JP2012134442A - 太陽電池パネルの設置構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 建築物の外壁面から突き出るよう、2枚の片面受光太陽電池パネルを背中合わせにして両面受光型に加工し袖壁状に鉛直設置する。さらに、カバーガラスにセラミックス凸状膨隆部及び表面彩色層の配設と共に、反射光抑制の構成とする。
【選択図】図1
Description
ビル等の建築物の屋上や住宅の屋根は、空きスペースで、かつ日当たりの最も良い部位であることから設置場所は専らここに集中している。ところが、ビルの屋上にはエレベーターの機械室や階段室、場合によっては空調の室外機等の設置場所が必要であり、また、最近ではヒートアイランド現象の防止或いは自然環境と共生する意識の高揚から屋上庭園やビオトープ、菜園等を設けるビルも多く利用面積に限りがある。できる限り広範囲を占有したくとも太陽電池パネルの設置場所は自ずと限定されてしまうのが通例である。
上記の問題点を解決する為、設置面積の拡大を図る手段として、例えば下記のような提案がなされている。特開2002−076415号公報や特開平08−162660号公報には、太陽電池モジュールを1本のポールに多段にわたって取り付けることにより空きスペースを有効に使えると提案されているが、短冊状の複数のモジュールが風圧を受けて揺れ、安定性に疑問がある。また、特開平06−318726号公報及び特開平06−244445号公報には、屋根のみならず外壁への設置も提案されている。しかしながら、これらの発明は効率的な受光手段のみに注意が払われており、建築物の意匠性、周囲の環境等に関しては余り配慮がなされていない。
本発明による太陽電池パネルは、出願人が提案の先行特許第3286577号公報、特許第3482370号公報及び特許第3049238号公報に記載のセラミック・インキを用いて、スクリーン印刷法により凸状膨隆部が形成された透光性基板の太陽電池モジュールを使用することが望ましい。
その中でも、特許第3049238号公報に記載の太陽電池モジュールは、凸部の片側周面に着色セラミックス・インキを用いて表面彩色層が層着され、他方の片側周面の露出部分に光透過性を残存せしめた構成からなるもので、例えば、光透過性を有する非印刷部と彩色層の印刷部を上下に配設しておくことにより、上方からの受光による発電及び下方から見上げた場合は、色彩豊かなファツション性を併せ持った太陽電池パネルの設置構造を提供しようとするものである。
また、本発明による太陽電池パネルは、上記出願人が提案の先行特許第3482370号にも、セラミックス印刷凸状膨隆部を設けた構成は、長期間の屋外暴露での受光面の汚れの付着、塵埃等を流し易いが、さらにマイナス静電気を形成するトルマリン鉱石の粉粒体を混練したセラミックス・インキを用い、汚れ防止の機能を発揮するとの記載がある。本発明では、着色セラミックス・インキを用い表面彩色層による色彩装飾表示で太陽電池をカラフルに見せ、色彩豊かなファツション性を併せ持たせるためにも、受光面のカバーガラスの汚れ防止には、上記トルマリン鉱石の粉粒体を混練の他、光触媒二酸化チタン含有、又は稀有元素類を含む天然鉱石粉末並びに遠赤外線セラミックスの含有混合物により、受光面の汚れ防止を図った構成とすることができる。
もっとも、特許文献5に記載の両面受光型太陽電池、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型或いは薄膜シリコン型等の太陽電池も用いることもできる。その中でも安価な薄膜シリコン型はモジュールの大きさを自由に変えられるという利点から好適である。
袖壁状鉛直設置構造にあっては、開口部を有しない側壁全面に複数個設置しても良いし、開口部と開口部の間に設置しても良く、開口部の大きさや、その位置と太陽光パネルの設置場所をバランス良く設置することにより、豊かな表情を持った建築物を創出することができる。室内側からは外部風景の視認が可能で、また、庇のように上部に取り付けられるものではないので採光を妨げるもこともないし、プライバシー保護の為の目隠し或いはパーテーションとしても機能する。
受光面に当たった光は、表面のガラスを透過して太陽電池素子に吸収されるが、朝夕の太陽高度が低い時、即ち入射角が大きい場合は光線が吸収されにくく、低反射ガラスを使用した太陽光パネルであっても完全吸収はあり得ず、屋上に設置された平置きタイプでは反射光は逸散してしまうだけである。これに対して、本発明の複数組の両面受光パネルを鉛直設置することにより隣接するパネルの反射光を貰い受けて発電に供することが可能となり、その結果パネル1組当たりの発電効率は向上する。
また、壁面では屋上に設置されたものに比べて発電効率が低下するが、設置枚数を多くして補えばよく、これによるスケールメリットを生かして原価の低減を図ることが可能で、更に、夏季における夕暮れ時には西日を遮り室内の気温上昇を抑制できる。
また、本発明のビル外壁等に袖壁状に鉛直設置する構造では、設計士の感性によって、本発明の両面受光型太陽電池と、例えば2枚の片面受光型太陽電池パネルの受光面を外側にして合わせた両面受光型太陽電池を三角出窓状に組み立て設置する三角出窓状太陽電池パネルを組み合わせて配置することにより、建築物のファッション性をより向上させることができる。
一般に、半導体素子は湿度の上昇に伴い素子の性能が低下することが知られており、非結晶光半導体素子太陽電池は、温度上昇1℃当たり変換効率は約0.25%低下するといわれている。よって、パネルの温度上昇を如何にして低く抑え変換効率の低下を防ぐかは重要課題のひとつである。本発明の両面受光型太陽電池パネルでは、壁面と2枚のパネル間で形成される三角状組み立ての場合の如き空洞は形成されないが、ビル外壁面への設置では、該パネル本体は、躯体にボルト、ナット等の設置金具を用い、外壁面に直接でなく取り付け装着されており、その間隙空間の存在は温度上昇を僅かでも抑制するように働く。戸建住宅の勾配屋根に取り付けられるタイプや、ビルの屋上に設置される平置きタイプ等は、降雨による汚染物質の影響を受け易く、汚れによる発電効率の低下が問題視されている。例えば、特2009−164434号公報には、水が滞留しないようフレームの形状を工夫した提案がなされている。また、特開平10−290020公報には、付着した汚染物質を光触媒によって分解する手段が提案されている。本発明によれば、鉛直方向に設置されるので降雨を直接受けることが少ない上、ガラス表面はセラミックス印刷が施されている故、付着した塵埃は容易に洗い流されるので、発電効率の低下を防止することができる。
設置可能なパネルの大きさは、大きければ大きいほど受光面積は大きくなるが、取り付け強度に限界がある上、内部から外景を望む場合の圧迫感や建築物の外観状況を鑑み、幅、即ち短片方向が300〜600mm、長さ、即ち長手方向が階高に相当する程度、例えば2500〜3000mが望ましい。また、厚さは、片面受光太陽電池パネルを背中合わせにした両面受光型パネルの場合は100mm程度となる。
新築ビルへの設置は、躯体の横筋に固定されているアンカーボルトに、プレートを介して太陽電池パネルの長辺部に設けたボルト、ナット、ワッシャー等の設置金具を接合して壁面に固定すればよい。
また、階高毎に外壁周囲の連続型バルコニーが設けられている場合は、設置金具による接合に加えて、太陽電池パネルの下端をバルコニー上に設置すればより安定する。
リニューアルによる後付けの場合は、躯体構造物に穴あけの後、ケミカルアンカーを固着し、これに太陽電池パネルの設置金具を固定すればよい。
さらに、本発明に係る太陽電池パネルを壁面または屋根に設置するとき、そのカバーガラスにセラミックス印刷凸状膨隆部を形成した構成では、長期間屋外暴露の条件による汚れ堆積等も流れ易く防汚性に作用すると共に、凸部の片側周面に着色セラミックス・インキを用いて表面彩色層が層着され、他方の片側周面の露出部分に光透過性を残存せしめた構成では、光の反射防止、並びに表面彩色層の層着により環境景観に調和する文字、絵模様等の色彩装飾表示で太陽電池をカラフルに見せ、この広告装飾デザイン表示により太陽電池の本来の発電と併せ、環境を明るくし、ディスプレイ効果を増幅でき、その用途の拡がりを発揮するように働く。
図2は、本発明に係る両面受光太陽電池パネルの設置構造例の要部断面説明図であり、両面受光太陽電池パネル本体1は、躯体16にボルト、ナット、ワッシャからなる設置金具13を用いて取り付け固定装着されている。11はプレート、12はアンカーボルト、14は縦筋、15は横筋である。
図3は、本発明に係る両面受光太陽電池パネルの建築物外壁面へ袖壁状に鉛直設置例を示す斜視図であり、該両面受光太陽電池パネルの複数設置例において、2はカバーガラス、20は建築物外壁、21は両面受光型太陽電池パネルである。
図4は、本発明に係るセラミック印刷凸状膨隆部を形成した両面受光太陽電池パネルの要部断面図である。
図5は、本発明に係るセラミック印刷凸状膨隆部を形成しない両面受光太陽電池パネルの要部断面図である。
図6は、本発明に係る太陽電池パネルと、三角出窓状に鉛直設置した太陽電池パネルを組み合わせて配置した設置例を示す斜視図である。
2 カバーガラス
3 セラミック印刷凸状膨隆部
4 導電性電極層基体
5 絶縁保護層
6 裏面被覆材
7 裏面被覆材の合わせ目
8 フレーム
9 發電電力取出し用リード線
11 プレート
12 アンカーボルト
13 設置金具
14 縦筋
15 横筋
16 躯体
20 建築物外壁
21 両面受光型太陽電池パネル
22 三角出窓状太陽電池パネル
2 カバーガラス
3 導電性電極層基体
4 絶縁保護層
5 裏面被覆材
6 裏面被覆材の合わせ目
7 フレーム
8 發電電力取出し用リード線
11 プレート
12 アンカーボルト
13 設置金具
14 縦筋
15 横筋
16 躯体
20 建築物外壁
21 両面受光型太陽電池パネル
22 三角出窓状太陽電池パネル
Claims (4)
- ビル壁面又は屋上等の広い受光面を有する建築物に立体的に設置する太陽電池パネルの設置構造であって、該建築物の外壁面から直角に突き出るように両面受光太陽電池パネルを設置してなることを特徴とする太陽電池パネルの設置構造。
- 前記太陽電池パネルが、2枚の片面受光型太陽電池パネルの受光面を外側にして合わせた両面受光型太陽電池パネルを、建築物の外壁面から直角に突き出るよう袖壁状に鉛直設置してなる請求項1記載の太陽電池パネルの設置構造。
- 前記太陽電池パネルのカバーガラスの基体表面に、セラミックス・インキを用いて、スクリーン印刷法により凸状膨隆部が形成され、該凸状膨隆部の少なくとも頂点中心垂直線のいずれか一方の片側周面に着色セラミックス・インキを用いて表面彩色層が層着された構成からなる請求項1ないし2記載の太陽電池パネルの設置構造。
- 前記凸状膨隆部での凸部の片側周面に着色セラミックス・インキを用いて表面彩色層が層着され、他方の片側周面の露出部分に光透過性を残存せしめた構成において、光透過性を有する非印刷部と表面彩色層の印刷部を上下に配設した構成からなる請求項1ないし3記載の太陽電池パネルの設置構造。
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---|---|---|---|---|
JP2003166220A (ja) * | 2001-11-30 | 2003-06-13 | Sekisui Jushi Co Ltd | 両面型太陽電池パネルを備えた屋外工作物 |
WO2005074039A1 (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Kyocera Corporation | 太陽電池モジュール及び太陽光発電装置 |
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