JP2012121849A - 植物活力剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】センターピボットシステムなどの高水量条件で散布した場合でも、優れた生育促進効果が得られる植物活力剤組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(A1)で示される化合物(A)と、アルキルアルカノールアミド(B)とを含有し、前記化合物(A)の少なくとも一部が板状粒子として存在する、植物活力剤組成物。
R1COO(CH2CH2O)nCOR2 (A1)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって炭素数15〜29のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは平均付加モル数であって、1〜4の数を示す。)
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(A1)で示される化合物(A)と、アルキルアルカノールアミド(B)とを含有し、前記化合物(A)の少なくとも一部が板状粒子として存在する、植物活力剤組成物。
R1COO(CH2CH2O)nCOR2 (A1)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって炭素数15〜29のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは平均付加モル数であって、1〜4の数を示す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、植物活力剤組成物、植物の栽培方法、及び植物活力剤組成物の製造方法に関する。
植物が成長するには種々の栄養要素が必要であるが、そのいくつかの要素が不足すると植物の生育に支障を来すことが知られている。例えば、肥料三大要素として窒素は蛋白質の成分元素であり、リンは核酸やリン脂質の構成元素だけでなくエネルギー代謝や物質の合成・分解反応にも重要な役割を果たしており、また、カリウムは物質代謝や物質移動の生理作用がある。これら主要成分の不足により全般的に植物の生育は貧弱になる。また、カルシウムは、植物体及び細胞を構成する重要な成分であり、また代謝系のバランスを維持する為にも重要な働きをしており、カルシウムの欠乏症状を呈し生理障害をおこす。その他にもマグネシウム、鉄、イオウ、ホウ素、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、塩素、ケイ素、ナトリウム等、植物には種々の栄養素が必要である。
これら窒素、リン、カリウム等の栄養成分は元肥や追肥の形で施肥されたり、液体肥料を希釈して土壌灌注したり葉面散布で与えられたりしている。これらの肥料は、植物の生長に必要な不可欠のものであるが、ある程度の濃度以上に与えても、植物の生長性及び収量の向上にはそれ以上貢献できない。
しかし、農作物の生長を促進し、単位面積当たりの収穫量を増やして増収をはかることは農業生産上重要な課題であり、そのために必要な種々の植物生長調節剤が開発利用されている。ジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられているが、これらの使用において、施用時期、施用濃度及び処理方法が複雑であり、用途が限定されている。
このような問題を解決するために、オリゴ糖を用いた葉面散布剤(特許文献1)や糖、ミネラル、アミノ酸、海藻抽出物や微生物の発酵エキスを含んだ液状肥料を葉面散布したり、溶液施肥するような技術が知られているが、実用的には効果の点で十分であるとは言えないのが現状である。また、種々の物質を植物に対する活力付与や、農作物に対する増収、品質向上の目的で使用することが提案されている(例えば、特許文献2〜10)。
最小の水資源およびエネルギー資源を用いて農業生産を最大化することは重要であり,単位面積あたりの収量向上技術はこれまで以上に切望される技術となっている。農業生産の最大化に向け、大規模な商業フィールドではセンターピボットシステムを導入した機械化・省力化栽培が盛んに行われている。このセンターピボットシステムを用いた薬剤の散布は、トラクターや航空機を用いた散布と比較すると高水量条件での散布となる。
しかしながら、従来提案されている技術では、センターピボットシステムで使用されるような高水量の散布条件下では、植物活力剤が植物界面に吸着せずに流れ落ちてしまい、十分な生育促進効果が得られない場合がある。
本発明の課題は、センターピボットシステムなどの高水量条件で散布した場合でも、優れた生育促進効果が得られる植物活力剤組成物を提供することにある。
本発明は、下記一般式(A1)で示される化合物(A)〔以下、(A)成分という〕と、アルキルアルカノールアミド(B)〔以下、(B)成分という〕とを含有し、前記化合物(A)の少なくとも一部が板状粒子として存在する、植物活力剤組成物に関する。
R1COO(CH2CH2O)nCOR2 (A1)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって炭素数15〜29のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは平均付加モル数であって、1〜4の数を示す。)
R1COO(CH2CH2O)nCOR2 (A1)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって炭素数15〜29のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは平均付加モル数であって、1〜4の数を示す。)
また、本発明は、上記本発明の植物活力剤組成物と水とを含有し、(A)成分と(B)成分の含有量の合計が0.1〜7,000ppmである散布液を、2〜50,000L/10aの割合で植物に散布する工程を含む植物の栽培方法に関する。
また、本発明は、(A)成分と(B)成分とを含有する液状混合物を化合物(A)の融点以上に加熱して化合物(A)を溶融させた後、化合物(A)の融点未満に冷却する工程を有する、植物活力剤組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、(A)成分と(B)成分とを含有する液状混合物を(A)成分の融点以上に加熱して(A)成分を溶融させた後、(A)成分の融点未満に冷却する工程を有する、植物活力剤組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、センターピボットシステムで使用されるような高水量散布条件下でも、効果的な生育促進効果が得られる植物活力剤組成物及び植物の栽培方法が提供される。
本発明において、「植物」は、植物の文言自体から認識され得るもの、野菜、果実、果樹、穀物、種子、球根、草花、香草(ハーブ)、分類学上の植物等を表すものとする。
本発明の植物活力剤組成物により、前記効果が得られる理由は明らかではないが、例えば前記一般式(A1)で表される化合物とアルキルアルカノールアミドとを含有する液状混合物を加熱、冷却することにより、組成物中に薄片状の板状粒子が形成され、高水量の散布条件でも植物界面への吸着力が劇的に向上する。それにより、植物界面が一時的に遮蔽され、適度なストレスが植物に付与され、その反作用により、植物はホルモンバランスの変化による発根が促進され、肥料吸収効率の改善により光合成が促進されるなどの生育促進効果がもたらされるものと推定される。
本発明の植物活力剤組成物は、(A)成分として、前記一般式(A1)で表される化合物を含有する。(A)成分は、エチレングリコール又はポリエチレングリコールと脂肪酸とのジエステルである。(A)成分は、本発明において植物の生育促進効果をもたらす主要因子である。一般式(A1)において、R1及びR2は、薄片状の板状粒子を得る観点、効率的に植物に活力を付与する観点から、同一又は異なって、それぞれ、炭素数15〜29のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数15〜23のアルキル基又はアルケニル基、更に好ましくは炭素数15〜21のアルキル基又はアルケニル基、更により好ましくは炭素数15〜19のアルキル基又はアルケニル基、更により好ましくは炭素数15〜17のアルキル基又はアルケニル基、より好ましくは炭素数15〜17の直鎖アルキル基である。該アルキル基の具体例としては、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ノナデシル基、ヘンイコシル基、トリコシル基、ペンタコシル基、ヘプタコシル基、ノナコシル基が挙げられるが、なかでもペンタデシル基、ヘプタデシル基、ノナデシル基、ヘンイコシル基が好ましくペンタデシル基、ヘプタデシル基がより好ましい。また植物活力剤組成物として疎水性が高いほど、高い生育促進効果をもたらす傾向にあることから、nは、1〜4の数であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2、より好ましくは1である。
(A)成分の具体例としては、エチレングリコールジヘキサデシルエステル、エチレングリコールジオクタデシルエステル、エチレングリコールヘキサデシル/オクタデシルエステル、エチレングリコールジベヘニルエステル、エチレングリコールヘキサデシル/オクタデシルエステル、ジエチレングリコールヘキサデシル/オクタデシルエステル、ジエチレングリコールジオクタデシルエステル、ジエチレングリコールジベヘニルエステル、トリエチレングリコールジオクタデシルエステル、トリエチレングリコールジベヘニルエステル、ジエチレングリコールオクタデシルベヘニルエステル等が挙げられ、なかでも、エチレングリコールジヘキサデシルエステル、エチレングリコールジオクタデシルエステル、エチレングリコールヘキサデシル/オクタデシルエステル、ジエチレングリコールジヘキサデシルエステル、ジエチレングリコールジオクタデシルエステル、ジエチレングリコールヘキサデシル/オクタデシルエステルが好ましく、エチレングリコールジヘキサデシルエステル、エチレングリコールジオクタデシルエステル、エチレングリコールヘキサデシル/オクタデシルエステルがより好ましい。
(A)成分は、脂肪酸もしくは脂肪酸低級アルコールエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類との反応により、もしくは脂肪酸のエチレンオキサイド付加物と脂肪酸とのエステル化反応等、公知の方法に従い容易に製造することができる。また、市販のポリエチレングリコール脂肪酸エステルを用いることもできる。本発明に使用できる市販のポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、エマノーン3201M−V(花王(株)製:エチレングリコールジヘキサデシルエステル、エチレングリコールジオクタデシルエステル、エチレングリコールヘキサデシル/オクタデシルエステルの3種の混合物、その混合比率はおおよそ順に25%、50%、25%)、ペグノールEDS(S)(東邦化学工業(株)製:エチレングリコールジオクタデシルエステル)等が挙げられる。
(A)成分の融点としては、効率的に板状粒子を得る観点から、30〜120℃が好ましく、40〜100℃がより好ましく、50〜100℃がさらに好ましい。
本発明の植物活力剤組成物中の(A)成分の含有量は、製剤の高濃度化の観点および流動性を高めハンドリング性を向上させる観点から5〜90重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましく、20〜40重量%が更に好ましい。
本発明の植物活力剤組成物は、(B)成分として、アルキルアルカノールアミドを含有する。(B)成分は、植物活力剤組成物の調製時には、後述の板状度を高める役割を果たし、また、植物活力剤組成物中での板状粒子の分散性を高め、さらに、使用時には、植物活力剤組成物と植物界面との疎水性相互作用を高め、植物界面への吸着性を強める役割を果たすと考えられる。(B)成分のアルキル基は炭素数4〜30が好ましく、8〜18がより好ましい。(B)成分の具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドやヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミドなどのモノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミドやパーム核油脂肪酸ジエタノールアミドなどのジエタノールアミドが挙げられ、板状度を高める観点、植物活力剤組成物中での板状粒子の分散性を高める観点、および植物界面との疎水性相互作用を高めて、植物の活力を効果的に付与する観点から、ジエタノールアミドが好ましく、ジエタノールアミドのなかでもパーム核油脂肪酸ジエタノールアミドが好ましい。
(B)成分は、従来公知の方法に従い容易に製造することができるが、市販のアルキルアルカノールアミドを用いることもできる。本発明に使用できる市販のアルキルアルカノールアミドとしては、例えば、アミノーンPK−02S(花王(株)製)、アミノーンL−02(花王(株)製)、アミノーンC−11S(花王(株)製)、アミゾールCME(川研ファインケミカル(株)製)等が挙げられる。
(B)成分の融点としては、効率的に板状粒子を得る観点から、−50〜120℃が好ましく、−30〜100℃がより好ましく、−10〜90℃がさらに好ましい。
本発明の植物活力剤組成物中の(B)成分の含有量は、(A)成分の板状粒子を生成しやすくする観点及び植物の活力を効果的に付与する観点から0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましく、0.5〜10重量%が更に好ましい。
本発明の植物活力剤組成物における(A)成分と(B)成分の重量比は、植物体への効率的な板状粒子の吸着により、植物の活力を効果的に付与する観点から、(A)/(B)で0.1〜10,000が好ましく、0.5〜1,000がより好ましく、1〜500が更に好ましく、2〜100が更に好ましく、2〜50がより更に好ましく、4〜30がより好ましい。
本発明の植物活力剤組成物は、(A)成分と(B)成分とを含有する液状混合物を、加熱、冷却して得ることができる。よって、本発明の植物活力剤組成物は、(A)成分と(B)成分とを含有する液状混合物を(A)成分の融点以上に加熱して(A)成分を溶融させた後、(A)成分の融点未満に冷却して得られる液状混合物からなることが好ましい。また、本発明により、(A)成分と(B)成分とを含有する液状混合物を(A)成分の融点以上に加熱して(A)成分を溶融させた後、(A)成分の融点未満に冷却する工程を有する、植物活力剤組成物の製造方法が提供される。本発明の製造方法は、(A)成分を、(B)成分の共存下、液体媒体中で(A)成分の融点以上に加熱して化合物(A)を溶融させた後、化合物(A)の融点未満に冷却する工程を有する、植物活力剤組成物の製造方法として実施できる。この場合、液体媒体は(A)成分融点以上に加熱しておくことが好ましい。このように調製することにより、組成物中に薄片状の板状粒子が形成される。その理由は明らかではないが、(A)成分と(B)成分とが共存することにより、加熱溶融時の液体媒体中での(A)成分の適度な分散状態をもたらすことで、冷却時に所望の薄片状板状粒子が得られると推定される。界面活性剤として知られている多数の化合物の中でも、(B)成分のアルキルアルカノールアミドを添加することで、薄片状の板状粒子がより効率的に析出する。
薄片状の板状粒子は、主に(A)成分を含んで形成される。このような板状粒子を含有する本発明の組成物は、水などの液体媒体を(A)成分の融点以上、好ましくは(A)成分および(B)成分の融点以上に加熱した後に、(A)成分(常温で固体)および(B)成分を所望量添加し攪拌して、(A)成分の溶融を確認した後に、攪拌しながら室温((A)成分の融点未満)まで冷却し、板状粒子を析出させる方法で得ることができる。
組成物の調製に使用する液状媒体としては、板状粒子を効率よく析出させる観点から、水が好ましい。従って、前記液状混合物は水を含有することが好ましい。液状媒体の加熱温度としては、(A)成分および(B)成分の溶融性向上の観点、相溶性向上の観点から、50〜100℃が好ましく、60〜95℃が好ましく、70〜90℃がさらに好ましい。
前記液状媒体中における(A)成分の濃度としては、板状粒子を効率よく析出させる観点から、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは7.5〜45重量%、更により好ましくは10〜40重量%である。同様の観点から、(B)成分の濃度としては、0.05〜20重量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜15重量%、更により好ましくは0.5〜10重量%、更により好ましくは0.5〜7.5重量%である。
(A)成分および(B)成分を含有する液状混合物は、(A)成分が溶融する温度を維持しながら、十分に攪拌することが好ましい。撹拌時間は、組成物の製造規模により適宜選択されるが、例えば、15分〜数時間である。
(A)成分および(B)成分が溶融した液状混合物(溶液)を冷却して、板状粒子を析出させることにより、本発明の組成物が得られる。液状混合物の冷却速度は、組成物の製造規模により適宜選択されるが、板状粒子を効率良く析出させる観点から、0.01〜5℃が好ましく、0.1〜3℃/分がより好ましい。
液状媒体の昇温開始から、(A)成分、(B)成分を投入し、板状粒子が析出して、植物活力剤組成物の温度が、例えば20〜30℃に冷却されるまで、終始攪拌を行うことが好ましい。撹拌速度は、組成物の製造規模により適宜選択されるが、通常、5〜200rpmであり、好ましくは10〜150rpmである。
本発明の植物活力剤組成物は、植物への効率的な板状粒子の吸着により、植物の活力を効果的に付与する観点から、板状粒子の板状度が100以上であることが好ましい。板状粒子の板状度は、より好ましくは150以上、さらに好ましくは200以上、よりさらに好ましくは220以上である。また、前記板状度は、同じく植物への効率的な板状粒子の吸着により、植物の活力を効果的に付与する観点から、好ましくは30,000以下、より好ましくは20,000以下、さらに好ましくは10,000以下、さらに好ましくは5,000以下である。したがって、前記板状度は、好ましくは100〜30,000、より好ましくは150〜20,000、さらに好ましくは200〜10,000、さらに好ましくは220〜5,000である。前記板状度は、例えば、(A)成分と(B)成分の組合せや配合比率を変えたり、調製時の冷却速度を変化させることなどで、制御することができる。ここで、板状度は、植物活力剤組成物が含有する板状粒子の形態を示す尺度の一つであり、具体的には、下記式(I)から導き出される値である。板状度は、具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
板状度=粒子長径×粒子短径/粒子厚み (I)
板状度=粒子長径×粒子短径/粒子厚み (I)
板状粒子は、板状度が100以上であることを満たした上で、粒子長径が0.1〜1000μm、更に1〜500μmであることが好ましく、5〜100μmが更により好ましい。粒子短径は、0.1〜500μm、更に0.5〜250μmであることが好ましく、1〜100μmが更により好ましい。粒子厚みは0.01〜100μm、更に0.05〜50μmであることが好ましく、0.1〜25μmが更により好ましい。
本発明の植物活力剤組成物は、生成した板状粒子をより効率的に植物界面に吸着させる目的で、(A)成分及び(B)成分以外の界面活性剤(C)〔以下、(C)成分という〕、並びにセルロース誘導体(D)〔以下、(D)成分という〕から選択される一種以上を含有することが好ましい。
(C)成分の界面活性剤としては、(A)成分、(B)成分以外の非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、並びに両性界面活性剤が挙げられ、(A)成分、(B)成分以外の非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、並びに両性界面活性剤が好ましく、(A)成分、(B)成分以外の非イオン界面活性剤がより好ましい。(A)成分、(B)成分以外の界面活性剤を適切に併用することにより、本発明の植物活力剤組成物と植物界面との界面相互作用を高めることができ、植物の育成促進効果を低濃度でも発現することができる。
(A)成分、(B)成分以外の非イオン界面活性剤としては、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤及びエステル基含有非イオン界面活性剤が挙げられる。具体的には、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシド等が挙げられ、植物活力剤組成物と植物界面との界面相互作用を高め、より効果的に植物へ吸着させ、生育を促進する観点から、好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、アルキル(ポリ)グリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシド、より好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、さらに好ましくはソルビタン脂肪酸エステルである。これら非イオン界面活性剤における脂肪酸の炭素数は6〜30が好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭素数6〜30の脂肪酸又はその塩、多価カルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩等が挙げられる。
スルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸の縮合物塩、ナフタレンスルホン酸の縮合物塩等が挙げられる。
硫酸エステル系界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル塩、アルキルポリグリコシド硫酸塩等が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤として、例えばアルキルリン酸エステル塩、アルキルフェニルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩等が挙げられる。
塩としては、例えば金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸系、ベタイン系、イミダゾリン系、アミンオキサイド系が挙げられる。
アミノ酸系としては、例えばアシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩等が挙げられる。
ベタイン系としては、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニアベタイン等が挙げられる。
イミダゾリン系としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
アミンオキサイド系としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジエタノールアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
(C)成分は、1種でも、2種以上混合して使用しても良い。また、これらの界面活性剤がポリオキシアルキレン基を含む場合は、好ましくはポリオキシエチレン基を有し、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が好ましくは1〜50、より好ましくは1〜30であることが挙げられる。
本発明の植物活力剤組成物中の(C)成分の含有量は、植物活力剤組成物と植物界面との界面相互作用を高め、より効果的に板状粒子を植物へ吸着させ、生育を促進する観点から、0.01〜20重量%が好ましく、0.05〜10重量%がより好ましく、0.1〜5重量%が更に好ましい。
また、(D)成分のセルロース誘導体としては、エーテル化セルロースが挙げられ、具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどが挙げられる。セルロース誘導体を併用することにより、本発明の植物活力剤組成物と植物界面との界面相互作用を高めることができ、植物の育成促進効果を低濃度でも発現することができる。植物活力剤組成物と植物界面との界面総合作用を高め、より効果的に板状粒子を植物へ吸着させ、生育を促進する観点から、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、より好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、さらに好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明の植物活力剤組成物中の(D)成分の含有量は、植物活力剤組成物と植物界面との界面相互作用を高め、より効果的に板状粒子を植物へ吸着させ、生育を促進するの観点から0.01〜20重量%が好ましく、0.05〜10重量%がより好ましく、0.1〜5重量%が更に好ましい。
また、本発明の植物活力剤組成物は、肥料成分(E)〔以下、(E)成分という〕及びキレート剤(F)〔以下、(F)成分という〕から選択される一種以上を含有することができる。
(E)成分の肥料成分としては、具体的には、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、ホウ素、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、塩素、ケイ素、ナトリウム等、特に窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムの供給源となる無機物及び有機物が挙げられる。そのような無機物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素、炭酸アンモニウム、リン酸カリウム、過リン酸石灰、熔成リン肥(3MgO・CaO・P2O5・3CaSiO2)、硫酸カリウム、塩カリ、硝酸石灰、消石灰、炭酸石灰、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、有機物としては、鶏フン、牛フン、バーク堆肥、アミノ酸、ペプトン、ミエキ、発酵エキス、有機酸(クエン酸、グルコン酸、コハク酸等)のカルシウム塩、脂肪酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸等)のカルシウム塩等が挙げられる。肥料成分は、稲や野菜の露地栽培のように、土壌中に元肥として肥料成分が十分施用されている場合にはあえて配合する必要はない。また、養液土耕や水耕栽培のように元肥の過剰施用を避け肥料成分をかん水と同じに与える栽培形態には肥料成分を配合することが好ましい。
本発明の植物活力剤組成物中の(E)成分の含有量は、植物に適用する際の散布液中での濃度を考慮して適宜決定することができるが、0.01〜50重量%、更に0.1〜40重量%、更に1〜40重量%の範囲から選択することができる。
本発明の植物活力剤組成物において、(A)成分と(E)成分との重量比は、作物の生育促進の観点から、(A)/(E)=0.02〜50であることが好ましく、0.05〜10がより好ましく、0.5〜10、であることがさらに好ましい。
また、本発明の植物活力剤組成物において、(B)成分と(E)成分との重量比は、(B)/(E)=0.001〜10であることが好ましく、0.01〜5であることがより好ましく、0.1〜3であることが更に好ましい。
さらに、本発明の植物活力剤組成物において、(A)成分と(B)成分の合計と、(E)成分との重量比は、〔(A)+(B)〕/(E)=0.02〜50であることが好ましく、0.05〜10であることがより好ましく、0.5〜10であることがより好ましい。
(F)成分のキレート剤は、生育及び肥料吸収効率の観点から好ましい成分であり、キレート能を有する有機酸又はその塩が好ましい。具体的にはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等のオキシカルボン酸、多価カルボン酸や、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
また、前記有機酸以外のキレート剤の混合でも生育及び肥料吸収効率が改善される。好ましいキレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)等のアミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。
本発明の植物活力剤組成物中の(F)成分の含有量は、生育及び肥料吸収効率の観点から0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が更に好ましい。
また、本発明の植物活力剤組成物は、組成物の保存安定性向上の観点から、さらに、pH調整剤を含有することが好ましい。本発明に使用し得るpH調整剤としてはクエン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれらの塩が挙げられる。本発明の組成物が水を含有する液状組成物である場合、当該液状組成物のpHは4〜8であることが好ましい。
本発明の植物活力剤組成物の形態は、液体、フロワブル、水和剤、粒剤、粉剤、錠剤等いずれでもよい。また、本発明の植物活力剤組成物は、(A)成分と(B)成分からなり、(A)成分の少なくとも一部が板状粒子として存在するものであってもよく、これを使用時に適当な形態、例えば液体状や粉体状にして、植物に適用することができる。
本発明の植物活力剤組成物が液状(スラリー状、ペースト状等を含む)の場合、必要に応じて水及び/又は溶剤を含有することができるが、環境保護の観点から、水を含有することが好ましい。液状組成物の場合、本発明の植物活力剤組成物中の水及び/又は溶剤の含有量は特に制限されないが、植物活力剤組成物中の(A)成分及び(B)成分の含有量の合計が1重量%以上、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上となるように選択することが好ましい。
また、本発明の植物活力剤組成物の形態が粒剤など固体状である場合には、無機塩類を含有することが好ましい。本発明に使用し得る無機塩類としては、無機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。粉剤、粒剤等への製剤化を容易にする観点から、これらの中でも、無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボンが好ましい。
本発明の植物活力剤組成物の植物への供給方法としては色々な手段を使うことができる。例えば、粉剤や粒剤を直接肥料のように施肥したり、希釈された水溶液を葉面、茎、果実等直接植物に散布したり、土壌中に注入する方法や水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して供給する方法が挙げられるが、本発明の植物活力剤組成物は、植物界面への吸着効率が極めて高いことから、高潅水量散布条件で茎葉散布する方法(大規模商業フィールドでのセンターピボットシステムを用いた処理)に適している。
本発明の植物活力剤組成物は、水溶液や水性分散液のような水を含有する処理液として植物の葉面や根へ供給できる。該処理液中の(A)成分の濃度は、好ましくは0.1〜5,000ppm、より好ましくは10〜3,000ppm、さらに好ましくは10〜1,000ppm、さらに好ましくは10〜500ppm、さらに好ましくは10〜300ppmである。
また、本発明の植物活力剤組成物を水性分散液のような水を含有する処理液、なかでも散布液として用いる場合、該処理液中の(A)成分と(B)成分の含有量の合計は、好ましくは0.1〜7,000ppm、より好ましくは1〜4,000ppm、更に好ましくは10〜4,000ppm、更により好ましくは10〜1,500ppm、更により好ましくは50〜700ppmである。
また、前記処理液として(E)成分を含有するものを葉面散布する場合、薬害防止の観点から、(E)成分は、窒素成分、リン成分、カリウム成分の濃度としてそれぞれ前記処理液中0.1〜5000ppmが好ましく、1〜1000ppmがより好ましく、更に10〜500ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、同様の観点から、前記処理液中の(E)成分の含有量は、窒素成分、リン成分、カリウム成分の濃度としてそれぞれ0.1〜5000ppmが好ましく、1〜1000ppmがより好ましく、更に10〜500ppmが好ましい。また、(E)成分全てを加算した前記処理液中の濃度は、葉面散布する場合、同様の観点から、窒素成分、リン成分、カリウム成分の合計濃度として1〜10000ppmが好ましく、10〜5000ppmがより好ましく、更に50〜2000ppmがより好ましい。(E)成分全てを加算した前記処理液中の濃度は、土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、同様の観点から、窒素成分、リン成分、カリウム成分の合計濃度として1〜10000ppmが好ましく、10〜5000ppmがより好ましく、更に50〜2000ppmがより好ましい。
また、本発明の植物活力剤組成物を、肥料のように粉剤、粒剤のような状態で土壌施用する場合は、水以外の成分が前記処理液と同様の比率で含まれる粉剤又は粒剤を使用することが好ましい。この粉剤又は粒剤にケーキングを防止するための賦形剤を含んでいてもかまわない。
本発明の植物の栽培方法は、本発明の植物活力剤組成物を植物に施す工程を含む。植物活力剤組成物を植物に施す方法は、特に限定されず、前述したように、本発明の植物活力剤組成物を葉面、茎、果実等に直接散布したり、水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して根表面等に供給する方法が挙げられる。本発明の植物活力剤組成物の効果(有効成分の植物への付着性を向上させる効果)を有効に発揮させるには、植物活力剤組成物を植物に施す方法として、植物の地上部へ散布する方法が好ましく、茎葉に散布する方法がより好ましい。
本発明の植物活力剤組成物の散布手段としては、セスナ等の航空機、トラクター、センターピボットシステム等いずれの手段も用いることができるが、高水量条件で散布した場合でも優れた生育促進効果が得られることから、センターピボットシステムを用いて散布することが好ましい。
本発明の植物活力剤組成物を植物に散布する場合、散布液中の(A)成分及び(B)成分の含有量の合計が前記範囲にあれば、その散布量は、好ましくは2〜50,000L/10a、より好ましくは7〜30,000L/10a、更に好ましくは30〜30,000L/10a、さらにより好ましくは80〜30,000L/10a、さらにより好ましくは200〜30,000L/10a、さらにより好ましくは500〜30,000L/10a、さらにより好ましくは1000〜30,000L/10a、さらにより好ましくは2,000〜30,000L/10aの割合で散布することができる。散布量が前記範囲であれば、センターピボットシステムなどの高水量条件で散布した場合でも優れた生育促進効果が得られる。
したがって、他の実施態様として、本発明の植物活力剤組成物と水とを含有し、(A)と(B)の含有量の合計が0.1〜7,000ppmである散布液を、2〜50,000L/10aの割合で植物に散布する工程を含む植物の栽培方法も提供される。
散布液の散布時期、散布回数は、特に制限されない。播種、植え付け等の栽培開始から、収穫等の栽培終了までの何れかの期間で、植物の成長の度合いに応じて適宜行えばよい。
本発明の植物活力剤組成物により効力が発現される植物としては、果菜類では、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、トウモロコシ等が挙げられる。葉菜類では、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セルリー、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ等が挙げられる。根菜類としては、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、レンコン等が挙げられる。その他に、稲、麦類、豆類、花卉類等にも使用が可能であるが、大規模商業フィールドで栽培される傾向にあるジャガイモ等のイモ類、麦類、豆類などの穀物がより好ましい。
<植物活力剤組成物の調製方法>
水を70〜80℃に昇温し、表2に示す成分を添加し、溶融を確認した後、撹拌しながら、冷却速度2℃/分で室温まで冷却を行い、植物活力剤組成物を得た。尚、エマノーン3201Mの融点は64.7℃、アミノーンPK−02Sの融点は−2.5℃、アミゾールCMEの融点は68〜70℃、アミノーンL−02の融点は38〜42℃であり、調製は200mLビーカーを用い、植物活力剤組成物としてトータル100gになるように各成分を表2の割合で配合した。また、昇温開始から冷却終了まで、系内を十分に攪拌できるU字羽(直径5.2cm, 長さ5.0cm)を用いて攪拌(攪拌速度:150rpm)しながら調製した。
水を70〜80℃に昇温し、表2に示す成分を添加し、溶融を確認した後、撹拌しながら、冷却速度2℃/分で室温まで冷却を行い、植物活力剤組成物を得た。尚、エマノーン3201Mの融点は64.7℃、アミノーンPK−02Sの融点は−2.5℃、アミゾールCMEの融点は68〜70℃、アミノーンL−02の融点は38〜42℃であり、調製は200mLビーカーを用い、植物活力剤組成物としてトータル100gになるように各成分を表2の割合で配合した。また、昇温開始から冷却終了まで、系内を十分に攪拌できるU字羽(直径5.2cm, 長さ5.0cm)を用いて攪拌(攪拌速度:150rpm)しながら調製した。
<板状度の測定方法>
調製した植物活力剤組成物をスライドガラス(Matsunami製:縦76mm、横26mm、厚さ1mm)に3μL塗布して乾燥した後、粒子の形状をレーザーマイクロ顕微鏡(VK−9700、Keyence社製、対物レンズ倍率は50.0倍、測定ピッチは0.200μm、他の詳細な条件は下記表1に示す。)を用いて観察し、各植物活力剤組成物中の粒子の板状度を、下記式を用いて算出した。
板状度=粒子長径×粒子短径/粒子厚み
調製した植物活力剤組成物をスライドガラス(Matsunami製:縦76mm、横26mm、厚さ1mm)に3μL塗布して乾燥した後、粒子の形状をレーザーマイクロ顕微鏡(VK−9700、Keyence社製、対物レンズ倍率は50.0倍、測定ピッチは0.200μm、他の詳細な条件は下記表1に示す。)を用いて観察し、各植物活力剤組成物中の粒子の板状度を、下記式を用いて算出した。
板状度=粒子長径×粒子短径/粒子厚み
各粒子における最長径を粒子長径とし、該粒子長径に垂直に交わる軸のうち最長の径を粒子短径とし、VK−9700の計測解析プロファイルの2点指定モードで測定した粒子の平均厚みを粒子厚みとして、各粒子の板状度を算出し、30個の粒子の板状度を平均したものを各植物活力剤組成物の板状度とした。結果を下記表2に示した。レーザー顕微鏡で観察すると、実施例では、粒子厚みが長径長・短径長に比較して小さい、板状の粒子が多く得られたのに対し、比較例では、球形に近い粒子が多く得られた。
表中、POEはポリオキシエチレンの略であり、( )内の数字はエチレンオキサイドの平均付加モル数である。また、エマール20C、AKYPO RLM45NV、アンヒトール20AB、レオドールTW−O120、レオドールSP−S30Vは、何れも花王(株)製である。また、NEOVISCO MC RM30000は、三晶(株)製である。
<実施例1:ジャガイモ育成試験>
ジャガイモ(品種:スノーデン)を18cmポットへ植付し、萌芽して茎長が5cmなった時点で、表2の植物活力剤組成物を表3に記載する処理濃度となるように水で希釈した散布液を1週間間隔で3回散布した。1回の散布水量は2.54L/m2(2540L/10a)とし、3回目の散布終了後14日目にイモ個数および根の重量を測定した。結果を表3に示す。表3中の無処理区とは植物活力剤組成物を散布していない区のことである(他の試験も同様)。表3中の各値は、無処理区を100としたときの相対値である。
ジャガイモ(品種:スノーデン)を18cmポットへ植付し、萌芽して茎長が5cmなった時点で、表2の植物活力剤組成物を表3に記載する処理濃度となるように水で希釈した散布液を1週間間隔で3回散布した。1回の散布水量は2.54L/m2(2540L/10a)とし、3回目の散布終了後14日目にイモ個数および根の重量を測定した。結果を表3に示す。表3中の無処理区とは植物活力剤組成物を散布していない区のことである(他の試験も同様)。表3中の各値は、無処理区を100としたときの相対値である。
*処理濃度はエマノーン3201M−Vの濃度を示す。
<実施例2:小麦、大豆及びとうもろこしの育成試験>
小麦(品種:ハルユタカ)、大豆(品種:エンレイ)、とうもろこし(品種:カクテル90)を18cmポットへ植付し、各作物の本葉が2枚展開した時点で、表2の植物活力剤組成物を表4に記載する処理濃度となるように水で希釈した散布液を、1週間間隔で3回散布を行った。1回の散布水量は2.54L/m2(2540L/10a)とし、3回目の散布終了後7日目に各作物の根の重量を測定した。結果を表4に示す。表4中の各値は、無処理区を100としたときの相対値である。
小麦(品種:ハルユタカ)、大豆(品種:エンレイ)、とうもろこし(品種:カクテル90)を18cmポットへ植付し、各作物の本葉が2枚展開した時点で、表2の植物活力剤組成物を表4に記載する処理濃度となるように水で希釈した散布液を、1週間間隔で3回散布を行った。1回の散布水量は2.54L/m2(2540L/10a)とし、3回目の散布終了後7日目に各作物の根の重量を測定した。結果を表4に示す。表4中の各値は、無処理区を100としたときの相対値である。
*処理濃度はエマノーン3201M−Vの濃度を示す。
Claims (8)
- 下記一般式(A1)で示される化合物(A)と、アルキルアルカノールアミド(B)とを含有し、前記化合物(A)の少なくとも一部が板状粒子として存在する、植物活力剤組成物。
R1COO(CH2CH2O)nCOR2 (A1)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって炭素数15〜29のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは平均付加モル数であって、1〜4の数を示す。) - 板状粒子が、下記式(I)による板状度が100以上の粒子である、請求項1の植物活力剤組成物。
板状度=粒子長径×粒子短径/粒子厚み (I) - 前記化合物(A)とアルキルアルカノールアミド(B)重量比((A)/(B)が、0.1〜10,000である、請求項1又は2に記載の植物活力剤組成物。
- 前記化合物(A)と前記アルキルアルカノールアミド(B)とを含有する液状混合物を前記化合物(A)の融点以上に加熱して前記化合物(A)を溶融させた後、前記化合物(A)の融点未満に冷却して得られる液状混合物からなる、請求項1〜3の何れか1項記載の植物活力剤組成物。
- 更に、前記化合物(A)及びアルキルアルカノールアミド(B)以外の界面活性剤(C)、並びにセルロース誘導体(D)から選択される一種以上を含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の植物活力剤組成物。
- 更に、肥料成分(E)及びキレート剤(F)から選択される一種以上を含有する、請求項1〜5の何れか1項記載の植物活力剤組成物。
- 請求項1〜6の何れか1項記載の植物活力剤組成物と水とを含有し、前記化合物(A)とアルキルアルカノールアミド(B)の含有量の合計が0.1〜7,000ppmである散布液を、2〜50,000L/10aの割合で植物に散布する工程を含む植物の栽培方法。
- 下記一般式(A1)で示される化合物(A)とアルキルアルカノールアミド(B)とを含有する液状混合物を化合物(A)の融点以上に加熱して化合物(A)を溶融させた後、化合物(A)の融点未満に冷却する工程を有する、植物活力剤組成物の製造方法。
R1COO(CH2CH2O)nCOR2 (A1)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって炭素数15〜29のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは平均付加モル数であって、1〜4の数を示す。)
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---|---|---|---|---|
JP2017042060A (ja) * | 2015-08-24 | 2017-03-02 | 株式会社Acs | 低カリウム含有青果物の水耕栽培方法 |
-
2010
- 2010-12-09 JP JP2010274612A patent/JP2012121849A/ja active Pending
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