JP2012130888A - イオン交換システムの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】向流再生及びスプリット・フロー再生と同等の処理水の純度を得、スプリット・フロー再生よりも多くの採水量を得る複数基直列水処理・再生方式のイオン交換システムの運転方法を提供すること。
【解決手段】直列通水の水処理プロセスを行うイオン交換システムの運転方法であって、再生プロセスは、第1再生プロセスは、再生剤をイオン交換樹脂床の頂部へ配液しながら、イオン交換樹脂床の底部で集液することにより再生剤の下降流を生成して、前記イオン交換樹脂床の全体を再生させる第1再生プロセスと、第1再生プロセスの後に行われ再生剤をイオン交換樹脂床の底部へ配液しながら、イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の上昇流を生成して、イオン交換樹脂床の一部を再生させる第2再生プロセスとを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、イオン交換装置の運転方法に関する。
3基のイオン交換装置を備え、互いに直列に接続した複数の前記イオン交換装置のイオン交換樹脂床に対し、原水を下降流で順次通過させて処理水を製造する直列通水の水処理プロセスを行い、前記直列接続の上流側イオン交換装置に再生プロセスの要求が生ずると、前記上流側イオン交換装置を再生対象としてイオン交換樹脂床に対し、再生剤を通過させる再生プロセスを行うとともに、前記直列接続の下流側イオン交換装置、再生プロセスが終了したイオン交換装置を、それぞれ前記上流側イオン交換装置,前記下流側イオン交換装置として前記直列通水の水処理プロセスを行うイオン交換システム(以下、「複数基直列水処理・再生方式のイオン交換システム」という。)の運転方法は、特許文献1にて知られている。
特許文献1のイオン交換装置としての一般的な軟水化装置は、構造がシンプルであるという理由で並流再生を採用しているものが多い。しかし、並流再生は、再生プロセス後の軟水化プロセスにおける硬度リークレベルが比較的高い。特に、複数基直列水処理・再生方式のイオン交換装置は、高硬度の原水を処理するために使用される。そして、再生対象となる直列接続の上流側のイオン交換装置は、通常の貫流点を越えて通水処理を行うので、再生が終了したイオン交換装置を下流側のイオン交換装置として直列通水の水処理プロセスを行うとき、前記硬度リークレベルが高くなるため、処理水を使用するボイラ等の機器でスケール障害が起きやすい。このため、高純度の処理水を得るために、再生レベル(イオン交換樹脂1リットル当たりの再生剤使用量)を高く設定する必要がある。
また、向流再生は、並流再生に比べて硬度リークレベルが低いため、処理水の純度低下の課題を解消できる。しかしながら、再生プロセス中に流動しないようにイオン交換樹脂床を保持するために、各種の複雑な技術を必要とする。
これに対して、スプリット・フロー再生は、並流再生及び向流再生の課題を同時に解決できる。すなわち、再生レベルを低く抑えても、高純度の処理水を実用的な採水量の範囲で得ることができるメリットを有している。
しかしながら、スプリットフロー再生にもつぎの課題がある。その課題は、硬水軟化装置の大型化に伴って、樹脂貯槽の内径を大きくした場合に起こる。すなわち、イオン交換樹脂床の直径Zに対する深さD1の比率を小さくしていくと、所期の採水量を得られないという現象が見られる。この現象は、比率D1/Zを小さくしていくほど顕著になる。
出願人は、これらの課題を解決する新規な再生プロセスをPCT/JP2010/003179(以下、「新規再生プロセス出願」という。)にて出願している。
特開平3−12287
この発明の目的は、つぎの要求項目を同時に達成できる複数基直列水処理・再生方式の
イオン交換システムの運転方法を提供することである。
(1)向流再生及びスプリット・フロー再生と同等の処理水の純度を得る。
(2)再生レベルを抑えつつ、スプリット・フロー再生よりも多くの採水量を得る。(3)イオン交換樹脂床の直径に対する深さの比率を小さくしても実用的な採水量を得る。
上記の目的を達成する第1発明は、深さD1を有するイオン交換樹脂床を有する複数のイオン交換装置を備え、互いに直列に接続した複数の前記イオン交換装置のイオン交換樹脂床に対し、原水を下降流で順次通過させて処理水を製造する直列通水の水処理プロセスを行い、前記直列接続の上流側イオン交換装置に再生プロセスの要求が生ずると、前記上流側イオン交換装置を再生対象としてイオン交換樹脂床に対し、再生剤を通過させる再生プロセスを行うとともに、前記直列接続の下流側イオン交換装置、再生プロセスが終了したイオン交換装置を、それぞれ前記上流側イオン交換装置,前記下流側イオン交換装置として前記直列通水の水処理プロセスを行うイオン交換システムの運転方法であって、
前記イオン交換樹脂床は、同一種のイオン交換樹脂ビーズからなり;
前記再生プロセスは、第1再生プロセス及び当該第1再生プロセス終了後に行われる第2再生プロセスを含み;
前記第1再生プロセスは、再生剤を前記イオン交換樹脂床の頂部へ配液しながら、前記イオン交換樹脂床の底部で集液することにより再生剤の下降流を生成して、前記イオン交換樹脂床の全体を再生させるプロセスであり;
前記第2再生プロセスは、再生剤を前記イオン交換樹脂床の底部へ配液しながら、前記イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の上昇流を生成して、前記イオン交換樹脂床の一部を再生させるプロセスである、イオン交換システムの運転方法である。
第1発明によれば、つぎの効果を奏する複数基直列水処理・再生方式のイオン交換システムの運転方法を提供することができる。すなわち、向流再生及びスプリット・フロー再生と同等の処理水の純度を得ることができる。同時に、再生レベルを抑えつつ、スプリット・フロー再生よりも多くの採水量を得ることができる。しかも、イオン交換樹脂床の直径に対する深さの比率を小さくしても実用的な採水量を得ることができる。
第2発明は、第1発明において、第2再生プロセスは、再生剤をイオン交換樹脂床の底部へ配液しながら、イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の上昇流を生成して、イオン交換樹脂床の一部を再生させるとともに、再生剤をイオン交換樹脂床の頂部へ配液しながら、イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の下降流を生成して、イオン交換樹脂床の他部を再生させる、イオン交換システムの運転方法である。
第2発明によれば、第1発明の効果に加え、スプリット・フロー再生の技術をそのまま用いることができる。
第3発明は、第1発明又は第2発明において、イオン交換装置は、硬水軟化装置であり;イオン交換樹脂床は、強酸性陽イオン交換樹脂ビーズからなり;深さD1が300〜1500mmのイオン交換樹脂床に対し、底部を基点として深さD2が100mmの硬度リーク防止床が設定されており;第2再生プロセスは、硬度リーク防止床に対する再生レベルR2が1.0〜6.0eq/L−Rとなる再生剤量U2を硬度リーク防止床に通過させるプロセスであり;再生レベルR2は、第2再生プロセス後の水処理プロセスにおいて、硬度リーク防止床によって硬度リーク量Yが1mgCaCO/L以下の軟水を製造可能なレベルである、イオン交換システムの運転方法である。
第3発明によれば、第1発明又は第2発明の効果に加え、硬度リーク防止床において必要以上の再生剤を消費することを抑制できる。
第4発明は、第3発明において、第2再生プロセスにおける集液位置の深さD3は、イオン交換樹脂床の底部を基点としてD2〜0.8×D1に設定される、イオン交換システムの運転方法である。
第4発明によれば、第3発明の効果に加え、第1再生プロセスで再生済みのイオン交換樹脂床において、第2再生プロセスで硬度リーク防止床から脱離した硬度成分の再吸着による汚染量を減少できる。
本発明によれば、つぎの効果を奏する複数基直列水処理・再生方式のイオン交換システムの運転方法を提供することができる。すなわち、向流再生及びスプリット・フロー再生と同等の処理水の純度を得ることができる。同時に、再生レベルを抑えつつ、スプリット・フロー再生よりも多くの採水量を得ることができる。しかも、イオン交換樹脂床の直径に対する深さの比率を小さくしても実用的な採水量を得ることができる。
本発明の運転方法の実施形態1における第1処理プロセスを示す。 同実施形態1における第2処理プロセスを示す。 同実施形態1における第3処理プロセスを示す。 同実施形態1における3基のイオン交換装置に対する処理プロセスのローテーションを示す。 再生プロセスの相違によるイオン交換樹脂床の再生状態を示す。 イオン交換樹脂床深さD1,硬度リーク防止床深さD2及び中間集液位置深さD3の関係を示す。 本発明の運転方法の実施形態2における第1処理プロセスを示す。 同実施形態2における第2処理プロセスを示す。 同実施形態2における第3処理プロセスを示す。 本発明の運転方法の実施形態3における第1処理プロセスを示す。 同実施形態3における第2処理プロセスを示す。 同実施形態3における第3処理プロセスを示す。 同実施形態3における第4処理プロセスを示す。 同実施形態3における2基のイオン交換装置に対する処理プロセスのローテーションを示す。
この発明の実施の形態は、深さD1を有するイオン交換樹脂床を有する複数のイオン交換装置を備え、
互いに直列に接続した複数の前記イオン交換装置のイオン交換樹脂床に対し、原水を下降流で順次通過させて処理水を製造する直列通水の水処理プロセスを行い、
前記直列接続の上流側イオン交換装置に再生プロセスの要求が生ずると、前記上流側イオン交換装置を再生対象としてイオン交換樹脂床に対し、再生剤を通過させる再生プロセスを行うとともに、
前記直列接続の下流側イオン交換装置、再生プロセスが終了したイオン交換装置を、それぞれ前記上流側イオン交換装置,前記下流側イオン交換装置として前記直列通水の水処理プロセスを行うイオン交換システムの運転方法である。
この実施の形態の前記イオン交換樹脂床は、同一種のイオン交換樹脂ビーズからなり;前記再生プロセスは、第1再生プロセス及び当該第1再生プロセス終了後に行われる第2再生プロセスを含み;前記第1再生プロセスは、再生剤を前記イオン交換樹脂床の頂部へ
配液しながら、前記イオン交換樹脂床の底部で集液することにより再生剤の下降流を生成して、前記イオン交換樹脂床の全体を再生させるプロセスであり;前記第2再生プロセスは、再生剤を前記イオン交換樹脂床の底部へ配液しながら、前記イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の上昇流を生成して、前記イオン交換樹脂床の一部を再生させるプロセスであることを特徴としている。
この実施の形態は、以下に説明するように、3基以上のイオン交換装置を備えるイオン交換システムの運転方法の実施の形態1および実施の形態2と、2基のイオン交換装置を備えるイオン交換システムの運転方法の実施の形態3とを含むものである。
<イオン交換システムの運転方法の実施形態1>
実施形態1に係るイオン交換システムの運転方法について詳述する。図1を参照して、イオン交換システムは、3基(台または塔と称することができる。)の第1イオン交換装置1A,第2イオン交換装置1B,第3イオン交換装置1Cを含んで構成されている。各イオン交換装置1A,IB,1Cは、同一種のイオン交換樹脂ビーズからなり、深さD1を有するイオン交換樹脂床2を有している。同一種とは、個々の樹脂ビーズの母体組成、及び官能基が同一であることを意味する。イオン交換樹脂ビーズは、陽イオン交換樹脂ビーズ及び陰イオン交換樹脂ビーズのうち、いずれかを選択できる。
そして、イオン交換システムの運転方法は、図1に示す第1処理と、図2に示す第2処理と、図2に示す第2処理と、図3に示す第3処理とをこの順に繰り返して行う。
第1処理は、互いに直列に接続した第1イオン交換装置1Aおよび第2イオン交換装置1Bの各イオン交換樹脂床2に対し、原水を下降流で順次通過させて処理水を製造する直列通水の水処理プロセスを行うとともに、水処理プロセスを行っていない再生対象の第3イオン交換装置1Cのイオン交換樹脂床2に対し、再生剤を通過させる再生プロセスを行う処理である。
前記直列通水の水処理プロセスは、互いに直列に接続した第1イオン交換装置1Aおよび第2イオン交換装置1Bの各イオン交換樹脂床2に対し、原水を下降流で順次通過させて処理水を製造するプロセスである。
この直列通水の水処理プロセスを詳細に説明すると、図1を参照して、まず第1イオン交換装置1Aにおける水処理プロセスでは、原水3をイオン交換樹脂床2の頂部に設けた第1配液部8へ配液しながら、処理水4をイオン交換樹脂床2の底部に設けた第1集液部9で集液する。ついで、第1集液部9で集液された水は、第2イオン交換装置1Bにおいて、第1イオン交換装置1Aと同様な水処理プロセスが行われる。通常、イオン交換装置は、破過前のイオン交換能力が残っている段階で再生する必要があるが、直列通水では、その必要がないため、1サイクル当たりの採水量を多くでき、節塩,節水となる。
前記再生プロセスは、第1再生プロセス及び当該第1再生プロセス終了後に行われる第2再生プロセスを含んでいる。第1再生プロセスは、イオン交換樹脂床2の全体を再生させる“並流再生プロセス”である。この第1再生プロセスは、再生剤5を第1配液部8によりイオン交換樹脂床2の頂部へ配液しながら、イオン交換樹脂床2の底部で第1集液部9により集液することにより再生剤5の下降流を生成して、イオン交換樹脂床2の全体を再生させるプロセスである。
また、第2再生プロセスは、再生剤5を第2配液部10によりイオン交換樹脂床2の底部へ配液しながら、イオン交換樹脂床2の中間部の第2集液部11で集液することにより再生剤5の上昇流を生成して、イオン交換樹脂床2の一部を再生させる“部分向流再生プ
ロセス”である。
この第1処理において、直列接続の原水の流れに対して上流側のイオン交換装置1Aが破過して再生プロセスの要求が生ずると、図2に示す第2処理を行う。
この第2処理では、まず、直列接続の上流側の第1イオン交換装置1Aを再生対象のイオン交換装置とし、下流側の第2イオン交換装置1Bを直列接続の上流側のイオン交換装置に位置させ、第1処理において再生対象であり、再生プロセスが終了した第3イオン交換装置1Cを直列接続の下流側のイオン交換装置に位置させる。
この状態において、直列接続された第2イオン交換装置1Bおよび第3イオン交換装置1Cにおいて、第1処理と同様の直列通水の水処理プロセスを行い、再生対象の第1イオン交換装置1Aのイオン交換樹脂床2に対し、第1処理と同様の再生プロセスを行う。
さらに、この第2処理において、直列接続の原水3の流れに対して上流側のイオン交換装置1Bに再生プロセスの要求が生ずると、図3に示す第3処理を行う。この第3処理では、まず、直列接続の上流側の第2イオン交換装置1Bを再生対象のイオン交換装置とし、下流側の第3イオン交換装置1Cを直列接続の上流側のイオン交換装置に位置させ、第2処理において再生対象であり、再生プロセスが終了した第1イオン交換装置1Aを直列接続の下流側のイオン交換装置に位置させる。
この状態において、直列接続された第3イオン交換装置1Cおよび第1イオン交換装置1Aにおいて、第1処理および第2処理と同様の直列通水の水処理プロセスを行い、再生対象の第2イオン交換装置1Bのイオン交換樹脂床2に対し、第1処理および第2処理と同様の再生プロセスを行う。
そして、第3イオン交換装置1Cに再生プロセスの要求が生ずると、図1の第1処理が再び行われる。このように、この実施の形態1の運転方法は、図4に示すように、直列接続の上流側イオン交換装置に再生プロセスの要求が生ずると、前記上流側イオン交換装置,前記直列接続の下流側イオン交換装置、前記再生対象イオン交換装置を、それぞれ前記再生対象イオン交換装置,前記上流側イオン交換装置,前記下流側イオン交換装置とする処理プロセスのローテーションを順次行うように構成されている。
この実施の形態1の転方法(本運転方法)の再生プロセスによれば、第1再生プロセス(並流再生プロセス)では、イオン交換樹脂床2の全体が再生される。一方、第2再生プロセス(部分向流再生プロセス)では、中間集液位置から下方のイオン交換樹脂床(以下、“下側部分樹脂床”と称する)が再生される。中間集液位置は、第2集液部11に形成される流出孔のうち、最も下側の孔の下端で定義する。
並流再生プロセス及び部分向流再生プロセスは、いずれも個別に公知であるが、本運転方法の再生プロセスでは、これらのプロセスを連続して実行することに特徴を有している。つまり、並流再生プロセスを第1再生プロセスとして実行し、第1再生プロセス終了後に、部分向流再生プロセスを第2再生プロセスとして実行する。換言すれば、本運転方法は、従来行われていた一段の再生プロセスを、二段の再生プロセスに改良したものである。
一段及び二段の再生プロセスの相違について、図5に基づき以下に説明する。図5は、硬水軟化装置におけるイオン交換樹脂床2の再生状態を定性的,かつ模式的に示すものである。紙面の上方は、イオン交換樹脂床2の頂部側であり、紙面の下方は、イオン交換樹脂床2の底部側である。図5中で、ハッチングを施している領域は、未再生のCa型陽イ
オン交換樹脂ビーズの分布を示す。一方、ハッチングを施していない領域は、再生済のNa型陽イオン交換樹脂ビーズの分布を示す。従来の並流再生及びスプリット・フロー再生におけるCa型陽イオン交換樹脂ビーズの分布は、それぞれ図5(a)及び(b)で示される。特に、スプリット・フロー再生においては、イオン交換樹脂床2の中間集液部の高さ付近であって、外周側部分の再生不良部分の存在により、Ca型陽イオン交換樹脂ビーズの占める面積が多くなっている。
これに対して、本運転方法の二段再生によるCa型陽イオン交換樹脂ビーズの分布は、図5(c)で示される。イオン交換樹脂床2の全体に対するCa型陽イオン交換樹脂ビーズが占める面積の比率が小さいことは、再生プロセス後の水処理プロセスにおいて、処理水(軟水)の採水量が増加することを意味する。また、イオン交換樹脂床2の底部において、Ca型陽イオン交換樹脂ビーズが占める面積の比率が小さいことは、水処理プロセスでの硬度リークレベルが低く、処理水の純度が高いことを意味している。
以上の説明から明らかなように、本運転方法の再生プロセスによれば、再生不良部分が減少するので、スプリット・フロー再生よりも多い量であって、並流再生よりやや少ない量の採水量を得ることができる。同時に、本運転方法の再生プロセスによれば、スプリット・フロー再生と同等の処理水の純度を確保することができる。更に、本運転方法の再生プロセスによれば、公知の並流再生及び部分向流再生の技術をそのまま利用できるので、イオン交換装置の開発コストを低減できるという付随効果も奏する。この付随効果は、本質的ではなく、公知の並流再生及び部分向流再生の技術を変形したものとしても良いことは勿論である。
(実施の形態1の再生プロセスの好適例1)
実施形態1に係る運転方法の再生プロセスは、好適例1〜4を含む。好適例1では、イオン交換装置1A,1B,1Cを硬水軟化装置とするとともに、イオン交換樹脂床2を強酸性陽イオン交換樹脂ビーズから構成する。そして、図6に示すように、深さD1が300〜1500mmのイオン交換樹脂床2に対し、底部を基点として深さD2が100mmの硬度リーク防止床6を設定する。
第2再生プロセスでは、硬度リーク防止床6に対する再生レベルR2が1.0〜6.0eq/L−Rとなる再生剤量U2を、硬度リーク防止床6に通過させる。再生レベルR2は、第2再生プロセス後の水処理プロセス(水軟化プロセス)において、硬度リーク防止床6によって硬度リーク量Yが1mgCaCO/L以下の軟水を製造可能なレベルである。再生剤として塩化ナトリウム(分子量:58.5)を使用した場合、再生レベルR2の範囲は、59〜351gNaCl/L−Rに相当する。
硬度リーク防止床6は、深さD3を有する下側部分樹脂床7の底部を占めるものある。下側部分樹脂床7において、硬度リーク防止床6とそれ以外の部分とは、視覚的に識別されるものではなく、仮想的なものである。硬度リーク防止床6は、所要の軟水の純度を確保する機能を持つ。
イオン交換樹脂床2の深さD1を300〜1500mmとするのは、次の理由による。まず、下限値について説明する。イオン交換樹脂床2の深さD1が極端に低い場合、再生剤の偏流やショートパスが起こりやすくなるため、再生効率が低下してしまう。また、イオン交換反応が起こる領域(イオン交換帯)の長さが伸びると、有効に利用できるイオン交換樹脂床2が少なくなるため、イオン交換容量(貫流交換容量)が少なくなる。従って、イオン交換樹脂床2の容量が20Lを超えるような硬水軟化装置の設計では、通常は800mm以上の深さが推奨される。しかしながら、特に小容量の硬水軟化装置であれば、300mm以上の深さを確保すれば実用できる。このため、300mmを下限値とする。
次に、上限値について説明する。本来、上限値は不要である。ただし、イオン交換樹脂床2の深さD1が高過ぎると、通水時の圧力損失が上昇したり、装置高さが高くなって運送上の問題が発生したりする。このような事情から、イオン交換樹脂床2の深さが1500mmを超える硬水軟化装置は、製造される可能性は低い。このため、1500mmを上限値とする。
硬度リーク防止床6の深さD2を100mmに設定する理由は、前記の第2の知見に基づくもので、次の通りである。まず、硬水軟化装置は、イオン交換樹脂床2の深さD1を300〜1500mmとすること;第2再生プロセスでは、硬度リーク防止床6に対する再生レベルR2が1.0〜6.0eq/L−Rとなる再生剤量U2を硬度リーク防止床6に通過させること;及び、再生レベルR2は、第2再生プロセス後の水処理プロセスにおいて、硬度リーク防止床6によって硬度リーク量Yが1mgCaCO/L以下の軟水を製造可能なレベルとすること、を前提としている。この前提において、硬度リーク防止床6を除くイオン交換樹脂床2で原水に含まれる硬度成分のほぼ99%を除去し、かつ硬度リーク防止床6で残り1%を除去するために、少なくとも100mmの深さD2を確保する。
再生レベルR2を1.0〜6.0eq/L−Rとするのは、次の理由による。再生レベル(eq/L−R)を横軸とし、再生率(%)を縦軸とした再生レベル−再生率特性において、下限値の1.0eq/L−R以下では、再生剤量が少なく、再生が不安定となる。また、上限値の6.0eq/L−Rは、実用性と経済性の観点から定めた値である。再生レベルR2は、より好ましくは、2.6〜5.1eq/L−Rとする。この範囲は、実験的に確認されたものである。より好ましい再生レベルR2は、下側部分樹脂床7の深さD3を250mmとして、この下側部分樹脂床7に対する再生レベルR21に換算すると、1.0〜2.1eq/L−Rに相当する。
好適例1においては、硬水軟化装置の再生プロセスを通じて、全再生レベルRが1.0〜4.1eq/L−Rとなる全再生剤量Uをイオン交換樹脂床2に通過させる。具体的には、第1再生プロセスでは、全再生剤量Uから前記の再生剤量U2(再生レベルR2から求められる再生剤量)を差し引いた残りの再生剤量U1を、イオン交換樹脂床2の全体に通過させる。一方、第2再生プロセスでは、再生剤量U2を硬度リーク防止床6に通過させる。つまり、全再生レベルRは、第1再生プロセス及び第2再生プロセスを通じての包括的な再生レベルとして定義される。
(実施の形態1の再生プロセスの好適例2)
前記の好適例1においては、次のように構成するのが好ましい。好適例2では、第2再生プロセスにおける集液位置の深さD3を、イオン交換樹脂床2の底部を基点としてD2〜0.8×D1に設定し、より好ましくは、D2〜0.5×D1に設定する。
深さD3の下限値は、中間集液位置が硬度リーク防止床6の深さD2以上でないと、硬度リーク防止床6の再生が十分に行われないので、深さD2と同じ値とする。深さD3の上限値は、イオン交換樹脂床2の汚染と流動を防止する観点から、0.8×D1に設定する。底部からの集液位置の深さD3が高くなると、第2再生プロセスで発生した高濃度のCaイオンを含有する再生排液が、イオン交換樹脂床2を汚染しやすい。すなわち、第1再生プロセスで再生されたイオン交換樹脂床2に硬度成分が再吸着することにより、採水量が低下するおそれがある。また、底部からの集液位置の深さD3が高くなると、第2再生プロセス中に、再生剤の流れにより下側部分樹脂床7が流動しやすい。すなわち、下側部分樹脂床7に対して上側部分樹脂床の比率が小さく、下方への押圧力が小さい場合、樹脂ビーズが浮上することにより、再生剤との接触時間が短くなるおそれがある。このため、実用的な採水量を確保できる範囲内で、深さD3の上限値を0.8×D1に設定する。
更に、イオン交換樹脂床2の汚染と流動を確実に防止して、採水量を高めるためは、深さD3の上限値を0.5×D1とするのがより好ましい。なお、深さD3の上限値の例示は、臨界的意義を有するものではなく、変更可能である。
(実施の形態1の再生プロセスの好適例3)
前記の好適例1及び好適例2においては、次のように操作するのが好ましい。好適例3では、第1再生プロセスの後に、原水3をイオン交換樹脂床2の頂部へ配液しながら、イオン交換樹脂床2の底部から集液することにより、原水3の下降流を生成して、導入された再生剤5を押し出す第1押出プロセスを行う。そして、第2再生プロセスの後にも、原水3をイオン交換樹脂床2の底部へ配液しながら、イオン交換樹脂床2の中間部で集液することにより、原水3の上昇流を生成して、導入された再生剤5を押し出す第2押出プロセスを行う。
好適例3では、第1押出プロセスを行うことにより、第1再生プロセスで使用される再生剤量U1を、無駄なくイオン交換樹脂床2の末端まで通過させ、かつ樹脂ビーズから脱離した硬度成分が再吸着することを防止する。このため、第1再生プロセスの再生効率を上げることができる。また、第2再生プロセスを行う前に、第1再生プロセスで脱離した硬度成分を、硬度リーク防止床6から系外へ排出するので、第2再生プロセスの再生効率を上げることができる。
更に、第1及び第2押出プロセスでは、押出水として処理水(軟水)を使用しない。このため、押出プロセスに処理水を使用する従来の硬水軟化装置と比較して、処理水の貯留タンク及び送水ポンプが不要となる。加えて、硬水軟化装置の流路を切り換えるプロセス制御バルブの構造を簡素化できるメリットがある。
ここで、上記の運転方法に係る実施形態1を実現するイオン交換システムに用いるイオン交換装置1について説明する。イオン交換装置1は、同一種のイオン交換樹脂ビーズからなるイオン交換樹脂床2に、再生剤5を通液して再生するものである。イオン交換装置1は、イオン交換樹脂床2;イオン交換樹脂床2の頂部に設けた第1配液部8;イオン交換樹脂床2の底部に設けた第2配液部10;イオン交換樹脂床2の底部に設けた第1集液部9;イオン交換樹脂床2の中間部に設けた第2集液部11;及びバルブ手段を備えている。このイオン交換装置1として、WO07/23796号公報に記載の構造のイオン交換装置を用いることができる。
前記バルブ手段は、少なくとも次の流れを切換可能に構成されている。
(a)原水3を第1配液部8へ配水しながら、第1集液部9で集液することにより原水3の下降流を生成して、処理水4を製造する水処理プロセスの流体の流れ
(b)再生剤5を第1配液部8へ配液しながら、第1集液部9で集液することにより再生剤5の下降流を生成して、イオン交換樹脂床2の全体を再生させる第1再生プロセスの流体の流れ
(c)再生剤5を第2配液部10へ配液しながら、第2集液部11で集液することにより再生剤5の上昇流を生成して、下側部分樹脂床7を再生させる第2再生プロセスの流体の流れ
更に、イオン交換装置1は、バルブ手段を制御して、水処理プロセス,第1再生プロセス及び第2再生プロセスを順に切り換える制御手段を備えている。制御手段は、第1再生プロセスを行った後、第2再生プロセスに切換えて、イオン交換樹脂床2の再生を二段階で行う。
(イオン交換装置の好適例1)
前記イオン交換装置1は、好適例1〜3を含む。好適例1〜3は、硬水軟化装置である。好適例1では、深さD1が300〜1500mmのイオン交換樹脂床2に対し、底部を基点として深さD2が100mmの硬度リーク防止床6を設定する。第2再生プロセスでは、硬度リーク防止床6に対する再生レベルR2が1.0〜6.0eq/L−Rとなる再生剤量U2を硬度リーク防止床6に通過させる。そして、再生レベルR2は、第2再生プロセス後の水処理プロセス(水軟化プロセス)において、硬度リーク防止床6によって硬度リーク量Yが1mgCaCO/L以下の軟水を製造可能なレベルである。
(イオン交換装置の好適例2)
前記の好適例1においては、次のように構成するのが好ましい。好適例2では、硬水軟化装置の再生プロセスを通じて、全再生レベルRが1.0〜4.1eq/L−Rとなる全再生剤量Uをイオン交換樹脂床2に通過させる。具体的には、第1再生プロセスでは、全再生剤量Uから前記の再生剤量U2(再生レベルR2から求められる再生剤量)を差し引いた残りの再生剤量U1を、イオン交換樹脂床2の全体に通過させる。一方、第2再生プロセスでは、再生剤量U2を硬度リーク防止床6に通過させる。
(イオン交換装置の好適例3)
前記の好適例2においては、次のように構成するのが好ましい。好適例3では、硬水軟化装置は、全再生レベルRを1.0〜4.1eq/L−Rの範囲内で任意に選択可能な選択手段を備える。そして、制御手段は、選択された全再生レベルRに対応して、再生レベルR2を1.0〜6.0eq/L−R、好ましくは2.6〜5.1eq/L−Rの範囲で設定する。再生レベルR2は、全再生レベルRの増加に伴って増加する関係の設定値である。好適例3によれば、高い全再生レベルRを選択しても、第2再生プロセスで必要以上の再生剤を使用しない。従って、第1再生プロセスでの再生剤の使用割合を多くすることができるので、採水量を増加させることができる。
(イオン交換装置の構成要素)
前記イオン交換装置1の構成要素について説明する。イオン交換樹脂ビーズは、陽イオン交換樹脂ビーズ及び陰イオン交換樹脂ビーズのうち、いずれかを選択できる。また、再生剤は、陽イオン交換樹脂ビーズを用いる硬水軟化装置では、塩化ナトリウム,塩化カリウム,水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等を利用できる。イオン交換樹脂床2は、特定の構成に限定されない。例えば、ケイ石や不活性樹脂からなる支持床上に積層されていてもよい。イオン交換樹脂床2は、樹脂貯槽内に配置される。樹脂貯槽は、特定の形状,構造及び材質に限定されない。
第1配液部8は、好ましくは、イオン交換樹脂床2の頂部から再生剤5をイオン交換樹脂床2の横断面に亘り、できるだけ均等に流す構造とする。このため、第1配液部8は、再生剤5をイオン交換樹脂床2の横断面に亘り分散させる構造が望ましい。しかしながら、イオン交換樹脂床2の上部にフリー・ボードが存在し、この空間に再生剤5が貯留されれば、再生剤5がイオン交換樹脂床2の横断面に亘ってほぼ均等に流れる。このため、第1配液部8の分散構造は、必須の要件ではない。
第1集液部9は、好ましくは、イオン交換樹脂床2の底部から再生剤5をイオン交換樹脂床2の横断面に亘り、できるだけ均等に収集する構造とする。このため、イオン交換樹脂床2の下にケイ石や不活性樹脂からなる支持床を設け、支持床中に第1集液部9を配置することが望ましい。なお、樹脂貯槽を円筒形状とする場合には、第1集液部9のサイズ(例えば、外径)は、樹脂貯槽の下端部または上端部に形成した開口から挿入可能であることが望ましい。第1集液部9のサイズを小型化しておくことで、装置の組み立てが容易になる。
第2配液部10は、好ましくは、第1集液部9と兼用するが、これに限定されるものではない。すなわち、第2配液部10は、第1集液部9と個別に設けてもよい。
第2集液部11は、好ましくは、イオン交換樹脂床2の中間部から再生剤5をイオン交換樹脂床2の横断面に亘り、できるだけ均等に収集する構造のものとする。とは言え、現実的には、イオン交換樹脂床2の中間部において、均等な収集は困難である。勿論、第2集液部11を水平方向に広げる構造とすれば、より均等な収集が可能である。しかしながら、第2集液部11では、実際に液が流入する孔の位置や数が限定される関係上、偏流を避けることはできない。なお、樹脂貯槽を円筒形状とする場合には、第2集液部11のサイズ(例えば、外径)は、樹脂貯槽の下端部または上端部に形成した開口から挿入可能であることが望ましい。第2集液部11のサイズを小型化しておくことで、装置の組み立てが容易になる。
バルブ手段は、適正な個数のバルブにより構成される。バルブ手段は、イオン交換装置1の各プロセスにおける流体の流れを制御できるものであれば、特定の構成に限定されない。
<イオン交換システムの運転方法の実施形態2>
本発明は、上記の実施形態1に限定されるものではなく、他の実施形態2を含む。実施形態2は、実施形態1の第2再生プロセスを変形したものである。実施形態2での第2再生プロセスは、図7〜9に示すように、再生剤5の上昇流に加えて、イオン交換樹脂床2の頂部へ再生剤5を配液しながら、中間部で集液する下降流を有する。第2再生プロセス以外は、実施の形態1と同様であるので、図7〜図9において実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
実施形態2においては、下側部分樹脂床7の部分向流再生に加えて、第2集液部11よりも上方の上側部分樹脂床の部分並流再生を同時に行うことになる。部分向流再生及び部分並流再生を同時に行う第2再生プロセスは、従来のスプリット・フロー再生に準じる技術である。しかしながら、実施形態2は、第2再生プロセスに先行して、第1再生プロセスで全体並流再生を行う点で、スプリット・フロー再生とは本質的に異なる。
実施形態2においては、実施形態1と同様に、イオン交換樹脂床2を陽イオン交換樹脂ビーズから構成することにより、イオン交換装置1を硬水軟化装置とすることができる。硬水軟化装置においては、好ましくは、深さD1が300〜1500mmのイオン交換樹脂床2に対し、底部を基点として深さD2が100mmの硬度リーク防止床6を設定する。第2再生プロセスでは、硬度リーク防止床6に対する所定再生レベルR2が1.0〜6.0eq/L−Rとなる再生剤量U2を硬度リーク防止床6に通過させる。再生レベルR2は、第2再生プロセス後の水処理プロセス(水軟化プロセス)において、硬度リーク防止床6によって硬度リーク量Yが1mgCaCO/L以下の軟水を製造可能なレベルである。
また、硬水軟化装置においては、第2再生プロセスにおける集液位置の深さD3を、イオン交換樹脂床2の底部を基点としてD2〜0.8×D1に設定し、より好ましくは、D2〜0.5×D1に設定する。更に、部分向流再生及び部分並流再生の再生剤の配分は、部分向流再生の再生剤量を、部分並流再生の再生剤量よりも多くするのが好ましい。しかしながら、部分向流再生及び部分並流再生の再生剤の配分は、両者を等量としてもよい。
実施形態2によれば、スプリット・フロー再生に適用される樹脂貯槽及び/又はバルブ手段を、そのまま使用できる。
<イオン交換装置の運転方法の実施形態3>
この実施の形態3の運転方法は、複数のイオン交換装置を2基とした場合の運転方法である。まず、図10に示す第1処理において、直列に接続した第1イオン交換装置1A,第2イオン交換装置1Bのイオン交換樹脂床2に対し、原水3を下降流で順次通過させて処理水を製造する直列通水の水処理プロセスを行う。この水処理プロセスは、実施の形態1および実施の形態2と同様に行われる。
ついで、図10に示す第1処理において、直列接続の上流側の第1イオン交換装置1Aに再生プロセスの要求が生ずると、図11の第2処理を行う。この第2処理は、上流側の第1イオン交換装置1Aを再生対象としてイオン交換樹脂床2に対し、再生剤5を通過させる再生プロセスを行う。この再生プロセスは、実施の形態1または実施の形態2と同様に行われる。この再生プロセスと並行して、直列接続の下流側の第2イオン交換装置1Bのみで、水処理プロセスを行う。
図11に示す第2処理において、第1イオン交換装置1Aの再生プロセスが終了すると、図12の第3処理を行う。この第3処理は、第1処理において直列接続の下流側イオン交換装置であった第2イオン交換装置1B、再生プロセスが終了した第1イオン交換装置1Aを、それぞれ図12に示すように上流側イオン交換装置,下流側イオン交換装置として直列通水の水処理プロセスを行う。
この第3処理において、直列接続の上流側の第2イオン交換装置1Bに再生プロセスの要求が生ずると、図13の第4処理を行う。この第2処理は、上流側の第2イオン交換装置1Bを再生対象として再生プロセスを行う。この再生プロセスと並行して、直列接続の下流側の第1イオン交換装置1Aのみで、水処理プロセスを行う。
そして、第4処理において、再生対象の第2イオン交換装置1Bの再生プロセスが終了すると、図1の第1処理が再び行われる。
このように、この実施の形態4の運転方法は、図14に示すように、第1イオン交換装置1A,第二イオン交換装置1Bに対して、第1〜第4処理における通水対象となるイオン交換装置と再生対象となるイオン交換装置をローテーションするように構成されている。
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上記の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1A,1B,1C イオン交換装置(硬水軟化装置)
2 イオン交換樹脂床
3 原水
4 処理水(軟水)
5 再生剤
6 硬度リーク防止床
8 第1配液部
9 第1集液部
10 第2配液部
11 第2集液部
D1 イオン交換樹脂床の深さ
D2 硬度リーク防止床の深さ
D3 集液位置の深さ(下側部分樹脂床の深さ)

Claims (4)

  1. 深さD1を有するイオン交換樹脂床を有する複数のイオン交換装置を備え、
    互いに直列に接続した複数の前記イオン交換装置のイオン交換樹脂床に対し、原水を下降流で順次通過させて処理水を製造する直列通水の水処理プロセスを行い、
    前記直列接続の上流側イオン交換装置に再生プロセスの要求が生ずると、前記上流側イオン交換装置を再生対象としてイオン交換樹脂床に対し、再生剤を通過させる再生プロセスを行うとともに、
    前記直列接続の下流側イオン交換装置、再生プロセスが終了したイオン交換装置を、それぞれ前記上流側イオン交換装置,前記下流側イオン交換装置として前記直列通水の水処理プロセスを行うイオン交換システムの運転方法であって、
    前記イオン交換樹脂床は、同一種のイオン交換樹脂ビーズからなり;
    前記再生プロセスは、第1再生プロセス及び当該第1再生プロセス終了後に行われる第2再生プロセスを含み;
    前記第1再生プロセスは、再生剤を前記イオン交換樹脂床の頂部へ配液しながら、前記イオン交換樹脂床の底部で集液することにより再生剤の下降流を生成して、前記イオン交換樹脂床の全体を再生させるプロセスであり;
    前記第2再生プロセスは、再生剤を前記イオン交換樹脂床の底部へ配液しながら、前記イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の上昇流を生成して、前記イオン交換樹脂床の一部を再生させるプロセスである、イオン交換システムの運転方法。
  2. 請求項1において、
    前記第2再生プロセスは、再生剤を前記イオン交換樹脂床の底部へ配液しながら、前記イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の上昇流を生成して、前記イオン交換樹脂床の一部を再生させるとともに、再生剤を前記イオン交換樹脂床の頂部へ配液しながら、前記イオン交換樹脂床の中間部で集液することにより再生剤の下降流を生成して、前記イオン交換樹脂床の他部を再生させる、イオン交換システムの運転方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    イオン交換装置は、硬水軟化装置であり;
    前記イオン交換樹脂床は、強酸性陽イオン交換樹脂ビーズからなり;
    深さD1が300〜1500mmの前記イオン交換樹脂床に対し、底部を基点として深さD2が100mmの硬度リーク防止床が設定されており;
    前記第2再生プロセスは、前記硬度リーク防止床に対する再生レベルR2が1.0〜6.0eq/L−Rとなる再生剤量U2を前記硬度リーク防止床に通過させるプロセスであり;
    前記再生レベルR2は、前記第2再生プロセス後の前記水処理プロセスにおいて、前記硬度リーク防止床によって硬度リーク量Yが1mgCaCO3/L以下の軟水を製造可能なレベルである、イオン交換システムの運転方法。
  4. 請求項3において、
    前記第2再生プロセスにおける集液位置の深さD3は、前記イオン交換樹脂床の底部を基点としてD2〜0.8×D1に設定される、イオン交換システムの運転方法。
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