JP2012140882A - 太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置 - Google Patents

太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012140882A
JP2012140882A JP2010293322A JP2010293322A JP2012140882A JP 2012140882 A JP2012140882 A JP 2012140882A JP 2010293322 A JP2010293322 A JP 2010293322A JP 2010293322 A JP2010293322 A JP 2010293322A JP 2012140882 A JP2012140882 A JP 2012140882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
solar
generation facility
heat
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010293322A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5615692B2 (ja
Inventor
Kaoru Koyano
薫 小谷野
Masato Hayashi
正人 林
Hideaki Ota
秀明 大田
Yoshiyuki Hasegawa
善幸 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP2010293322A priority Critical patent/JP5615692B2/ja
Publication of JP2012140882A publication Critical patent/JP2012140882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5615692B2 publication Critical patent/JP5615692B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers
    • Y02E10/46Conversion of thermal power into mechanical power, e.g. Rankine, Stirling or solar thermal engines

Abstract

【課題】太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備に対して、高い精度かつ簡便に(短時間で)指定期間の発電量を算定できる発電量算定方法および装置を提供する。
【解決手段】ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルにサンプルデータを入力して得られた結果に基づいて、動特性を考慮した簡易モデルを作成し、この簡易モデルを用いて、指定期間の発電量を算定する。したがって、シミュレーション精度に影響が大きい動特性を考慮した簡易モデルを用いて、簡便かつ短時間で指定期間の発電量を算定することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置に関する。
近年、太陽エネルギを効率的に活用しながら継続的な発電を行うことができる太陽熱複合発電設備が注目されている。この太陽熱複合発電設備では、例えば、太陽光の熱エネルギを利用した蒸気タービン発電に、天然ガスなどのガス体燃料を利用したガスタービン発電を組み合わせた方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。このような太陽熱複合発電設備では、太陽光の熱エネルギを利用することができない夜間や曇天・雨天の日であっても、ガスタービンによる発電と、排熱回収ボイラの蒸気を利用した蒸気タービンによる発電を行うことができる。したがって、昼夜および天候に関係なく継続的な発電を行うことができる。また、太陽熱発電を最大限利用することによって燃料消費を減らして二酸化炭素の排出量を削減することもできる。
一方、このような太陽熱複合発電設備を導入するにあたっては、通年して安定した電力を供給できるかどうか、さらに、初期コスト(設備設置コスト)や運転コストなどの経済性の評価などを予め検討しておくことが望ましい。
従来、風力発電装置、太陽光発電装置、太陽熱集熱装置、およびコージェネレーション装置などにおいて、電気的および熱的出力エネルギ、装置設置コスト、運転コスト、および二酸化炭素排出量のシミュレーションを行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2のシミュレーション方法では、1)検討しようとする設備の種類・地点・制約条件を設定し、2)設備が設置された地点の過去の気象データを推測し(あるいは今後の気象データを予測し)、3)施設の過去の需要データを推測し(あるいは今後の需要データを予測し)、4)ユーザの目的に応じたシステム構成を出力する(あるいはユーザの目的に応じた運転方法を出力する)というものである。なお、気象推測・予測アルゴリズムと需要推測・予測アルゴリズムは公開されているアルゴリズムが使用される。
特開2008−39367号公報 特開2008−83971号公報
太陽熱発電設備や太陽熱複合発電設備では、日中の地表における日照状態や大気温度の継時的(経時的)な変動の影響を受ける。このような変動の態様は自然発生的であり、発生する時点や発生の程度を正確に予測することは困難である。その結果、蒸気タービンに供給される蒸気条件(温度、圧力、湿り度、乾き度等)が変動し、発電量も変動する。また、大気温度の変動は、設備から大気へ放出される熱損失に影響する。さらに、太陽熱複合発電設備において大気温度の変動はガスタービンの出力にも大きく影響する。
特許文献2のシミュレーション方法は、風力発電装置、太陽光発電装置、太陽熱集熱装置、およびコージェネレーション装置などを対象とした方法であり、太陽熱複合発電設備を対象とした方法ではない。また、基本的に、気象推予測、電力・熱需要推予測を行うためのシミュレーション方法であり、設備の年間発電量を推定するような方法ではない。さらに、設備の動特性を考慮したシミュレーション方法ではない、というような問題がある。すなわち、特許文献2の方法は、上述したような太陽熱発電設備に特有の現象を考慮したようなシミュレーション方法ではない。
太陽熱複合発電設備では、太陽光の熱エネルギを熱媒体である油に吸収させることで熱エネルギを発電に利用している。そのため、太陽熱複合発電設備は、熱媒体である油の熱容量により時定数の長い動特性を持つ。太陽熱複合発電設備の長期にわたる発電量(通常は年間発電量)を算出して推定する方法としては、静特性モデルを用いたシミュレーション方法と動特性モデルを用いたシミュレーション方法とが考えられる。しかしながら、静特性モデルでは設備の熱容量による動的挙動を考慮しないため計算精度が低いという問題があり、一方、動特性モデルではモデル式が複雑なため計算時間が長く、複数のケースを検討するには時間がかかり過ぎるという問題がある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備に対して、高い精度かつ簡便に(短時間で)指定期間の発電量を算定できる発電量算定方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定方法であって、ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルに、複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出する第1工程と、算出された関係データに基づいて、ソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成する第2工程と、指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データを簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出し、集熱量データを用いて太陽熱複合発電設備における指定期間の発電量を算定する第3工程と、を含む、太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、第2工程において、動特性シミュレーションモデルを用いて算出されたソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを、数学的に処理することにより簡易モデルを作成する、第1態様に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、第1工程または第2工程において用いられる太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータまたは入熱量データには、少なくとも直達日照強度および大気温度のデータが含まれる、第1態様または第2態様に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、簡易モデルのパラメータとして、ソーラーフィールドにおける太陽光の集光集熱装置の受光面積が含まれている、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、ソーラーフィールドの集光集熱装置として、パラボリックトラフ式集熱装置またはフレネル式集熱装置が採用されている、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定方法であって、ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルに、複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出し、関係データに基づいてソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成するソーラーフィールド用簡易モデル作成工程と、指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データをソーラーフィールド用簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出するソーラーフィールド出力算定工程と、第1発電設備の仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルを用いて、複数パターンの大気温度と第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量との関係データを算出し、関係データに基づいて大気温度から第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出するための簡易モデルを作成する第1発電設備用簡易モデル作成工程と、指定期間の大気温度データを第1発電設備用簡易モデルに入力して第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出する第1発電設備出力算定工程と、ソーラーフィールド出力算定工程にて算出されたソーラーフィールドの集熱量データと、第1発電設備出力算定工程にて算出された第2発電設備へ供給可能な排熱量データとを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を算出する第2発電設備出力算定工程と、を含む、太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、第2発電設備出力算定工程にて算定された指定期間の第2発電量において、第2発電設備の発電容量を超過する区間が生じた場合に、同区間において、第1発電設備による第1発電量を低減させるとともに、低減された排熱量データを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を再度算出する第2発電設備出力再算定工程をさらに含む、第6態様に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、ソーラーフィールド用簡易モデル作成工程および第1発電設備用簡易モデル作成工程において、動特性シミュレーションモデルを用いて算出された関係データを、数学的に処理することにより簡易モデルを作成する、第6態様または第7態様に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、ソーラーフィールド用簡易モデル作成工程またはソーラーフィールド出力算定工程において用いられる太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータまたは入熱量データには、少なくとも直達日照強度および大気温度のデータが含まれる、第6態様から第8態様のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法を提供する。
本発明の第10態様によれば、第6態様から第9態様のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法により算定された、指定期間における第1発電設備による第1発電量および第2発電設備による第2発電量のデータと、太陽熱複合発電設備の初期コストおよび運転コストのデータとを用いて、太陽熱複合発電設備の経済性評価を行う方法を提供する。
本発明の第11態様によれば、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備において、ソーラーフィールドの集熱量を算出する方法であって、ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルに、複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出し、算出された関係データを数学的に処理することにより、ソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成する、ソーラーフィールドの集熱量算出方法を提供する。
本発明の第12態様によれば、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定装置であって、ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルを保持するモデル記憶部と、外部データが入力されるデータ入力部と、データ入力部に入力されたデータを、モデル記憶部に保持されたモデルに入力して、演算を行う演算部と、を備え、演算部は、モデル記憶部に保持された動特性シミュレーションモデルに、入力部より入力された複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出する関係データ算出手段と、算出された関係データに基づいて、ソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成し、モデル記憶部に保持させる簡易モデル作成手段と、入力部より入力された指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データを、モデル記憶部に保持された簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出し、集熱量データを用いて太陽熱複合発電設備における指定期間の発電量を算定する発電量算定手段と、を備える、太陽熱複合発電設備における発電量算定装置を提供する。
本発明の第13態様によれば、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定装置であって、ソーラーフィールドの仕様および第1発電設備の仕様に基づいて作成されたそれぞれの動特性シミュレーションモデルを保持するモデル記憶部と、外部データが入力されるデータ入力部と、データ入力部に入力されたデータを、モデル記憶部に保持されたモデルに入力して、演算を行う演算部と、を備え、演算部は、モデル記憶部に保持されたソーラーフィールドの動特性シミュレーションモデルに、入力部より入力された複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出し、関係データに基づいてソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成して、モデル記憶部に保持させるソーラーフィールド用簡易モデル作成手段と、入力部より入力された指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データを、モデル記憶部に保持されたソーラーフィールド用簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出するソーラーフィールド出力算定手段と、モデル記憶部に保持された第1発電設備の動特性シミュレーションモデルを用いて、入力部より入力された複数パターンの大気温度と、第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量との関係データを算出し、関係データに基づいて大気温度から第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出するための簡易モデルを作成して、モデル記憶部に保持させる第1発電設備用簡易モデル作成手段と、入力部より入力された指定期間の大気温度データを、モデル記憶部に保持された第1発電設備用簡易モデルに入力して第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出する第1発電設備出力算定手段と、ソーラーフィールド出力算定手段により算出されたソーラーフィールドの集熱量データと、第1発電設備出力算定手段により算出された第2発電設備へ供給可能な排熱量データとを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を算出する第2発電設備出力算定手段と、を備える、太陽熱複合発電設備における発電量算定装置を提供する。
本発明の第14態様によれば、演算部は、第2発電設備出力算定手段にて算定された指定期間の第2発電量において、第2発電設備の発電容量を超過する区間が生じた場合に、同区間において、第1発電設備による第1発電量を低減させるとともに、低減された排熱量データを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を再度算出する第2発電設備出力再算定手段をさらに備える、第13態様に記載の太陽熱複合発電設備における発電量算定装置を提供する。
本発明の第15態様によれば、第13態様または第14態様に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定装置と、算定された指定期間における第1発電設備による第1発電量および第2発電設備による第2発電量のデータと、太陽熱複合発電設備の初期コストおよび運転コストのデータとを用いて、太陽熱複合発電設備の経済性評価を行う手段とを備える、太陽熱複合発電設備における経済性評価装置を提供する。
本発明によれば、ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルにサンプルデータを入力して得られた結果に基づいて、動特性を考慮した簡易モデルを作成し、この簡易モデルを用いて、指定期間の発電量を算定することができる。したがって、シミュレーション精度に影響が大きい動特性を考慮した簡易モデルを用いて、簡便かつ短時間で指定期間の発電量を算定することができる。
本発明の実施の形態1にかかる発電量算定方法による発電量が算定される太陽熱複合発電設備のシステム概念図 図1の太陽熱複合発電設備の構成を示す模式図 実施の形態1の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法のフローチャート 直達日照強度のサンプルデータ (A)ソーラーフィールにおける入熱量と集熱量との関係データ、(B)関係データから作成された簡易モデル (A)直達日照強度の年間データ、(B)簡易モデルを用いて算出された太陽熱複合発電設備における年間発電量の算出結果 実施の形態1の太陽熱複合発電設備の発電量算定装置の構成図 実施の形態1の変形例にかかる太陽熱複合発電設備の経済性評価方法のフローチャート 本発明の実施の形態2にかかる太陽熱複合発電設備の発電量算定方法のフローチャート (A)直達日照強度のデータを示す図、(B)ガスタービンによる発電量、蒸気タービンによる発電量、および発電量上限の関係を示す図
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態にかかる太陽熱複合発電設備の発電量算定装置および方法を説明するに先立って、太陽熱複合発電設備のシステム構成について、図1のシステム構成図を用いて説明する。
(太陽熱複合発電設備のシステム構成)
太陽熱複合発電設備1は、太陽光を集めてこれを熱エネルギとして熱媒体に吸収させるソーラーフィールド10と、ソーラーフィールド10から供給された熱媒体によって給水を加熱し蒸気を発生させる熱交換器11と、給水および熱交換器11から供給された蒸気を加熱して過熱蒸気を発生させるガスタービン排熱ボイラ12と、ガスタービン排熱ボイラ12に排ガスを供給するガスタービン13と、ガスタービン排熱ボイラ12で発生した過熱蒸気で駆動される蒸気タービン14と、ガスタービン13により駆動される第1発電機15と、蒸気タービン14により駆動される第2発電機16とを備えている。
すなわち、太陽熱複合発電設備1では、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギである、天然ガス等の種々のガス体燃料や液体燃料を用いて発電を行う第1発電設備3(ガスタービン13および第1発電機等)と、太陽光の熱エネルギと第1発電設備3からの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備4(蒸気タービン14および第2発電機15)とが複合されて1つの発電設備として構成されている。なお、ガスタービン13によって発電を行いながら、ガスタービン13からの排熱を用いて蒸気を発生させて蒸気タービン14を駆動して発電を行うような設備の構成部分は、いわゆるガスタービン複合発電プラント(以下、CCPP(Combined Cycle Power Plant)とする。)と称されている。
ここで、このようなシステム構成を有する太陽熱複合発電設備1のさらに詳細な構成例について、図2の模式図を用いて説明する。
図2に示すように、ソーラーフィールド10は、太陽光の集光集熱装置として、例えば、パラボリックトラフ式の集光集熱装置20が用いられている。この集光集熱装置20は、放物線状の曲面を有する反射板20aの焦点位置に熱吸収パイプ21が配置されており、この熱吸収パイプ21内に液状の熱媒体(例えば油)を通過させることにより、太陽光が熱吸収パイプに対して集光集熱されて熱エネルギを熱媒体に吸収させることができる。
熱吸収パイプ21は熱媒体供給配管22に接続されており、熱媒体供給配管22は熱媒体を熱交換器11に供給可能に接続されている。熱交換器11は蒸発器としての作用を奏する。熱媒体は集光集熱装置20において太陽熱を吸収し、熱交換器11において蒸気を発生させるために水に熱供給し、再び集光集熱装置20に向かう。
このソーラーフィールド10では、集光集熱装置20が設置された複数の集熱ゾーン23が形成されている。なお、集光集熱装置20の設置領域は、例えば、発電量30MW級の設備では、通常、約1400m×700m程度の広さがある。
複数の集熱ゾーン23に接続された熱媒体供給配管22は統合されて熱交換器11の入口に接続され、熱交換器11の出口からそれぞれの集熱ゾーン23へ熱媒体を戻すように熱媒体戻し配管24が設けられている。なお、この熱媒体供給配管22および熱媒体戻し配管24を含めて、以降、熱媒体供給配管22と称するものとする。
熱媒体供給配管22には熱媒体を循環させるための循環ポンプ24pが設置されている。この循環ポンプ24pによる熱媒体の循環流量を制御することにより、熱交換器11への入熱量を制御してこの熱交換器11における蒸気発生量を調整することができる。
ガスタービン13の駆動に使用された燃焼ガス(排ガス)は、排ガス配管30を通って排熱ボイラ12に供給され、給水を加熱して蒸気を発生させた後、排ガス配管30を通って煙突31から大気放散される。蒸気タービン14は、熱交換器11および排熱ボイラ12において発生した蒸気によって駆動される。
蒸気タービン14を駆動した蒸気は復水器32において復水した後、給水ポンプ33によって給水管34内を圧送される。すなわち、まず給水加熱器35によって加熱され、続いて脱気器36によって脱気され、その後分岐して、ポンプ37a、37bによって排熱ボイラ12および熱交換器11に送られる。熱交換器11および排熱ボイラ12のそれぞれにおいて発生した蒸気は合流されて統合蒸気供給管38を通して蒸気タービン14に送られる。この統合蒸気供給管38は排熱ボイラ12の過熱器41を通る。
排熱ボイラ12は、基本構成の一例としてエコノマイザ(予熱器)39、蒸気ドラム42を備えたエバポレータ(蒸発器)40およびスーパーヒータ(過熱器)41を備えている。熱交換器11において発生した蒸気は飽和状態である。したがって、この飽和蒸気を蒸気タービン14に供給する前に排熱ボイラ12のスーパーヒータ41を利用して過熱蒸気にしておく。この目的のために、熱交換器11の蒸気出口から、スーパーヒータ41の上流側に位置する蒸気ドラム42に対して蒸気供給管43が接続されている。この蒸気供給管43を通して蒸気ドラム42に供給された熱交換器11からの飽和蒸気は、この蒸気ドラム42において、排熱ボイラ12のエバポレータ40で発生した蒸気と混合される。混合された蒸気はスーパーヒータ41へ送られて過熱蒸気になる。スーパーヒータ41は、熱交換器11からの飽和蒸気とエバポレータ40からの飽和蒸気とを合わせた全量を所定の過熱温度まで加熱することができる性能(伝熱面積)を有するように設計製造されているので、排熱ボイラ12は安定した性状の過熱蒸気を蒸気タービン14に供給することができる。
蒸気供給管43には流量調整弁44を設置しておくのが好ましい。この流量調整弁44は、日中の雲によって遮光されることによる集熱量の急減、砂嵐の風圧によって集熱装置20が撓むことによる集熱効率の急低下、および、日没による太陽熱回収の急減によっても、排熱ボイラ12への蒸気供給量が急変しないように制御される。また、この流量調整弁44は、日の出とともに増加し始める発生蒸気量が排熱ボイラ12の運転に支障を与えることのないように制御される。さらに、特に日没後には蒸気供給管43内の蒸気がなくなるので蒸気供給管43を閉じるように制御される。
太陽熱複合発電設備1では、日照状態等の変化により集熱ゾーン23から供給される熱媒体はその温度が変動するものである。そこで、熱交換器11の入口側と出口側に熱媒体の温度を計測する温度計測装置47を設置するのが好ましい。
(年間発電量算定シミュレーション方法)
次に、上述のようなシステム構成に代表される太陽熱複合発電設備1に対して、指定期間の発電量(例えば年間発電量)を算定する方法について説明する。この発電量算定方法の主要な手順のフローチャートを図3に示す。
(設備仕様の決定)
まず、図3のフローチャートのステップS1にて、算定対象となる太陽熱複合発電設備の仕様データを決定する。具体的には、太陽熱複合発電設備の設置場所、ソーラーフィールド10、熱交換器11、ガスタービン排熱ボイラ12、ガスタービン13、蒸気タービン14、第1発電機15、および第2発電機16などの設備の主要なシステム構成の仕様を決定する。
(動特性シミュレーションモデルの作成)
次に、これらの設備仕様に基づいて、ソーラーフィールド10の動特性シミュレーションモデルM1と、熱交換器11の動特性シミュレーションモデルM2と、CCPPの動特性シミュレーションモデルM3とをそれぞれ作成する(ステップS2)。なお、以下、動特性シミュレーションモデルを、動特性モデルと呼ぶものとする。
太陽熱複合発電設備1の発電量は、第1発電設備(ガスタービン13)の第1発電量と第2発電設備(蒸気タービン14)の第2発電量の合計であり、動特性モデルを用いての発電量の計算には時間がかかる。通常、発電設備における1日分の発電量を算出するのに、動特性モデルを用いた場合では、約20分程度かかるため、年間発電量の算出には約120時間かかる。その理由は、動特性シミュレーションプログラムは高性能な解析用コンピュータソフトを使用して作成されており、時々刻々変動する太陽エネルギ強度(以下、直達日照強度と呼ぶ。)と大気温度とに対応してソーラーフィールド10での集光集熱量等の挙動を精密に計算するからである。
動特性シミュレーションでは、少なくとも直達日照強度と大気温度とを含むデータを入力データとして設備の動特性を考慮した発電量を算出する。動特性モデルは、エネルギバランス式、マスバランス式等で構成する。ここで、それぞれの動特性モデルM1〜M3を代表して、ソーラーフィールド10用の動特性モデルM1の具体的な内容について説明する。
ソーラーフィールド10用の動特性モデルM1の数式モデルについて、エネルギバランスを式(1)〜式(5)に示し、マスバランスを式(6)〜式(7)に示す。
Co*d/dt(Wo*To) = Qsf + Qfi−Qlo−Qfo ・・・(1)
Qsf = f1(DNI,θ,A) ・・・(2)
Qfi = Co*Goin*Toin ・・・(3)
Qlo = f2(To,Tamb, DNI) ・・・(4)
Qfo = Co*Goout*To ・・・(5)
d/dt(Wo) = Goin−Goout ・・・(6)
Wo = Vp*ρo ・・・(7)
なお、これらの式(1)〜(7)における記号の説明は、以下の通りである。
Qsf:直達日照強度によるソーラーフィールドへの入熱量[kJ/s]
Qfi:熱媒体のソーラーフィールドへの持込熱量[kJ/s]
Qlo:ソーラーフィールドでの放熱量[kJ/s]
Qfo:ソーラーフィールドからの熱媒体の持出熱量[kJ/s]
Co:熱媒体比熱[kJ/kg℃]
Wo:熱媒体重量[kg]
To:熱媒体温度[℃]
DNI:直達日照強度[kJ/(s・m2)] (Direct Normal Irradiance)
θ:太陽光の集光集熱装置への入射角度[度]
A : 集光装置の受光面積[m2]
Goin:ソーラーフィールド入口熱媒体流量[kg/s]
Toin:ソーラーフィールド入口熱媒体温度[℃]
Tamb:大気温度[℃]
Goout:ソーラーフィールド出口熱媒体流量[kg/s]
Vp:熱媒体配管容積[m3]
ρo:熱媒体比重[kg/m3]
f1():関数
f2():関数
(動特性モデルによる計算)
これらの式(1)〜(7)を用いて直達日照強度DNIと大気温度Tambからソーラーフィールド10の出口での熱媒体温度Toと熱媒体流量Gooutを算出する。すなわち、ソーラーフィールド10における太陽光の熱エネルギの入熱量のデータを入力することで、ソーラーフィールド10における集熱量が算出可能となる。
なお、ここではソーラーフィールド10の動特性モデルM1の具体的な内容について説明したが、熱交換器11とCCPP等についても動特性モデルM2、M3を作成することで、設備の発電量が算出可能となる。
具体的に、公称150MW級の太陽熱複合発電設備で、CCPP部分の発電寄与が120MWで、ソーラーフィールド10部分の発電寄与が30MWの例について説明する。この太陽熱複合発電設備のソーラーフィールド10は、集光集熱装置の総基数が216基程度と想定される。
このような仕様の太陽熱複合発電設備を、仮に北アメリカのある地点に設置するような場合を例にとると、2008年2月8日、2008年6月3日、2007年9月29日の同地点における直達日照強度のサンプルデータは、図4(A)、(B)、(C)に示すようなデータとなる。
図4(A)〜(C)に示す直達日照強度のサンプルデータと、大気温度のサンプルデータ、太陽光の集光集熱装置への入射角度のサンプルデータなどを、動特性モデルM1に入力する(ステップS3)。ここで、サンプルデータとは、1年間のデータに比べて短期間のデータ(例えば、ある一日における特定時間区間のデータなど)のことである。また、このようなサンプルデータは、その地点の気象条件などに大きく関連するデータである。そのため、その地点における季節による気象条件の変化の程度などを考慮して、代表される複数の特徴的パターンなデータをサンプルデータとして採用することが望ましい。なお、熱交換器11用の動特性モデルM2へ入力されるサンプルデータは、例えば熱媒体温度、熱媒体流量であり、CCPP用の動特性モデルM3へ入力されるサンプルデータは、例えばガスタービン燃料投入量、大気温度である。
図4(A)〜(C)に示す直達日照強度のデータを含む複数パターンのサンプルデータを動特性モデルM1に入力することにより得られた結果を図5に示す(ステップS4)。図5において、横軸に示される動特性モデルM1への入力は直達日照強度および太陽光の集熱装置への入射角から決まる集熱装置の基本入熱量であり、縦軸に示される出力はソーラーフィールド10での集熱量である。すなわち、図5に示される計算結果は、ソーラーフィールド10における太陽光の熱エネルギの入熱量と集熱量との関係を示す関係データである。この関係データは、動特性モデルM1を用いて得られた計算結果であるため、太陽熱複合発電設備における動特性が考慮された関係データとなっている。なお、図5の横軸に示される基本入熱量は式(2)のQsfに対応しており、縦軸に示される集熱量は式(2)と式(4)の記号を用いたQsf-Qloに対応している。
(簡易モデルの作成)
次に、動特性モデルにサンプルデータを入力して得られた計算結果を用いて、簡易モデルを作成する(ステップS5)。簡易モデルは、動特性モデルにサンプルデータを入力して得られた計算結果に対して、数学的に統計処理を行うことで近似式として作成される。このような簡易モデルには入力と出力との関係を表す関数として例えば多項式関数が用いられ、数学的統計処理として、例えば回帰分析等の手法を用いて多項式関数を導出することができる。
ここで、ソーラーフィールド10用の動特性モデルM1にサンプルデータを入力して得られた入熱量と集熱量との関係データを、一次関数の簡易モデルM4として作成した結果を図5に示す。
図5において、入力(入熱量)と出力(集熱量)との関係データ(データ分布)を一次関数(直線)で表したものが簡易モデルM4である。このソーラーフィールド10用の簡易モデルM4は、モデル式として、出力=α×A×入力+βとして表される。出力はソーラーフィールドの集熱量、入力は集熱装置の基本入熱量、Aは集光集熱装置の受光面積であり、α、βは回帰分析により算出した定数である。簡易モデルの式としてはここでは一次関数を用いたが、計算機の仕様を考えて最適な式を選べば良い。また、得られた関係データから数学的統計処理により簡易モデルを導出することが難しい場合には、サンプルデータの点数を増やして再度導出すれば良い。
また、このような簡易モデルの作成の具体的な手法については、ソーラーフィールド10用のモデルを例として説明したが、熱交換器11およびCCPP用の簡易モデルについても同様な手法により作成することができる。
(簡易モデルによる年間発電量の算定)
次に、このように作成された簡易モデルに、指定期間として例えば1年間のデータを入力することにより(ステップS6)、年間発電量を算定する(ステップS7)。
具体的には、ソーラーフィールド10用の簡易モデルM4に、直達日照強度、太陽光の入射角、大気温度などにより表される入熱量の年間データを入力することにより、ソーラーフィールド10における年間を通じた集熱量データを得ることができる。また、熱交換器11やCCPPの簡易モデルについても、年間の入力データを入力することにより、年間を通じた出力データを得ることができる。これらの出力データを合算することにより、太陽熱複合発電設備1における年間を通じた発電量の算出結果が得られる。
ここで、これらの簡易モデルを用いて算出された太陽熱複合発電設備1における年間発電量の算出結果の例を、図6(A)、(B)に示す。なお、図6(A)は、直達日照強度の年間データであり、図6(B)はこれらの年間データに基づいて簡易モデルにより算出された年間発電量を示す。図6(B)では、下半分がガスタービン発電量を示し、上半分が蒸気タービン発電量を示す。図6(B)の年間発電量の算出に要した時間は約1分であり、動特性シミュレーションを用いて算出を行った場合に要する時間(120時間)に比べて大幅に短い時間で算出することができた。本実施の形態1の発電量算定方法によれば、太陽熱複合発電設備の年間発電量が、精度良く簡便に(短時間で)算定することができる。
上述した本実施の形態の発電量算定方法を実現するための装置構成の例を、図7に示す。図7に示すように、発電量算定装置50は、サンプルデータや年間データの入力が行われる入力部51と、設備仕様に基づく動特性モデルや作成された簡易モデルなどが記憶されて保持される記憶部(モデル記憶部)52と、各種演算処理を行う演算部53と、演算部53による演算結果である年間発電量の算定結果などが出力される出力部54とを備えて構成される。
演算部53は、動特性モデルにサンプルデータを入力して入力と出力との関係データを算出する処理(ステップS3、S4)を行う関係データ算出手段55と、算出された関係データに対して数学的統計処理を行うことにより簡易モデルを作成する処理(ステップS5)を行う簡易モデル作成手段56と、簡易モデルに年間データを入力して年間発電量を算出する処理(ステップS6、S7)を行う発電量算定手段57と構成する。
このような発電量算定装置50の構成は一例であり、これ以外にも要求に応じて各ステップの処理を実現するような様々な構成を適用することができる。
本実施の形態1によれば、大型計算機を用いて行なう高精度な動特性モデルの計算精度に匹敵する計算を、パソコン(パーソナルコンピュータ)に搭載できるような簡易モデルを用いて、太陽熱複合発電設備の発電量を短時間で計算することができる。特に、太陽熱複合発電設備の計画段階において、年間発電量を高精度かつ簡便に算定できるため、設備計画に有効に活用することができる。
上述の手法において、一旦簡易モデルを作成すると、同じ仕様の太陽熱複合発電設備の導入を別途に計画する場合には、そのまま使用して、異なる計画地点における1年間を通した直達日照強度および大気温度などのデータを入力すれば、その地点における年間発電量を容易に計算することができる。したがって、太陽熱複合発電設備の設置場所の検討など、計画段階において有効に活用できる。
また、簡易モデルは、ソーラーフィールドの仕様(集熱装置のタイプ)と規模(集熱装置の基数)に合わせて変化する。集熱装置の基数が増えれば、集熱量は増えるが、他方、設備コストも増加するので、ソーラーフィールドの規模については最適値が存在する。この最適値が発電設備計画の最適化を可能とする。
したがって、太陽熱複合発電設備を計画するときは、ソーラーフィールドの規模について、多くのケーススタディーが必要であるので、本実施の形態1の手法による簡易モデルを用いることにより、短時間に高精度な計算が可能となるため、太陽熱複合発電設備の設備計画の効率化が図れる。
上述の太陽熱複合設備1では、ソーラーフィールド10が備える集光集熱装置20が、パラボリックトラフ式の集光集熱装置である場合を例としたが、集光集熱装置として複数の平面反射板を用いたフレネル式が採用されるような場合であっても良い。
また、本実施の形態では、ソーラーフィールド10、熱交換器11、およびCCPPのそれぞれについて簡易モデルを作成して年間発電量を算定するような場合を例として説明したが、ソーラーフィールド10のみ、あるいはCCPPのみについて簡易モデルを作成して年間発電量の算定を行うような場合であってもよい。設備仕様として動特性を用いた考慮が必要なシステム構成について簡易モデルを作成してシミュレーションを行うことで、精度良く簡便に年間発電量の算定を行うことができる。
(変形例:経済性評価)
また、このような発電量算定方法を用いることで、太陽熱複合発電設備の経済性についても短時間で評価することができ、設備計画の最適化とその妥当性を迅速かつ簡便に示すことができる。
具体的には、図3のフローチャートにて示す発電量算定方法のそれぞれの処理ステップに経済性評価のための処理ステップを追加することにより、計画された太陽熱複合発電設備の経済性を簡便な方法で判定することができる。経済性評価のための処理ステップを追加したフローチャートを図8に示し、追加された処理ステップについてのみ説明する。
図8のステップS8では、発電設備に必要な初期コストを算出する。具体的には、計画された太陽熱複合発電設備の仕様に基づいて設備費用を自動計算プログラムにより算出する。大・中・小規模の典型例を基準仕様とする詳細値を求め、それぞれの中間区間の規模の設備費用は補間法により求める。また、発電設備に必要な発電事業費用を自動計算プログラムにより算出する。
ステップS9では、発電設備の運転に必要な運転コストを算出する。具体的には、所定年限の期間における発電設備の操業コストとメンテナンスコストを自動計算プログラムにより算出する。
ステップS10では、ステップS7にて算定された年間発電量に基づいて売電収入を計算する一方で、ステップS8およびS9にて算出された初期コストおよび運転コストから総事業経費を算出する。そして、収入と経費から発電単価と案件収益率等の経済性評価パラメータを計算する。
これらの計算処理は短時間に実行され、計画された太陽熱複合発電設備の経済性と、同計画の実行の可否について簡便に判断することができる。なお、上述の方法では、発電設備の初期コストおよび運転コストを自動計算プログラムにより算出するような場合を例として説明したが、別途算出された初期コストおよび運転コストのデータを入力しても良い。
太陽熱複合発電設備における発電量の算定と経済性評価の検討には、発電設備の設置予定地における通年直達日照強度のデータを用いる。現在のところおよそ世界160カ国以上について、それぞれの複数代表地点における長期間にわたる直達日照強度と大気温度の時系列データが公開されている。これらを用いることで、太陽熱が利用可能なほとんどの国について計画対象となる太陽熱複合発電設備の発電可能量の算定と同設備の経済性の検討が可能である。特定国の特定地点において直達日照強度と大気温度を実測して、それらを使用することにより、検討結果の正確性と信頼性をさらに向上させることができる。
上述した動特性モデルから簡易モデルを作成する方法は、例えば簡易モデル作成装置として、コンピュータ(例えば大型計算機)を用いて実現することができる。このような簡易モデル作成装置は、動特性モデル、各国地点における直達日照強度データと共に大型計算機に組み込まれて実現できる。一方、作成された簡易モデルそのものはパソコンに搭載して、可搬型の発電量計算装置および経済性評価装置として使用することができる。
建設された太陽熱複合発電設備では各装置の稼動データや発電量などの実操業データが蓄積される。同設備には直達日照強度の測定装置が設置されるので、実測直達日照強度と実際の発電量を得て、簡易モデル作成装置に入力すれば、より高精度な簡易モデルを作成することができる。
上述の簡易モデルは太陽熱複合発電設備について用いたが、ガスタービンを使用しない蒸気タービンのみの通常型太陽熱発電設備についても適用することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2にかかる太陽熱複合発電設備の発電量算定方法について説明する。
太陽熱複合発電設備では、ガスタービン13にて発電が行われるとともに、ガスタービン13の駆動に伴って生じた排熱(排ガス)と、ソーラーフィールド10での集熱とを合わせた熱エネルギを用いて発生された蒸気により蒸気タービン14を駆動して発電が行われる。
一方、ソーラーフィールド10にて集熱される熱エネルギ量は、直達日照強度により大きく影響される。このような熱エネルギは、日中にピークとなり夜間にはゼロとなる(図10(A)参照)。
そのため、ガスタービン13を一定の出力にて連続運転するような場合にあっては、太陽熱複合発電設備1全体の発電量は、直達日照強度が高くなる日中にピークとなる。すなわち、蒸気タービン14への蒸気の供給量ピークは日中に生じることになる。
このような発電量のピークに対処するような容量の蒸気タービン14を採用するような場合には、ピーク時には問題なく対処できるものの、蒸気の入力が低下する夜間などは蒸気タービン14が部分負荷運転を行うことになり、蒸気タービン14の運転効率が低下する。このような運転効率の低下を考慮すれば、発電量のピークに対処するような容量の蒸気タービン14を採用することは適切ではなく、ピークよりも小さい容量の蒸気タービンを採用して、ガスタービン13側の出力を減少させるなどの調整を行うことで対処することが好ましい。
本実施の形態2では、このように直達日照強度の変化に対応して、発電量が設備発電容量を超過しないように、ガスタービン13側の出力を調整するような設備運転を考慮して年間発電量の算定を行うものである(図10(B)参照)。
本実施の形態2の発電量算定方法の手順のフローチャートを図9に示す。
図9のステップS21において、太陽熱複合設備の設備仕様データを決定する。その後、ステップS22にて、ソーラーフィールド10用の動特性モデルM21が作成されるとともに、ステップS28にて、ガスタービン13(第1発電設備)用の動特性モデルM22が作成される。
その後、ソーラーフィールド10側にて、実施の形態1のステップS3〜S7と同様の手順にてステップS23〜S27の処理が行われ、ソーラーフィールド10における年間の集熱量データが簡易モデルを用いて算出される。同様に、ガスタービン13側にて、実施の形態1のステップS3〜S7と同様の手順にてステップS29〜S33の処理が行われ、ガスタービン13における年間の第1発電量および排熱量データが簡易モデルを用いて算出される。なお、ガスタービン13の発電量は、大気温度により影響を受けるため、少なくとも大気温度を含んだデータを用いてこれらの処理が行われる。
次に、ステップS34にて、ソーラーフィールド10の年間集熱量データ、およびガスタービン13の排熱量データを用いて、蒸気タービン14における年間の第2発電量のデータが算出される。
次に、ステップS35にて、算出された蒸気タービン14における年間の第2発電量のデータにおいて、第2発電量が蒸気タービン14の発電容量を超えている区間が存在するかどうかが判断される。直達日照強度の程度により蒸気タービン14の発電容量を超えている区間がある場合には、ステップS36にて、同区間において、蒸気タービン14の発電容量を超過しないようにガスタービン13による第1発電量を低減させるように、第1発電量を調整する。この調整に伴って、同区間におけるガスタービン13からの排熱量も減少することになるため、ステップS33にて同区間の排熱量データを再度算出し、再度算出された排熱量データに基づいて、蒸気タービン14における第2発電量が再度算出される(ステップS34)。この再度算出された第2発電量は、ステップS35にて蒸気タービン14の発電容量を超過していないかどうか再度確認される。
ステップS35にて、年間の第2発電量が蒸気タービン14の発電容量を超過していないと判断された場合には、ステップS37にて、ガスタービン13による第1発電量のデータと蒸気タービン14による第2発電量のデータとにより、太陽熱複合発電設備の年間発電量が算出される。なお、本実施の形態2では、ステップS34の処理が、第2発電設備出力算定工程に相当し、ステップS33〜S36の一連の処理が、第2発電設備出力再算定工程に相当する。
このように本実施の形態2による発電量算定方法によれば、ガスタービン13による発電と、蒸気タービン14による発電とが相互に影響し合うという太陽熱複合発電設備に特有の特徴に考慮しながら、効率的な設備運転を行った場合の年間発電量を動特性が考慮された簡易モデルにより精度良くかつ簡便に算出することができる。したがって、より効率性が追求された太陽熱複合発電設備の設備計画に有効に活用できる発電量算定方法を提供することが可能となる。
なお、上述した一連の処理は、例えば、コンピュータの演算部により構成される、ソーラーフィールド用簡易モデル作成手段、ソーラーフィールド出力算定手段、第1発電設備(ガスタービン)用簡易モデル作成手段、第1発電設備出力算定手段、第2発電設備(蒸気タービン)出力算定手段、および第2発電設備出力再算定手段などにより実行することができる。
なお、本実施の形態2では、蒸気タービン14による第2発電量が発電容量を超えている区間が生じた場合に、同区間にてガスタービン13による第1発電量を減少させるような場合を例として説明したが、このような場合のみに限られない。例えば、ソーラーフィールド10側の集熱量を低減させるようにしても良く、ガスタービン13による第1発電量およびソーラーフィールド10側の集熱量をともに減少させるようにしても良い。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、自然環境において時々刻々と変動する自然エネルギとして太陽光の熱エネルギを利用した太陽熱発電設備に対して有用であり、特に、太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を利用した発電設備と複合された太陽熱複合発電設備に対して有用である。
1 太陽熱
3 第1発電設備
4 第2発電設備
10 集光集熱装置
11 熱交換器
12 ガスタービン排熱ボイラ
13 ガスタービン
14 蒸気タービン
15 第1発電機
16 第2発電機

Claims (15)

  1. 太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定方法であって、
    ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルに、複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出する第1工程と、
    算出された関係データに基づいて、ソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成する第2工程と、
    指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データを簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出し、集熱量データを用いて太陽熱複合発電設備における指定期間の発電量を算定する第3工程と、を含む、太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  2. 第2工程において、動特性シミュレーションモデルを用いて算出されたソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを、数学的に処理することにより簡易モデルを作成する、請求項1に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  3. 第1工程または第2工程において用いられる太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータまたは入熱量データには、少なくとも直達日照強度および大気温度のデータが含まれる、請求項1または2に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  4. 簡易モデルのパラメータとして、ソーラーフィールドにおける太陽光の集光集熱装置の受光面積が含まれている、請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  5. ソーラーフィールドの集光集熱装置として、パラボリックトラフ式集熱装置またはフレネル式集熱装置が採用されている、請求項1から4のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  6. 太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定方法であって、
    ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルに、複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出し、関係データに基づいてソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成するソーラーフィールド用簡易モデル作成工程と、
    指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データをソーラーフィールド用簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出するソーラーフィールド出力算定工程と、
    第1発電設備の仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルを用いて、複数パターンの大気温度と第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量との関係データを算出し、関係データに基づいて大気温度から第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出するための簡易モデルを作成する第1発電設備用簡易モデル作成工程と、
    指定期間の大気温度データを第1発電設備用簡易モデルに入力して第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出する第1発電設備出力算定工程と、
    ソーラーフィールド出力算定工程にて算出されたソーラーフィールドの集熱量データと、第1発電設備出力算定工程にて算出された第2発電設備へ供給可能な排熱量データとを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を算出する第2発電設備出力算定工程と、を含む、太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  7. 第2発電設備出力算定工程にて算定された指定期間の第2発電量において、第2発電設備の発電容量を超過する区間が生じた場合に、同区間において、第1発電設備による第1発電量を低減させるとともに、低減された排熱量データを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を再度算出する第2発電設備出力再算定工程をさらに含む、請求項6に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  8. ソーラーフィールド用簡易モデル作成工程および第1発電設備用簡易モデル作成工程において、動特性シミュレーションモデルを用いて算出された関係データを、数学的に処理することにより簡易モデルを作成する、請求項6または7に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  9. ソーラーフィールド用簡易モデル作成工程またはソーラーフィールド出力算定工程において用いられる太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータまたは入熱量データには、少なくとも直達日照強度および大気温度のデータが含まれる、請求項6から8のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法。
  10. 請求項6から9のいずれか1つに記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定方法により算定された、指定期間における第1発電設備による第1発電量および第2発電設備による第2発電量のデータと、太陽熱複合発電設備の初期コストおよび運転コストのデータとを用いて、太陽熱複合発電設備の経済性評価を行う方法。
  11. 太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備において、ソーラーフィールドの集熱量を算出する方法であって、
    ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルに、複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出し、
    算出された関係データを数学的に処理することにより、ソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成する、ソーラーフィールドの集熱量算出方法。
  12. 太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定装置であって、
    ソーラーフィールドの仕様に基づいて作成された動特性シミュレーションモデルを保持するモデル記憶部と、
    外部データが入力されるデータ入力部と、
    データ入力部に入力されたデータを、モデル記憶部に保持されたモデルに入力して、演算を行う演算部と、を備え、
    演算部は、
    モデル記憶部に保持された動特性シミュレーションモデルに、入力部より入力された複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出する関係データ算出手段と、
    算出された関係データに基づいて、ソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成し、モデル記憶部に保持させる簡易モデル作成手段と、
    入力部より入力された指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データを、モデル記憶部に保持された簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出し、集熱量データを用いて太陽熱複合発電設備における指定期間の発電量を算定する発電量算定手段と、を備える、太陽熱複合発電設備における発電量算定装置。
  13. 太陽光の熱エネルギ以外のエネルギ源を用いて発電を行う第1発電設備と、ソーラーフィールドにて集光集熱された太陽光の熱エネルギと第1発電設備よりの排熱とを用いて発電を行う第2発電設備と、を備える太陽熱複合発電設備の発電量算定装置であって、
    ソーラーフィールドの仕様および第1発電設備の仕様に基づいて作成されたそれぞれの動特性シミュレーションモデルを保持するモデル記憶部と、
    外部データが入力されるデータ入力部と、
    データ入力部に入力されたデータを、モデル記憶部に保持されたモデルに入力して、演算を行う演算部と、を備え、
    演算部は、
    モデル記憶部に保持されたソーラーフィールドの動特性シミュレーションモデルに、入力部より入力された複数パターンの太陽光の熱エネルギの入熱量サンプルデータを入力して、ソーラーフィールドにおける入熱量と集熱量との関係データを算出し、関係データに基づいてソーラーフィールドにおける入熱量から集熱量を算出するための簡易モデルを作成して、モデル記憶部に保持させるソーラーフィールド用簡易モデル作成手段と、
    入力部より入力された指定期間の太陽光の熱エネルギの入熱量データを、モデル記憶部に保持されたソーラーフィールド用簡易モデルに入力してソーラーフィールドの集熱量データを算出するソーラーフィールド出力算定手段と、
    モデル記憶部に保持された第1発電設備の動特性シミュレーションモデルを用いて、入力部より入力された複数パターンの大気温度と、第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量との関係データを算出し、関係データに基づいて大気温度から第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出するための簡易モデルを作成して、モデル記憶部に保持させる第1発電設備用簡易モデル作成手段と、
    入力部より入力された指定期間の大気温度データを、モデル記憶部に保持された第1発電設備用簡易モデルに入力して第1発電設備における第1発電量および第2発電設備へ供給可能な排熱量のデータを算出する第1発電設備出力算定手段と、
    ソーラーフィールド出力算定手段により算出されたソーラーフィールドの集熱量データと、第1発電設備出力算定手段により算出された第2発電設備へ供給可能な排熱量データとを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を算出する第2発電設備出力算定手段と、を備える、太陽熱複合発電設備における発電量算定装置。
  14. 演算部は、第2発電設備出力算定手段にて算定された指定期間の第2発電量において、第2発電設備の発電容量を超過する区間が生じた場合に、同区間において、第1発電設備による第1発電量を低減させるとともに、低減された排熱量データを用いて、第2発電設備における指定期間の第2発電量を再度算出する第2発電設備出力再算定手段をさらに備える、請求項13に記載の太陽熱複合発電設備における発電量算定装置。
  15. 請求項13または14に記載の太陽熱複合発電設備の発電量算定装置と、
    算定された指定期間における第1発電設備による第1発電量および第2発電設備による第2発電量のデータと、太陽熱複合発電設備の初期コストおよび運転コストのデータとを用いて、太陽熱複合発電設備の経済性評価を行う手段とを備える、太陽熱複合発電設備における経済性評価装置。
JP2010293322A 2010-12-28 2010-12-28 太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置 Expired - Fee Related JP5615692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010293322A JP5615692B2 (ja) 2010-12-28 2010-12-28 太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010293322A JP5615692B2 (ja) 2010-12-28 2010-12-28 太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012140882A true JP2012140882A (ja) 2012-07-26
JP5615692B2 JP5615692B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=46677399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010293322A Expired - Fee Related JP5615692B2 (ja) 2010-12-28 2010-12-28 太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5615692B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101379234B1 (ko) 2012-09-26 2014-03-31 (주)하이레벤 태양광 발전설비의 효율향상설비
CN109185084A (zh) * 2018-07-16 2019-01-11 华北电力大学 一种太阳能联合循环发电底循环太阳能贡献度的计算方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61261678A (ja) * 1985-05-15 1986-11-19 Hitachi Ltd 太陽熱発電装置の運転方法
JP2003307351A (ja) * 2002-04-16 2003-10-31 Noritz Corp 太陽熱利用温水装置
JP2008039367A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Kawasaki Heavy Ind Ltd 太陽熱発電設備および熱媒体供給設備
JP2008083971A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toyohashi Univ Of Technology 太陽・風力発電/コージェネレーション装置からなるシステムのシミュレーション方法
JP2008121483A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Kawasaki Heavy Ind Ltd 熱媒体供給設備および太陽熱複合発電設備なびにこれらの制御方法
JP2010282546A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Sekisui Chem Co Ltd 諸条件に応じた住宅の光熱費を予測するための住宅販売関連事業支援システム、該システムに用いられるプログラム、該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び住宅販売関連事業における予測光熱費提示方法
WO2012042655A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 株式会社日立製作所 ガスタービンシステム、ガスタービンシステムの制御装置及びガスタービンシステムの制御方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61261678A (ja) * 1985-05-15 1986-11-19 Hitachi Ltd 太陽熱発電装置の運転方法
JP2003307351A (ja) * 2002-04-16 2003-10-31 Noritz Corp 太陽熱利用温水装置
JP2008039367A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Kawasaki Heavy Ind Ltd 太陽熱発電設備および熱媒体供給設備
JP2008083971A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toyohashi Univ Of Technology 太陽・風力発電/コージェネレーション装置からなるシステムのシミュレーション方法
JP2008121483A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Kawasaki Heavy Ind Ltd 熱媒体供給設備および太陽熱複合発電設備なびにこれらの制御方法
JP2010282546A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Sekisui Chem Co Ltd 諸条件に応じた住宅の光熱費を予測するための住宅販売関連事業支援システム、該システムに用いられるプログラム、該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び住宅販売関連事業における予測光熱費提示方法
WO2012042655A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 株式会社日立製作所 ガスタービンシステム、ガスタービンシステムの制御装置及びガスタービンシステムの制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101379234B1 (ko) 2012-09-26 2014-03-31 (주)하이레벤 태양광 발전설비의 효율향상설비
CN109185084A (zh) * 2018-07-16 2019-01-11 华北电力大学 一种太阳能联合循环发电底循环太阳能贡献度的计算方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5615692B2 (ja) 2014-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ahmadi et al. Solar parallel feed water heating repowering of a steam power plant: A case study in Iran
Ahmadi et al. Evaluation of synchronous execution of full repowering and solar assisting in a 200 MW steam power plant, a case study
Chen et al. Determination of key parameters for sizing the heliostat field and thermal energy storage in solar tower power plants
Zhu et al. Annual performance of solar tower aided coal-fired power generation system
Sheu et al. A review of hybrid solar–fossil fuel power generation systems and performance metrics
Janjai et al. Potential application of concentrating solar power systems for the generation of electricity in Thailand
Sonsaree et al. A small-scale solar Organic Rankine Cycle power plant in Thailand: Three types of non-concentrating solar collectors
Shagdar et al. Performance analysis and techno-economic evaluation of 300 MW solar-assisted power generation system in the whole operation conditions
Montañés et al. Dynamic modeling of a parabolic trough solar thermal power plant with thermal storage using modelica
Popov et al. Innovative configuration of a hybrid nuclear-solar tower power plant
Okonkwo et al. Second-law analysis and exergoeconomics optimization of a solar tower–driven combined-cycle power plant using supercritical CO2
Khaldi Energy and exergy analysis of the first hybrid solar-gas power plant in Algeria
Wang et al. Design and economic analysis of a novel hybrid nuclear-solar complementary power system for power generation and desalination
Rashid Design, economics, and real-time optimization of a solar/natural gas hybrid power plant
Sterrer et al. Theoretical analysis of the combination of CSP with a biomass CHP-plant using ORC-technology in Central Europe
Gambini et al. Hybrid thermal power plants: Solar-electricity and fuel-electricity productions
Mokheimer et al. Performance analysis of integrated solar tower with a conventional heat and power co-generation plant
Abdelhafidi et al. Modeling of integrated solar combined cycle power plant (ISCC) of Hassi R'mel, Algeria
Popov et al. Innovative configuration of a hybrid nuclear-parabolic trough solar power plant
Wang et al. Thermodynamic and economic analyses of a parabolic trough concentrating solar power plant under off-design conditions
García-Barberena et al. Towards cost-competitive solar towers–Energy cost reductions based on decoupled solar combined cycles (DSCC)
JP5615692B2 (ja) 太陽熱複合発電設備の発電量算定方法および装置
Abutayeh et al. Adapting steady-state solar power models to include transients
Amani et al. Novel hybridization of solar central receiver system with combined cycle power plant
Zhang et al. Heat transport characteristics of a peak shaving solar power tower station

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140902

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5615692

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees