等の第1真空室54及び第2真空室56の一方または両方と外側空間とに接する部材の少なくとも何れかに形成された図示しない空気抜き穴から真空引きされて、真空状態に維持される。このように、コイル36及びステータ22と接触しない内筒部材50及び熱伝導率が低い中間筒部材52で区画形成し、かつ、内部を真空とすることで、第1真空室54内に収容されたコイル36を含むステータ22への断熱性を高めることができる。
さらに、中間筒部材52とモータケース16との間には、筒状空間からなる第2真空室56が形成されている。第2真空室56もまた、第1真空室54と同様に真空状態になっている。中間筒部材52には、第1真空室54と第2真空室56とを連通する穴を設けることが好ましい。これにより、第1真空室54内に収容されたコイル36を含むステータ22が第2真空室56によってもモータ外部と隔てられることで、コイル36を含むステータ22に対する断熱効果をより一層高めることができる。
また、超電導モータ10を構成するモータ本体12に、冷凍機14が固定されている。次に、図3、図4を用いて、冷凍機14の基本構成を説明する。図3は、本実施の形態で使用する冷凍機14の基本構成を、細管66をすべて直線状にした状態で示す図であり、図4は、図3のB−B断面図である。冷凍機14は、複数の冷媒ガス流通用の細管66を有する、フリーピストン式のスターリングクーラ型(FPSC型)としている。すなわち、冷凍機14は、一端側に設けられた冷凍機駆動源である圧力振動源58と、圧力振動源58に一端部が固定されるコールドヘッドと呼ばれる蓄冷器68と、他端側に設けられた位相制御器62と、位相制御器62に一端部が固定される第2ピストン収容部70と、蓄冷器68と第2ピストン収容部70との間に接続された複数の冷却部であり、伝熱性の良好な材料からなる複数の細管66とを含む。蓄冷器68は、内部に図示しない蓄冷材が設けられている。また、蓄冷器68及び第2ピストン収容部70は、外部を断熱材により覆われた断熱構造である。
冷凍機14は、圧力振動源58に設けられたシリンダ72内で直線的に往復移動する駆動ピストンである第1ピストン74を有し、このシリンダ72内の空間が蓄冷器68の内側を介して複数の細管66内に通じている。また、冷凍機14は、第2ピストン収容部70に設けたシリンダ76内でも直線的に往復移動する膨張ピストンまたは従動ピストンと呼ばれる第2ピストン78を有し、このシリンダ76内の空間が低温側熱交換部である複数の細管66内に通じている。複数の細管66を含む、第1ピストン74と第2ピストン78との間の内部空間に冷媒である冷媒ガス(例えば、Heガス)が封入されている。すなわち、各細管66は、内側に低温の冷媒ガスが流れるように構成されている。
また、圧力振動源58及び第2ピストン収容部70は、各ピストン74,78の移動方向が同一直線上となるように対向配置されている。第1ピストン74は、例えば圧力振動源58を構成する図示しないリニアモータ等の可動子と接続されており、リニアモータにより、第1ピストン74をシリンダ72内で往復駆動させる。第1ピストン74の往復駆動に伴って、圧力振動源58のシリンダ72内で冷媒ガスが圧力変動し、この圧力変動により、位相制御器62の内部に図示しないコイルスプリングもしくは板ばね等で構成されたバネによって懸架された第2ピストン78も従属的に往復移動する。この図示しないバネと第2ピストン78の重量と、第1ピストン74の往復移動による圧力変動によって、冷媒ガスの圧力変動と位置変動の位相差を調整することができる。また、位相制御器62の内部に、第2ピストン78の往復移動により生じる圧力変動を緩和する空間部を設けることにより、第2ピストン78を配置するシリンダ76内と連通して、冷媒ガスの圧力変動と位置変動の位相差を調整することができる。
第1ピストン74の往復移動に伴って、第2ピストン収容部70の細管66端部近傍で冷媒ガスが断熱膨張して冷却されるので、各細管66内部を流れる冷媒ガスも冷却される。このように、第1ピストン74と第2ピストン78との間で冷媒ガスの圧縮及び膨張が繰り返されることで、冷媒ガスが流れる各細管66が冷却される。
冷凍機14は、超電導線材からなるコイル36が超電導特性を発現する所望の極低温(例えば、約70K)まで冷却可能な冷却性能を有し、第1ピストン74のストロークを制御することによって冷却温度を調節できる。このために、図示しない制御部により、第1ピストン74のストロークが制御される。制御部は、超電導モータ10(図1)の負荷に応じて冷凍機14の冷却温度を制御するように構成することもできる。例えば、超電導モータ10の負荷の上昇に伴って冷却温度を低下させることもできる。超電導モータ10が電気自動車等の電動車両に走行用動力源として搭載される場合、設置スペースの制約や車両重量の軽量化のため冷凍機14は小型で軽量のものであることが好ましい。上記のように冷凍機14に、FPSC型を使用する場合、小型化及び軽量化を図れる。
本実施の形態では、このような基本構成を有する冷凍機14を、モータ本体12(図1)に固定している。すなわち、図1に示すように、超電導モータ10において、軸方向一端側に位置するエンドプレート28には、冷凍機14を構成する圧力振動源58側の筒状の第1ブラケット60が固定され、軸方向他端側に位置するエンドプレート30には、冷凍機14を構成する位相制御器62側の筒状の第2ブラケット64が固定されている。また、圧力振動源58及び第2ピストン収容部70は、ロータ20の回転中心軸Xに対して直径方向反対側に設けられている。また、蓄冷器68の一端部及び第2ピストン収容部70の一端部は、それぞれ第1ブラケット60または第2ブラケット64の内側を介して第1真空室54内に突出している。
また、図2に示すように、低温側熱交換部である複数の細管66の長さ方向中間部は、ステータコア34を構成する各スロット42内にそれぞれ2ずつ設けるように配置されている。すなわち、各細管66は、それぞれ1のスロット42内に配置する部分に少なくとも一部が設けられ、回転軸18の回転軸Xと平行方向に延設される直線状の直線部80を含む。図示の例では、1のスロット42内に2の細管66の直線部80が配置されている。各直線部80は、対応するスロット42内において、少なくとも一部がステータ22の周方向に関して、この周方向に隣り合う2のコイル36間に配置されている。図示の例では、各直線部80のスロット42内に配置されるすべての部分が、ステータ22の周方向に隣り合う2のコイル36間に配置されている。このため、複数の細管66は、ステータコア34内に設けられて、ステータ22の軸方向に延設する延設部である、軸方向の直線部80を有する。また、複数の直線部80のうち、それぞれ複数のスロット42内に配置される部分により、軸方向に平行な直線状のスロット内配置部71が構成されている。
また、各スロット42内に配置される2の直線部80は、周方向に関して互いに離れて配置され、周方向片側の直線部80はスロット42内の周方向片側のコイル36の外周部に接触し、周方向他側の直線部80はスロット42内の周方向他側のコイル36の外周部に接触している。各直線部80は、ステータコア34のバックヨーク38には接触していない。すなわち、各細管66は、対応するスロット42内において、それぞれ1のコイル36のみに接触している。このため、各細管66からは、寒冷がコイル36に、細管66との接触部を通じて伝達される。このように複数の細管66のそれぞれは、直線部80の中間部であるスロット内配置部71が、対応するスロット42内に配置されるようにしている。また、図2に示すように、複数の細管66の周方向に隣り合う2のコイル36の間から外側にそれぞれ突出する部分は、それぞれ直線部80の端部に連結された、ステータコア34のほぼ周方向に沿う形状の周方向部73を有する。また、各周方向部73の一端は、蓄冷器68(図1)または第2ピストン収容部70(図1)に接続されている。また、図2に示すように、各周方向部73の少なくとも一部は、複数のコイル36のうち、少なくとも1のコイル36を構成するコイルエンド部46の軸方向端面部に対向させて、コイルエンド部46に接触させている。また、各細管66に設けられて、ステータ22の軸方向両端部に配置された周方向部73の長さの合計は、各細管66同士で略同じとしている。このために、各細管66の各周方向部73の円弧の回転軸18中心を中心とする曲率半径を、各細管66同士、及び、1の細管66の周方向部73同士でそれぞれ略同一とすることもできる。
各周方向部73の一端を蓄冷器68または第2ピストン収容部70に接続した接続部75,77は、それぞれ複数の細管66の両端側の冷媒給排用接続部である片側接続部及び他側接続部である。これら接続部75,77は、互いにステータ22の軸方向両側で、かつ、ロータ20の回転中心軸Xに対して直径方向反対側に設けられている。
このような構成では、ステータコア34に設けられたスロット42の数の2倍の数の細管66が設けられている。すなわち、ステータコア34に設けられたスロット42の数と少なくとも同数の細管66により低温側熱交換部が構成されている。また、複数の細管66は、各スロット42内において、回転軸18と平行に配置されて、それぞれコイル36に接触し、コイル36を冷却するように構成されている。また、複数の細管66の断面積は、互いに同じまたはほぼ同じとしている。
このような構成では、第2ピストン収容部70のモータケース16の外側に配置される端部により、高温側熱交換部が構成される。このような冷凍機14は、圧力振動源58と、高温側熱交換部と、蓄冷器68と、低温側熱交換部と、第2ピストン78(図3)とを備える。
このような超電導モータ10によれば、冷凍機14を構成し、内側に低温の冷媒ガスが流れる複数の細管66が、ステータコア34内に設けられて、ステータ22の軸方向に延設する延設部である軸方向の直線部80を有するので、複数のコイル36を所望の極低温に効率よく冷却することができる。また、複数の細管66の両端側の冷媒給排用接続部である両側の接続部75,77は、互いにステータ22の軸方向両側で、かつ、ロータ20の回転中心軸Xに対して直径方向反対側に設けられている。このため、複数の細管66でほぼ均一の長さ等、長さの差を小さくするか、またはなくすことができる。例えば、本実施の形態と異なり、蓄冷器68と第2ピストン収容部70とが回転中心軸Xと平行な同一直線上に配置される比較例の構成の場合、蓄冷器68及び第2ピストン収容部70と周方向に関して一致する部分でステータコア34内を貫通する直線部を有する一部の細管の長さは小さくなるが、蓄冷器68及び第2ピストン収容部70から周方向に大きく離れた部分でステータコア34内を軸方向に通過する直線部を有する別の細管の長さは大きくなる。この比較例の構成では、複数の細管同士の長さが大きく異なるため、複数の細管により冷却される複数の超電導コイルの冷却度を均一にし、複数の超電導コイルを、ほぼ均一の温度に冷却する等、温度差をなくすかまたは小さくしつつ冷却する面から改良の余地がある。
これに対して、本実施の形態によれば、このような改良すべき点を改良でき、複数の細管66からほぼ同じ冷却能力でステータ22の周方向複数個所を冷却することができ、複数のコイル36を均一に冷却できる等、複数のコイル36を、温度差をなくすかまたは小さくしつつ冷却することができる。この結果、ステータ22の周方向複数個所に配置した複数のコイル36を、互いの温度差を小さくするか、またはなくしつつ所望の極低温に効率よく冷却することができる。さらに、複数の細管66の長さを互いに均一の長さ等、長さの差を小さくするか、またはなくすことができるので、冷凍性能を向上できる。すなわち、冷凍機14の性能は、低温部熱交換器及びピストン配置空間での圧力変動と作動ガスである冷媒ガスの位置の変動が適切な位相角で保たれている必要がある。細管1本の間での位相角の変化量、すなわち細管内で変化する位相角の変化量が最適化されていたと仮定すると、他の長さでは最適値からずれることになる。このため、すべての細管の長さを略同一にすることで、すべての細管において最適値に近い位相角を得ることができ、冷凍性能を向上できる。本実施の形態では、複数の細管66の長さを互いにほぼ同一または同一に近づけることができるので冷凍性能を向上できる。
また、スロット42内において、少なくとも一部をステータ22の周方向に隣り合う2のコイル36間に配置している。このため、細管66をスロット42内でコイル36に直接接触させることができ、コイル36を所望の極低温に効率よく冷却することができる。また、熱容量の大きいステータコア34を介さずに細管66によりコイル36を冷却するので、消費電力を抑えながらコイル36を始動時に早期に冷却し、超電導状態に到達するまでの時間を短くできる。この結果、コイル36を所望の極低温に効率よく冷却するとともに、始動時に早期にコイル36の超電導状態を作り出すことができる。
また、各細管66は、スロット42内において、ステータ22の軸方向と平行方向に延設する延設部である直線部80を有し、直線部80のスロット内配置部71がスロット42内でコイル36にのみ接触している。このように、直線部80はバックヨーク38等でステータコア34に接触することがないので、より効率よく細管66からコイル36に寒冷を伝達して、始動時により早期にコイル36を冷却できる。この場合、より好ましくは、各ティース40の周囲に設けて、ティース42とコイル36との間に配置するインシュレータ(図示せず)を、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)等の熱伝導性が悪い材料により構成するか、インシュレータを環状に形成された櫛歯状または環状部の複数個所に孔部を設けた、ティース40からコイル36への熱伝導性を低下させる形状により構成する。この場合には、より有効にコイル36を早期に冷却できる。また、例えばコイル36において、コイルエンド部46だけを冷却する構成の場合と異なり、コイル36のスロット配置部44を効率よく冷却できて、超電導コイルであるコイル36の全体をより均一に冷却しやすくなる。すなわち、コイル36全体の温度分布の偏りを少なくしつつコイル36をより有効に冷却できる。
なお、上記では、1のスロット42内に2の細管66の直線部80を配置しているが、それぞれ1のスロット42内に1の細管66の直線部80のみを配置し、1の直線部80をスロット42内で周方向に隣り合う2のコイル36のうち、いずれか1のコイル36のみ(例えば周方向片側のコイル36のみ)に接触させることもできる。この場合でも、各コイル36に1の細管66が接触するので、各コイル36を効率よく冷却できる。また、上記では、各直線部80がスロット42内でコイル36にのみ接触する場合を説明したが、各直線部80がスロット42内でコイル36とステータコア34との双方に接触するように構成することもできる。この場合には、細管66からコイル36だけでなく、熱容量の大きいステータコア34も直接冷却されるので、細管66からコイル36を冷却する場合に、ステータコア34をバッファとして機能させることができる。このため、超電導モータの高負荷時や過渡的なモータ動作状態でも、コイル36の温度上昇に対して細管66による冷却が追従できなくなることを有効に防止して、コイル36を安定して冷却し続けることができる。この結果、安定した超電導状態を有効に作り出すことができる。
逆に、各直線部80がスロット42内でコイル36に接触せず、スロット42の底部等で、ステータコア34にのみ接触するように構成することもできる。この場合には、細管66からは熱容量の大きいステータコア34を介してコイル36を間接的に冷却することができる。この場合も、超電導モータの高負荷時や過渡的なモータ動作状態でも、コイル36の温度上昇に対して細管66による冷却が追従できなくなることを有効に防止して、コイル36を安定して冷却し続けることができる。なお、この場合には、ティース40とコイル36との間に設けられる電気絶縁性を有するインシュレータとして、シリカ、アルミナ等のフィラーを含有する樹脂等の、熱伝導性の良好な材料により造られるインシュレータを使用することが好ましい。
図5は、本発明から外れた比較例の超電導モータを示す、軸方向に沿った断面図である。図6は、図5のC−C断面図である。図5、図6に示す比較例の超電導モータ10は、上記の本実施の形態の構造において、冷凍機14(図1等)の代わりに、一対の冷凍機82をモータ本体12の両側に設けたような構造を有する。すなわち、各冷凍機82は、上記の冷凍機14と異なり、冷媒を流すための細管が設けられていないFPSC型であり、圧力振動源であるガス圧縮機84と、ガス圧縮機84に接続された冷却部である蓄冷器86とをそれぞれ有する。また、蓄冷器86は、エンドプレート28に固定された筒状のブラケット88の内側を通じて先端部が円板状の伝熱部材90に接触している。各伝熱部材90の片面はコイルエンド部46の軸方向外端部に接触している。
冷凍機82は、ガス圧縮機84の内部に設けられた図示しないシリンダ内でピストン(図示せず)が往復移動して冷媒ガスの圧縮及び膨張を繰り返し行うことで、蓄冷器86及び伝熱部材90を介して各コイル36を冷却する。このような構成でも、コイル36を冷却することが可能であるが、コイル36の全体を均一に冷却しやすくする面からは改良の余地がある。また、伝熱部材90は、内部に冷媒を流す細管を用いる構成と異なり、固体のみで冷却対象に伝熱するものであり、複数のコイル36を均一に冷却する面からは改良の余地がある。上記の本実施の形態によれば、このような改良すべき点をいずれも改良できる。
なお、上記では、冷凍機14として、第2ピストン78が第1ピストン74の変位にしたがって、従属的に変位するパッシブ型の冷凍機14を説明した。ただし、冷凍機として、第1ピストン74が往復変位する場合に、その往復変位の1サイクルの位相の90〜120度程度ずらせた位相で第2ピストン78が変位するように、第2ピストン78側を強制的に変位させるリニアモータ等の第2駆動源を位相制御器62側に設けることもできる。この場合には、アクティブ型の冷凍機が構成され、さらなる省エネルギ化を図れる。
また、冷凍機14として、FPSC型以外の冷凍機を使用することもできる。例えば、冷凍機の設置スペース及び重量の制約が緩い場合、例えば、超電導モータ10が電車や船舶等の大型の移動体の動力源として、あるいは、設置位置が固定された機械の動力源として用いられる場合には、上記のように複数の細管を有し、極低温(例えば、約70K)まで冷却可能な冷却性能を有する冷凍機であれば、体格が大きくて重い冷凍機を用いることもできる。
また、冷凍機として、それぞれ細管を有する、スターリング型パルス管冷凍機や、GM冷凍機等を使用することもできる。例えばパルス管冷凍機では、上記の第2ピストン収容部70の代わりに細管66と位相制御器62との間に接続されたパルス管を使用する。パルス管の内部にはピストンは設けない。このパルス管冷凍機において、圧力振動源58として、バルブ開閉の切換により圧力を振動させる構造を用いることもできる。また、GM冷凍機として、上記のFPSC型の冷凍機で、圧力振動源58として、回転型の圧縮機や、バルブ開閉の切換により圧力を振動させる構造を用いることもできる。また、この構造では、位相制御器62を省略して、細管66の圧力振動源58とは反対側の端部に接続された膨張圧縮部において膨張ピストンとしてディスプレーサを往復移動可能に設ける。ディスプレーサは、例えば冷凍機の作動中に、ステッピングモータ等のモータにより往復移動されるようにする。このように本発明では、冷凍機として内部に冷媒が流れる細管を有するものであれば、種々の種類の冷凍機を使用することができる。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態の超電導モータを示す、図2のD部を拡大したものに対応する図である。図8は、図7のE−E断面図である。
本実施の形態の場合、上記の第1の実施の形態において、複数の細管92のスロット42内に配置される中間部に、スロット42の軸方向全長にわたって軸方向に伸びる直線部を設けていない。その代わりに、本実施の形態では、複数の細管92として、スロット42内に配置されるスロット内配置部である中間部に、ステータ22の軸方向に延設する延設部であり、蛇行形状の蛇行部94を有する細管92を使用している。図8に示すように、各蛇行部94は、内側に冷媒ガスが流れるもので、ステータ22の周方向(図8の上下方向)に伸びる複数の周方向部96と、隣り合う周方向部96の端部同士を連結する略U字形の連結部98とを有し、全体としてステータ22の軸方向(図8の左右方向)に伸びている。また、各蛇行部94において、スロット42の軸方向両端部に位置する周方向部96の端部に、ステータ22の軸方向に伸びる直線部100が連結されている。
また、図7に示すように、直線部100は、ステータコア34の軸方向端面よりも軸方向外側に配置される端部に径方向外側(図7の右側)に伸びる外側径方向部102が連結され、外側径方向部102の径方向外端は周方向に伸びる外側周方向部104に連結されている。外側周方向部104の一端は、蓄冷器68(図1)または第2ピストン収容部70(図1)に接続されている。
図7に示すように、各スロット42内に配置される蛇行部94において、ステータ22の径方向に関する外端縁(図9の右端縁)は、スロット42の底部に接触している。また、図7、図8に示すように、各蛇行部94の各周方向部96において、ステータ22の周方向に関する両端部は、周方向に隣り合う2のコイル36において、ステータ22の径方向に関する外端部のそれぞれに接触している。すなわち、各細管66は、ステータコア34と2のコイル36の端部との双方に挟まれて、双方に熱接触している。図7の例では、各蛇行部94の周方向部96の両端部がコイル36に接触している。なお、各蛇行部94の連結部98にコイル36の端部が接触する構成とすることもできる。この場合には、コイル36と蛇行部94との接触面積を大きくしやすい。なお、本明細書全体で「熱接触」とは、互いに伝熱する部材を直接に接触させる他、熱伝導性のある部材を介して接触させる場合も含む。
また、図7に示すように、各蛇行部94は、ステータ22の軸方向に見た場合に、各周方向部96で、スロット42の断面円弧形の底部に沿うように略円弧形に湾曲しており、底部に押し付けられている。例えば、スロット42内から各蛇行部94を取り出した状態である、各蛇行部94の自由状態で、各周方向部96を含む、スロット42の底部と対向する円弧形部分の円弧の曲率半径は、スロット42の底部の円弧形の曲率半径R1よりも大きくすることもできる。すなわち、蛇行部94において、ステータ22の径方向外側に向く蛇行部94の外端縁を円弧形に湾曲させるとともに、蛇行部94の外端円の一部または全部をスロット42の底部に周方向に接触させている。さらに、蛇行部94の自由状態での外端縁の直径をスロット42の底部の断面円弧形の直径よりも大きくしている。この構成によれば、スロット42の底部と蛇行部94との接触圧が増大し、熱輸送、すなわち寒冷の伝達の効率向上を図れる。また、各細管92の蛇行部94の形状及び長さは各細管92同士で同じとしている。すなわち、各細管92は、各細管92同士で同じ蛇行部94を有する。このため、各細管94のスロット42内に配置される部分の長さは略均一である。
このような本実施の形態の場合も、超電導線材からなるコイル36を所望の極低温に効率よく冷却するとともに、高負荷時や過渡的なモータ動作状態でも、安定した超電導状態を有効に作り出すことができる。
また、各細管92は、スロット42内において、ステータ22の軸方向に延設する延設部である蛇行部94を有し、蛇行部94がステータコア34のスロット42の底部とコイル36との双方に接触することで、ステータコア34とコイル36との双方に熱接触している。このため、コイルエンド部だけを冷却する構成の場合と異なり、コイル36の全体をより均一に冷却しやすくなる。すなわち、コイル36全体の温度分布の偏りを少なくしつつコイル36をより有効に冷却できる。その他の構成及び作用は、上記の第1の実施の形態と同様である。
なお、本実施の形態において、各蛇行部94は、スロット42内でコイル36に接触させず、スロット42の底部等でステータコア34のみに接触させることもできる。この場合、コイル36をステータコア34のティース40に熱接触させることで、細管92によりコイル36を冷却することができる。例えば、蛇行部94とコイル36との間に隙間を設けることで、蛇行部94をコイル36に接触させず、細管92をバックヨーク38に熱接触させることもできる。この場合も、コイル36の冷却時に熱容量の大きなステータコア34をバッファとして機能させて、高負荷時や過渡的なモータ動作状態でも、安定した超電導状態を有効に作り出すことができる。なお、図示の例では、ステータ22の周方向に関する蛇行部94の両端は、ティース40の側面から離隔させているが、ティース40の側面に熱接触させることもできる。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態の超電導モータを示す、軸方向に沿った断面図である。図10は、図9のF−F断面の周方向一部を拡大したものに対応する図である。
本実施の形態の超電導モータ10の場合、複数の細管106は、それぞれ複数の細管106同士でステータコア34の周方向に離れた位置で軸方向に貫通するように設けられた直線状のコア貫通部108を有する。図10に示すように、複数のコア貫通部108は、ステータコア34を構成する複数のティース40のそれぞれの周方向中央部を軸方向に貫通している。すなわち、細管106は、ティース40の数と同数が設けられており、すべての細管106は、ティース40を貫通するコア貫通部108を有する。図9に示すように、各細管106のうち、コア貫通部108の一端(図9の右端)と蓄冷器68との間部分は、コア貫通部108の一端に連結されて、ステータコア34の軸方向端面よりも軸方向外側で径方向外側に伸びる外側径方向部110を有する。また、それぞれの外側径方向部110はコイルエンド部46の径方向外側を通過する、細管106の別の部分等を介して蓄冷器68に接続されている。
また、各細管106のうち、コア貫通部108の他端(図9の左端)と第2ピストン収容部70との間部分は、コア貫通部108の他端に連結され、ステータコア34の軸方向端面よりも軸方向外側で径方向内側に伸びる第2外側径方向部112を有し、それぞれの第2外側径方向部112はコイルエンド部46の径方向内側を通過する、細管106の別の部分等を介して第2ピストン収容部70に接続されている。
このような構成によれば、複数の細管106はステータコア34を貫通するコア貫通部108を有するので、複数の細管106により、ティース40を介して、そのティース40に巻装されたコイル36を冷却できる。この場合、複数の細管106をコイル36に直接接触させてはいないが、ステータコア34の外周面側に細管を接触させ、冷却する構成の場合と異なり、細管106をコイル36に近づけて冷却できるので、冷却性の向上を図れる。また、コイル36の冷却時に熱容量の大きいステータコア34をバッファとして機能させて、高負荷時や過渡的なモータ動作状態でも、安定した超電導状態を有効に作り出すことができる。その他の構成及び作用は、上記の図1から図4に示した第1の実施の形態と同様である。
なお、本実施の形態では、細管106において、ステータコア34の軸方向両端から突出した両端部分のうち、蓄冷器68側でコイルエンド部46の径方向外側を通過させ、第2ピストン収容部70側でコイルエンド部46の径方向内側を通過させている。ただし、細管において、ステータコア34の軸方向両端から突出した両端部分のうち、蓄冷器68側でコイルエンド部46の径方向内側を通過させ、第2ピストン収容部70側でコイルエンド部46の径方向内側を通過させることもできる。また、細管において、ステータコア34の軸方向両端から突出した両端部分の双方を、コイルエンド部46の径方向内側または径方向外側の径方向の同じ側に通過させることもできる。
なお、上記の各実施の形態では、ステータがロータの径方向外側に対向配置されたインナーロータの構造に本発明を適用した場合を説明した。ただし、本発明は、これに限定するものではなく、ステータがロータの径方向内側に対向配置されたアウターロータの構造に本発明を適用することもできる。この場合、超電導コイルは、ステータコアの径方向一端部である外周端部に巻装される。
10 超電導モータ、12 モータ本体、14 冷凍機、16 モータケース、18 回転軸、20 ロータ、22 ステータ、24 ロータコア、26 永久磁石、28,30 エンドプレート、32 軸受、34 ステータコア、36 コイル、38 バックヨーク、40 ティース、42 スロット、44 スロット配置部、46 コイルエンド部、48 外周筒部、50 内筒部材、52 中間筒部材、54 第1真空室、56 第2真空室、58 圧力振動源、60 第1ブラケット、62 位相制御器、64 第2ブラケット、66 細管、68 蓄冷器、70 第2ピストン収容部、71 スロット内配置部、72 シリンダ、73 周方向部、74 第1ピストン、75 接続部、76 シリンダ、77 接続部、78 第2ピストン、80 直線部、82 冷凍機、84 ガス圧縮機、86 蓄冷器、88 ブラケット、90 伝熱部材、92 細管、94 蛇行部、96 周方向部、98 連結部、100 直線部、102 外側径方向部、104 外側周方向部、106 細管、108 コア貫通部、110 外側径方向部、112 第2外側径方向部。

Claims (6)

  1. 回転可能に配置されたロータと、
    前記ロータの径方向に対向配置されたステータとを備え、
    前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアの径方向一端部の周方向複数個所に巻装され、超電導線材により構成される複数の超電導コイルとを含む超電導モータであって、
    内側に低温の冷媒を流す複数の細管を有する冷凍機をさらに備え、
    前記複数の細管の少なくとも一部は、前記ステータコア内に設けられており、
    前記複数の細管の両端側の冷媒給排用接続部である片側接続部及び他側接続部は、互いに前記ステータの軸方向両側で、かつ、前記ロータの回転中心軸に対して直径方向反対側に設けられていることを特徴とする超電導モータ。
  2. 請求項1に記載の超電導モータにおいて、
    前記ステータコアは、環状のバックヨークと、前記バックヨークの径方向一端部に径方向に突出する複数のティースと、周方向に隣り合う前記ティース間に設けられたスロットとを有し、
    前記複数の超電導コイルは、複数の前記ティースに巻装されており、
    前記複数の細管は、それぞれ複数の前記スロット内に配置されるスロット内配置部を有することを特徴とする超電導モータ。
  3. 請求項2に記載の超電導モータにおいて、
    複数の前記スロット内配置部は、対応する前記スロット内において、1または2の前記超電導コイルのみに接触していることを特徴とする超電導モータ。
  4. 請求項2に記載の超電導モータにおいて、
    複数の前記スロット内配置部は、対応する前記スロット内において、前記ステータコアのみに接触していることを特徴とする超電導モータ。
  5. 請求項2に記載の超電導モータにおいて、
    複数の前記スロット内配置部は、対応する前記スロット内において、前記ステータコアと、1または2の前記超電導コイルとの双方に接触していることを特徴とする超電導モータ。
  6. 請求項1に記載の超電導モータにおいて、
    前記複数の細管は、それぞれ前記ステータコアの周方向に離れた位置で軸方向に貫通するように設けられたコア貫通部を有することを特徴とする超電導モータ。
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