JP2012124225A - バックシャーシ及び筐体 - Google Patents

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Hiroyuki Kawahigashi
宏至 川東
Yuichi Nakatani
裕一 中谷
Toru Seo
透 瀬尾
Kazuyuki Terada
一行 寺田
Katsushi Ikeda
勝司 池田
Tadahiro Nishimoto
忠弘 西本
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Abstract

【課題】軽量、高剛性、安価で、かつ放熱性、耐熱寸法安定性に優れたバックシャーシと、このバックシャーシを用いた筐体を提供する。
【解決手段】筐体1は、バックシャーシ2と、枠状部材10とからなる。バックシャーシ2は、アルミ又はアルミ合金製のバックシャーシ本体3と、該バックシャーシ本体3に付着された炭素繊維強化合成樹脂(CFRP)製の補強片6,7とを有する。バックシャーシ本体3は、筐体1の前方を向いた長方形枠状の主面部3aと、該主面部3aの外周縁から後方に起立する周壁部3bとを有する。補強片6,7は、この周壁部3bの外向きの側面に接着剤、粘着剤、両面接着テープなどによって付着されている。補強片6,7は、細長い平板状であり、バックシャーシ2の4辺の各外向き側面において、長手方向の一端側から他端側まで連続して延在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、バックシャーシ本体に炭素繊維強化合成樹脂よりなる補強片を付着させたバックシャーシに関する。詳しくは、本発明は、例えばパソコンやOA機器、携帯機器、フラットパネルディスプレイ等の電子機器の筐体に用いるのに好適なバックシャーシに関する。また、本発明は、このバックシャーシを備えた筐体に関する。
近年、パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話、電話機、ファクシミリ、家電製品、玩具用品、フラットパネルディスプレイなどの電気・電子機器の携帯化、薄型化、軽量化が進むにつれ、高放熱性・高耐熱寸法安定性が要求されている。そして、これらの電子機器の筐体には、薄型化による製品の捩じれを抑制し、これらに搭載される内蔵部品の破損を防ぐ必要があるため、高剛性、軽量化を達成しつつ、かつ高放熱性、高耐熱寸法安定性が求められている。
中でも、薄型を目的とする液晶TVに搭載される導光板を用いるタイプのバックライトについては、LED光源化に伴い、その発熱によるバックライトシャーシの熱変形が問題となっている。熱変形が大きいと、LED光源と導光板との光軸が維持できず、画像の表示品位が低下するという問題があった。このため、LED光源を用いた筐体用部材は従来使用されてきた筐体用部材に対し更なる高剛性、高放熱性、高耐熱寸法安定性が要求されている。
特開2007−38519(特許文献1)には、強化繊維を含んでいる熱可塑性樹脂の積層成形品を有した筐体が記載されている。この筐体は、広い面を含む殆ど全体が強化繊維含有合成樹脂、特に炭素繊維強化合成樹脂を用いているため、高価である。また、合成樹脂や炭素繊維強化合成樹脂は金属に比べて熱伝導率が低く、筐体内に熱が篭り易い。
特開2006−297929(特許文献2)には、電子機器用筐体を枠体と天板とで構成し、天板を金属層/繊維強化樹脂層/金属層の3層サンドイッチ板としたものが記載されている。枠体は樹脂、金属、コンクリート、木材などよりなる。
この筐体では、枠体の強度や剛性が低く、筐体に反りなどの変形が生じ易い。
特開2007−38519号公報 特開2006−297929号公報
本発明は、軽量、高剛性、安価で、かつ放熱性、耐熱寸法安定性に優れたバックシャーシと、このバックシャーシを用いた筐体を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の電子機器用筐体は、底板部及び該底板部の周縁に連なる囲壁部を有するバックシャーシ本体と、該囲壁部の頂面及び底面にそれぞれ付着された、炭素繊維強化合成樹脂よりなる補強片と、を有するものである。
請求項2のバックシャーシは、請求項1において、前記バックシャーシ本体は、金属製の底板部と、該底板部に固着された合成樹脂製の囲壁部とを有することを特徴とするものである。
請求項3のバックシャーシは、請求項1において、前記バックシャーシ本体は、底板部及び囲壁部が一体の金属製であることを特徴とするものである。
請求項4の筐体は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバックシャーシと、該バックシャーシに係合した枠状部材とを備えてなるものである。
請求項5の筐体は、請求項4において、該枠状部材は電子機器用筐体の前方を向いた主面部と、該主面部から立設された周壁部とを備えており、該周壁部に前記囲壁部が内嵌状に係合していることを特徴とするものである。
請求項6の筐体は、請求項5において、該枠状部材の少なくとも該周壁部に、炭素繊維強化合成樹脂製の枠状部材用補強片が付着されていることを特徴とするものである。
本発明のバックシャーシ及び筐体にあっては、バックシャーシがバックシャーシ本体と、該バックシャーシ本体の囲壁部の頂面及び底面に付着された炭素繊維強化合成樹脂製の補強片とを備えている。炭素繊維強化合成樹脂は、熱膨張係数がきわめて小さいので、バックシャーシは寸法安定性に優れる。また、炭素繊維強化合成樹脂は比剛性が高いので、バックシャーシの剛性も高い。炭素繊維強化合成樹脂は黒色であり、熱の放射特性も良好である。本発明では、バックシャーシの囲壁部の頂面及び底面の双方に炭素繊維強化合成樹脂製の補強片を付着させているので、バックシャーシの反り(面反り)が防止される。
本発明では、好ましくは、バックシャーシ本体の少なくとも底板部はアルミ(アルミニウム)又はアルミ合金などの金属よりなる。金属部材は高強度であり、バックシャーシの強度が高いものとなる。また、金属部材は熱伝導度が高い(アルミ及びアルミ合金の場合、通常90〜240w/mK(面方向)程度)ので、光源部材等の機器からの熱がバックシャーシに伝播し易い。特にアルミ又はアルミ合金は、軽量、高強度であり、熱伝導度が大きく、安価であり、好適である。金属部材は熱膨張係数が大きいが、炭素繊維強化合成樹脂製の補強片がバックシャーシ本体の熱膨張を拘束するので、バックシャーシの熱寸法安定性が高い。
このバックシャーシを有する筐体にあっては、枠状部材に周壁部を設け、この周壁部にバックシャーシの囲壁部を内嵌状に係合させるのが好ましい。これにより、機器から発生した熱が囲壁部及び周壁部を介して枠状部材に伝播し易くなり、筐体の放熱性が向上する。
この枠状部材の少なくとも周壁部に炭素繊維強化合成樹脂製の補強片を付着させてもよい。このようにすれば、枠状部材の強度、剛性が高くなる。また、この炭素繊維強化合成樹脂製の枠状部材用補強片が枠状部材の熱膨張を拘束するので、枠状部材の熱寸法安定性が高くなる。
実施の形態に係る筐体を備えた液晶表示装置の斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 フロントカバー、リアカバー及び液晶パネルを省略した図1の筐体の断面図である。 実施の形態に係るバックシャーシの断面斜視図である。 実施の形態に係るバックシャーシの図4と同様部分の分解図である。 別の実施の形態に係るバックシャーシの斜視図である。 図6のVII−VII線断面図である。 枠状部材の断面図である。 枠状部材の断面図である。 枠状部材の断面図である。 枠状部材の断面図である。 枠状部材の断面図である。 枠状部材の断面図である。 枠状部材の断面図である。
以下、本発明について図面を参照してさらに詳細に説明する。
第1図は実施の形態に係る筐体の斜視図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図はフロントカバー、リアカバー及び液晶パネルを省略した筐体の断面図、第4図は内部の機器を省略し、枠状部材をバックシャーシから離隔させた状態における筐体の断面図、第5図は第4図のバックシャーシの分解図である。
第4図の通り、この筐体1は、バックシャーシ2と、枠状部材(この実施の形態では液晶支持シャーシ)10とからなる。バックシャーシ2は、アルミ又はアルミ合金製の底板部3及び該底板部3の周縁に装着された合成樹脂又は炭素繊維強化合成樹脂製の囲壁部4よりなるバックシャーシ本体5と、該囲壁部4の頂面に付着させた第1の補強片6と、囲壁部4の底面に付着させた第2の補強片7とを有する。
囲壁部4は、それぞれ平板状の頂面部4a及び底面部4bと、該頂面部4aと底面部4bとを結合する縦板部4cとを有する。また、囲壁部4は、該縦板部4cから突設された凸条部4dを有する。該凸状部4dは、囲壁部4の長手方向に存在している。底板部3の周縁は、この凸条部4dと底面部4bとの間に差し込まれている。
補強片6,7は、この実施の形態では細長い平板状であり、バックシャーシ2の4辺の囲壁部4の頂面及び底面において、各辺の一端側から他端側まで連続して延在している。補強片6,7は、接着剤、粘着剤、両面接着テープなどによって囲壁部4の頂面及び底面に付着されている。
補強片6,7は、炭素繊維とマトリックス樹脂とを含む組成物を硬化させた成形体よりなることが好ましく、特に炭素長繊維を引き揃えてマトリックス樹脂を含浸させた一方向引き揃え炭素繊維強化合成樹脂製であることが好ましい。この炭素繊維の詳細については後述する。補強片6,7の厚みは通常は0.03〜10mm特に0.05〜5mm程度が好適である。
枠状部材10は、筐体1の前方を向いた長方形枠状の主面部11と、該主面部11の外周縁から後方に起立する周壁部12とを有する。この枠状部材10は、アルミ又はアルミ合金よりなる。第3,4図の通り、バックシャーシ2の囲壁部4に対し枠状部材10の周壁部12を外嵌させるようにして枠状部材10がバックシャーシ2に係合されて筐体1が構成される。
底板部3及び枠状部材10を構成するアルミとしては、例えばA1050やA1070等、アルミ合金としては、例えば押出し成形、板金加工用のAl−Mg系であるA5054等の5000番台やAl−Cu系であるA2014等の2000番台、ダイカスト用のAl−Si−Cu系合金(JIS規格 ADC12やADC10等)などを用いることができるが、これに限定されない。このアルミ又はアルミ合金製の底板部3及び枠状部材10は、軽量、高強度であり、熱伝導性が高く(例えば、面方向の熱伝導率が、アルミダイキャストの場合は90W/mK以上であり、金属アルミ板の場合240W/mK程度)、しかも安価である。アルミ又はアルミ合金は熱膨張係数が大きく(アルミの場合は通常24×10−6/K)、熱変形が起きやすいが、補強片6,7を構成するCFRPの室温付近における熱膨張係数が10―6〜10−7/Kというアルミの1/10以下程度の非常に低い値であるので、バックシャーシ2の熱寸法安定性が確保される。
次に、CFRPを構成する炭素繊維及びマトリックス樹脂について説明する。
[炭素繊維]
炭素繊維は、好ましくは単繊維を100〜50000本集束剤により集束したものである。この炭素繊維は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維のいずれでもよい。炭素繊維に高弾性が必要であるときには、ピッチ系炭素繊維を用いるのが好ましい。
なお、炭素繊維の繊維軸方向の引張弾性率は好ましくは200GPa以上、特に400GPa以上、更に好ましくは440GPa以上、例えば500〜900GPaである。また、繊維軸方向の熱伝導率は、好ましくは60W/mK以上、特に好ましくは110W/mK以上、例えば120〜600W/mKである。
炭素繊維の繊維径は3〜20μm、特に5〜12μmであることが好ましい。炭素繊維の繊維径が細過ぎると、取り扱い性に劣り、また、一般に極細の炭素繊維は高コストであるため、製品コストを押し上げる原因となる。炭素繊維の繊維径が太過ぎると、繊維強度が低下し、折れ易くなるため、好ましくない。
この炭素繊維としては、長繊維が好適である。前述の通り、補強片6,7としては、この長繊維が補強片6,7の長手方向に引き揃えられ、合成樹脂が含浸され、硬化処理された一方向引き揃え炭素繊維強化合成樹脂よりなるものが好適である。補強片6,7中における炭素繊維の含有量は5〜80重量%特に20〜65重量%程度が好適である。ただし、補強片6,7は、織布又は不織布に合成樹脂を含浸させて成形し硬化させたものであってもよい。
[マトリックス樹脂]
次に、炭素繊維と複合化するマトリックス樹脂について説明する。
炭素繊維と複合化する樹脂は、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂のいずれでもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリカーボネート樹脂(PC)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE)、ポリエーテルサルホン樹脂(PES)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリエーテルニトリル樹脂(PEN)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルケトン樹脂(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニルサルフォン樹脂(PPSU)、ポリフタルアミド樹脂(PPA)等の芳香族ポリアミド樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂(例えば紫外線硬化性樹脂)、湿気硬化性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、常温で流動性を示し、加熱により硬化性を示す樹脂であれば特に限定されない。例えば、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に、炭素繊維との接着性や剛性、取り扱い易さの観点からエポキシ樹脂が好ましい。
光硬化性樹脂としては、ラジカル重合性成分及び光ラジカル重合開始剤、カチオン重合性成分及び光カチオン重合開始剤からなる組成物が用いることができる。本発明では、特に制限はないが好ましくは硬化後の樹脂剛性を考慮した場合、カチオン重合性成分及び光カチオン重合開始剤からなる組成物を用いることが好ましい。
湿気硬化性樹脂としては、特開平2−16180、特開2000−36026、特開2000−219855、特開2000−211278、特開2000−219855、特開2002−175510等に記載の樹脂、具体的には、ウレタン系樹脂、アルコキシド基含有シリコーン系樹脂などが挙げられる。湿気硬化型接着剤の1例として、分子末端にイソシアネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。湿気硬化型接着剤としては、例えば積水化学工業社製9613N、住友スリーエム社製TE030、TE100、日立化成ポリマー社製ハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製ボンドマスター170シリーズ、Henkel社製MacroplastQR3460等があげられる。
これらの樹脂には、難燃剤、カップリング剤、導電性付与剤、無機フィラー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、各種染顔料等、通常、樹脂に配合される各種の添加剤を配合してもよい。
[液晶表示装置]
上記筐体1を用いた液晶表示装置の断面構成の一例について第2,3図を参照して説明する。なお、第3図は、第2図においてリアカバー、フロントカバー、液晶パネル、額縁部材、液晶用基板及びLED用基板を省略したものである。
第3図に明示の通り、この液晶表示装置にあっては、バックシャーシ2の底板部3上に反射層21を介して導光板22が配置されている。この導光板22の端面に沿ってLED等の発光装置25が設置されている。この発光装置25は、囲壁部4に沿って配置されたアルミ又はアルミ合金製のブロック24の内向き側面に設置されている。ブロック24はビス留め等により囲壁部4に固定されている。導光板22上に光学シート類23が配置され、この光学シート類23の周縁部が枠状部材(液晶支持シャーシ)10で抑えられている。第2図の通り、この枠状部材10の上側に液晶パネル27が設置されている。この液晶パネル27の前面の周縁部がアルミ、アルミ合金等よりなるL字形断面形状の額縁部材28で押えられる。
底板部3の下側(裏側)にLED用基板30が配置され、枠状部材10の周壁部12の外側面に液晶用基板31が設置されている。
これらを覆うようにリアカバー33とフロントカバー34が設けられ、液晶表示装置35が構成される。
発光装置25で発生した熱は、主としてブロック24を介して囲壁部4からバックシャーシ本体5及び枠状部材10へ伝播し、放散される。ブロック24、枠状部材10及び底板部3がアルミ又はアルミ合金製であるので、放熱特性が良好であると共に、材料コストを大幅に低減することができる。また、バックシャーシ本体5は、アルミ又はアルミ合金製の底板部3を有しているが、囲壁部4の頂面及び底面にそれぞれCFRP製の補強片6,7を付着しているので、バックシャーシ2の熱膨張が拘束され、筐体1の熱寸法安定性が良好となる。
[別の実施の形態]
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態とされてもよい。
上記実施の形態では、バックシャーシ2のバックシャーシ本体5は金属製の底板部3と合成樹脂製の囲壁部4とで構成されているが、第6,7図に示すバックシャーシ40のように、底板部41と囲壁部42とを一連一体の板金(特にアルミ又はアルミ合金製の板金)にて構成してもよい。この底板部41及び囲壁部42にてバックシャーシ本体43が構成される。第7図の通り、囲壁部42の頂面及び底面にCFRP製補強片44,45が付着される。囲壁部42は、底板部41から起立する第1立壁部42aと、該第1立壁部42aに連なり側外方に延出する頂面部24bと、該頂面部42bの外縁から垂下する第2立壁部42cとを有する。第1の補強片44は頂面部42bに付着されている。第2の補強片45は、底板部41の外縁部と第2の立壁部42cとに跨っている。
上記実施の形態では、補強片を長方形の囲壁部の4辺すべてに付着させているが、囲壁部の長辺にのみ付着させてもよい。本発明の筐体は、いわゆる内装用筐体、外装用筐体のいずれにも適用することができる。
本発明では、上記の枠状部材10や、同様の断面形状を有した枠状の額縁部材28に炭素繊維強化合成樹脂製の枠状部材用補強片を付着させ、枠状部材の強度、剛性、熱寸法安定性を高めてもよい。かかる補強片付きの枠状部材(又は額縁部材)の構成例を第8図〜第14図に示す。
第8図の枠状部材50は、アルミ又はアルミ合金製の主面部51及び該主面部51の外周縁から後方に起立する周壁部52とを有している。炭素繊維強化合成樹脂製の補強片53は、この周壁部52の外向きの側面に接着剤、粘着剤、両面接着テープなどによって付着されている。
補強片53は、この実施の形態では細長い平板状であり、枠状部材50の4辺の周壁部52の外向き側面において、長手方向の一端側から他端側まで連続して延在している。
上記補強片53は、上記補強片6,7と同様に、炭素繊維とマトリックス樹脂とを含む組成物を硬化させた成形体よりなることが好ましく、特に炭素長繊維を引き揃えてマトリックス樹脂を含浸させた一方向引き揃え炭素繊維強化合成樹脂製であることが好ましい。ただし、補強片53は炭素繊維の織布又は不織布に合成樹脂を含浸させて硬化させたものであってもよい。
第8図では、補強片53は平たく細長い帯板状となっているが、第9図〜第14図の枠状部材50A〜50Fのように、さらに別の断面形状の補強片を用いてもよい。
第9図の枠状部材50Aの補強片60は、長手方向と垂直方向の断面が中空の「口」字形断面形状となっている。この補強片60は、例えば引き抜き成形などにより容易に成形することができる。「口」字形断面形状の代わりに「日」字形や「目」字形断面形状とされてもよい。
第10図の枠状部材50Bの補強片61は、周壁部52に重なる主片部61aと、該主片部61aの双方の長手側辺より周壁部52から離れる方向に起立した2条のリブ部61b,61bとを有している。この補強片61は、長手方向と垂直方向の断面がコ字形であるが、リブ部を1条だけ設けてもよく、3条のリブ部を設けることにより長手方向と垂直方向の断面がE字形となっていてもよく、4条以上のリブ部を設けてもよい。
第11図及び第12図の枠状部材50C,50Dでは、補強片62,62’は、主面部51に重なる第1片62aと、周壁部52に重なる第2片62bとを有しており、長手方向と垂直方向の断面がL字形となっている。なお、第11図の補強片62では第1片62aが主面部51の略全面に重なっているが、第12図の補強片62’のように第1片62aが主面部51の周壁部52側にのみに重なっていてもよい。第12図のように主面部51に第1片62aで覆われていない領域を形成した場合、この領域からの放熱量が多くなる。
第13図の枠状部材50Eでは、平たい帯状の補強片64を周壁部51の内向き面に付着している。第14図の枠状部材50Fの補強片65は、主面部51の裏面に付着した第1片65aと、周壁部52の内向き面に付着した第2片65bとを有する。第14図の枠状部材50Fでは第1片65aが主面部51のうち周壁部52側のみを覆っているが、主面部51の略全体を覆うように幅広とされてもよい。
枠状部材は図示以外の形態とされてもよい。例えば、第9図、第11図、第12図の補強片60,62,62’において第10図の補強片61のようなリブ部を1条又は2条以上設けてもよい。
また、図示は省略するが、周壁部52の外向き面及び内向き面の双方に補強片を付着させてもよい。
1 筐体
2,40 バックシャーシ
3,41 底板部
4,42 囲壁部
5 バックシャーシ本体
6,7,44,45 補強片
10,50,50A,50B,50C,50D,50E,50F 枠状部材

Claims (6)

  1. 底板部及び該底板部の周縁に連なる囲壁部を有するバックシャーシ本体と、
    該囲壁部の頂面及び底面にそれぞれ付着された、炭素繊維強化合成樹脂よりなる補強片と、
    を有する電子機器用筐体。
  2. 請求項1において、前記バックシャーシ本体は、金属製の底板部と、該底板部に固着された合成樹脂製の囲壁部とを有することを特徴とするバックシャーシ。
  3. 請求項1において、前記バックシャーシ本体は、底板部及び囲壁部が一体の金属製であることを特徴とするバックシャーシ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバックシャーシと、該バックシャーシに係合した枠状部材とを備えてなる筐体。
  5. 請求項4において、該枠状部材は電子機器用筐体の前方を向いた主面部と、該主面部から立設された周壁部とを備えており、該周壁部に前記囲壁部が内嵌状に係合していることを特徴とする筐体。
  6. 請求項5において、該枠状部材の少なくとも該周壁部に、炭素繊維強化合成樹脂製の枠状部材用補強片が付着されていることを特徴とする筐体。
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