JP2012125264A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技状態によって遊技球を進入させる遊技領域が異なる遊技機であって、入球割合が変化可能な始動領域へ、遊技状態に関わらず進入させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技領域は、第1始動口9と第3始動口47と作動領域が設けられた左打ち遊技領域と、第2始動口10と大入賞口11と普通図柄ゲートが設けられた右打ち遊技領域とから構成される。メインCPUは、第1始動口に入球した場合は第1保留を取得し、第2または第3始動口に入球した場合は第2保留を取得する。第2始動口には可動片10bが設けられ、普通図柄ゲートを遊技球が通過し、遊技状態に応じた普通図柄の判定に当選すると、遊技状態に応じた時間が経過するまで、第2始動口は入球容易な態様に変化する。第3始動口には開閉部材が設けられ、作動領域に入球すると、第3始動口は入球容易な開放態様に変化し、入球すると第3始動口は入球不可能な閉鎖態様に変化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技機に関する。
従来、遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入することで大当たりか否かを抽選する権利を獲得することができ、当該権利を行使して行った抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技が実行される遊技機が知られている。この大当たり遊技では、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置が開放され、遊技者は、特別可変入賞装置に遊技球を入球させることで多量の遊技球を獲得することができる。
また、電動に変化する始動領域であって、大当たり遊技終了後に移行する特定の遊技状態(いわゆる時短遊技状態)においては遊技球の進入が容易になるが、通常の遊技状態(非時短遊技状態)では遊技球の進入が困難または不可能となる始動領域が知られている。このように遊技状態によって遊技球の進入割合が変化する始動領域は、例えば、閉鎖することにより遊技球の進入が困難または不可能となり、開放することにより遊技球の進入が容易となり、電動可変始動領域や電動チューリップなどとよばれる。
さらに、電動可変始動領域と変化しない始動領域とをそれぞれ有し、特別可変入賞装置や可変始動領域が盤面正面視右寄りに配置され、変化しない始動領域が盤面の略中央または盤面正面視左寄りに配置された遊技機が知られている。このような遊技機では、盤面の遊技領域が左右に分かれており、大当たり遊技中や時短遊技状態中は、特別可変入賞装置や電動可変始動領域に入球させるために遊技球を盤面右側の遊技領域に向けて発射する(いわゆる右打ち)。一方、非時短遊技状態中は、変化しない始動領域に入球させるために遊技球を盤面左側の遊技領域に向けて発射する(いわゆる左打ち)。
このように、左打ちと右打ちを打ち分けることにより、一つの遊技機であっても複数の遊技性を備えているかのような印象を遊技者に与えることで、遊技の面白みに深みを付加することが可能になる(特許文献1参照)。
特開2007−275435号公報
上記のような遊技機では、遊技球を弱い強度で打ち出す左打ちを行うと、遊技球は遊技領域の左側を通過して中央付近に流下し、強い強度で遊技球を打ち出す右打ちを行うと、遊技球は遊技領域の右側を流下する。
そして、右側の遊技領域に設けられた電動可変始動領域は、所定条件が成立すると電動によって開放されるようになっている。また、非時短遊技状態であるときよりも時短遊技状態であるときの方が、この所定条件が成立しやすかったり、遊技球が入球しやすい開放態様となっていたりするのが一般的である。
しかしながら、このように電動可変始動領域を遊技領域の右側に配置すると、左打ちを行った場合は当該電動可変始動領域に遊技球を進入させることは困難となる。そのため、非時短遊技状態であるときは、遊技者は遊技領域の左側または中央付近に配置された変化しない始動領域にしか遊技球を進入させることができない。したがって、非時短遊技状態においては、単に遊技球を変化しない始動領域に向けて発射するのみとなり、マンネリ化などによって遊技の興趣が低下してしまう虞があった。
そこで、電動可変始動領域を、遊技領域の左側と右側とのどちらに発射しても遊技球の進入が可能な位置に設けることも考えられるが、このような配置にするためには、遊技球の流路の調整が困難であり、とくに遊技盤に設けた液晶表示装置などの演出装置を大型化した場合には、流路の調整が可能な範囲も限られてしまいさらに困難である。したがって、電動可変始動領域を遊技領域の左側と右側とのいずれに発射しても進入可能な位置に設けるためには演出装置の小型化などが必要となり、演出のバランスが崩れてしまう虞がある。
また、電動可変始動領域を遊技領域の左側または中央付近と、遊技領域の右側との2カ所に設けることが考えられるが、このような場合、2個の電動可変始動領域の制御が煩雑になってCPUの制御負担が増してしまい好ましくない。
さらに、せっかく電動可変入賞装置を2カ所に設けても、上記のように非時短遊技状態であるときは時短遊技状態に比して開放機会が少ないため、遊技者は電動可変始動領域の開放を見逃してしまう可能性が高い。
そこで、本発明は、遊技領域が複数の領域から構成され、時短遊技状態であるときと非時短遊技状態であるときとでは異なる領域に遊技球を進入させる遊技機であって、遊技状態に関わらず入球割合が変化する始動領域へ入球させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
第1の発明に係る遊技機は、遊技球を発射する発射手段と、前記発射手段により遊技球を発射させる発射操作を受け付ける発射操作手段と、前記発射操作手段による第1の発射操作によって発射された遊技球が進入する第1進入領域と、前記発射操作手段による第2の発射操作によって発射された遊技球が進入する第2進入領域とから構成される遊技領域とを有する遊技機であって、前記第2進入領域に進入した遊技球に比して前記第1進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された第1始動領域と、前記第1進入領域に進入した遊技球に比して前記第2進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された第2始動領域と、前記第2進入領域に進入した遊技球に比して前記第1進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された第3始動領域と、前記第2進入領域に進入した遊技球に比して前記第1進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された作動領域と、前記第1進入領域に進入した遊技球に比して前記第2進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された特別可変入賞装置と、前記第1始動領域、前記第2始動領域および第3始動領域のいずれかに遊技球が進入したことを契機として、遊技者に付与する遊技利益を決定するために用いられる判定情報を取得する判定情報取得手段と、前記判定情報取得手段によって取得された前記判定情報に基づいて、少なくとも前記特別可変入賞装置が開放される特別遊技の実行の有無、および該特別遊技の実行終了後の遊技状態が含まれる遊技利益を決定する遊技利益決定手段と、前記遊技利益決定手段によって前記特別遊技を実行するとする前記遊技利益が決定されたことを条件に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記第2始動領域への遊技球の入球を不可能または困難とする閉鎖態様および該閉鎖態様よりも前記第2入賞領域への遊技球の入球を容易とする開放態様に変化可能な第1可変入賞装置と、前記第3始動領域への遊技球の入球を不可能または困難とする閉鎖態様および該閉鎖態様よりも前記第3始動領域への遊技球の入球を容易とする開放態様に変化可能な第2可変入賞装置と、前記第1可変入賞装置を前記閉鎖態様または前記開放態様のいずれかの状態にて制御する第1可変入賞装置制御手段と、前記遊技利益決定手段によって決定された前記遊技利益に基づいて、前記第2進入領域に進入した遊技球の前記第2始動領域への入球割合が前記第1進入領域に進入した遊技球の前記第1始動領域への入球割合よりも高くなるように、前記第1可変入賞装置制御手段が前記第1可変入賞装置の制御を行う特定遊技状態と、前記第2進入領域に進入した遊技球の前記第2始動領域への入球割合が前記第1進入領域に進入した遊技球の前記第1始動領域への入球割合よりも低くなるように、前記第1可変入賞装置制御手段が前記第1可変入賞装置の制御を行う非特定遊技状態と、のいずれかの遊技状態にて前記特別遊技終了後の遊技を制御する遊技状態制御手段と、前記作動領域に入球した遊技球の自重によって、前記第2可変入賞装置を前記閉鎖態様から前記開放態様へと変化させる第1作動部と、前記第3始動領域に入球した遊技球の自重によって、前記第2可変入賞装置を前記開放態様から前記閉鎖態様へと変化させる第2作動部と、を備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、遊技領域には、第1進入領域と第2進入領域とが形成されている。そして、第1始動領域、第3始動領域および作動領域は、第1進入領域に進入した遊技球が入球しやすく、また、第2始動領域と特別可変入賞装置は第2進入領域に進入した遊技球が入球しやすい。なお、本発明における第1の発射操作とは、遊技球を第1進入領域に進入させる操作をいうものであり、本発明における第2の発射操作とは、遊技球を第2進入領域に進入させる操作をいうものである。
また、第1始動領域、第2始動領域または第3始動領域のいずれかに遊技球が進入すると判定情報を取得し、当該判定情報に基づいて遊技者に付与する遊技利益が決定される。この遊技利益とは、例えば、特別遊技の実行の有無、特別遊技実行後の遊技状態、特別遊技の実行中における特別可変入賞装置の開放態様などである。そして、特別遊技を実行するとする遊技利益が決定されると特別可変入賞装置が開放される特別遊技が実行される。
さらに、特別遊技の実行後は、決定された遊技利益に基づいて特定遊技状態と非特定遊技状態とのいずれかの遊技状態にて制御される。この特定遊技状態においては、第1可変入賞装置が第2始動領域への遊技球の入球が容易になるように制御される。また、非特定遊技状態においては、第2始動領域への進入割合よりも第1始動領域への進入割合が高くなるように第1可変入賞装置が制御される。
したがって、遊技者は、特別遊技の実行中と特定遊技状態においては、特別可変入賞装置と第2始動領域に遊技球を進入させるために第2進入領域に遊技球を進入させることになる。
また、第1可変入賞装置は、第1可変入賞装置によって遊技状態に応じて変化を制御する一方、第2可変入賞装置は、第1作動部または第2作動部によって変化させる。具体的には、第2可変入賞装置は、作動領域に進入した遊技球の自重によって開放態様に変化して第3始動領域への遊技球の進入を容易にし、また、第3始動領域に進入した遊技球の自重によって閉鎖態様に変化して第3始動領域への遊技球の進入を困難または不可能にする。すなわち、第3始動領域に遊技球を進入させるには、まず、作動領域に遊技球を進入させて第2可変入賞装置を開放態様に変化させることを要し、第3始動領域に遊技球が進入すると第2可変入賞装置は再び閉鎖態様に変化する。なお、遊技球の自重とは、遊技球1個分の自重であってもよいし、複数の遊技球の自重であってもよい。
このように、第3始動領域は、遊技状態に関わりなく、進入容易な状態と進入困難または不可能な状態とに変化する。したがって、非特定遊技状態においては、第1進入領域に遊技球を進入させることにより、第1始動領域へ進入させるほかに、作動領域や第3始動領域へ遊技球を進入させて第2可変入賞装置を変化させることができる。
第2の発明は、第1の発明に係る遊技機であって、前記判定情報取得手段は、前記第1始動領域に遊技球が入球したことを契機に前記判定情報として第1判定情報を取得する第1判定情報取得手段と、前記第2始動領域または前記第3始動領域に遊技球が入球したことを契機に前記判定情報として第2判定情報を取得する第2判定情報取得手段と、からなり、前記遊技利益決定手段は、前記第2判定情報に基づいて前記遊技利益を決定する場合、前記第1判定情報に基づいて前記遊技利益を決定する場合よりも遊技者に有利な遊技利益を決定する割合が高いことを特徴とする。
第2の発明によれば、第1始動領域に進入した場合は第1判定情報を取得し、第2始動領域と第3始動領域とのいずれかに遊技球が進入した場合は第2判定情報を取得する。そして、第2判定情報に基づいて決定される遊技利益は、第1判定情報に基づいて決定される遊技利益よりも遊技者に有利となる割合が高い。
例えば、特別遊技の実行の有無、特別遊技実行後の遊技状態、特別遊技の実行中における特別可変入賞装置の開放態様などが、第1判定情報に基づいて遊技利益を決定した場合よりも、第2判定情報に基づいて遊技利益を決定した場合の方が、遊技者に有利になり易い。
したがって、特定遊技状態においては、第2始動領域に遊技球が入球しやすくなるので、遊技者に有利な判定情報を取得しやすい。また、非特定遊技状態においても、作動領域に遊技球を進入させることにより、第3始動領域へ遊技球を進入させて遊技者に有利な判定情報を取得することが可能になっている。したがって、非特定遊技状態においても、遊技者は有利な判定情報を取得することができるという期待感を抱いて遊技を行うことができる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る遊技機であって、前記第2可変入賞装置と前記第1作動部と前記第2作動部とは互いに連結されており、前記第1作動部は、前記第2作動部が遊技球の自重によって下降すると上昇し、前記第2作動部は、前記第1作動部が遊技球の自重によって下降すると上昇し、前記可変入賞装置は、前記第1作動部の上昇に伴って前記前記閉鎖態様に変化し、前記第2作動部の上昇に伴って前記開放態様に変化することを特徴とする。
第3の発明によれば、第2可変入賞装置と第1作動部と第2作動部とは互いの態様に作用するように連結している。つまり、第1作用部が遊技球の自重によって下降すると第2作用部が上昇し、可変入賞装置が開放態様に変化する。また、第2作用部が遊技球の自重によって下降すると第2作用部が上昇し、第2可変入賞装置が閉鎖態様に変化する。このように、第1作用部と第2作用部とは機構的に連動しており、第2可変入賞装置は、この第1作用部と第2作用部との動きに応じて態様が変化する。
なお、第2可変入賞装置と第1作動部と第2作動部とは、第1作動部と第2作動部が板状のシーソーの一端と他端とを形成し、当該シーソーの支点の角度によって第2可変入賞装置が変化するようになっていてもよい。また、第1作用部と第2作用部とが滑車を介してベルトなどによって互いに作用するように連結されており、第2可変入賞装置が滑車の回転角度やチェーンの所定部分の位置によって変化するようにしてもよい。その他、遊技球の自重によって第1作用部または第2作用部が作動することで、他方の作用部が遊技球の自重を受けることができる態様に変化するとともに、第2可変入賞装置が閉鎖態様と開放態様とに変化することができる構造を有する連結形態であればよい。いずれにせよ、第1作動部と第2作動部とは、遊技球の重さを利用して作動し、この作動を利用して第2可変入賞装置の態様が変化するようになっている。
本発明によれば、遊技状態によって遊技球を進入させる遊技領域が異なる遊技機であっても、入球割合が変化可能な始動領域へ、遊技状態に関わらず進入させることが可能となる。
遊技機の正面図である。 第1ステージおよび第2ステージの部分の拡大斜視図である。 開閉部材が閉鎖態様であるときにおける、可変ユニットの斜視図である。 開閉部材が開放態様であるときにおける、可変ユニットの斜視図である。 作動領域に遊技球が入球したときにおける、可変ユニットの右側面図である。 第3始動口に遊技球が入球したときにおける、可変ユニットの右側面図である。 遊技機の裏面側の斜視図である 遊技機のブロック図である。 大当たり判定テーブルと当たり判定テーブルの一例を示す図である。 図柄決定テーブルの一例を示す図である。 遊技状態変更フラグ決定テーブルおよび大当たり終了時設定データテーブルの一例を示す図である。 特別電動役物作動態様決定テーブルの一例を示す図である。 長当たり用開放態様決定テーブルと短当たり用開放態様決定テーブルと小当たり用開放態様決定テーブルとの一の例を示す図である。 変動パターン決定テーブルの一例を示す図である。 主制御基板におけるメイン処理を示す図である。 主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。 主制御基板における入力制御処理を示す図である。 主制御基板における第1始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。 主制御基板における第2始動口検出スイッチおよび第3始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。 主制御基板における特図特電制御処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示す図である。 主制御基板における大当り判定処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄変動処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄停止処理を示す図である。 主制御基板における大当たり遊技処理を示す図である。 主制御基板における小当たり遊技処理を示す図である。 主制御基板における大当たり遊技終了処理を示す図である。 主制御基板における普図普電制御処理を示す図である。 主制御基板における普通図柄変動処理を示す図である。 主制御基板における普通電動役物制御処理を示す図である。 演出制御基板におけるメイン処理を示す図である。 演出制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。 演出制御基板におけるコマンド解析処理1を示す図である。 演出制御基板におけるコマンド解析処理2を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の遊技機の一例を示す正面図であり、図2は第1ステージ44及び第2ステージ45の部分の斜視図であり、図3から図6は可変ユニット48を示す図面であり、図7は遊技機の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2を設けており、遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。このガラス枠110には操作ハンドル3が回動可能に設けられている。
遊技者が操作ハンドル3に触れると、操作ハンドル3内にあるタッチセンサ3bが、操作ハンドル3に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。そして、操作ハンドル3の回転角度を変化させると、操作ハンドル3に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。この発射ボリューム3aの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。そして、発射用ソレノイド4aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド4aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル3の回動角度に応じた強さで、遊技領域6に向けて遊技球を発射する。本実施形態では、遊技球発射機構が発射手段を構成し、操作ハンドル3が発射操作手段を構成する。
上記のようにして発射された遊技球は、レール5a、5b間を上昇して遊技盤2の上部位置に達した後、発射の強さに応じて、第1進入領域6cか第2進入領域6dのいずれかの進入領域に進入し、左打ち遊技領域6aまたは右打ち遊技領域6bを落下する。具体的には、遊技機1の正面視において、遊技領域6の幅方向の中心よりも左側に第1進入領域6cが設けられ、上記中心よりも右側に第2進入領域6dが設けられている。したがって、操作ハンドル3の回動角度が所定角度よりも小さい場合には、遊技球が第1進入領域6cに進入し、操作ハンドル3の回動角度が所定角度よりも大きい場合には、遊技球が第2進入領域6dに進入することとなる。なお、第1進入領域6cに遊技球が進入する操作ハンドル3の回動操作(回動角度)が本発明の第1の発射操作であり、第2進入領域6dに遊技球が進入する操作ハンドル3の回動操作(回動角度)が本発明の第2の発射操作である。
また、上記左打ち遊技領域6aには、複数の一般入賞口7が設けられている。これら各一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記左打ち遊技領域6aの下部位置には、遊技球が入球可能な第1始動口9と第3始動口47が設けられている。また、上記右打ち遊技領域6bの下部位置には、第2始動口10が設けられている。
第1始動口9の真下に設けられた第3始動口47は、開閉部材49を有しており、この開閉部材49は手前側と奥側とに移動可能になっている。本実施形態では、開閉部材49が手前側に移動している状態を閉鎖態様といい、開閉部材49が奥側に停止している状態を開放態様という。そして、開閉部材49が手前側に停止しており閉鎖態様であるときは、当該開閉部材49が第3始動口47の上方を覆う障害物となり第3始動口47への遊技球の進入を不可能としている。一方で、開閉部材49が奥側に停止しており開放態様であるときは、第3始動口47への遊技球の進入が可能になっている。
なお、左打ち遊技領域6aは、左打ち遊技領域6aを流下する遊技球が第3始動口47へ収束するように流路が釘等によって形成されている。したがって、第3始動口47が開放態様であるときは、左打ち遊技領域6aに進入し、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球が、第3始動口47へ入球しやすくなっている。特に、上述のように、第3始動口47は第1始動口9の真下に設けられているため、第1始動口9付近に到達したものの第1始動口9に入球しなかった遊技球は、第3始動口47が開放態様であれば高確率で第3始動口47に入球することになる。
この開閉部材49は、遊技球の自重によって閉鎖態様と開放態様とに変化する。具体的には、第3始動口47に入球した遊技球と、後述する作動領域46作動領域46に入球した遊技球とが到達する可変ユニット48が設けられており、当該可変ユニット48に遊技球が到達して該遊技球の自重が係ることにより、開閉部材49が開放態様と閉鎖態様とに変化する。より詳しくは図3から図6を用いて後述する。本実施形態では、閉鎖態様に変化して第3始動口47への遊技球の入球を不可能にし、開放態様に変化することにより第3始動口47への遊技球の入球を容易にする開閉部材49が第2可変入賞装置を構成する。
第2始動口10は、一対の可動片10bを有しており、これら一対の可動片10bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片10bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口10が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口10の真上に位置する障害物10dによって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。一方で、第2始動口10が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口10は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。本実施形態では、閉状態と開状態とに変化する一対の可動片10bが第1可変入賞装置を構成する。また、一対の可動片10bが閉状態に維持された態様が閉鎖態様に相当し、一対の可動片10bが開状態に維持された態様が開放態様に相当する。
この第2始動口10は、詳しくは後述する普通図柄の抽選において当選した場合に、所定時間開放される。また、この普通図柄の抽選は、右打ち遊技領域6bに設けられた普通図柄ゲート8(後述)を遊技球が通過したことを契機として行われるものである。
ただし、第2始動口10は第2の態様に変化しても所定時間が経過すると第1の態様に変化する。この所定時間は非時短遊技状態においては短時間であり、遊技球の多量の入球は困難である。そのため、非時短遊技状態においては、右打ち遊技領域6bに遊技球を進入させても第2始動口10に遊技球を進入させることは困難である。一方、時短遊技状態においては、後述のように、普通図柄の抽選に当選する割合が上昇し、かつ、第2始動口10が第2の態様に変化している時間も長時間となる。したがって、遊技者は、始動口に遊技球を多く入球させるためには、非時短遊技状態においては左打ち遊技領域6aに遊技球を進入させ、第2の態様に変化している時間が長くなる時短遊技状態においては、遊技球を右打ち遊技領域6bに進入させるのが最良となる。
なお、第1始動口9は可変入賞装置に相当する部材を有していないため、第1始動口9への遊技球の入球割合が変化することはない。
また、3個の始動口(第1始動口9、第2始動口10、第3始動口47)への遊技球の入球割合を比較すると、第2始動口10が第2の態様であるときに右打ち遊技領域6bに進入した遊技球が第2始動口10に入球する割合と、第3始動口47が開放態様であるときに左打ち遊技領域6aに進入した遊技球が第3始動口47に入球する割合は、左打ち遊技領域6aに進入した遊技球が第1始動口9へ入球する割合よりも高い。一方、第2始動口10が第1の態様であるとき、および第3始動口47が閉鎖態様であるときは、左打ち遊技領域6aに進入した遊技球が第1始動口9に入球する割合が最も高い。
そして、上記第1始動口9、第2始動口10および第3始動口47には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10aおよび第3始動口検出スイッチ47aがそれぞれ設けられており、これら検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10aおよび第3始動口検出スイッチ47aのいずれかが遊技球の入球を検出した場合は、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。本実施形態では、第1始動口9が第1始動領域に相当し、第2始動口10が第2始動領域に相当し、第3始動口47が第3始動領域に相当する。
なお、本実施形態においては、左打ち遊技領域6aには2カ所の始動口が設けられ、右打ち遊技領域6bには1カ所の始動口が設けられているが、これに限らず、例えば、左打ち遊技領域6aに1カ所の始動口を設け、右打ち遊技領域6bに1カ所または2カ所の始動口を設けるようにしてもよい。また、第2始動口10を左打ち遊技領域6aに設け、右打ち遊技領域6bには第3始動口47のみを設けるようにしてもよい。さらに、遊技領域6が左打ち遊技領域6aや右打ち遊技領域6bなどに区別されず、どのような発射強度で発射された遊技球であっても、いずれの始動口へも入球可能にしてもよい。
また、上記遊技盤2には、第1進入領域6cに進入して遊技領域6を流下する遊技球を第1ステージ44または第2ステージ45に誘導するワープ通路40が設けられている。このワープ通路40は、導入口41、誘導路42、導出口43から構成される。このワープ通路40は、液晶表示装置13の正面視左側部から下部にかけて湾曲して設けられており、液晶表示装置13の下部には第1ステージ44と第2ステージ45が設けられている。
以下に、図2を用いてワープ通路40と第1ステージ44と第2ステージ45との構造について説明する。なお、図2は第1ステージ44および第2ステージ45周辺の拡大斜視図である。
このワープ通路40には、遊技球を誘導路42に導入する導入口41および誘導路42を通過し遊技球を第1ステージ44上または第2ステージ45上へ導出する導出口43が設けられている。導入口41は、液晶表示装置13の左側部の略中央付近に設けられており、遊技球は導入口41から誘導路42を通過して導出口43から第1ステージ44または第2ステージ45に導出される。このように、導入口41に流入した遊技球は、誘導路42を通過して導出口43から第1ステージ44上または第2ステージ45上に導かれる。つまり、ワープ通路40は、入球した遊技球を第1ステージ44または第2ステージ45まで確実に誘導する機能を有している。なお、導出口43は、第2ステージ45の左方に設けられているため、導出口43から導出される遊技球は、第1ステージ44よりも第2ステージ45へと進入する割合が高くなっている。
ここで、導入口41の左方に設けられた釘によって、第1進入領域6cに打ち出された遊技球は、一定の確率で該導入口41に流入するようになる。なお、導入口41に遊技球が一定の確率で流入する態様であればよく、該導入口41への遊技球の流入を調整する障害物(役物なども含む)は、釘に限られるものではない。
誘導路42は、略管状に形成されており、遊技球よりも幅広な径を有している(例えば20mm)。また、誘導路42は、少なくともその一部が無色透明のアクリル樹脂材、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂などの透明性の高い硬質の合成樹脂材(透明部材)で形成されており、遊技者は誘導路42内を通過する遊技球を視認することが可能となっている。なお、実際には液晶表示装置13の周囲に施された装飾部材により誘導路42が部分的に隠れるものであってもよい。
第1ステージ44と第2ステージ45とは、液晶表示装置13の下部であって、液晶表示装置13よりも手前側、かつ、遊技領域6よりも奥側に設けられている。また、第1ステージ44は第2ステージ45よりもさらに奥側の上方に設けられ、第1ステージ44と第2ステージ45とは、それぞれを上段と下段とする二階建ての構造になっている。そして、第1ステージ44と第2ステージ45とは、それぞれの左右端部に形成された中間ステージ55を介して互いに連続している。そのため、中間ステージ55を経由することによって、第1ステージ44から第2ステージ45へと遊技球が移動することも、第2ステージ45から第1ステージ44へと移動することも可能になっている。すなわち、中間ステージに到達した遊技球は、第1ステージ44と第2ステージ45とのいずれにも進入可能となっている。また、このような構造であるため、第1ステージ44に進入した遊技球が遊技領域6へ再び流出するには、下方の第2ステージ45を経由することになる。
そして、左側の中間ステージ55には導出口43が連接しており、導出口43から導出された遊技球は、まず中間ステージ55へと進入してから、第1ステージ44と第2ステージ45とのいずれかに振り分けられる。ここで、導出口43は、中間ステージ55の手前側に接して設けられているため、導出口43から中間ステージ55に到達した遊技球は、中間ステージ55の手前側と連続している第2ステージ45に進入する割合が高い。
第1ステージ44は、導出口43から導出された遊技球や第2ステージ45に進入した遊技球が、中間ステージ55を経由して進入する。導出口43から導出された遊技球は、中間ステージ55を経て第2ステージ45へと進入する割合が高いものの、第1ステージ44に進入する場合もある。また、中間ステージ55を経て第2ステージ45に進入した遊技球は、第2ステージ45を転動したのちに中間ステージ55に到達すると、第1ステージ44に移動することが可能になる。
第1ステージ44の左右方向中央部には、遊技球が進入可能な開口部であって第1スロープ44aを転動する遊技球が落下することにより進入可能な作動領域46が設けられている。そして、第1ステージ44は、略アーチ型の形状をなしており、第1ステージ44の裾(両端部)は中間ステージ55と連接しているので、中間ステージ55に到達した遊技球を受け入れ可能であるとともに、中間ステージ55へと受け渡し可能となっている。
第1ステージ44は、作動領域46が設けられた部分を中心に、正面視左右方向にそれぞれ下り勾配が形成されている。つまり、第1ステージ44は、左右が略対称の稜線を有する山状をなしている。また、作動領域46の奥行き幅は、第1ステージ44の奥行き幅よりも小さく形成されているので、遊技球は作動領域46が設けられた部分を通過することが可能になっている。すなわち、第1ステージ44の頂上部分に遊技球が到達すると、作動領域46に落下進入する場合と、第1ステージ44の勾配を下って転動を継続する場合とがある。そして、作動領域46には作動領域検出スイッチ46aが設けられており、この作動領域検出スイッチ46aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば5個の遊技球)が払い出される。
なお、第1ステージ44の奥側には液晶表示装置13への遊技球の衝突を防止するために透明部材で形成されたステージ後壁44bが設けられているが、第1ステージ44の手前側には壁部は設けられていない。そのため、第1ステージ44を転動する遊技球は、第1ステージ44の手前側から下方の第2ステージ45上へと転落することが可能になっている。
第2ステージ45は、導出口43から導出された遊技球や第1ステージ44に進入した遊技球が、中間ステージ55を経由して進入する。導出口43が接続する中間ステージ55の手前側は第2ステージ45の左方となるため、導出口43より導出された遊技球は、中間ステージ55を経てまず第2ステージ45に進入する割合が高くなっている。また、第1ステージ44に進入した遊技球は、中間ステージ55に到達すると、第2ステージ45へ移動することが可能である。さらに、第2ステージ45には、上方に設けられた第1ステージ44の第1スロープ44aから転落した遊技球が進入することも可能であるので、中間ステージ55を経由しないで遊技球が進入する場合がある。
第2ステージ45の左右方向中央部には、遊技球を遊技領域6へと放出する放出部45bが形成されている。そして、第2ステージ45は曲面構造をなしており、正面視において、放出部45bが形成された部分を最低部とした弓なり形状をなしている。また、第2ステージ45の裾となる両端部は中間ステージ55と連接しており、中間ステージ55から遊技球を受け入れ可能であるとともに、遊技球を中間ステージ55へと進入させることも可能である。
また、第2ステージ45には、第2ステージ45を転動する遊技球が手前側に落下しないようにステージ前壁45cが設けられている。このステージ前壁45cの放出部45bが形成された部分には切り欠き部が形成され、放出部45bから第2ステージ45の手前側に遊技球を放出することが可能になっている。具体的には、ステージ前壁45cは第2ステージ45の上面よりも上方に突出して設けられており、遊技球の落下を防止しているが、放出部45bの前側の部分のみ、第2ステージ45の上面よりも上方に突出していない。放出部45bは、第2ステージ45の中央部に形成されているので、ステージ前壁45cは、第2ステージ45の中央部分のみ切り欠き部が形成されている。なお、放出部45bが形成された部分は、手前側に向かって下り傾斜形状になっており、放出部45bに到達した遊技球を手前側方向に放出することが可能になっている。
次に、図3および図4を用いて、第3始動口47が備える開閉部材49を開閉動作させるための可変ユニット48について説明する。なお、図3は、開閉部材49が閉鎖態様である状態における可変ユニット48の斜視図であり、図7は、開閉部材49が開放態様である状態における可変ユニット48の斜視図である。
可変ユニット48は、第3始動口47を閉鎖態様と開放態様とに変化させる開閉部材49と、作動領域46に進入した遊技球が到達する第1作動部50と、第3始動口47に入球した遊技球が到達する第2作動部51と、開閉部材49と第1作動部50と第2作動部51とを連結する連結部材52とから構成されている。そして、第1作動部50は、遊技盤2の内部であって、作動領域46の真下に配設されている。また、第2作動部51は、右打ち遊技領域6bであって、第3始動口47の真下であるとともに第3始動口47が閉鎖態様であるときの開閉部材49の真下の位置に配設される。したがって、可変ユニット48は、遊技盤2の内部から外部にかけて設けられている。なお、遊技機1に設けられた可変ユニット48は、遊技機1の手前側が可変ユニット48の前方側となり、遊技機1の奥側が可変ユニット48の後方側となる。
開閉部材49、第1作動部50、第2作動部51および連結部材52は、それぞれ板状に形成されており、連結部材52の上端部に開閉部材49の後端部が連結し、連結部材52の略中央部分の後方側に第1作動部50の前端部が連結し、連結部材52の下端部の前方側に第2作動部51の後端部が連結している。
また、開閉部材49は連結部材52に固定はされておらず、連結部分のおける連結部材52に対する開閉部材49の連結角度は変動可能である。これに対し、第1作動部50と第2作動部51とはそれぞれ連結部材52に固定されており、第1作動部50は連結部材52に対して垂直に連結しており、第2作動部51は連結部材52に対して垂直に連結している。さらに、連結部材52の左右は、中央部分よりやや下方に設けられた回転軸53を介して遊技機1に軸支されており、連結部材52は回転軸53を中心に所定範囲で前後方向に回転可能になっている。この所定範囲とは、本実施形態においては、連結部材52が右側面視において水平に対して略垂直の角度から、右側面視において時計回りに約45度回転するまでの範囲であり、図示しない機械式ストッパーによって約45度以上は回転不可能になっている。
そして、開閉部材49が閉鎖態様であるときは、連結部材52が略直立した状態(水平に対して略垂直の状態)であり、第1作動部50と第2作動部51とは略水平の状態となっている。一方、開閉部材49が開放態様であるときは、連結部材52は回転軸53を中心軸として上側が後方に傾いた状態であり、第1作動部50と第2作動部51とは、後方が下がって傾斜した状態となっている。また、開閉部材49は、いずれの態様であるときでも水平状態を保ちつつ前後にスライド移動するようになっており、連結部材52が略直立しているときは前側の位置に移動した状態となり、連結部材52の上方が後側に傾いているときは後側の位置に移動した状態となる。
すなわち、連結部材52が略直立した状態のときは、開閉部材49が前側位置に移動して閉鎖態様となり、第1作動部50と第2作動部51とはそれぞれ略水平状態となる。また、連結部材52が回転軸53を中心に回転して上方を後側にして傾いた状態のときは、開閉部材49が後側位置に移動して開放態様となり、第1作動部50と第2作動部51とはそれぞれ後方を下側に傾斜させた状態となる。
次に、図5を用いて、遊技球が作動領域46に入球したときの可変ユニット48の動作について説明する。なお、図5(a)および図5(b)は、可変ユニット48の右側面図である。
第1作動部50の上方には作動領域46が設けられており、また、作動領域46と第1作動部50との間には作動領域46に進入した遊技球を真下に案内する作動通路46bが設けられている。そして、作動領域46に進入した遊技球は、作動通路46bを通過して第1作動部50の上面へと落下する。
図5(a)に示すように、第1作動部50に遊技球が到達したときに第1作動部50が略水平状態である場合は、第1作動部50に遊技球の自重がかかり、これにより連結部材52は回転軸53を中心に後方に回転する。このとき、上述したように、連結部材52は約45度後方に回転して停止するようになっているため、図5(b)に示すように連結部材52は回転軸53を中心に後方に45度回転して停止する。
これにより、連結部材52の後側であって回転軸53よりも上方に連結している第1作動部50は、連結部材52との連結部分から後方に向かって約45度下り傾斜した状態で停止する。したがって、略水平状態である第1作動部50に遊技球が到達すると、連結部材52が略直立状態から後方に約45度回転した状態へと変化し、それに伴い、第1作動部50は後部が下方に傾斜した状態に変化する。さらに、開閉部材49が前側位置から後側位置へと移動して、閉鎖態様から開放態様へと変化する。
一方、第1作動部50に遊技球が到達したときに第1作動部50が後方に向かって下り傾斜した状態である場合は、遊技球が当該傾斜した第1作動部50の上面を転落していき、連結部材52の状態には影響を与えない。なお、第1作動部50の態様に関わらず、第1作動部50に到達した遊技球は、その後第1作動部50の後方へと落下し、遊技球1の外部へと排出する図示しない排出樋へと案内される。
上述したように、開閉部材49が閉鎖態様であるとき、第1作動部50は略水平状態であり、開閉部材49が開放態様であるとき、第1作動部50は後方を下側に傾斜した状態である。したがって、開閉部材49が閉鎖態様であるときに第1作動部50に遊技球が到達した場合は、当該遊技球の自重によって連結部材52が約45度後方に回転する(図5(a)(b)参照)。また、開閉部材49が開放態様であるときに第1作動部50に遊技球が到達した場合は、当該遊技球の自重によって連結部材52の状態が変化しない。また、開閉部材49は、連結部材52が略直立しているときは前側の位置に移動した状態となり、連結部材52の上方が後側に傾いているときは後側の位置に移動した状態となる。
つまり、開閉部材49が閉鎖態様であるときに遊技球が作動領域46に進入した場合、開閉部材49は開放態様に変化し、開閉部材49が開放態様であるときに遊技球が作動領域46に進入した場合、開閉部材49は開放態様のまま変化しない。
次に、図6を用いて、遊技球が第3始動口47に入球したときの可変ユニット48の動作について説明する。なお、図6(a)および図6(b)は、可変ユニット48の右側面図である。
第2作動部51の上方には第3始動口47が設けられており、第3始動口47に入球した遊技球は下方に落下して第2作動部51の上面に到達する。図6(a)に示すように、第2作動部51に遊技球が到達したときに、第2作動部51が前側を上方にして傾斜している状態である場合は、第2作動部51の前側部分に当該遊技球の自重がかかり、図6(b)に示すように、第2作動部51が略水平状態に変化する。すなわち、第2作動部51が傾斜している状態とは、第2作動部51の前側が持ち上がっている状態である。そのため、当該持ち上がっている前側部分に遊技球の重みが加わると、前側部分が下方に沈み込み、第2作動部51が水平状態になるとストッパーによって停止する。
なお、可変ユニット48には、転落ガード54が設けられており、第3始動口47に入球した遊技球が、第2作動部51に到達前および到達後に遊技領域6へと転落してしまうのを防止している。この転落ガード54は、第3始動口47へ入球した遊技球の遊技領域6への転落を防止するとともに、第3始動口47へ入球しなかった遊技球が側方から第2作動部51へと到達してしまうのを防止している。
第2作動部51が傾斜した状態から水平状態へと変化すると、連結部材52は、約45後方に回転した状態から前方に回転して略直立状態に変化する。そして、連結部材52の当該変化に伴い、第1作動部50は、前側を上方にして傾斜している状態から水平状態へと変化する。さらに、開閉部材49が後側位置から前側位置へと移動して、開放態様から閉鎖態様へと変化する。
一方、第2作動部51に遊技球が到達したときに第2作動部51が略水平状態である場合は、遊技球の自重によって第2作動部51の状態が変化することはない。詳述すると、連結部材52が略直立した状態であって第2作動部51が略水平状態であるときであっても、厳密には水平ではなく僅かに後方に下って傾いた状態となっており、ストッパーによってそれ以上第2作動部51の前方が下方に沈み込まないようになっている。そのため、略水平状態である第2作動部51に遊技球の自重が加わっても第2作動部51の傾斜は変化せず、当該遊技球は、僅かな傾斜によって第2作動部51の後方へと転動する。
ここで、第2作動部51の後端であって、連結部材52との連結部分には、遊技球が後方へ通過するための排出孔52bが形成されている。そして、第2作動部51が水平状態か傾斜状態かに関わらず、第2作動部51に到達した遊技球は、第2作動部51の上面を経て排出孔52bから遊技球1の外部へと排出する図示しない排出樋へと案内されるようになっている。
したがって、開閉部材49が開放態様であるときに第2作動部51に遊技球が到達した場合は、当該遊技球の自重によって連結部材52が約45度前方に回転して略直立状態となる。また、開閉部材49が閉鎖態様であるときに第2作動部51に遊技球が到達した場合は連結部材52の状態が変化しない。さらに、開閉部材49は、連結部材52が略直立しているときは前側の位置に移動した状態となり、連結部材52の上方が後側に傾いているときは後側の位置に移動した状態となる。つまり、開閉部材49が開放態様であるときに遊技球が第2作動部51に到達した場合、開閉部材49が閉鎖態様に変化し、開閉部材49が閉鎖態様であるときに遊技球が第2作動部51に到達した場合、開閉部材49は閉鎖態様のまま変化しない。
なお、開閉部材49が閉鎖態様であるときには第3始動口47に遊技球は入球することができないが、例えば、開閉部材49が開放態様であるときに複数の遊技球が短時間に連続して入球した場合は、最初の遊技球が第3始動口47に入球してから第2作動部51に到達するまでに、他の遊技球が第3始動口47に入球した場合は、当該遊技球は開閉部材49が閉鎖態様に変化したのちに第2作動部51に到達することになる。すなわち、本実施形態においては、1個の遊技球が第2作動部51に到達すると開閉部材49が閉鎖態様に変化するが、開閉部材49が開放態様に変化している間に第3始動口47に複数の遊技球が入球することも可能になっている。
なお、開閉部材49は、第3始動口47に前後方向に移動可能に設けられている板状部材である。水平に設けられた開閉部材49の後部には連結孔49aが形成されており、当該連結孔49aを連結部材52の上部が貫通することにより、開閉部材49の後部と連結部材52の上部とが連結している。したがって、開閉部材49は連結部材52に固定されていない。また、開閉部材49は、第3始動口47の左右の縁部に設けられたスライドガイドに前後方向に摺動可能に支えられているため、連結部材52の動きに応じて開閉部材49の位置が変化するようになっている。すなわち、連結部材52が前方に回転することにより開閉部材49を前方に押し出し、開閉部材49が前方にスライド移動する。一方、連結部材52が後方に回転することにより開閉部材49を後方に引っ張り、開閉部材49が後方にスライド移動する。
このように、開閉部材49が閉鎖態様であるときに作動領域46に遊技球が入球すると、開閉部材49が開放態様に変化する。一方、開閉部材49が開放態様であるときに第3始動口47に遊技球が入球すると開閉部材49が閉鎖態様に変化する。すなわち、第3始動口47に遊技球を入球させるためには、まず、作動領域46に遊技球を入球させて開閉部材49を開放態様に変化させることが必要である。また、開閉部材49が開放態様に変化すると、遊技球が第3始動口47に入球するまで閉鎖態様に変化することはない。
ここで、開閉部材49が開放態様に変化している時間に制限を設けると、当該制限時間内に第3始動口47に遊技球が入球しなかった場合は、開閉部材49が開放態様に変化したにも関わらず、第3始動口47へ全く入球させることができないことになる。そのため、開閉部材49が開放態様に変化した場合は、遊技者は急いで第3始動口47に遊技球を入球させようとし、安心して遊技を行うことができない。しかし、本実施形態においては、第3始動口47に遊技球が入球するまで開閉部材49は開放態様から閉鎖態様に変化しないので、遊技者は、第3始動口47への入球機会を逸することはない。そのため、遊技者は開閉部材49が開放態様に変化しても焦らずに安心して遊技を行うことができる。
また、開閉部材49が開放態様となる機会は、遊技状態に関わらず、遊技球が右打ち遊技領域6bに進入する限り、ほぼ一定となる。したがって、遊技者は、開閉部材49が開放態様に変化して第3始動口47に入球容易になることへの期待感を常に維持し続けることになり、遊技意欲を持続させることができる。
また、開閉部材49は、遊技球の自重によって閉鎖態様と開放態様とに交互に変化するので、CPUによる制御は不要であり、制御負担の軽減および省電力が可能になる。したがって、CPUの制御負担や消費電力を増大させることなく、可変入賞装置を備えた始動口を複数設けることが可能になっている。
さらに、電気的な制御を行わない可変入賞装置である開閉部材49を備えた第3始動口47が左打ち遊技領域6aに設けられているため、非時短遊技状態であるときは、左打ち遊技領域6aに遊技球を進入させて、第1始動口9へ遊技球を入球させつつ、作動領域46へ入球させて開閉部材49が開放態様に変化したときは第3始動口47に遊技球を入球させるという遊技を行うことになる。
すなわち、開閉部材49が左打ち遊技領域6aに設けられたことで、左打ち遊技領域6aに遊技球を発射させる目的が、第1始動口9に入球させることだけではなく、開閉部材49を開放態様に変化させるために作動領域46に入球させることが目的として加わり、さらに、開閉部材49が開放態様に変化すると、入球容易になった第3始動口47に入球させることが目的として加わる。これにより、第1始動口9へ遊技球を入球させるためだけに単調に遊技球を発射させ続けることによる倦怠感を払拭することができる。
また、一方で、時短遊技状態であるときは、第2の態様に制御されやすくなっている第2始動口10が設けられた右打ち遊技領域6bに向けて遊技を行うことで、遊技状態に応じて遊技球を進入させる遊技領域を変更する楽しみを享受することができる。
また、可変入賞装置を備えた第2始動口10と第3始動口47がそれぞれ右打ち遊技領域6bと左打ち遊技領域6aに設けられているので、左打ち遊技領域6aに遊技球が進入しても、右打ち遊技領域6bに遊技球が進入しても、入球容易となっている始動口に遊技球を入球させる楽しみを遊技者は享受することができ、遊技の興趣が向上する。
また、可変入賞装置を備えた一つの始動口を、左打ち遊技領域6aと右打ち遊技領域6bとのどちらに遊技球が進入しても入球可能な位置に設けた場合は、遊技球の流路を調整するために液晶表示装置13などの演出装置を小型化するなど必要がある。しかし、左打ち遊技領域6aと右打ち遊技領域6bとの両方に可変入賞装置を備えた始動口が設けられているため、演出装置の小型化等によって演出のバランスが崩れることがない。
なお、本実施形態においては、第3始動口47への遊技球の入球が不可能な態様と可能な態様とに変化させる手段として、前後方向に摺動する開閉部材49が設けられているが、これに限らず、例えば開閉部材49が左右方向に摺動可能にしてもよい。さらに、開閉部材49に代えて、例えば、手前側に開放することによって遊技球の受け皿になる開閉部材を用いたいわゆるアタッカータイプとしてもよいし、可動片が左右に開いて遊技球の受け皿になる開閉部材を用いたいわゆるチューリップタイプとしてもよい。
また、本実施形態においては、作動領域46を第1ステージ44に設けているが、これに限らず、第1進入領域6cに進入した遊技球が入球可能な位置であればいずれの場所に設けても構わない。たとえば、作動領域46を第1始動口9や第3始動口47の近傍や、導入口41付近などに設けても構わない。
また、本実施形態においては、開閉部材49が閉鎖態様であるときは、開閉部材49が第3始動口47の上方を全て覆って遊技球の第3始動口47への入球を不可能にしているが、これに限らず、開閉部材49が閉鎖態様であるときでも、遊技球が第3始動口47へ入球可能なように第3始動口47の一部を開放し、開放態様に変化すると第3始動口47をさらに大きく開放するようにしてもよい。
右打ち遊技領域6bの下方(上記第2始動口10の真下)には、大入賞口11が設けられている。この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技(長当たり遊技)が開始されると、大入賞口開閉扉11bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技球を大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が入球可能となる。そのため、特別遊技が開始されると、右打ち遊技領域6bに遊技球を打ち出すことにより、大入賞口11に遊技球が入球して短時間で多量の賞球を得ることが可能となる。本実施形態では、大入賞口11が特別可変入賞装置に相当する。
大入賞口11には大入賞口検出スイッチ11aが設けられており、この大入賞口検出スイッチ11aが遊技球の入球を検出した場合は、予め設定された賞球(例えば9個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記右打ち遊技領域6bであって、上記第2始動口10の右方には、普通図柄ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
遊技領域6の最下部は、左打ち遊技領域6aと右打ち遊技領域6bとが合流しており、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、第3始動口47、大入賞口11、作動領域46のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口12が設けられている。
なお、本実施形態においては、各入賞口の配置や釘等の盤面構成により、第1進入領域6cに進入した遊技球は、一般入賞口7、作動領域46、第1始動口9および第3始動口47のいずれかにのみ遊技球が入球可能であり、普通図柄ゲート8に遊技球が進入したり、あるいは、第2始動口10や大入賞口11に遊技球が入球したりすることはない。また、これとは逆に、第2進入領域6dに進入した遊技球は、普通図柄ゲート8に進入したり、あるいは、第2始動口10や大入賞口11に入球したりするが、一般入賞口7、作動領域46、第1始動口9および第3始動口47に遊技球が入球することはない。
また、上記遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、上記遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる液晶表示装置13が設けられており、この液晶表示装置13の右側面には、演出役物装置14、15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、上記操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
上記液晶表示装置13は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する演出図柄30が変動表示される。演出図柄30というのは、例えば3つの数字をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この演出図柄30の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
また、演出用照明装置16は、それぞれ複数のライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
また、上記操作ハンドル3の左側には、遊技者が押圧操作可能な演出ボタン17が設けられている。この演出ボタン17は、例えば、上記液晶表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン17には、演出ボタン検出スイッチ17aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ17aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18(図3参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24、右打ち報知表示器26が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10または第3始動口47に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、上記第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9、第2始動口10および第3始動口47のいずれかに遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口10および第3始動口47に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器23においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。このように、第1保留と第2保留とを合わせると、合計で最大8個の大当たりの抽選の権利を留保することが可能になっている。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器22および第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
右打ち報知表示器26は、遊技の進行過程において第2進入領域6dを狙って遊技球を発射させた方がよい場合、すなわち、右打ち遊技領域6bに遊技球を進入させた方がよい場合に点灯する。つまり、右打ち報知表示器26の消灯は、左打ち遊技領域6aに遊技球を進入させるべきことを遊技者に報知しており、右打ち報知表示器26の点灯は、右打ち遊技領域6bに遊技球を進入させるべきことを遊技者に報知することとなる。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(図示せず)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠110は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠100に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠100から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠110は、ガラス板とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠100の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠100に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠100から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33(図3参照)も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に遊技機に電力を給電するための電源プラグ60や、図示しない電源スイッチが設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図8の遊技機のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板101の入力側には、一般入賞口検出スイッチ7a、作動領域検出スイッチ46a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第3始動口検出スイッチ47a、大入賞口検出スイッチ11aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板101に入力するようにしている。
また、主制御基板101の出力側には、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cとが接続されるとともに、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20と普通図柄表示装置21と、保留表示器を構成する第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23と普通図柄保留表示器24と右打ち報知表示器26とが接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
また、主制御基板101は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板108に出力する。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル(図9(a)、図9(b)参照)、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル(図9(c)参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図10参照)、特別図柄に基づいて遊技状態変更フラグを決定する決定テーブル(図11(a)参照)、遊技状態変更フラグにあるデータとに基づいて遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル(図11(b)参照)、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図12参照)、長当たり用開放態様決定テーブル(図13(a)参照)、短当たり用開放態様決定テーブル(図13(b)参照)、小当たり用の開放態様決定テーブル(図13(c)参照)、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図14参照)等がメインROM101bに記憶されている。これら各種テーブルの具体例は図9〜図14において、後述する。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ17a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板104または画像制御基板105に送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル等がサブROM102bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
また、RTC102dを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するサブRAM102cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。また、払出制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているか確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号および発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
ランプ制御基板104は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出役物装置14、15を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、上記液晶表示装置13の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記液晶表示装置13および音声出力装置18を接続している。
上記画像ROMには、液晶表示装置13に表示される演出図柄30や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、液晶表示装置13における表示制御をする。なお、画像CPUは、液晶表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、液晶表示装置13の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
また、上記音声ROMには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力制御をする。
次に、図9〜図14を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図9(a)、図9(b)は、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブルを示す図である。図9(a)は、第1特別図柄表示装置19において参照される大当り判定テーブルであり、図9(b)は、第2特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルである。図9(a)と図9(b)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、低確率時乱数判定テーブルと高確率時乱数判定テーブルとから構成され、遊技状態を参照し、低確率時乱数判定テーブルまたは高確率時乱数判定テーブルが選択され、選択されたテーブルと抽出された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図9(a)に示す第1特別図柄表示装置19における低確率時乱数判定テーブルによれば、「7」、「317」の2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、この高確率時乱数判定テーブルによれば「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」、「277」、「317」、「337」、「367」、「397」、「427」、「457」、「487」、「517」、「547」、「577」の10個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。また、低確率時乱数判定テーブルを用いても高確率時乱数判定テーブルを用いても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率時に大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率時に大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.95である。また、小当たりと判定される確率は、低確率と高確率時ともに1/149.75となる。
図9(c)は、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、非時短遊技状態時乱数判定テーブルと時短遊技状態時乱数判定テーブルとから構成され、遊技状態を参照し、非時短遊技状態時乱数判定テーブルまたは時短遊技状態時乱数判定テーブルが選択され、選択されたテーブルと抽出された当たり判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図9(c)に示す非時短遊技状態時乱数判定テーブルによれば、「0」という1個の当たり判定用乱数値が当たりと判定される。一方、この時短遊技状態時乱数判定テーブルによれば「0」〜「9」の10個の当たり判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、当たり判定用乱数値の乱数範囲が0〜10であるから、非時短遊技状態時時に大当たりと判定される確率は1/11であり、時短遊技状態時に大当たりと判定される確率は10倍アップして10/11である。
図10は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図10(a)は、大当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図10(b)は、小当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図10(c)は、ハズレ時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。また、より詳細には図柄決定テーブルも特別図柄表示装置ごとに構成され、第1特別図柄表示装置用の図柄決定テーブルと第2特別図柄表示装置用の図柄決定テーブルとから構成されている。
図柄決定テーブルによって、抽出された大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等に基づき、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
また、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、演出制御基板102に特別図柄の情報を送信する制御コマンドとして、演出図柄指定コマンドを生成する。ここで、制御コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンドについても同様である。
さらに、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態を決定するために参照される遊技状態変更フラグが決定される(図11(a)、図11(b)参照)。このことから、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態が決定されるといえる。
また、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)に対応して大当たり態様が決定される(図12参照)。このことから、特別図柄の種類が大当たり態様を示すものともいえる。
そうすると、本実施形態における図10(a)に示す図柄決定テーブルの特徴としては、第1始動口9に遊技球が入球した場合に作動される第1特別図柄表示装置19においては、「特定用特別図柄」に決定される割合が60%であるのに対し、第2始動口10または第3始動口47に遊技球が入球した場合に作動される第2特別図柄表示装置20においては、「特定用特別図柄」に決定される割合が70%と高くなっている。本実施形態において「特定用特別図柄」に決定された場合は、大当たり遊技終了時に高確率遊技状態に設定され、「通常用特別図柄」に決定された場合は、大当たり遊技終了時に低確率遊技状態に設定される(図11参照)。すなわち、第2特別図柄表示装置20においては、第1特別図柄表示装置19における場合よりも、大当たり遊技終了後に高確率遊技状態に制御される割合が高くなっている。
また、第1特別図柄表示装置19においては、大当たり遊技終了時に高確率遊技状態に設定された場合に、さらに時短遊技状態に設定される割合はおよそ66%であるのに対して、第2特別図柄表示装置20においては、大当たり遊技終了時に高確率遊技状態に設定された場合は、全て時短遊技状態に設定される(図11参照)。
すなわち、第2特別図柄表示装置20においては、第1特別図柄表示装置19における場合よりも、大当たり遊技終了後に高確率遊技状態に制御される割合も、時短遊技状態に制御される割合も高くなっている。
さらに、第1特別図柄表示装置19においては、所定の割合(20%)で「短当たり」に決定される場合があるが、第2特別図柄表示装置20においては、「短当たり」が決定されない(図12参照)。
これは、非時短遊技状態においては、第2始動口10にほとんど遊技球が入球しないのに、第2始動口10に遊技球が入球した場合に短当たりが決定されてしまうと、せっかく時短遊技状態を設けても、遊技者の遊技に対する意欲を減退させてしまうおそれがあるからである。このような遊技に対する意欲の減退を防止させるため、図10(a)に示す第2特別図柄表示装置20の図柄決定テーブルでは、短当たりに対応する特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定されないようにしている。
図11(a)は、大当たり終了後の遊技状態を決定するために参照される遊技状態変更フラグを決定するための遊技状態変更フラグ決定テーブルであり、特別図柄に基づいて遊技状態変更フラグが決定される。なお、図11(a)に示す遊技状態変更フラグ決定テーブルは、特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たり遊技処理(図25参照)の前に遊技状態変更フラグを決定する際に参照される。
図11(b)は、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブルである。図11(b)に示す大当たり終了時設定データテーブルによって、遊技状態変更フラグに基づき、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技状態の残り変動回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短遊技状態の残り変動回数(J)の設定が行われる。
図12は、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブルである。図12のテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たり遊技で行われる作動回数や、大入賞口の開放態様テーブルが決定される。
図13は、図12で決定された大入賞口の開放態様テーブルの詳細を示す開放態様決定テーブルであり、図13(a)は長当たり用開放態様決定テーブル、図13(b)は短当たり用開放態様決定テーブル、図13(c)は小当たり用開放態様決定テーブルである。
具体的には、ラウンド遊技回数(R)、開放回数(K)、開放時間、閉鎖時間がそれぞれ対応付けられて記憶されている。
ここで、図13(b)の短当たり用開放態様決定テーブルと図13(c)の小当たり用開放態様決定テーブルとは、ラウンド遊技回数(R)と開放回数(K)とでデータの差異こそあるものの、実際の大入賞口の開閉動作の回数は同一(15回)であり、開放時間(0.052秒)および閉鎖時間(2.000秒)も同一であるから、遊技者は外見から小当たりであるのか短当たりであるのか区別することはできない。これにより、遊技者に小当たりであるのか短当たりであるのかということを推測させる楽しみを付与させることができる。ただし、まったく同じ開放時間や閉鎖時間を設定することに限られず、遊技者が小当たりであるのか短当たりであるのかを判別不能な差異であれば構わない。
また、「短当たり」または「小当たり」の開放時間(0.052秒)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも短いため、大入賞口11が開放したとしても大入賞口11に遊技球が入球することが困難であり、「短当たり」または「小当たり」の開放態様は「不利な開放態様」といえる。一方、「長当たり」の開放時間(29.5秒)は、遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも長いため、「有利な開放態様」といえる。
図14は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、変動パターン決定テーブルによって、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数、リーチ判定用乱数値および変動パターン用乱数値に基づき、変動パターンが決定される。そして、決定した変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板102に特別図柄の情報を送信する変動パターン指定コマンドが生成される。したがって、「変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果および特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値および変動パターン用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
また、この図14に示す変動パターン決定テーブルの特徴として、大当たりの判定結果がハズレの場合に遊技状態が時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて95%の確率で変動時間が3000msの変動パターン9(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が3000msを超える変動パターンが決定される。このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、「低確率遊技状態」「高確率遊技状態」「時短遊技状態」「非時短遊技状態」のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。ただし、遊技の進行中において、遊技状態が「低確率遊技状態」または「高確率遊技状態」である場合には、必ず「時短遊技状態」または「非時短遊技状態」となっている。つまり、「低確率遊技状態」であって、かつ「時短遊技状態」である場合と、「低確率遊技状態」であって、かつ「非時短遊技状態」である場合とが存在することとなる。なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。ここでいう大当たりの当選とは、後述する「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。
これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利の獲得が容易となる。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選に要する時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口10の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート8を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われるが、その抽選結果は、当該抽選が開始されてから29秒後に確定する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、その後、第2始動口10が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、上記普通図柄の抽選に要する時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口10の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/11に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が10/11に設定される。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート8を遊技球が通過した場合、第2始動口10が第2の態様に制御されやすくなるため、「時短遊技状態」では、普通図柄ゲート8と第2始動口10が設けられた右打ち遊技領域6bに遊技球を打ち出すことにより、遊技者は遊技球をほとんど消費せずに遊技を進行することが可能になり、また、大当たり抽選を行う機会も多くなる。
これに対し、「非時短遊技状態」においては、たとえ普通図柄ゲート8を遊技球が通過したとしても、第2始動口10が第2の態様に制御される割合や時間は少ないため、第2始動口10に遊技球が入球することは困難である。そのため、右打ち遊技領域6bに遊技球を打ち出すよりも第1始動口9と第3始動口47が設けられた左打ち遊技領域6aに遊技球を打ち出す方が大当たり抽選の機会を得る確率は高い。したがって、遊技者にとっては、「非時短遊技状態」においては左打ちを行い、「時短遊技状態」においては右打ちを行うことが、もっとも有利な遊技方法となる。本実施形態では、「時短遊技状態」が特定遊技状態に相当し、「非時短遊技状態」が非特定遊技状態に相当する。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
また、第2始動口10と第3始動口47とは、いずれも開閉部材や可動片の動きによって遊技球の入球が困難または不可能な態様と入球容易な態様に変化する点や、遊技球が入球した場合は第2保留を取得する点において共通する。しかし、第2始動口10は、普通図柄の抽選結果によって遊技球の入球が容易な態様に変化するのに対し、第3始動口47は、作動領域46に遊技球が入球することによって入球容易な態様に変化する点と、第2始動口10は所定時間が経過すると入球困難または不可能な態様に変化するのに対し、第3始動口47は、第3始動口47へ遊技球が入球するまで入球容易な態様のままである点とについて差異を有する。
このような差異のため、第2始動口10は、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかによって、第2の態様に制御される割合が異なるようになっているが、第3始動口47や作動領域46は遊技状態によって入球割合が変化することはない。そのため、遊技者は、遊技状態に関わらず、左打ち遊技領域6aに進入した遊技球の転動方向に対して常に興味を抱くことになる。
(当たりの種類の説明)
本実施形態においては、「長当たり」、「短当たり」の2種類の「大当たり」と、1種類の「小当たり」とが設けられている。
本実施形態において「長当たり遊技」というのは、第1始動口9、第2始動口10および第3始動口47のいずれかに遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、長当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「長当たり遊技」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における大入賞口11の総開放時間は最大29.5秒に設定されており、この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技」は、大入賞口11に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
本実施形態において「短当たり遊技」というのは、第1始動口9、第2始動口10および第3始動口47のいずれかに遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、短当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「短当たり遊技」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計15回行う。ただし、各ラウンド遊技においては大入賞口11が1回のみ開放し、その開放時間が0.052秒に設定されている。この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり大入賞口11の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどなく、また、遊技球が入球したとしても、1回のラウンド遊技で1個〜2個程度しか遊技球が入球することはない。なお、この「短当たり遊技」においても、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
本実施形態において「小当たり遊技」というのは、第1始動口9、第2始動口10および第3始動口47のいずれかに遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、大入賞口11が15回開放される。このときの大入賞口11の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似している。ただし、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、上記と同様に所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
なお、本実施形態においては、上記「長当たり遊技」と「短当たり遊技」とを「大当たり遊技」と称し、この「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
そして、主制御基板101においては、メインRAM101cの遊技状態記憶領域にフラグを記憶することによって、現在の遊技状態が上記のいずれの遊技状態であるのかを把握するようにしている。
また、遊技状態がある遊技状態から他の遊技状態に変更するのは、上記大当たりの抽選の結果大当たりに当選した場合、および大当たり遊技を終了した場合である。
本実施形態においては、複数種類の「大当たり」が設けられており、大当たりに当選して決定された特別図柄の種類(大当たり図柄の種類)に応じて、「大当たり」の種類が決定される。そして、大当たり終了後に大当たり図柄の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する。なお、「小当たり」に当選した場合には、「小当たり遊技状態」の終了後に、「高確率遊技状態」や「時短遊技状態」等の遊技状態が変更することはない。例えば、「高確率遊技状態」において「小当たり」に当選した場合には、「小当たり遊技状態」の終了後も「高確率遊技状態」が継続する。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図15を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板107により電源が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROMから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAMに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU101aは、変動パターン用乱数値、リーチ判定用乱数値の更新を行う演出乱数更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、特別図柄判定用初期値乱数、大当たり図柄用初期値乱数、小当たり図柄用初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図16を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタを−1減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
ステップS130において、メインCPU101aは、特別図柄判定用初期値乱数カウンタ、大当たり図柄用初期値乱数カウンタ、小当たり図柄用初期値乱数カウンタを+1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、一般入賞口検出スイッチ7a、作動領域検出スイッチ46a、大入賞口検出スイッチ11a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第3始動口検出スイッチ47a、ゲート検出スイッチ8aの各スイッチに入力があったか否か判定する入力処理を行う。具体的には、図12を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図20〜図27を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。詳しくは、図28〜図30を用いて後述する。
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、大入賞口11、第1始動口9、第2始動口10、一般入賞口7に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板103に送信する。
より具体的には、後述する図12において更新されている一般入賞口賞球カウンタ、大入賞口賞球カウンタ、始動口賞球カウンタをチェックし、それぞれの入賞口に対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板103に送信する。その後、送信した払出個数指定コマンドに対応する賞球カウンタから所定のデータを減算して更新する。
ステップS600において、メインCPU101aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、特別図柄表示装置19、20および普通図柄表示装置21の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。さらに、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
図17を用いて、主制御基板101の入力制御処理を説明する。
まず、ステップS210において、メインCPU101aは、一般入賞口検出スイッチ7aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口7に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出スイッチ7aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
ステップS211において、メインCPU101aは、作動領域検出スイッチ46aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が作動領域46に入球したか否かを判定する。メインCPU101aは、作動領域検出スイッチ46aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる作動領域賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
ステップS220において、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ11aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口11に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ11aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口9に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、図18を用いて後述する。
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出スイッチ10aまたは第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口10または第3始動口検出スイッチ47aに入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。なお、第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号の入力に応じた処理と第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号の入力に応じた処理とを同時に行うのは、第2始動口10へ遊技球が入球した場合と第3始動口47に遊技球が入球した場合とでは同じ記憶領域に抽出したデータを記憶するため、制御負担を軽減可能であるからである。詳しくは、図19を用いて後述する。
ステップS250において、メインCPU101aは、ゲート検出スイッチ8aが信号を入力したか、すなわち、遊技球が普通図柄ゲート8を通過したか否かを判定する。さらに、メインCPU101aは、ゲート検出スイッチ8aが信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算し、予め用意された乱数範囲(例えば、0〜10)から1つの当たり判定用乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶する。ただし、普通図柄保留数(G)記憶領域に「4」が記憶されている場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算したり、当たり判定用乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶したりすることは行わない。
図18を用いて、主制御基板101の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS230−1において、メインCPU101aは、第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力した場合にはステップS230−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS230−2において、メインCPU101aは、賞球のために用いる始動口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
ステップS230−3において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であった場合には、ステップS230−4に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満でない場合には第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS230−4において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
ステップS230−5において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
ステップS230−6において、メインCPU101aは、大当たり図柄用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS230−7において、メインCPU101aは、小当たり図柄用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した小当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS230−8において、メインCPU101aは、演出用乱数値として、変動パターン用乱数値およびリーチ判定用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した変動パターン用乱数値およびリーチ判定用乱数値を記憶する。
ステップS230−9において、メインCPU101aは、第1特別図柄記憶領域の記憶部に新たなデータが記憶されたことを示す情報を演出制御基板102へ送信するために、始動入賞指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。本処理が終了すると、第1始動口検出スイッチ入力処理が終了する。
以上より、第1特別図柄記憶領域の所定の記憶部には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、変動パターン用乱数値、リーチ判定用乱数値が記憶されることとなる。実施形態においては、特別図柄判定用乱数値等が第1判定情報に相当し、第1始動口9への遊技球の入球を検出したことを契機に、第1特別図柄記憶領域の所定の記憶部に特別図柄判定用乱数値や大当たり図柄用乱数値を記憶するメインCPU101aが判定情報取得手段である第1判定情報取得手段を構成する。
図19を用いて、主制御基板101の第2始動口検出スイッチ・第3始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS240−1において、メインCPU101aは、第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号を入力した場合にはステップS240−3に処理を移し、第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号を入力しなかった場合には、ステップS240−2に処理を移す。
第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号を入力しなかった場合には、ステップS240−2において、メインCPU101aは、第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号を入力した場合にはステップS240−3に処理を移す。一方、第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号と第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号とのいずれも入力しなかった場合には、第2始動口検出スイッチ・第3始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号と第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号とのいずれかを入力した場合は、ステップS240−3において、メインCPU101aは、賞球のために用いる始動口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
ステップS240−4において、メインCPU101aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であった場合には、ステップS240−5に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満でない場合には、第2始動口検出スイッチ・第3始動口検出スイッチ入力処理を終了する。したがって、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4である場合(U2が上限値に達している場合)は、第2始動口10と第3始動口47とのいずれに遊技球が入球しても、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のデータは加算されない。
ステップS240−5において、メインCPU101aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に「1」を加算して記憶する。このように、第2始動口10に遊技球が入球した場合でも、第3始動口47に遊技球が入球した場合でも、第2特別図柄保留数(U2)が上限値に達していなければ、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に「1」加算される。
ステップS240−6において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
ステップS240−7において、メインCPU101aは、大当たり図柄用乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS240−8において、メインCPU101aは、小当たり図柄用乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した小当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS240−9において、メインCPU101aは、演出用乱数値として、変動パターン用乱数値およびリーチ判定用乱数値を抽出して、第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した変動パターン用乱数値およびリーチ判定用乱数値を記憶する。
ステップS240−10において、メインCPU101aは、第2始動口10または第3始動口47に遊技球が入球したことを示す始動入賞指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、第2始動口検出スイッチ・第3始動口検出スイッチ入力処理を終了する。なお、第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号を入力した場合と、第3始動口検出スイッチ47aからの入力信号を入力した場合とで、異なる始動入賞指定コマンドをセットするようにしてもよい。これにより、演出制御基板102は入球した始動口の種類に応じた演出の制御が可能になる。
本実施形態においては、第2始動口検出スイッチ・第3始動口検出スイッチ入力処理において取得する特別図柄判定用乱数値等が第2判定情報に相当し、第2始動口10または第3始動口47への遊技球の入球を検出したことを契機に、第2特別図柄記憶領域の所定の記憶部に特別図柄判定用乱数値や大当たり図柄用乱数値を記憶するメインCPU101aが判定情報取得手段である第2判定情報取得手段を構成する。
本実施形態では、第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号を入力したことに基づいて、賞球カウンタを更新するとともに特別図柄判定用乱数値等を第2特別図柄記憶領域に記憶するが、これに限らず、第3始動口検出スイッチ47aからの検出信号を入力した場合、メインCPU101aは、賞球カウンタを更新するのみでもよいし、賞球カウンタの更新は行わないようにしてもよい。さらに、特別図柄判定用乱数値等を第1特別図柄記憶領域に記憶するようにしてもよいし、第3特別図柄記憶領域を設けて当該第3特別図柄記憶領域に各種情報を記憶するようにしてもよい。
図20を用いて、主制御基板101の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば小当り遊技処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば大当り遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。詳しくは、図21〜図27を用いて後述する。
図21を用いて、主制御基板101の特別図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU101aは、特別図柄の変動中ではない場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であるかを判定する。第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上でない場合には、ステップS310−4に処理を移し、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が「1」以上であると判定した場合にはステップS310−3に処理を移す。
ステップS310−3において、メインCPU101aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算して記憶する。
ステップS310−4において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であるかを判定する。第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上でない場合には、ステップS319−1に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が「1」以上であると判定した場合にはステップS310−5に処理を移す。
ステップS310−5において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算して記憶する。
ステップS310−6において、メインCPU101aは、上記ステップS310−2〜S310−5において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン用乱数値が消去される。
このように、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせるので、第1特別図柄記憶領域にデータが記憶されていたとしても、第2特別図柄記憶領域にデータが記憶されている場合は、第2特別図柄記憶領域に記憶されているデータに基づいて、後述する大当たり判定処理が行われる。また、時短遊技状態に制御されており、第2始動口10が第2の態様に制御されやすくなっている場合は、右打ち遊技領域6bに遊技球を進入させることにより高い割合で第2始動口10へ遊技球が入球して第2特別図柄記憶領域にデータが記憶されていく。そのため、時短遊技状態においては、第2特別図柄の保留と消化が高速で繰り返されることになる。
なお、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。詳しくは、図22を用いて、後述する。
ステップS312においては、メインCPU101aは、変動パターン選択処理を行う。
変動パターン選択処理は、図14に示す変動パターン決定テーブルを参照して、大当たりの判定結果、特別図柄の種類、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U)、取得したリーチ判定用乱数値および変動パターン用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。
ステップS313において、メインCPU101aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS314において、メインCPU101aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS315において、メインCPU101aは、特別図柄表示装置19または20において特別図柄の変動表示を開始する。つまり、処理領域に書き込まれた情報が、第1保留に係る場合には特別図柄表示装置19を点滅させ、第2保留に係る場合には特別図柄表示装置20を点滅させる。
ステップS316において、メインCPU101aは、上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに上記ステップS312において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS317において、メインCPU101aは、デモ判定フラグに00Hをセットする。すなわち、デモ判定フラグをクリアする。
ステップS318において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=1をセットし、図23に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS319−1において、メインCPU101aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
ステップS319−2において、メインCPU101aは、後述するステップS319−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
ステップS319−3において、メインCPU101aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
図22を用いて、大当り判定処理を説明する。
まず、ステップS311−1において、メインCPU101aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがONされているか否かを判定する。高確率遊技フラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。高確率遊技フラグがONされている場合には、ステップS311−2に処理を移し、高確率遊技フラグがONされていない場合には、ステップS311−3に処理を移す。
ステップS311−2において、メインCPU101aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判定した場合には、「高確率時乱数判定テーブル」を選択する。
ステップS311−3において、メインCPU101aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判定した場合には、「低確率時乱数判定テーブル」を選択する。
ステップS311−4において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた特別図柄判定用乱数値を、上記ステップS311−2またはステップS311−3で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定する。
より具体的には、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図9(a)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図9(b)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かが判定される。
ステップS311−5において、メインCPU101aは、上記ステップS311−4における大当たり判定の結果、大当たりと判定されたか否かを判定する。大当たりと判定された場合には、ステップS311−6に処理を移し、大当たりと判定されなかった場合には、ステップS311−11に処理を移す。
ステップS311−6において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、ステップS311−7において特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定する。
具体的には、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図10(a)の第1特別図柄表示装置用の図柄決定テーブルを参照し、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、第2特別図柄表示装置用の図柄決定テーブルを参照して、大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を決定する。
なお、決定された特別図柄は、後述するように図24の特別図柄停止処理において「大当たり」か「小当たり」を決定するのに用いられるとともに、図25の大当たり遊技処理や図26の小当たり遊技処理において開放動作を行う大入賞口の種類や大入賞口の作動態様を決定するのにも用いられ、図27の大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するために参照される遊技状態変更フラグを決定するのにも用いられる。
ステップS311−7において、メインCPU101aは、決定された停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS311−8において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS311−9において、メインCPU101aは、停止図柄データに基づいて、大当たり終了後の遊技状態を決定するために参照される遊技状態変更フラグを決定する。
具体的には、図11(a)に示す遊技状態変更フラグの決定テーブルを参照して、停止図柄データに基づいて、遊技状態変更フラグを決定し、決定された遊技状態変更フラグを遊技状態変更フラグ記憶領域にセットする。
ステップS311−10において、メインCPU101aは、上記ステップS311−5において大当たりと判定されなかった場合には、小当たりと判定されたか否かの判定を行う。小当たりと判定された場合には、ステップS311−11に処理を移し、小当たりと判定されなかった場合には、ステップS311−14に処理を移す。
ステップS311−11において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた小当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類を決定する。
具体的には、図10(b)の図柄決定テーブルを参照して、小当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類を決定する。なお、本実施形態においては、「小当たり」の種類として「小当たりA」と「小当たりB」とが設けられている。ただし、いずれの「小当たり」に当選しても、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同一であり、「小当たりA」と「小当たりB」とでは、特別図柄表示装置19、20に停止表示される特別図柄のみが異なる。
ステップS311−12において、メインCPU101aは、決定された小当たり用の特別図柄の種類を示す停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS311−13において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、小当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS311−14において、メインCPU101aは、図10(c)の図柄決定テーブルを参照してハズレ用の特別図柄を決定し、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS311−15において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成し、演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。本実施形態では、大当たり判定処理を行うメインCPU101aが遊技利益決定手段を構成する。
図23を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
ステップS320−1において、メインCPU101aは、ステップS316においてセットされた変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS320−2において、メインCPU101aは、セットされた時間を経過したと判定した場合には、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(大当たり判定処理)において、上記ステップS311−12、S311−18、S311−20でセットされた特別図柄を特別図柄表示装置19、20に停止表示する。これにより、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
ステップS320−3において、メインCPU101aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS320−4において、メインCPU101aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(1秒=1500カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に−1減算処理されていく。
ステップS320−5において、メインCPU101aは、特図特電処理データに2をセットし、図24に示す特別図柄停止処理に処理を移して、特別図柄変動処理を終了する。
図24を用いて、特別図柄停止処理を説明する。
ステップS330−1において、メインCPU101aは、ステップS320−4においてセットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS330−2において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判定する。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合である。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−3に処理を移し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−7に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU101aは、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に記憶されている(J)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(J)として記憶する。
ステップS330−4において、メインCPU101aは、残り変動回数(J)=0か否かを判定する。残り変動回数(J)=0であれば、ステップS330−5に処理を移し、残り変動回数(J)=0でなければ、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−5において、メインCPU101aは、残り変動回数(J)=0の場合には、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記残り変動回数(J)が「0」になるということは、時短遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われ、時短遊技状態が終了することを意味する。
ステップS330−6において、メインCPU101aは、右打ち報知表示器26を点灯するデータを生成してセットする。これにより、右打ち報知表示器26が点灯することとなり、遊技者に第2進入領域6dを狙って遊技球を発射させた方が有利であることが報知される。
ステップS330−7において、メインCPU101aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−8において、メインCPU101aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜06?)のものであるか否かを判定する。ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−12に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−9に処理を移す。
ステップS330−9において、メインCPU101aは、小当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが小当たり図柄(停止図柄データ=07、08?)であるか否かを判定する。ここで、小当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−10に処理を移し、小当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−11に処理を移す。
ステップS330−10において、メインCPU101aは、特図特電処理データに4をセットし、図26に示す小当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS330−11において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図21に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
ステップS330−12において、メインCPU101aは、特図特電処理データに3をセットし、図25に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS330−13において、メインCPU101aは、遊技状態や時短回数をリセットする。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
ステップS330−14において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」か「短当たり」のいずれの大当たりであるかを判定し、大当たりの種別に応じたオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−15において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」か「短当たり」のいずれの大当たりであるかを判定し、大当たりの種別に応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS330−16において、メインCPU101aは、停止図柄が「長当たり」であるか否かを判定し、「長当たり」である場合は、右打ち報知表示器26を消灯するデータを生成してセットする。これにより、右打ち報知表示器26が消灯することとなり、遊技者に第1進入領域6cを狙って遊技球を発射させた方が有利であることが報知される。本処理を終了したら、特別図柄停止処理を終了する。
図25を用いて、大当たり遊技処理を説明する。
まず、ステップS340−1において、メインCPU101aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。具体的には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「0」が記憶されていれば、現在オープニング中であるので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域を参照し、現在オープニング中であるか判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S340−9に処理を移す。
ステップS340−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
ステップS340−3において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」か「短当たり」のいずれの大当たりであるかを判定し、大当たりの種別に応じた開放態様決定テーブルを決定する。具体的には、図12に示すように、停止図柄データに応じて、長当たり用開放態様決定テーブル(図13(a))、短当たり用開放態様決定テーブル(図13(b))のいずれかを決定する。
ステップS340−4において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。なお、本ステップS340−4においては、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」を記憶することとなる。
ステップS340−5において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に、記憶されている現在の開放回数(K)に「1」を加算して記憶する。
ステップS340−6において、メインCPU101aは、開放態様決定テーブルを参照して、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電開始データをセットして、大入賞口開閉扉11bを動作させることにより、大入賞口11を開放する。
ステップS340−7において、メインCPU101aは、上記ステップ340−3において決定された開放態様決定テーブル(図13参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、大入賞口11の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−8において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)に応じて、演出制御基板102にラウンド回数の情報を送信するため、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。本ステップS340−8においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」であるので、大入賞口開放1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS340−9において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS340−29に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS340−10に処理が移される。
ステップS340−10において、メインCPU101aは、大入賞口が閉鎖中であるか否かを判定する。そして、大入賞口が閉鎖中と判定された場合には、ステップS340−11に処理を移し、大入賞口が閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS340−16に処理を移す。
ステップS340−11において、メインCPU101aは、後述するステップS340−20において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合にはステップS340−12に処理を移す。
ステップS340−12において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に、記憶されている現在の開放回数(K)に「1」を加算して記憶する。
ステップS340−13において、メインCPU101aは、開放態様決定テーブルを参照して、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電開始データをセットして、大入賞口11を開放する。
ステップS340−14において、メインCPU101aは、上記ステップ340−3において決定された開放態様決定テーブル(図13参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、大入賞口11の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−15において、メインCPU101aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板102にラウンド回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じて大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、ラウンド遊技回数(R)が「2」であれば、大入賞口開放2ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
ステップS340−16において、メインCPU101aは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が所定個数(例えば9個)に達したか否かを判定する。そして、大入賞口入球カウンタ(C)の値が所定個数に達していない場合には、ステップS340−17に処理を移し、大入賞口の入球カウンタの値が所定個数に達している場合には、ステップS340−21に処理を移す。
ステップS340−17において、メインCPU101aは、設定された開放時間を経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0となったか否か)を判定する。設定された開放時間を経過した場合にはステップS340−18に処理を移し、設定された開放時間を経過していない場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−18において、メインCPU101aは、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数であるか否かを判定する。ここで、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数であれば、ステップS340−21に処理を移し、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数でなければ、ステップS340−19に処理を移す。
ステップS340−19において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電停止データをセットする。これにより、大入賞口11が閉鎖することになる。
ステップS340−20において、メインCPU101aは、上記ステップ340−3において決定された開放態様決定テーブル(図13参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、大入賞口の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−21において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電停止データをセットする。これにより、大入賞口11が閉鎖することになる。
ステップS340−22において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットし、開放回数(K)記憶領域をクリアする。
ステップS340−23において、メインCPU101aは、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットし、大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS340−24において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS340−26に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS340−25に処理を移す。
ステップS340−25において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
ステップS340−26において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
ステップS340−27において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」か「短当たり」のいずれの大当たりであるかを判定し、大当たりの種別に応じたエンディングコマンドを演出制御基板102に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS340−28において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」か「短当たり」のいずれの大当たりであるかを判定し、大当たりの種別に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−29において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合には、ステップS340−30に処理を移し、一方、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−30において、メインCPU101aは、上記ステップ340−3において決定された開放態様決定テーブル(図13参照)を参照して、図13(a)の長当たり用開放態様決定テーブルである場合には、右打ち報知表示器26を消灯するデータを生成してセットする。これにより、右打ち報知表示器26が消灯することとなり、遊技者に第1進入領域6cを狙って遊技球を発射させた方が有利であることが報知される。
ステップS340−31において、メインCPU101aは、特図特電処理データに5をセットし、図27に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。本実施形態では、大当たり遊技処理を行うメインCPU101aが特別遊技実行手段を構成する。
図26を用いて、小当たり遊技処理を説明する。
ステップS350−1において、メインCPU101aは、オープニングコマンドが既に送信されているか否かを判定する。オープニングコマンドが送信されていないと判定した場合には、ステップS350−2に処理を移し、オープニングコマンドが送信されたと判定した場合には、ステップS350−3に処理を移す。
ステップS350−2において、メインCPU101aは、小当たり用開放態様決定テーブル(図13(c))を決定する。
ステップS350−3において、メインCPU101aは、既にオープニングコマンドが送信されていると判定した場合には、現在オープニング中であるか否かを判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS350−4に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S350−8に処理を移す。
ステップS350−4において、メインCPU101aは、現在オープニング中であると判定した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、オープニングタイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。また、後述するように、ステップ350−8において大入賞口11の閉鎖中と判定され、ステップS350−14において設定された閉鎖時間が経過したか否かも判定される。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。
その結果、設定時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、設定時間を経過している場合にはステップS350−5に処理を移す。
ステップS350−5において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に、記憶されている現在の作動回数(K)に「1」を加算して記憶する
ステップS350−6において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を開始して大入賞口11を開放する。
ステップS350−7において、メインCPU101aは、上記ステップ350−2において決定された小当たり用開放態様決定テーブル(図13(c))を参照して、開放回数(K)に基づいて、大入賞口11の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS350−8において、メインCPU101aは、大入賞口11が閉鎖中であるか否かを判定する。閉鎖中と判定された場合には、ステップS350−4に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS350−9に処理を移す。
ステップS350−9において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS350−19において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定され、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS350−10に処理が移される。
ステップS350−10において、メインCPU101aは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が所定個数(例えば9個)に達したか否かを判定する。大入賞口入球カウンタ(C)が所定個数に達したと判定した場合には、ステップS350−15に処理を移し、大入賞口入球カウンタ(C)が所定個数に達したと判定しなかった場合には、ステップS350−11に処理を移す。
ステップS350−11において、メインCPU101aは、開放時間を経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0となったか否か)を判定する。設定された開放時間を経過した場合には、ステップS350−12に処理を移し、設定された開放時間を経過していない場合には、小当たり遊技処理を終了する。
ステップS350−12において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に記憶されている現在の作動回数(K)が最大であるか否かを判定する。ここで、開放回数(K)が最大開放回数であれば、ステップS350−15に処理を移し、開放回数(K)が最大開放回数でなければ、ステップS350−13に処理を移す。具体的には、図13(c)に示すように「小当たり」のときは、最大開放回数は15回となっている。
ステップS350−13において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電停止データをセットする。これにより、大入賞口11が閉鎖することになる。
ステップS350−14において、メインCPU101aは、上記ステップ350−2において決定された小当たり用開放態様決定テーブル(図13(c))を参照して、開放回数(K)に基づいて、閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS350−15において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電停止データをセットする。これにより、大入賞口11が閉鎖することになる。
ステップS350−16において、メインCPU101aは、開放回数(K)が最大に達したと判定した場合には、開放回数(K)記憶領域に記憶された開放回数(K)をリセットする。
ステップS350−17において、メインCPU101aは、大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS350−18において、メインCPU101aは、小当たり遊技終了の情報を演出制御基板102に送信するためにエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS350−19において、メインCPU101aは、メインRAM101cの特別遊技タイマカウンタに、エンディング時間に対応するカウンタを特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS350−20において、メインCPU101aは、エンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定し場合には、ステップS350−21において特図特電処理データに0をセットし、図21に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、小当たり遊技処理を終了する。
図27を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。
ステップS360−1において、メインCPU101aは、上記ステップS311−12において遊技状態変更フラグ記憶領域にセットされた遊技状態変更フラグをロードする。
ステップS360−2において、図11(b)に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした遊技状態変更フラグに基づいて、大当り終了時に高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、遊技状態変更フラグが01Hであれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットする。
ステップS360−3において、図11(b)に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした遊技状態変更フラグに基づいて、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、遊技状態変更フラグが02Hであれば、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS360−4において、図11(b)に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした遊技状態変更フラグに基づいて、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、遊技状態変更フラグが02Hの場合に、遊技状態バッファにある遊技情報が00Hまたは01Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットしないが、遊技状態バッファにある遊技情報が02Hまたは03Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットする。本実施形態では、図22に示す大当たり遊技終了処理において、時短遊技フラグをセットするか否かを判断するメインCPU101aが遊技利益決定手段を構成する。また、図22に示す大当たり遊技終了処理において遊技状態変更フラグに基づいて時短遊技フラグをセットする処理を行うメインCPU101aが遊技状態制御手段を構成する。
ステップS360−5において、図11(b)に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした遊技状態変更フラグに基づいて、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、遊技状態変更フラグが01Hの場合は時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS360−6において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされているか(オンされているか)否かを判定し、時短遊技フラグがセットされている場合は、右打ち報知表示器26を消灯するデータを生成してセットする。これにより、右打ち報知表示器26が消灯することとなり、遊技者に第1進入領域6cを狙って遊技球を発射させた方が有利であることが報知される。
ステップS360−7において、メインCPU101aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS360−8において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図21に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
図28を用いて、普図普電制御処理を説明する。
まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば普通図柄変動処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データタ=1であれば普通電動役物制御処理(ステップS420)に処理を移す。詳しくは、図29、図30を用いて後述する。
図29を用いて、普通図柄変動処理を説明する。
ステップS410−1において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定する。普通図柄の変動表示中であればステップS410−13に処理を移し、普通図柄の変動表示中でなければステップS410−2に処理を移す。
ステップS410−2において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中でない場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判定する。保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
ステップS410−3において、メインCPU101aは、ステップS410−2において、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、特別図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
ステップS410−4において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。
ステップS410−5において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり乱数値の判定を行う。なお、複数の当たり乱数が記憶されている場合には、当該当たり乱数が記憶された順に読み出されるようにしている。
具体的には、図9(c)に示す当たり判定テーブルを参照し、抽出した当たり判定用乱数値を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、非時短遊技状態であれば「0」〜「10」の当たり乱数のうち「0」の1個の当たり判定用乱数値が当たりと判定され、時短遊技状態であれば「0」〜「10」の当たり乱数のうち「0」〜「9」の10個の当たり判定用乱数値が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。
ステップS410−6において、メインCPU101aは、上記ステップS205における当たり乱数の判定の結果を参照して、当たりと判定された場合には、ステップS410−7において当たり図柄がセットされ、ハズレと判定された場合にはステップS410−8においてハズレ図柄がセットされる。
ここでいう当たり図柄とは、上記普通図柄表示装置21において最終的にLEDが点灯する図柄のことであり、ハズレ図柄とは最終的にLEDが点灯せずに消灯する図柄のことである。また、当たり図柄のセットとは、普通図柄表示装置21においてLEDを点灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることであり、ハズレ図柄のセットとは、普通図柄表示装置21においてLEDを消灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることである。
ステップS410−9において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判定する。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、遊技状態が時短遊技状態にあるときであり、上記フラグがONされていない場合というのは、遊技状態が非時短遊技状態にあるときである。
そして、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていると判定した場合には、ステップS410−10において普通図柄時間カウンタに3秒に対応するカウンタをセットし、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判定した場合には、ステップS410−11において普通図柄時間カウンタに29秒に対応するカウンタをセットする。このステップS410−10またはステップS410−11の処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。なお、普通図柄時間カウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS410−12において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示というのは、普通図柄表示装置21においてLEDを所定の間隔で点滅させ、あたかも現在抽選中であるかのような印象を遊技者に与えるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS410−10またはステップS410−11において設定された時間だけ継続して行われることとなる。本処理を終了すると、普通図柄変動処理が終了する。
ステップS410−13において、メインCPU101aは、上記ステップS410−1において普通図柄の変動表示中であると判定した場合、設定された変動時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普通図柄時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、セットされた普通図柄時間カウンタが0となっているか判定する。その結果、設定された変動時間を経過していないと判定した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
ステップS410−14において、メインCPU101aは、設定された変動時間を経過したと判定した場合には、普通図柄表示装置21における普通図柄の変動を停止する。このとき、普通図柄表示装置21には、それ以前のルーチン処理によって設定された普通図柄(当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示する。これにより、普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
ステップS410−15において、メインCPU101aは、設定されていた普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定し、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS410−16において普図普電処理データ=1をセットし、普通電動役物制御処理に処理を移し、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、そのまま普通図柄変動処理を終了する。
図30を用いて、普通電動役物制御処理を説明する。
ステップS420−1において、メインCPU201aは、普電開放時間カウンタに普電開放時間がセットされているか否かを判定する。そして、普電開放時間カウンタに開放時間がセットされている場合にはステップS420−6に処理を移し、普電開放時間カウンタに開放時間がセットされていない場合にはステップS420−2に処理を移す。
ステップS420−2において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがONされているか否かを判定する。
ステップS420−3において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがONされていると判定した場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、普電開放時間カウンタに3.5秒に対応するカウンタをセットする。
ステップS420−4において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがONされていないと判定した場合には、普電開放時間カウンタに0.2秒に対応するカウンタをセットする。
ステップS420−5において、メインCPU101aは、始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始する。これにより、第2始動口10が開放して第2の態様に制御されることとなる。
ステップS420−6において、メインCPU101aは、設定された普電開放時間を経過したか否かを判定する。
すなわち、普電開放時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、セットされた普電開放時間カウンタ=0となったか否かを判定する。そして、普電開放時間カウンタ=0ではない場合は、普電開放時間カウンタ=0であると判定されるまで本ステップを繰り返し実行し、セットされた普電開放時間カウンタ=0となった場合は、ステップS420−7に処理を移す。
ステップS420−7において、メインCPU101aは、設定された普電開放時間を経過したと判定されている場合には、始動口開閉ソレノイド10cの通電を停止する。これにより、第2始動口10は第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となり、実行されていた時短遊技が終了することとなる。
ステップS420−8において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0をセットして図29の普通図柄変動処理に処理を移し、普通電動役物制御処理は終了する。本実施形態においては、始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始または停止するメインCPU101aが第1可変入賞装置制御手段を構成する。
次に、演出制御基板102におけるサブCPU102aにより実行される処理について説明する。
(演出制御基板102のメイン処理)
図31を用いて、演出制御基板102のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU102aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、電源投入に応じて、サブROM102bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM102cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU102aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板102のタイマ割込処理)
図32を用いて、演出制御基板102のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板102に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1400において、サブCPU102aは、サブCPU102aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU102aは、演出制御基板102で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU102aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図33および図34を用いて後述する。なお、演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板102のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU102aは、演出ボタン検出スイッチ17aの信号のチェックを行い、演出ボタン17に関する演出入力制御処理を行う。
ステップS1800において、サブCPU102aは、サブRAM102bの送信バッファにセットされている各種データを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。
ステップS1900において、サブCPU102aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU102aのレジスタに復帰させる。
(副制御基板のコマンド解析処理)
図33および図34を用いて、演出制御基板102のコマンド解析処理を説明する。なお、図34のコマンド解析処理2は、図33のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1601において、サブCPU102aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1602に処理を移す。
ステップS1602において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1603に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1604に処理を移す。
ステップS1603において、サブCPU102aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
ステップS1604において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、始動入賞指定コマンドか否かを確認する。そして、受信バッファに格納されているコマンドが始動入賞指定コマンドであれば、ステップS1605に処理を移し、始動入賞指定コマンドでなければ、ステップS1607に処理を移す。
ステップS1605において、サブCPU102aは、始動入賞指定コマンドを解析し、第1特別図柄保留記憶領域または第2特別図柄保留記憶領域に始動入賞データをセットする特別図柄保留記憶処理を行う。
ステップS1606において、サブCPU102aは、液晶表示装置13に特別図柄の保留記憶数を表示する態様を決定する処理を行う。具体的には、サブCPU102aは、第1特別図柄保留記憶領域にある第1特別図柄記憶領域〜第4特別図柄記憶領域および第2特別図柄保留記憶領域にある第5特別図柄記憶領域〜第8特別図柄記憶領域のうち、始動入賞データがセットされている特別図柄記憶領域の個数を確認する。そして、始動入賞データがセットされている特別図柄記憶領域の個数に応じた特別図柄の保留表示態様を決定する。
さらに、サブCPU102aは、当該決定した特別図柄の保留表示態様のデータを、画像制御基板105に送信するため、サブRAM102bの送信バッファにセットする。これにより、液晶表示装置13には、表示された特図保留図柄の個数によって特別図柄の保留記憶数が把握できるような特別図柄の保留表示が行われる。
ステップS1607において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1608に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1611に処理を移す。
ステップS1608において、サブCPU102aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を抽出し、抽出した演出用乱数値、受信した変動パターン指定コマンドおよび演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。
具体的には、図14に示す変動演出パターン決定テーブルを参照し、抽出した演出用乱数値1に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定した変動演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
このように、かかる演出パターンに基づいて、液晶表示装置13、演出用照明装置16、音声出力装置18が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄30の変動態様が決定されることとなる。
ステップS1609において、サブCPU102aは、第1特別図柄保留記憶領域および第2特別図柄保留記憶領域に記憶されている始動入賞データをシフトさせる保留記憶領域更新処理を行う。
具体的には、第1特別図柄保留記憶領域にある第1特別図柄記憶領域〜第4特別図柄記憶領域または第2特別図柄保留記憶領域にある第5特別図柄記憶領域〜第8特別図柄記憶領域に記憶されている始動入賞データを1つ前の特別図柄記憶領域にシフトさせる。ここで、新たにシフトされた始動入賞データは、既に記憶されていた始動入賞データに上書きされるので、前回の始動入賞データは消去される。
ステップS1610において、サブCPU102aは、液晶表示装置13に特別図柄の保留記憶数を表示する態様を決定する処理を行う。すなわち、サブCPU102aは、始動入賞データがセットされている特別図柄記憶領域の個数に応じた特別図柄の保留表示態様を決定し、当該決定した特別図柄の保留表示態様のデータを、画像制御基板105に送信するため、サブRAM102bの送信バッファにセットする処理を行う。
ステップS1611において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1612に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1613に処理を移す。
ステップS1612において、サブCPU102aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置13に停止表示させる演出図柄30を決定する演出図柄決定処理を行う。この処理において、特別遊技用演出図柄やハズレ用演出図柄を決定し、決定した演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットする。
ステップS1613において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1614に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1615に処理を移す。
ステップS1614において、サブCPU102aは、演出図柄30を停止表示させるために、上記ステップS1610で決定された演出図柄データに基づくデータと、演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM102bの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。
ステップS1615において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1616に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1617に処理を移す。
ステップS1616において、サブCPU102aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
ステップS1617において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1618に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1619に処理を移す。
ステップS1618において、サブCPU102aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
ステップS1619において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1620に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1620において、サブCPU102aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
次に、画像制御基板105とランプ制御基板104について簡単に概略を説明する。
画像制御基板105において、液晶表示装置13を制御する際には、受信したデータに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置18における音声を出力制御する。また、演出制御基板102から画像制御基板105にデータが送信されると、画像CPUが画像ROMからプログラムを読み出して、受信した演出用のコマンドに基づいて液晶表示装置13における画像表示を制御する。
ランプ制御基板104においては、受信したデータに基づいて演出役物装置作動プログラムを読み出して、演出役物装置14、15を作動制御するとともに、受信した演出用のデータに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置16を制御する。
7 一般入賞口
7a 一般入賞口検出スイッチ
9 第1始動口
9a 第1始動口検出スイッチ
10 第2始動口
10a 第2始動口検出スイッチ
10b 可動片
11 大入賞口
11a 大入賞口検出スイッチ
11b 大入賞口開閉扉
11c 大入賞口開閉ソレノイド
13 液晶表示装置
40 ワープ通路
41 導入口
42 誘導路
43 導出口
44 第1ステージ
45 第2ステージ
45b 放出部
45c ステージ前壁
46 作動領域
46a 作動領域検出スイッチ
47 第3始動口
47a 第3始動口検出スイッチ
48 可変ユニット
49 開閉部材
49a 連結孔
50 第1作動部
51 第2作動部
52 連結部材
52a 連結係止部
52b 排出孔
53 回転軸
54 転落ガード
55 中間ステージ
101 主制御基板
101a メインCPU
101b メインROM
101c メインRAM
102 演出制御基板
102a サブCPU
102b サブROM
102c サブRAM

Claims (3)

  1. 遊技球を発射する発射手段と、
    前記発射手段により遊技球を発射させる発射操作を受け付ける発射操作手段と、
    前記発射操作手段による第1の発射操作によって発射された遊技球が進入する第1進入領域と、前記発射操作手段による第2の発射操作によって発射された遊技球が進入する第2進入領域とから構成される遊技領域とを有する遊技機であって、
    前記第2進入領域に進入した遊技球に比して前記第1進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された第1始動領域と、
    前記第1進入領域に進入した遊技球に比して前記第2進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された第2始動領域と、
    前記第2進入領域に進入した遊技球に比して前記第1進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された第3始動領域と、
    前記第2進入領域に進入した遊技球に比して前記第1進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された作動領域と、
    前記第1進入領域に進入した遊技球に比して前記第2進入領域に進入した遊技球の方が入球しやすく配置された特別可変入賞装置と、
    前記第1始動領域、前記第2始動領域および第3始動領域のいずれかに遊技球が進入したことを契機として、遊技者に付与する遊技利益を決定するために用いられる判定情報を取得する判定情報取得手段と、
    前記判定情報取得手段によって取得された前記判定情報に基づいて、少なくとも前記特別可変入賞装置が開放される特別遊技の実行の有無、および該特別遊技の実行終了後の遊技状態が含まれる遊技利益を決定する遊技利益決定手段と、
    前記遊技利益決定手段によって前記特別遊技を実行するとする前記遊技利益が決定されたことを条件に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    前記第2始動領域への遊技球の入球を不可能または困難とする閉鎖態様および該閉鎖態様よりも前記第2入賞領域への遊技球の入球を容易とする開放態様に変化可能な第1可変入賞装置と、
    前記第3始動領域への遊技球の入球を不可能または困難とする閉鎖態様および該閉鎖態様よりも前記第3始動領域への遊技球の入球を容易とする開放態様に変化可能な第2可変入賞装置と、
    前記第1可変入賞装置を前記閉鎖態様または前記開放態様のいずれかの状態にて制御する第1可変入賞装置制御手段と、
    前記遊技利益決定手段によって決定された前記遊技利益に基づいて、前記第2進入領域に進入した遊技球の前記第2始動領域への入球割合が前記第1進入領域に進入した遊技球の前記第1始動領域への入球割合よりも高くなるように、前記第1可変入賞装置制御手段が前記第1可変入賞装置の制御を行う特定遊技状態と、前記第2進入領域に進入した遊技球の前記第2始動領域への入球割合が前記第1進入領域に進入した遊技球の前記第1始動領域への入球割合よりも低くなるように、前記第1可変入賞装置制御手段が前記第1可変入賞装置の制御を行う非特定遊技状態と、のいずれかの遊技状態にて前記特別遊技終了後の遊技を制御する遊技状態制御手段と、
    前記作動領域に入球した遊技球の自重によって、前記第2可変入賞装置を前記閉鎖態様から前記開放態様へと変化させる第1作動部と、
    前記第3始動領域に入球した遊技球の自重によって、前記第2可変入賞装置を前記開放態様から前記閉鎖態様へと変化させる第2作動部と、を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記判定情報取得手段は、
    前記第1始動領域に遊技球が入球したことを契機に前記判定情報として第1判定情報を取得する第1判定情報取得手段と、
    前記第2始動領域または前記第3始動領域に遊技球が入球したことを契機に前記判定情報として第2判定情報を取得する第2判定情報取得手段と、からなり、
    前記遊技利益決定手段は、前記第2判定情報に基づいて前記遊技利益を決定する場合、前記第1判定情報に基づいて前記遊技利益を決定する場合よりも遊技者に有利な遊技利益を決定する割合が高いことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第2可変入賞装置と前記第1作動部と前記第2作動部とは互いに連結されており、
    前記第1作動部は、前記第2作動部が遊技球の自重によって下降すると上昇し、
    前記第2作動部は、前記第1作動部が遊技球の自重によって下降すると上昇し、
    前記可変入賞装置は、前記第1作動部の上昇に伴って前記前記閉鎖態様に変化し、前記第2作動部の上昇に伴って前記開放態様に変化することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
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